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食品添加物の使用実態調査 事例集

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(1)

食品添加物に関する一般

規格 (GSFA) について

1

本説明会の目的

GSFA (食品添加物に関する一般

規格) に我が国の実態を反映させ

るために必要な情報についての

理解を深める。

2

目次

1. GSFA の重要性

① WTOのSPS 協定について

② Codex委員会について

2. GSFA の理解に必要な用語の解説

① GSFA の対象となる食品添加物

② 食品添加物の使用の正当性

③ 食品添加物の機能分類、技術的目的

④ 食品中の最大濃度

⑤ 食品添加物のキャリーオーバー

(2)

目次(つづき)

3. GSFA と食品衛生法の違い

4. GSFA の構成

5. 調査票に記入する際の注意点

① 食品分類、食品名

② INS(国際番号システム)番号、食品添加

物の名称

③ 食品添加物の使用の正当性

④ 食品添加物の食品中の最大濃度

⑤ 個別食品規格と GSFA との整合性

4

1. GSFA の重要性

① WTOのSPS 協定について

5

食品の輸出入に関係する協定

• Agreement on the Application of

S

anitary

and

P

hyto

s

anitary Measures

衛生植物検疫措置の適用に関する協定

(SPS 協定)

6

• Agreement on

T

echnical

B

arriers to

T

rade

貿易の技術的障壁に関する協定 (TBT 協定)

SPS 協定でカバーされない全ての局面が対象

検疫措置と訳しているが・・・

(3)

SPS 協定の対象となる措置

• 食品

、飼料

中の添加物

、汚染物質、毒物、

病原微生物

によるリスクから人・動物の

健康を守るための措置

• 動植物の疾病の侵入・まん延防止のための措

• 動植物又はその製品が媒介する病気から人の

健康を守るための措置

• 害虫の侵入及びまん延によるその他の被害を

防止又は抑制するための措置

7

加盟国の権利

• SPS 協定に反しないことを条件に、

8

1. 人の生命及び健康

2. 動物の生命及び健康

3. 植物の生命及び健康

食品安全

を守るために必要な措置 (SPS 措置) を講

じることができる。

加盟国の義務

SPS 措置は、

1. 科学的原則に基づかなければならない

2. 十分な科学的根拠なしに維持してはな

らない

3. 同一又は同様な状況にある加盟国間

(国内と他の加盟国を含む)で恣意的

又は不当な差別をしてはならない

4. 貿易を制限するために用いてはならな

(4)

SPS 措置の調和

• 国際基準、指針、勧告がある場合、SPS

措置はそれに基づかなければならない

食品安全の分野では、

Codex の規格、

指針、勧告が該当

ただし、科学的に正当な理由がある場

合は、国際基準、指針、勧告に基づく措

置よりも高い水準の保護をもたらす措置

を講じることができる

10

加盟国は

• 国際規格・基準の策定に積極的に参画しなけ

ればならない

• そこで、

– 国際機関で何かが決まるのを待つのではなく、

情報を発信

– 国内の実態の把握

– 科学的な解析

– 効果的な発言 (WHYが必須;食品添加物の

場合は、Technological justification)

日本の制度が世界標準と同じとは限らない

11

1. GSFA の重要性

② Codex委員会について

12

(5)

Codex 委員会の概要

Codex Alimentarius Commission

(CAC)

13 

国連食料農業機関(FAO)と世界保健機関

(WHO)によって1963年に設立された政府間

機関。

目的は、消費者の健康保護

(食品安全)

、適

正な食品貿易の保証

国際食品規格(コーデックス規格)を作成

Procedural Manual

• Codex の規則、用語の定義

• Codex 規格及びその関連文書の作

成に関する事項(

規格策定の手続

、個別食品規格の様式など)

14

• 部会(物理的作業部会、電子作業部会を含む)

を開催するために必要なガイドライン

• リスクアナリシスに関する事項(食品安全に関

する用語の定義、各部会の作業原則など)

• Codex の構成(各部会への付託事項、主催国、

これまでの開催実績など)

Codex 規格策定に積極的に参画すると

Codex 規格の作成段階から参画すれば、

わが国の実態を反映したCodex 規格が策定

実態を反映できると・・・

わが国の規格・基準を変える必要がない

(6)

各国はCodex 規格に基づいて基準を策定

16

Codex 規格を通じて、諸外国の規格・基準

にもわが国の実態を反映できる

輸出したい企業にもメリット

だから・・・

実態を反映できると・・・

食品衛生法上の規格・基準も、

Codex 規格に整合させる可能性

17

これまでの製造方法を

変えなければならない可能性

わが国の実態と違ったCodex 規格ができると

18

Codex 委員会の組織図

総会

執行委員会

事務局

一般問題部会 (10部会) 個別食品部会 (11部会) 特別部会 (1部会) 地域調整部会 (6部会) (年1回) (年1または2回) (1 年~2 年に1 回)

(7)

19

一般問題部会(10部会)

• 一般原則

• 食品添加物

• 汚染物質

• 食品衛生

• 食品表示

• 分析・サンプリング法

• 残留農薬

• 食品残留動物薬

• 食品輸出入検査・認証

制度

• 栄養・特殊用途食品

※ もともとは食品添加物・汚染物質部会だったが、

2006 年に汚染物質部会と食品添加物部会に

分かれた。

20

食品添加物部会で議論するべき事項

(1)

食品添加物の食品中の最大濃度の

設定、承認

(2) リスク評価の優先リストの作成

(3) 食品添加物の機能分類の指定

(4) 食品添加物の純度、性状の勧告

(5) 食品中の食品添加物の分析法の検討

(6) 食品添加物の表示に関する事項など関

連する規格の検討

食品添加物部会が策定した

主な規格、関連文書

• 食品添加物に関する一般規格 (GSFA)

(CODEX STAN 192-1995) • 食品添加物の機能・国際番号システムに関するガイ ドライン (CAC/GL 36-1989) • 食品添加物を販売する際の表示に関する一般規格 (CODEX STAN 107-1981) • 香料の使用に関するガイドライン (CAC/GL 66-2008) • 加工助剤として使用する物質に関するガイドライン (CAC/GL 75-2010) • 加工助剤として使用する物質の一覧表 (毎年更新。

(8)

