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フラビーティシューの印象採得のための各種印象材 の硬化特性について

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(1)

フラビーティシューの印象採得のための各種印象材 の硬化特性について

著者 ?野 徹

雑誌名 歯科材料・器械

巻 12

号 3

ページ 423‑434

発行年 1993

URL http://doi.org/10.11501/3071168

(2)

フラビーティシューの印象採得のための 各種印象材の硬化特性について

演 野 徹

Hardening Characteristics of Various Impression Materials  for Impression Making of Flabby Tissue 

Tohru HAMANO 

歯 科 材 料 ・ 器 械

The 

ournal of the 

apanese Society  for Dental Materials and Devices 

(V 0

1 .  

12, N o. 3, 1993)  別 刷

(3)

原 著 歯科材料・器械 Vol.12 N o. 3 424‑434  (993) 

フラビーティシューの印象採得のための 各種印象材の硬化特性について

演 野 徹

H a r d e n i n g  C h a r a c t e r i s t i c s  o f  V a r i o u s  I m p r e s s i o n  M a t e r i a l s   f o r  I m p r e s s i o n  Making o f  F l a b b y  T i s s u e  

Tohru 

HAMANO 

Keyword: Flabby  tissue, Impression  material, Hardening  characteristics, Working  time,  Setting time, Relaxation modulus in shear 

The hardening characteristics of zinc oxide eugenol (Ha, Me) , polysulfide rubber (Su) and  silicone rubber (Co, Xa, Ex, Pr, Sj)  as impression materials for ridges with f1abby tissue, were  measured at 230C and 37OC, or  only 230C by loads using glass plates (0.5, 1. 0, 1. 5 kgf),  a  reciprocating rheometer and stress relaxation apparatus. 

The measurements in three types of materials were different from each other, but those in  the same typewere considerably similar to each other and indicated that Ha and Pr respectively  were softer than the others. 

So the measurements of Ha, Su and Pr were evaluated.  1.  Hardness just after completion of mixing : Pr was softest.  2.  Duration of softness: Ha>Su>Pr 

3.  W orking time and setting time : Pr was shortest.  4.  Rapidity of the hardening reaction : Ha > Pr> Su 

5.  Dependence on load just after completion of mixing : Ha> Pr > Su  6.  Dependence on temperature : Ha > Su > Pr 

The impression materials for f1abby ridges should be selected with consideration of these  hardening characteristics.  The order of preference might be strongly inf1uenced by the experi‑ ence of the dental practitioner (e.g.  : time required for impression procedure, settling force of  impression tray) 

キーワード:フラビーティシュー,印象材,硬化特性,操作時間,硬化時間,緩和ずり弾性率

ブラビーティ シューを有する顎堤の印象採得に使用される印象材のうち,酸化亜鉛ユージノール (Ha, Me),ポリサルフアイドラパー (Su),シリコーンラパー (Co,Xa, Ex, Pr, Si)につい て,各種荷重負荷条件下において,また,レオメータならびに応力緩和試験機を用いて,230Cと 370Cあるいは 230Cのみでの硬化特性を測定した.

原稿受付 1993222日,受理 1993319

鹿児島大学歯学部歯科補綴学第2講座(主任:長岡英一教授) (890鹿児島市後ヶ丘8351) 

The Second Department of Prosthetic DentistryKagoshima University Dental School (Chief :Prof‑Eiichi NAGAOlA)(835l

Sakuragaoka, Kagoshima 890

フラビーティシューの印象採得のための各種印象材の硬化特性 425 

その結果,硬化特性は,系列によって異なり,同系列内では比較的類似しているが, Haおよび Prは他のものより軟らかかった.

そこで, Ha, SuおよびPrの硬化特性を比較した.

1.  練和終了直後の硬さ:Prが最小 2.  軟らかさの持続時間:Ha>Su>Pr  3.  操作時間と硬化時間:Prが最小 4.  硬化反応の急速さ:Ha>Pr>Su 

5.  練和終了直後の荷重依存性:Ha>Pr>Su  6.  温度依存性:Ha>Su>Pr 

以上の結果から,術者の臨床経験(印象操作時間,印象用卜レーの圧接力など)が硬化特性に影 響すると考えられた.したがって, f1abby tissueの印象採得にあたってはこれらの硬化特性に留 意して印象材を選択すべきである.

1 . 緒 昌

無歯顎における義歯を支持する組織の表現法すなわ ち印象法には,粘膜をどのようにとらえるか種々の考 え方があり,多くの研究報告1‑7)がある.

また, f1abby tissueが存在する顎堤は,コンニャ ク状顎堤とも呼ばれ,その被圧変位性が大きく,力が 加わると容易に形態変化する8) そのために,印象採 得に際しては,f1abby tissueの形態変化が生じない ように,印象材の選択ならびに個人トレーの作製法な どに考慮が払われているト15) しかしながら,f1abby  tissueの形態変化を小さくとどめる印象方法について は未だ十分に明らかにされていない.

