於 け る 胃内細 菌相 と其 の意義 第 二編
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(2) 稲. 1280. 田. 潔. 一 方 に 於 て結 締 織 の 増 殖 は 癌 の 進 展 を 防 ぎ,. 第1章. 他方 炎 衝性 浸潤 或 は 肉芽 組 織 の発育 は癌 細 胞 の 浸 潤 に 適 す と述 べ,癌. の潰 瘍 性 破壞 は 二次. 的 感 染 の 因 とな り,癌 表 層 に 於 て 化 膿,壞 性 腐 敗 性 破 壞 の み な らず,癌 て も化 膿 性 溶 解,蜂. 疸. の基 質深 部 に於. 窩 織 炎 性 経 過,小. 膿瘍形. 實驗材料並に實驗方法. 実 験 材 料 は 総 て 津 田 外 科 教 室 に 於 て,手 術 的 に 摘 出 せ る 胃癌 潰 瘍 部 よ り全 層 に互 る 小 片 を採 取,可. 及 的 薄 片 切 片 と し て グ ラ ム染 色 並. に 越 智 氏 変 法20)を行 つ た.同. 時 に ヘ マ トキ シ. リン ・エ オ ジ ン に よ る普 通 染 色 を 行 い 組 織 像. 成 等 の 広 汎 な 炎 衝 性 変 化 を み る の み な らず, 全 身 的 敗 血 症 を 惹 起 す る場 合 も 少 くな い と述. 並 に細 胞 浸 潤 を 検 し た.細 菌 検 出 に は 越 智 氏. べ た. Fischer10)は 癌 細 胞 破 壞 に対 す る細 胞 反. 変 法 が 優 秀 で あ る.此 際 注 意 す べ き事 は越 智. 応 と し て の 廓 清 及 び 吸 收 現 象 に 過 ぎ ず と し た.. 氏 の 記 載 に 明 記 し て あ るが,材. 又Theilhaberは. さ い 事,精. り と述 べ,. 細 胞反 応及 が癌 治 癒 上重要 な. Konjetznyも. 自然 治 癒 の 一 例 に於. て 癌 巣 周 圍 に 強 度 の 炎 衝 或 は 化 膿 の 像 を み た. Opitz11), Volaender12), Evans &. Leucutia13)等. 製 し た ア ニ リ ンを 使 用 す る事 で あ. る.. 扨 て 前 編 に 於 て述 べ た様 に,胃 癌 に於 て 潰 瘍 部 に最 も多 く存 在 す るの は 腸 球 菌(85%),. は 照 射 癌 に於 て 基 質 結 締 織 の 増 殖 並 に 細 胞 の. 次 で 大 腸 菌84%,乳. 増 加 を み,個. 菌(37.5%),葡. 体 の 癌 発 育 に 対 す る反 応 と解 し. た.又 動 物 実 験 に 於 て も, Bashfold, Da Tojzzer14), Murphy等 殖,細. Fono,. は此 の基質 の結 締 織 増. 胞 増 加 を 同 様 の意 義 に 解 し た.然. Wood16),. Woglom15),. Fischer等. し. は 之 を否 定 し. 料 は可 及的小. 酸 菌 属(48.7%),釀. 萄 状 球 菌(30%),ウ. 菌(18%)等. で あ るが,染. 母 ェル シ. 色 上 検 出 し得 るの. は 此 等 の 中 の グ ラ ム 陽 性 菌 類 の み で あ る. 検 出 例 数 は 胃癌34例,胃. 潰 瘍5例,更. に対. 照 と し て,無. 菌 的 と考 え ら れ る 閉 鎖 性 乳. た.又 此 の 際 出 現 す る潤 浸 細 胞 と し て淋 巴 球,. 癌11例,大. な る感 染 潰 瘍 を 有 す る乳 癌1. エ オ ジ ン細 胞,ブ. 例,並. ラ ス マ細 胞 等 に 関 し て 胃癌. に 胃癌 に 比 し細 菌 の 存 在 の よ り大 と思. の み な らず 各 種 の 癌 に 就 て の 研 究 あ り.之 よ. わ れ る 直 腸 癌16例. り癌 の悪 性 度,予. を採 取 し,組 織 的 検 査 を 行 い,胃 痛 と比 較 研. 究 が あ る が,何 な い(Mc. 後,腫. 瘍 免 疫 等 に 関 す る研. れ もそ の意 義 附 け は 一 致 を み. に 就 て 同 様 の部 よ り材 料. 