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Ⅰ 世界の農産物需給の将来予測 ( 食料需給見通し ) 1. 中長期的に見た食料需給見通し (215 年 3 月公表 ) ( 今後 1 年間 世界の食料需給は 穀物等の需要が供給を若干上回る状態が継続し 穀物等の価格は横ばいに近く緩やかな伸びで推移 ) 近年の国際的な食料需給の背景には 中国やイ 図

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第Ⅴ章 世界の農産物需給の将来予測

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-103-Ⅰ世界の農産物需給の将来予測(食料需給見通し)

1.中長期的に見た食料需給見通し(2015 年 3 月公表)

(今後 10 年間、世界の食料需給は、穀物等の需要が供給を若干上回る状態が継続し、穀物等の価格は横 ばいに近く緩やかな伸びで推移) 近年の国際的な食料需給の背景には、中国やイ ンド等の新興国・途上国の経済発展による食料需 要の増加と総人口の増加、世界的なバイオ燃料の 原料作物としての穀物・油糧種子需要による下支 え、世界各地における天候不良の影響といった今 後とも継続する構造的な要因があるものと考えら れる。 こうした中、農林水産省農林水産政策研究所に よる「2024 年における世界の食料需給の見通し (2015 年 3 月公表)」の予測結果では、今後もコ メを除き、穀物等の需要が供給を若干上回る状態 が継続し、2006 年以前の水準には戻らないが、穀 物等の価格は横ばいに近く緩やかな伸びで推移す ると見られる。 この予測は、2012 年を基準年(2011-13 年の平 均)として 2024 年の食料需給を見通したもので あり、その前提となる総人口は、アジア、アフリ カなどの新興国及び途上国を中心に増加し、2024 年には79.7 億人に達し、1 人当たり実質GDPも 9,945ドルと28.5%増加する見通しである。また、 世界の経済成長はまばらであり、一部の先進国や 新興国が減速して緩慢だが、中期的には今後も緩 やかに成長すると見込まれることから、引き続き 新興国・途上国等の人口増加や経済発展が食料需 要に影響を与えていくことが伺える(図 Ⅴ-1、 図 Ⅴ-2)。 図 Ⅴ-1 世界の総人口と 1 人当たり実質GDP 11.7 12.2 12.5 49.3 58.3 67.3 $6,598 $7,740 $9,945 -10,000 -7,500 -5,000 -2,500 0 2,500 5,000 7,500 10,000 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0 140.0 1999-2001年 2011-13年 2024年 61.0億人 79.7億人 70.5億人 (9.5億人増) (11百ドル増) (22百ドル増) (9.2億人増) (ドル/人) 1人当たりGDP (右目盛り) 途上国 先進国 人口 (左目盛り) (億人)

資料:世界銀行「World Development Indicators 2014」、 国連「World Population Prospects:The 2012 Revision」から試算。 : 注:図中の1999-2001 年、2011-13 年はそれぞれ 3 か年平均の数値。(本節中、以下同じ。) 図 Ⅴ-2 主要国の経済成長率の見通し -10.0 -5.0 0.0 5.0 10.0 15.0 1999年 2003年 2007年 2011年 2015年 2019年 2023年 (%) 中国 インド ロシア ブラジル 米国 日本 EU

資料:IMF「World Economic Outlook 2014」から試算。

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-104-予測結果では、今後、農産物需要の伸びは鈍化 しつつも、総人口の継続的な増加、所得水準の向 上等に伴う新興国および途上国を中心とした食 用・飼料用需要の増加に加え、緩やかな増加にと どまるバイオ燃料原料用需要の下支えもあり、世 界の穀物の消費量は 27.4 億トンに達する見通し である。特に、肉類消費量の増加などから飼料用 の穀物消費量は 23%と食用等に比べて高い伸び 率を示している(図 Ⅴ-3、図 Ⅴ-4)。こ の穀物需要の増加に対して、穀物生産は、収穫延 べ面積の増加は多くないものの、主に単収の増加 で生産量を増加させることが見込まれる。 2024 年におけるとうもろこしの地域別需給を 見ると、基本的に生産量および消費量は、すべて の地域で増加する見通しで、特に、アジアおよび アフリカにおける純輸入量の増加を、米国に牽引 される北米およびブラジルに牽引される南米に よる純輸出量の増加がまかなう見通しとなる(図 Ⅴ-5)。また、大豆の地域別需給を見ると、大 豆の生産量の伸びはアジアと欧州で相対的に低 く、中南米・北米の生産量の伸びが高くなる一方 で、消費量はアジアを中心に増加する見通しとな る。アジア(特に、中国)および欧州における純 輸入量の増加を、ブラジル、アルゼンチンが牽引 する中南米による純輸出量の増加でまかなう見 通しとなり、世界の地域的な食料の偏在化の傾向 は継続する見通しである(図 Ⅴ-6)。 図 Ⅴ-5 とうもろこしの地域別貿易量(純輸出入量) 図 Ⅴ-6 大豆の地域別貿易量(純輸出入量) 46 34 16 11 57 27 11 0 20 40 60 (純輸出量) 1999-2001年 2024年 2011-13年 26 6 2 8 37 12 13 50 15 29 0 20 40 60 北米 中南米 オセアニア アジア 中東 欧州 アフリカ (百万トン) (純輸入量) 24 2 17 1 76 2 13 2 99 2 19 2 0 50 100 北米 中南米 オセアニア アジア 中東 欧州 アフリカ (百万トン) (純輸入量) 28 15 41 52 40 81 0 50 100 (純輸出量) 1999-2001年 2024年 2011-13年 図 Ⅴ-3 穀物消費量と 1 人当たり年間肉類消費量 143 158 1,152 1,364 1,597 680 802 986 33 38 42 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 0 1,000 2,000 3,000 4,000 1999-2001年 2011-13年 2024年 (5kg増) (4kg増) 18.3億トン 23.1億トン 27.4億トン (4.8億トン増) (4.3億トン増) (18%増) (18%増) (17%増) (23%増) (kg/人/年) 穀物消費量(左目盛り) 1人当たり年間肉類消費量(右目盛り) 食用等 飼料用 (10%増) バイオエタノール 原料用 (百万トン) 資料:農林水産政策研究所「2024 年における世界の食料 需給見通し」を基に農林水産省で作成 図 Ⅴ-4 穀物生産量 1,834 2,322 2,740 0 1,000 2,000 3,000 1999-2001年 2011-13年 2024年 (百万トン) 資料:農林水産政策研究所「2024 年における世界の食料 需給見通し」(以下「世界の食料需給見通し」と表記。) 資料:以上すべて、農林水産政策研究所「世界の食料需給見通し」

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-105-図 Ⅴ-7 小麦の地域別貿易量(純輸出入量) 43 16 11 45 20 40 49 24 56 0 20 40 60 (純輸出量) 1999-2001年 2024年2011-13年 7 21 14 25 12 31 20 42 14 35 24 54 0 20 40 60 北米 中南米 オセアニア アジア 中東 欧州 アフリカ (百万トン) (純輸入量) 資料:以上すべて、農林水産政策研究所「世界の食料需給見通し」 小麦の地域別需給をみると、消費量に比べて生産量の水準が相対的に低いアフリカ・中東などの途上 国を中心に純輸入量が増加。欧州(ロシアを含む)とともにオセアニアでも純輸出量が増加し、米国の 純輸出量は若干減少する見通し(図 Ⅴ-7)。 さらに、米の地域別需給をみると、米の世界の生産量および消費量はアジアが9割程度を占め、アジ ア中心の品目であることが明白で、今後も需給は拡大するが、それ以外の地域では、特にアフリカ・中 東で消費量が増加する傾向を示す見通し。アフリカ・中東で人口増により純輸入量が増加し、アジアの インド、ベトナム、タイを中心に、純輸出量を増やし、アジアからアフリカ・中東への貿易が拡大する 見通し(図 Ⅴ-8)。そして、肉類の地域別需給をみると、肉類の中でも、鶏肉の世界全体の生産量 および消費量が牛肉を超え、豚肉はアジアを中心に生産量および消費量が増加し、牛肉の生産量および 消費量の増加は相対的に低い見通し。中東・アフリカにおいても純輸入量が増加する見通しだが、特に アジアの純輸入量の伸びが大きい。これらの純輸入量の増加を、ブラジルを含む中南米および米国を含 む北米を中心とする純輸出量の増加でまかなう見通し(図 Ⅴ-9)。 図 Ⅴ-8 米の地域別貿易量(純輸出入量) 図 Ⅴ-9 肉類の地域別貿易量(純輸出入量) 2 12 2 20 2 30 0 20 40 (純輸出量) 1999-2001年 2024年 2011-13年 1 4 1 6 1 7 2 13 9 1 21 0 10 20 30 北米 中南米 オセアニア アジア 中東 欧州 アフリカ (百万トン) (純輸入量) 3 1 2 6 4 2 9 8 3 3 0 10 20 (純輸出量) 1999-2001年 2024年 2011-13年 4 1 1 6 3 1 2 14 5 5 0 10 20 北米 中南米 オセアニア アジア 中東 欧州 アフリカ (百万トン) (純輸入量) 資料:以上すべて、農林水産政策研究所「世界の食料需給見通し」

