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倍音スペクトル削除法を用いた三線演奏の自動採譜: University of the Ryukyus Repository

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Author(s)

和宇慶, 琢磨; 山城, 毅; 渡久地, 實

Citation

琉球大学工学部紀要(63): 57-62

Issue Date

2002-11

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12000/1477

(2)

琉球大学工学部紀要第63号,2002年 57

倍音スペクトル削除法を用いた三線演奏の自動採譜

和宇慶琢磨*山城毅**渡久地實**

TheAutomaticMusiclranscriptionofSanshinPerfbrmanceUsingOvertone

SpectrumE1iminationMethod

ThkumaWAuKE*TsuyoshiYAMAsHIRo**MinoruToGucHI**

Abstract lnOkmawa,thereisanorigmalstringedinstrumentwhichiscalled',Sanshin,,、Thesemusical instrumentsareplayedwithuniquescorebookcalled,'Kunkunsi,,、Inthispaper,weproposedhow totranscriptthesoundofplayingSanshmtothemusicalnote・Aspreprocessingweattemptpitch distinctionofSanshinsound・Ibdistinctthepitchwetriedtodeletetheovertonespectrum・Inaddition, wederivetheattackmgtimeofSanshmsoundbysharpnessofgoupofwavefbrm、Thedistmctionwith thismethodwasdonehomanactualconsecutiveSanshinsound,andgoodresultswereobtainedonthe singlesoun.. KeyWOrds8Pitchdistinction,Overtonespectrum,Sanshin,nanscription

多重音については対応が出来ない{101.本研究では,三線

演奏が対象となるが,三線曲の多くは演奏者の唄とともに 演奏されたり,ときには他の楽器とともに演奏されるため

[81,この方法は適していないと考えられる.

そこで,本研究では音の周波数スペクトル列を用いて 音高を判別する方法を用いることにした.周波数成分を用

いた音高判別法もさまざまな方法が提案されているが[51,

(61110],本研究では周波数スペクトル分布から倍音スペク

トルを削除する方法により,音高を判別するものとした. 発音時点の測定については,シフトフレームを用いて一 定時間ごとに音高判別を行い,音高が変化した点を発音時

点とみなす方法が主流である[51161,[7].しかし,音の持

続時間が短く,音の立ち上がりが鋭いという三線音の特徴 を考慮すると,処理時間の面でこの方法には無駄が多い. このため,本研究では時間波形上での閾値を用いた簡素 な方法を用いて,発音時点測定を行っている. 本稿では自動採譜の前処理としての音高判別法,発音時 点測定法の検討,および実際の採譜への応用結果について 述ぺる. 2.三線音の特徴 まず,解析対象の三線の調弦(チューニング)について 述べる.三線にはいくつかの調弦法があるが,もっとも 標準的に使われるのが「本調子」と呼ばれる調弦法であ る.これは第一弦開放をq(ド),第二弦開放をFb(ファ),

第三弦開放をα(ド)に,それぞれ調弦する方法であるが

(5)(6],調弦は演奏者の声の高さなどによっても,微妙に

異なり,必ずしもピアノなどで演奏した上記の音と同じ音 高に調弦されるわけではない. 1.まえがき 楽器や肉声で演奏された曲を楽譜に書き直す作業を採 贈といい,音楽的な専門知識や技術を必要とされる作業で ある.この作業をコンピュータ上で自動的に行なう自動採 譜は,音声認職の中でも重要な研究テーマといえ,これま

でにも,さまざまな研究がなされている[41,151,(6],[71110]・

沖縄には三線(サンシン)という,本土の三味線に似た

独特の弦楽器があり,この三線で演奏する楽曲が数多く存

在している.これらの曲は工工四(クンクンシー)と呼ば

れる三線独自の楽譜を用いて演奏され[8119],現在も新し

い曲が演奏されているが,西洋音楽などに用いられる,五 線譜ほどの普及率は無いと思われる.もし,三線の演奏か ら五線譜,工工四の両方に自動採譜が行えるならば,より 多くの人が三線を演奏することができるようになり,また アドリブなどの含まれている実際の演奏から,より正確な 楽譜を作ることも可能になると考える. 本研究では,三線の実際の演奏から自動採譜を行うこと