Codex における食品添加物の定義

1. 通常

それ自体を食品として消費せず

典型

的な食品の成分でない

もの

2. 食品の製造、加工、調理、処理、充填、包装、

輸送又は保存において、

目的

(官能的なもの

も含む)を持って

意図的に添加

するもの

3. 添加物又はその副生成物が

食品中に存在

すると考えられ、

特性に影響を及ぼす

もの

(※

加工助剤は別扱い

です。)

22

Codex における加工助剤の定義

1. 装置や器具ではなく、それ自体を食品として

消費しないもの

2. 食品又は

その原材料の加工の際に意図的

に使用

し、

その加工・処理段階で技術的目

的(官能的なものも含む)を果たす

もの

3. 添加物又はその副生成物が

非意図的にか

つやむを得ず最終食品中に存在する可能

があり、

最終食品中で効果を発揮しない

もの

23

食品添加物と加工助剤の違い

食品添加物 加工助剤

そのものを食品として 消費する 意図的に使用する 原材料の加工の際に だけ使用する 最終食品中に存在する 最終食品中で効果を 発揮する 24

(9)

食品添加物の定義の違い (1)

GSFA

食品衛生法

① 通常それ自体を食品として消費 せず、典型的な食品の成分でな いもの

食品の製造の過

程において又は

食品の加工若しく

は保存の目的で、

食品に添加、混和、

浸潤その他の方

法によって使用す

るもの

(食品衛生法 第4条 第2項) ② 食品の製造、加工、調理、処理、 充填、包装、輸送又は保存におい て、目的(官能的なものも含む)を 持って意図的に添加するもの ③ 添加物又はその副生成物が食品 中に存在すると考えられ、特性に 影響を及ぼすもの 25

食品添加物の定義の違い (2)

GSFA

食品衛生法

乳化剤

加工助剤

栄養強化剤

加工デンプン

オレンジ果汁

香料

26

GSFA の重要性

G

eneral

S

tandard for

F

ood

A

dditives

(食品添加物に関する一般規格 (GSFA))

Codex 規格であり、SPS 協定上の国際規格

各国が食品添加物の規格を策定する場合、

GSFA に基づかなければならない

より高い保護レベルを達成する規格・基準を策

つまり、

(10)

28

GSFA を一言で言うと・・・

食品添加物のCodex 規格を

理解するためのバイブル

29

① GSFA の対象となる食品添加物

2. GSFA の理解に必要な用語の

解説

食品添加物条項に記載される事項

(1)

機能分類

(例:着色料、乳化剤など)

食品添加物ごとに、以下の項目を記載。

30

(2) 食品分類ごとの

食品中の最大濃度

(使用が正当と認められたものに限る)

(3) 国際番号システム (INS) の番号

(11)

対象となる食品添加物

1. JECFA (国際的リスク評価機関) によっ

ADI (Acceptable Daily Intake) が設定

れていること

2. 使用方法を考慮しても

人の健康に悪影

響がない

と考えられること

3. INS 番号があること

○ 条件

31

食品添加物の使用が

技術的に正当なもの

だけが規格に反映

される。

32

② 食品添加物の使用の正当性

2. GSFA の理解に必要な用語の

解説

食品添加物の使用の正当性 (1)

○ 食品添加物の

機能

として Codex が示して

いるものにあてはまること

○ 消費者への

大きな健康リスクがない

こと

JECFA の評価結果を考慮

次の条件を満たすときのみ、食品添加物の

使用は正当とみなされます。

(12)

○ 使用により

消費者に誤解を与えない

こと

○ 添加物使用の

必要性が説明できる

こと

○ 経済的・技術的に実行可能な他の方法

では目的を達成できないこと

食品添加物の使用の正当性 (2)

34

~ JECFA の評価内容 (その1) ~

1. 科学データを基に、

ADI (一日摂取許容

) を設定

(ADI は規制値ではありません)

2. 食品の摂取量、食品添加物の使用方法

から一日当たりの

総摂取量を推定

3. ADI と総摂取量を比べることで、

人の

健康への悪影響の有無を推定

注:人が毎日ある物質を摂取し続けても健康

に悪影響が出ないと考えられる一日あたりの

摂取量

35

消費者への大きな健康リスクがないこと

JECFA は

想定された使用方法での安全性を

評価

しています。

つまり、

JECFA が人の健康

に悪影響がない

と評価した物質

食品を製造する

際にいくら使って

もよい

36

消費者への大きな健康リスクがないこと

~ JECFA の評価内容 (その2) ~

(13)

~ ADI “Not Specified” とは ~

“Not Specified” は、

化学物質の毒性が低く、

食品添加物としての効果を発揮するために

必要な量を使用しても健康に悪影響がない

とJECFA が判断した物質に 設定されます。

消費者への大きな健康リスクがないこと

JECFA が化学物質の毒性評価の結果、 ADI

を設定するとき、以下の二通りの表し方が

あります。

(1) 数値のADI 例:10 mg/kg bw/day

(2) ADI “Not Specified”

(=ADI を特定しない)

JECFA が人の健康に悪影響がないと評価し

た物質

が規格の対象物質です。

消費者への大きな健康リスクがないこと

日本で食品添加物として使用が認められて

いても、JECFA の評価が終わっていなければ

規格の策定作業は行いません。

38

~ GSFA の対象物質 ~

JECFA の評価が終わっていない物質の例

トレハロース

コハク酸二ナトリウム

食品添加物使用の必要性(1)

a. 食品の栄養特性の維持、または、

意図的な栄養特性の減少

(糖尿病患者用の糖分を減らした食品)

以下の

a-d のいずれか一つ以上に該当

する必要があります。

b. 特別な食事が必要な人に必要な成分

の提供

(14)

食品添加物使用の必要性(2)

c. 保存性・安定性の向上、官能特性の

改善

(消費者をだますために食品の品質等

を変化させるものは除く)

d. 製造、加工、包装、輸送、貯蔵の補助

(不適切な原材料や不衛生な作業を隠

すための使用は除く)

40

消費者に誤解を与える添加物の使用

・原材料にイチゴが全く入っていないのに

イチゴの味がするイチゴキャンディー

・モモの使用量を減らすため、甘味料で味

を調整したピーチジャム

Codex では、原材料の代わりに食品添加物

を使うことを認めていません。

41

(例)

演習問題 (1)

1. GSFA は JECFA が人の健康に悪影響がないと評価 した物質を対象としている。 2. JECFA では毒性評価のみを行っている。 3. JECFA の評価が終了した物質は、食品の製造の際 に好きなだけ使用しても問題ない。 4. 食品の製造の補助のため食品添加物を使用する ことは食品添加物の使用の必要性に含まれる。 5. Codex は、食品を製造する際に、原材料と同じ味・ 香り・色を持つ食品添加物の使用を認めている。 42

以下の事柄が正しければ○、間違っていれば×を

付けてください。

(15)

43

③ 食品添加物の機能分類、技術的目的

2. GSFA の理解に必要な用語の

解説

FUNCTIONAL CLASSES DEFINITION TECHNOLOGICAL PURPOSE 1. Acidity regulator

A food additive, which controls the acidity or alkalinity of a food.

