性 格 心 理 学 研 究
2
00
第9巻 第1号 11−
21原
著
心
身
の
健康
に
及 ぼ
す
Health
Locus
of
Control
と
ソ
ー
シ
ャ
ル
サ
ポ
ー
ト
の
効
果
三
林 真
弓
1)お茶の水女子大学 大 学 院 人 間 文 化 研 究 科
本研究の 目的は, ス ト レスか らその人 を 守 り健 康 を 維 持 す るこ と が で き る と 言 わ れ てい る 「自 己」 と
「他者」 の力の 効果を明ら か に す ること で あ る
.
「自己」 の 力はHealth
Locus
ofControl
(HLC
)を 用い て,
ま た 「他 者」 の力は ソ
ー
シ ャルサポー
ト (情 緒 的サポー
ト) を 用い て 調査を おこなっ た.
調査の対 象 者 は,
ある機 械工業 会社で働く257
名であっ た,
結果 は 以下の通 りであっ た.HLC
が 内 的 統 制 傾 向の群 は,
外 的 統 制 傾 向の群よ り も 心身の健 康 度が高かっ た,
し か し, 健 康価 値の 併 用 につ い て は,
外 的 統 制 群 で は効果 が あっ たもの の, 内的 統制群では効果 が みら れな かっ た,
情緒的 サポー
トにつ いて は,
主 効 果・
緩 和 効果と も.
・
部示さ れ る に とど まっ た.
よっ て,
個人の 健 康 性は,
「他者」 の力 よ り も む し ろ 「自 己」 の 力によっ て生 か さ れて いること が 示され た.
今後,
職場では 耐 性の 強 化 と と も に,
気 軽 に 相 談 で き る 人的 資源の確保 が,
よ り一
層望ま れ る と 言 え るであ ろ う.
キ
ー
ワー
ド:ス トレス,
健 康,Health
Locus
ofControl
(HLC
),
働く人 ソ
ー
シ ャルサポー
ト (情緒 的 サ ポー
ト),
は じ め に職 場 環 境におい て は
,多
くのス ト レッサー
が あ る.我
が国で は,産業構造
の変
化に伴い有
害な業
務に従 事 する労 働 者は著し く減 少し,
物 理 的,
化 学 的,
生物 学 的ス トレッサー
は 明らかに軽 減され た が,
そ れに代 わ り仕 事の質 や 量, 職 場の人 間 関 係 な どの ス トレッサー
が産 業ス トレ ス対策
の中 心的
な 課 題 と して取
り上 げ ら れ て い る (河 野,
1999
).
こ れ らの ス ト レッ サー
の特 徴 と し て言え るのは,
同一
の ス ト レッサー
に対し て み ん な が全 く同じ反 応をする という わけで はない ということ で あ る.
ス トレッサー
とス トレス反 応との間には,
1)お茶の水 女子大 学の楡 木 満 生 教 授と青 木 紀 久 代 助 教授 に は,
本 稿作 成 時 に貴重なご指導を賜り ま し た.
ま た,
編 集 委 員の 先 生方か ら は惜しみない ご助 力をいた だ き ま し た.
こ こ に記し て感 謝を申し 上げます.
個 人の持つ さま ざ まな特
徴や そ の人を取
り巻く周 囲の状況 (調 整 要因)が大き く 関与
し ている.
こ れ が両者
の結
び 付き を強
め た り弱め た りするた め,
ス ト レス 反 応の個 人 差が 生 ま れ る と考 え られ て い る (渡 辺,1989
).
調 整 要 因 に は 個 人の パー
ソナ リテ ィや ス トレ スの認 知 評 価 な ど,
さ まざま な要
因が含 ま れる.
人は ス トレ ス の度合
い に よ り 健 康か ら半健康
状 態,
さ ら に はス ト レス 関 連 疾 患 に移行す
る た め,精神
健康
保持
に は半 健 康 状 態に 早め に気 づ き,
過 剰 なス ト レス状 態 は 調 整 要 因を 用いて 上手くコ ン トロー
ル する こ とが 大 切で ある (夏 目, 1999
).
ス トレ スコ ン トロー
ル は,
「自 分 の 健 康 は 自分で守る」 というセル フケア を基 本に して い るが,
職 場において は自 身の努 力 だけ で は 不 可 避 なス トレッ サー
も多く存 在 し て いる た め,
周 りか らのサ ポー
トを 調整 要因 と し て いか に 活 用Japan Society of Personality Psychology
NII-Electronic Library Service Japan Sooiety of Personality Psyohology
12
性 格 心 理 学 研 究 第9
巻 第1号 するか も大
きなポ
イ ン トにな りうるだ
ろ う.
本 研 究で は,
ス ト レスか ら その人を守
り健康
を維持
す るた めの 「自 己」 と 「他 者」 の 力に注 目した,
こ れは 「内」 と 「外」 の側 面 といっ て もよいか も 知 れ な い.
「健 康に生き る こ と」 を個人 の内 面か ら どのよ う に意識
し,外部
の人 々か らどのよ う に 「生 かさ れ てい る」かである.
