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日本語教育実践研究(7)一実践を通して学んだこと一

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(1)日本語教育実践研 究. 第3号. 日本 語 教 育 実 践 研 究(7) 一実践 を通 して学 んだこと一. 張. 荒 蕾 ・陳. 娼 ・楊. 魁 魁 ・陸. 麗青. 【キ ー ワ ー ド】=漢 字 教 育 ・漢 字 圏 と非 漢 字 圏 ・音 読 み と 訓 読 み ・同 音 異 義 語 ・四 字 熟 語. は じめ に 本 レポ ー トは 、2005年. 春 学 期 に 実 施 さ れ た 日 本 語 教 育 実 践 研 究(7)(担. 義 昭 教 授 〉 の 実 習 生 と して 日 本 語 研 究 教 育 セ ン タ ー 設 置 授 業r日 導C(7‑8)ク. 当. 鈴木. 本 語 科 目」、r漢 字 指. ラス」 に参 加 して、 実 践 時 に得 られ た経 験 に基 づ き、 実 習 の概 要 、. 感 想 、 さ ら に は わ れ わ れ の 提 言 等 を 書 い た も の で あ る(各. 人 の形 式 に拠 った もの で あ. る た め 、 若 干 の 不 統 一 は 、 これ を 諒 され よ)。 実 習 の 構 成 メ ンバ ー は 、 四 名 と も 中 国 語 母 語 話 者 の 学 生 で あ る。 ま ず 、 わ れ わ れ が 中 国 で 日本 語 教 育 を 受 け た 時 の 事 情 の 紹 介 を 行 っ て お き た い 。 中 国 の ほ と ん ど の 大 学 で は 、r日 本 語 の 漢 字 教 育 」 が 行 わ れ て い な い 。 残 念 な が ら 、 教 師 た ち は 授 業 の 重 点 を 音 声 ・語 彙 ・文 法 等 に 置 き 、 漢 字 教 育 に は さ ほ ど意 を 払 っ て い な い か に 見 え る 。 わ れ わ れ は 、r漢 字 指 導 」 と い う も の を 受 け た こ と が な い の で あ る。 中 国 での 日本 語教 育 にお い て は、 漢 字指 導 は必 要 ない と思 わ れ て い る ので は な いだ ろ う か。 漢 字 とい う もの は、 漢 字 の故郷 で あ る 中国 人 学 習 者 に と って 、 必要 な い もの と理 解 さ れ て い る と 言 え よ う。 今 学 期 、 こ の 実 践 教 育 の 授 業 に 出 席 し て 、 中 国 語 母 語 話 者 に 対 す る、 漢 字 教 育 の 重 要 さ を 改 め て 認 識 した 次 第 で あ る 。 実翻. 業 の分折. 学 習 者 の状 況 並 ぴ に指 導項 目 学 習 者 の 構 成 で は 、33名 の う ち 非 漢 字 系 学 生1に. 対 し て 、漢 字 系 学 生3の. 比率で、. 比 較 的 漢 字 系 学 生 の 多 い ク ラ ス で あ っ た 。 漢 字 系 学 生 の 出 身 国 は 、 韓 国(15名)・ 国(台. 湾 を 含 む 、10名)で. 名 〉・ス ロ バ キ ア ー(1名)・ 名)等. 、 非 漢 字 系 学 生 の 出 身 国 は 、 ロ シ ァ(2名)・ リ ト ア ニ ア(1名)・. フ ラ ン ス(1名)・. 中. イ タ リ ア(2. カ ザ フ ス タ ン(1. で あ った。. 今 学 期 の 実 践 教 育 で は 、 実 習 生 が 全 部 で 四 人 、 〜 人2回. 一121一. の教 壇 実 習 を行 う こ とに な.