Acidity regulator, acid, acidifier, alkali, base, buffer, buffering agent, pH adjusting agent 定義

食品添加物の機能分類とその定義

技術的目的 機能分類 CAC/GL 36-1989 Codex では 食品添加物の機能を27 に分類しています。 44

機能分類 (1)

※ 仮訳です。

FUNCTIONAL CLASSES DEFINTION 1. Acidity regulator 食品の pH を調整する 2. Anticaking agent 食品の構成要素どうしの接着を防ぐ 3. Antifoaming agent 泡立つのを防ぐ又は減らす 4. Antioxidant 酸化による品質の劣化を防ぎ食品 の保存期間を長くする 5. Bleaching agent 食品を脱色する(色素は含まない)

(16)

機能分類 (2)

※ 仮訳です。

FUNCTIONAL CLASSES DEFINTION 6. Bulking agent 食品の栄養価に大きく寄与すること なく、食品のかさを増やす 7. Carbonating agent 食品に炭酸ガスを含ませる 8. Carrier 甘味料、香料、栄養素などを溶解、 希釈、分散させることで、その取り扱 いを容易にする 9. Colour 食品を着色する又はその色調を回 復させる 46

機能分類 (3)

※ 仮訳です。

FUNCTIONAL CLASSES DEFINTION 10. Colour retention agent 食品の色調を安定化させる又は強 める 11. Emulsifier 食品中でエマルジョンを均一にする 又はその状態を保つ 12. Emulsifying salt 加工食品に使用し、タンパク質の構 造を変化させ、脂肪の分離を防ぐ 13. Firming agent 組織の形状を保ち、食感をぱりっと させる又はその状態を保つ ゲル化剤と一緒に使用しゲルを形 成又は強化する 47

機能分類 (4)

※ 仮訳です。

FUNCTIONAL CLASSES DEFINTION 14. Flavour enhancer 食品にある風味や香りを増強する 15. Flour treatment agent 小麦粉や生地に加え、焼き上がった 食品の品質や色調を改善する 16. Foaming agent 食品中で気泡を均一に分散させる 又はその状態を維持する 17. Gelling agent ゲル化し、食品に歯ごたえを与える 18. Glazing agent 食品の外皮に使用し、食品に光沢を 与える又はその表面を保護する 48

(17)

機能分類 (5)

※ 仮訳です。

FUNCTIONAL CLASSES DEFINTION 19. Humectant 食品周囲の乾燥による影響で、食 品自体が乾燥するのを防ぐ 20. Packaging gas 食品を酸化や損傷から守るために 食品の容器に注入する気体 21. Preservative 食品を微生物による品質の劣化か ら守り、保存期間を長くする 22. Propellant 食品を容器の外に出すために食品 の容器に注入する気体 49

機能分類 (6)

※ 仮訳です。

FUNCTIONAL CLASSES DEFINTION 23. Raising agent 気体を発生させパンの生地やころも を膨らませる 24. Sequestrant キレート作用により、食品の色調、 香り、食感を安定化させる 25. Stabilizer 食品の構成要素の分散状態を均一 に保ち物理化学的状態を維持する 26. Sweetener 食品に甘味を与える(単糖類、二糖 類を除く) 27. Thickener 食品の粘度を増加させる 50

演習問題 (2)

使用の正当性と食品添加物の機能分類が適切な

組み合わせになるよう線で結んでください。

• 水分を保持する

使用の正当性

機能分類

• 酸化による品質の劣

化を防ぐ

• 油脂の分離を防ぐ

• pH を調整し、タンパク質

の凝集を防ぐ

• 粉体がダマになるのを

• Thickener

• Anticaking agent

• Acidity regulator

• Antioxidant

• Emulsifier

• Stabilizer

(一つだけどれにも当てはまらない機能分類があります)

(18)

食品衛生法との違い

52

GSFA

(指定添加物)

食品衛生法

食品添

加物の

用途

技術的に正当と

認められた機能

でのみ使用

でき

る。

用途を制限する記

載がない限り、

途に制限はない

INS(国際番号システム) ①

○ 各国で使用されている

食品添加物に番号を

付け、機能とともにリスト化

(ただし、香料、チューイングガムの基質、

栄養強化剤は除く。)

○ 各国からの提案で、リストの修正が可能

53

・ リストへの食品添加物の追加・修正

・ 技術的目的の追加・削除など

I

nternational

N

umbering

S

ystem

INS は各国で使用されている食品添加物を

リストにしたものです。

54

INS(国際番号システム) ②

~ 注意すべき点 ~

国際番号システムのリストには、以下のよう

な物質も含まれます。

1. JECFA の評価が終わっていない物質

2. Codex が食品添加物としての使用を承

認していない物質

3. 日本で食品添加物として使用できない

物質

(19)

INS

No.

Name of Food

Additive

Functional class

Technological

purpose

252

Potassium

nitrate

Colour retention

agent

colour fixative

Preservative

preservative

添加物の名称

リストの具体例

技術的目的 INS 番号 CAC/GL 36-1989 55 機能分類 56

④ 食品中の最大濃度

2. GSFA の理解に必要な用語の

解説

食品添加物の食品中の最大濃度

○ 食品中で目的の効果を達成するため

に必要な食品添加物の最大濃度

1. 最終食品を 1 kg 作るために必要な食品添加

物の実際の使用量

を基に設定。

2. 加える食品添加物溶液の濃度ではありません。

3. Codex が使用を推奨する濃度ではありません。

注意

(20)

GMP(適正製造規範)

定義

① 目的の

効果を達成するための必要最小

限の濃度

であること

② 食品の製造・加工・包装過程で使用し、

最終製品中での効果を期待しない添加

物は、可能な限り減らす

こと。

③ 食品添加物が

適正な品質

であること

Good Manufacturing Practice

58

食品添加物を使うときに守るべき一般原則

食品中の最大濃度が GMP とは?