を目的としてきた(11,[2],[31.自動採譜を行うためには音

高判別と発音時点測定を行う必要がある. 音高(ピッチ)判別の方法には,時間軸上の波形に着目 した自己相関法,ピークトウーピーク法,ゼロ交差検出法 などがある.しかし,この方法では複数の音が重なった, 受理:2001年12月9日 平成13年度愈気関係学会九州支部連合大会にて発表. ・大学院理工学研究科愈気愈子工学専攻 (GraduateStudent,E1ectrica1andElectronicEng.) .・電気融子工学科 (Dept・ofE1ectricalandE1ectronicEngineering,F面c、ofEng.)

(3)

本研究で用いる三線音は,国際標準周波数による’2平 均率音階に当てはまる基本周波数を持つ音高に調弦するも のとする.

なお,国際標準周波数による12平均率音階[2]ではA3

の音の基本周波数が440[HzIとなる音階で,この音階での

Qの音の基本周波数は1308[HzI,Fbは174.6[HzI,qは

261.6{Hzlとなる.

他の調弦法には一場調,二場調,三下調,一二場調があ

るが[51,[6],本稿では/説明は省略する.

三線で演奏できるもっとも低い音が第1弦の開放音で あり,エエ四では「合」という符号で表記される.前述の 本調子で認弦した場合,αの音高となり,基本周波数は 130.8[Hzlとなる. 次にもっとも高い音についてであるが,物理的にはある 程度の高音城まで出せるのだが’一般的な演奏における最 高音は第3弦の下の方を押弦して弾く,「イ五」という音と なり,前述の本調子で調弦した場合,D4の音高と対応し

ており,基本周波数は587.33lHz]である.なお,工工四

に用いられる「工」などの符号は三線の指使い(勘所と呼

ぶ)に直結しており,どの鯛でも変化しない音名(C,D,

Eなど)ではなく,調性によって変化する階名(ド’し,ミ

など)に近いものである[61.

「工」などの音が,どの音高に対応するかは前述の調弦 で定まるが,上記してある表記は,全て本調子の場合であ り,特に断らない限りは今後もそうであるものとする. 0500000 50 一l (熱】}卜噸)哩蝋 05,00010,00015,00020,00025,000 時間(point/44100[sec]) Fig.3.ピアノ音(261.6[Hzl)の時間波形 次に,解析の対象とした三線音の時間波形をFig.1に 示し,比較のため同じ弦楽器のヴァイオリン音とピアノ音 それぞれの時間波形をFig.2,Fig.3に示す.なお,こ

れらは基本周波数261.6[Hz1(q,ドの音)の波形である.

これらの時間変化を比較してみると,アタック時から音 圧がピークに達するまでの時間は,ピアノ音も三線音も短 く,そして減衰していくという波形であるが,持続時間は 三線音の方が短い.また,ヴァイオリン音は,発音形態を 考えると当然の結果として持続時間が長くなる. 次に,三線音の周波数分布の特徴について述ぺる.三線 音,ヴァイオリン音,ピアノ音の周波数スペクトル分布を Fig.4~Fig.6に示す.これらのスペクトル分布を観る

と,基本周波数である261.6[Hz1の整数倍に周波数スペク

トルが現われている.

三線音では通常の場合と異なり,基本周波数(261.61HzD

のスペクトルが小さいという特徴を持ち,また倍音成分 (基本周波数の整数倍)は,他楽器に比べ高次倍音まで豊 かに出ている. グ

哩蝋

8765432

時間(point/44100[secD

Fig、1.三線音(261.6[HzDの時間波形 0 2,000 4,0006,000 周波数(Hz) 8,00010,000 Fig.4.三線音(261.6[HzDの周波数スペクトル分布 100 2109876543210 111 。…・…………《…・……・…・…!……・……-…+……・……・…I…・……・…・…} ……-…一・…$………6…………・-.-+・……-………6.…・………・…+