そこで, f1abby tissueを有する上顎無歯顎を想定 したシミュレーションモデルを作製し,個人トレーの 設計(スペーサーや遁出孔の付与法),印象採得時に おけるトレーの圧接方向および印象材の種類がf1ab‑ by  tissueの形態変化に及ぽす影響について報告し

161ぺすなわち, f1abby tissueの形態変化は, 卜レ ーの設計や圧接方向によって小さくすることが可能で あるが,場合によってはかえって大きくなることもあ ることがわかった16) さらに, f1abby tissueの形態変 化を小さくするためには,スペーサーよりも遁出孔の 効果の方が大きく,遁出孔については数ばかりでなく その設定位置が重要であり17),また,印象材の流動性 についても,詳細な検討が必要であることが示唆され た1617)

そこで, 卜レーの設計に関して遁出孔の設定位置の 影響について検討するとともに

1 8 h

印象材の流動性に ついて検討することを計画した.

印象材の流動性については,術者の臨床経験によっ てもたらされる印象採得操作の円滑さの違い,すなわ ち,印象材の練和開始から口腔内圧接までの所要時間 や,トレーの圧接力などにより大きく左右されると毎 えられる.また,口腔内における印象採得操作を良好 かつ安定化させるためには,流動特性,見かけ粘度,

Table 1 Materials 

Mixing 

Material  Type  proportion  Mixi(nsg)   Code  Batch No.Manufacturer  (Base(g)/ time  ) 

Catalyst (g))  Impression Paste Hard  Ha  151021  G.

c .  

3.00  45 

Impression Paste Medium Zinc oxide eugenol 

Me  271121  G.C  3.00  45  Surf1ex F Injection  Polysulfide rubber  Su  211121  G.C  0.67  45  Coltex Fine  Co  9208‑056  Coltene  5.21  60  Xantopren Light Body  Xa  2737 U  Bayer  24.81  30 

5033 H 

Exaf1ex Injection  Silicone rubber  Ex  160922  G.

c .  

1. 00  30  Provil Low Viscosity  Pr  3601 H  Bayer  1. 00  30 

3634 H 

Silascon Injection  Si  KK 022209  Dow Corning  1. 00  30 

(4)

426  歯科材料・器械 Vol.12 NO.3 

応力緩和などの印象材の粘弾性挙動を知ることが重要 である19)

そこで, flabby  tissueを印象採得する観点、から,

補綴臨床でwashimpressionl)に用いられている 8種 類の印象材の硬化特性について検討した.

11.  材料と方法

1 . 実 験 材 料

実験に使用した8種類の印象材について,コード, 製造番号,練和比および練和時間をTable1に示し た.練和条件は製造会社の指示に従った.

2. 測 定 方 法

測定は室温 (230C:t0.50C)あるいは口腔内温度を 怨定した調度 (370C:tO. 50C)で行った.以下,室温 は230C,口腔内温度は3rcと表記する.

1)  操作時間と硬化時間20‑22)の測定

レシプロケーティングレオメーターを用いて,各種 印象材の230Cでの操作時間ならびに230Cと3rcで の硬化時間を測定した.本装置は,180 gfの力に対し 0.1 m m変位するパネを介して,印象材に一定の振動 変位を与え,印象材が硬化するに従ってその振れ幅が 減少する様子を記録する装置である.操作時間と硬化 時間の決定法はFig.1に示した.

2)  各種の何重負荷条件下で求める硬化特性 練和した各印象材をシリンジを用いてガラス板上の 5ヵ所に一定量 (0.5cm3)ずつ抽出し (Fig.2),そ の上に練和開始から 60,90, 120, 150 sの各時間に

o  . 

5, 1. 0, 1. 5 kgfのガラス板をのせ,印象材を流動 させた.荷重の負荷を開始する時間は,印象材の練和

23"C  23"C 37"C 

C

MW

M ω

Time 

Fig.  1 A example of reciprocating rheome‑ ter 

A : Strain without impression material  B : Initial strain with impresssion material  C : Mixing time 

D : W orking time  E : Setting time (230C)  F : Setting time (3TC)  dL/dt : Slope of tangential line 

圃 圃 圃 圃

を開始してから口腔内に圧接するまでの所要時間を想 定したものであり,荷重はトレー圧接時の圧接力を想 定したものである.

それぞれの荷重負荷条件下における各印象材の経時 的 な ひ ろ が り を , ビ デ オ カ メ ラ (CCD‑V 900,  SONY)で撮影し,画像処理装置 (nexus,柏木研究 所)にとりこみ,この再生画像上で印象材のひろがり 直径(水平方向と垂直方向)をデジタイザーを用いて 計測した (Fig.2).計測時間は,荷重負荷開始後1, 5, 10, 15, 30, 60, 120, 180, 240, 300, 360, 420,  480 sの各時間とした.このひろがり直径の経時的変 化は,それぞれの印象材が練和完了から硬化終了まで に変化する印象材の'性質によって決まるものである. 従って,本実験ではこの計測値を硬さの目安値とし, その硬化特性の経時的な変化を流動性の指標と考え, 計測時間1sの値を初期値,計 測 値 の 最 大 値 を 最 終 値,計測時間1sから計測値が最終値に達するまでの 時間を流動持続時間として評価した.実験は230Cで

J 7  

〆 Z τ 二 主 ア

Fig. 2 Schematic  diagram  of  measuring  method of sett1ing expansion 

Fig.  3 Schematic representation of measur‑

ing apparatus for relaxation modu‑

lus in shear  A : Sample case  B : Metal plate  C : Load cell  D : Dial gauge  E : Amplifier  F : Recorder 

G : Thermal control unit  H Impression material 

a : 1.530 cm  b : 1.510 cm  c : 0.727 cm  d : 0.032 cm 

フラビーティシューの印象採得のための各種印象材の硬化特性 427 

行った.