(2) っ た(開. 講 後 、 暫 く して 日 本 人 実 習 生 が 加 わ る)。 この ク ラ ス で は 、 授 業 の 前 半1時. 間. を 担 当 教 員 が 行 い 、 後 半30分. を 学 生 が 担 当 す る と い う形 式 を 執 っ た 。 う ち 、前 半 の1. 時 間 は 、 さ ら に30分. に 分 か れ 、 小 テ ス トとそ の 回 答 に 当 て られ た 。 小 テ ス ト. 、30分. は 、 前 の 時 間 に 配 布 さ れ た 漢 字 表 を 自宅 で 練 習 した も の に 関 す る 試 験 で あ った 。 漢 字 表 は 、 常 用 漢 字 表 の う ち 、 日 本 語 能 力 試 験 一 級 の 漢 字 を 大 き く音 読 み しか な い も の 、 訓 読 み し か な い も の 、音 訓 両 読 み の3項. 目 に 分 け 、さ らに そ れ を ア イ ウ エ オ 順 に 並 べ 、. 例 文 を 付 け た も の で あ っ た 、 各 時 間 に 配 布 され る ぺ 一 パ ー は 鈴 木 教 授 が 作 成 した も の で 、 例 文 は 先 生 が 作 った も の だ そ う で あ る が 、 わ れ わ れ の 眼 に も や や 難 解 で あ り、 新 聞 の 文 章 程 度 に 収 め る べ き で は な か った か と思 わ れ る 。 以 後 、 わ れ わ れ の 実 習 を 個 人 ご と に 挙 げ る こ と に す る(提. 出順 は ア イ ウ エ オ 順 とす る 〉。. 張 充薗 労一1 筆 者 は 以 前 、 中 国 の 大 学 で 日本 語 の 授 業 を 担 当 して い た こ と が あ る 。 ほ と ん ど の 大 学 で は 、r日 本 語 の 漢 字 指 導 」 と い う 授 業 が 設 置 さ れ て い な い の が 実 情 で あ る 。 中 国 人 学 習 者 に と って 日本 語の 漢 字 は 、学 習 項 目 とい うよ りは、 む しろ学 習 者 の杖 で あ る と 考 え ら れ て い る 。 そ れ は 、 学 習 者 の み な ら ず 、 日本 語 教 育 学 界 に も 広 く認 め られ た 考 え 方 で あ る。 多 くの 中 国 人 日 本 語 教 師 は 、 授 業 の 重 点 を 音 声 ・語 彙 ・文 法 に 置 き 、 漢 字 教 育 を 軽 視 して い る の で あ る.上. 記 の よ うな反 省 に立 って 、二 回の 教 壇 実習 を行 っ. た。 以 下 に、そ の 概要 を述 べ る。 漢 字 仮 名 混 じ りで 表 記 さ れ る 日 本 語 の 語 彙 に お い て 、 ど こ ま で が 漢 字 で 、 ど 二か ら 送 り仮 名 を 付 け る か は 非 漢 字 系 学 習 者 ぱ か りで な く、 漢 字 系 学 習 者 を も悩 ま せ る 問 題 の 一 つ で あ る。 か つ て 、 筆 者 は 「一 つ 一 つ 覚 え る しか な い 」 と考 え て い た 。 し か し、 今 回 の 実 践 で は 、r送 り仮 名 の 付 け 方 」 を 取 り上 げ 、r常 用 漢 字 表 」 な ど の 外 、 い ろ い ろ な 資 料 を 調 べ て み た 。 基 本 的 に は 、 動 詞 ・形 容 詞 の よ う な 活 用 の あ る 語 は 、 活 用 語 尾 を 送 る と い う 原 則 に な っ て い る 。 に も か か わ らず 、 原 則 以 外 に 、r例 外 」 とr許. 容」. と が あ り、 学 習 者 を 悩 ま せ て い る 。 そ の た め 、 一 回 目 の 教 壇 実 習 時 の 練 習 問 題 は 、 「例 外 」 とr許. 容 」 と に 重 点 を 置 い て 、 問 題 を 作 成 した 。. ま た 、 二 回 目 は 、r熟 語 の 読 み 方 」 を 取 り上 げ た。 漢 字 は ど う い う 場 合 にr音. 」 で読. み 、 ど う い う 場 合 にr訓 」 で 読 む の か 、 実 に 分 か り に く い 。 そ の た め 、教 壇 実 習 で は 、 まず 熟 語 の 基本 的 な 読み方 、 ①. 前 後 と も音 読 み を す る も の. ②. 前 後 と も訓 読 み を す る も の. ③. 重箱読み. ④. 湯桶読み. を 中 心 に 進 め た 。r熟 語 は 音 読 み と訓 読 み と を混 用 しな い 」 と い う こ と を 学 習 者 に 理 解. 一122一.

