• 検索結果がありません。

調査票に記入する際の注意点

ドキュメント内 食品添加物の使用実態調査 事例集 (ページ 35-46)

105

使用実態調査に必要な情報

① 食品分類、食品名

④ 食品中の添加物の最大濃度

③ 食品添加物の使用の正当性

② INS (国際番号システム) 番号、食品 添加物の名称

⑤ 個別食品規格との整合性

106

5. 調査票に記入する際の注意点

107

① 食品分類、食品名

食品添加物の規格は、食品分類ごとに策定される ため、規格を提案するために必要です。

① 食品分類、食品名(その1)

解説をお読みいただいた上で、分類ができない 場合はお知らせ下さい。

GSFA の付属文書B には、それぞれの食品分類の 解説がありますので、ご一読いただき適切な食品 分類を選択してください。

108

○食品分類

○食品名

食品分類の誤りをチェックしたり、食品添加物の 使用の妥当性を判断するために必要です。

① 食品分類、食品名(その2)

(例) 鯛焼き用ミックスの場合

109

07.0 Bakery wares:

Includes categories for bread and ordinary bakery wares (07.1) and for sweet, salty and savoury fine bakery wares (07.2) 07.1 Bread and ordinary bakery wares and mixes:

Includes all types of non-sweet bakery products and bread-derived products.

07.2 Fine bakery wares (sweet, salty, savoury) and mixes:

Includes sub-categories for ready-to-eat products (07.2.1 and 07.2.2) as well as mixes (07.2.3) for preparing fine baked goods.

鯛焼きミックスは 食品分類 07.2 に分類されることがわかります。

① 食品分類、食品名(その3)

(例) 鯛焼き用ミックスの場合

110

07.2.1 Cakes, cookies and pies (e.g., fruit-filled or custard types):

The term “sweet cracker” or “sweet biscuit” used in this category refers to a cookie-like product that may be eaten as a dessert. … 07.2.2 Other fine bakery products (e.g., doughnuts, sweet rolls, scones, and muffins):

Includes products that may be eaten as a dessert or as breakfast.…

07.2.3 Mixes for fine bakery wares (e.g., cakes, pancakes):

Mixes containing the dry ingredients to which wet ingredients (e.g., water, milk, oil, butter, eggs) are added to prepare a dough for fine baked goods.…

鯛焼きミックスは 食品分類 07.2.3 に分類されることがわかります。

① 食品分類、食品名(その4)

食品分類が適切かどうか判断できるよう、

詳細な記載をお願いします。

(食品名の例)

チーズ モッツァレラチーズ

この情報では食品分類が特定できない

※商品名や会社の名前の記入は不要です。 111

5. 調査票に記入する際の注意点

112

INS

(国際番号システム)番号、食品添 加物の名称

INS

番号と食品添加物の名称はセットで記入 してください。

② INS (国際番号システム) 番号、食品 添加物の名称(その1)

GSFA

には、食品添加物の機能分類、食品中

の最大濃度とともに、

INS

番号が掲載されま す。INS 番号の特定に必要な情報の記載を お願いします(

3

桁または

4

桁の数字だけで は特定できない場合があります)。

(例)

160a (i) Carotenes, beta-, synthetic 113

INS 160 Carotenes

食品添加物の名称とは、食品添加物製剤 に入っている有効成分の名称のことです。

食品添加物製剤の名称ではありません。

② INS (国際番号システム) 番号、食品 添加物の名称(その2)

(例) ベーキングパウダー

炭酸水素ナトリウム リン酸三ナトリウム

硫酸アルミニウムアンモニウム 114

日本語の名称のみでは

INS

番号が決まら ない場合があります。

② INS (国際番号システム) 番号、食品 添加物の名称(その3)

(例)

INS番号 英語名称

471 Mono- and di- glycerides of fatty acids 472a Acetic and fatty acid esters of glycerol 472b Lactic and fatty acid esters of glycerol 472c Citric and fatty acid esters of glycerol

日本語名称:グリセリン脂肪酸エステル

115

② INS (国際番号システム) 番号、食品 添加物の名称(その4)

INS

番号を特定できない日本語名の例

日本語の名称のみでは

INS

番号が決まら ない場合があります。

リン酸類(

29

種類)

加工デンプン (18 種類)

カロテン(

14

種類)

ソルビン酸類(

4

種類)

116

カラメル(

4

種類)

CARAMEL III - AMMONIA CARAMEL INS 150c Caramel III – ammonia caramel

Food Cat

No Food Category Max Level Notes Year Adopted 12.3 Vinegars 1000 mg/kg 78 2010

INS 番号

Functional class: Colour

② INS(国際番号システム) 番号、食品 添加物の名称(その5)

Note 78: 50 000 mg/kg for pickling and balsamic vinegars only. 117

食品添加物の名称

5. 調査票に記入する際の注意点

118

③ 食品添加物の使用の正当性

③ 食品添加物の使用の正当性(その1)

食品添加物の機能を特定してください。

Codex が示した食品添加物の機能の定義

をご一読いただき、

27

の機能分類のいずれ かをご記入ください。

適当な機能分類がない場合、

Codex

の食品 添加物の定義に該当しない可能性がありま す。

119

機能分類の例:

Preservative, Stabilizer

例:栄養強化剤

③ 食品添加物の使用の正当性(その2)

 賞味期限内の微生物の繁殖を抑えるた め保存料を使用する。

 加工工程で食品が色落ちするので、そ れを補うために着色料を使用する。

120

食品添加物のどのような機能により食 品の品質等をどのように変化させるの か記載して下さい。

その機能の食品添加物を使わないといけな い理由を記載して下さい。

③ 食品添加物の使用の正当性(その3)

 品質の劣化を防ぐ

121

 使用の正当性の情報が不十分なため、

食品添加物の機能が特定できない例

 食感を良くする

 物性改良

 保存性の向上

 品質の安定化

 官能的特性の改善のため

③ 食品添加物の使用の正当性(その4)

(例)

pH

を下げて保存性を良くするために 製剤

A

を使用しているとします。

122

使用の正当性の情報は、有効成分ごとに 必要です

 乳酸

乳酸ナトリウム 製剤A の組成

乳酸、乳酸ナトリウムの使用目的は製剤 と同じで良いでしょうか?

