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監修の言葉 医療法人財団緑秀会田無病院院長 丸山道生 本邦における臨床栄養領域の発展にはめざましいものがあります 中でも 液体流動食の半固形化注入法 ( 以下 半固形化法 ) は経腸栄養管理における患者さんのQOL 改善に効果のある発明といっても過言ではありません 稲田晴生先生提唱による胃内でゲル化

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液体流動食の

半固形化ハンドブック

第3版

医療法人財団緑秀会 田無病院 院長

丸 山 道 生

監 修 医療・介護従事者様用

(2)

C O N T E N T S

第 章 流動食の半固形化 2 第 章 半固形化の実践 5 第 章 水分補給について 9 第 章 よくある質問 12 参 考 文 献 15

監 修 の 言 葉

監 修 の 言 葉

 本邦における臨床栄養領域の発展にはめざましいものがあります。 中でも、液体流動食の半固形化注入法(以下、半固形化法)は経腸栄養 管理における患者さんのQOL改善に効果のある発明といっても過言 ではありません。  稲田晴生先生提唱による胃内でゲル化する半固形化法(REF-P1法) や蟹江治郎先生による流動食を寒天等でゲル化し注入する方法は、経 腸栄養管理時の誤嚥性肺炎予防、短時間投与による患者さんのQOL 改善などさまざまな臨床上のメリットが報告され、市販半固形化流動食 が各社から上市されるに至っています。  本ハンドブックはこうした半固形化法の発達とともに従来のガイドブ ックの内容にアップデートを重ね最新の内容に見直しました。栄養療法 全体として見れば半固形化法の歴史はまだまだ新しく、科学的根拠の 集積も十分とはいえません。このハンドブックを通じて多くの皆様に「半 固形化」を正しく理解していただき、日本が誇るオリジナルかつプラクテ ィカルな栄養管理法として、本法のエビデンスを世界に向けて発信して いくことができれば幸いです。 医療法人財団緑秀会 田無病院 院長

丸 山 道 生

(3)

第   章

半固形化の種類について

近年、流動食の安全な投与のため、流動食を半固形化する手法が用い られるようになりました。 半固形化することにより、胃食道逆流やそれに伴う肺炎の予防、下痢 の予防、瘻孔からのリーク予防など様々な経腸栄養トラブルの予防効 果が確認されています。 ● 液状の流動食の粘度を増す半固形化法には、用いる増粘剤の種類に より様々な特徴があります。 また、すでに半固形化された流動食も多くの種類が市販されています。 ● 半固形化の方法とメリット・デメリット 安全な経腸栄養の実践には欠かせない半固形化法のそれぞれの特徴 をよく理解し、適切な方法を選択する必要があります。 ● 次頁以降ではペクチンを用いた半固形化の特徴について解説します。 種 類 メリット デメリット 寒天 ・価格が安い ・加熱が必要・調製するのに手間がかかる ペクチン ・加熱が不要・ほとんどの流動食と迅速に反 応する ・カルシウムを含まない(イオン 化していない)流動食とは反応 しない 市販 とろみ剤 ・価格が安い・種類が豊富 ・とろみ剤の種類により使用量、 溶解性、粘度が安定するまでの 時間に違いがある 市販 半固形化 流動食 ・粘度調整の手間が不要 ・種類が豊富 ・価格が高い

流動食の半固形化

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ペクチンを用いた半固形化

REF-P1とは?