な お , 製 造 会 社 指 示 の 練 和 時 間 に 従 う と Ha, Me, SuおよびCoの各印象材については,練和開始 後の経過時間60sでは,練和終了から負荷開始まで の準備時間が短すぎて,そのデータを採取することは 不可能であった.

3)  レオメータで求める硬化特性

レシプロケーティングレオメータによる時間経過に 伴う振動変位の減少の度合いは,硬化反応速度の尺度 としてとらえることができる.従って,本実験では 230Cと370Cにおける変位の時間に対する減少曲線を 図上微分して,dL/dtを求め,このdL/dtを反応速 度の指標として評価した.

また, 230Cにおいて,このレオメータで印象材を 介 在 さ せ た 状 態 で の 測 定 開 始 直 後 に お け る 振 れ 幅 (B)と介在させない状態での振れ幅 (A)の大きさ の比 (B/A)を求めた (Fig.l).この値の大小は, それぞれの印象材が練和完了直後に有する性質によっ て決まるものであり,印象材の硬さを示している.従 って,本実験ではこの値を練和完了直後の流動性の指 標として評価した.

4)  応力緩和試験機で求める硬化特性

応力緩和試験機 (Fig.3)を用いて30sごとに一定 ひずみ (6.9%)を15s問だけ与え,その問の応力緩 和を 230Cで調べた.得られた応力緩和曲線より,ひ ずみを与えてから

o

s, 15 s後の緩和ずり弾性率 {Gr

(0), Gr (15) }を次式により求めた23)

Gr(t) =P(t)H/Al  P(t) 荷重

H 印象材の厚み (0.727cm)  A 金属板の表面積(片面2.38cm2)

変位量 (0.05cm) 

960 

~ 840 

~ 720  . 竺 600

~ 480 

Q)  360 :240 

::  120 

~ ~

i n :~QJ.

~日 ing

me  ・~1111;; 

Se t t i叫 8I.Setting t i me  t i me  (37'C)  (23'C) 

III. 結 果

1.  操作時間ならびに硬化時間

230Cにおける操作時間ならびに 230Cと3TCにお ける硬化時間をFig.4にぶした.どの印象材も硬化 時間は温度依存性を示し ,3rcでは 230Cの1/2以ド にな った.操作時間は, Ha>Me>Su>Co>Pr~ Ex>Si> Xaの 順 に 長く,とくに, Haの長さ (821 s)とXaならびにSiの短さ(各々81sと112s)は, 他の印象材に比べて著しかった.硬化時間は, 23T 

ではHa>Su>Co>Ex> Me>Si > Pr> Xaの 順 に 長 か っ た が (915s‑‑‑‑‑‑227 s), 3TCで はSu>Co>Ex> 

Ha孟Me>Si孟Pr>Xaの順に長く (290s‑‑‑‑113 s),  特に, Haは温度依存性が高かった.さらに, 230Cに おける操作時間と硬化時間の差は, HaとMeでは他 の印象材よりも著しく小さし硬化反応がシャープな

ことを示した.

2.  ひろがり直径により求めた硬化特性

各種荷重の負荷条件における経時的なひろがり直符. の計測結果を,印象材の系列ごとに Fig.5‑‑‑‑‑‑7にノ云し た.グラフの横軸は練和開始後の経過時間,縦判!は印 象材のひろがりの直径をノJミしている.

グラフ中に表示した, 0.5, l. 0, l. 5 kgfの 各 何 重,60, 90, 120, 150 sの各荷車負荷開始時間につい ては,以下の本文中においては, L 0.5, L 1. 0, L  1. 5,およびLS‑60, LS ‑90, LS 120, LS ‑150と略 記する.

どの印象材においても,荷量負荷開始が遅いほど,

また荷重が小さいほど,ひろがり速度は小さくなり, 最終値も小さくなった.さらに,荷重負荷開始後のひ

ろがり直径の増大率は経時的に小さくなった. 1) 酸化亜鉛ユージノール (Fig.5)

Haでは,初 期 値 が21.8‑‑‑‑....28.8m mであり,荷量 の違いによる差が明確で,その後の流動持続時間は長 かった.Haの 最 終 値 は27.3‑‑‑‑‑‑34.9m mとなり,最 終値のうち大きいものは今向の8種の印象材のうちで 最も大きかった.

これに対し, Meでは,初期値は20.3‑‑‑‑‑‑27.2m m   で,流動持続時間が短く,荷重を負荷して約5sでほ ぼ最終値に達し,これらは21.6‑‑‑‑‑‑28.9m mとなった.

これら初期値と最終値はともに,荷重の違いによる差 が大きかったが,荷重負荷開始時間の違いによる莱は

/

J、さカ当った.

2)  ポリサノレファイトラパー (Fig.6)

Suでは,初期値が21.4‑‑‑‑‑‑25.1 m mであり, Haや Meとは異なり,荷重の違いによる差はほとんどなか った.一方, Suの荷重負荷開始時間の違いによる初 期値の差は, HaやMeのものよりも大きい傾向を示 した.また, Suでは,その流動持続時間は Haに次

Ha  Me  Su  Co  Xa  Ex  Pr  Si  Fig. 4 Working time and setting time 

(5)

428  歯科材料・器械 Vol.12NO.3 

3 5  

e  3 0  

~

2 5  

Q) ε 

己 2 0 1 5  

3 5  

e  3 0  

~

2 5  

Q) 

竺 2 0

C

1 5   O 

6 0  

江二二一一

.