「自己」 につい て は,
自身の健 康 を 維 持 するた めセルフ コ ン トロー
ルす る よ う動 機
づ け られて いる か ど う か をHealth
Locus
ofContro1
で,
「他者
」 につ いて は, 自
身の 健 康 を 周 りの人々 の支 援に よ り保 たれ て い る かど うか を ソー
シャル サ ポー
ト (特に情 緒 的 サポー
ト) で測定
するこ とが出 来る.
Health
Locus
ofControl
(以下,
HLC
と略
す)
は,
Rot
しer (1966
)の社 会 的 学 習 理 論に基 づくLocus
ofControl
の考 え を 保 健 行 動の領 域 に 適 用 し た もの であり,
医療や健 康に関 する行 動の統 制 感につ い て の 人格変数
で あ る.
HLC
が内
的 (lnterna1
) 統 制 傾 向の 人は 自 分自身
の努 力 に よっ て, 外 的
(
External
)統 制傾 向
の 人は医 療 従 事者
や 運に よっ て,
健康
が得 ら れ る と信
じて いる.
日本
では,
渡 辺 (1985a
,1985b
) が 初め てHLC
尺 度の 日本
語 版を作 成 し,
得 点によ り3
群 に 分 け 喫 煙 者の割 合 を検 討 して い る,
その結 果,
や や弱い 関 係で は あ る が,
外 的 統制
群に な る ほど喫
煙者
の割 合が高 かっ た.
これ は自己の健康
を自
分の取っ た行動
と 随 伴 する と は考え ない外 的 統制者
は,喫煙
が不健
康 を 生み禁 煙 が 健 康につな がる とは 考え な いため である と 解 釈 さ れて い る.HLC
尺度 は,
その他 に堀毛(
1989
)がWallston
,
Wallston
,
Kaplan
&Maides
(1976
)
に よ る多
次 元のHLC
尺度
の翻訳 版の作 成を試み,
翌年
に は そ の問 題性
を指摘
し て 新 たに 日本 人の 健 康観
を考慮
し た多次
元のHLC
尺 度 を作 成 する ことを 試 みている (堀 毛,
1991
).
貞 本・
荒田・
後 藤・
竹 井 田・
田 中・
相 田・
吉 田 (1992
)は,
渡 辺 (1985a
) の尺度を 用 い て5000
人以 上 を 対 象に アンケー
ト調査 を おこな っ て い る.
その結 果,
内 的 統 制 群になる ほ ど健 康 状 態 が 良 好で, かつ健康診断
の受診
,健康教育
の受講
等,
保健行
動に積
極 的な傾 向が み ら れる と報告
して い る.
行 動の 予 測変数
と してHLC
があるわけだ
が,
HLC
が 内 的 統 制 傾向
で あ れば良
好な健康行動
が 予測 さ れるのな ら,
その結 果と して こ のような良好
な健 康 状 態 も予測できるの で あろう.
た だ,
こ の 場合
の 「健康
状 態」 は健 康 診 断 結 果の ことを さ すのであろ う か ら 「身体的
な健康
状 態」 のみ であ ると 思 わ れる.
ところでRotter
(1966
)の社会的
学習
理 論によると,BP
(Behavioral
Potential
;行動
ポテ ン シ ャ ル ) に影 響
する 変数
と してE
(Expectancy
;期 待
)のほ か にRV
(Reinforcement
Value
;強 化 価 )が 考えられ る.
BP
=
E
×RV
で あ る の で,
E
に加 えてRV
を 考 慮 す るこ とによ りBP
の予測
が高
ま る こ と が期
待 さ れる.渡
辺 (1985a
) は,
HLC
が その 「期待
」 に相
当す
る変数
で あ る と考えてお り,
こ の モデ
ル に沿っ た保 健 行 動の予 測を試み る研 究 か ら,
内 的 統 制 傾 向にあり,
かっ 健康
に対 する価 値 が 高い者 は,
積 極 的 な 保 健 行 動 を示す
とい う結果
を得
てい る.
2
つ めの調整要
因と して, ソー
シ ャル サ ポー
ト を取り 上げるこ とがで きる.
これ は,
個 人が 生活 する中で周 囲の 人々 や集
団か ら受
け るさ まざまな 支 援 をい う.
House
(1981
) は,
こ う し た支援
の 内 容に注 目しサ ポー
トを 「情 緒 的」,
「手 段 的」,
「情 報 的」 , 「評 価 的」 の4
種 類に区 別し て い る.
し か し,
4
種類
の サ ポー
トはそれ ぞ れ 独 立した も ので は ない.
現実
の 人間関係
において は情 緒 的 な もの を伴わ な い サポー
ト は ほ と んど有
り得
ないた め,
情 緒 的 サポー
トは 他のサポー
トの基盤
と なっ ているの で ある.Manne
&Zautra
(1989
)は,
情緒
的 サ ポー
トが 与 え られる こと で,
自ら積 極 的な 問 題解
決 行 動 がとれるよ うになる ことを 示し てい る.宗像
(1983
,1987
) は,
情 緒 的 支 援 ネ ッ ト ワー
ク 尺度
を作
成 し,
病 気予 防の た めの セ ルフケ ア行 動に関 する 調査をしている.
その結 果,
さ ま ざま な情緒
的支
援 者が い ることが,
予防 的 保 健 行 動を促す う え で有
意な影 響 力があることを報 告 し N工 工一
Eleotronio Library心 身の健 康に及 ぼ すHealth
Locus
ofCentrol
と ソー
シャル サポー
トの効 果13
て い る.
