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総説 :秋 田大学 医短紀要
10(2):180‑188,2002英 国における理学療法士 の継続的職能開発の現状
進 藤 伸 一
要 旨
英 国で行 われてい る理学療 法士 の継続的職能開発
(CPD)の概 略 と,卒後 臨床研 修 ,同僚評価 ・ 個 人能力評価 ,ポー トフ ォリオにつ いて紹介 す る
。CPDとは,専 門的能力 を維持 ,増 強,拡大す る ため に専 門職 に よって行 われ る学習過程 であ り,① 学習 ニーズの評価 ,② 計画,③ 実行 ,④ 再評価 と い うサ イ クルにそ って行 われ る。英 国では
,CPDの手段 と して正規 の学習 ととに 日常 的 な経験 を通 した学習 に も比重 をおい てい る。卒後 臨床研修 で は,新 人理学療法士 に
2年 間の ローテ ー シ ョン研 修 を義務づ けてお り,これ を修 了 して シニア理学療 法士 と して認 め られ る。 同僚評価 は,理学療法士 の 臨床 的推論 能力 を高 め るための方法 であ り,個 人能力評価 は,理学療 法士 の
CPDを組織 のニーズ に 適合 させ るシステムであ る。ポー トフォリオ とは, 学習 や成長 を示 す根拠 の収集 であ り,よ りよいポー トフ ォリオを作 成 してい こうとす る過程 が,主体 的学習 を促 し
,CPDへ の動機づ け となってい る
。は じめに
英 国では現在 ,理学療 法指針 ・標準 の開発 と それ に基 づ く業務監査 を通 して,理学療法サ ー ビスの質向上 を図 る取 り組 みが全 国的 に進 め ら
向上 には, こう した品質管理 シス テム とともに, 個 々の理学療法士 の臨床 能力 の向上 が不可欠で あ る。そのため,英 国理学療 法協 会 は
1995年 に, 理 学 療 法 士 の継 続 的職 能 開発
(continuingpro‑f
essionaldevelopment,以下
CPDと略)の標準
を決定 した
3。 日本 において も
,1997年 か ら理 学療 法士 の生涯学習 シス テム
4'がス ター トし, 新 人教 育 プログラムで一定 の成果 を上 げてい る
が,理学療 法サ ー ビスの質向上 を支 える まで に は, なお多 くの課題 が残 されてい る ように思 わ れ る。
本稿 で は,理学療 法士 の生 涯学 習 で大 きな成 果 を上 げてい る英 国の
CPDの概 略 と, 日本 で も参 考 になる と思 われ る,卒後 臨床研修 , 同僚 評価 ・個 人能力評価 ,ポー トフ ォ リオについて 紹介 したい。
I CPD
とは
CPD
とは,専 門職 のいわゆる生涯学 習 の こ とで あ り
,「 専 門的能力 を維 持 ,増 強 ,拡 大 す るため に,専 門職 に よって行 われ る学習過程 で
秋 田大学 医療技術 短期大学部 理学療法学科
180
Ke
yW ords : 英 国 理学療法
継続
的職能 開発
秋 田大学医短紀要 第
10巻 第
2号
進藤伸一/英国における理学療法士の継続的職能開発の現状
表1 継続的職能開発 の手段 1.日常的な学習
1) 日々の業務の反省 2)職場内教育プログラム 3)
自己学習
4)業務評価 と研究 5)専門論文の評価
6)
新卒スタッフや学生の教育7)
他職種‑の援助や接触 2.正規の学習1)理学療法士のための講習会
2)
学士、修士、博士課程 3)短期研修、セ ミナー、学会4)
働きながら学習する契約5)
研究 とその報告その基本原理 を要約す るな ら,次の4つ にな 任 は,あ くまで も個 々の理学療法士 自身にある。