...il...;  r.  '

1[[ 

1 2 0   1 8 0  240 480 540 600 

Time after mixing  (s) 

M e  

. ̲ ' 一一一一 一一一一一 一一一一一ー

""1・,.."・白・ "!..".."...",.0,・4・・.1..000."...a・"."・・・・0..."....1.・・・・・0

""ι."..̲"."........

6 0   120  180 240 300 360 420 

Time after  mixing  (s) 

Amount  of  load  (k 9 

f )   0.5  1 .0  1 .5 

・‑一一ー一一 0‑‑,一一一・ 0一一ー‑‑‑

Variation in  diameter with time after  mlxmg 

(Zinc oxide eugenol) 

いで長く,最終値は28.3‑‑‑‑‑31.4m mとなり,これら 最終値についての負荷条件の違いによる差は 3.1mm で8印象材中最も小さかった.

3)  シリコーンラパー (Fig.7)

Coでは,初期値が16.2‑‑‑‑‑22.8m mであり,すべて の印象材中最も小さかった.また,Coの流動持続時 間は HaならびにSuに次いで長く, Coの最終値は 20.8"""30.2 m mとなった.これら最終値は,負 荷 条 件が同じであればHaやSuの最終値よりも小さし 負荷条件の違いによる最終値の差は 9.4mmと大きか った.以上のCoにおけるひろがり直径の経時的変化 は,以下に示すシリコーンラパー印象材と Suの中間 的様相を示していた.

Xaの初期値は19.1"""27.7 m mであり, L‑l. 0とL

3 5  

e  3 0  

~

2 5  

Q)  ξ 

竺 2 0

C

1 5   0 

Fig.  6 

s  u 

6 0  

~,-ーーーー綱同.""‑ ー

=:.=~

~:~:,,,:,:,:,:,同情"ー=司g

‑ … …  

一 一

1 2 0   1 8 0  2 4 0  480 540 6 0 0  

Time  after mixing  (s) 

Amount  of  /oad 

( k  

9 f) 

0 . 5   1 . 0   1 .5 

・ー一ー『ー o 一一一‑一‑

Variation in diameter with time after  mlxmg 

(Polysulfide rubber) 

‑1. 5では荷重負荷開始時間が遅くなるにつれて直線 的 に 小 さ く な っ た が,L‑0.5では LS‑60, LS ‑90,  LS‑120での変化は小さかった.一方,Xaの流動持 続時間はHa,SuおよびCoに比べ短く,荷重を負荷 して約15sで 最 終 値 に 達 し,こ れ ら の 値 は22.3‑‑‑‑‑ 30.8 m mで,荷重負荷条件が同じであればHaやSu の最終値よりも小さかった.さらに,Xaの初期値な らびに最終値はともにLS‑150では小さかった.

Exの 初 期 値 は20.3""‑24.6m mであり,いずれも Coの初期値に次いで小さく,また,L‑l. 0とL‑1.5 の初期値はほぼ同じ大きさを示し,荷重負荷開始時間 の違いによる初期値の差は小さかった.また,Exの 流動持続時間はXaと同様に短く,荷重を負荷して約 15 sで最終値に達し,これらの値は23.7‑‑‑‑‑‑28.8mm で,荷重負荷条件の違いによる差は5.1mmとなり, この差はSuに次いで小さかった.しかし,Exにお ける最も大きい最終値 (28.8mm)は,Suにおける 最も小さい最終値 (28.3m m)とほぼ同じ値を示し た

Prの初期値は 19.5""‑30.0m mであり,LS‑60にお ける L‑l.OとL‑1.5では8種の印象材中で最も大き く,LS‑90とLS‑120においても条件次第ではHaや Suの初期値よりも大きかった.しかし,Prの流動持 続時間は約10sでMeに次いで短く,LS‑150では著 しく小さくなり,荷重負荷開始時間の違いによる差が 大 き か っ た.また,Prの 最 終 値 は 20.3""‑32.3m m   で,最も大きい最終値 (32.3m m)はHaに次いで大 きかったが,最も小さい最終値 (20.3m m)は8印象

フラピーティシューの印象採得のための各種印象材の硬化特性 429 

3 5  

e  3 0  

~

2 5  

ε Q) 

ro 

と ミ 2 0  

1 5   0 

3 5  

e  3 0  

~

2 5  

Q) ε 

竺 2 0

1 5   0 

3 5  

e  3 0  

~

2 5  

Q) 

竺 2 0

1 5   0 

6 0   1 2 0  1 8 0   2 4 0  300 360  420 

Time  after  mixing (s) 

Xa 

6 0   1 2 0

8 0   2 4 0  300 360 420 

Time  after mixing  (s) 

E  x 

f F ラi Z i ニ ぷ

i

認可:ぷ五三 i

f f f p 二 一 一

6 0   1 2 0   1 8 0   2 4 0  300 360  420 

Time  after mixing  (s) 

3 5  

e  3 0  

~

2 5  

Q) 

220  1 5  

3 5  

e  3 0  

~

2 5  

Q) ε 

~

と ミ 2 0  

1 5   0 

6 0   1 2 0  1 8 0   2 4 0   3 0 0  360 420 

Time  after mixing  (s) 

1 fT:エニ:ご:tfI"In"Ir.':'目~'

':==ur 

‑ r 一 一 一 一

6 0   1 2 0   1 8 0   2 4 0  300  360 4 2 0  

Time  after mixing  (s) 

Amount 

0.5 

・ーーーーーーー

O千 load 

1 . 0  

0………… 

(kg 

f )   1 . 5 

。 一 一 一 一

Fig.  7 Variation in diameter with time after mixing  (Silicone rubber) 

材中最も小さく,最大値と最小値の差が大きかった.