さ ら に宗 像・
仲
尾・
藤
田・
諏訪
(1985
>
は,
都 市 住 民の ス トレス と精 神 健 康度
の 関連
を調 査して い る.
そ の結
果,情緒
的サポー
トが 日常の苛
立事
を軽
減さ せ る効 果が み ら れ るこ とを報 告し ている.
以上の ことか ら, 情 緒 的 サ ポー
トによ っ て ソー
シ ャル サ ポー
トを代 表 させ ら れ る と考
え ら れる.
ところ で ソー
シャル サポー
ト研究
の中で,
職場
の 人 を対象
に調 査した 研 究 は,
我 が 国では 欧米
に比べ 数 が 少 ない (浦, 1992
;小 牧,
1994
).
小 牧 (1994
) は,
職務
により ス トレッサー
の種類
や 強さ が異
な り ス ト レッサー
を緩
和 するサポー
トも そ の源と種 類に よっ てその効 果 が 異 なる と して,
専 門 職 や 営 業 職で は 上 司サ ポー
トの効 果が多 く み られる ことを 示 して い る,
「健 康問題は家族 ・親
族や職 場仲
間,
友人 な ど自
然 な社会
的 支 援の力が衰 弱
し た と こ ろ に生ま れ る 」 (Smith
&Hobbs
,1966
)といわ れ るが,
「自
然 な」 とい う こと は,
勤務
中には職場
で働
く同僚
や上 司な ど か らの サ ポー
トカ が,
よ り重
要だ
とい うこ と になるで あろ う.
以上の こと か ら.
働 く 人にとっ て最も重 要 な のは,
職 場 内のサ ポー
トで ある と 思 わ れ る.
ソー
シ ャル サポー
トの 健康
へ の影響
力は,
大き く2
つ に分
け て考
え ら れ て い る.第
1
に は,
サポー
トが直接
的に働い て,
ス トレッサー
を 生み出 すこと を 防いだ
り,
ス トレ ス反 応 を 和 らげ たりする 「直接
効 果」 と呼 ば れるものである.
こ の効果
は,
ス ト レ スの レベル に関係
な く,健康
に対しポジティブ
な効
果を も た らす
と考え ら れ てい る.
第2
の効 果 は,
ス トレス レベルの低い状 態で は機 能 し ない.
高い状 態にのみ働いて,
サ ポー
トが ス トレッサー
のもつ影響
力を ス トレ ス反応
へ と結
び 付 けな い働 き をする 「ス ト レス緩
和効
果」 と呼 ばれ る もの で ある.
し た がっ て,高
い ソー
シ ャル サポー
トを 受 け ら れ る 人 は,
深 刻な状 況に さ ら さ れ て も精 神 的 健 康は良好
に保た れ る が,
低い ソー
シ ャルサ ポー
ト し か受 けら れ な い人は,
強い ス トレス 状 況に遭遇
する と精
神 的 健 康 が 悪 化して しま う.
これ まで の研 究で は,
こ の2
つ の効 果につ い ての検
討が一
般 的である,
それ によ り,
従 来の緩 和 効 果 と は異 な っ たタイプ の 緩 和 効 果が み られた り (小 牧,
1994
),
サ ポー
トが ス トレ ス 反応に対す るス ト レッサー
のネ ガテ ィブな効
果を増 加さ せ る とい う 反 対の緩和効
果 (reversebuffering
effect) な どが報告
さ れ てい る (Kaufmann
&Beehr
,
1986
).
目的
と仮説
ス ト レッサー
とス トレス反 応 との 間にある調 整 要 因 (HLC
と情 緒 的 サ ポー
ト)の効果
を検 討す
る こ と を 目 的 と し,
以下
(a)〜
(f
)
に挙げ
る仮 説 を検証する.
(a)HLC
に おける内 的 統 制 者は,
外的統 制者
より も心 身の健 康
度
が高い.
(b
) 健 康に関
する価 値
尺度
をHLC
と併 用 する こと に よ り
,
心身
の 健 康 度の予 測 は 高 まる.
つま り
,
内 的 統 制 者の 中でも,
健康
に価値
を置い て いるほ うが
,
よ り心身
の健康度
が高
い.
(c)情緒的
サポー
ト の高
い者
は,
低い者 よ り もス ト レッサー
の認 知が少ない.
(d
) 情 緒 的 サポー
トの高い者は,
低い者
よ り も 心 身の健 康 度 が 高い.
(e) 高ス トレ ス状 況下
に お い て,情緒
的サポー
トの
高
い者
は,低
い者
よ り も心 身の健 康 度が高 い.
(f
) 個 人の健 康 度 は,HLC
(「自 己」〉と情緒的
サポ
ー
ト (「他者
」)の両方
に よ り保持
され,
互いに
影響力
を もつ.
方 法
対 象 者北 陸 地 方にある機 械工
業
会社
の 本 社の 従 業 員 全 員で ある,
事 業 内 容は,
工 作 機 械の製 造 販 売や産 業 機 械の製
造 な どで ある.
計257 名
に配布
し た う ち,
回収で き た の は226 名
(回収 率87 .
9
%)で あっ た.
