• 検索結果がありません。

供試体作製時の含水比の違いが河川堤防砂の力学特性に及ぼす影響

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "供試体作製時の含水比の違いが河川堤防砂の力学特性に及ぼす影響"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)III‑008. 土木学会中部支部研究発表会 (2012.3). 供試体作製時の含水比の違いが河川堤防砂の力学特性に及ぼす影響 名城大学. 学生会員 ○兼松祐志. 名城大学大学院 学生会員. 森 涼香. 名城大学. 小高猛司・崔 瑛. 正会員. 建設技術研究所 正会員. 李 圭太. 1. はじめに 東日本大震災において多くの河川堤防が被災し,堤体を含めた堤防の耐震性向上が喫緊の課題となってい る。しかし,耐震性照査はもちろん,浸透に対する安定性照査においても,再構成供試体で土質定数を決定 する際に,供試体の作製方法,密度,粒度調整の方法等の諸条件は明確に定められておらず,現場の判断に 委ねられる。本報では,河川堤防砂礫を用いて再構成供試体で室内試験をする際に,供試体作製時の含水比 の違いが力学特性に及ぼす影響について検討する。 試験試料は鳥取県小鴨川の河川堤防で採取 しており,図 1 の黒のプロットに原粒度試料 を,赤のプロットに粒度調整試料を示す。本 試験の供試体直径は 5cm であるため,9.5mm 以上の礫を除外した,せん頭粒度試料を用い た。また,突固めによる土の締固め試験(JIS A 1210 A-a 法 ) に よ り 最 大 乾 燥 密 度 が. 通過質量百分率(%). 2. 試験の概要. 9.5mm. 100 80 60 40. 原粒度試料 粒度調整試料. 20 0. 3. 2.0g/cm と求められたことから,供試体作製. 0.1. 1. 10. 100. 粒径(mm) 図 1 実験試料の粒度分布. 3. 時の乾燥密度は 1.6,1.7 および 1.8g/cm (それ. ぞれ,締固め度 80,85 および 90%に相当)とした。今回用いた含水比は,0%(自然乾燥状態) ,3%,5%, 10%(最適含水比) ,14%である。供試体は,含水比調整したのち,直径 5cm,高さ 10cm のモールド内で軽 く突き固めて作製した。なお,突固め後に自立できない含水比が低い供試体においては,三軸試験装置に設 置した 2 つ割モールドを用いて作製し, そのまま負圧をかけて自立させた。 いずれの初期含水比の供試体も, 三軸試験装置に設置後,2 重負圧法によって完全飽和化(B 値 0.95 以上)した。 所定の有効拘束圧 100kPa で圧密した後に,非排水単調せん断を実施するが,いずれの初期含水比で作製し た供試体でも圧密後の間隙比は同一となっている。なお,載荷速度は 0.1%/min である。 3. 試験結果 図 2 に軸差応力~軸ひずみ関係を示す。締固め度 80%の場合,供試体作製時の含水比(以下,単に含水比 と記す)が 14%と 10%では,軸差応力が最大値に達した後,ひずみ軟化挙動が見られる。含水比 5%では, 軸差応力の最大値は 14%,10%に比べて小さくなっているが,ひずみ軟化の度合いが小さいため,最終的な 軸差応力は大きくなっている。含水比 3%,0%では,ひずみ軟化がごくわずかに見られた後に硬化に転じて, 軸差応力が増加する。応力~ひずみ曲線の初期立ち上がりは,供試体作製時の含水比によらずほぼ同一であ るが,せん断後半になるにつれて差が顕著になる。この差は,締固め度が高くなるにつれて一層顕著になる。 図 3 に有効応力経路を示す。締固め度 80%の場合,含水比 14%,10%では,特にゆる詰め傾向を示してい ることが分かる。含水比 5%ではひずみ軟化の程度が小さくなり,さらに含水比 3%,0%となると正のダイ レイタンシー挙動が見られる。また,最大軸差応力に至るまでの経路を見ると,含水比が高いほどせん断初 期の有効応力経路の増加度合いが大きく,弾性挙動が大きいことがわかる。締固め度 85%の場合には,さら に上述の傾向が顕著になり,含水比 14%,10%では弾性挙動後に急激な脆性破壊によるひずみ軟化を呈し, ‑181‑.