Siの初期値は19.9""‑27.3m mであり,荷重負荷開 始時間の違いによる差が大きく,LS‑150では著しく 小さかったが,荷重の違いによる初期値の差はSuに 次いで小さかった.一方,Siの流動持続時間 (約10 s)ならびに最終値 (20.8""‑31.3m m)はPrと類似

した値を示した.

以上の結果において 8印象材の初期値と最終値に つ い て の 最 大 値 はL‑1.5の も の で あ り,初 期 値 は Pr> Ha> Xa>Si孟Me>Su>Ex>Coの順に大きく, 最終値はHa>Pr>Su孟Si>Xa>Co> Me孟Exの順 に大きかった.

(6)

430  歯科材料・器械 Vo.l12 NO.3  3.  レオメータで求めた硬化特性

1)  反応速度の目安値としてのdL/dtならびにそ の値がピークに達する時間

230Cと37"Cにおいて求めたdL/dtの結果を Fig.8

"‑" 10に示した.Fig.10については,判別しやすくす るためFig.8,9と縮尺を変更した.

dL/dtは,全ての印象材で温度依存性を示し,230C  よりも 37"Cにおいて,そのピーク値は大きく,ピー クに達するまでの時間が短かった.また,dL/dtは,

230Cならびに370Cともに,HaとMeでは大きく, 逆に,SuとCoでは小さく,他はこれらの中間的な 値を示したが,室温でのExの値はCoの値と類似し ていた.また,dL/dtが ピ ー ク に 達 す る ま で の時間 は,Haでは 23"Cと370Cとの差が他の印象材よりも 著明に大きかったが,370CではMeとほぼ同じ値を ノドし,Haの温度依存性が高いことを示した.これに 対し,SuとCoでのdL/dtがピークに達するまでの 時間は,3TCでは HaやMeよりも長く,特に Coで は230Cと370Cとの差が小さかった.

28.63

一 一 一 一

:37'C  23'C 

合:

Ha 

肯:Me 

10 

¥

:

l ztfAh8 

lf

.  

o  ̲ L ‑ . J ‑ ‑   ' .

120  240  360  480  600  720  840  Time after mixing (s) 

Fig. 8 Slope of tangential line on hardening  curve 

(Zinc oxide eugenol) 

15  37'C  23'C 

o : Su 

1

¥

120  240  360  480  600  720  840  Time after mixing (s) 

Fig. 9 Slope of tangential  line on hardening  curve 

(Polysulfide rubber) 

その他の印象材では,XaでのdL/dtがピークに達 する時間は230Cと370Cともに最も短く,それらの差 も小さかった.また,SiでのdL/dtがピークに達す るまでの時間は,3TCでは計測できなかった.

2) 硬さの目安値としての振れ幅の大きさ

230Cにおいて求めたレオメータの振れ幅の大きさ の 比B/Aの 結 果 をFig.llに 示 し た.B/AはPr>

Si> Su > Co > Xa > Ha > Ex > Meの順に大きく,Me  のB/A(0.792)は極端に小さかった.

4.  応力緩和試験機で求めた硬化特性

230Cで求めた緩和ずり弾性率Gr(O)とGr(15)の 結果をFig.12"‑"14に示した.

Gr(O)は,紋‑不11完 了 直 後 で はPr<Si<Ex壬Ha<

Xa <Su <Co<Meの 順 に 小 さ か っ た (1.4 104, , ‑ "  

1.9 X 10dyne/cm2). 

また,HaとSuではGr(15)は840sと420sまで 発 現 せ ず,完全に応力の緩和が起こる持続時間が長 く,特に,Haでは長かった.一方,Me, Exおよび Coでは純平11完了直後からGr(15)が発現し,応力は

37'C・:Co  23'C  0: Xa 

・:Ex

Pr  ..  Si 

Fhd 

H¥

120  360  480  ~ 600  Time after mixing (s) 

Fig.  10  Slope of tangential line on hardening  curve 

(Silicone rubber) 

1.00 

「・・ー

..:.:.

0.95 

0.90 

︿¥

0.85  0.80 

0.75 

Ha  Me  Su  Co  Xa  Ex  Pr  Si  Fig. 11  Standard of hardness (B/ A) 

フラピーティシユーの印象採得のための各種印象材の硬化特性 431 

10 10

a

10

¥ ¥   ClJ 

. :

〉、

s  

10

Co 

口:

Xa 

・:EPr  ..  S

10

、¥

ClJ 

. : s

〉、

 

10

u"

~ 10

~ ..

103

k  

一一一 :

Gr (0 Gr (15) 

︐ 

ぱラ

~

. . .

10

 

~ A '  

a

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d a 

~

nHV 

L

nU

 

a a i

103

与ー

3

02

「「記

240 360  480  600  720  840 

Time after mixing (s) 

Fig.  14  Variation  of relaxation modulus in  shear 

(Silicone rubber) 

象材の流動性についても検討する必要性のあることを 示していた.