職場管理者や理学療法協 会 は,CPD活動へ の 援助 はで きるが責任 をとる立場 にはない。②学 習 目標 は,個 々の理学療法士 の個人的 目標 ばか りで な く,所属組織 や患者 のニーズ に合致 した ものでなければな らない。(参学習 目標 は,明確 で, どの ような学習成果が得 られたか確認で き る ものでなければな らない。そ して,(彰CPD
は学習 ニーズの特定,学習計画の立案,計画の 実行,学習結果 の評価,新 しい学習 ニーズの特 定 , とい う系統的サ イクルの繰 り返 しであ る,
とい うことである。
CPDの手段7Jを表 1に示す。英 国では,C PDはいろいろな機会 に行 われる として,正規 の学習 よ りも,む しろ 日常的 な学習 に比重 をお いてい ることに注 目したい。 またCPDでは, 直接理学療法 に関係す る内容 ばか りでな く,情 報技術 な ど非臨床的な内容 の学習 も含 まれてい る。 これ に対 して, 日本理学療法士協会が卒後 教育 として挙 げている範囲は狭 く,理学療法士 のための講習会 と短期研修,セ ミナー,学会 に
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限 られている8.。
英 国理学療法協会では,理学療法士 の業務 の 基本標準 (corestandards)9.を克 め, これ に基 にその一部であるCPDの評価表 を示す。CP
Dの評価,計画,実行 ,再評価 のサ イクルにそ っ て,具 体 的 に課題 を明 らか に してい くよ うに なってお り,CPDを自己評価す る上で有用 で ある。
l】 卒後臨床研修
CPDは,卒前教育か ら始 め られているが, 本格 的 に開始 されるのは理学療法士 になってか らであ り,英 国では新人理学療法士 に対 し,以 下 に述べ る2年間の卒後臨床研修 を義務づ け,
1.新 人研修 プログラム
全ての新人理学療法士 は,最初 に配属 された 職場 で新人研修 プログラムを受 けることになっ ている。内容 は,理学療法部 門や所属組織全体 の方針 ,手順 ,記録 な どを知 り,職場 のス タッ フ,環境,業務 に慣 れるための ものである。可 能 な ら,組織全体で行 われる研修 プログラムに も参加す る。指名 された先輩理学療法士が この プログラムに責任 を もち, 1ケ月後 に中間評価 を し,3ケ月以内で終了す る。
2.ローテー シ ョン研修
ローテーシ ョン研修 とは,いろいろな分野 の 理学療法業務 を経験 す ることで,理学療法士 と しての経験 を積 み,専 門性 の基礎 を構築す るた め, 3‑4ケ月 ごとに異 なった理学療法部 門を 回って行 う臨床研修 であ る。
ローテーシ ョン研修 は,新 人研修 プログラム を含 め, 2年間で表 3に示す ような理学療法分 野の業務 を,急性期 ケア と地域 ケアの どち らも 経験す る ように計画 され る。 こうした研修が組 めるのは,英 国の国民保健サ ー ビス (NHS) は多 くが地域単位で複数の医療施設か らなる ト ラス トを形成 してお り,同一 トラス ト内で多様
( 80) 進藤伸一/英国における理学療法士の継続的職能開発の現状
表2
継続的職能 開発 の評価用紙
評 価 基 準 有 無
1 .学習ニーズの評価
学習ニーズを評価 した記録がある この評価は以下のことを考慮 している 1 )現在の業務の強化に結びつ く学習ニーズ
2)過去の実唐データか らのフィー ドバ ック
3)義務的要件4)業務上の新技術 5)所属組織のニーズ 6)
専門職 としての抱負
2.継続的職能開発の計画
1 )学習ニーズのに基づいた計画の記録がある
2)計画には学習 目標が含まれている
3)計画には学習 目標 に到達す るための活動が示 されている 3.