技術的な理由等により、

食品添加物の食品中

の濃度はおのずと決まる

ことを意味します。

(例)

適量であれば、ドレッシングの野菜への付着

性を高めることができます。

ドレッシングに増粘剤を使用する場合

一方、過度に使用するとドレッシングを瓶か

ら注ぐことができなくなります。

この場合、食品添加物の食品中の濃度は

技術

的な理由でおのずと決まる

と言えます。

59

~ Limited by GMP の意味 ~

最大濃度が”Limited by GMP”となっていても、

無制限に使用できるわけではありません

食品衛生法との違い

60

GSFA

(指定添加物)

食品衛生法

対象

食品

リストアップされた

食品分類にのみ

使用できる

記載がない場合、

対象食品の規制

はない

食品中

の最大

濃度

食品分類ごとに食

品中の最大濃度

を決定

記載がない場合、

使用量等の制限

はない

(21)

演習問題 (3)

1. 食品の製造中に加える食品添加物溶液の濃

度である。製造中に食品添加物の効果が薄

れるため、実際の使用量より少なめに設定さ

れている。

2. Codex がその食品添加物の使用を推奨する

濃度のことである。食品の多様性を考慮し、

実際の使用量より多めに設定されている。

3. 食品を 1 kg 製造する際に必要な食品添加物

の使用量のうち最大のものである。実際の使

用量をもとに設定されている。

61

GSFA におけるMaximum Use Level の説明として

正しいのはどれでしょうか。

演習問題 (4)

1. 食品中の最大濃度が数値ではないので、食

品添加物をどれだけ使用しても良いという意

味である。

2. 技術的な理由等でおのずと食品中の濃度が

決まるという意味である。

3. 食品添加物を使用する際の一般原則のこと

であり、食品添加物を必要最小限の量だけ

使用できるという意味である。

62

食品中の最大濃度がGMP となっている場合の

解釈として正しいのはどれでしょうか。

⑤ 食品添加物のキャリーオーバー

2. GSFA の理解に必要な用語の

解説

(22)

食品添加物のキャリーオーバー (1)

定義

64

原材料に使用した食品添加物が最終食品中に

存在することであり、次の三つの条件があります。

1. GSFA で

当該食品添加物の原材料への使

用が認められている

こと。

2. 原材料中の食品添加物の濃度が、

GSFA

で認められている濃度を超えない

こと。

3. 原材料を適切に使用した場合に食品中に

含まれる濃度を超えない

こと。

原材料に食品添加物が使用できない場合でも、

加工食品の食品分類で使用が認められていれ

ば、

当該加工食品の原材料として使用する場

合のみ、食品添加物の使用が認められます

65

加工食品

原材料

GSFA に規格あり GSFA に規格なし 例:しょう油 例:つくだ煮 つくだ煮に添加物A の規格がある場合、しょう油がつくだ 煮用である場合のみ、添加物A の使用が認められます。

~その他使用が認められる場合~

食品添加物のキャリーオーバー (2)

キャリーオーバーを認めない食品分類は以

下の通りです。ただし、当該食品分類で使用

が認められている場合を除きます。

66

1. 乳児用粉ミルク、フォローアップミルク、特

別医療用の乳児用粉ミルク (食品分類

13.1)

2. 乳児、幼児用補助食品 (食品分類 13.2)

乳児: 12 ヶ月齢未満 幼児: 12 ヶ月齢以上36 ヶ月齢未満

食品添加物のキャリーオーバー (3)

(23)

食品衛生法では

以下の条件を全て満たす場合、原材料に使

用した添加物が最終食品に移行しても、

終食品に添加物を使用したものとみなして

いません

(ただし、「添加物一般の使用基準」

の冒頭にみなし規定があるものを除きます)。

67

① 原材料に食品添加物の使用が認めら

れていること

② 使用基準で使用量の最大限度が規定

されている場合は、許可された最大量

を超えないこと

(条件)

使用基準のみなし規定の例

68

第 1 欄

第 2 欄

第 3 欄

ソルビン酸、ソルビ

ン酸カリウム及び

ソルビン酸カルシ

ウム

みそ

みそ漬の漬物

この場合、ソルビン酸入りのみそを、みそ漬の漬

物を作るときに使用すると、みそ漬の漬物にソル

ビン酸を使用したものとみなされます。

(「食品、添加物等の規格基準」から抜粋)

キャリーオーバー(参考)

食品の原材料の製造又は加工の過程にお

いて使用され、かつ、当該食品の製造又は

加工の過程において使用されないもので

あって、

当該食品中には当該物が効果を発

揮することができる量より少ない量しか含ま

れていないもの

をいう

(食品衛生法施行規則(内閣府令第 45 号))

~食品衛生法の定義(

食品表示が目的

)~

(24)

(前提条件) 70

演習問題 (5)

GSFA のキャリーオーバーの定義に該当するものに は○を、該当しないものには×を付けてください。 1. 着色料A の原材料B 中の濃度が80 mg/kg のもの を使用して食品C を製造した場合。 2. 着色料A の原材料B 中の濃度が120 mg/kg のもの を使用して食品C を製造した場合。 3. 着色料A の原材料B 中の濃度が90 mg/kg のもの を使用して食品C を製造した場合。 着色料A は原材料B に使用可能。GSFA で認められてい る原材料B 中の最大濃度は 100 mg/kg。 (前提条件) 71

演習問題 (6)

GSFA のキャリーオーバーの定義に該当するものに は○を、該当しないものには×を付けてください。 1. 食品B を1 kg 製造するために、着色料A の濃度が 900 mg/kg の原材料C を 200 g 使用した場合。 2. 食品B を1 kg 製造するために、着色料A の濃度が 800 mg/kg の原材料C を 300 g 使用した場合。 3. 食品B を1 kg 製造するために、着色料A の濃度が 500 mg/kg の原材料C を 400 g 使用した場合。 GSFA で認められている着色料 A の最大濃度は以下の とおりとします。 食品B: 200 mg/kg 原材料C: 800 mg/kg 72

⑥ 食品分類システム

2. GSFA の理解に必要な用語の

解説

(25)

