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ソビエトにおける農業教育 ●

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(1)

ソビエトにおける農業教育

      ●

│4学年より8学年まで一

永 島 利 明

問題の所在

農業は人間に食料や原料を供給し・生活に不可欠の産業である。しかしながらわが国において は・経済の高度成長によって農業人口が減少し・あたかも農村は打捨てられたような状況である。

最近世界的な食料不足という事晴の変化があったけれども・農村の過疎現象はまだ進行している。

このことは農業教育に反映しているo       、

っぎにわが国の義務教育において農業生産がどのように扱われているかをみると・中学の技術 科において栽培がおかれているのみである。しかも学習指導要領においては中学3年に栽培は配 当されている。いうまでもなくこの学年は高校受験のために生徒のエネルギーがついやされ,作 物管理に配慮がゆきとどかない欠点がある。

義務教育において農業生産をどのように扱ったらよいかという問題はいまだ十分に解明されて いるといいがたい。技術科の教員に農学出身者が多かったという説明しかされていない場合があ る。生産技術教育は工業教育だけでよいという考え方がその背景にある。これは高度成長政策の 技術教育に反映したものである。このような考え方で義務教育における技術教育をとらえること はその本質をみおとすことになろう。

栽培学習の本質はしぽらくおいて・ここではソビエトの義務教育において農業生産がどのよう に行われているかを報告する。究極的には諸外国の義務教育において農業生産学習がどのよろに 行おれているかをわが国と比較調査することによって・わが国の農業生産学習のあり方にせまろ

弓とするものである。

また,筆都知こ「,ピェ,の労働繍」(技㈱認/醗表レおもに工業技鰍育の実

際を紹介したが・この論文はその発展したものである。わが国においてソビエト教育の思想的背 景については研究が進んでいるが・その教育実践がわが国の教育に参考になるかたちで提供され ているものはすくない。このささやかな仕事がおが国の技術家庭科教育にたずさおる教師のため

に少しでも参考になれば幸いである。       ・

ソビエトの労働教育のプログラム

現在のソピェトの労働教育の原型は1967年に発表された8年制学校の労働教育のプログラ ム(教授細目とでも訳すべきであろうか。わが国の学習指導要領に該当するが・時間数や題材が

(2)

       曳21(3)

レ細に定められている)であり・その作業をつぎの六つに分けて実施している。

L 木材加工と金属加工の両方の作業場を基礎にした技術労働 2 木材加工を基礎にした技術労働  

a 金属加工を基礎にした技術労働 4 奉仕労働

5 技術労働と農業労働 α 農業と奉仕労働

ここで研究の対象としている農業学習があるのほ4〜6の作業分野である。1968年のプロ グラムにおいては労働教育は5学年以上の学年におかれていたが・1971年よりいくつかの教

(4)

育改革が行われて・この改革に関連した変化がみられるので・こ・のことについてふれてみたい。

その教育改革のひとつの特色は急速に進歩している科学と教育内容との開きを縮めることをね らいとしている。その結果小学校は4年から3年に短縮された。ソ連の心理学者は現在の教育課 程の基本的内容は従来行われてきたように4年ではなく・3年間で修了できることを明かにした。

これによって500時間の授業が節約されるが,もっとも肝要なことは子どもたちがいっそう多 くの知識を習得できることである。

国民の文化水準の一般的向上の結果,子どもたちはいまではよりよく準備されて小学校に入学 するよろになった。すなおち入学前に通常すでに読み書きができ・計算の初歩的規則を知るよう になっている。現在4学年より専科教師がさまざまな学科の授業を専門的に行う科目別教育が採 用されている。

この改革に関連したと推測されるプログラムの改定がみられた070/71学習年度には4学 年より労働糖が行われ題)また、学年轍定は労鰍育の系統的羅が5学年からではなく,

4学年より始まるということを考慮して作られている。

1970年3月には4学年のプログラムが発表されている。そこでは「4学年の進級にともな い・1970/71年度には新しい見本のプログラムが行おれるだろう。(中略)4年生の労働 の授業に関連した学習の物質的基礎には子供の年令および身長にふさわしい器具および農業用備 品が必要である。設備の一部分は高学年の労働の授業の教材から調達してよい。作業場には生徒 の身長に合せることのできる備品があるはずである。労働安全および労働衛生に関連した特別の 配慮が必要である」とのべている。改革による移行期の姿が想豫されるoうえにのべた改革をふ