ペクチンを原料とする市販増粘剤のなかでも、 代表的な「 ジャネフREF-P1(粘度調整食品)」 (以下REF-P1)について取りあげます。 REF-P1はペクチンを水に溶解・殺菌した商品です。ペクチンはその種 類により、カルシウムイオンと反応して液体をゲル化させる性質があ ります。そのため、カルシウムイオンを含む様々な流動食と反応して粘 度を増加させる事ができます。また、REF-P1そのものは粘度が低くさ らさらしており、REF-P1と流動食を別々に細いチューブから投与し、 胃や小腸の中で反応させて増粘することが可能です。 流動食の半固形化 REF-P1を用いて流動食を増粘させることによるメリット 瘻孔からの漏れを防止する場合 胃瘻等からの リーク改善 ダンピング 症状の予防 胃食道逆流 の減少 誤嚥性肺炎の予防 下痢の予防 血糖値コントロールが容易 流動食の毛細管現象の低下 腸管での移動速度の低下 胃食道逆流の減少 幽門通過性の低下 空腸で半固形化する場合 胃で半固形化する場合 栄養状態の改善 患者・介護者の 負担軽減 従来よりも流動食の投与時間を 短縮することが可能

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REF-P1特有のメリット

流動食を選びません 医薬品経腸栄養剤を含め、多く の市販液体流動食と合わせて使 用が可能なので、患者さんに適し た流動食と併用できます。

細いチューブでも 投与できます 粘度が低いため細いチューブ(8Fr. 以上)でも投与可能です。 経鼻胃管、PTEG、PEG、PEJなどあ らゆるケースで使用できます。 なお、体温程度に加温することで、 若干ではありますが流動性が増しま す。ただし、加温する際は加温し過 ぎないようご注意ください。

胃だけでなく小腸へ の流動食投与時にも 半固形化ができます 細いチューブによる投与 が可能なので、投与チュ ーブの先端が小腸留置で も流動食の半固形化がで きます。

水分補給に役立ちます REF-P1は1袋(90g)に約88mlの水分を含有しています。 そのため水分補給の手間が軽減されます。

食物繊維の 補給ができます ペクチンは水溶性の食物繊 維です。1 袋当たり1.4gの 食物繊維を補給できます。 ➡P13 Q5 ➡P 9 〜 11

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PEG (経皮内視鏡的胃瘻造設術) 経鼻胃管(幽門前)ルート 経鼻十二指腸空腸(幽門後)ルート PTEG (経食道瘻胃管挿入術) PTEG (経食道瘻胃管挿入術) PEG-J(PEJ, Jett-PEG) (経胃瘻的空腸瘻) 手術的空腸瘻造設ルート チューブ先端を 胃 に留置 チューブ先端を 腸 に留置 経管的栄養補給ルートの種類 チューブ先端留置部位別

経腸栄養法の栄養補給ルート

経腸栄養法の栄養補給ルートは、上述のように複数あり、患者さんの 状態により選択されます。 経鼻胃管、PTEG、PEG、PEJなどの場合、チューブの内径が細く長い ため、半固形化された流動食を投与することが困難です。そのような 場合でもREF-P1と液体流動食の併用により、胃内で半固形化させる ことができます。 また、チューブ先端が胃より先の小腸(十二指腸、空腸)留置の場合で も小腸内で半固形化して胃内と同等の効果を発揮する症例が報告さ れています。 第   章

半固形化の実践

(7)

参 考

流動食とREF-P1の反応粘度(分析値一例)

REF-P1を併用し胃や小腸内で半固形化することで、あらゆる栄養補 給ルートから液体流動食の投与が可能となりますが、使用する流動食 の種類や量によって発現する粘度が変わってきます。

K-LEC

の場合

K-5S

の場合 【測定方法】REF-P1と流動食を混合し、B形粘度計にて測定。 各種食品の粘度(mPa・s) 10        100       1,000      10,000     100,000

New Food Industry Vol.23より引用一部改変 2017年6月現在 2017年6月現在 オレンジ ジュース トマトジュース 中濃ソース マヨネーズ トマトケチャップ K-LEC 投与量 REF-P1使用量 20rpm 粘 度 6rpm 100ml 1袋 3,250 mPa・s 12,340 mPa・s 200ml 3,000 mPa・s 7,720 mPa・s 300ml 2,300 mPa・s 7,220 mPa・s 400ml 1,520 mPa・s 3,920 mPa・s K-5S 投与量 REF-P1使用量 20rpm 粘 度 6rpm 100ml 1袋 5,600 mPa・s 18,460 mPa・s 200ml 3,750 mPa・s 10,460 mPa・s 300ml 1,950 mPa・s 4,080 mPa・s 400ml 1,200 mPa・s 2,740 mPa・s