73

食品分類システム

 GSFA で

食品添加物の食品中の最大濃度を

割り当てるために使用

 国際的に流通する

全ての食品を分類

通常

食品添加物を使用しない食品も含まれる

キャリーオーバーを考慮

(ピザなどの複合食

品を全て分類しているわけではない)。

 加工方法、食品の形態等が似ている食品を

同じグループに分類。

特徴

階層構造

をとる(大分類で使用が認められる

と、それに含まれる小分類でも使用可能)。

74

FOOD CATEGORY SYSTEM

PART I: Food Category System

01.0 Dairy products and analogues, excluding products of food category 02.0

01.1 Milk and dairy-based drinks 01.1.1 Milk and butter milk (plain) 01.1.1.1 Milk (plain)

食品分類システムの例

大分類

中分類

小分類

PART II: Food Category Descriptors

01.0 Dairy products and analogues, excluding products of food category 02.0:

Includes all types of dairy products that are derived from the milk of any milking animal (e.g., cow, sheep, goat, buffalo). In this category, a “plain” product is one that is not flavoured, nor contains fruit, vegetables or other non-dairy ingredients, nor is mixed with other non-dairy ingredients, unless permitted by relevant standards. Analogues are products in which milk fat has been partially or wholly replaced by vegetable fats or oils

01.1 Milk and dairy-based drinks:

解説文

(26)

食品分類 番号 定義 01.0 乳製品およびその類似品(食品分類 02.0 に含まれる食品を除く) 02.0 油脂および脂肪を乳化させたもの 03.0 食用氷(シャーベットを含む) 04.0 果物および野菜(きのこ、茎菜類、塊茎類、 豆類(未成熟な豆を含む)、アロエを含む)、 海藻類、ナッツ類、種子

食品分類 (1)

※仮訳です。

76 食品分類 番号 定義 05.0 菓子類 06.0 穀物および根菜、塊茎、豆類(未成熟な 豆を含む)、椰子の実から作られた穀物 加工食品(食品分類 07.0 に含まれるも のを除く) 07.0 パン、ケーキ類 08.0 肉類、食肉加工品(家禽肉、狩猟肉を含む)

食品分類 (2)

※仮訳です。

77

食品分類 (3)

※仮訳です。

78 食品分類 番号 定義 09.0 魚、魚類加工品(軟体動物、甲殻類、棘皮動物を含む) 10.0 卵、卵加工品 11.0 甘味料(ハチミツを含む) 12.0 塩、香辛料、スープ、ソース、サラダ、タンパク製品

(27)

食品分類 (4)

79

※仮訳です。

食品分類 番号 定義 13.0 栄養上の特殊な用途のための食品 14.0 飲料(乳製品を除く) 15.0 スナック類、味付きナッツ 16.0 調理済み食品

食品分類16

調理済み食品や複数の原材料から成る食品

が必ず食品分類16に該当するわけではない

例: レトルトカレー 食品分類16

80

~調理済み食品~

 食品分類 1~15 のいずれにも該当しない食品

特徴

原材料からのキャリーオーバーでは説明がつ

かない

食品添加物の使用のうち、

使用が正当

認められるもの

食品分類16

カレーソースの粘度を調整しているのであれば、

ソースの食品分類に該当

します。

~原材料からの添加物のキャリーオーバーとは?~

食品添加物を何のために使用しているかもう一度

考えてみましょう。

○間違いの例1

レトルトカレーの粘度を増加安定させるために増

粘剤を使用している。レトルトカレーの食品分類は

ないので食品分類16 に該当する。

(28)

3. GSFA と食品衛生法の違い

82

GSFA

食品衛生法

① 通常それ自体を食品として消費 せず、典型的な食品の成分でな いもの 食品の製造の過程 において又は食品の 加工若しくは保存の 目的で、食品に添加、 混和、浸潤その他の 方法によって使用す るもの (食品衛生法 第4条 第2項) ② 食品の製造、加工、調理、処理、 充填、包装、輸送又は保存におい て、目的(官能的なものも含む)を 持って意図的に添加するもの ③ 添加物又はその副生成物が食品 中に存在すると考えられ、特性に 影響を及ぼすもの 83

食品添加物の定義の違い

食品添加物の定義の違い (2)

GSFA

食品衛生法

乳化剤

加工助剤

栄養強化剤

加工デンプン

オレンジ果汁

香料

84

(29)

規格の内容の違い

GSFA 食品衛生法(指定添加物) 食品添加 物の用途 技術的に正当と認め られた機能でのみ使 用できる。 使用基準に用途を制限す る記載がない限り、用途 に制限はない。 対象食品 リストアップされた食 品分類のみに使用で きる 使用基準に記載がない場 合、対象食品の規制はな い 食品中の 最大濃度 食品分類ごとに食品 中の最大濃度を決定 使用基準に記載がない場 合、使用量等の最大限度 の制限はない 85

演習問題 (7)

86

以下の事柄が正しければ○、間違っていれば×を

付けてください。

1. 加工助剤は GSFA の食品添加物の定義に含まれる。 2. JECFA の評価が終った物質は、すぐに食品添加物と して使用できるようになる。 3. GSFA の規格は、それぞれの食品分類に対して策定 される。 4. GSFA に規格を提案する際は、どのような効果を目 的として食品添加物を使用しているのか明らかにす る必要がある。 5. GSFA に規格を提案する際は、製造時に加える可能 性のある食品添加物溶液の最大濃度が必要である。

4. GSFA の構成

(30)

GSFA の構成

• 前文

• 付属文書

A:最大使用基準値検討のためのガイドライン

B:食品分類システム一覧表

C:食品分類と個別食品規格の対応表

食品添加物条項

表1、表2、表3、表3 の付属文書

88

前文

89

 言葉の定義

(食品添加物、食品中の最大濃度など)

 食品添加物使用の一般原則

(使用の正当性、GMP など)

 キャリーオーバー

 食品分類システム

 GSFA の構成

規格を理解する上で必要な用語を説明。

付属文書①

90

A:ADI が数値で設定された食品添加物の最大

使用基準値検討のためのガイドライン

提案された食品中の最大濃度を規格に採用し

ても健康への悪影響がないかどうかを

スク

リーニングするためのガイドライン

このガイドラインを用いて計算した結果を基に

食品中の最大濃度を割り振るわけではありま

せん

食品添加物の摂取量を正確に推定するために

このガイドラインを使用することはできません。

(注意)

(31)

91

付属文書②

 GSFA で

食品添加物の食品中の最大濃度を

割り当てるために使用

 国際的に流通する

全ての食品を分類

通常

食品添加物を使用しない食品も含まれる

キャリーオーバーを考慮

(ピザなどの複合食

品を全て分類しているわけではない)。

 加工方法、食品の形態等が似ている食品を

同じグループに分類。

B: 食品分類システム(再掲)

階層構造

をとる(大分類で使用が認められる

と、それに含まれる小分類でも使用可能)。

特徴

92

付属文書③

C:食品分類と個別食品規格の対応表

CROSS-REFERENCE OF CODEX STANDARDISED FOODS WITH THE FOOD CATEGORY SYSTEM

USED FOR THE ELABORATION OF THE GSFA Annex C sorted by Codex Standard Number Standard

No.