まえて9つぎに4〜8学年の農業学習をみよう。

奉仕労働(家庭科)における園芸学習

まず・プ冒グラムの4にある奉仕労働における農業学習をみよら。奉仕労働というのは・

の訳語であるが・適切な訳語がないので・直訳したo豊村       (6)

m子はこれを家政科と訳している。奉仕労働はわが国の家庭科に該当し・都市の女子向きに予定 されているものである。

(3)

、9・。/7、鰻の4学年の花卉離働を扱う作業の配当輔は鯛,輔である17)「実

移植・移植後の手入」があげられている。 「反省とまとめ」においては「室内植物の常識,室内 植物の生育条件一光・熱・水・空気・養分・温度による生育条件の相違(向熱性・耐寒性・好光 性・好陰性・好湿性・耐かんばつ性),居室に挙ける植物の配置,室内植物のための土の混合法,

室内植物の植付の条件,手入,冬の手入の特徴∫が書かれている。

アゼソパイジャソ共和国の首都パークの奉仕労働の教師パピーシャはこの授業記録を書いてい

      (8)るので・4学年の項をみよう。この教師は「このテーマの課業は教師が準備の仕事を必要としてい

る。つぎに模範的な栽培の課業と教師が知っているべき常識的だが特別の注意を与えよ句とのべ ているo

課業1栽箪についてのr般的知識(2時間)

生徒の実験作業では花卉園芸槙物の種類と花め組識の特質を知る。野生の室内植物・植物標本          曽

ィよび絵を示す。

教師の解説一先生は人間の生活に果している植物栽締の大きな役割について話す。栽培は食 料を与え・食品・織物・化学および香料産業の原料を生産し・空気中より熱や病原菌を除去し・

環境を美化することによって人間をたのしませてくれる。

植物は根・茎・葉・花および種子のつく花および果物をもつ生命体であることを説明している。

また植物の組織の具体的な説明・花卉園芸作物の種類が取上げられる。

人家や公共住宅の部屋の内部を緑化するため熱帯や亜熱帯の特別な草花が利用されている。こ れを生徒がいくつかのグループに分類している。

      『

タ験作業の過程のなかで生徒はいろいろな草花の種類をみわけ,組織の特徴を書き指摘し,分 類してノートにとる。授業のおわりに教師の質問に答える(この授業の最終の方法は全部に共通 しているので・以下では省略する)。

課業2 室内用花卉園芸作物の栽培条件・部屋の配置(2時間)。実習一土と肥料の混合物を

作る。

教師の解説一授業の過程のなかで教師は生徒に植物と光・肥料分・水との関係について話す。

光と植物の関係については短日性・長日性・1中間性と光について話す。よい栄養条件を確保する       1

ため噛葉土を含んだ土の混合物を作る。

鉢植栽培は栽培するのに限られた面積しかもっていな払ので・定期的に水と肥料を与える必要 がある。水に肥料をとかしたものを施肥する必要がある』植物の成長期や開花期によって施肥法 を変える必要がある。配合肥料を準備し使用することができる。有機質肥料は植物の成長と発達

によい影響を与える。しかし・学校の条件によってその準備と作成および使用は困難である。移       、 屯       、11

植のときは施肥をしてはならない。

水なしに植物は肇存できない。植物栽培において水は栄養物を運び・葉を通って蒸発し・熱い

とき過熱するのを防ぐ。時期が同一であるとすれば・灌水量は植物の生物的特徴・土壌の乾燥度      A

(4)

および気温と関係する。鉢栽培においてはうすく小さくひんばんに灌水する。

室内の植物は住宅を美しくするず大冒きな住宅では花壇な作ったり・特別な台の上におく。鉢や 陶器製の容器は非常にうすく軽い金属製の組立具で支えられている。窓のまわりにはあまり多く の植物をおけない。あまり多いと部屋が暗くなる◎窓の上には特色のある風景画をおき・いろい うな形をしたいくつかの貯水植物を組み合せるとよい。植物で部屋を飾る場合には・光と水につ いて同じ条件のある草や木を組み合ぜることが重要である。