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00卯5 (》鋼型》小刈“咽)睡壱喫希 -00〒。O〒06千040 一・・》。O}00千0坐0 ■■』■凸 }0,千0.》00下りよI 一一浬‐‐引‐‐釦‐ ■●⑤■勺■ -,‐’一‐‐‐『‐‐→00卍. 『08割000『00忽00丑ロ ー叩皿一ⅡⅡ『叩哩一四唖一》一 100 02,0004,0006,0008,00010,000 周波数(Hz) Fig.5.ヴァイオリン音(261.6[HzDの周波数スペクトル分布

!……"00蝋鑑慨iMHeHiOO’8QO…O00100.0鯛

Fig.2.ヴァイオリン音(261.6[Hz))の時間波形 0

'11

■‐‐-- P O D ⑰c◆、-...け.-..L、-...-...00 0 0 , 0 0 ----⑤-.-.-.。.I...-.....0 0 0 ---L=碑禰窩、U■■_‐ ~ ̄、■囚瓜H4HnUm蝿囚 ・・c・・・.‐.-...0......-.-0 __……-.-..1...--.

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11

■ 0 -。●c■・●●⑤。⑤。●。・・⑪■ら-■●--●・印・-■・■b・・c・ d o 。 ■。,■・・■凸・・・-・▲。①。。。L-缶一一cの・・p■.-c◆・-.▲ 0 O 0 r.......-.-....L,.........▲....~の-0 , ● 、  ̄句。⑤CD。。●。。●●・・・■・「.●。●●●・●・・・・・●c●・● P D C ~c●●●●■●●●●●●~●⑤守一▽ぜ●c●●■⑤●●~つ゛。ご゛●・申  ̄●●●p●●&●●■-●●じわ一寺●■。-。●bo⑤。■●一年●。●■● '■●■■⑰。■・・・・・■■■▲-.6■・▲・・・の■・凸、■。。■●---1.…・……・・--.8……… ■ロ ▽OL」■O0Ll000P▽0.▲U夕。▲U・●・or0B0p0■、申一■●OL00.9』 ●白●ゆ● ●●①句●の ⑤●●。●中● 。●●ゆC□● ■●⑰一ご■●  ̄ 二 百 ̄--  ̄ ̄

(4)

59 琉球大学工学部紀要第63号,2002年 Bo en ヅ・・ v》n

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n 、

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、[k]>max/10 y m2m=m[k] x=m2m-m2[j-1] inc(sum[xD max=m[k] inc(k) 。[i]>max y m[、】=。[n mc[、] max=。[i] inc「il 0 、04-0006DOC8.COOluDuu 、

三三二三

乏亟

Fig.6.ピアノ音(261.6[HzDの周波数スペクトル分布 y ヨユmM>max2mnr2 a倍音成分による音高判別

楽器に限らず,全ての音の音高(ピッチ)は基本周波数

によって決まる.つまり,周波数分布から音高を判別する ためには,基本周波数のスペクトルを調べれば良いしか し,先に述べたように三線音は基本周波数成分が他のスペ クトルに比べて非常に小さく,基本周波数にあたる周波数 域のスペクトルから基本周波数成分を特定するのが困難な

場合が多い.そのため,基本周波数以外のスペクトル,す

なわち倍音成分を用いて晋高の判別を行う必要があり,次 に2つの斉高判別の方法を提案する. 4.スペクトル間隔離み法による音高判別 倍音は、基本周波数の整数倍の周波数を持っているか ら、周波数スペクトル分布の各スペクトルの間隔を知るこ とで基本周波数、つまり求めたい音高を判別する事ができ ると考えられる. そこでまず,スペクトル分布のピーク値を検出しスペク トルの抽出を行う.普通,フーリエ変換後の周波数スペク トル分布には,離散化や符号化,録音時の環境による雑音

などにより,Fig、7のようにスペクトルの周囲に微小なノ

イズが生じる.このノイズの影響を軽減するため,周波数 スペクトル分布内で最大の値を求め,この最大値の1/10 の値でノイズカットを行なう.残った各スペクトルの間隔

ノを求め,基本周波数として音高を判別するという方法が

スペクトル間隔読み法である. スペクトルの間隔をそれらの平均から求めると,ある スペクトルが取れない場合,正しい基本周波数の間隔に比 べて大きくずれてしまい,正しい値が得られない.このた

め,間隔ノの頻度を数えて,最も多い間隔ん。錘を基本周

波数とすることにした.