Codex Standard Title Food Cat. No. 003-1981 Canned Salmon 09.4 012-1981 Honey 11.5 個別食品規格の番号の順番に並んだ表と食品分類 の順番に並んだ表があります。

表1

食品添加物の名称の順

に並べた表。

表2

食品分類の順

に並べた表。

表3 JECFA が

「ADI を特定しない」と評価した

食品添加物とその機能分類を食品添加物の名

称の順

に並べた表。

食品添加物条項①

食品添加物条項は次の三種類あります。

(32)

表1 食品添加物の名称の順に並べた表(例)

94 BRILLIANT BLUE FCF

INS 133 Brilliant blue FCF

Food Cat No

Food Category Max Level Notes Year Adopted 01.6.2.2 Rind of ripened cheese 100 mg/kg 2005 01.6.5 Cheese analogues 100 mg/kg 3 2009 … … … … …

Functional class: Colour

食品添加物条項②

Note 3: Surface treatment.

ある食品添加物がどのような食品に使用できるのか を知りたい場合に便利

BRILLIANT BLUE FCF INS 133 Brilliant blue FCF

Food Cat No

Food Category Max Level Notes Year Adopted 01.6.2.2 Rind of ripened cheese 100 mg/kg 2005 01.6.5 Cheese analogues 100 mg/kg 3 2009 … … … … … 機能分類

表の説明

食品中の 最大濃度 食品分類 95

Functional class: Colour

注釈 Note 3: Surface treatment.

※注釈は表の最後にまとめて記載されています 食品添加物の名称

96

表2 食品分類の順に並べた表

Food Category No. 01.6.2.2

Rind of ripened cheese

Additive INS Year Adopted

Max Level Notes

ALLURA RED AC 129 2009 100 mg/kg BRILLIANT BLUE FCF 133 2005 100 mg/kg

食品添加物条項③

ある食品にどのような食品添加物の使用が認められ ているかを知りたい場合に便利

(33)

INS No Additive Functional Class Year Adopted 626 5’-Guanylic acid Flavour enhancer 1999 330 Citric acid Acidity regulator,

Antioxidant, Sequestrant 1999

この表にある食品添加物は、

GMP の一般原則

に従った使い方であれば、

目的の効果を達成

するために必要な分だけ使用できます。

表3(例)

97

食品添加物条項④

表3 JECFA が「ADI を特定しない」と評価した

食品添加物を名称の順に並べた表

GMP(適正製造規範)

定義

① 目的の

効果を達成するための必要最小

限の濃度

であること

② 食品の製造・加工・包装過程で使用し、

最終製品中での効果を期待しない添加

物は、可能な限り減らす

こと。

③ 食品添加物が

適正な品質

であること

Good Manufacturing Practice

98

食品添加物を使うときに守るべき一般原則

再掲

付表にある食品分類に表3 にある食品添加物を

使用する場合、

表1 、表2 に食品中の最大濃度を

規定する必要があります

表3 の付表

生鮮野菜など加工度が比較的低い

食品分類の表

表3 の付表(例) Category Number Food Category

01.1.1 Milk and buttermilk (plain) (EXCLUDE HEAT-TREATED BUTTERMILK)

01.2 Fermented and renneted milk products (plain) excluding food category 01.1.2 (dairy

(34)

100 CITRIC ACID

INS 330 Citric acid Functional class: Acidity regulator, Antioxidant, Sequestrant

Food Cat

No Food Category Max Level Notes Year Adopted 01.6.6 Whey protein cheese GMP 2006 14.1.2.1 Fruit juice 3000 mg/kg 122 2005

Note 122: Subject to national legislation of the importing country.

食品添加物条項⑥

表3 にある食品添加物

実際の例(表1)

表3 付表にある食品分類 品名 分類 使用基準 使用でき る食品等 使用量等の 最大限度 使用制限 アセスル ファムカリ ウム 甘味 料 チューイン ガム 5.0 g/kg 特別の用途表示 の許可又は承認 を受けた場合はこ の限りではない。 … …

食品衛生法で GSFA と同様の規制が

行われている例

101 ACESULFAME POTASSIUM INS 950 Acesulfame potassium

Food Cat No

Food Category Max Level Notes Year Adopted 05.3 Chewing gum 5000 mg/kg 161 188 2007 … … … … …

対応するGSFA の食品添加物条項の例

Functional class: Flavour enhancer, Sweetener

102 Note 188: Not to exceed the maximum use level for acesulfame potassium (INS 950) singly or in combination with aspartame-acesulfame salt (INS 962).

Note 161: Subject to national legislation of the importing country aimed, in particular, at consistency with Section 3.2 of the Preamble.

(35)

品名 分類 使用基準 使用できる 食品等 使用量等の 最大限度 使用制限 アスパル テーム 甘味料 103

食品衛生法と GSFA で規制が異なる例

ASPARTAME INS 951 Aspartame Food Cat No

Food Category Max Level Notes Year Adopted 04.1.2.1 Frozen fruit 2000 mg/kg 161

191 2008

… … … … …

Functional class: Sweetener

104 Note 161: Subject to national legislation of the importing country aimed, in particular, at consistency with Section 3.2 of the Preamble.

Note 191: Not to exceed the maximum use level for aspartame (INS 951) singly or in combination with aspartame-acesulfame salt (INS 962).