つた植物は装飾用のつぼにたらすか・または・壁の上の棚から出すと非常に印象的になる。とき どき仕切を用意して,部屋の一部分をいくつかの部分における。仕切の上のつた類ば非常にきれ いにみえる。仕切は窓にふさわしいようにおくことができれぽ,動かすこともできる。

室内植物は陰影をつけるほかに切花で作った花束で美しくする。花束にするものは・茎の線や 花の大きさの関係から選ぽなければならない。すみれ・すずらん・ひなぎくにば 1 さいつぼかや すい花びんが似合う。細く高価なびんはしなやかな葉のついた小枝の美しさをきわだたせる。作

られた花束はその美しさのみではなく・花の習性も考慮しなければならない。このような花の室 内龍置も重要である。

生徒の実習のため教師はいろいろな植物の土をいれる箱および堆肥を作るための小箱を用意す る。堆肥の原理を授業で学び・作業ノートにその方法を書きこんでから・女生徒は実際の植物栽 培のための堆肥を用意することをはじめる。作業はグループごとに行われる。

課業3 室内植物の移植。移植後の手入れ(2時間)。生徒の移植実習。

教師の解説一室内植物は栄養条件を改良するために・定期的に移植する。移植は植物が成長 せず,いわゆる「けむしろ」を作るという理由で行われる。移植前には土の塊をよくぬらさなけ ればならない。移植のときには鉢から植物を土の塊とともにたたいて出すことが必要である・移 植が必要ならば,土の表面の塊は軽くし・太すぎる根や枯れた根は取り去る。鉢の底には大きな 陶土の破片をおき,それから小石の層をおき・その上に土をおく。土への移植またはうえかえ後・

植物の周囲をいくどか圧して・灌水する。

各グループの実習において生徒はひとつの植物の移植をする。一人の少女が堆肥を用意し・二 人目の少女が鉢のそこに陶土器の破片や小石をおき・三人目の少女が移植する植物の根を点検し・

腐っているものを除く。このような形ですべての生徒の参加が行われる・

1970/71年度の5学年の花卉園芸作物を扱う作業の配当時間は4学年と同様6時間であ る野実習篠」附「接木,さし木による室内植物曝殖,手入れ」筋る.「反省とまとめ」

には「室内植物とその良否・光・温度・水および養分の基本条件・手入れ法および繁殖法・病虫 害の駆除法」がある。つぎに5年生の実践記録をみよろ。

課業1 室内植物の繁殖(2時間)。生徒によるさし木およびさし芽の実習。

教師の解説一植物は種子および植物の部分(成長を利用する方法)で繁殖する。大部分の室 内植物はさし木,根の側芽および花木の分配によって繁殖する。

課業2 室内植物の成長繁殖(花木の株分・球根・つるをもつ植物・2時間)。実習。

(5)

教師の解説一室内植物はさし木のみで繁殖するのではなく・株分・分球・球根によって繁殖 する。殊分は土中または地上に分岐している根の側芽をもっている根茎で行う。チューリップ・

スイセン・百合・ヒヤシソス等は球根によって繁殖する。

課業3 室内植物の害虫と病気・害虫の駆除(2時間)。生徒による害虫の駆除実習。

教師の解説一一鉢の病気および害虫は弱い植物である小さいときにあらわれる。その駆除には 特別な溶液・有毒な粉末剤を用いる。病気や害虫の種類も知らなければならない。生徒が農薬を 使用することは禁止されているので・教師は少女のために害のない毒性のよわい農薬やいろいろ な植物の溶液を実習に使わなければならない。例えぽ・ねぎやにんにくの溶液は害虫を駆除する

のに役立つ。ねぎやにんにくの溶液はつぎのよろにして作る。水の入った溶液に茶さじで細かく      曹

切ったねぎまたは鋸の歯状に切った2枚のにんにくを入れて・一昼夜そのままにしておく。その 後植物栽培に利用する。

       珊

ロ健的な予防・すなわち・耕作用に利用した鉢を湯や石けん水で洗ろこと・弱マンガソ加里で 洗うことおよび植物の検査は丈夫な植物の発育を保障するたて糸である。融師自身が前もって溶