計画の実行
1 )計画が実行 された根拠 を示す記録がある
D O ロ 田 口 □ ロ
ロ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ロ
ロ D O
口 □
2)
計画は少な くとも
6ケ月 ごとに見直 され る ロ 0
4.計画の評価
1 )学習 目標 に到達 した根拠がある ロ ロ
2)
サイクルを継続す るための新 しい学習 目標が作 られている 田 口
表3
ローテー シ ョン研修 で経験 する理学療 法 分野
I . 小 児
2.高齢者
3.身体障害者
4.学習障害
5.精神疾患 6.神 経 系障害
7.筋骨格系障害
8.心肺 ・循環 系障害
9.女性 の保健管理182
な分野 の理学療 法サ ー ビスが提供 されてい るた めであ る。
ローテー シ ョンで回 る各職場 で は,経験 のあ る理学療 法士 が指名 されて指導 にあたる。新 人 理学療法士 は,理学療法倫理規定1 3 'に従 って, 自分 で責任 を もって対応 で きる理学療 法以外 は 行 わず,で きない部分 は他 の先輩 理学療 法士 に 援助 を求 め る よう指導 され る。 この こ とは,理 学療法 の対象 であ る患者 や利用者 の安全 を確保 し,質の高 いサ ー ビス を提供 す るための基本 で あ り, また理学療法 に対 す る信頼 をチーム と し て維持 してい くため に不可欠 の こ とであ る。 こ う した実践 的 な指導 を受 けなが ら,理学療 法士 と しての能力 を高 めてい くのであ る。
また,直接 的 な理学療 法 の他 に
,CPD活動 や業務監査 を通 した理学療法 サ ー ビスの品質管 理活動へ の参加 も義務づ け られてい る。
秋田大学医短紀要 第1 0巻 第
2号
進藤伸一/英国における理学療法士の継続的職能開発の現状
表4 卒後臨床研修の 目標 I.患者対応における信頼 と専門能力をさ
らに発展させること
2.理学療法のサービス変更の要請に対 し、
適切に判断 して対応すること 3.知識 と技術を維持 し、強化 し、拡大す
ること
4.心理的、社会的、経済的要因‑の認識 を高めること
5.‑ルスケア組織の重要性を認識 し、組 織の一員 として働 くための技術 を発展
させること
6.理学療法業務を評価する技術を発展 さ せること
3.卒後臨床研修の 目標
卒後臨床研修 の 目標11Jを表4に示す。表 には 目標のみ載せたが,各項 目に3‑4の具体例が つけ られている。 この 目標 は, 自己評価や指導 理学療法士の指導 に用い られる。理学療法教育 ス ター トレベルの水準 を示 している とすれば, この卒後臨床研修の 目標 は,一人前 の理学療法 士 としての最低 レベルの水準 を示 している とい
えよう。
卒後臨床研修 を終了すると,新人理学療法士 はシニア理学療法士 と認め られ,学生の臨床実 習指導 などが任 されるようになる。
I I
l 同僚評価 と個人能力評価 1.同僚評価同僚評価 (peerreview)の最大の 目的は,理 学療法士の臨床的推論 (clinicalreasoning)能力 を高め,それを通 して質の高い理学療法 を実践 することにある15'。同僚評価 にもい くつかの方 法があるが,観察 タイプの ものは普段通 りの理 学療法がで きないなどの問題があ り,英国理学 療法協会では患者記録 に基づ く同僚評価 を標準 に している。その手順 は,以下の通 りである10.。
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1)同僚理学療法士 の選出
まず評価 を受 ける理学療法士 に対 し,評価す る1名の同僚理学療法士が選ばれる。同僚理学 療法士 は,評価 される理学療法士 とで きるだけ 同 じような臨床経験 (経験年数,専 門分野,餐 格 など) をもつ理学療法士が適 しているとされ ている。 これが,管理者が行 う職務能力評価 と 異 なるところである。
2)患者記録の抽出 と査読
同僚評価 には2時間程度必要であ り,事前 に 日時 を決めてお く。そ して,最近終了 した20名 の担当患者記録の中か ら,同僚理学療法士 は無 作為 にい くつかの記録 を抽出する。同僚理学療 法士 はその記録 を読み,症例 についての情報 を 得 る。評価 される理学療法士 もその記録 を読み 直 し,詳細 を確認 してお く。
3)ケアの内容 についての討論
同僚理学療法士 は,患者のエ ピソー ドについ ての討論 を通 して,理学療法士 の臨床的推論能 力 を評価する。一般 には,取 り上げたエ ピソー ドについて,次の ような質問を してい く。(∋評 価 の過程で, どんな情報が必要だ と考 えました か ?② どの ように臨床的診断を し,患者の主要 な問題 を明 らかに しましたか ?③効果判定の方 法 を何 にするか, どの ように決めましたか ?④ 患者の特殊 なニーズに適 した治療 テクニ ックを どの ように選択 しましたか ?(9患者の期待 にど の程度 まで応 えられ ましたか ?⑥ ケアの各段階 をどの ように評価 しま したか ?(∋他の専 門職 と 連絡 しあ う必要があ りま したか ?その とき何か 特殊 な問題が見つか りましたか ?これ らの質問 に答 える過程で,評価 される理学療法士の臨床 的推論能力が明 らかにされるのである。討論 に は1時間程度あて られる。