対応するGSFA の食品添加物条項の例

(36)

使用実態調査に必要な情報

① 食品分類、食品名

④ 食品中の添加物の最大濃度

③ 食品添加物の使用の正当性

② INS(国際番号システム)

番号、食品

添加物の名称

⑤ 個別食品規格との整合性

106

5. 調査票に記入する際の注意点

107

① 食品分類、食品名

食品添加物の規格は、食品分類ごとに策定される

ため、規格を提案するために必要です。

① 食品分類、食品名(その1)

解説をお読みいただいた上で、分類ができない

場合はお知らせ下さい。

GSFA の付属文書B

には、

それぞれの食品分類の

解説

がありますので、ご一読いただき適切な食品

分類を選択してください。

108

○食品分類

○食品名

食品分類の誤りをチェックしたり、食品添加物の

使用の妥当性を判断するために必要です。

(37)

① 食品分類、食品名(その2)

(例) 鯛焼き用ミックスの場合

109

07.0 Bakery wares:

Includes categories for bread and ordinary bakery wares (07.1) and for sweet, salty and savoury fine bakery wares (07.2)

07.1 Bread and ordinary bakery wares and mixes:

Includes all types of non-sweet bakery products and bread-derived products.

07.2 Fine bakery wares (sweet, salty, savoury) and mixes:

Includes sub-categories for ready-to-eat products (07.2.1 and 07.2.2) as well as mixes (07.2.3) for preparing fine baked goods.

鯛焼きミックスは 食品分類 07.2 に分類されることがわかります。

① 食品分類、食品名(その3)

(例) 鯛焼き用ミックスの場合

110 07.2.1 Cakes, cookies and pies (e.g., fruit-filled or custard types): The term “sweet cracker” or “sweet biscuit” used in this category refers to a cookie-like product that may be eaten as a dessert. … 07.2.2 Other fine bakery products (e.g., doughnuts, sweet rolls, scones, and muffins):

Includes products that may be eaten as a dessert or as breakfast.… 07.2.3 Mixes for fine bakery wares (e.g., cakes, pancakes):

Mixes containing the dry ingredients to which wet ingredients (e.g.,

water, milk, oil, butter, eggs) are added to prepare a dough for fine

baked goods.… 鯛焼きミックスは 食品分類 07.2.3 に分類されることがわかります。

① 食品分類、食品名(その4)

食品分類が適切かどうか判断できるよう、

詳細な記載をお願いします。

(食品名の例)

チーズ

モッツァレラチーズ

この情報では食品分類が特定できない

(38)

5. 調査票に記入する際の注意点

112

② INS(国際番号システム)番号、食品添

加物の名称

INS 番号と食品添加物の名称はセットで記入

してください。

② INS(国際番号システム)

番号、食品

添加物の名称(その1)

GSFA には、食品添加物の機能分類、食品中

の最大濃度とともに、INS 番号が掲載されま

す。

INS 番号の特定に必要な情報の記載を

お願いします

(3 桁または4 桁の数字だけで

は特定できない場合があります)。

(例)

113

160a (i) Carotenes, beta-, synthetic INS 160 Carotenes

食品添加物の名称とは、食品添加物製剤

に入っている

有効成分の名称

のことです。

食品添加物製剤の名称ではありません

② INS(国際番号システム)

番号、食品

添加物の名称(その2)

(例) ベーキングパウダー

炭酸水素ナトリウム

リン酸三ナトリウム

硫酸アルミニウムアンモニウム

114

(39)

日本語の名称のみでは INS 番号が決まら

ない場合があります。

② INS(国際番号システム)

番号、食品

添加物の名称(その3)

(例)

INS番号 英語名称

471 Mono- and di- glycerides of fatty acids 472a Acetic and fatty acid esters of glycerol 472b Lactic and fatty acid esters of glycerol 472c Citric and fatty acid esters of glycerol

日本語名称:グリセリン脂肪酸エステル

115

② INS(国際番号システム)

番号、食品

添加物の名称(その4)

○ INS 番号を特定できない日本語名の例

日本語の名称のみでは INS 番号が決まら

ない場合があります。

リン酸類 (29 種類)

加工デンプン (18 種類)

カロテン (14 種類)

ソルビン酸類 (4 種類)

116

カラメル(4 種類)

CARAMEL III - AMMONIA CARAMEL

INS 150c Caramel III – ammonia caramel Food Cat

No Food Category Max Level Notes Year Adopted 12.3 Vinegars 1000 mg/kg 78 2010 … … … … …

INS 番号

Functional class: Colour

② INS(国際番号システム)

番号、食品

添加物の名称(その5)

(40)

5. 調査票に記入する際の注意点

118

③ 食品添加物の使用の正当性

③ 食品添加物の使用の正当性(その1)

食品添加物の機能を特定

してください。

Codex が示した食品添加物の機能の定義

をご一読いただき、27の機能分類のいずれ

かをご記入ください。

適当な機能分類がない場合、Codex の食品

添加物の定義に該当しない可能性がありま

す。

119

機能分類の例: Preservative, Stabilizer

例: 栄養強化剤

③ 食品添加物の使用の正当性(その2)

 賞味期限内の微生物の繁殖を抑えるた

め保存料を使用する。

 加工工程で食品が色落ちするので、そ

れを補うために着色料を使用する。

120

食品添加物のどのような機能により食

品の品質等をどのように変化させるの

か記載

して下さい。

その機能の食品添加物を使わないといけな

い理由を記載して下さい。

(41)

③ 食品添加物の使用の正当性(その3)

 品質の劣化を防ぐ

121

 使用の正当性の情報が不十分なため、

食品添加物の機能が特定できない例

 食感を良くする

 物性改良

 保存性の向上

 品質の安定化

 官能的特性の改善のため

③ 食品添加物の使用の正当性(その4)

(例) pH を下げて保存性を良くするために

製剤A を使用しているとします。

122

使用の正当性の情報は、有効成分ごとに

必要です

 乳酸

 乳酸ナトリウム

製剤A の組成

乳酸、乳酸ナトリウムの使用目的は製剤

と同じで良いでしょうか?

演習問題 (8)

機能分類をどのように修正すべきでしょうか?