液を準備しておく。一方生徒は指導によって生産を行い・防虫をする。      ρ

教師は生徒の作業を注視し・授業の終わりに評価する。

提起された組織的な課業は模範的なものとなっている。各教師は作業の具体的な条件にふさお しい補足や変更をしなければならない。

ここでソビェトの家庭科ともいうぺき奉仕労働における園芸学習を詳細に示したのは・日本に

      (1①おいても家庭科において・栽培学習を行うべきであるという主張と実践があり・ソピェトのそれ

はわが国の先駆的なものとみられるからである。わが国の主張は産業教育研究連盟に属する教師 たちによるものであるが・ソピェトの実践は国家により公認されたプログラムにあるとい弓点に       r

@        }

蛯ォな相違がある。ソビエトの紹介をすることにより技術・家庭科における男女共通学習による

技術労働と農業労働

5は「技術労働と農業労働」である。先にのべたように・労働教育には70時間が配当されて

・    いる。4〜7学年までは技術労働が35時間・農業労働が35時間の配当となっている。8学年 は技術労働のみ70時間が配当されている。従ってこの5においては農業労働が40%・技術労 働が60%の割合となっている。 r

技術労働は木工・電気・電気組立・金属加工・薄板金の組立・旋盤・電熱器具および電動機よ り編成されている。その内容は労働教育の選択科目の6領域に共通している。しかし・金属加工 のみは農村で用いられる道具が作られている。この8つの分野は時間数や多少の内容の相違があ       1

驍ニはいえ・共通しているので・一般教育的役割をしているo       . 周知のようにソビエトの農業は,土地は公有であるから・資本主義社会のような小農制ではな い。大規模な機械化農業である。このことを反映して・技術労働のなかに「農業機械の知識」が

(6)

ある。この学習は6学年から始まっている。この分野は機械学習の概要・機械の知識からなって いる。6年ではプラウ・まぐお・耕運機・穀物播種機・7学年ではふるい分け機・草刈機,選別 機・穀種精選機・8学年ではトラクタの学習および操作がある。この分野は普通教育ではなく,

明らかに農業労働者の後継者教育である。そのことは8学年以後ではトラクタの訓練が実施され ていることからわかる。

農業労働は気候的条件から「秋作業」 「春作業」に分類されている。ソビエトは領土が広大な ため・学習の教材は非常に多い。また実験が重視されており・実験テーマの概要が示されている。

このようなプログラムの農業労働は農村にのみ課せられている。この点おが国の技術科における

      ⑫栽培と異なっている。この点についてはソビェトの教員新聞はつぎのように説明している。

「わが国(ソビエト)においては時間割および教科書は都市の学校においても農村の学校にお いても同一である。社会および自然についての認識の基礎ば都市においても農村においても同じ ように作られなけれぽならない。しかし・生物・地理およびほかの科学は特殊な地域の特徴およ び学校の活動に適合したものでなければならない。都市の学校においては無機質肥料・蛋白質添 加物・化学薬品の有毒性および徴量元素は一般の情報の範疇に属するが・農村の学校においては・

毎日の実際の問題である。このような問題は農村の学校では完全に取扱い・実験室の援助を得て いきいきと示さなければならない」o

かつて1950年代に地域社会学校論が流布された。それは学校と地域社会を緊密化し・これ によって学校の新生面を開こうとする理論と実践であった。地域社会学校の思想はデューイが高 度の分業と人口の都市集中をもたらした近代産業に適応し・これを統制できる人間の教育を意図 したときにはじまった。うえにあげたものはその変形したものとみてよいであろう。しかし,今 日においては社会体制のいかんにかかわらず・分業と都市の人口集中が極端に進み・自然環境の 破壊が進んでいる。環境の改善や食料の問題は単に農村だけではなく・同時に都市の問題でもあ

る。奉仕労働に園芸学習があるように・農村のみではなく・都市にも農業学習が必要である。こ れがソビェトの義務教育における農業学習の問題のひとつである。

農業学習における実験

ソビェトの農業学習においては・生徒は生物および労働教育の学習プログラムにふさわしい実 習が行われている。また実験農場のプログラムに相応した実験が行われている。その一部は実際 の農業を行っているコルフォーズやソフォーズの必要性と関連したものが行われる。実験に関連 した論争に「実験テーマ鰹済鮪値浦たなければならない」という主張があ。た9靴方生