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-106-穀物及び大豆の価格は、需要が穀物等の供給を僅かに上回る状態で、価格の伸びは緩やかに推移し、 基準年の 2011-13 年に比べて名目で 27~35%、米を除き実質で 2~5%で上昇する(米は実質で-0.1% の横ばい)(図 Ⅴ-10)。また、肉類の価格は名目で35~40%、実質で 3~10%上昇する見通しとな り、鶏肉の伸びが肉類の中で一番高く、牛肉の伸びが最も低い見通しである。 図 Ⅴ-10 主要穀類及び大豆の国際価格 0 100 200 300 400 500 600 700 800 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020 2022 2024 大豆 とうも ろこ し 小麦 米 (-実線:名目価格、 …点線:実質価格) (ドル/トン) 資料:以上すべて、農林水産政策研究所「世界の食料需給見通し」 注:小麦、とうもろこし、大豆の将来の名目価格は、米国の消費者物価指数(CPI)を用いて算定し、 米はタイのCPIを基に算定している。

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-107-【世界食料需給モデルによる予測結果「2024 年における世界の食料需給見通し」について】 (2015 年 3 月公表) 1 世界食料需給モデルの性格 「世界食料需給モデル」は、将来にわたる人口増加率や経済成長率について一定の前提を置き、価 格を媒介として各品目の需要と供給を世界全体で毎年一致させる「同時方程式体系需給均衡モデル」 であり、約6千本の方程式体系から構成されている。 2 世界食料需給モデルによる試算の前提条件 本予測は、日本を含め各国政策の変更や今後の気象変動などを配慮していない自然体の予測(ベー スライン予測)として試算を行った結果である。 具体的な前提条件は、以下のとおりである。

■ 人口は、国連の予測「World Population Prospects : the 2012 Revision」に基づいている。

■ 実質GDP は、世界銀行「World Development Indicators 2014」、実質経済成長率は、IMF「World

Economic Outlook 2014」に基づき推計している。 ■ 耕種作物の単収は、近年(5~10 年程度)の実績による傾向値に基づいており、単収の伸びが継続す ることを前提としている。 ■ 作付面積(延べ面積)の拡大には、特段の制約がないことを前提としている。 ■ とうもろこしのバイオエタノール原料用の需要及び大豆油・その他植物油のバイオディーゼル原料用 の需要については、その需給関数をモデルに内生化したことで、原油、とうもろこし、大豆油、その他 植物油の価格などにより需要が決定する仕組みとしているが、米国のバイオエタノール優遇税制は2011 年末に失効したものの、米国・ブラジル等のバイオ燃料の目標使用量が今後も継続することを前提とし ている。 (参考)世界食料需給モデルのシミュレーションの流れ(農林水産政策研究所 古橋元 主任研究官 作 成) 全地域の各品目 需給ギャップ計測 (純輸出入量) 単収・1頭当たり生産量 各国の各品目供給 国内・地域中間価格 国際価格 生産要因 (収穫面積、 畜産頭数等) 各品目の 均衡価格の予測 当該品目需要量 人口、GDP 当期の畜産 物生産量 在庫量の増減 飼料用需要 工業用等需要 食用需要 収穫面積 消費者価格 生産者価格 バイオ燃料需要 エネルギー等 価格 バイオ燃料生産 の純収益 ※とうもろこし、大豆、 その他油糧種子に適用

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-108-2.超長期的にみた食料需給見通し(2012 年 6 月公表)

(2050 年には 92 億人を養うために、食料生産全体を 1.6 倍引き上げる必要がある。このうち、穀物は 1.7 倍の生産増加が必要となる。) 国際的な食料需給は、途上国の経済発展、バイオ燃料用需要の増大、地球規模の気候変動の影響等の 構造的な要因を背景として、2008 年以来、ひっ迫傾向に転じている。こうした中、長期的には農地、水 資源、エネルギー資源、地球温暖化、家畜伝染病、農業技術、人口増加、経済成長等の様々な自然・社 会環境等の要素が食料需給をひっ迫させる可能性がある。 こうしたことから、農林水産省では、政策の長期的な方向性の検討等のため、30 年後、50 年後とい った超長期的な世界の食料需給動向を予測し、我が国の食料安全保障に資する必要があることから、「世 界の超長期食料需給予測システム」の研究・開発及びこれを用いた2050年の食料需給の姿を描くベース ライン予測を行った。 【食料生産と需要】 予測によれば、2050 年の世界の総人口は、2000 年に比べ 32 億人(1.5 倍)増加し、92 億人に達する。 (開発途上国 1.94 倍、中間国 1.40 倍、先進国 1.04 倍) 2050 年の世界の GDP 総額は、2000 年に比べ 82 兆ドル(3.8 倍)増加し、111 兆ドルに達する。特に、 開発途上国、中間国の経済成長が著しく、それぞれ15.1 倍、9.1 倍となり、先進国の 2.0 倍を大きく上 回る急速な成長の見通し。(図 Ⅴ-11、Ⅴ-12) 資料:農林水産省「2050 年における世界の食料需給見通し」ベースライン予測結果。(本節中、以下同じ) 注:図中の所得階層区分は、2000 年の世銀データを基に、1人あたり GNI を基準に、開発途上国(755 ドル以下)、 中間国(756-9,255 ドル以下)、先進国(9,256 ドル以上)とした。また、2000 年の数値は、1999-2001 年の 3 か年平均である。 2050 年に 92 億人を養うためには、食料生産を 1.6 倍引き上げる必要がある。このうち、穀物生産は、 29.3 億トンとなり、2000 年に比べ 11.5 億トン(1.7 倍)の生産の増加が必要となる。(図 Ⅴ-13) 図 Ⅴ-11 所得階層別の将来人口の変化 9.0 9.3 30.4 42.8 20.8 40.3 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0 2000年 2050年 先進国 中間国 開発途上国 60.2 92.4 (億人) 図 Ⅴ-12 所得階層別の GDP の変化 22.6 46.3 5.8 52.5 0.8 12.1 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0 2000年 2050年 先進国 中間国 開発途上国 110.9 29.2 (兆ドル) 図 Ⅴ-13 世界全体の食料生産量の変化 17.8 29.3 2.4 4.0 16.6 24.1 7.9 12.0 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 2000年 2050年 穀物 油糧種子 その他農産物 畜産物 69.3 (億トン) 44.7

(8)