食品名 機能分類 使用の正当性 かまぼこ Thickener 食品からの離水を防止し、食感を維持する なす漬物 Stabilizer なすの色素と結合し、色落ちを防止する 発酵乳 Thickener 脂肪の分離を防ぐことによる物性の安定化 クリーム Stabilizer pH を調整することによる乳化

(42)

5. 調査票に記入する際の注意点

124

④ 食品中の添加物の最大濃度

④ 食品中の添加物の最大濃度(その1)

必要なのは

最終食品を 1kg 作るために使

用した食品添加物の実際の使用量

です。

○ よくある間違い(例1)

食品の製造段階における食品添加物の濃度

を記載した。

小麦粉 1 kg 中の濃度ではありません。

食品A を作るために、小麦粉1 kg に対して食

品添加物を1 g 使用する。だから食品中の濃

度を 1,000 mg/kg と報告した。

125

④ 食品中の添加物の最大濃度(その2)

必要なのは

最終食品を 1kg 作るために使

用した食品添加物製剤に含まれる有効成

分の量です

○ よくある間違い(例2)

食品添加物製剤の食品中の濃度を記載した。

ベーキングパウダーに含まれる有効

成分ごとに濃度を計算して下さい。

ケーキ を 1 kg 作るために、ベーキングパウ

ダーを1 g 使用した。このため、食品中の濃度

を 1,000 mg/kg と報告した。

126

(43)

④ 食品中の添加物の最大濃度(その3)

必要なのは

最終食品を 1kg 作るために使

用した有効成分の量です

○ よくある間違い(例3)

食品の製造途中で加える食品添加物の濃度

を記載した。

必要なのは最終食品中の濃度を記載

して下さい。

食品B を 1kg 作るために、有効成分C の濃度

が100 mg/kg の溶液を使用した。このため、食

品中の濃度を 100 mg/kg と報告した。

127 128

④ 食品中の添加物の最大濃度(その4)

GSFA に記載される食品中の最大濃度は、

実際の使用量がベースになっています。

GSFA では、食品添加物は、

GMP (適正製

造規範) の一般原則に従って使用すべき

と規定されています。

つまり、食品添加物は、

目的の効果を達

成するための必要最小限の濃度

でなけ

ればなりません。

129

GMP(適正製造規範)

定義

① 目的の

効果を達成するための必要最小

限の濃度

であること

② 食品の製造・加工・包装過程で使用し、

最終製品中での効果を期待しない添加

物は、可能な限り減らす

こと。

③ 食品添加物が

適正な品質

であること

Good Manufacturing Practice

食品添加物を使うときに守るべき

一般原則

参考

(44)

5. 調査票に記入する際の注意点

130

⑤ 個別食品規格との整合性

⑤ 個別食品規格との整合性(その1)

個別食品規格に含まれる場合、

その規格

の食品添加物条項と GSFA の整合が取れ

ているか確認する必要

があります。

 個別食品規格とは

特定の食品に対して、品質を確保するた

めに必要不可欠な構成要素、

食品添加物

汚染物質、食品衛生、表示、分析サンプリ

ング法等を規定したもの。

131

食品添加物条項の策定プロセス

個別食品部会に対し、以下の項目の検討を

依頼。

(個別食品規格がある食品)

① 食品添加物の機能分類

② 食品添加物を使用する技術的正当性

個別食品部会から提供された

食品添加物の

リスト等の

情報をもとに、食品添加物部会が

食品添加物条項を

承認するかどうかを決定

132

(45)

このため、まず、

個別食品部会で食品添

加物条項を改正してもらう必要

があります。

逆に個別食品規格に記載がない食品添

加物は、個別食品部会から必要な情報

(食品添加物の機能分類や使用の技術的

正当性)が提供されていません。

133

食品添加物条項の策定プロセス(つづき)

(個別食品規格がある食品)

その後、

食品添加物部会でその条項を承

認するか議論

することになります。

⑤ 個別食品規格との整合性(その2)

 個別食品規格の有無の調べ方

「GSFA 付属文書C:食品分類と個別食品規格の

対応表 (p.48-66)」をご覧ください。

http://www.codexalimentarius.net/gsfaonline/

docs/CXS_192e.pdf

GSFA は以下のURL からダウンロードしてください。

対応表は以下の3種類ありますが、対象の食品

が決まっている場合は食品分類順が便利です。

• 規格の番号順

• 規格のアルファベット順

• 食品分類順

134

⑤ 個別食品規格との整合性(その3)

 個別食品規格の調べ方

http://www.codexalimentarius.org/standards/

list-of-standards/en/

「食品分類と個別食品規格の対応表」で当該食品

分類に含まれる個別食品規格の番号をメモし、そ

れを基に以下のURLから個別食品規格を検索して

ください。

Reference

Title

Committee

CODEX STAN 87-

Standard for

CCCPC

規格番号

(46)

⑤ 個別食品規格との整合性(その4)

その食品が含まれる食品分類 に個別食品規格があるか

Yes

その食品は個別食品規格の対 象に含まれるか

Yes

その食品添加物は個別食品規 格で使用が認められており、食 品中の最大濃度や機能が一致 しているか

Yes

No

作業不要

No

対象外と考えた 理由を記載

No

提案不可 まず個別食品規 格に実態を反映 させる必要あり 調査票にその旨を記載

整合性確認のためのフローチャート

136

⑤ 個別食品規格との整合性(その5)

調査票に記入する食品が、個別食品規格

の対象かどうかをご記入ください。

○調査票に記入する食品に関連しそうな個別

食品規格がある場合

(注意)

規格の名前だけで判断せず、必ず規格

のScope を確認してください

CODEX STAN 151-1985 Standard for Gari

137

(例)

⑤ 個別食品規格との整合性(その6)

お寿司屋さんでみかける「ガリ」は次の規格の

対象でしょうか?

規格の ”Scope”を見るとすぐわかります。

(例)

CODEX STAN 151-1985 Standard for Gari

1. SCOPE

This standard applies to gari destined for

direct human consumption which is

obtained from the processing of

cassava

tubers

(Manihot esculenta Crantz)

138

(47)

⑤ 個別食品規格との整合性(その7)

個別食品規格の添加物条項と実際の使用

方法を比較してください。確認事項にある

三つの項目を満たしている必要があります。

○個別食品規格に含まれる場合

 使用している食品添加物が、

個別食品

規格に記載されているか

(確認事項)

 食品添加物の

機能が一致しているか

 食品中の最大濃度は規格の濃度以下か

139

⑤ 個別食品規格との整合性(その8)

○調査票に記載した食品が個別食品規格

に含まれない場合は、そのように考えた

理由を記載して下さい。

○調査票に記載した食品が個別食品規格

に含まれているが、個別食品規格にない

食品添加物を使っている場合

まず個別食品規格の食品添加物条項を

変える必要があります

140

演習問題 (9)

GSFA Food Categ ory No. Food Category Title 食品添 加物名 INS 番号 使用してい る 食品名 食品中の 最大濃度 (mg/kg) 5.0 Confectioカラメル チョコレート GMP

以下の表は、チョコレートへの食品添加物の使用

実態調査の結果(抜粋)です。修正すべき点をで

きるだけ挙げてください。

参照

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