(3) 日本語 教育実践 研究 第3号. さ せ る と と も に 、r重 箱 読 み 」、r湯 桶 読 み 」 が 語 構 成 的 に も特 殊 な 読 み 方 で あ る こ と を 強 調 して お い た 。 反 省 と し て は 、 ま ず 、 筆 者 の 担 当 した 授 業 が 面 白 み に 欠 け て い た 点 を 挙 げ て お か な く て は な ら な い 。 そ れ は と も か く と して 、 中 国 の 日 本 語 教 育 で は 、 授 業 の 形 式 よ り も 内 容 面 が 重 視 され る 傾 向 に あ る 。 そ の た め 、 筆 者 も学 習 内 容 を 如 何 に し て 理 解 さ せ る か と い う 点 に っ い て は 工 夫 し た が 、 如 何 に して 楽 し く 学 習 す る か に っ い て は ・ あ ま り 重 視 し な か っ た き らい が あ る 。 世 界 各 国 か ら来 た 学 習 者 は 、 ど ん な に 大 切 な 知 識 で あ っ て も、 バ ラ エ テ ィー の 富 ん だ も の で な く て は 、 学 習 者 の 意 欲 が そ が れ る と い う こ と に 気 が 付 い た 。 今 後 は 、 こ う し た 実 践 の 経 験 を生 か し、 面 白 さ に 溢 れ た 授 業 を 目指 し た い と痛感 した。 いず れ にせ よ、 今 回 の 教壇 実 習 は 、 漢字 教 育 を 再認 識 す る よい機 会 で あ った 。 授 業 の 準 備 を し、 資 料 を 調 べ て い く う ち に 、 漢 字 教 育 は 独 立 し た も の で は な く・ 音 声 ・語 彙 な ど と も 絡 み 合 っ た もの だ と い う こ と が よ く分 か っ た 。 そ して ・ 漢 字 教 育 は 非 漢 字 系 学 生 の み な ら ず 、 漢 字 系 の 学 生 に も 重 要 な も の で あ る こ と を再 認 識 し た 。 特 に ・ 中 国 人 学 習 者 を 対 象 と す るr漢. 字 教 育 」 の 可 能 性 及 び 重 要 性 も 再 認 識 した と い う 次 第 で. あ る。. 参 考 文 献1 ア ル ク 日本 語 出 版 編 集 部(1994)r漢. 字 ハ ン ドブ ッ ク』 ア ル ク. 佐 藤 喜 代 治(1988)『. 漢 字 教 育』 明治 書 院. 武 部 良 明(1988)r漢. 字 の教 え 方」 ア ル ク. 森 田 良 行(1991〉. 『語 彙 と そ の 意 味 』. 陳 媚= 筆 者 は 、 中 国 出 身 で 、 日本 語 は 中 国 の 大 学 で 学 習 し た 。 そ の 際 、 文 法 指 導 や 発 音 指 導 を 受 け た こ と が あ る が 、 漢 字 指 導 と い う も の を 受 け た こ と が な い 。 中 国 で の 日本 語 教 育 に おい て は 、漢 字 教 育 は必 要 ない と思 われ て い る。 な ぜ か とい うと、 漢 字 は もと も と 中 国 の 文 字 だ か ら、 中 国 人 学 習 者 に と っ て 、 日 本 語 の 漢 字 学 習 は 苦 労 な し に で き る と 思 わ れ て い る か ら で あ る。 