究 した.. Carty17),佐 伯18)等).. な お 胃癌 に 於 け る 所 属 淋 巴 腺 の 腫 脹 は 必 ず し も転 位 で は な く,単 純 の 肥 大 或 は 炎 衝 性 腫 脹 に過 ぎ な い 場 合 もあ る事 は 多 数 研 究 者 の 一. 第2章. 研 究 結 果. 第1節. 胃. 癌(34例). 次 表 の 如 く潰 瘍 の 深 い Ⅱ型,Ⅲ. 型 では その. 致 し た 所 見 で あ り,此 の場 合 に於 て も原 発 癌. 最 表 層 の 壞 死 層 で は 多 数 の グ ラ ム陽 性 球 菌,. の転 移 に 対 す る反 応,或. 桿 菌,釀. は原 発癌 の二 次 的感. 母 菌 が 存 在 す る.然. し深 部 に 進 み壞. る. 死 層 基 底 部 に 向 うに 従 い 減 少 し,癌 実 質 部 境. に此 の 所 謂 二 次 的 感 染 に 関 し て 細 菌 学 的 立 場. 界 部 で は 著 明 に 減 少 し,粘 膜 筋 板 層 以 下 に侵. よ り系 統 的 な 研 究 を 行 い,之. 入 した 像 は 認 め られ な い.即. 染 に 対 す る 反 応 で あ る か が 問 題 とな る.然. み な い.依. を 論 じ た もの を. つ て私 は 前編 に於 い て先 づ 胃内細. 菌 の 培 養 を 行 い,更. に 組 織 学 的 検 査 を 行 い,. ち 細 菌 は極 め て. 表 在 性 で あ り癌 実 質 内 に侵 入 す る事 は な い. 潰 瘍 形 成 の 傾 向 少 な い Ⅳ 型 で は 同 様 極 く表. 聯 か 得 る所 が あ つ た の で 今 回 之 を 報 告 す る 次. 層 部 に少数 の細 菌 を認 め るが その数 は極 めて. 第 で あ る.胃. 少 数 で,粘. 内細 菌 の 組 織 学 的 検 査 を 行 つ た. も の は, Askanazy19)が. 胃 潰 瘍 に 於 てSoorpilz. を 其 の 慢 性 化 の成 因 と し て 主 張 し た 研 究 以 外 に系 統 的 な も の は な い.. 膜 筋 板 層 近 くに 迄 は 存 在 しな い.. 此 の 事 は 培 養 所 見 の 結 果 と よ く 一致 す る. 壞 死 部 に 於 て は 多 数 の フィブ リ ン壞 と共 に 主 と して 多 型 核 白 血 球,各. 種 遊 走細胞 等が化. 膿 炎 衝 像 の 如 くに 出 現 し て い る.此 の炎 衝像.
(3) 外科的胃疾患特 に胃癌. 胃十二指腸潰瘍 に於け る胃内細菌相 と其 の意義. 1231. は壊 死 部 と実 質 と の境 界 部 よ り粘 膜 筋 板 層 辺. に 行 くに 従 ひ 多 型 核 白 血 球 は 減 少 し,代 つ て. まで 強 く認 め ら れ,所. 淋 巴 球,エ. 々 に 多 核 白血 球 の 集 団. に よ る小 膿 瘍 等 も認 め,又 も認 め ら れ る.然. オ ジ ン細 胞,単. 核 細胞 等 が 出現 す. る.其 の 度 は 各 例 に よ り,又 癌 種 類 に よ り多. 淋 巴濾 胞 の拡大 等. 少 の 差 は あ るが 特 に 著 明 の 差 は 認 め ら れ な い,. し そ れ よ り深 部 に 向 つ て は. 漸 次 細 胞 浸 潤 は 数 を 減 じ,深 層 に 於 て は 癌 間. 即 ち 細 菌 は 癌 表 層 部 に の み 存 在 し,之 に よ る. 質 組 織 内 に於 て は 著 明 に減 少 す る.而. 二 次 感 染 に 基 く細 胞 浸 潤 も表 層 部 に於 て は 極. も深 部. 第 一 表. C. s.=Carcinoma. G.=Gallertkrebs Sk.=Skirrhus. simplex. 胃. Z.=Zylinderepithelkrebs. Medull.=Medullarkrebs diff. inf.=diffuse infiltrierendeKrebs. 癌.