印象採得時における flabbytissueの形態変化を小 さくとどめるためには,変化を起こす原因となるトレ ー圧接時における印象材の流動性が高く,変化した形 態が復元する大きさに影響する トレー圧接完了後の印 象材の弾性が小さいことが必要である.すなわち,ト

レー圧接時における印象材の流動性が高ければ高いほ ど,そのときに生じる flabbytissueの形態変化自体 を小さくおさえることができ,また,トレーj王接完f 後の印象材の弾性が小さければ小さいほど,Jf接時に

変化したflabbytissueの形態は復元する可能性が高 いからである.

また,印象材の圧接時の流動性は,トレーを圧接す る力や,印象材の練和を開始して卜レーを口腔内に圧 接するまでに要する時間によって影響を受け,その影 響の強さは術者の臨床経験によって異なるものと考え

られる.

一方,印象材の性状に関して硬化特性などについて の多くの研究報告231)があるが,臨床におけるトレ ーによる印象圧接の状況と類似した条件下での研究32) は 少 な し 印象圧接開始時間や圧接力が硬化特性に及 ぽす影響についての報告もない.

そこで,本実験では,臨床における印象採得時に起 こり得る状況をシミュレートし,各種の何重負荷条件 を設定したガラス板圧接によるひろがり直径の経時的 変化を測定し,さらに,レオメータならびに応力緩和 試験機を用いて印象材の硬さを測定することにより, 印象材 (3系列8種類)の硬化特性を230Cあるいは 3アCにおいて調べた.

ひろがり直径測定におけるガラス板の圧接は,臨床 におけるトレーの圧接に相当し,荷重はトレー圧接時 の圧接力に相当し,また,荷重負荷開始時間は印象材 の練和開始後からトレーの圧接開始までに要する時間 Fig.  12 

120  240  360  480  600  720  840  Time after mixing ( s ) 

Variation  of relaxation  modulus  in  shear 

(Zinc oxide eugenol) 

10

一 一 一 :

Gr (0)  0: su 

Gr (15) 

pa

10

、 ¥

. : s

〉、

 

10

ぱラ

~ 10

'

~

103

~

102 

120  240  360  480  600  720  840 

Time after mixing (s) 

Fig.  13  Variation of relaxation  modulus in  shear 

(Polysulfide rubbed 

完全には緩和せず,Xa, Prでは120s後に,Siでは 90 s後にGr(15)が発現し,それぞれ応力が完全には 緩和されなくなった.

さらに, HaとMeではGr(O)なら び にGr(15) の経時的変化が非常に小さい状態が硬化時間近くまで 持続し,その傾向はHaで特に著明であった.これに 対し, Pr, Xa, Si, Exお よ びCoでは

G

r(

O )

なら びに Gr(15)の経時的変化が大きし その変化が早期 に生じ,その傾向はXaで特に著明であったが,Co  の変化はこれらの中では小さ し 次 に 示 すSuの変化 に類 似 し ていた.一方, SuのGr(O)な ら び にGr (15)は こ れらの中 間 的 な 値 を示 し,Gr(O)とGr (15)の経 時 的 変 化が生じる時期にずれがあり,Gr  (15)の発現する時間そのものが遅かった.

I V .

考 察

筆者らは,被圧変位性の大きいflabbytissueを有 する顎堤の印象方法に関して,トレーの設計ならびに 圧接方向について検討したl 18)が,その結果は,印

(7)

432  歯科材料・器 械 Vol.12  NO.3 

に相当する.また,温度に関しては, 230Cは 印 象 材 の練和から卜レーの圧接開始直後の温度であり,

3 r C  

はトレー圧接後の時間経過によって達する温度を示し ている.

4で,本実験における各計測値の臨床的意義につ いて考察する.

まず,レオメータによる操作時間と硬化時間につい ては,これらが長いほど印象材の硬化が遅く, 操作 性 に ゆ と り が あ る こ と を 示 し て い る.また, 230Cにお ける操作時間と硬化時間の差が小さいほど硬化反応の 進行か急速であることすなわち反応がシャープである ことをぶしている.さらに,硬化反応の速度の尺度と してのdL/dtに つ い て の グ ラ フ 仁 の 図 形 か ら は , 硬 化反応0)速さ,悦化反応が進行して完了するまでの時 期,反応がi泣b急速に起こる時期などが分かる.図 形 の向さが白くて隔が小さいほど硬化がシャープで, 逆 に, I判形のItJさが低くて幅が人きいほど硬化が緩慢で あることを示している.この点は,臨床的には,硬化 が綬'階であれば,変化した被印象体の形態が復元しや すいことふ小している.

次に,練和完了直後における印象材の硬さを示すひ ろ が り 直 径 の 初 期 値 と レ オ メ ー タ に よ る B/Aは,こ れらの値が人さいほど軟らかいことを意味し,このよ うな印象材は,トレー圧接時において流動しやすく, 被 印 象 体 の 形 態 変 化 を 起 こ し に く い こ と を 示 し て い る.

一 点,緩和 ず り 弾 性 率 のGr(O)な ら び にGr(15) からは印象材の硬さと応力緩和の状態が分かる.すな わち,Gr(O)に つ い て は , こ の 値 が 大 き い ほ ど , 印 象材が硬く,力が加わった時の印象材の変形は小さい ことを意味し,これを臨床的に考えると,印象材が流 れ る と き に 被 印 象 体 に 与 え る 力 が 大 き し 被 印 象 体 の 形態変化が大きく起こることを意味している.また,

Gr(15)については,この値がOで な い こ と は 応 力 緩 和が完全に起こらなかったことを意味し,この値が大 きいほど硬いことを示しており,臨床的には変化した 形態が復元しにくいことを示している.

