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鹿屋体育大学の取り組み

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Academic year: 2021

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鹿屋体育大学の取り組み

萩 原 悟 一

   

鹿屋体育大学スポーツ・アドミニストレーション室  本学はツーリズムの視点からというのは少ないかと 思いますけれども,大学として研究と教育というシー ズを使いながら,パンフレットにも少し書いてありま すが,「スポーツで未来を拓く自分を創る」というこ とで,人材育成をするという立場から大学スポーツを どうやって振興していくのかという視点で聞いていた だければと思います.

 なぜ大学でスポーツ振興を行うのかというところで すけれども,これはアメリカのインディアナ大学の写 真です.いろいろなすごい施設があって,スポーツ施 設も充実しているのがアメリカの特徴ではあります が,真ん中の写真を見ていただきたいと思います.左 側がインディアナ大学が出したノーベル賞受賞者で す.右側がインディアナ大学が誇るスポーツで活躍を した人です.ということで,ノーベル賞とスポーツで 活躍した人というのが並列されて示されているのがア メリカの特徴です.

 なぜこういうことをするのかといいますと,ノーベ ル賞で受賞した方の研究は一般の方にとってはそんな に分かりやすいものではありません.例えば物理で粒 子を見つけましたといっても,それが一般社会にとっ て何が良くなるのかというのはなかなか見えないと思 います.一方,スポーツのほうは近くに住んでいる人 であるとか,インディアナ大学のことを知っている人 にとって非常に分かりやすいものです.スポーツで勝 ちました,選手が出ましたということは非常に分かり やすいということで,アメリカでは 2 枚看板ではない ですけれども,ノーベル賞とスポーツは同列で扱われ ているということが非常に多いです.

 私も大学院がアメリカだったのですが,田舎町の アーカンソー州立大学というところいました. 7 万人 ぐらいの都市ですけれども,アメフトの試合になる と, 3 ~ 4 万人ぐらいが集まってきます. 7 万人しか いない人口のところで 3 ~ 4 万人というと大体半分ぐ らいの人が大学の施設に来て応援するということが起 こっています.非常にこれが面白いと思っていたので

すけれども,それを日本に持ってきたいというのも1 つありながら,今,こういう仕事を任されているとこ ろです.

 ここに行くまでに,これはバスケットの試合ですけ れども,110年以上かかったということです.経済効 果も非常に多くて,人々がたくさん来て活性化してい るのですけれども,まずはそこではなくて,経済を活 性化させるために前の段階で何ができるのかというこ とを鹿屋体育大学では,今,実施しているところです.

 平成29年度から全国で 8 大学がまず選ばれて,そこ で鹿屋体育大学スポーツ庁の採択事業として,地域振 興を目指した大学スポーツの振興をしていこうという ことで,今, 2 年終わって次 3 年目に入るところに至 ります.実際に何をやっているのかというところを今 日はご紹介したいと思います.

 これは鹿屋体育大学の体育館です.これは 2 年目に 行ったバスケットボールの試合ですが,思ったよりも 人が集まってちょっとびっくりしたというのが正直な 感想です.今日もいらしている OB の川前さんという 方に尽力いただきまして,地域と大学をどうつなぐか というところで振興事業をやっています.このとき も,スポーツだけを見に来るという人はなかなか大隅 地区では難しいということで,この外で実はおおすみ ハナマルシェというマーケットみたいなものをやって いただいて,そこに来た人がついでにスポーツを見て

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いこうかなということで,これだけの人が集まったと いうことです.スポーツと食という話が先ほどありま したが,そういうようなものを合わせることで人が集 まったり,みんなでわいわいするようなことができる のではないかという, 1 つの可能性を,この写真から 読み取れると思いますがいかがでしょうか.その一例 です.

 何を目指しているかといいますと,基本的にはス ポーツの交流都市,先ほどの××日本一ですけれど も,鹿屋・大隅はスポーツ交流都市を日本一盛んな都 市にしましょうという大きな目標,100年かかるかも しれませんけれども,大きな目標にしています.それ を振興するのが KANOYA モデルです.

 実際に何をやってきたかというと,いろいろありま すが,地域・鹿屋市さんにご協力いただいて,スポー ツのブランド名を Blue Winds という名前で作ったり だとか,あとはカレッジスポーツ,先ほどのバスケッ トの話もそうですけれども,サッカーとか野球とか,

そういうものが取り組みとして現在行っているところ です.

 この間, 1 月にあったものを映像で見ていただきま す.

<動画再生>

 こんな感じで,この間ロゴマークができました.や はり重要なのが,鹿屋で大隅地区の女子高校生たちが 考えてくれたロゴマークをオリンピック方式で小学校 や中学校の皆さんに投票していただいて決めたという ところです.ある意味大学がやりますよと決めた一方 的なものではなく,彼女とかこれからの未来を開いて いく人たちがこれを作ってくれたということで,これ をもって鹿屋体育大学もそうですけれども,鹿屋市の ブランドを高めていくということを今取り組んでいる ところです.その中に「する・みる・ささえる」とい うものがありますけれども,ここを軸に取りあえずは やっていこうという取り組みが 1 つこの Blue Winds というブランド名でやっていこうというところです.

簡単にいうと,楽しんでいこうというところが大枠で あります.

 楽しんでいくとその先には何があるのかというとこ ろで,私も愛着の研究者ではないのですけれども,一 応何かで測れないかということで,地域の愛着とい

うのが 1 つの地域の活性化であるとか,活性化には 110年ぐらいかかると思いますけれど,サステナビリ ティーということで地域を持続的に継続させていくた めには,愛着というのが重要なのではないかというと ころに着目しました.愛着が高いと住民の QOL が高 かったり,そこにずっと住みたいという意識が高く なったり,あとは地域の活動に協力してみようという 人が多くなって来たりというところで地域の愛着とい うのは非常に重要なポイントになると思います.