(4) 1232. 稲. め て 強 い が,深. 田. 潔. 部 に 向 うに従 い 減 少 し,固 有. 第3節. 癌 組 織 間 質 内 に 迄 は 其 の 影 響 を 及 ぼ し得 な い. 閉 鎖 性 乳 癌11例. と思 わ れ る. 胃 潰 瘍(5例). 少 の差 は あ る が 概 ね 軽 度 で あ り,主 と して淋. は 無 菌 で あ り,胃 癌 に比 べ そ の 胃 内 細 菌 相 は. 巴 球,ブ. 量 的 並 に 質 的 に 著 明 の 差 が あ る. Askanazy19). 痕 層 の4層. に分 ち,上 表3層. 数 の 釀 母 菌,グ. 癌 表 層 部 の そ れ は 〓,中 層 部 〓,. 深 部 〓 の 如 き関 係 に な る.而 膜,或. は汚 い 白苔 を. を選 ん で 実 験 し た が,唯. 1例 に於 て,表 層 滲 出 層,壊. が,他. とす れ ば,胃. の 後 之 に 賛 否 両 論 が 行 は れ た.私. 有 す る も の5例. に淋 巴 球 の. 集 団 を み る.此 の 乳 癌 間 質 内 細 胞 浸 潤 度 を〓. にSoor. の 潰 瘍 慢 性 化 に 対 す る意 義 を. は 胃潰 瘍 中 潰 瘍 大 な る も の,或. ラ ス マ細 胞 が 多 くエ オ ジ ン細 胞 は 少. く,多 型 核 白 血 球 は 最 も少 い.時. は 潰 瘍 を 組 織 的 に,滲 出 層,纎 維 素 壊 死 層,肉. 強 調 し,そ. に於 て は 勿 論 無 菌 的 で あ. る.乳 癌 間 質 内 の 細 胞 浸 潤 は 癌 種 類 に よ り多. 培 養所 見 で 明 らか な 如 く胃 潰 瘍 で は 過 半 数. pilzを 認 め,そ. 癌(12例). る か ら 二 次 感 染 に よ る 影 響 は 全 く 除 外 し得. 第2節. 芽 層,瘢. 乳. して 健 常 部 胃粘. は 次 節 に述 べ る直 腸 癌 健 常 部 粘 膜 下 組. 織 内 に も〓 〜 〓 程 度 の 細 胞 浸 潤(多. その. 単 挾 球 等)が. 死 層 に極 め て 少. く淋 巴 球,. 存 在 す る もの で あ る.即 ち乳 癌. 間 質 内 細 胞 浸 潤 は 全 く癌 組 織 に対 す る生 体 反. ラム 陽 性 球 菌,桿 菌 を 認 め た. 応 と解 し得 る.. は 総 べ て 何 等 細 菌 を 認 め な か つ た.. 1例 の 亘 大 な る感 染 潰 瘍 を有. す る乳 癌(12)で. は,表. ラ ム 陽 性 球 菌,桿. 菌 を認 め著 明 の化膿炎衝 像. を 認 め る が,此 様,深. 層 壊 死 部 に 多 数 のグ. の 場 合 も 胃 癌 に 於 け る と同. 部 に 向 い 細 菌 数 は 減 じ,癌 実 質 内 に は. 細 菌 は 認 め ず,又. 深 部 の 癌 間 質 内 に は 淋 巴球. 等 の 細 胞 浸 潤 の 度 は 他 の 閉 鎖 性 乳 癌 と同 程 度 で あ る.. 第 二 表. 第4節. 直 腸 癌,大. 癌. 間質内では極めて軽度で,且 つ淋巴球多 く,. 腸 癌(16例). 此 の 場 合細 菌 検 査は 行 わ な か つ た が,そ. 乳. の. 略同様 の所見を呈す る.又 表層部に於て も健. 細 菌 相 は 当然 胃癌 よ り尚 高 度 と考 え ら れ る.. 常粘膜部 よ り癌潰瘍部 に移行するに従い漸次. 此 の 場 合 も 胃癌 と同 様,表. 細胞浸潤は強 く,且 つ浸潤細胞は淋巴球減 じ,. 層 壊死 部 には 化膿. 炎 衝像 強 度 で あ る が 漸 次 減 少 し,深 部 癌 組 織. 多型核 白血球 が多数出現す る..