(8)

REF-P1を用いた半固形化の実践

❶REF-P1の注入

・・・・・・・・・・・・・・・・

パウチタイプの場合

・・・・・・・・・・・・・・・ 流動食の投与チューブにシリンジを用いて注入します。 ・・・・・・・・・・・・・・

スパウト付きタイプの場合

・・・・・・・・・・・・ 流動食の投与チューブにスパウト口をしっかり押し込んで接続し注入します。 注入口の根元を持って ください 透明キャップを『カチッ』と音がするまで左右どちらか に回してください 『カチッ』と音がしたら、 さらにひねりながらキャップ を取り外してください しっかり押し込んで 接続します 逆さにします 袋をつぶしたまま外します液が戻ってこないように 注意してください ●キャップを十分に  回さずに、引き上げますと、  開封しないことが  ありますので  ご注意ください。 ●開封後はキャップを  しても注入口は  密閉されません。 カチッ 取り外したキャップの上部に スパウト先端部があることを 確認してからご使用ください REF-P1を開封し、 シリンジで吸い上げる チューブの接続口にシリンジの先端を しっかり差し込む チューブの接続口に 手を添えながら、 REF-P1を注入する

1

2

3

1

2

3

5

6

4

接続部分が濡れていると抜けやすく なってしまいます REF-P1の

投与30分以上前

に行ってください。

水分補給をする場合

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REF-P1使用上の注意点 ●次に該当する患者さんへの使用は避けてください。 1. 短腸症候群、炎症性腸疾患など重度の腸管機能障害を有する方(食物繊維の使用を制限されている方) 2.胃・腸管の運動機能が著しく低下した方 ●消化管蠕動運動を促進する作用がある薬剤を食前に服用した場合は REF-P1の効果が減弱する可能性が あります。 ●保管中に黒っぽいオリ(沈殿物)、色調の変化が生じることがあります。これは原料のペクチン由来のもの であり、品質・効果への影響はありません。よく振ってご使用ください。また、ペクチンは天然物であるため、 色調に変化が見られることがありますが、品質・効果への影響はありません。なお、保管は室温にてお願い します。

❷チューブ洗浄

流動食の投与チューブにシリンジで水(20ml)を 注入し、チューブを洗浄します。 REF-P1がチューブ内で流動食と反応して詰まる ことを予防します。

❸流動食の投与

経腸栄養の 最新トピックス12号 ((株)ジェフコーポレーション) より引用一部改変

❹チューブ洗浄

流動食の投与チューブにシリンジで水(20ml)を 注入し、チューブを洗浄します。 注意事項 ●REF-P1を投与しチューブの洗浄をした ら、ただちに流動食の投与を開始してく ださい。 ●チューブ先端の留置部位に応じた時間 内に投与を完了してください。 投与が完了しない場合REF-P1が流失 し、REF-P1本来の機能が損なわれま す。 ●水分補給や流動食の希釈はしないでく ださい。流動食中のカルシウム濃度を下 げ、粘度が低下します。

チューブ先端の留置が

の場合

▶ 投与時間

60 分以内

チューブ先端の留置が

小腸

(十二指腸・空腸)

の場合

▶ 投与時間

30 分以内

薬の投与がある場合

薬の投与は流動食の投与後に行ってください。 簡易懸濁法等で

少量(20ml程度)の微温湯

に薬を分散して注入してください。

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第    章 1日に必要な水分補給量は患者さんの体格・状態に応じて決定する必 要があります。 ❷ 簡易水分必要量計算法   ■ 摂取エネルギー量からの推定 1.0ml  × 摂取エネルギー量(kcal)   ■ 現在の体重からの推定 30ml  × 現在の体重(kg)   ■ 体表面積からの推定 1,500ml × 体表面積(m2)※ ※体表面積は、身長と体重のデータをもとにモノグラムから求める。 濃 度 1,000kcal当たりの水分含有量(含有率) 1.0kcal/ml