(2) III‑008. 土木学会中部支部研究発表会 (2012.3) 200 含 水 比 14 % 含 水 比 10 % 含 水 比 5% 150 含 水 比 3% 含 水 比 0% 空 中 落 下 法 1 0層 100. 50. 0. 0. 2. 4. 400. 50. 0. 6 8 10 12 14 16 軸ひずみ(%). 500. 軸差応力(kPa). 100. 軸差応力(kPa). 軸差応力(kPa). 150. 300 200 100. 0. 2. 4. 0. 6 8 10 12 14 16 軸ひずみ(%). 0. (b)締固め度 85%. (a)締固め度 80%. 2. 4. 6 8 10 12 14 16 軸ひずみ(%). (c)締固め度 90%. 図 2 応力~ひずみ関係 200 含 水 比 14% 含 水 比 10% 含 水 比 5% 150 含 水 比 3% 含 水 比 0% 空 中 落 下 法 10層. 50. 0. 0. 50 100 有効応力(kPa). (a)締固め度 80%. 150. 500 400 軸差応力(kPa). 100. 軸差応力(kPa). 軸差応力(kPa). 150. 100. 50. 0. 300 200 100. 0. 50. 100 150 有効応力(kPa). (b)締固め度 85%. 200. 0. 0. 100. 200 300 400 有効応力(kPa). 500. (c)締固め度 90%. 図 3 有効応力経路. 含水比 5%以下では,せん断初期から塑性圧縮が顕著に見られ,含水比 3%と 0%では変相後の正のダイレイ タンシーが発現している。締固め度 90%の場合には,いずれの含水比でも密詰め傾向のせん断挙動を示して いるが,やはり含水比の高い 14%と 10%では,せん断初期に弾性挙動を示している。 以上のように,供試体作製時の含水比によってせん断挙動が大きく異なることが明らかとなったが,それ には各供試体が有する骨格構造が関係していると考えている。すなわち,供試体作製時の含水比が高い場合 には,サクションの作用によって粗粒分の周りに均一に細粒分が分布することにより,比較的卓越した骨格 構造が形成されるものと考えている。一方,供試体作製時の含水比が低い場合には,供試体作製時の突固め によって,細粒分と粗粒分との分級が進み,骨格構造が形成されづらい。骨格構造が卓越した含水比 14%と 10%の供試体では,せん断初期に弾性挙動をする反面,せん断が進行すると急激な脆性破壊を呈する傾向が 強いが, 顕著な骨格構造を持たない含水比 3%と 0%では, せん断初期から塑性的なせん断特性を示している。 なお,せん断特性の傾向が変わるのは,締固め度にかかわらず含水比 5%となっている。 4.まとめ 供試体作製時の含水比の違いによって形成する骨格構造が大きく異なり,しかも完全飽和後もその骨格構 造が維持される。そのため試験で得られる力学特性も大きく異なることが示された。不攪乱試料で試験を実 施しない限りは,通常は自然乾燥試料を再構成して供試体を作製する。しかし,河川堤防は湿潤状態で築堤 されていることも多く,実際の堤防の力学特性を得るためには,供試体作製法によって力学特性が異なるこ とも想定しておく必要がある。今後は,供試体作製時の含水比によって異なる骨格構造が形成される要因を 詳細に検討するとともに,動的試験における力学特性の差異についても検討してゆく予定である。 なお,別報にて,本試験のシミュレーションを通して骨格構造の相違について検討した結果を示す 1)。 参考文献:1)森ら:異なる構造を有する再構成供試体の三軸試験のシミュレーション,土木学会中部支部,2011. ‑182‑.

(3)

参照

関連したドキュメント

天然乾燥では、到達する含水率は気乾状態が限度であ

Extraction of the SPAM accounts by use of clustering of the mention-related network in Twitter NOZOMI KIKUCHI† HIROYUKI YOSHIMURA† In recent years, users of Twitter have

Appendix1Physicalpropertiesofanalyzedsamples.DepthincmisverticaldistancefromthebottomoftheYufu-NPfl.Pl:plagioclase, Qz:quartz..

 図一10に山砂と礫混合土の含水比と乾燥密度の関係を示す(P=70%,90%の場合は省

供試流体としては,水道水及び種 々の濃度のグリセリン水溶液を使用

― 71 - た。結果を図 3-3-8 に示す。温度上昇 ΔT は, 砂質土の含水比 5%の場合と 10%の場合 とでは, ほとんど差がなかった。そして, 含水比を 20%に上げると,

と考えられる。自然含水比は 2.8 ~ 6.2% で日本にお ける代表的な含水比の測定例よりも低く岩の含水比 に近い。 As

現場締固めでは、通常締固め時の土の含水比を最適含水比より大きめにして、所定の締固め度を得る。そ