4)課題 と必要 な学習分野の確認
以上の討論 を踏 まえ,評価 を受 ける理学療法 士 と同僚理学療法士が, ともに重要 と考え,同 意 した課題のみ同僚評価用紙 に記録する。 また, 明 らかになった課題 を克服するために, どんな 分野の学習が必要か話 し合 って確認 し,期間を 含 む具体的な学習計画 を作 り,同僚評価用紙 に 記録す る。そ してこれは,後で述べ るポー トフォ
(82) 進藤伸一/英国における理学療法士の継続的職能開発の現状 リオに保存 される。
5)再評価 日程の確認
同僚評価 は定期的に行 うもので,最低で も 1 年以内に再評価する必要があ り,その 日程 を確 認 してお く。
以上の ように,同僚理学療法士の力 を借 りな が ら,少 しずつ専 門職 としての能力,主 と して 臨床的推論能力 を高めていこうとい うのが同僚 評価である。
2.個人能力評価
個人能力評価 (individualpe血 m ancerevew, IPR)とは,スタッフと管理者が病院な ど組 織のニーズ に結 びついた個人の学習ニーズ を確 認するために行 う職務能力評価 の過程であ り, その一環 として個人開発計画(personaldevelop‑
mentplans, PDP)が作 られる17。その手順 は,以下の通 りである。
1) CPDの自己評価
各理学療法士が, これまでの学習 を振 り返 り, 今後の学習ニーズを明 らかにする。
2)職務能力評価
職場管理者が,理学療法士 を昇進,あるいは 他部門への移動 などを行 うのに先立 って,新 た に必要 とされる各理学療法士の学習ニーズ を明 らかにする。
3)協議 と合意
管理者 と理学療法士 は,新たな職務上の 目標 と,その職務 に必要 な学習ニーズやその成果 に ついて協議する。そ して,その 目標 に合致す る 学習活動 について合意する。
4)記録
最後 に,管理者 と理学療法士 は,学習ニーズ, 学習 目標 (①明確 ,②測定可能,③到達可能,
④現実的,⑤期 間限定の もの),期待 される成果, 学習活動計画などが書かれた文書 を作成する。
以上か ら,個人能力評価 に基づ く個人開発計 画は,理学療法士のCPDを組織のニーズに適 合 させ る上で重要 なシステムであることが分か
る。
184
lV ポー トフォリオ
ポー トフォリオ (Portfolio)とは,「学習や成 長 を示す根拠 の収集であ り,今後の学習 を計画 するためのツールである」 18 と定義 されている。
しか し,ポー トフォリオはこうした記録や計画 の ツール以上 に, よ り積極 的 な主体 的学習 の ツール として,最近 日本で も注 目されるように なって きている19、。
1.ポー トフォリオの意義
理学療法士がポー トフォリオを作成すること の意義 を要約するなら,次の ようになるであろ う15 0 ①専 門職 としての成長 を記録 し,監視す るのを助 ける。(∋専 門職 として成長 してい くた めの適切 な情報 を収集,保存 し,1年毎 にまと めるのを助 ける。③ 自分が学んだことは何か を 確認 し評価 す ることで,「思慮深 い臨床家」 と なるのを奨励する。④理学療法士 になってか ら の正規の学習 とともに,経験 を通 した学習 を科
目履修単位 として申請する場合の根拠 となる。
⑤医療専 門職評議会に理学療法士の継続登録 を 申請するとき,CPDと最新の職務内容の根拠 を示す ことがで きる。 さらに,⑥ ポー トフォリ オを日常的に作成 してい く過程で,経験 を通 し た学習への一層の動機づけがなされることであ
る
。2.ポー トフォリオの体裁 と構成
英国理学療法協会は,ポー トフォリオ用 フォ ルダーを発行 しているが,自分 で使いやすい も ので よい ことになっている。何人かの ものを見 せて もらったが,多 くはA4版の厚 さ5‑ 7cm のハ ー ドカバーのバインダーであ り,色,形そ れぞれ違 っていた。
ポー トフォリオの中身の構成 も決 まった もの はな く,英国理学療法協会では表5に示す構成 を提案 している。学習のス タイルは各人で違 っ ていて良い,問題 は内容 なのだ,特 にこれは自 己学習なのだか ら協会 としては詳細 な指針 を示 さない, とい うス タンスの ように受 け取れた。
秋田大学医短紀要 第1 0巻 第
2号
進藤伸一/英国における理学療法士の継続的職能開発の現状
表5 ポー トフォ リオの構成例 1.最新の個人的情報
1)最新の履歴書
2)現在の職務内容 3)職歴
4)所属委員会 2.教育学習記録
1)義務的教育
2)長期講習/学会/セ ミナー/
短期研修 3)職場内教育記録
4)他の教育学習活動の記録 5)経験を通 した学習の記録 3.個人能力評価 と学習 目標 4.