し か し、 筆 者 は 、 日本 に 来 て か ら 、 日 本 の 漢 字 と 中 国 の 漢 字 の書 き方 が 違 う と ころの多 い こと、 自分 の漢 字 の筆 順 に問 違 った と ころ が多 い こ と 等 々 に 気 付 い た 。 漢 字 指 導 を 受 け る こ と の 重 要 性 を ひ し ひ し と 感 じた 。 今 回 の 実 践 研 究 で は 、 教 壇 実 習 を お こ な い な が ら、 教 師 とい う 立 場 に 立 っ て 漢 字 指 導 を 実 施 し た こ とで、 漢 字 教 育 の 重要 性 を再 確認 した ほか 、授 業 の進 め方 、 教 案 の 作 り方 、 教 室 活 動 の 行 い 方 な ど を も勉 強 で き た. 前 述 の よ う に 、 漢 字 指 導Cク. ラ ス の 学 習 者 は 、 漢 字 圏 出 身 学 習 者 と非 漢 字 圏 出 身 学. 一123一.

(4) 習 者 と が 混 じ っ て い る。 漢 字 圏 出 身 学 習 者 の 中 に も 、 漢 字 を ほ と ん ど使 っ て こ な か っ た韓 国 人 学 習 者 が約 半 数 を 占め てい る。 以下 に漢 字 圏 出 身学 習 者 と非漢 字 圏 出身学 習 者 の 漢 字 学 習 上 の 間 題 点 を ま と め て お く。 [漢 字 圏 出 身 学 習 者] ①. 漢 字 の 書 き 順 に間 違 い が 多 い 。. ②. 意味 が分 か って も読 み方 の 分 か らない漢 字 が多 い 。. ③. 難 し い 漢 字 の 読 み 方 が 軽 視 され る 傾 向 が あ る 。. ④. 中 国 語 の 熟 語 を そ の ま ま 日 本 語 と して 使 う ケ ー ス が 多 い 。 E非 漢 字 圏 出 身 学 習 者 コ. ①. を 書 く時 、 細 部(点. 等)を. ②. 話 す こ とは で きる が漢 字 を使 う こ とが苦 手 な 学 生 が多 数 い る。. ③. 漢 字 の 書 き方 が 軽 視 さ れ る傾 向 が あ る 。. 今 回 の 実 践 で は 、r促 音 」 とr六. 脱落 させ た り、余 分 に付 け加 え る ケー スが多 い。. 書 」 に つ い て の 指 導 を 行 っ た 。r促 音 」 を選 ん だ 理. 由 は 、 中 国 系 学 生 や 韓 国 系 学 生 がr促 r促 音 」(二r入. 音 」 に弱 い こと に よ る。 現代 中 国 語 の よう に、. 声 」)が な か った り 、 韓 国 語 の よ う に 、 「入 声 」 は 存 在 して い て も 日本. 語 と は シ ス テ ム が 違 っ て い る た め で あ る 。学 習 者 か ら は 、r初 め て 促 音 に も 規 則 が あ る こ と を 知 っ た 」 と い う 声 が あ っ た 。 ま た 、 「六 書 」 を 選 ん だ の は 、 非 漢 字 系 学 習 者 が 漢 字 の 構 成 に 弱 い と 思 わ れ た か ら で あ る。 「形 声 文 字 が よ く分 か る よ う に な っ た 」 の 声 が あ り、 意 を 強 く し た が 、r難 しい の で 分 か ら な い と こ ろ も あ っ た 」 と い う 声 も あ り、 分 か り易 さ を 心 が け な く て は な ら な い と思 っ た 。 