Fig.7にスペクトル間隔読み法のイメージを,Fig.8

にアルゴリズムを示す. fffZff y max2=sum[y] inc[y]

fumM

- n iTDitin1VH11Ie 色:samPlingfrequency nn:FETcuttingperiods i,j,k,s,max,max2=O x,y,f,m[O],m2[O]=O sum[0..nn/2]=o n=1 >f白/2 s=sum[max2] 企画s plchdetection

CID

Fig.8.スペクトル間隔読み法(アルゴリズム) この方法を用いて音高判別を行ったところ,単音につい て倍音成分が豊かに出ている場合には,ほぼ正確に音高を 判別することが出来た. しかし,音域や奏法によって倍音があまり出ていない場 合には,良好な結果が得られない. 5.スペクトル削除法による音高判別 前節で述べた音高判別法は,単音の場合には,ほぼ良好 な結果が得られた. しかし,前節の方法は,多重音の場合,スペクトルの間 隔が基本周波数にはならないことが原因で,音高を判別す ることができない. 本研究では多重音についても音高が判別できることを 目的としている.そこで,多重音に対応できる可能性のあ る方法として,スペクトル削除法を考案した. ある音高の楽器音のスペクトル分布から,その音程に対

応する周波数とその整数倍の成分(倍音成分)のスペクト

ルを取り除くと,スペクトルはほとんど残らない.例えば,

図4の音のスペクトル分布から261.2[Hzl,および440[Hzl

間隔でスペクトル削除を行ったスペクトル分布図をFig.

9,Fig.10にそれぞれ示す.2つの図を比べてみると,音

高の基本周波数に近い周波数間隔で削除したスペクトル分

布(Fig.9)に比べ,基本周波数に一致していない周波数間

隔によって削除したスペクトル分布(Fig.10)の方がスペ

クトルがより多く残っていることが分かる. スペクトル削除法は,音高を判別する際,まず各音高の 基本周波数の整数倍でスペクトルを削除し,残りのスペク トルを合計する.その合計が最小値となる周波数に対応し た音高を,その音の音高と判別する方法である. maX max/I 数(Hz) (基音)

2iii-基本周波数はピ

Fig.7.スペクトル間隔腕み法(イメージ) 2 1 0 9 8 7 6 5 4 3 2 】 0 02,0004,0006,000 周波数(Hz) 8000010,00

i'零J■三

。●●・・ ̄ ̄◇~~ ̄~~~●。・・「●・ ̄●■●●じ゛・●。.。● ̄。b 、 ●■●●CCC●●●の■~■■●・゛「~~~■●c●●●●●●。o●●● 、 .。...-..口..-...%-◆--...-一・・・・・‐・年D O C●●●●午=--●の■-■■■・・し⑤●。■。⑪ご●●●●●●●●●・ U O ■●●■●--,■・・●ロー●●●●● ̄●●●'■●●●。■■-■⑪●-■● ●印■■・---■■・■●し。●●■PS●。●■~~~。~~■■■●~~ 0 ・申守CoCc--~●。●~~●CQ「■●⑰~■■●● ̄●●■●の゛● ̄ 、 O ●c●■● ̄~■!■~!■●●■■■■CFC●● ̄~CcC●●●~●●!■■匂 0 0 ●己●●●■■ ̄● ̄■●□● ̄●●~。●。●。 ̄cc●●S●'■●●●c● ̄ 0 .......こ=...e==..L・ごむ■■-.-....・・・。■ ●■C●。■■●■缶■》 ●■●●●■●●● ●●●凸■●●●●■■ ⑥■●■の。■。■ロ●■ ●■②■●●■●』》』』 ●●●●』。●◆■ ●●●■●ロ■●●●●■ の■◆□●●●●の●》● ●●●●⑤■●●●● ●■け●●●■●■■。 ●●⑤■●■●●■C早 ●▲●●⑰■。》一一 ▲寺■』●■⑤●●● 。●◆字●ロ●● ■●●●●■。■● ◆CP●◆●●匂C匂。』 。Sc▲⑰■■の●