無 回答
の多
いもの を削 除し,分析
の 対象
と な っ たのは219 名
(有 効回答率 85.
2
%)
で あっ た.219 名
の内 訳は男性 168 名,女性
49
名,
不 明Japan Society of Personality Psychology
NII-Electronic Library Service Japan Soolety of Personallty Psyohology
14
性 格 心理学 研 究 第9巻 第1号2
名 で あり,
年 齢の範 囲は18
歳〜
58
歳で,
平 均 年 齢 は30.
4
歳であっ た.
部 署は製 造 部66
名,
営業部
44
名,
技 術 開 発 部38
名,
生 産 管 理 部21
名,
その他50
名
で あっ た. 職種別
で は技 術 職85
名,
一
般 事 務 職52 名,
営業職
20
名,
そ の他
62
名
で あっ た.
現 在の職 場で の キャリア は平均
5
.
05
年
(1
〜
30
年
),
役付
きの 人 が44
名で あっ た,
調査 方 法質
問紙
調 査 法に よ る,
以下に質 問 内 容 を 説 明 する.
Health
Locus
ofControl
渡
辺 (1985a
)の作 成した
HLC
尺 度 を 用いた.
4
段階
評定
で あり,
「そ う思 う」 と 答 える と 内 的 統 制と み な せ るInterna1
項
目で は,
「そ う 思 う」 か ら 順に4
〜1
点 と し,
「そう思 う」 と答
え る と外 的 統 制 とみなせ るExternal
項 目で は逆
に1
〜
4
点
と し,
14
項
目の合 計 得 点 を求 める,
した がっ て, 得 点が高
く な る ほ ど 内 的 統 制 傾 向が強 く なる.
得 点の範 囲 は14 〜
56
点で あ る.本
デー
タ につ いてCronbach
の α係 数 を 算 出したと こ ろ,
α≡.
751
で あっ た.
健 康 価 値の順 位 付 け
NHK
の世 論 調 査 (NHK
放
送 世 論 調 査 研 究 所,1981
) や 渡 辺 (1985a
)を参考
に し て,
日頃の生 活の中で大 切に し ている と 思わ れ る項 目を9
つ作
成し た.
その 中で一
番 大 切 に し てい る ものから11i
頁に3
つ挙げ
て も らっ た,
ソ
ー
シャル サ ポー
ト宗 像 (
1983
)の情緒的支
援
ネッ トワー
ク 尺度を用いた. 10
項 目 あり,
そ の項 目に該
当 する人が 「い る」か 「いない 」かの 選 択で, 「い る」 と答
え た 人 を1
点
と し,
単 純 加 算 する.
し た が っ て, 得 点が高
く な る ほど情 緒 的 サ ポー
トは高く なる.
得 点の範
囲は0
〜
10
点であ る. 本デ ー
タにつ い てCronbach
の α係数
を算
出 し た と ころ,
ev=.
900
であっ た.
ス トレッサ
ー
仕事
中に ス トレ ス を感
じる こと が あ る か どう か につ い て3 段階
評 定した.
ス ト レ ス を 「非常
に」,
あ るいは 「や や 」感
じる と答え た 人 にの み,
ス ト レッサー
にフい て も尋ね た.
項 目は, 植
村・
永 田・松
田・鈴木
(1979 ),
坂本
(1985
),
中 村 (1986
) を参 考 に し て,
「仕事
が忙
しい」,
「職 場の人 間 関 係 が 難しい 」,
「働く時 間が 長す ぎる,
ま た は 不規 則である」 な ど12
項 目 作 成した.
それぞれ自分
のス トレッサー
と して当て は まるか ど う かにつ いて3
段階
評定
し た.
Cronbach
の α係数
を算 出 した ところ,
α=
.
脳 であっ た.
職場
の満
足度 職
場の人 間 関 係 に満 足 して い る か,
職 場の 雰 囲気
に満
足 し て い る か, 自分
の仕事
の 内 容に満 足 して いるかにつ いて6
段 階 評 定し た,
3
項
目の得
点を単 純 加 算 し,
「職 場の満 足 度」 と した.
得点
の範
囲は3
〜
18
点
である.
Cronbach
の α係 数を算
出し た ところ,
α=
.
740
で あっ た.
心
身
の健康
度THI
(The
Todai
Health
Index
;東大 式健 康
調 査 )を用いた (鈴 木・
青 木・
柳 井,1989
).
THI
は, 身体 的健康
を構成
して い る5
つ の尺度 (多 愁 訴, 呼 吸 器,
目と皮 膚,
口腔
と肛 門,
消化器
) と,
精 神 的 健 康 を 構 成 して い る7
つ の尺 度 (直情
径行性,虚構性,情
緒 不安
定,
抑 うつ 性,
攻 撃 性,
神 経 質,
生活 不規
則性)
か ら な る.
130
項 目 あ り3
段 階 評 定し た.
どの尺 度に も属さ な い 項 目 が7
つ あ り,2
つ の尺 度に また がる項 目 が5
つ ある ために,
総 合の健 康 度 得 点の 範 囲 は128 〜
384
点
で あ る.得点
が高 く なるほ ど健 康 状 態 が 悪 い (健 康 度が低
い)こ と を 示 し て い る.本デー
タ にっ い てCronbach
の α 係 数を算
出 し た と こ ろ,
α r917 で あっ た.