資料
1)証明書
2)過去の職務能力評価の記録 3)過去の職務内容
4)年次評価
3.経験 を通 した学習
ポー トフォリオで特 に注 目したいのは,正規 の学習 に偏 りが ちなCPDの手段 を,で きるだ け 日常 の臨床業務 の中での学習 に転換 して,C PDに両者 をバ ランス よ く生 かそ うとす る発想 である20,。優 れた理学療法士 の知識 や技術 の多 くは,臨床経験 か ら生みだ される ものである。
したが って,経験 を通 した学習のメカニズムを 知 り,意識的 に応用す るな ら効果的 な学習が可 能 となる。Kolbの経験 を通 した学 習 サ イ クル ため には, このサ イクル を繰 り返す ことが必要 であ り,特 に経験 を振 り返 り深 く洞察する段 階 が重要 である。
経験 を意識的 に振 り返 り記録 してお けば,記 憶 に定着 し学習 は進 む と考 え られる。 そのため に提案 されている,経験 を通 した学習記録 の書 式 の 1つの例 を表6に示す18.。 こうした記録 を 意識的 に作成 してい く作業が,経験 を通 した学 習その ものであ り,ポー トフォリオに保存 して
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機会ある毎 に振 り返 ることで,CPDが促進 さ れるのである。
あわ りに
以上,英 国のCPDの概略 と,卒後臨床研修, 同僚評価 ・個人能力評価 ,ポー トフォリオにつ いて紹介 して きた。
筆者 は以前,英 国の理学療法サー ビスの品質 はその システムの主体 である理学療法士その も のに働 きかけ,その専 門的能力の向上 を図ろ う とす る ものである。 この両者が有効 に機能 して, 高品質の理学療法サー ビスの提供が可能 となる
のである。
日本 において も,正規 の学習 に偏 りが ちな現 在 の生涯学習 システムに,で きるだけ 日常 の臨 床業務 の中での学習 を加 え,生涯学習 システム に両者 をバ ランス よ く取 り込 むことが重要 と思 われる。
(本稿 をまとめるにあた り,貴重 な ご助言 を頂 いたハ ー トフォー ドシヤー大学理学療法学科科 長T.Watson教授 に深謝いた します。) 文 献
1)進 藤 伸 一 (2001)英 国 にお け る理 学 療 法 サー ビスの質管理 (第1報)理学療法指針 ・ 標準 の開発 と現状 .秋 田大学医療短期大学 部紀要9 (2):162‑170
2)進藤 伸 一 (2001)英 国 にお け る理 学 療 法 サー ビスの質管理 (第2報)理学療法サー ビスの業務評価 .秋 田大学医療短期大学部 紀要9 (2):171‑178
3)chartered Society ofPhysiotherapy(1995) Standards for Continulng Professional Development.CSP,London
4)日本理学療法士協会 (2001) 新人教育 プ ログラム教本 (第4版).生涯学習 システム・
ガイ ドライ ン. 日本理学療法士協会,東京, pplO9‑117
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進 藤伸 一 / 英 国 にお け る理 学療 法 士 の継 続 的職 能 開発 の現 状
その経験を振り返り
深く洞察する
普 遍 的 な原 理 や 概 念
を引き出す
図1 Kolbの経験 を通 した学習サイクル 表6 経験 を通 した学習記銀例
年月 日 学習分野
2000.2 臨床
D
場 所 組織化/マネー ジメン トコ ミューケ‑ ン′ヨン′
ロ d
集 中治療ユニ ッ ト 指導その他 ( )
□
D 軽壊したこと(何が起こつたか ?)私 が主任 に任命 されたユニ ッ トでは、理学療法のや り方 についての意見が対立 してい たo そ こで、現在 のや り方 の根拠 とな る文献 を調べてみ たo その結果、 リスクの高い息 者 に対 しては、 これ までの手順 を見直 し、根拠 に基づいた介入 のや り方 に変更す るこ と が必要 であることが分かった○私はス タ ッフにその ことを話 し、新 しいや り方 をプ レゼ ンテ‑ シ ヨン したが、スタ ッフには不評 で乗 り気 でない よ うに見 えた○
しか し、4ケ月後 に行 った業務監査 では、理想的な形 ではなかった ものの、 このや り 方が行われ てい ることが分 かったo
私が 目指したことは何か ?