二 回 に わ た る 教 壇 実 習 を 通 して 、 教 師 と して の 実 力 不 足 を 痛 感 す る と と も に 、 以 下 の こ と を 学 ぶ こ と が で きた 。 ①. 授 業 内 容 に 合 わ せ て 、 絵 カ ー ドや 漢 字 カ ー ドな ど の 教 具 を 使 う と 効 果 的 で あ る 。 漢 字 の 書 き 方 を 指 導 す る 時 、 非 漢 字 系 学 習 者 に 対 して は 、 連 想 法(漢. 字を. 意 味 と形 に 分 解 して 、 各 部 分 を そ れ ぞ れ 覚 え 易 い よ う に 図 や 符 号 な ど に 連 想 さ せ る 〉 を 使 う と よ り効 果 的 で あ る 。 ②. 学 習 者 の グ ル ー プ 活 動 を 終 了 させ る 時 に は 、教 師 はrど. う で した か 」 と かrで. き ま した か 」 な どの チ ェ ッ ク型 質 間 を使 っ て 、 自 分 の 権 威 を 強 調 しな い 。 ③. 学 習 者 の 授 業 へ の 参 加 意 欲 を 大 切 に す る、 学 習 者 へ の あ い づ ち の 打 ち 方 や 視 線 の 位 置 に も注 意 し、 学 習 者 が 気 持 ち よ く授 業 が 受 け ら れ る よ う に 心 が け る 。. ④. 教 案 を 作 る 時 は 、 教 材 研 究 を十 分 に 行 わ な く て は な ら な い 。 ま た 、 教 案 は 学 習 者 の 反 応 ま で 予 測 して 作 ら な くて は な ら な い 。 授 業 中 に 随 時 修 正 が で き る よ うに しなけ れ ば な らな い。. ⑤. 発 間 型 質 問 を 使 え ば 、 学 習 者 の 関 心 を 引 き起 こ し、 授 業 を 活 性 化 す る こ と が で き る が 、 教 師 が 学 習 者 の 答 え を 予 測 す る こ と が 難 しい の で 、 危 険 性 も 出 て 来. 一124一.

(5) 日本 語教育実践研究. 第3号. る 。 そ れ を解 決 す る た め に は 、 事 前 の 周 到 な 準 備 が 必 要 不 可 欠 で あ る 。 ⑥. 教 師 は クラ ス全 体 に聞 こえ るよ うな大 きな声 を 出 す の が 基 本 で あ る。 ク ラ ス の サ イ ズ や 雰 囲 気 に 合 わ せ た 声 量 の 工 夫 も大 切 で あ る 。. ⑦. 学 習 者 全 休 の レベ ル を 考 慮 して 、授 業 内 容 を 決 め な く て は な ら な い 。 そ の 前 提 条 件 と して 、 学 習 者 の レベ ル を 正 確 に把 握 し て お く 必 要 が あ る 。. 参 考文献 庵功. 雄(2001)『. 菱沼. 透(1980)r中. 新 しい 日本 学 入 門 』. ス リー エ ー ネ ッ トワ ー ク. 国語 と 日本 語 の 言 語 干 渉 一 中 国 人学 習 者 の 誤 用 例j 『日本 語 教 育 』42号. 望 月 八 十 吉(1974)『. 中国語 と日本語』. 光生館. 