属
性
に関す
る質 問項
目性 別
,
年 齢,
未 婚・
既婚
の別, 部
署,役付
き の有
無,職
種,
現 在の部 署 に配 属さ れ てからの年数
を尋
ね た.
手 続 き 総 務 部の協 力 を得,
無 記 名 式の調査票を職 場で 配 布し帰 宅 後の記 入 を 求め,
お よそ1
週 間か ら2
週間後
に 回収 した.
結 果
(a)HLC
とTHI
との 関 連HLC
尺度 とTHI
の総 合 得 点 分布
は, ほぼ正規分布
型を し て いた.
平 均 N工 工一
Eleotronlo Llbrary心身の健 康に及ぼすHealth Locus ofControl と ソ
ー
シャル サポー
トの効 果15
値は,
HLC
尺度
得点
が39
.
9
点 (SD
=6.
12
),
THI
の 総合 得点
が224
.
6
点 (SD
=26 .
51
)で あっ た.
HLC
は,
得 点の範 囲に比 して平 均値
が高
い こと から,
全 体 的に内 的 統 制 者が多
い とい え る.
HLC
の タ イ プ と 健康度
との関連
をみ るため に,HLC
尺度得点
の全体
の上位お よそ1
/4
を 高い群 (44 点
以上) す な わ ち 内 的 統制群
(以下,
1
群 と略す
),
下 位およそ1
/4
を低
い群 (36
点 以 下 ) す な わ ち 外的統制群
(以 下,
E
群 と略 す )と に分 け た.
そ し てTHI
の各 得 点の 平 均 値の ’検 定 をおこなっ た (Table
1
).
身 体 的・
精神的健康度
は1
群の ほ う が 高 く(
身 体 的 t=
2
.
50
,
df
・
=
104
,p
く、
05
;精 神 的t;
2
.
25
,
df
茜
97
,
p
く.
05
),
総 合の健 康 度 は1
群のほ う が高
かっ た (t=2 .
64
,df
=
93
,p
<.
Ol
).
こ の こと は,
内 的 統 制 者のほ うが健 康 状 態が良好
で あ る こ とを 示 して い る.
各尺度
につ いて細か く み る と,
「抑うつ性
」(
t=
3
.
67
,
df
=
108
,p
く.
001
),
「多 愁 訴」 (t=
2
.
78
,
df
=
109
,p
く.
01
),
「
i
肖イ匕器」(t
=2.
67
,
df
=109
,p
く.
01
),
「生 活 不 規 則 性 」 (t−
3
.
27
,df
−
109
,
p
<.
01
),
「目と皮膚
」 (t=2.
14
,df=
108
,p
く.
05
)は,1
群の ほ う が良 好で あっ た.
し か し,
「攻撃
性」 (t=− 2.
03
,df
=
109
,
p
く.
05
)は1
群の ほ う が得 点が高かっ た.
(
b
)
THI
の予 測 を高
め る 健 康 価 値の存 在価値
の 順 位 付 けで,1
番 目に 「健康
なか らだ」 を選択
し た 群 (V
一健康群
とする)
と そ う で な い群 (V
≠健 康 群とする)と に分 けた.
そし て,
総 合の健 康 度 を従
属変
数と し,
HLC
と健 康 価 値による2
×2
の 二元 配 置 分 散 分 析 を おこなっ た (Figure
1
).
HLC
では 主 効果
が み ら れ た が(
F
(
1
,
91
)齧7.
35
,
p
<.
01
>,
健康価値
は 主効
果が み ら れ な かっ た (F
(1
,91
)=
0
.
04
,
NS
).
ま た,
Figure1
か ら 明 らかな よ うに,
拮 抗 的な交互作 用 が 有 意 水 準5
%でみ ら れ た (F
(1
,91
>=6.
78
,p
く,
05
).
つ ま り,外的統 制群
では健
康 に 価値
を置
いて いる者
のほ う が健 康 度が高
かっ た が,内的統制
群では健 康に価 値を置い て い ない者
のほ うが 健 康 度が高
かっ た.
Table
l
HLC
の2
群 間に よ るTHI
得 点の平 均 値の比 較External
群 (n− 57
)Internal
群 (n=56
) t 値 多 愁 訴 (SUSV
呼 吸 器 (RESP
) 目 と 皮 膚 (EYSK ) 口腔 と 肛 門 (MOU ’
D
消 化 器 (DIGE
) 身 体 的健 康 度 (PH .
※)35.
1
(7.
97
}16.
7
(4
.
45
)16.
8
(4.
29
)13,
9
(2.
92
)15.
1
(3.
70
) 97.
2 (17.
48)31.
2
(6.
45
)15.
6
(3.
12
)15.
2
(3,
34 )13.
7
(2.
79
)13
.
3
(3
.
06
)89.
5
(14.
55
) 2.
78**1.
472
.
14
*0.
422
.
67
* *2
.
50
* 直 情 径 行 性 (IMPU
) 虚牟冓
’
1
生 (しISC
) 情 緒 不 安 定 (MENT
) 抑う
つ
性 (
DEPR
) 攻 撃 性 (AGGR
) 神 経 質 (NERV
) 生 活 不 規 則 性 (LIFE
) 精 神 的 健 康 度 (M .