-109-需要面では、人口増加や経済発展を背景に、 2050 年に、開発途上国では 2.1 倍に増大、中間 国でも1.5 倍の増加となる。特に、中国、イン ドは世界の食料需給に大きな影響を与える存 在となる。(図 Ⅴ-14) 【穀物の地域別需給見通し】 1 2050 年の穀物生産量、需要量は、各地域とも に増加の見通し。特に、生産量では、アジアが 世界の4 割の生産を支え、需要量では、人口増 加や経済発展が著しいアフリカでの伸びが生 産量の伸びを大きく上回る見通し。 2 このような需給の動きにより、アフリカ、ア ジアは純輸入量が拡大、特にアフリカの純輸入 量は2000 年に比べて、3.1 倍に拡大する。一 方、北米は純輸出量が拡大し、中南米は、輸出 超過に転じる。(図 Ⅴ-15) 【主要穀物等の需給見通し】 1 小麦 2050 年の世界の生産量は、2000 年に比べて 1.6 倍に達し、9 億 2,400 万トンとなる。地域別には、ア ジアと欧州で大幅に増加し、需要量では、アフリカで約2 倍の伸びとなる見通し。 2 米 2050 年の世界の生産量は、2000 年に比べて 1.5 倍に達し、6 億 1,600 万トンとなる。生産量・需要量 ともに、アジアが世界の約 9 割を占める。アフリカで需要量の伸びが高く、約 2.4 倍に達し、輸入超過 が拡大する。 3 とうもろこし 2050 年の世界の生産量は、2000 年に比べて 1.8 倍に達し、10 億 6,400 万トンとなる。生産量の伸び が大きいのは中南米で、2.3 倍に達し、輸出供給基地となる。アジア、アフリカで純輸入量が大幅に増加 する。 4 大豆 2050 年の世界の生産量は、2000 年に比べて 1.7 倍に達し、2 億 8,000 万トンとなる。中南米の生産の 伸びが大きく、北米を抜いて世界一の供給基地となる。需要では、アジアで伸びが高く、世界の需要量 の約4 割を占め、輸入超過が拡大する。 図 Ⅴ-14 所得階層別の需用量の変化 図 Ⅴ-15 穀物の地域別貿易量(純輸出入量) 69.3 44.7 (億トン)

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【畜産物の見通し】 2050 年の世界の生産量は、2000 年に比べて 1.5 倍に達し、11 億 9,500 万トンとなる。生産は地域 別には変わらないものの、アジアで需要に生産が追いつかず、輸入が拡大するとみられる。 (詳細は、【参考1】P113~P126 を参照) 【世界の超長期食料需給予測システムによる「2050 年における世界の食料需給見通し」について】 1.世界の超長期食料需給予測システムの性格 本予測は、将来にわたる人口や経済成長率、気候シナリオについて一定の前提を置き、農業 生産者や消費者の経済活動をミクロ経済理論・市場価格メカニズムに基づく定式化を行った上 で価格を媒介として各品目の需要と供給を世界全体で一致させる「部分均衡分析モデル」をベ ースとしており、5 万 4 千本の方程式から構成されている。 2.世界の超長期食料需給予測システムによる試算の前提条件 予測期間中、対象国・地域において現行の経済政策、農業政策がすべての国・地域において 継続し、農業生産面においても現状の生産性の向上や技術進歩が予測期間中も継続することを 前提とした予測(ベースライン予測)であり、具体的な前提条件は以下のとおりである。 (供給) ・ 気候変動 (人口・経済シナリオ)は、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第4次報告 (AR4)で提示された SRES シナリオに沿って計算された気候モデル(MIROC B1 シナリ オ)による結果を利用。 ・ 単収の増加は、作物ごとに1970 年から 2008 年の単収の推移を基に、ベースライン予測にお ける生産性の伸び率を決定。 ・ 収穫面積の動向は、生産者が想定する収入は前期の価格に基づくものであり、総収穫面積の 中で利潤が最大化されるように各作物の収穫面積を決定。 (需要) ・ 世界の人口・経済成長 (人口・経済シナリオ)は、IPCC(気候変動に関する政府間パネル) 第4次報告(AR4)で提示された SRES B2 シナリオを利用。 ・ バイオ燃料のシナリオは、2020 年までのバイオ燃料需要は、OECD-FAO(2011)の Agricultural Outlook2011-2020 の見通しを採用、2020 年以降の増分については第二世代のバ イオ燃料が賄うこととして設定。

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-111-Ⅱ 世界の農産物需給の将来予測(参考資料)

【参考1】 ・2050 年における世界食料需給見通し(ベースライン予測結果)の概要 1 世界人口及び GDP の見通し ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・113 2 世界の農産物単収の見通し ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・114 3 世界の食料需給見通し ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・115 4 地域別需給見通し ①穀物合計・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・116 ②小麦・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・117 ③米・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・118 ④とうもろこし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・119 ⑤大豆・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・120 ⑥畜産物・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・121 5 中国の需給見通し ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・122 6 インドの需給見通し ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・123 7 バイオ燃料の見通し ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・124 (食料モデル需給モデルの概況) ・世界の超長期食料需給予測システムの概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・125 ・ベースライン予測の前提条件・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・126 【参考2】 ・食料需給予測モデルの比較(2013 年と 2050 年) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・127 ・2023 年予測と 2050 年における人口、GDP、一人当たり GDP の比較 ・・・・・・・・・128 ・2023 年予測と 2050 年予測おける生産量・消費量の比較 ・・・・・・・・・・・・・・・129 ・2023 年予測と 2050 年予測における純輸出量の比較 ・・・・・・・・・・・・・・・・・132 ・利用上の注意 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・134 ・一人当たりの実質GDP(所得指標)の対前年増減率 ・・・・・・・・・・・・・・・・・135 【参考3】

・FAO「World Agriculture Towards 2030/2050」(2050 年までの世界の食料需給見通し) 136 【参考4】

・OECD-FAO「Agricultural Outlook 2014-2023」(農業アウトルック 2014-2023)・・・・138 【参考5】

・USDA 「Agricultural Projections to 2024」

(米国農務省2024 年穀物等中長期的な農産物需給予測の概要)・・・・・・・・・・・・・・140

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1.世界人口及びGDPの見通し

世界の総人口は、2000年比1.5倍の92億人に達する。(2000年から54%増加)

世界のGDPは、2000年比3.8倍の111兆ドルに達する。(開発途上国:16.0倍、中間国:9.1倍、

先進国:

2.0倍)

20.7 25.0 29.4 33.6 37.3 40.3 30.6 33.9 37.0 39.5 41.5 42.8 9.0 9.3 9.5 9.6 9.5 9.4

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

90.0

100.0

2000年

2010年

2020年

2030年

2040年

2050年

(億人)

開発途上国

中間国

先進国

1.2 2.0 3.8 7.2 12.1 15.9 0.8 5.8 9.6 25.2 37.3 52.5 22.6 28.8 33.8 37.9 42.1 46.3

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

120.0

2000年

2010年

2020年

2030年

2040年

2050年

(兆USドル)

開発途上国

中間国

先進国

得階層別国ごとの将来人口の推移

得所得階層別国ごとの

GDPの推移

開発途上国は

16.0

倍の伸び!

注:所得階層区分は、2000年の世銀データを基に、1人あたりGNIで、開発途上国(755ドル以下)、中間国(756-9,255ドル)、先進国(9,266ドル以上)とした。

【参考1】 2050年における世界食料需給見通し(ベースライン予測結果)の概要

(12)

-113-1.91 1.49 1.25 1.72 1.22 1.02 1.83 1.71 1.39 2.34 1.42 1.31 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 開発途上国 中間国 先進国 小麦 米 とうもろこし 大豆 1.44 1.38 1.53 1.48 1.52 1.37 1.37 1.50 1.16 1.30 1.16 1.38 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 小麦 米 とうもろこし 大麦 ソルガム キャッサバ 大豆 菜種 パーム ヒマワリ サトウキビ テンサイ

2.世界の農産物単収の見通し

○ 主要穀物の単収は、気候変動の影響を踏まえ、生産性の向上や農業投資の増加によって、

2000年に比べて

1.5倍、油糧種子やその他農産物は約1.3倍の増加。

○ 所得階層別に見ると、開発途上国で単収の増加率が高く、先進国では、単収の伸びはあまり望めない見込み。

○ 地域別に見ると、アジア、アフリカで単収が大きく増加する。

農産物の単収の伸び(

2000年比)

所得階層別の主要作物の単収の伸び(

2000年比)

地域別の主要作物の単収の伸び(

2000年比)