北 京 外 国 語 大 学 国 際 交 流 学 院(2001‑2002)『. 漢 日語言研 究 文集』. 北京 出版 社. 揚 魁 魁= 今 学 期 、 鈴 木 先 生 の 別 科 の 授 業r漢. 字 指 導C」. の 授 業 に 参 加 し、 別 科 の 学 生 た ち と. 講 義 を 聴 い た り、 教 壇 に 立 っ て 用 意 し た 教 材 を 使 って 教 え た り し た 。 学 期 初 め の ア ン ケ ー トに よ る と 、r漢 字 に 興 味 が あ る」、rも っ と た く さ ん の 漢 字 を 覚 え て 、 日 常 生 活 に 役 立 て た い」 な どの 意 見 が多 か った。 ま た、 漢 字 圏 出身 の 学 習 者 の中 に、 漢 字 の基 礎 が で き て い な い 学 生 が い る こ と に 驚 か せ られ た 。 日本 語 の 漢 字 に は 、 日本 語 独 自 の 体 系 が で き て い て 、 漢 字 圏 出身 だ か ら と い って 、 指 導 し な い で も で き る とい う は ず が な く 、 漢 字 指 導 の 必 要 性 を 改 め て 認 識 した 。 教 壇 実 習 の 時 、 筆 者 は 一 回 目 にr連. 濁 」 を 取 り上 げ 、 二 回 目 に はr百. 面相の漢字 の. 読 み 方 」 を 行 っ た 。 前 者 に お い て は 、r清 音 」 とr濁 音 」 を 復 習 し、 二 つ の 語 が 結 合 し て一 語 を作 る時 、連 濁 の起 こる場 合 と、 起 こ らない 場 合 の例 を挙 げ 、 学 習者 に問 題 意 識 を持 たせ 、 連 濁 の ル ー ルを説 明 した後 で 、練 習 問題 を解 か せ る とい う授業 の流 れ を 作 っ て み た 。 後 者 に お い て は 、 主 に 読 み 方 ご と の 例 を 数 多 く紹 介 し た が 、 単 に 単 語 を 羅 列 した だ け で は 効 果 が 薄 く 、 論 理 的 に 納 得 さ せ な い と 効 果 が 挙 が ら な い こ と が 判 明 した。 実 を 言 う と 、 筆 者 は 今 回 初 め て 、 教 案 の 作 り方 を 学 ん だ 。 これ ま で は 、 授 業 中 に 話 す こ と を大 雑 把 に 書 け ば い い と 思 っ て い た が 、 参 考 書 を 読 ん だ り、 他 の 人 の 教 案 を 見 た りす る こ と を 通 じ て 、 教 師 白 身 の 手 に な る細 か い 教 室 設 計 、 精 緻 な 教 室 コ ン トロ ー ル が い か に 重 要 な の か が 分 か っ た 。 そ して 、 これ は 当 た り 前 の こ と で あ る が 、 自分 自 身 が 教 師 に な っ て み て 、 日本 語 教 師 に は い か に 高 い 日 本 語 能 力 が 求 め られ て い る か 、 よ く理 解 で き た 。 ひ と た ぴ教 壇 に 立 ち 、 学 生 に 教 え る 以 上 、 誤 っ た 日 本 語 を 使 い ・ 誤 っ た 日本 語 を 学 習 者 に 教 え て は な ら な い か ら で あ る 。 ま た 、 教 師 は 自 分 に 自信 が 持 て. 一125一.