 ここに大学が何か愛着を醸成するような起爆剤にな り得るのかというところで,いろいろなアンケートを 実施した結果,大学スポーツの振興,先ほどのような カレッジスポーツデイだったり,あとは公開講座とい うことで大学の教員がいろいろな所に行って地域の方 に運動指導をしたり,知識を提供したりというような いろいろな活動があります.こういう社会貢献度が大 学の意識,アイデンティフィケーションというもので すけれど,簡単にいうと大学への意識を高めていくの かどうか,その大学への意識が高まると,地域への愛 着が高まるのかということをしましたら,実際に関係 性というのが出て,ある意味地域貢献活動をたくさん 大学がやっていると大学への意識も上がって,皆さん の意識も上がって,それがこの鹿屋や大隅という地域 への愛着につながるということが示されています.と いうことで,地域貢献活動や地域活動というのは非常 に重要な役割を果たしているということが読み取れま した.

 このような取り組みを学長をトップとしてやってい こうと今取り組んでいるところです.これまで大学も 社会貢献をしなければいけないということで進めてき てはいますが,これまではどちらかというと一方通行 的にボランティアを派遣します,何かをしますという ところがありました.先ほどマーケティングが非常に 重要だということで,マーケティングの基本中の基本 というのがニーズを知ること,消費者のニーズを知る ことということで,今後 Blue Winds,KANOYA モ デルを中心としてやっていることを,市民とかそこに 住んでいる方とか,または学生のニーズを吸い上げて 何をしたらいいの,何をしたらもっと盛り上がるのと いうのを吸い上げてから,いろいろなイベントや催し 物をやっていこうということで,今,進めています.

 これは市長と学長が並んでいる左の写真,右も市長 と学長ですけれど,ご協力いただきましてありがとう

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生涯スポーツ実践研究年報

ございます.市民の皆さんが体育大の中で運動会みた いなことをやりたい.もっとも運動会でいうと走ると か投げるとかではなくて,楽しみたいということで,

今回は市民参加型の運動会というのを企画して去年5 月に開催しました.映像を見ていただきたいと思いま す.

<動画再生>

 こういうふうに学生がサポートをして,直接市民の 方と触れ合う機会を作ることで,大学を知っていただ く,スポーツを知っていただくという役割をこの運動 会が果たしているのではないかと思います.また,学 生もやはり運営から企画,そして自分たちが出てやる ことで,全国にここで学んだことを生かして出ていく というところが,やはり将来スポーツに関する人材が 不足しているというところで,本学の使命であると 思っています.

 その 1 つのいい事例として,大学院でマーケティン グマネジメントを学んだ平野君が,今日もその後ろに いらっしゃいまして,こういう経験を生かして自分も 仕事をしてみたいということで,鹿屋市の地域おこし 協力隊で中心の人物として今年は動いていただいてい ます.また今年の運動会の企画・運営も彼らを中心と して,もちろん学生も中心としてやっていくことで,

若い世代の人たちがどんどんこういう経験を積んで,

そしてスポーツによって地域を活性化していったりだ とか盛り上げていくことに貢献できるという形が本学 のこのスポーツへの関わり方の 1 つとして,今,非常 に力を入れてやっているところになります.

 大学スポーツは見るとかするだけではなくて,支え るというようなところも含めて,社会貢献活動をいろ いろしていくことで,大学に対する意識であるとか関 心を持っていただいて,それが地域の愛着につながっ ていただくと,そこに定住したり,彼は長崎県ですけ れども,鹿屋に残りたいということで定住していただ いて,そこからコミュニティーができて,魅力ある都 市,そして街,人,仕事ができることの循環ができる のではないかと思っています.

 以上で発表を終わります.ありがとうございまし た.

(二宮):鹿屋体育大学の大運動会も非常に興味深く拝

見しました.見ていても全然飽きなくて,30分見てい たいと思うぐらいです.参加した地域の方々は,絶対 鹿屋体育大学のファンになりますね.それが地域愛 着にもつながりますし,大学に対するアイデンティ ティーを高めることにもつながりますし,非常に面白 い取り組みで,同志社大学でもまねさせていただこう かと思います.

 もう 1 つ,最後のスライドを見て,やはり最終的に どういったところで成果を上げようというところまで 考えて取り組みをされてるんだなと実感しました.マ イケル・ポーターの CSV という考え方です.社会貢 献をしたり,社会問題を解決したりという取り組みを する中で,その取り組みがうまくいくとその結果経済 的価値が生まれるという形で,定住増加であったり仕 事ができたりといったところにつながっていくという ことで,共通価値の創造がもうこのサイクルでできて いると思いました.

 そういったところで鹿屋体育大学として今後このサ イクルをより発展させていくためには何かアイデアが あれば教えていただきたいです.

(萩原):非常に難しい感じがありますけれども,今後 継続してやっていくというところが非常に重要なポイ ントだと思います. 1 年目にカレッジスポーツデイを 1 回やって,そのあといろいろなイベントをしていた のですが, 2 年目に入って運動会をやってカレッジス ポーツデイを 2 回やってということで,こういう取り 組みを継続的にやっていくということが 1 つ重要では ないかと思います.あと,アメリカも110年かかって いますので,なかなかすぐにということはできないと 思いますけれども,それが最終的にはこのようなサイ クルにつながればなと思っています.

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萩原:鹿屋体育大学の取り組み

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