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航空機シミュレーションを用いた滑走路の波状特性評価に関する研究

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Academic year: 2022

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航空機シミュレーションを用いた滑走路の波状特性評価に関する研究

北見工業大学 学生員 ○後藤謙太 北見工業大学 正会員 川村 彰 国土交通省 正会員 八谷好高 中央大学 フェロー 姫野賢治 北見工業大学 学生員 近藤智史

1 はじめに

航空機が滑走路を走行する際、路面の波状特性は航空機の安全性や乗り心地、操縦性などに関係し、航空機の 安全運行に大きな影響を与える。そのため、路面の波状特性が航空機の挙動に与える影響を把握することは非常 に重要なことである。本研究の目的は、空港舗装走行時における航空機パイロットの操縦性ならびに航空機応答 特性を明確にすることであり、研究を実施するに際してシミュレーションにより発生させた波状路面と汎用のコ ンピュータシミュレーションソフトである

APRas

を用いて、空港路面上における航空機の走行挙動の理論的解析 を行った。

2

路面プロファイルデータの作成

作成された路面は、2階自己回帰モデルに基づく計算機シミュレーションにより作成されたものであり、特定 の波状成分を有する路面データを作成し、これを路面プロファイルデータとして用いた。

3 APRas(Aircraft Pavement Roughness assessment software)

3.1 APRas

の概要

APRas

は市販のシミュレーションソフトであり、航空機

の地上滑走時の挙動シミュレーションが可能である。この ソフトは、滑走路面の実プロファイルデータを入力するこ とにより、離着陸時と定速走行時の航空機のパイロット座 席における上下方向加速度(

PSA

)と重心位置の上下方向 加速度(CGA)を算出することにより、航空機の乗り心地 を解析可能とする。図-1は

APRas

の出力結果の

1

例であり、

離陸時の解析結果である。グラフは上から順に、PSA(g’s)、

CGA(g’s)

、速度

(Knot)

、滑走路の縦断プロファイルが表示さ れている。

3.2 航空機の運動モデル

APRas

で用いられている航空機の運動モデルは図-2に示 すとおりである。中央先端にノーズギヤがあり,メインギヤ が左右に一つずつ配置されている対称モデルで,それぞれ のギヤが点で舗装表面と接触して凹凸波形が独立に入力さ れることになる。各ギヤとそのタイヤは

Voigt

モデルとバネ 要素を,マスを介して連結した運動モデルで構成されてお り,それらが固定されている胴体部と主翼は曲げ変形が考 慮できるようになっている。

キーワード:波状路面

APRas 乗り心地 滑走路

連絡先:住所 〒090-8507 北海道北見市公園町

165

番地電話(0157)26-9516

図-1 APRas の解析結果

図-2 航空機の運動モデル 土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月)

‑1343‑

V‑673

(2)

4

解析結果

本研究では、

APRas

により航空機の挙動に路面の波状成分がどのような影響を与えるか検討した。図-3は振幅 と波長を変化させた波状路面上を航空機が定速(20knot)で走行した時の

PSA

の最大値を比較したものである。こ の図から振幅と波長が航空機の挙動に与える影響をみると、振幅は、その値に比例して

PSA

が大きくなるのに対 し、波長では振幅の場合と異なり、3箇所でピークを持つ。これは、航空機の固有振動数が関係していると考え られる。

図-4は、振幅と波長を変化させた波状路面上を航空機が離陸した時の

PSA

の最大値を比較したものである。

この結果でも波状路面が航空機に与える影響は、定速走行時と同様に振幅に比例して

PSA

の値は増加し、波長も 3箇所でピークを持った。これも、航空機の固有振動数が関係していると考えられるが、定速走行時と異なり、

長波領域においても

PSA

の値が大きくなっている。これは、速度変化による影響だと考えられる。

上記の結果に基づき快適性を損なわない範囲に上下加速度が収まるための、路面の平坦性基準の推定は以下の ように行った。

① 各波長において振幅を徐々に増加させ、

PSA

が±0.4Gを超えない最大振幅値を求める。

② ①より振幅と波長の相関図を作成し、値が最小となる境界線を求める。

図-5、図-6に作成結果を示す。この結果から、離陸時ではすべての波長において、振幅

6mmを超えない波で

あれば快適性は損なわれないことがわかる。しかし、定速走行時の場合は離陸時とは異なり、波長

16

m以下では、

振幅が

4mm以下と小さい値となっているが、波長がそれよりも大きくなると振幅の値は急激に増加している。

このことから、定速走行時は低波長域が乗り心地に大きな影響を与えていることがわかる。

5

おわりに

本研究では、シミュレーションによる理論解析から特定の周期と振幅を有する波状路面上を航空機が走行した 際の航空機の挙動がわかった。また、航空機の乗り心地を考慮した滑走路路面の平坦性基準を検討することが出 来た。今後の課題として、航空機が段差などの局所的に存在する凹凸を超えた際に航空機が受ける過度的振動が 航空機の挙動にどのような影響を与えるのか継続的な研究を行うことが望まれる。

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2 2.2 2.4

0 20 40 60 80 100

波長 (m)

PSA (g)

振幅5mm 振幅10mm 振幅20mm 振幅40mm

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2 2.2 2.4

0 20 40 60 80 100

波長 (m)

PSA (g)

振幅5mm 振幅10mm 振幅20mm 振幅40mm

図-3 定速走行時の PSA 最大値 図-4 離陸時の PSA 最大値

図-6 離陸時の路面平坦性基準 図-5 定速走行時の路面平坦性基準

0 5 10 15 20 25

0 20 40 60 80 100

波長 (m)

振幅 (mm)

0 20 40 60 80 100 120 140

0 5 10 15 20 25

波長 (m)

振幅 (mm)

土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月)

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V‑673

参照

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