H .
※ )19,
8
(3.
68
)16.
1
(3.
10
)27
ユ(5.
67
)18.
9
(4.
44
)13.
3
(2.
34
)17.
0
(3.
56
)22,
0
(4.
38
)134
.
7
(13.
58
)18.
4
(4.
14
)17.
1
(3
.
06
)25.
9
(6.
23
) 15.
8
( 4.
35)14
ユ (2.
28
)17.
1
(3.
58
)19.
3
(4.
19
)128.
0
(15.
93
)1.
83
†−
1
.
63
1.
05
3.
67
***− 2。
03
*− O.18
3.
27
* *2.
25
* 総合の健 康 度 (HLTH
※)23L8
(27.
34
)216.
9 (27.
51
)2.
64
* * 平均値横の ( )内 はSD
†p
く.
1,
*p
く.
05,
**p
く.
Ol,
* * *p
<.
OOI
※PH .
=
{SUSY ,
RESP,
EYSK ,
MOUT,
DIGE }※M
.
H.
=
{IMPU
,
LISC,
MENT,
DEPR.
AGGR.
NERV,
LIFE
} ※ HH’
H=
Japan Society of Personality Psychology
NII-Electronic Library Service Japan Sooiety of Personality Psyohology
16
性 格心 理学 研 究 第9
巻 第1
号 24e 悪 235 ↑ 23 健 康 225 状 態 220 ↓ 215 良 210 へ.
.
・
oO●
.
.
聊
・
°
●
・
●
%●
o●
●
■
・
.
・
●
●
●
・
●
V
≠健 康。
.
.
▲.
.
V
= 健康 十o・
●
●
●o.
°
%●
・
.
.
.
°
’
・
「▲ 外的 統 制 内的 統 制Figure
l HLC ・
健 康 価値の各 群にお ける健 康 度の 平 均 得 点 (c)情緒
的 サ ポー
トの ス ト レッ サー
に 対 す る 直 接効
果情緒 的支援
ネッ トワー
ク 尺度 (以 下,ES
尺 度と略 す ) 得 点の平均値
は,
4
.
49
点
(SI
)=
3
.
56
) で あっ た が,
最 頻 値 は0
点 (n=
47
)で あ り,職
場
の誰
か ら も全 く情 緒 的 サ ポー
トを 受 けていない者
が多
か っ た.
ES
尺度 得点
の全 体の 上 位 お よそ1
/3
を 高い群 (7
点 以上,
以下
H
群
と略
す ),下位
およそ1
/3
を 低い群 (2
点 以 下,
以 下L
群と略
す ) と に分け,
各ス トレッサー
項 目の回答の割 合との相
関関係
を調べ た.
な お,
ス トレッサー
の質 問 項 目は,
ス ト レ ス を 「非常
に1,
あるいは 「や や 」 感じ る と回 答し た者
に の み尋 ねているた め,
ス ト レ ス を 「全く感 じ な い 」 と回答
し た11
名は こ の分
析か ら は 除 外されて い る.
12
項 目の う ち,
や や弱
い相関
で はあるが,
「上司とのお り合
い が う まく いかな い」 (r=.
16
,
p
く.
05
) お よ び 「仕 事の内 容 が 自分に合わない」 (r=.
17
,
p
く.
05
)
の2
項
目は,
L
群
の ほ うがス トレッサー
と し て認 知し て い る割
合
が高
かっ た (Figure
2
,
3
).
(
d
)情緒
的 サ ポー
トのス トレス反応
に 対す
る直接
効
果(c
)
と同様
にES
尺度 得 点 を2
群に分 け,THI
の各 得 点 の 平均 値
の t検 定
を お こな っ た (Table
2
).
「抑うつ 性」 はH
群の ほ う が得点
が低
く(
t− −
2
.
79
,df
=133
,p
く.
01
), 「直 情 径 行 性」 も その傾 向
が あ る こ と が 示 さ れ たが (t
=− 1.
85
,df
冨
138
,p
く.
1
),
「口腔
と肛 門」 はH
群
の ほうが得
点が高 かっ た (t=2.
35
,df
=
119
,p
く.
05
).
(e)情緒
的サポー
トの緩 和 効 果(c)
,
(d
)と同 様にES
尺 度 得 点を2
群に分け,
ス ト レ ス を 「非 常に」感 じ る と回 答し た 人 を 「ス ト レ ス大」 群,
L
君羊(n=66
)H
群 (n=64
)Figtire
2
礁纛
「
:∵匸
驚
・
、。 こ _ ::蒸
…毒
i
……、
鬚
蘓 薫
破
、
li
…
欝
。
,
.
42
%i
……
靉
鷺
:
…
…
・
1
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
1
…
…
…
鬻…
…
…
……・暫雛
、灘
…
・:
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
1
・:
葦
;
1
・
「
1
撤 宅 ……一。
蠡
、 、
_
羅
_ …。
、
___
筆
・%.
、
__ _ .
蕁
、1
、
宀
灘…::…….