演習問題 (8)

機能分類をどのように修正すべきでしょうか?

食品名 機能分類 使用の正当性

かまぼこ Thickener 食品からの離水を防止し、食感 を維持する

なす漬物 Stabilizer なすの色素と結合し、色落ちを 防止する

発酵乳 Thickener 脂肪の分離を防ぐことによる物

性の安定化

クリーム Stabilizer pH を調整することによる乳化 安定性の向上 123

5. 調査票に記入する際の注意点

124

④ 食品中の添加物の最大濃度

④ 食品中の添加物の最大濃度(その1)

必要なのは最終食品を 1kg 作るために使 用した食品添加物の実際の使用量です。

○よくある間違い(例1)

食品の製造段階における食品添加物の濃度 を記載した。

小麦粉 1 kg 中の濃度ではありません。

食品A を作るために、小麦粉1 kg に対して食 品添加物を1 g 使用する。だから食品中の濃 度を 1,000 mg/kg と報告した。

125

④ 食品中の添加物の最大濃度(その2)

必要なのは最終食品を 1kg 作るために使 用した食品添加物製剤に含まれる有効成 分の量です。

○よくある間違い(例2)

食品添加物製剤の食品中の濃度を記載した。

ベーキングパウダーに含まれる有効 成分ごとに濃度を計算して下さい。

ケーキ を 1 kg 作るために、ベーキングパウ ダーを1 g 使用した。このため、食品中の濃度 を 1,000 mg/kg と報告した。

126

④ 食品中の添加物の最大濃度(その3)

必要なのは最終食品を 1kg 作るために使 用した有効成分の量です。

○よくある間違い(例3)

食品の製造途中で加える食品添加物の濃度 を記載した。

必要なのは最終食品中の濃度を記載 して下さい。

食品B を 1kg 作るために、有効成分C の濃度

が100 mg/kg の溶液を使用した。このため、食

品中の濃度を 100 mg/kg と報告した。

127

128

④ 食品中の添加物の最大濃度(その4)

GSFA

に記載される食品中の最大濃度は、

実際の使用量がベースになっています。

GSFA

では、食品添加物は、GMP (適正製

造規範) の一般原則に従って使用すべき と規定されています。

つまり、食品添加物は、目的の効果を達 成するための必要最小限の濃度でなけ ればなりません。

129

GMP(適正製造規範)

定義

① 目的の効果を達成するための必要最小 限の濃度であること

② 食品の製造・加工・包装過程で使用し、

最終製品中での効果を期待しない添加 物は、可能な限り減らすこと。

③ 食品添加物が適正な品質であること Good Manufacturing Practice

食品添加物を使うときに守るべき一般原則

参考

5. 調査票に記入する際の注意点

130

⑤ 個別食品規格との整合性

⑤ 個別食品規格との整合性(その1)

個別食品規格に含まれる場合、その規格 の食品添加物条項と GSFA の整合が取れ ているか確認する必要があります。

個別食品規格とは

特定の食品に対して、品質を確保するた めに必要不可欠な構成要素、食品添加物、

汚染物質、食品衛生、表示、分析サンプリ ング法等を規定したもの。

131

食品添加物条項の策定プロセス

個別食品部会に対し、以下の項目の検討を 依頼。

(個別食品規格がある食品)

①食品添加物の機能分類

②食品添加物を使用する技術的正当性

個別食品部会から提供された食品添加物の リスト等の情報をもとに、食品添加物部会が 食品添加物条項を承認するかどうかを決定。

132

このため、まず、個別食品部会で食品添 加物条項を改正してもらう必要があります。

逆に個別食品規格に記載がない食品添 加物は、個別食品部会から必要な情報

(食品添加物の機能分類や使用の技術的 正当性)が提供されていません。

133

食品添加物条項の策定プロセス(つづき)

(個別食品規格がある食品)

その後、食品添加物部会でその条項を承 認するか議論することになります。

⑤ 個別食品規格との整合性(その2)

 個別食品規格の有無の調べ方

「GSFA 付属文書C:食品分類と個別食品規格の

対応表 (p.48-66)」をご覧ください。

http://www.codexalimentarius.net/gsfaonline/

docs/CXS_192e.pdf

GSFA は以下のURL からダウンロードしてください。

対応表は以下の3種類ありますが、対象の食品 が決まっている場合は食品分類順が便利です。

• 規格の番号順

• 規格のアルファベット順

食品分類順

134

⑤ 個別食品規格との整合性(その3)

個別食品規格の調べ方

http://www.codexalimentarius.org/standards/

list-of-standards/en/

「食品分類と個別食品規格の対応表」で当該食品 分類に含まれる個別食品規格の番号をメモし、そ れを基に以下のURLから個別食品規格を検索して ください。

Reference Title Committee

CODEX STAN 87- 1981

Standard for

Chocolate CCCPC 規格番号

135

ドキュメント内 食品添加物の使用実態調査 事例集 (ページ 35-46)

関連したドキュメント