(6) る よ う に研 修 を積 み、 学 習者 の 二一 ズ に合 った授 業 が展 開 で き る よう不 断 に心 が け な くて は な ら な い 。 今 後 は 、 こ う し た 反 省 を 踏 ま え て 、 実 際 の 教 学 に 当 り た い と思 う 。. 参 考文献 海保. 博 之(2003)r日. 本語 教 育のため の心理学』 新躍 社. 福田. 知 行(2000〉r漢. 字 と 日本 語 教 育 』. 小林. 一 仁(1998)『. 南雲 堂. バ ツをつけ ない漢字指 導』. 大修 館書店. 厘 一麗淳= 2005年 たr学. 度 春 学 期 のr日 本 語 教 育 実 践 研 究(7)」 に 参 加 して 教 壇 実 習 を 行 った 際 、考 え. 習 者 の 興 味 を 引 き 出 す た め の 工 夫 」 と い う 題 で 話 を した い 。. r同 音 異 義 語 」 とr四. 字 熟 語 」 と い う二 つ の 学 習 項 目 を 教 え る 時 、 ど の よ う に 教 え. れ ば い い か 、 鰻 初 に 教 案 作 りの 段 階 か らい ろ い ろ 考 え た 。 す な わ ち 、 ど う い う ふ う に 学 習 項 日 を 導 入 す れ ば 学 習 者 の 興 味 を 引 き 出 せ る か に 注 目 した の で あ る 。 第 一 回 目 にr同 み た 。r雨 ユ とr飴. 音 異 義 語 」 に つ い て 教 え た 時 は 、 自作 の 絵 カ ー ドを 用 い て 導 入 を 試 」、r雲 」 とr蜘. 蛛 」、r辞 典1とr字. 典 」 の よ う な、 日常 よ く見か け. る 同 音 異 義 語 を カ ラ ー の 絵 カ ー ドに よ っ て 分 か りや す く説 明 す る よ う に 工 夫 し て み た 。 ま ず 、 学 習 者 は 絵 カ ー ドに 興 味 を 引 か れ て 、 面 白 そ う に 説 明 を 聞 い て い た 。 そ う した 説 明 の 単 調 さ を 避 け る た め 、 次 の よ う な よ く知 られ た 「同 音 異 義 語 」 の ク イ ズ を 用 意 して み た 。 ●. き し ゃ の き しゃ が き し ゃ で き し ゃ した 、[貴 社 の 記 者 が 汽 車 で 帰 社 した 。]. ●. に は に は に は に は と り が い る。 〔庭 に は 二 羽 鶏 が い る 。]. こ う した 作 業 を 行 っ て い け ば 、 同 音 異 義 語 を 覚 え る こ と に 抵 抗 が な く な り、 学 習 者 の 学 習 意 欲 が 高 め られ て い く よ う に 思 わ れ た 。 第 二 回 目 の 実 習 の 時 は 、r四 字 熟 語 」 の 導 入 を 行 う た め に 、r四 面 楚 歌 」 と い う 言 葉 を 説 明 した.こ の 四 字 熟 語 は 、漢 字 圏 出 身 の 学 生 に と っ て は 馴 染 み の 深 い もの で あ る。 しか し、 非 漢 字 圏 出 身 の 学 習 者 に と っ て は 、 こ と ぱ の 由 来 も 明 ら か で は な く、 こ と ば に 秘 め られ た 悠 久 の 歴 史 と は 縁 の 薄 い も の で あ る 。 そ う し た 背 景 を 持 つ 四 字 熟 語 を 短 時 間 に 紹 介 す る の は 決 して 簡 単 な こ と で は な い 。 堅 苦 しい 単 語 を ど の よ う に あ っ か え ば よ い か 、 大 き な 課 題 と して 残 っ た 。 学 習 項 目の 導 入 を 行 な い 、 練 習 問 題 を 作 成 して い る 時 、 学 習 者 の レベ ル に 合 っ た 間 題 を作 る こ と が い か に大 切 で あ る か を 痛 感 し た 。 筆 者 は 、 安 易 に も 面 白 さ ば か り に 目 を 向 け た た め 、 練 習 の 量 や 難 易 度 に つ い て 余 り考 慮 す る こ と は な か っ た 。 同 じ ク ラ ス の 中 に い て も 、 学 習 者 の レ ベ ル は ま ち ま ち で あ り、 す ば や く問 題 が 解 け る学 生 もい れ ば 、 文 化 的 背 景 の 違 い で 、 全 くで き な い 学 生 もい る 。 そ の た め 、 練 習 間 題 が 解 け な い. 一126一.