約850ml (約85%) 1.5kcal/ml

約510ml (約77%) 2.0kcal/ml

約350ml (約70%)

水分補給について

水分必要量の推定方法

流動食の水分含有量

参 考

ナースが取り組む栄養療法 監修 丸山道生より引用一部改変 ❶ 水分出納が平衡になるように計算する場合 尿 量 + 不感蒸泄量 - 代謝水量 REF-P1の水分含有量 1袋90g当たり      約88ml

(11)

REF-P1使用時水分量の算出方法

762ml + 264ml + 120ml + 60ml = 【例】体重40㎏の患者さんの場合   水分必要量 = 

30ml

× 40(kg)体 重 = 

1,200ml

/日 流動食 REF-P1 由来 由来 チューブ洗浄 薬投与 ■ 必要熱量が900kcal/日の場合、  K-5S(1kcal/ml)とREF-P1を使用すると含まれる水分量は・・・ 254ml + 88ml + 40ml + 20ml = 402ml 254ml + 88ml + 40ml + 20ml = 402ml 254ml + 88ml + 40ml + 20ml = 402ml 水分含有量 水分含有量 水分含有量 合 計

1,206ml

(12)

水 分 含 有 量 追 加 水 分 量( m l ) K-5S 投与熱量 (kcal) 流動食 由来 (ml) REF-P1由来 チューブ洗浄 薬投与 (ml) 水 分 必 要 量 1,000 1,100 1,200 1,300 1,400 1,500 600 508 88×3回 40×3回 444 20×3回 48 148 248 348 448 548 700 593 不 要 63 163 263 363 463 800 678 不 要 不 要 78 178 278 378 900 762 不 要 不 要 不 要 94 194 294 1,000 847 不 要 不 要 不 要 9 109 209 1,100 932 不 要 不 要 不 要 不 要 24 124 1,200 1,016 不 要 不 要 不 要 不 要 不 要 40 水 分 含 有 量 追 加 水 分 量( m l ) K-5S 投与熱量 (kcal) 流動食 由来 (ml) REF-P1由来 チューブ洗浄 薬投与 (ml) 水 分 必 要 量 1,000 1,100 1,200 1,300 1,400 1,500 600 508 88×2回 40×2回 296 20×2回 196 296 396 496 596 696 700 593 111 211 311 411 511 611 800 678 26 126 226 326 426 526 患者さんによっては、流動食の投与だけでは1日に必要な水分量が 不足する場合があります。REF-P1による半固形化ではREF-P1その ものがほぼ水分(1袋90g中約88ml)なので 、追加水分量が少なく なります。 ❶ 流動食1日

3

回投与の場合 追加水分が必要な場合は食間、もしくはREF-P1の投与30分以上前 に投与してください。

REF-P1使用時の追加水分早見表

❷ 流動食1日

2

回投与の場合 ➡P12 Q4

(13)

第     章

よくある質問

1回の流動食投与量が400mlを超える場合は、REF-P1をどの ように使用したらよいでしょうか? 胃の排出速度は1時間に200kcal程度と言われています。 1回の投与量が400mlを超える場合は、胃での滞留時間が長くなり胃食道 逆流などトラブルのリスクが高まることが考えられます。したがって投与回 数を増やし、分割投与することをお勧めします。また、胃の容積負担を軽減 するため1.5kcal/ml以上の高濃度の流動食を投与することも一つの方法 です。8~24時間持続投与の場合はREF-P1の効果は期待できません。

Q

2

A

2

流動食の投与量に対するREF-P1の必要量はどの位ですか? 流動食の投与量に関わらず、REF-P1は1袋(90g)ご使用されることをおす すめします。小児など、胃の容量が小さい場合には、REF-P1の量を主治医に ご相談ください。なおREF-P1、1袋(90g)に対する流動食の最大投与量は 400mlまでとしてください。