(5)

876543210 0 11周調 Fig.9.261.6[Hzl間隔でスペクトルを削除したスペクトル分布 スペクトルの合計を 26種類について求める 0 最小の合計値を鯛ぺる(Cが最小) O この音はc[Hz】に対応する音程 A=a[1]+aI2]+… B=b[1]+b【2]+… C=Cu]+c(2]+… Fig.11.スペクトル削除法(イメージ) 0 旬ME題 Fig.10440[Hzl間隔でスペクトルを削除したスペクトル分布 ■ ■ lnCl

スペクトル削除法のイメージとアルゴリズムを,Fig.

11とFig.12にそれぞれ示す. 6.オクターブ判別

前節で説明した倍音スペクトル削除法によって音高判別

をおこなったところ,オクターブ違いの音高と誤判別する

ことが多かった.

そこで,最初に調べる音高の種類を判別範囲内の一番低

い1オクターブに限定し,その後でオクターブ上の音と比

較して最終的な音高を判別を行う二段階の方法を用いた.

以下に詳しい説明を行う.

ある音の基本周波数をノとすると,1オクターブ上の

基本周波数は2倍の2ノとなり,この音は,ノの奇数倍の

成分(2i-1)ノド=1…z]を持たないよって,いったん

判別された音高の基本周波数をFとし,式1によって奇

数倍成分の合計を求め,しきい値Tbによりオクターブ判

別を行う.

ただし,zは倍音の数も考慮し,3から5の間の整数と

し,Thは一定の閾値とする. frm=frlj fr[j]=缶[j]+d[i]

2≦参

inc[j] f=frに]

≦参

CD

initialvalue min=ユOOOOO i,s,ji=o f,fで[1..26]=O j=1 nn:FFTcuttingpemods 角:Bamplingfrequency frU]=frequenCyofC2 : : fr[26]=frequencyofD4 Fig.12.スペクトル削除法(アルゴリズム)

することで処理されるので,各音の発音時点(アタック時

点)を正しく測定する必要がある.

三線音は,Fig.1に示したようにアタック時の音圧が

ピークに達するのが非常に速い,つまり音の立ち上がりが

鋭い.このことを利用し,音圧がある閾値を越えた点を発

音時点とした.また,三線斉は減衰も非常に速く,0.11sec}

以内では,ほぼ確実に閾値(音圧ピークの12%)以下になる.

よって,次の発音時点は,最初に発見された発音時点か ら01[secl後の時点以降を探すこととしたが,既に次の音

が始まっていることも考えられる.このことも考慮し,探

索開始時点に近い時点で,発音時点が見つかった場合は,

時間軸とは逆向きの近傍にもっと振幅の大きい時点を探す

S迦、=言Z(2'-1)P

1 (1)

…癖{艀:三雲②

オクターブ判別を加えて改良した,スペクトル削除法の アルゴリズムをFig.13に示す. 7.発音時点の測定

自動採譜は,連続音のそれぞれの音について音高を判別

8 7 6 5 4 3 2 1 0 Z,UUU4,000 6,000 周波数(Hz) 8,000 10,00 B●ロ●Ⅱ■Ⅱ■ ̄ DCの1■■ ̄■ bC1■●●●-

鋼|■

O qO OO ■■ ̄-- ̄ ̄■。一一●● ̄●C-口-■-----.■ 0 0● 0 --●つつ。。■,凸■-。・--.・J--T----c C0 00 00 00  ̄ ̄0■■ ̄ ̄CCTo-0■'■■■~●勺一一■--0■'■■ O CC■U■'■-1■I■●CQ 。⑤■・●■竃=-==■。。‐ 0 ----.--.十一一・・・・・・1.---’| …--1.…-.1…-- 0■⑤-0■--・・」-.0■,■。。。。」-.-.----0 1I