1.20 1.35 1.53 1.68 1.33 1.68 1.33 1.45 1.00 1.20 1.40 1.18 1.27 1.11 1.70 1.37 1.77 1.76 1.57 2.56 1.49 1.56 1.31 1.33 1.67 1.79 1.36 1.57 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 アフリカ 北米 中南米 アジア 欧州 中東 オセアニア 小麦 米 とうもろこし 大豆

(13)

3.世界の食料需給見通し

92億人を養うためには、食料生産全体を

1.55

倍引き上げる必要がある。

このうち、穀物は、29.3億トンとなり、

1.65

倍の生産増加が必要となる。

開発途上国の食料需要は、人口増加や経済発展を背景に2.06倍に増大、中間国も1.46倍に増加

する。

17.8億トン

39.8%)

29.3億トン

42.2%)

1.65倍)

2.4億トン

5.3%)

4.0億トン

5.7%)

1.67倍)

16.6億トン

37.2%)

24.1億トン

34.8%)

1.45倍)

7.9億トン

17.7%)

11.9億トン

17.2%)

1.51倍)

0

10

20

30

40

50

60

70

80

2000年

2050年

(億トン)

畜産物

その他農産物

油糧種子

穀物

44.7億トン

69.3億トン

1.55倍)

11.6億トン

26.0%)

14.8億トン

21.3%)

1.27倍)

22.8億トン

50.9%)

33.2億トン

47.9%)

1.46倍)

10.3億トン

23.1%)

21.3億トン

30.8%)

2.06倍)

0

10

20

30

40

50

60

70

80

2000年

2050年

(億トン)

開発途上国

中間国

先進国

69.3億トン

1.55倍)

44.7億トン

世界全体の生産量変化

所得階層別の需要量の変化

需要増加が めざましい 開発途上国 穀物は、11.5 億トンの生産 増加が必要

(参考)FAO(2009)によると、91億人を養うには、食料生産全体を1.7倍引き上げる必要があるとしている。(「How to Feed the World 2050) ただし、 本ベースライン予測とFAOでは対象品目が異なっており、厳密には比較できない。

(14)

-115-4.地域別需給見通し

○ 穀物生産量、需要量は各地域とも増加。特に、生産量では、アジアが世界の約4割の生産を支え、

需要量では、人口増加や経済発展が著しいアフリカの伸びが生産量の伸びを大きく上回る。

これにより、アフリカ、アジアは純輸入量が拡大し、北米は純輸出量を拡大し、中南米は、輸出エ

リアに転じる。

①穀物合計

100 19 21 140 27 22 29 0 50 100 150 (純輸出量) 41 19 56 24 128 67 23 0 50 100 150 アフリカ 北米 中南米 アジア 欧州 中東 オセアニア (百万トン) (純輸入量) 2000年 2050年

地域別生産量と需要量の変化

地域別純輸出入量の変化

2.2倍に拡大 3.1倍に拡大 133 274 150 789 341 78 14 293 418 238 1,293 531 131 24 0 500 1000 1500 (消費量) 92 374 131 723 360 55 35 165 558 264 1,227 553 108 53 0 500 1000 1500 アフリカ 北米 中南米 アジア 欧州 中東 オセアニア (百万トン) (生産量) 2000年 2050年

(15)

-116-② 小麦

世界の生産量は、1.6倍に達する。

生産は、アジアと欧州で大幅に増加、一方、需要は、アフリカで2倍の増加となる。

北米、オセアニアは、輸出余力が拡大、2050年も2大食料供給基地を維持。

-4.0 -3.0 -2.0 -1.00.0 1.0 2.0 3.0 4.0 2000年 2050年 オセアニア (億トン) 需要量 純輸入量 生産量 純輸出量 -4.0 -3.0 -2.0 -1.00.0 1.0 2.0 3.0 4.0 2000年 2050年 アフリカ (億トン) -4.0 -3.0 -2.0 -1.00.0 1.0 2.0 3.0 4.0 2000年 2050年 北米 (億トン) -4.0 -3.0 -2.0 -1.00.0 1.0 2.0 3.0 4.0 2000年 2050年 中南米 (億トン) 北米とオセ アニアが 2050年も2 大供給基地 -4.0 -3.0 -2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 2000年 2050年 アジア (億トン) -4.0 -3.0 -2.0 -1.00.0 1.0 2.0 3.0 4.0 2000年 2050年 欧州 (億トン) -4.0 -3.0 -2.0 -1.00.0 1.0 2.0 3.0 4.0 2000年 中東 2050年 (億トン)

(16)

-117-③ 米

世界の生産量は、1.5倍に達する。

生産量、需要量ともに、アジアが世界の約90%を占める。

アフリカの需要の伸びが大きく、2.4倍に達し、輸入超過が拡大する。

生産量 需要量 純輸出量 純輸入量 需要急増! アジアが供給 する構造へ -6.0 -4.0 -2.0 0.0 2.0 4.0 6.0 2000年 2050年 アフリカ (億トン) -6.0 -4.0 -2.0 0.0 2.0 4.0 6.0 2000年 2050年 北米 (億トン) -6.0 -4.0 -2.0 0.0 2.0 4.0 6.0 2000年 2050年 中南米 (億トン) -6.0 -4.0 -2.0 0.0 2.0 4.0 6.0 2000年 2050年 アジア (億トン) -6.0 -4.0 -2.0 0.0 2.0 4.0 6.0 2000年 2050年 欧州 (億トン) -6.0 -4.0 -2.0 0.0 2.0 4.0 6.0 2000年 2050年 中東 (億トン) -6.0 -4.0 -2.0 0.0 2.0 4.0 6.0 2000年 2050年 オセアニア (億トン)

(17)

-118-④ とうもろこし

世界の生産量は、1.8倍に達する。

生産の伸びが大きいのは中南米で、2.3倍に達し、加えて、輸出供給基地へ。

需要は、人口増加が著しいアフリカ(2.2倍)とアジア(2.0倍)の増加率が高く、純輸入量も増加する。

生産量 需要量 純輸出量 純輸入量 2大供給基地へ -4.0 -3.0 -2.0 -1.00.0 1.0 2.0 3.0 4.0 2000年 2050年 アフリカ (億トン) -4.0 -2.0 0.0 2.0 4.0 2000年 2050年 北米 (億トン) -4.0 -3.0 -2.0 -1.00.0 1.0 2.0 3.0 4.0 2000年 2050年 中南米 (億トン) -4.0 -3.0 -2.0 -1.00.0 1.0 2.0 3.0 4.0 2000年 2050年 アジア (億トン) -4.0 -3.0 -2.0 -1.00.0 1.0 2.0 3.0 4.0 2000年 2050年 欧州 (億トン) -4.0 -3.0 -2.0 -1.00.0 1.0 2.0 3.0 4.0 2000年 2050年 中東 (億トン) -4.0 -3.0 -2.0 -1.00.0 1.0 2.0 3.0 4.0 2000年 2050年 オセアニア (億トン)

(18)

-119-⑤ 大豆

世界の生産量は、1.7倍に達する。

生産の伸びが大きいのは中南米で、2.3倍に達し、輸出余力も拡大し、北米を抜いて世界一の供給

基地となる。

アジアの需要は2.4倍に達し、全体の需要量の39%を占め、輸入超過が拡大する。

-1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2000年 2050年 北米 (億トン) -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2000年 2050年 オセアニア (億トン) -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2000年 2050年 アフリカ (億トン) -1.5 -1 -0.50 0.5 1 1.5 2000年 2050年 中東 (億トン) -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2000年 2050年 欧州 (億トン) 生産量 需要量 純輸出量 純輸入量 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2000年 2050年 中南米 (億トン) 北米を抜いて世界 一の供給基地へ -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2000年 2050年 アジア (億トン) アジアの輸入超過 構造は拡大

(19)