Q

1

A

1

粘度の測定にはどのような方法がありますか? 粘度の測定には様々な方法がありますが、B形粘度計を用いることが多い ようです。ただし、温度などの測定条件により数値が変わってくるため、同 じ条件で測定しないと比較することはできません。各社により測定条件が 異なる場合がありますので、製品パンフレットなどでご確認ください。

Q

3

A

3

REF-P1を使用しても水分が不足する場合には、どのタイミン グでどのように補給したらよいですか? 不足する水分は食間、もしくはREF-P1の投与30分以上前に先水投与する 事をお勧めします。水は浸透圧が低く、カロリーもないので流動食と比較し て胃からの排出が早く、短時間で十二指腸に移動します。逆流のリスクが 高い場合には水をゲル化もしくは粘度をつけた状態での投与も推奨されま すが、一般的にはそのままの投与でも良いと考えられています。

Q

4

A

4

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A

5

A

6

A

7

Q

5

Q

6

Q

7

医薬品の経腸栄養剤との併用はできますか? 流動食を小腸に投与する場合でもREF-P1は使用できますか? スパウト付きREF-P1は全てのチューブに接続可能ですか? REF-P1はカルシウムイオンと反応して増粘するため、カルシウムイオン が入っている経腸栄養剤であれば増粘します。 なお、REF-P1を混ぜても粘度が上がりにくい一部のカルシウムイオン含 量が少ない経腸栄養剤でも、牛乳(乳飲料は除く)を混ぜることで粘度が 上昇します。 牛乳を添加する際は、あらかじめ経腸栄養剤に牛乳を加えてご利用くだ さい。粘度の目安としては、経腸栄養剤の投与量に関わらず、牛乳を30 ml 加えることで、粘度が約1,000mPa・s上昇します。 経腸栄養剤 経腸栄養剤投与量ml(kcal) 牛乳添加量ml mPa・s粘度 エンシュア・リキッド 250(250) 無し 120 30 1,010 エンシュア・H 250(375) 無し 1,400 ラコール 400(400) 無し 1,240 ツインライン 400(400) 無し 640 エネーボ 250(300) 無し 3,120 一部の製品で接続部がゆるく、漏れる場合があります。 メーカー担当者に問い合わせるか、使用前に一度ご確認されることをお 勧めします。 経腸栄養の最新トピックス4・5・8号(㈱ジェフコーポレーション)より引用一部改変 【測定方法】REF-P1(1袋・90g)と流動食を混合し、B 形粘度計(20rpm)にて測定。 以前はお勧めしていませんでしたが、最近学会などで小腸投与にも増粘 効果が認められた症例が報告されています。流動食を 短時間 (30分程 度)で投与することで効果が期待できます。 2017年6月現在

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A

8

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Q

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Q

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蠕動運動が弱い患者さんにも REF-P1の機能を期待できますか? チューブが詰まったら? 開栓・開封後はどの位もちますか? 流動食とREF-P1は胃内で均一に混ざる訳ではありません。特に蠕動運動 が弱い方では、胃の中でREF-P1と流動食が写真のように2層に分離した 状態となります。 流動食とREF-P1の比重の関係から、流動食の上にREF-P1が覆った状態に なっています(流動食の方が重いので下に沈むため)。 しかし、REF-P1と流動食の界面部分では反応して増粘しているため、これ が蓋の役割を果たし、流動食の胃食道逆流を防止していると考えられます。 ①REF-P1が投与された状態 ②流動食の投与開始 ③流動食1/3量投与 ④流動食全量投与後 シリンジで少量(20ml程度)の水を チューブに通して洗浄してください。 どうしても汚れが取れない時は、担 当医師にご相談ください。 開栓・開封後はすぐにご使用ください。分割投与をする場合でも、8時間 以内(冷蔵庫保存では24時間以内)に使い切ってください。その際、汚れ たキャップへの接続や洗浄していない容器に移し替えるなどの不衛生な 取り扱いはお止めください。