(5) 外科的胃疾患特に胃癌. 胃十二指腸潰瘍 に於ける胃内細菌相 と其 の意義. 第 三 表. 直 腸 癌 及 び 大 腸 癌. 胃癌,乳. 第3章. 1233. 総括並に結論. 癌,直. 腸 癌 の3種. を細 菌学 的見 地. よ り比 較 考 究 す る事 に よ り,癌 間 質 組 織 内 細. 上述所見 の如 く,胃 癌 に於 て表層壊死部 に. 胞 浸 潤 に就 て,各 個 例 の詳 細 な 検 索 は 行 わ な. 多数の細菌存在 し,二 次感染 に よる炎衝化膿. か つ た が,之. 像を認めるが,そ の細胞浸潤は粘膜筋板上下. の と信 ず る.. 迄波及す るが,其 よ り深部迄 は影響を与 えず,. に よ り大 略 の 傾 向 を 窺 い得 た も. 第 四章. 各種癌 の比 較. 深部癌間質組織 内の細胞浸潤は乳癌 のそれ と 大差な く,共 に癌組織発育に対す る生体反応 と解し得 る.直 腸癌 に於 て も胃癌 と略同様 で ある.胃 潰瘍に於 ては細菌 は更 に少 くその意 義は更 に少い.即 ち胃癌組織 に於け る組菌は 総 て随 伴 的 の も の で あ り,癌 組 織 間 質 内 細 胞 浸 潤 は 細 菌 に よ る 二 次 感 染 に よ る もの は そ の 一部 に 過 ぎ な い .. 文 1) Heyrovsky:. W. K. W. 1912.. 2) Konjetzny:. Klin. Chir. Bd. 129, 139. M.. m. W. S. 1146, 1914. 3) Salzmann: Arb. a. d. path. Inst. d. Uni versitat Helsingfais Bd. I. H. 3/4, 1913. 4) Hauser: D. Arch. f. klin. Med. Bd. 55. 5) Stoerk: 6) Orator:. K. W. S. 855, 1922. Virch. Arch. Bd. 255, S. 639, Bd.. 256, 5.202, 230, 1925,. 擱 筆 に 当 り御 指 導,御 授,並. 校 閲 を賜 りた る恩 師 津 田教. に 種 々 有 益 な 御 助 言 を戴 い た 先 輩 滝 沢 学 士. に 深 謝 す.. 献 7) Schindeler Ortmayer: Arch. of Int. Med. Vol. 57, P. 959, 1936. 8) Hansemann: Die mikroskop. Diagnose d. bosartigen Gesehwulsten I. Auf. 1897. 9) Borst: Die Lehre von dem Geschwulate I 5. 616, 1902. 10) W. Fischer: Zbl. Chir. 1931, S. 2595, 1934, S. 2418. 11) Opitz:. K. W. S. 2232, 1923..
(6) 平. 1234. 12) Volaender: 13) Evans &. D. M. W. Leucutia:. 井. S. 910, 1923. Am.. J. Rtg.. 13, P.. 415, 1925.. 14) Tyzzer: 15) Woglom: 16) Wood:. 〓. chnik3 Auf. IIBd. S.764. 22) Henke & Lubarsch: Handbuch d. spez. Path.Anat.u.Hist.IV, S.768,S. 741,1928.. J. of. C. R. I. P. 125, 1916. J. of C. R. VII.P. 379, 1922. J. of Am.. M. Ass. Vol. 86, P.. 1039, 1925. 17) Mac. Carty & Blackford: Ann. Surg. V. 55, P. 811, 1912.Mac Carty: Ann. Surg. V.76, P. 9, 1922.J. Lab. & Clin. Med. Vol. 8, P. 42, 1922. 18). 佐 伯:東. 京 医 学 会 雑 誌, 52卷.. 192頁,. 926頁,. (昭13). 19). Ashanazy: Bd.. 250,. Virch.. Arch.. Bd.. 234,. (1921).. (1924).. 20). 越 智:日. 本 眼 科 学 会 誌,. 21). Krause:. Enzyklopaedia. 附 図. 胃癌 組 織 内 細 菌. 強 拡 大(油 39卷, der. 7号,(昭10). mikroskop.. 釀 母 菌(Konidienform)グ Te. 胃 癌 Ⅱ 型(No.31). 浸) ラ ム陽 性 桿 菌.
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