⑥ 畜産物

世界の生産量は、1.5倍に達する。

地域別に見ても、生産量の伸びは変わらないものの、需要は、アフリカ、アジアが高くなっている。

アジアは、需要に生産が追いつかず輸入の拡大が見られる。一方、欧州は、輸出が拡大。

生産量 需要量 純輸出量 純輸入量 -6.0 -4.0 -2.0 0.0 2.0 4.0 6.0 2000年 2050年 アフリカ (億トン) -6.0 -4.0 -2.0 0.0 2.0 4.0 6.0 2000年 2050年 北米 (億トン) -6.0 -4.0 -2.0 0.0 2.0 4.0 6.0 2000年 2050年 中南米 (億トン) -6.0 -4.0 -2.0 0.0 2.0 4.0 6.0 2000年 2050年 アジア (億トン) -6.0 -4.0 -2.0 0.0 2.0 4.0 6.0 2000年 2050年 欧州 (億トン) 欧州の供給がアジ アの需要を支える -6.0 -4.0 -2.0 0.0 2.0 4.0 6.0 2000年 2050年 中東 (億トン) -6.0 -4.0 -2.0 0.0 2.0 4.0 6.0 2000年 2050年 オセアニア (億トン)

(20)

-121-1,283 1,523 1,100 1,200 1,300 1,400 1,500 1,600 2000年 2050年 人口 (百万人)

5.中国の需給見通し

人口増加と急激な経済発展で食料需要が増加する。

とうもろこし、大豆は輸入量が増加する。

豚肉を中心に肉類の消費量が拡大し、輸入量も大幅な増加が見込まれる。

GDPは14.7倍 まで拡大 18.7%増 -150 -100 -50 0 50 100 150 2000年 2050年 2000年 2050年 2000年 2050年 牛肉 豚肉 鶏肉 生産量 純輸入量 消費量 純輸出量 -400 -200 0 200 400 2000年 2050年 生産量 純輸入量 消費量 純輸出量 とうもろこし (万トン) -100 -50 0 50 100 2000年 2050年 生産量 純輸入量 消費量 純輸出量 大豆 (万トン) 肉類需要の見通し (百万トン) 1,280 18,779 998 12,331 -15,000 -10,000 -5,000 0 5,000 10,000 15,000 0 5,000 10,000 15,000 20,000 2000年 2050年 GDP総額 一人あた りGDP額 GDP総額及び一人あたりGDP額 需要の増 加(3倍) から輸入 量が急増

(21)

-122-1,007 1,533 0 500 1,000 1,500 2,000 2000年 2050年 人口 (百万人) -25 -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 2000年 2050年 大豆 とうもろこし 米 小麦

6.インドの需給見通し

人口増加と経済発展に伴って、穀物を中心に食料需要は増加する。

米、とうもろこしは需給均衡から、輸入超過へ。

2050年には、人口 世界一に! 52.2%増

○主要穀物及び大豆の需要量

○主要穀物及び大豆の純輸出入量

0 50 100 150 200 250 300 350 400 2000年 2050年 大豆 とうもろこし 米 小麦 穀物:1.8億トン → 3.4億トン 大豆:6百万トン → 10百万トン (百万トン) (百万トン) 米、とうもろこ しは輸入超過 へ 422 7,174 419 4681 -5000 -3000 -1000 1000 3000 5000 0 2,000 4,000 6,000 8,000 2000年 2050年 GDP総額 一人あた りGDP額 GDP総額及び一人あたりGDP額 (10億USドル) (USドル/人)

(22)

-123-7.バイオ燃料の見通し

○ 世界のバイオ燃料需要量は、

1,894万kl( 2000年)から、61,833万kl (2050年)まで33倍増加する。

○ バイオエタノールの需要量は、

1,876万klから54,886万klに増加する。

○ バイオディーゼルの需要量は

18万klから6,947万klに増加する。

○ バイオエタノールではサトウキビ、バイオディーゼルでは大豆の需要量が大幅に増加し、それぞれ

2050年に7.1億トン、6,600万トンの需要が発生する。

1,894.2

61,832.9

6,667.5

1,876.4

54,885.5

6,201.8

17.7

6,947.4

465.6

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000

2000年 2050年 2007年 (参考) 2000年 2050年 2007年 (参考) 2000年 2050年 2007年 (参考) バイオ燃料計 (左軸) バイオエタノール (左軸) バイオディーゼル (右軸) (万kℓ) (万kℓ)

2000

2050

小麦

4.84

471.59

0.00

0.00

とうもろこし

1,396.79 15,402.19

大麦

1.15

107.29

ソルガム

0.00

104.35

キャッサバ

0.00

220.29

サトウキビ

18,540.00 70,885.43

テンサイ

97.15

8,817.39

大豆

0.00

6,560.40

菜種

49.80

809.67

パーム

0.01

552.86

ヒマワリ

2.85

31.46

バイオエタノール

バイオディーゼル

バイオ燃料需要量の変化(単位:万トン)

バイオ燃料需要量の変化

※1.世界のバイオ燃料生産は、2020年までは従来型(第一世代)の食用作物からの生産が主流であるが、技術革新に伴って2020年 以降の需要量の増分は第二世代の非食用のセルロース系原料からの生産によって賄われると設定。 ※2.2006年~2008年において、バイオエタノール、バイオディーゼルの生産量の世界の上位80%となる国を対象とした。

(23)

<世界の超長期食料需給予測システムの概要>

1.対象品目(合計16品目)

① 穀物5品目:小麦、米、とうもろこし、大麦、ソルガム

② いも1品目:キャッサバ

③ 砂糖2品目:サトウキビ、テンサイ

④ 油糧種子4品目:大豆、菜種、パーム、ヒマワリ

⑤ 畜産物4品目:牛肉、豚肉、鶏肉、牛乳

2.基準年次、目標年次

① 基準年次:2000年(1999年~2001年の3年平均)

FAOSTATデータ

② 目標年次:2050年

3.予測項目

① 品目別、地域別(世界・国別・地域別)の生産量、消費量、貿易量及び摂取カロリー

4.対象地域及び地域分類等

① 対象範囲:全世界を対象とし、データがカバーする国は140カ国

② 地域分類等:予測に用いるデータの分類は、

3所得階層別、地理的基準による7地域区分、国別に分類。

(24)

-125-<ベースライン予測の前提条件>

本予測は、以下の前提条件に基づき、予測期間中、対象国・地域において現行の経済政策、農業政策が

すべての国・地域において継続するとともに、農業生産面においても現状の生産性の向上や技術進歩が予

測期間中も継続することを前提とした予測(ベースライン予測)

・世界の人口・経済成長 (人口・経済シナリオ)

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第4次報告(AR4)で提示されたSRES B2シナリオ

・バイオ燃料のシナリオ

2020年までのバイオ燃料需要は、OECD-FAO(2011)のAgricultural Outlook2011-2020の見通し

を採用、

2020年以降の増分については第二世代のバイオ燃料が賄うこととして設定。

・気候変動 (人口・経済シナリオ)

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第4次報告(AR4)で提示されたSRESシナリオに沿っ

て計算された気候モデル(

MIROC B1シナリオ)による結果を利用。

・単収の増加

作物ごとに

1970年から2008年の単収推移を基に、ベースライン予測における生産性の伸び

率を決定。

・収穫面積の動向

生産者が想定する収入は前期の価格に基づくものであり、総収穫面積の中で利潤が最大

化されるように各作物の収穫面積を決定。

需要

供給

価格を媒介として各品目の需要と供給を世界全体で毎年一致させる

「部分均衡分析モデル」であり、

5万4千本の方程式体系から構成

(25)

-126-国内の生産量

輸入量

期首

在庫量

国内の消費量

輸出量

期末

在庫量

【参考2】 食料需給予測モデルの比較(2023年と2050年)

食料需給予測結果の比較に際し、予測モデルごとの「需要」と「供給」(ただし、品目別の世界合計)の範囲を整理すると以下のとおり。 ○一般的な需給(供給量は需要量と一致)を、FAOの食料需給表作成の手引きに準拠し、以下の①のように表現。 「供給量」=「期首在庫量」+「生産量」+「輸入量」 「需要量」=「消費量」+「輸出量」+「期末在庫量」 ① また、「純輸出量(輸出量-輸入量)」を用いて、②のように表現。 「供給量」=「期首在庫量」+「生産量」、「需要量」=「消費量」+「期末在庫量」+「純輸出量」 ② ○「2023年食料需給予測モデル」は世界全体の輸出量と輸入量の一致が前提であるため、以下の③のように表現。 「供給量」=「期首在庫量」+「生産量」 「需要量」=「消費量」+「期末在庫量」 ③ ○「2050年食料需給予測モデル」では、在庫量を予測対象としていないため、以下の④のように表現。 「供給量」=「生産量」、「需要量」=「消費量」 ④