1
:、
・
…1・、
;…・養……、
、、霈 拶 … ::・
・印
、
、
_
…、………・雌 翻あて はまる 團ど ち ら と もい え ない □あては ま ら ない0
20
40
60
80
100
ス ト レッサー
「上 司と のお り合い が う ま くい か ない 」と サポー
トの 関 係L
君羊(n=66
)H
群 (n−
〔逵) 幽あて は ま る 翻ど ち ら と もいえ ない □あては ま ら ない0
20
40
60
80
100
Figure
3
ス ト レッサ
ー
「仕 事の内 容 が 白分に合わ ない 」とサ ポー
トの関 係 N工 工一
Eleotronio Library心身の健 康に及ぼ す
Health
Locus
ofControl
とソー
シ ャ ルサボー
トの 効 果17
Table2
サ ポー
ト の 2 群 間に よる THI 得 点の平均 値の比 較High
群 (n=
=
74
)Low
群 (n=67
) t 値 多 愁 訴 (SUSY
) 呼 吸 器 (RESP
) 目 と 皮 膚 (EYSK
) 口腔 と肛 門 (MOUT
) 消化
器 (
DIGE
) 身体 的 健康 度 (PH .
※)33.
1
(7,
12
)16.
2
(4
.
00
)16.
1
(3.
96
) 14,
4 (3.
42
)14.
1
(3,
98
)94.
0
(18.
14
)33.
1
(6.
92
) 15.
5 (3.
25
)16.
1
(3.
54
)13.
2 (2.
47
)13.
5
(2,
76
)91.
9
(14.
26
)O.
Ol
1、
09− O.
32
.
35
*1.
100
.
73
直 情 径 行 性 (IMPU ) 虚 構 性 (LISC
) 情 緒不 安 定 (MEN [1
) 抑う
つ
性 (
DEPR
) 攻 撃 性 (AGGR
) 神経
質 (
NERV
) 生 活 不 規 則 性 (LIFE
) 精 神 的健康 度 (M
.
H .
※ )18.
7 (3.
91
)17.
0
(2.
95
)26.
2
(5.
82
)16.
3
(3,
38
)13
.
9
(2.
45
)173
(3
.
62
)20,
4
(3.
84
)129.
5 (14.
20
)19.
9
(3.
45
)16.
4
(3.
08
)26.
7
(5,
34
)18.
2
(4.
46
)13。
8
(2.
14
)17.
3
(338
)202
(4.
30
) 133.
0 (13.
75
)一1.
85
†1.
15
−
0.
59
− 2.
79
* *0.
36
− O.
Ol
O.
37
−
1
.
42
総 合の健 康度 (HLrH
※ )222.
3
(29.
84
)225.
5
(24.
91
)− 0.
65
平均 値 横の ( )内はSD
†
p
く.
1,
*p
く.
05,
* *p
<.
Ol ※PH .
≡
{
SUSY
, RESP,
EYSK ,
MOUT ,
DIGE }楽M
.
H,
=
{IMPU
,
LISC,
MENT,
DEPR ,
AGGR ,
NERV,
LIFE} ※HLTH −
{SUS 又既 Sp EYSKMOUT
DIGE,
IMPU,
USC ,
MENT ,
、DEPR,
、AGGR ,
、NERV ,
、LIFEl「やや」感 じ る と回
答
し た人を 「ス ト レス 小」 群 に分 け た.
そ して精神
的 健康度
を従 属 変 数 と し,
ES
尺度得点
とス トレスの2
×2
の 二 元 配 置 分 散 分 析を お こなっ た (Figure
4
).
ES ,
ス トレス と も に 主効
果が有 意で あ り (ES
;F
(1
,114
)=
5
.
27
,
p
く.
05
,ス トレ ス;F
(1
,114
)− 20.
69
,p
く,
01
),
サ ポー
トの高い群・
ス ト レス の小 さい群の ほう が 精 神的
健 康が良
好であっ た.
しか し,
ES
× ス トレ ス の交
互作
用 は 有 意で はなく (F
(1
,114
)≡
O
.
31
,
NS
),
Figure4
に み ら れ る よ う に 「ス トレ ス大1
で は,
サポー
トの高・低
群と も ほぼ
点 数が同じ で あっ た.
(f
) 健康度
に対 す る2
要 因 (「自
己 」と「他 者」)の 影響
力HLC
とES
尺度
の他,
ス トレッ サー
項目 とス トレス を 感 じる程 度, 職
場の満 足 度,
属 性 (性 別,
年 齢,
未 婚・
既婚
の別,
部 署 (職 場 ),役
付
きの有 無 職 種,
現 在の部 署に配属
され て か ら の年数
) につ い て,
健康
に及 ぼ す 影 響 力を み る た め に,
総 合の 健 康 度を 目的 変 数にして フォ ワー
ド セ レクショ ン方式
の ス ッテプワ イズ 重 回帰 分 析を お こなっ た.
その際 質 的 デー
タ は数
量化 1 類
の 解 析 法を用い て数 量 デー
タを生成
し投
入 し た.
有 意水準
5
% でス トレスを感
じる程度
と,
ス トレッ サー
項 目 「上司 とのお り合いが う ま くいか ない 」,
HLC
,
部 署の4 個
を 選 出し た (Table3
).