私 は、根拠 に基づいた、また患者 ケアに役立つ業務 のや り方‑ の変更 を試みたo この 経験か ら、私 はこ うした業務手順 の変更のマネー ジメン トについて学習す る必要 のある ことが分かったo この ことを管理者 と話 し合い、マネー ジメン トの研修 に参加 で きるよ う交渉 し、実現 したo
学んだことは何か ?
業務 手順 を変更す る場合 には、関係者全員 を巻 き込んで、 コ ミュニケー シ ョンを良 く す ることが重要であることが分かったoまた、いろいろな手順変更の方法や、基礎 とな る理論 について も知 ることができたO
学んだ内容をどう業務に生かすか ?
私 は、注意深 く計画 し、 コ ミュニケー シ ョンを図 り、関係者 を巻 き込んで行 う手順変
秋田大学医短紀要 第1 0巻 第
2号
進藤伸一/英国における理学療法士の継続的職能開発 の現状
5)chartered Society ofPhysiotherapy (1995) Continulng Professional Development: Guidlines of Good Practice for Physio也eraplSt
S
,Managers,and Educators. CSP,London6)chartered Society ofPhysiotherapy (2000) Continulng Professional Development (CPD) and Lifelong Leaning Briefhg.
CSP,London
7
)chartered Society ofPhysiotherapy (2000) Resources for Continulng Professional Development (CPD) and Lifelong Leamlng: The Responsibilities of Physiotherapy Staff,
Managers amd Employers.CSP,IJOndon8)吉本洋一 (1997) 理学療法士の生涯学習 の現状.理学療法白書1997‑保健 ・医療 ・ 福祉 の方向性 と理学療法士. 日本理学療法 士協会,東京,pp67‑72
9)chartered Society ofPhysiotherapy (2000) CoreStand∬ds,3rdEdition.CSP,London 10)chartered Society ofPhysiotherapy (2000)
ClinicalAuditTools.CSP,London
ll)
chartered Society ofPhysiotherapy (1998) Standards forN
ewly QualifiedPhysiotherapists.CSP,London
12)chartered Society ofPhysiotherapy (2000) Guidelines of Good Practice fot
N
ew(85)
EntrantstoPhysiotherapy.CSP,London 13)chartered Soci
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ty ofPhysiotherapy (1996)Rules of Professional Conduct. CSP
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ne
(1996)TheCu汀iculum Framework.CSP,London
15)E1‑Din D (1991) Peer Review.
Physiotherapy77(2):92‑94
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(1996) The
Cumiculum Framework.CSP,London17)chartered Society of Physiotherapy (2000) Personal Development Plans (PDP): Linking in with Continulng Professional Development and Lifelong Leamlng (CPDn.LL).CSP,IJOndon
18)chartered Society of Physiotherapy (2000) Keeplng a Portfolio:Getting Started.CSP
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London19)小 田勝 巳 (1999) 総合的な学習 に適 した ポー トフォリオ学習 と評価.学事出版,東
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20)cross v (1998) Framing Experience ‑ Towards a Model of CPD Outcome.
Physiotherapy84(11):531‑540
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Continuing Professional Development for Physiotherapists in the UK
Shinichi SHINDO
Department of Physical Therapy, College of Allied Medical Science, Akita University
Continuing Professional Development (CPD) is the educational process by which professional people maintain, enhance and broaden their skills, knowledge and competence. The objective of this report is to introduce CPD for physiotherapists in the UK to Japanese physiotherapists. CPD is a cyclical process, involving the identification of needs, planning, implementation, assessment of benefits and identification of further needs. Itencompasses a range of ongoing education including formal learning and unplanned learning that takes place through practice. Individual physiotherapists are responsible for their own CPD.
In addition, this report introduces rotational schemes for newly qualified physiotherapists, peer review and learning portfolio as examples of CPD activities. The rotations may be with different working environments in primary and secondary care, and newly qualified physiotherapists should develop their clinical skills relevant to those clinical areas. Peer review provides an opportunity to evaluate the clinical reasoning about the patient's episode and to identify learningneeds. Finally a portfolio is a collection of evidence that demonstrates learning and development as well as a tool for planning future learning.
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