以上のように,被印象体の形態変化は印象材の硬化 特性に影響されることを考慮にいれて,本実験結果を 以下に考察する.

各測定法による印象材の硬化特性は,測定法の違い によって若干の違いはあったが,それらの実験結果は 良く一致し,系列によって異なるが,同系列内では比 較的類似していた.このような同系列での結果の類似 性は硬化の機構が同じである点を考えれば当然の結果

と言えよう.

結果が異なった点については,印象材のぬれ,変化 する厚さとひろがりに依存する流動抵抗および力に依 存 す る 硬 さ の 影 響 が 考 え ら れ る.ひ ろ が り 測 定 のL‑

1.5の 初 期 値 と レ オ メ ー タ に よ る B/Aか ら 求 め た 硬 化 特 性 を 指 標 に し た 流 動 性 に つ い て は , 前 者 で は Pr>Ha>Xa>Si~三 Me>Su>Ex>CoのiI聞に大きく,

後 者 で はPr>Si>Su>Co>Xa> HaEx> Meの 順 に大きかった.酸化亜鉛ユージノールのHaとMeお よびシリコーンラパーの Xaについては, L1. 5の初 期値では流動しやすく, B/Aで は 流 動 し に く か っ た のに対して,ポリサルファイドラパーのSuとシリコ ーンラパーのCoについてはこれと全く逆の結果を示 した.これらの結果の違いは, Ha, Meお よ びXa は, SuならびにCoに 比 べ , ガ ラ ス 板 と の ぬ れ が 良 いこと,あるいはこれら印象材の流れを良くするため にはより大きな力が必要であることを示している.こ の 点 は,L1. 0の 初 期 値 はXa>Si>Ha>Suの 順 で あるのに,L‑0.5では Xaお よ びHaはSuよ り も 小 さ か っ た こ と か ら も 明 か で あ る.一 方,L‑0.5, L 1.0お よ びL‑1.5の各初期値の違いが, Suにおいて ほとんどなかったことはSuの荷重依存性が弱いこと を示しており,逆に Haに お い て 大 き か っ た こ と は Haの荷重依存性が強いことを示している.

また,ひろがり直径のようにガラス板に挟んで荷重 を負荷して流動を起こさせる方法では,経時的に印象 材の厚さが減少し,逆に,ひろがり直径が増す.この ことは,荷重に対する弾性による抵抗性ならびにガラ ス板との接触面積の増大による摩擦抵抗が大きくなる ことを意味し,厚さによって粘弾性的性質が複雑な影 響を受けることを示している.この点に関しては,緩 和 ず り 弾 性 率 のGr(0)な ら び にGr(15)の 結 果 が 重要な情報を提供している.まず, Gr (0)が練和開 始 直 後 で は Pr<Si<ExHa<Xa<Su<Co<Meの 順に小さかったことは,この順に被印象体に及ぽす力 の大きさが小さかったことを意味しており,この点で はCo以外のシリコーンラパー印象材は,酸化亜鉛ユ ージノールやポリサルファイドラパーよりも,流 動 時 に被印象体を形態変化させにくいことを示している. 方, Gr(15)の 結 果 か ら,HaとSuのよ う に 完 全に応力緩和が起こる持続時間が長いことは,この間 に印象材に力が加わると印象材がずり変形することを 意味している.この点は,臨床的にはこのような印象 材は,硬化する聞にトレーをしっかり固定して保持す る必要のあることを示す一方で、, 卜レーの圧接時に変 化した被印象体の形態が復元する可能性のあることを 示している.

これに対し,練和終了直後からGr(15)が発現した Me, Exお よ びCoや , 練 和 終 了 後 の 初 期 に はGr (15)が 発 現 し な い が そ の 後 比 較 的 早 期 にGr(15)が 発 現 し たXa,Prお よ びSiで は , 圧 接 時 に 変 化 し た 被印象体の形態が復元しにくいことを示している.

さらに, Gr(O)ならびにGr(15)の経時的変化が,

フラピーティシューの印象採得のための各種印象材の硬化特'陀 433 

HaとMeでは硬化時間近くまで非常に小さく, Pr,  Xa, Si, Exお よ びCoで は 大 き し そ の 変 化 が 早 期 に , し か も ほ ぼ 同 時 に 生 じ た.一方, Suで は こ れ ら の中間的な値を示し, Gr(O)Gr(15)の 経 時 的 変 化が生じる時期にずれがあり, Gr(15)の 発 現 す る 時 間そのものがHaに次いで遅かった.この点は,それ ぞれ,酸化亜鉛ユージノール,シリコーンラパー,ポ リサルファイドラパーの硬化時の粘弾性的性質の特徴 すなわち硬化機構の違いを示している.