こ れ に 140 悪 ↑ 135 健 康 130 状 態 125 ↓ 良 120 ス ト レス小(n=
71) ス ト レス大 (n・
・
47
)Figure
4
サ ポー
ト・
ス ト レスの 各 群に おける精 神 的健 康度の平均 得 点
Japan Society of Personality Psychology
NII-Electronic Library Service Japan Sooiety of Personality Psyohology
18
性 格心 理 学 研 究 第9巻 第1号Table
3
総 合の健 康度 を 目 的変 数と し た重 同 帰分析 結 果Step
予測 変 数 標準化係 数(β)相 関 係数 (r)
1
ス トレス を感じる程 度2
「上司と のお り合いが う ま くいか ない」3
HLC
4 部署0。
342
* * * 0.
171
*− 0.
179
*0
.
146
*0.
348
* * *0.
286* * *− 0.
208
* *0。
228
* *R2
・
・
O.
262
*** ,F
(4
,152
)−13.
51
*P
く.
05,
**
P
く.
01 ,* * *
P
<.
OOI よ る と,
心身の不健 康状態
は,
ス トレ スが ある と 自覚 して い るこ とで予測で きる こ と が示 さ れ た.
ま た,
上 司との 関 係が う ま くいか な い こ と,
自分
の健康
を セ ル フコ ン トロー
ル し よ うと考え ない こ とや部署
も規 定 要 因と し ての 影響
力を持っ て い た.
情 緒 的サ ポー
トは,
規 定 要 因と し て は選 出さ れ な かっ た (β=.
004
,〈rs, r=
一.
024
,1
>3
),
考
察
HLC
と健 康度
との 関 連内
的統 制者
の ほ う が, 外 的 統 制者
よ り も心 身の健 康 度 が高
い こ と が示 さ れ,
仮 説 (a)は支持
され た.
本デ ー
タで は,
全体
的に内 的 統 制 者が多かっ た が,Wallston,
Wall
−
ston ,&
DeVellis
(1978
)は,
Locus
ofControl
を内 的
統制傾向
に向 けて教 育 する意義
がある と して い る. 貞本
ほ か (1992
) は,
HLC
の タ イプは年齢
が進
むにつ れて, よ り外 的 統 制 傾 向に な る と報 告し ている.
これ は中年期
以 降,
突 然身
体に支障
を き た す 人が多
くい るため であると思 わ れる.
加 齢と と も に外 的 統 制 傾 向に向
く者
を,
果 たし て教 育 プログラム に よ り内
的 統 制 傾向
へ と変
容 させ る こと がで きる のか.
こ の検
討は,今後
の課 題の一
つ とい える で あ ろ う.
健 康 度の予 測を高
め る健 康価値
の存 在 は, 内 的統制者
では む し ろ仮
説 (b
> と逆
の 結 果で あっ た.
つ ま り,
自分 自身
の努力
に よ り健康
を得 られると信じ て いる者
の中で は,健
康 以外
に価
値を置 くほ うが 健康度
が高か っ たので ある.
こ れ につ い て, 産 業 カ ウン セ ラー
で あ る藤
田 (1992
)の 日本
人 固 有の ハ レ と ケ を分
ける傾 向 を,
サ ラリー
マ ンの姿,
つ まりハ レ は会社
人 間と して活 動 する り り しい姿
に,
ケ は 本 音で生き る一
人 の 人間
の姿にあて は め た意見
を参
考に考 察 し た い.
サ ラリー
マ ンは,
普 段 は ケを押
し殺
して,
ハ レの部 分で建
前 通り に活 動 するが,
ケの部分
が膨張
して くる と自 分を見
つ め 直 す 時 間 が 必 要 とな り,
カ ウンセラー
と向き合
う こと となる.
そし て ケの部分
が縮小する とま たハ レ が大部分
を 占めケ は忘れ去ら れ て し ま う.
ケ はハ レ に とっ てある意味
わず
ら わ しい 存 在 なの で ある.
つ ま り,
生 身で 生 き る人 間の姿は, と もすると社 会の 巾で 生 き て い く に は厄 介な存在
にな り かね ない.
「病 気 に なっ て初め て健康
の有り難
さ を知
る」 という言葉
があるが, ハ レ が前面
に出て い る と き に はな か な か ケの有 り難 みに気付
か ない,
そ ればか り かわず
ら わ しい.
しか し,
ひ とた び健康
を損
な う と健康
の大 切さ を痛 感 し,
ケ を 改め て見つ め直 す (健康
に対 する価 値が 上 が る).
こ の よ う にハ レ と ケ を 価 値の指 向性
と し て捉 える と, 必ず
し も ケで ある 自 分 自 身の健康
に一
番
の価 値 をお い て 生 き る者 が,
よ り健 康 度 が高
い という結 果には なら ない の で はあるまいか.
内 的 統制者
のう ち 健 康 以 外に価 値 を 置い ている者 が一
番 健 康 状態
が良好
で あっ た とい う結 果は,
セ ル フケア を基本
と しなが ら も ケ が 縮 小しハ レ が前面
に出て生 き生 き と働 くことの ほ う が,
よ り健康
的で ある こと を示唆
し てい るよ う に 思わ れ る,
情 緒 的 サポー
ト と健 康 度 との関 連情緒的
サポー
トのス トレ ッサー
に 対する直 接 効 果につ い て は,
「上 司 との お り合い が う ま くい かな い 」 お よび N工 工一
Eleotronio Library心 身の健 康に 及ぼす