国内の生産量

期首

在庫量

国内の消費量

純輸

出量

期末

在庫量

2023年食料需給予測モデル

2050年食料需給予測モデル(在庫は予測の対象外)

需要(消費量)

供給(生産量)

純輸出量=輸出量-輸入量

需給の一般的な範囲

純輸出量 =ゼロ

純輸出量 =ゼロ

一致

供給(期首在庫+生産量)

需要(消費量+期末在庫)

食料需給予測モデル(

2023年予測及び2050年予測)における需給の範囲

一致

一致

(26)

-127--2 0 2 4 世界計 北米 中南米 オセアニア アジア 中東 欧州 アフリカ

人口

GDP

1人当たりGDP

0 10 20 30 40世界計 北米 中南米 オセアニア アジア 中東 欧州 アフリカ 0 10 20 30世界計 北米 中南米 オセアニア アジア 中東 欧州 アフリカ △ 1.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0日本 米国 中国 ブラジル インド ロシア 豪州 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0日本 米国 中国 ブラジル インド ロシア 豪州 0.0 10.0 20.0 30.0日本 米国 中国 ブラジル インド ロシア 豪州

2023年予測と2050年予測における人口、GDP、一人当たりGDPの比較】

○人口は、両予測とも地域ではアフリカ、中東、国別にはインド、豪州の増加率が大きい。

○GDPは、

2050年予測においてアフリカ地域の増加率が大きく、国別でもBRICs諸国の増加率が大きい。

○一人当たりGDPは、

BRICs諸国において2050年予測の増加率が大きい。

赤線:2050年予測 青線:2023年予測 単位:%(1年当たりの平均増減率)

(27)

-128-【

2023年予測と2050年予測における生産量・消費量の比較】

○小麦は、生産量で

2023年予測におけるロシア、ブラジルの年平均増加率が大きく、消費量ではブラジル等で2023年予測の増加

率が大きい。

○とうもろこしは、

2023年予測において、生産量ではブラジル、ロシア、インドの年平均増加率が大きく、消費量ではブラジルの増加

率が大きい。

△ 1.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 生産量 消費量

小麦

2023年予測】

△ 1.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 生産量 消費量

2050年予測】

とうもろこし

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 生産量 消費量

2023年予測】

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 生産量 消費量

2050年予測】

単位:%(1年当たりの平均増減率)

(28)

-129-米

大豆

△ 2.0 △ 1.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 生産量 消費量 △ 1.0 △ 0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 生産量 消費量 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 生産量 消費量 △ 0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 生産量 消費量

2023年予測と2050年予測における生産量・消費量の比較】

○米は、

2023年予測において、生産量ではインド、ブラジル等の年平均増加率が大きく、消費量ではアフリカ等での増加率が大き

い。

○大豆の生産量は、米国、中国等では

2023年予測の年平均増加率が大きく、インド等では2050年予測の増加率が大きい。

また、消費量は、米国、ブラジル等では

2023年予測の平均増加率が大きく、ロシア等では2050年予測の増加率が大きい。

2023年予測】

2023年予測】

2050年予測】

2050年予測】

単位:%(1年当たりの平均増減率)

(29)

-130-【

2023年予測】

2050年予測】

肉類

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 生産量 消費量 △ 1.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 生産量 消費量

2023年予測と2050年予測における生産量・消費量の比較】

○肉類は、

生産量では2023年予測におけるインド、ブラジル、中国、アフリカ等の年平均増加率が大きく、消費量についてはインド、

ブラジル、アフリカ等で

2023年予測における増加率が大きく、中国等で2050年予測における年平均増加率が大きい。

単位:%(1年当たりの平均増減率) 2013年予測の「肉類」は、 牛肉、豚肉、羊肉、家禽肉 の合計である。 2050年予測の肉類は、牛 肉、豚肉、鶏肉のほか、牛 乳を含んだ合計である。

(30)

-131-△ 80.0 △ 30.0 20.0 70.0北米 中南米 オセアニア アジア 中東 欧州 アフリカ △ 80.0 △ 30.0 20.0 70.0日本 米国 中国 ブラジル インド ロシア 豪州

小麦

とうもろこし

△ 200.0 △ 100.0 0.0 100.0北米 中南米 オセアニア アジア 中東 欧州 アフリカ △ 200.0 △ 100.0 0.0 100.0日本 米国 中国 ブラジル インド ロシア 豪州

△ 40.0 △ 20.0 0.0 20.0 40.0北米 中南米 オセアニア アジア 中東 欧州 アフリカ △ 40.0 △ 20.0 0.0 20.0 40.0日本 米国 中国 ブラジル インド ロシア 豪州 赤線は2050年予測 青線は2023年予測

【2023年予測と2050年予測における純輸出量の比較】

※純輸出量は、輸出量から輸入量を差し引いたもの。

○小麦は、中国及びインドにおいて、2050年予測では年平均増加率が大きいが、2023年予測では中国が減少に転じ、インドは2050

年予測に比べ増加率が半減している。

○とうもろこしは、2050年予測においてインドが減少し、ブラジルが増加しているが、2023年予測では両国とも大きな増減は生じない。

○米は、BRICs諸国において、2023年予測の増加率が大きい。

単位:%(1年当たりの平均増減率)

(31)

-132-△ 50.0 0.0 50.0 100.0北米 中南米 オセアニア アジア 中東 欧州 アフリカ △ 50.0 0.0 50.0 100.0日本 米国 中国 ブラジル インド ロシア 豪州

大豆

肉類

赤線は2050年予測 青線は2023年予測 単位:%(1年当たりの平均増減率)

2023年予測と2050年予測における純輸出量の比較】

※純輸出量は、輸出量から輸入量を差し引いたもの。

○大豆は、

2050年予測において、インドの年平均増加率が大きい。

○肉類は、

2023年予測において、欧州、インドで増加率が増大する一方、中国は、両予測において減少する。

△ 100.0 △ 50.0 0.0 50.0 100.0北米 中南米 オセアニア アジア 中東 欧州 アフリカ △ 100.0 △ 50.0 0.0 50.0 100.0日本 米国 中国 ブラジル インド ロシア 豪州 2013年予測の「肉類」は、 牛肉、豚肉、羊肉、家禽肉 の合計である。 2050年予測の肉類は、牛 肉、豚肉、鶏肉のほか、牛 乳を含んだ合計である。

(32)

-133-○ 増減率の正負

比率算出の際、比率がプラス値であっても実質的にマイナス

※例えば、2000年に「-1.0」から2023年に「-2.0」となる場合の比率(2023年/2000年)は「+2.0」となるが、

実質的には減少(-1)。このような場合は「-2.0」に置き換え。

逆に、比率がマイナス値であっても実質的にプラス

※例えば、2000年に「-1.0」から2023年に「2.0」となる場合の比率は(2023年/2000年)は「-2.0」となるが、

実質的には増加(+3)。このような場合は「+2.0」に置き換え。

等として算出されるが、このよう場合、実質的な正負に基づき、比率の正負記号を置き換えた。

利用上の注意

○ 1年当たりの平均増減率(%)は、以下によった。

2023年予測: 1年当たりの平均増減率=((2023年予測値÷2011年予測値)×100-100)÷12年

2050年予測: 1年当たりの平均増減率=((2050年予測値÷2000年予測値)×100-100)÷50年

○ 予測の基準年

2023年予測と2050年予測では、それぞれ基準とする年が異なっており、2023年予測は2011年、2050年

予測は2000年である。

(参考資料)

BRICs諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国)における、一人当たり実質GDP(所得指標)の対前年増減率