徒の労働においては学習実験についての興味が重視されなけれぽならないという主張があった。

両者は苅立した考え方であるが・後者の方が一般的に広がっている。つぎにプログラムにおける 実験のテーマをみようo

   αの4学年

L 播種期における堆肥の施肥とその影響。

(7)

a ちりおよび球根の保温と収穫への影響◎

a かぼちゃおよび球根の追肥と収穫への影響o

4 かぼちゃおよび球根の収穫におよぼす植付面積の影響。

5。一・年間におけるねぎの花より種子になるまでの栽培。

5学年㈲

1.初冬まじかの播種が人参,ビート,たまねぎの収穫におよぼす影響。

a 播種前の耕起が野菜の収穫におよぼす影響。

御野菜栽培におよぼす有機質肥料と無機質肥料の影響。

4 野菜の播種および植付のよい期日(または方法)の影響。

5 野菜の増産のために行う無機質肥料の追肥の影響。

6 年間におけるねぎの株より種子になるまでの栽培。

7 野菜の品種。

8・根を出させるためのスグリ・ぶどうのさし木の準備(または植付)の栽培におよぼす影響。

(筆者注一スグリはユキノシタ科の落葉かん木で高さ約2m・果実は食用になる。日本では 野生である。 )

6学年⑱

1・早春の追肥が麦の収穫におよぼす影響。

2 地域の条件にあった畑作物のよい播種法の調査。

4 そぽの播種の適期および方法の調査。

5 豆科の播種の適期および方法の調査。

α 地域の条件にあった飼料草の調査。

Z じゃがいもの品種の増やし方。

8.ぶどうの調査および畑作物の栽培における施肥法。

獄 種子をもつ果実の接木の適期と方法の調査。       西

1α 耐寒性をつけるためのえそそいちごの夏の切断の影響。

以上はプログラムにのっているテーマであるが・A.N.パリツィフはもっと詳細な実験テー マをあげている・彼の研究の特徴は実験群と統制群の考え方を初等教育のなかにとりいれたこと にある。ひの方法によって生徒が実証的な思考様式を身につけることをねらっているのである。

4〜6学年においてはいままでのべできたような生物・特に植物の領域が中心であるが,7〜

8学年になると・農業機械の学習が重視されることは・すでにのべたが・つぎに政府の政策をみ ようo

農業機械の教育

ソビェトには24000の農村中学校がある。中等学校に関する1970年4月のソビェト各省連

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絡会議の決定は・1970年より1975年において1万の学校において生徒はトラクター・コソ

      αのパイソおよびほかの農業機械を動かす訓練をうけることを明記している。また以前のこの会議の

決定は,相当多数の農村の学校を含む20,000の学校において自動車の教育が行われると規定し ている。このことは政府が学校において農業機械類の操縦者を養成する政策をとることを示して いるo

これらの決定を実行するため・12,000台の訓練トラクター・12,000組の農業機械および 10,000のトラクターと農業機械用に用いる部屋が必要である。『また約3万人の教師もいる。こ れらのことを行うには多くの作業が必要である。そこで特に労働訓育が重視される。労働レクレ 一ショソキャソプや訓練生産隊がその役割を果たしている。つぎに農業機械教育の実践をみよう。

クラスノダスコ地区においては1962/63学習年度の始めから農業機械学習に関する教育 が始められた1①国民糖地方部の指示書、費の鱒実験のため,・・膿村学灘決定したこと       一示している。これらの学校は教材があり・教師が実験をしやすい条件があった。後援している       一

コルフォーズやソフォーズはこれらの学校に学習用のトラクターを買い与えた。しかし・多くの 経験をろることはできなかった。トラクターにはプラウ・まぐわ・播種機・耕作機および工具が 必要であづた。活路はひとつしかなかった。それは教材として必要な設備を作り・準備すること       ・

ナあったo

「若い発明家」というグループが作られた。このグループには農業経営に関心をもち・組立の 好ぎな20人の生徒が集まった。その半分は最高学年であった。すでに農村学校のプログラムに

ある学習用のトラクター庶あった。グループは 週2時間の課業を行つた。第一時間目は学習用      

トラクターの詳細を知ることであった。同様にグループ員たちはDT20およびT16の技術も 知った。課業は季節を考慮して行われた。冬は理論的な問題をし・春や秋にはトラクターの手入 れやその操縦を行った。