IJ71灯:.;i了丁=

00 00 00 -● ̄■。■1■凸一勺。= ̄U■ ̄ ̄● ̄■ ̄ ̄ ̄い ̄● ̄~ DO D0 00 -..---・C4-cC-----J==・ろ-.-- 00 00 00 0 ...-,--.-.-..6---... 00 00 00 の■■⑤■・●。d●■----■。●い●●c ̄■■● 0 0001000句BOP --.---1---.-.-. ●。●●。 ̄-つ●の 0 、・・◆一・・■」----■,c・-J-,■-,■・・-● OU OU OO OD p-CCC■●■ヨーーー ̄。c一つT-■■--。●● 0 ■‐-q-IId⑥0010勺0010 ● 』 一 ・ や 』 』 一 ● 。 ● ・ ・ 。 。 ご 一 つ 』 C ⑤ ・ ・ ● ・ ウ C ▲ ● ■ } 。 ⑤ ■ P C ■ 。 か つ ● ● 』 』 ● ■ 。 ● 。 ● ■ ■ ■ C C C ● ● ■ P b

(6)

琉球大学工学部紀要第63号,2002年 61 これは演奏曲中の連続した音に対して,それぞれ勘所

(三線の音階)と西洋音階、発音された時間,平均率に対応

した音高を出力させている.

Fig.15については全ての音の発音測定,音高認職がで

きている(TABLE1)が,Fig.16は,矢印の部分の音に

ついて発音時点の測定に失敗している.(ⅢABLE2の7番

目と8番目の間に実際は音がある)原因としては,この音

の振幅が非常に小さいことが挙げられる.

辱の

Inc、]

lrUHrDl・dIi]||_し

廷彦

incⅢ

垣参

C1.つ

時間(poinW4100[secD Fig,15.安里屋ユンタ(冒頭の ̄部) initialvalue 勘所【斉附l発行時 fs:samplingfrequency fr[1]=frequencyofC2 : : M12】=frequencyofB2 min=100000 11s,jl,sum=O fJr[1..12]=O j=1 nnFFTcuttingperiods th:Thrershold xjnteger(3or40r5) Fig.13.スペクトル削除法(改良後アルゴリズム) ことによって修正をするようにした.

発音時点測定の例をFig.14に示す.閾値を超えた丸で

囲んだ点が発音時点として測定されている. TABLE1判別結果(安里屋ユンタの冒頭部) 飢醒、小⑬元如頚、小唄BⅢ弔泗川釦錘到》や小 且一iil 時間(poinV44100[sec】) Figla安里屋ユンタ(中間の一部) mlnImOmmRWn無HYh前IY刃田皿⑧1m巴ImmlTm唖In1[、瓜ェ

時間[point/44100sec]

Fig.14.連続音における発音時点の測定 8.処理結果 沖縄民謡である「安里屋ユンタ」の演奏波形の一部を

Fig.15,Fig.16に示す.またこれに対して,実際に採

贈処理を行った判別結果の一部をIykBLE1,mBLE2に 示す. TABm2判別結果(安里屋ユンタの中間部) mMmn■m回凹句功卸伯0扣知、。⑧⑥釦⑪回 巴エmJDpDここCメ、□唾、幻□⑥亜Wm50 勘所(音階) 発音時間Isocl 杏商 11111 $j、lアjアGIファ、Jfjア、J1 ラドフドブドプフレドブソヲ ーllllllllllll 中工七合七合七七五工四上中

函岬峰噸郡刮麹緬揮麺麺理“

胆図肉塵門塵門門匹哩陀哩胆 勘所(音階) 発脊時間「SOCI 脊高 11111 1,1アjアーアァ・J1ア ラドプドフドフプレドプ ーーーーーーIllIl 四合四上合上中合上合乙 11111111111

噸咽繩偲辨鍼訓蕊釦狸躯

臣哩鹿塵哩匪胆、胆、頤

卜..-■.L■. ■ ロ■白。●●し●・ 0 ・●◆●●●P●● O DC●●●cP●● 0 .●●。⑤■「■ ̄ ●●●●巳 年■●。● -0》O》・子士。 ●ご●●◆ ●■●●● ●●●の● ●■■申● 一・千、》B》《0 ●●●●● ⑤■⑪●● ●●■●● ●』■』● 《5》・子・〒〈■ ●の■●● ●●■●■ ■の■巴■ ■句●■■ +0〒■〒0千{■ ■s▲』■ 。●◆●■ ●Cロ●■ ●cc□■ ▽-0-■》d子士9 ご}●■⑤ ●仁●■● ●勺。こ● ●。●●● }■一G千.孑土0 C● 。● 主0や□》・子《6 ■● ●⑪ 0 9 今●⑪一●ロ■ 守●■●◆●● ←■■■●の■ ふけ〒0》■T《■《■{ ①●●● ⑤』●● 句(6)5千0千《0《□一 ■◆■ 台●● 已亡●● ■{■-0}0千△ ■▲●● ■■■● ●。●● ●の●● 6空・}○一0千△ ●■● ●暉晤 ら