(1990年~2016年)のグラフを付した。

○ 予測結果

両予測は、予測モデル、対象品目、基準年及び予測の目標年次、地域分類、予測の前提(人口増加率、経済成

長率等)などが異なっているため、利用に際しては留意願いたい。また、詳細はそれぞれの公表資料を参照されたい。

(33)

-134-ブラジル 中国 インド ロシア ▲ 5.0 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 (増減率:%)

BRICs諸国における一人当たり実質GDPの対前年増減率の推移

(%、IMF:2015年1月現在)

2023年予測基準年 2050年予測基準年

【一人当たり実質GDP(所得指標)の対前年増減率】

予測の基準年(

2023年予測は2011年、2050年予測は2000年)における一人当たり実質GDPの対前

年増減率を見ると、

BRICs諸国は、2050年予測の基準年である2000年当時に大きく増加。

(34)

-135-肉類 サトウキビ・テンサイ (粗糖換算) 油糧種子・その油 (油換算) 穀物 (右軸) 食用 非食用 世界の食料生産・消費量(100万トン) 12 16 10 植物油類15 肉類 39 49 28 42 0 50 100 150 200 250 300 350 400 2005/07 2050 2005/07 2050 牛乳・乳製品 肉類 植物油類 砂糖類 食用穀物 食料に占める主要品目の変化(一人1日当たりキログラム) 途上国 (年) 世界計

【参考3】

FAO「World Agriculture Towards 2030/2050」(2050年までの世界の食料需給見通し)

FAOは2012年、2006年に公表した食料需給見通しの改訂版を公表。本見通しは、専門家の意見を集約したものであり、概要は以下のとおり。 【食料生産量・消費量の増加】2050年と2005~2007年平均を比較すると、世界全体で人口は39%増加し、所得(一人当たりGDP)も45%増加。これ に伴い、農産物の生産量(消費量)も増加。 【食料消費の変化】一人1日当たり摂取量(Kg)は世界、途上国とも増加し、品目別には肉類、植物油が世界(それぞれ26%、33%増加)、途上国 (ともに50%増加)ともに、大きく増加。また、一人1日当たり摂取カロリーを見ると、先進国の増加は4%と緩やかであるものの、途上国は15%増加。 世界計 途上国 世界計 途上国 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000 1970 2000 2006 2015 2030 2050 一人当た り G D P 人口(100万人)及び 一人当たりGDP(米ドル:2005/07基準) (年) 人口 2,000 2,200 2,400 2,600 2,800 3,000 3,200 3,400 3,600 2005/07 2015 2030 2050 世界計 途上国 先進国 一人1日当たり食料消費カロリー(kcal) (年) (年)

(35)

-136-一人当たりの耕地面積(ヘクタール) 先進国 途上国 世界平均 穀物の単収の推移(トン/ha) 1.14 2.77 3.82 米 1.94 4.07 5.32 1.99 4.74 6.06 穀物計1.29 2.94 3.94 0.00 1.00 2.00 3.00 4.00 5.00 6.00 7.00 1961/63 2005/07 2050 小麦 米 とうもろこし 穀物計 世界平均 (年) 小麦 0.87 2.76 4.01 1.83 4.01 5.28 とうもろこし 1.16 3.25 4.68 0.98 2.49 3.60 0.00 1.00 2.00 3.00 4.00 5.00 6.00 1961/63 2005/07 2050 小麦 米 とうもろこし 穀物計 途上国平均 (年) 穀物の単収の推移(トン/ha) 0 100 200 300 2005/07 2050 65 182 7 29 28 81 1 8 キャッサバ 砂糖類 植物油類 穀物 バイオ燃料用向けの作物消費量(100万トン) (年) (年) 【穀物の単収】2050年と2005~2007年平均を比較すると、世界平均、途上国平均ともに増加(穀物全体では、それぞれ34%、45%増加)するものの、 それ以前の期間(1961/63~2005/07年)の増加率(同128%、154%増加)に比べると、緩やか。 【一人当たり耕地面積】2050年と2005年の一人当たり耕地面積を比べると、世界、途上国ともに25%減少。 【バイオ燃料向け作物の消費】2050年のバイオ燃料用作物(穀物、植物油類、砂糖類、キャッサバ)の消費量は、3億トンと、2005/07年平均の3倍。 食料増産が必要となる一方、将来的な生産量や食用農産物の確保も課題。

(36)

-137-【参考4】

OECD-FAO「Agricultural Outlook 2014-2023」

(農業アウトルック 2014-2023)

OECD と FAO は 2014 年 7 月 11 日、「Agricultural Outlook 2014-2023」 を公表。概要は以下のとおり。 【農産物価格は大幅に低い水準で安定】 農産物価格は、高騰した2008 年以前の水準よりは高いものの、最近 の最高値水準よりは大幅に低い水準で安定。なお、食肉、乳製品の価 格は上昇する。穀物については、期末在庫率が大幅に増加し、価格が 不安定になる懸念は緩和される。 【農産物の生産は、主食用から飼料やバイオ燃料等向けへシフト】 今後10 年間、畜産物とバイオ燃料の生産量は、作物生産量を上回る ペースで増加する見込み。これに伴い、小麦や米等の主食用作物から、 食料、飼料、バイオ燃料向け需要を満たす粗粒穀物や油糧種子へ相対 的にシフトする。なお、生産量は、生産コスト、農地の拡大、環境問 題、政策等による制約が最も少ない地域で増加する。 ▲ 15 ▲ 10▲ 5 0 5 10 15 20 25 (%) 主要農産物における実質価格の見通し (2004年~2013年平均に対する2014年~2023年平均の増減率(%)) 15 20 14 12 26 17 28 28 15 27 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 0 20 40 60 80 100 120 開発途上国 先進国 (%) 主要農産物における生産量の増加(2011‐2013年平均と2023年との比較) 13 世界全体の生産量 増加率(右軸) (100万トン) 0 5 10 15 20 2013 2023 2013 2023 バイオ燃料の生産量(2013年と2023年の比較) バイオエタノール バイオディーゼル 増加率 53.6% (10億リットル) 増加率 50.7%

(37)

-138-【特集:インド】 本見通しでは、世界第2位の人口を抱え、世界最多の農家を擁するとと もに、食料不安を抱える人口も世界最大のインドについて特集。 ○農業補助金が農業生産に寄与 肥料、農薬、種子、水、電気、信用取引の利用拡大を奨励する補助金 と市場価格支持が、この10 年間の農業生産額の伸びに寄与してきた。こ れらの制度により、今後も生産の伸びが促進され、一人当たりの供給量 を拡大することが可能。ただし、資源の制約により生産の伸び率は低下 する見込み。 ○食生活は多様化 依然、菜食中心ではあるものの、食生活は多様化する。穀物消費量は 増加するが、牛乳・乳製品、豆類、果物、野菜の消費が拡大し、食物栄 養素の摂取が改善する。ただし、食肉消費量は、大幅に改善するものの、 消費量は世界で最も少ないままとなる。 ○新たな「国家食料保障安全法」の実施が課題 新たな「国家食料安全保障法」は、食料への権利を定めたものとして は、過去最大規模の法律。8億人以上の国民に、補助金の対象となって いる穀物を小売価格の1割で配給する。この法律の施行は、インドにと って主要課題。

(38)

-139-0 20 40 60 80 100 120 140 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2024 United States FSU 1/ Brazil Argentina EU China Other Global corn exports

Million metric tons

1/ Former Soviet Union.

0 1 2 3 4 5 6 7 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 U.S. corn: Feed and residual use, ethanol, and exports

Billion bushels

Feed and residual use

Exports Ethanol 0 50 100 150 200 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2024 Other FSU & OE 1/ EU Australia Argentina Canada United States Global wheat exports

Million metric tons

1/ Former Soviet Union and Other Europe; prior to 1999, includes Czech Republic, Estonia, Hungary, Latvia, Lithuania, Malta, Poland, Slovakia, and Slovenia.