しかしながら実習や理論の学習で学習用トラクターをすでに体験したとしても・機械や工具の 連結した小型のものを設計することは・教師にとっても新しい仕事であり・生徒にとってはなお

さらであった。ラビンスカ地区第51農村学校の「若い発明家」のグループの例が以上の如くで   ・ あった。この学校の労働科の教師であるフエレッキーは農業機械の指導計画を作っている。組立・

授業計画および工具の準備はコルフォーズの技術長とともに行う●指導計画の第一部は農業機械 と連結したもの,組立の本質を知ることを規定しており,第二部は学習トラクターにふさわしい 機械と道具を組立て準備すること・からなっているず      ・

訓練用トラクターは小馬力で・操縦はレパーで行い・座席がない。そのためこのトラクターが 農業機械置場に放置されていたことが大きな問題であった。コルフォーズの専門家の援助を得て・

この機械の改良が行われたという実践も多い。改良のおもな点は馬力をあげて4.5とし・操縦装 置をつけて・自動運転できるようにしたものであった。

1964年には学校実験園におけるd・型農業機械の使用の実験結果が得られている。手で行った 管理ではひまわりでは平均ヘクタール当り29侮であったものが機械では31侮であった。その

(9)

ほかとうもろこし・きうり・すいか・かぼちゃ等の結果も公表されている。

1967年3月に村や町で学校用トラクターの機構に関する重要な地域ゼミナーが行われた。ゼ ミナールでは農村の学校における小型農業機械の製造や使用についての配慮が特に重視された。

このように農業機械の操縦者を学校で養成することが政府の政策として実行されるまで・8年間 の実践のつみかさねがあったことを忘れてはならないであろう。

結 論

ソビェトの農業教育は義務教育の4年から実施されている。都市学校では女子の奉仕労働にお いて花卉園芸が行われているのみである。農村学校においては4〜6学年では生物的内容の栽培 が行われ・実験が重視されている。7〜8学年では同じく農村学校において農業機械学習が行わ れているo

わが国の義携教育における農業生産教育を明確に打ち出しているのは・中学校3年における技 術科の栽培領域があるだけである。この配当時間は学習指導要領に規定されていないで教師の自 由裁量にされているが,20〜30時間している例が多い。(前学習指導要領では中一で20時       ⑱

ヤが配当されていた。)ソビェトの労働教育における配当時間は4〜8学年で農村の学校におい ては・技術労働を除けば・4〜6学年の農業労働各35時間・ 7学年の農業労働17時間でこれ らの生物的領域の合計122時間である。農業機械領域は技術労働に入っているが・7学年12 時間・8学年14時間で合計26時間である。前者と後者を合せれば148時間である。これか

らみると農村の学校においてはソビェトでは日本の5〜7倍学習が行われているといえよろ。こ の点はわが国も学ぶべきである。

一方,ソピェトの都市学校においては・奉仕労働に花卉園芸があるのみである。農業教育は単 なる農業者養成の専門教育ではなく・一般普通教育として国民に保障されなけれぽならないoこ の国の都市学校に農業教育がないことは批判されなければならないであろう。食糧の供給は人間 生存の基本であり,その教育は単に農村のみで行われるべきではないのである。

(なお・紙数の関係で農業と奉仕労働は省略した。他日発表する予定である。)

引用文献

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(11)

1       Su㎜ary

.      Agricul加re Education in でhe USSR 一from 4 th grade to 8th grade一

Tosiaki Nagasima

This thema dealswith the labor education during compusary years in       .

theUSSR.Girls who live in city learn flower gardening in home

9      economics・A teacher stresses the meaning of farlning and decoration in the room・

Boys who live in rural community learn biologic contents from 4th

・      grade to 6th grade and agricultural mechanics from 7th grade to 8th・

       L「、

̀n instructor emphasises on expriments in the lower class・The

・      goverment has policy to trainmany driver of agricultural mechanics in the upPer cIass・Girls in village study agriculture and home economics・The equipment of ruraI home econmics is ofte.n poor臼r

℃      than the urban・It is a pity that some tea6her in Japanese technica1 teaching oftenlunderestimate this field. We shouId estimate

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.       −101一

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