嚢一議嚢蕊灘

LLILLLLhL

LLL_

rT1w「r「、

発音時点の測定に失敗

(7)

この曲の演奏全体での発音された音は241音、そのう

ち、正しく判別できたものが234音,音を抽出できず判 別できなかったものが6音,誤判別が1音であった.判別 成功率は約97.1%であり,高い精度で判別できている

ことがわかる(TABLE3).

また,TABLE1,IVkBLE2を見ても分かる通り,本方 法では,細かい発音時点の測定が可能であり,一定のテン

ポではない微小なずれを検出することも可能であると考え

られる. また,振幅の小さい音の発音時点が測定できないという 問題についても,発音時点測定法を改良する必要がある.

最終的には実際の楽譜を作成するほか,当研究室の琉球

サンシン自動演奏ロボットへの入力データとしての応用も 考えている. 参考文献 [11和字艇琢磨,山城毅,渡久地寅:''スペクトル削除法を用いた三線 演奏の自動採騎',,平成13年度飽気関係学会九州支部連合大会鰭文 典,pp489,(2001). [2]和字塵琢磨,山城毅,渡久地責:',倍音スペクトル削除法による 三線音の音高判別''’2001年賦子情報通信学会総合大会鱒演騰文 築1,-14-6,(2001). [31和字塵琢磨,山城毅,波久地貸:',倍音スペクトル削除法による三 線音の音程判別,',平成12年度愈気関係学会九州支部連合大会臘文 梨,pP750,(2000). [4]井口征二:"音楽情報の処理一愈子計算機を用いた自動採贈'',叶測 制御,voL19,no、3,pp、314319,1980. [51梅本敏孝,宵島伸治:,,採爾システムの檎築と音高抽出精度の比較,', 計測自動制御学会鯰文集,vol、29,no、10,pp,1227-1231,(1993). [61三輪多恵子,田所喜昭,斎藤努:''くし形フィルタを利用した採贈 のための異楽器音中のピッチ推定',愈子傭報通信学会鶴文時(D II),J81-D-II(No.9〕,pp、1965-1982,Sep(1998). [71三輪明宏,守田了:''ステレオ音楽音12N簡号を用いた三重層に対する自 動採耐',,愈子情報通信学会鹸文鰭(D-II),J84-D-II(No.7),pp・l95L 1960,Jul(2001). [8]山内秀吉:"琉球音楽の研究‐さんし〃',,山内秀吉琉楽句暁会,(1996). [9}祖慶剛:',蔚醗古典音楽-野村流稽古本一",サン日嘱I,ppl-pplO,(1962). [101長尾真,宇津呂武仁,島津明,匂坂芳典,井ロ征二,片寄燗弘:” 正判別膿判別未判別正解率 2341697.1% TABLE3判別結果(安里屋ユンタ全体)

しかし,安里屋ユンタはかなり好結果の例であり,その

他の曲についても同様の処理を行ったところ,成功率にか

なりのばらつきが見られた.平均するとおよそ’70%程

度である. 9.むすび

今回,三線曲の自動採譜に必要な三線音の音程判別と発

音時点を調べる手法を提案し,実際に演奏された曲に対し

て,自動採譜処理を行い,音高,発音時点ともある程度高

い精度で判別できることを示した. しかし,まだサンプルが少なく,結果にばらつきも多い

ため,今後は多くのサンプルに対して処理を行い,その有

文字と音の情報処理'',岩波書店,pp、163-189,(2000) 効性をさらに検証していきたいと考えている. 正判別 誤判別 未判別 正解率 234 1 6 97.1%

参照

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