0.0 0.5 1.0 1.5

1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 U.S. wheat: Domestic use and exports

Billion bushels Domestic use Exports 世界のとうもろこし輸出(100 万トン) 米国 旧ソ連諸国 ブラジル アルゼンチン 中国 その他 EU 米国のとうもろこし輸出(10 億ブッシェル) 年 年 年 世界の小麦輸出(100 万トン) その他 旧ソ連諸国等 EU 豪州 カナダ 米国 アルゼンチン 飼料等 エタノール 輸出 米国の小麦輸出(10 億ブッシェル) 国内利用 輸出 年 【とうもろこし】 <世界の貿易> 世界における主なとうもろこし輸出国は、米 国、ブラジル、旧ソ連諸国。旧ソ連諸国の輸出 は、飼料需要の増加に伴い、2024/25 年度まで に21%増加する。これは、ほとんどがウクライ ナによるもので、恵まれた資源、経済的な開放 の進展、ハイブリッド種子の広範な利用、これ まで以上の農業投資により生産が刺激され、輸 出が競合するブラジル等と同程度増加する。 <米国の需要> エタノール生産への需要は、ガソリン消費量の 減少に伴い、横ばい。飼料用は、食肉需要の増 加等により増加する。輸出は、干ばつ等の影響 で2011/12 年度、2012/13 年度に大きく減少し たため、国際的な市場シェアが低下。このシェ アは世界的な飼料需要の増加に伴い回復する。 【小麦】 <世界の貿易> 開発途上国での所得及び人口の増加に伴い、世 界の貿易量は2024/24 年度には 2015/16 年度に 比べ 16%増加。旧ソ連諸国での輸出増加によ り、世界の5大輸出国(米国、オーストラリア、 EU、アルゼンチン、カナダ)の世界シェアは、 10 年間の 70%から 62%に低下する。 <米国の輸出> 国内での需要は低迷。作付面積は、1980 年代 以降の減少傾向が継続する。世界輸出は、わず かながら増加するものの、旧ソ連諸国、EU 等 と競合。世界シェアは2015/16 年度の 17.8%か ら、2024/25 年度には 16.1%に低下する。 USDA「Agricultural Projections to 2024」(米国農務省 2024 年中期的な農産物需給予測) -2015 年 2 月 11 日公表-概要

(39)

-140-0 50 100 150 200 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2024 Other Southeast Asia Middle East Other Africa 1/ Egypt NAFTA Lat Am EU, FSU, & OE 2/ East Asia Global wheat imports

Million metric tons

1/ Africa, excluding Egypt. 2/ European Union, former Soviet Union, and Other Europe. Includes intra-FSU trade.

0 20 40 60 80 100 120 140 160 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2024 Other Brazil Argentina Other South America United States Global soybean exports Million metric tons

0 20 40 60 80 100 120 140 160 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2024 China Other

N. Africa & Middle East Latin America 1/ East Asia EU Global soybean imports Million metric tons

1/ Includes Mexico. 年 年 世界の小麦輸入(100 万トン) 世界の大豆輸入(100 万トン) 世界の大豆輸出(100 万トン) 世界の大豆・大豆油・大豆ミールの輸出(100 万トン) 年 注:(1)エジプトを除く、(2) 旧ソ連域内貿易を含む その他 東南アジア 中東 アフリカ (1) エジプト NAFTA 中南米 欧州諸国 (2) 東アジア その他 ブラジル アルゼンチン その他南米 米国 中国 その他 北・中東アフリカ 中南米 (1) 東アジア EU 注:(1)メキシコを含む。 大豆 大豆ミール 年 大豆油→ (右目盛り) 大豆油(100 万トン) (100 万トン) <世界の輸入> 開発途上国の多くの国において、人口が増加す る一方、資源等の制約により国内供給が不足す ることから、輸入が緩やかに増加。インドネシ ア、ベトナム等のアジア諸国では、所得の向上 により、インスタント麺、ベーカリー製品の需 要が増加する。 【大豆】 <世界の需要> 開発途上国における、所得の向上、都市化、食 の多様化、人口増加に伴い、食用植物油及び飼 料用ミール需要が増加。世界的にも、バイオデ ィーゼル用植物油の需要が増加する。 <世界の輸出> 主要輸出国であるアルゼンチン、ブラジル及び 米国は、現在、大豆・大豆ミール・大豆油につ いて世界シェアの85%を占めるが、2024/25 年 度には更に87%に上昇。ブラジルは、他の大豆 輸出国に比べ、栽培面積の拡大、単収向上が進 み、大豆・大豆製品の輸出量は、現在の33%か ら2024/25 年には 37%に上昇する。 <米国の輸出> 米国の大豆・大豆製品輸出の世界シェアは、現 在の31%から、2024/25 年度までに 26%に低下 する。 <世界の輸入> 中国は、国内の搾油能力を今後も増強し、輸入 により国内の供給不足分を継続的に確保。 北アフリカ、中東、東南アジア等においても、 飼料需要の増加、搾油用大豆の需要増加に伴 い、輸入が増加する。

(40)

-141-0 2 4 6 8 10 12 14 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 U.S. farm-level prices: Corn, wheat, and soybeans

Dollars per bushel

Corn Wheat Soybeans 0 10 20 30 40 50 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2024 Other Burma & Cambodia India China Thailand Vietnam Pakistan United States South America Global rice exports

Million metric tons

0 20 40 60 80 100 120 140 160 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 U.S. rice: Domestic and residual use and exports

Million hundredweight

Domestic and residual use

Exports 0 10 20 30 40 50 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2024 Other Sub-Saharan Africa Other Asia & Oceania China

Indonesia N. Africa & M. East EU, FSU, & OE 1/ Latin America 2/ Global rice imports

Million metric tons

1/ European Union, former Soviet Union, and Other Europe. 2/ Includes Mexico.

年 世界のコメ輸出(100 万トン) 世界のコメ輸入(100 万トン) 米国の農場価格(米ドル/ブッシェル) 米国のコメ輸出(億ポンド) 年 年 年 輸出 小麦 大豆 国内利用 とうもろこし その他 ミャンマー・カンボジア インド 中国 タイ ベトナム パキスタン 米国 南米 その他 サブサハラ アフリカ 他アジア・オセアニア 中国 インドネシア 北アフリカ・中東 欧州諸国 中南米(含メキシコ) 年 【米国の農場価格】 近年の穀物及び油糧種子価格の高騰により、世 界の供給量が増加するとともに、とうもろこ し、小麦及び大豆価格は低下。世界の人口増加、 一人あたり所得の向上、ドル安、世界的なバイ オ燃料生産の増加等により価格は穏やかに上 昇し、2007 年以前の水準に比べ高値で推移す る。 【コメ】 <世界の貿易> 世界の貿易量は、2024/25 年度には 4,950 万ト ンに(年平均 1.8%)増加する。世界の総消費 量に占める貿易量の割合は、1990 年代が 4%、 現在が 8.6%に対し、2024/25 年度までには 9.5%となる。主な増加要因は、開発途上国にお ける人口増加及び所得の向上。 輸出量のほとんどをアジア諸国が占める。 <世界の輸出> タイ、ベトナムは最大の輸出国であり、世界貿 易量の約45%を占めるとともに、2015/16 年度 から 2024/25 年度における世界貿易の増加量 のうち60%を占める。なお、両国における一人 当たりコメ消費量は、所得の向上に伴い、食肉 消費量の増加等多様化し、両国で減少。インド の輸出量は、輸出規制等の政策及び変動する在 庫量により、不安定で推移する。 <米国の輸出> 引き続き、中南米への輸出が増加。世界輸出量 に占める米国の割合は、約8%で推移する。 <世界の輸入> アフリカ及び中東では、急速な人口増加及び所 得向上により、輸入が増加。中国は、一大輸入 国であるが、徐々に減少傾向となる。

図  Ⅴ-7 小麦の地域別貿易量(純輸出入量)  43  16  11  45 20  40  49 24  56 0204060(純輸出量)1999-2001年2024年2011-13年7 21 14  25  12 31 20  42  14 35 24  54  0204060 北米 中南米 オセアニアアジア中東欧州 アフリカ (百万トン)(純輸入量) 資料:以上すべて、農林水産政策研究所「世界の食料需給見通し」 小麦の地域別需給をみると、消費量に比べて生産量の水準が相対的に低いアフリカ・中東などの途

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