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参考文献

参考文献

液体流動食の半固形化ハンドブック(第3版) 編集・制作:株式会社ジェフコーポレーション ❶ REF-P1と栄養剤の胃内変化 タイトル、出 典 効 果 丸山道生ら、「粘度調整食品 REF-P1(ペクチン液)による半固形化 栄養剤の胃内変化」癌と化学療法 35(No.Supplement 1):29-31 (2008) ガスターⓇ服 用 時 胃 内 pHは6以 上となった。 REF-P1と栄養剤の反応は、胃液の酸度により形 態が異なるが、粘度に差はなかった。 ❷ 胃食道逆流(誤嚥性肺炎)予防 タイトル、出 典 効 果 稲田晴夫ら、「胃食道逆流による誤嚥性肺炎に対する粘度調整食品 REF-P1の予防効果」JJPEN 20(10):1031-1036(1998) 逆流のある患者は15→4名に減った。呼吸器感染も7→4名に減った。 田部井功ら、「粘度調整ゲル化剤を用いた経腸栄養剤投与法の胃食 道逆流に対する予防効果と臨床使用経験」日本消化器外科学会雑誌 36(2):71-77(2003) 胃食道逆流のない者は4→10名となった。呼吸 器感染による発熱も9→4名となった。 金岡俊治ら、「粘度調整食品を用いた経腸栄養の胃食道逆流に伴う 誤嚥性肺炎の予防と患者の QOLに対する長期的影響」静脈経腸栄 養 20(1):65-69(2005) 胃食道逆流や流涎が減少した。 それにより比較的短時間に臨床状態が改善した。 ❸ 下痢予防 タイトル、出 典 効 果 明石哲郎ら、「粘度調整食品 REF-P1を用いた経腸栄養の胃食道逆 流、下痢に対する予防効果」第24回日本静脈経腸栄養学会(2009) 6/11名で下痢の回数減少。胃食道逆流防止目的の3名で肺炎発症なし。 堀井奈緒子ら、「粘度調整食品を使用した経鼻栄養剤注入における 患者の下痢対策の検討」第24回日本静脈経腸栄養学会(2009) 下痢が続いた2症例で下痢消失。初回から実施の1症例下痢発症なし。 檀上敦ら、「3種の経腸栄養剤を用いた経鼻胃栄養中の消化器系合 併症の比較と粘度調整ゲル化剤を用いた半固形化投与法の試み」日 本口腔診断学会雑誌 24(2):170-175 (2011) 経腸栄養施行患者における下痢発生率は14名中 45.0%、REF-P1併用14名中5.3%で有意に低かっ た。 ❹ 血糖値コントロール タイトル、出 典 効 果 森本真輔、「REF-P1が有効であった頻回に低血糖発作を起こした胃 切除後の症例」第11回日本 PTEG研究会学術集会(2012) 経鼻胃管で経腸栄養開始後に発症した下痢および血糖変動が著明に抑えられた。 ❺ 瘻孔からの栄養剤リーク改善 タイトル、出 典 効 果 小 川 滋 彦ら、「 瘻 孔からの 栄 養 剤 の 漏れに対して粘 度 増 強 剤 (REF-P1)が有効であった経皮内視鏡的胃瘻増設患者の1例」第76 回日本消化器内視鏡学会 北陸地方会(2000) REF-P1併用により PEGの瘻孔からの栄養剤リー クは著明に減少した。 ❻ 小腸内での流動食半固形化 タイトル、出 典 効 果 大石英人、「粘度調整食品を用いた小腸内栄養材半固形化の試み」 臨床栄養別冊、JCNセレクト8、76-81(2013) REF-P1併用により短時間投与を行っても下痢が発症しないことを確認した。 大石英人、「経皮経食道胃管挿入術(PTEG)のピットフォール」臨床 栄養 126(6)(臨時増刊号)800-805(2015) REF-P1併用により短時間投与を行っても下痢が発症しないことを確認した。

参照

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