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2010年6月〜9月、耐震補強を目的とした2号館の 改修工事が行われた。1925(大正14)年に竣工し た2号館は早稲田キャンパスに現存するもっとも古 い建物のひとつであり、1999(平成11)年には東 京都選定歴史的建造物にも選定されている。この ため、耐震補強を施すにあたっては耐震強度を確 保しつつ、意匠を損なわないような技術が模索さ れた。また、図書館サービス面では、可能な限り サービスを中断せず提供することを前提とし、引 越し日も含めて工事に伴う臨時閉館や開館時間の 短縮をせずに済ませられるよう心がけた。
◇ 工事内容
工事の実施は、学事日程、會津八一記念博物館 の展覧会などを考慮して調整した結果、比較的利 用者の少ない夏季休業期間を含む6月から9月とな り、工事期間中のサービス内容の変更を含めて 2010年度第1回高田早苗記念研究図書館運営委員会 で承認された。
耐震工事の対象は、7階部分を除いた書庫と大学 院生閲覧室(4階)、会議室(4階)であった。書庫 部分の工事は、地下1階から開始し、順次、上層階 に向かって各エリア3〜4週間の日程で行われ、窓 際(外壁内側)や旧館と新館のつなぎ部分の壁
(構造壁)の補強、書架位置変更(書庫内通路の位 置変更)による耐震強度の向上が図られた。また、
補強工事の規模は下層階ほど大きく、上層階にい くにしたがって軽度なものとなった。壁部分は単 に鉄骨などで補強するのではなく、書架として利 用できる書庫型補強壁TT−WALL(写真)を設置 することで、耐震強度の向上と同時にほぼ従来の 図書収蔵能力を確保することができた。また、閲 覧室および会議室については室内の柱の厚みを増 す工事が行われた。
◇ 工事期間中の図書館サービス
6月中は工事音の発生もあったが、立入禁止エリ アである地下および1階書庫以外の利用を確保する
ことによって、できるかぎり利用者が本を手に取 れるよう努め、利用可能エリアについては通常通 り9時から22時まで開館した。ただし、高田図書館 へ通じる2号館入口はすでに工事機材搬入などで 利用できなくなっていたため、會津八一記念博物 館に協力いただき、同館入口から2階展示室前廊下 を通って高田図書館に入館するルートを設定した。
高田図書館書庫入口がある3階部分が工事エリア に含まれるようになった7月から工事完了の9月に いたるまでの3ヶ月間は2号館への立入が全面的に 禁止された。これに伴い、1号館2階正門寄りに高 田図書館臨時事務所を開設し、同フロアに閲覧室、
館内利用図書閲覧室、グループ閲覧室(2室)を設 けた。業者による引越しとスタッフによる引越し とを時期をずらして行うことで、引越しに伴う臨 時閉館、開館時間の短縮などをせずに済ませるこ とができた。ネットワークや通信設備、PCの移設 などにあたって関連箇所の方々にも様々なやりく りをしていただいたことを記しておきたい。
臨時事務所および各閲覧室の開室時間は通常の 高田図書館の開館時間に準じた。また、2号館の図 書の利用についてはWaseda-net Portal、メール、
臨時事務所カウンターでの事前申込みによる出納 方式で対応した。これは、利用者に前もって利用 希望図書を申し込んでいただき、1日に2回、2号館 書庫から本を出納して利用に供するもので、取り 出した図書は原則として予約図書扱いとし、利用 できる状態になった時点で予約取置きメールまた は通常のメールで利用者の方々にお知らせするも のである。2号館書庫内は工事によって図書が汚れ ないよう書架を覆う養生を行っていたので、必要 な本を取り出すたびにいったんその部分の覆いを 取り、再度、覆うという作業が繰り返された。工 事関係者以外の立ち入りが禁止されていたため、
書庫からの取り出しは工事担当者に依頼し、利用 希望図書の受付、記録、書庫内配架場所の特定、
工事担当者への取出し依頼、2号館からの図書の運 搬、利用者への連絡等は高田図書館スタッフが分
高田早苗記念研究図書館耐震補強工事報告
高田早苗記念研究図書館
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担して行った。図書館スタッフが任意の時間に書 庫に入って図書を取り出すことができなかったた め、利用希望図書が工事エリアに当たっていた場 合など利用者の方々にご不便をおかけした面もあ ったが、事情をご理解願った。なお、2号館立ち入 り禁止期間中の出納申込み件数は以下の通りである。
2010年9月22日、2号館高田図書館事務所部分の 利用が可能となったため、まず、専任職員が戻っ て10月の再開に備えた。貸出・返却や情報検索端 末、複写、閲覧室の利用などの対応は9月30日22時 まで1号館で継続し、10月1日開館前に最終的な引 越しを行い、耐震改修工事が完了した高田図書館 でのサービスを定時に再開した。
最後になりましたが、この間、ご協力いただき ました多くの皆様方にこの場をお借りしてお礼申 し上げます。
【高田早苗記念研究図書館耐震補強改修工事概要】
◇ 工事期間 2010年6月1日(火)〜9月30日(木)
◇ 工事内容 ①高田早苗記念研究図書館書庫内の 内・外壁の補強工事
②耐震補強工事に伴う書架位置の変更
③大学院生閲覧室内の柱補強工事
④高田図書館会議室内の柱補強工事
◇ 工事期間中のサービス変更等
①2010年6月1日〜6月30日
通常開館(書庫は一部利用不可の 階あり)
②2010年7月1日〜9月30日 2号館立入禁止
・1号館2階に臨時事務所、閲覧室、
館内利用図書閲覧室、グループ 閲覧室(2室)開室
・図書は事前申込による出納制
◇ 工事後の主な施設変更
①書庫内通路の位置変更
耐震強化のため、書庫2階および4 階部分の通路の位置を変更した。
②書庫内キャレルの撤去
この結果、館内の閲覧席数は160席 から111席となった。
③4階大学院生閲覧室の情報コンセン ト設置
PC利用可のキャレル撤去の代替と して、4階大学院生閲覧室に情報コ ンセント20台を設置し、利用を大 学院生以外の入館者にも認めるこ ととした。
(文責:渡邊 孝之)
申し込み方法 Waseda-net Portal
メール カウンター等 計
教員 大学院生 学部学生 その他 計(件)
399 1,104 193 2 1,698
24 30 3 27 84
35 13 6 67 121 458 1,147 202 96 1,903 2号館立ち入り禁止期間中(7月1日〜9月30日)の出納申込み件数
*申込み1件につき複数冊申し込みの場合もあることから出納冊数ではない。
TT-Wall(窓際)
書架を兼ねた耐震補強。必要に応じて窓の開閉をすることができる。
TT-Wall(書庫旧館・新館のつなぎ部分)
書架を兼ねている。
外から見た窓際のTT-Wall