(7) 日本語教育実践研究. 第3号. 学 習 者 が 授 業 に 飽 き、 積 極 的 に 取 り組 も う とす る 意 欲 を 失 っ て い る よ う に 見 受 け ら れ る ケ ー ス も あ っ た 。 学 習 者 に 学 習 の 楽 しみ を 味 わ っ て も ら う 授 業 を 作 り上 げ て い く た め に は 、 彼 ら の レベ ル に 合 わ せ た 練 習 問 題 を 作 成 す る こ と が 最 も 重 要 な 作 業 で あ り、 学 習 者 の 意 欲 や 自 信 を 高 め 、達 成 感 を 獲 得 さ せ る こ と は 必 要 不 可 欠 な こ と な の で あ る 。 今 回 担 当 した 授 業 を 振 り返 っ て 、 反 省 点 を 挙 げ て お く。 ①. 時間 に対 す る認 識 の甘 さ 第 一 回 日 の 教 壇 実 習 で は 、学 習 項 目 を 分 か りや す く説 明 す る の に 時 間 を取 ら れ 、 大 量 の 練 習 問 題 を 準 備 して お い た た め 、 練 習 の 答 え 合 わ せ の 時 間 が 不 足 し て し ま っ た 。 実 際 授 業 を 行 う 際 は 、 学 習 内 容 を 考 え る だ け で は な く、 ど の よ う な ぺ 一 スで 授 業 を進 め て い くか 、 時 間 配 分 に 注 意 を 払 わ な け れ ば な ら な い 。. ②. 学 習 者 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンの 重 要 さ 第 二 回 目の教 壇 実 習 の中 で 、 一番 気 に な った の は 、学 習 者 との コ ミュ ニ ケー シ ョンの不 足 とい う ことで あ る。 教 室 にダ イナ ミズ ム を 生 み 出す た め に は、 学 習 者 との コ ミ ュニ ケー シ ョ ンを取 る こ とが 非常 に 重 要 な こ とで あ る・ 今 回 の 実 習 の 中 で は 、 残 念 な が ら時 間 の 関 係 か ら 、 学 習 者 個 々 に 漢 字 学 習 の 困 難 点 を 聞 く こ と が で き ず 、 学 期 終 了 時 に も 感 想 や 考 え 等 の 聞 き 取 り調 査 を す る こ と が で き な か っ た 、 よ り よい 授 業 を 展 開 す る に は 、 学 習 者 か ら の フ ィ ー ドバ ヅ ク も 必 要 不 可 欠 な ことで あ る。今 後 の課 題 と して、 考 え 続 け て生 き たい 。. (1㌶ 雑1鯛 参 考 文 献: ア ル ク 日 本 語 出 版 編 集 部(1994)r漢 武 部 良 明(1988〉. 『漢 字 の教 え 方 』. 現 代 言 語 研 究 会(1998)r四 岩 波 書 店 辞 典 編 集 部(2002)r四. 字 ハ ン ドブ ッ ク 』 ア ル ク アル ク. 字熟 語活 用新字 典』 字熟語辞典. あ す と ろ 出版 岩波書店. ま どめ 今 回 こ の 実 践 研 究 に 参 加 し、 わ れ わ れ は 以 下 の よ う な 共 通 の 認 識 が 得 られ た 。 す な わ ち 、r漢 字 教 育 は 独 立 した も の で は な く 、 語 彙 教 育 ・音 声 教 育 な ど の 諸 分 野 と も 深 い 関 わ り を 持 つ も の で あ る 」 と 。 そ して 、r漢 字 教 育 は 、 漢 字 系 の 学 生 に も 非 漢 字 系 の 学 生 に も必 要 不 可 欠 な も の で あ る 」 と 。 特 に 、 現 在 さ ほ ど 重 視 さ れ て い な い 中 国 圏 の 日 本 語 教 育 に お け るr漢. 字教 育」 の可 能 性 と重要 性 に つ い て思 い を新 た に した。 上 に述. 一127一.

(8) 日本語教育実践研究. 第3号. べ た よ う に 、 わ れ わ れ は こ の 授 業 を 通 じて さ ま ざ ま な 経 験 を し、 多 くの 教 訓 を 得 た 。 今 後 は 、 こ う した も の を糧 と し な が ら、 日 本 語 教 育(及 い き た い。. 一128一. び 漢 字 教 育)の. 実践 に当 って.

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