これらの結果は,レオメータによる硬化時間および dL/dtやそのピークがあらわれる時期の結果と良く 致している.すなわち,シリコーンラパーでは, dL dtお よ びGr(O)の デ ー タ は 練 和 完 了 後 早 期 に 硬 化 反 応が始まることを示し, Gr(15)の デ ー タ は 硬 化 反 応 の 進 行 に 比 例 し て, 弾性 が 発 現 し た こ と を 示 し て い る.また,ポリサルファイドラパーでは, dL/dtおよ びGr(O)の デ ー タ は 硬 化 反 応 が 比 較 的 遅 く 始 ま り, Gr(15)の デ ー タ は 硬 化 反 応 の 進 行 に 伴 う 弾 性 の 発 現 が遅いことを示している.一 方, 酸化亜鉛ユージノー ルでは,dL/dtお よ びGr(O)の デ ー タ は 練 和 完 了 後 硬化反応が進むまでの時間は長いが,反応は急速に進 むことを示し,Gr(15)の デ ー タ は 硬 化 反 応 の 進 行 に 伴う弾'性の発現が遅いことを示している.

v .

三AE

Flabby tissueを 有 す る 顎 堤 の 印 象 採 得 に 使 用 さ れ る 印 象 材 の う ち, 酸 化亜 鉛 ユ ー ジ ノ ー / レ (HaMe),ポ リ サ ル ブ ア イ ド ラ パ ー CSu),シリコーンラ パー (CO,Xa, Ex, Pr, SOについて,各種荷重負 荷条件下において,また,レオメータならびに応力緩 和試験機を用いて, 230Cと

3 r c

あ る い は 230Cの み での硬化特性を測定した.

実験の結果,以下の結論を得た.

1.  硬化特性は,系列によって異なり,同系列内で は比較的類似しているが, Haお よ びPrは 他 の も の よりも軟らかかった.

2.  練 和 完 了 直 後 に はPrが最も軟らかかったが,

軟らかい状態の持続時間が短く,硬化時間と操作時聞 が最も短かった.

3.  Haは軟らかい状態が最も長く持続し, 操作 時 間および硬化時間 (230C)ともに最も長かったが,硬 化が最も急速に進んだ.

4.  Suは 練 和 完 了 直 後 の 軟 ら か さ はPrほ ど で は なかったが, 軟らかい状態は比較的長く持続し,操作 時間および硬化時間ともに比較的長く,反応の進み方 は最も遅かった.

5.  温 度 依 存 性 はHa>Su>Prの 順 に 強 く , 練 和 終 了 直 後 の 荷 重 依 存 性 は Ha>Pr>Suの 順 に 強 か っ

以上の結果から, f!abby tissueの 形 態 変 化 を 小 主 く と ど め る た め に は , 練 和 直 後 の 軟 ら か さ だ け で な く,軟らかさの持続時間や温度ならびに何l毛依存性な どの点も考慮して,印象材を選択すべきであることが 示唆された.

謝 辞

稿を終えるにあたり,終始懇篤なご指導ならび、にご 校関を賜った鹿児島大学歯学部歯科補綴学第2講座長 岡英一教授,ご助言を賜った歯科理L学講陪井t勝 唱 郎教授に深く感謝の意を表します.また,種々御協)J 頂いた歯科補綴学第2講座川畑直嗣助教授はじめ教雫 員の皆様に感謝の意を表します.

なお本論文の要旨は平成4年 度H本 補 綴 歯 科 学 会 九 州支部学術大会において発表した.

文 献

1)  Woelfel, J.B. : Contour variations in  imprsionsof one  edentulous patient, Proslh Dent, 12(2), 229 254, 1962 

2)  平井泰征:有床義歯における印象時の粘膜の被日ー状態が印 象面形態に及ぼす影響に関する実験的研究E 術科γ報.

71 (8), 18351869, 1971 

3)  関根 弘,田島篤治,海洲型車コ遠藤義弘湾J:f略目,ギ 井泰征:宵床韮歯のための印象方法に!到する ~k 縫的ならび に臨床的研究第l報 印象材の内川および流出J路の状態 について,補綴誌, 10(2).1071131966

4)  Frank, R.P. Analysis of  pressures  produced during  maxillary edentulous impression procedures, Prosth  Denl, 22 (4),  400413, 1969 

5)  関根 弘,田島篤治,海洲唱~ ,‑ nk3J,i主1録集リム, f! 井泰征,武藤 巧:有床義歯のための印象)j法に閲する法 礎的ならびに臨床的研究第2報 印象材の│付任とトレー の圧接速度および流動路との関係について,的科学級.

71 (11),  2161  2166, 1971 

6)  関根 弘,田島篤治,溝上隆男,岡田J;t[.  '1‑'JHHJf:,前 回佳英,大沢ー博:有床義歯のための印象刀法に閲 Tる纂 礎的ならびに臨床的研究 第3報粘弾'陀会イi'j'る印象体 の印象時における変位状態について,歯科学報, 71(11). 21672172, 1971 

7)  木戸正人:上顎無歯顎における印象[fについて.補綴誌,

36(4),861  8741992 

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1982, 9294 

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雄,羽賀通夫ほか編,鈎科補綴診療Jl141'1':, 1,医樹祭 出版,東京,287295, 1973 

11)  小 室 樹 :L顎前鈎FlabbyGum的附挺の印象仏, rH. 

歯科評論,364, 90  95, 1973 

12)  松本直之:フラピーガムの処置β針と補綴法,開恨 弘.

田端恒雄,羽賀通夫ほか編,歯科補綴診tfX;?1ゆIj~湾I'K. 1,  陸歯薬出版,東京,297 308, 1973 

13)  西浦 ↑旬:アラビーガムを利する無的顎の印象採f与の要 点, 日本医師会 ~t., 37 (8). 793 799, 1984 

14)  長尾正憲?安斉 隆:補綴処置による解決rL,術界展望,

参照

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