審 査 論 文 要 旨(日本文)
論文提出者氏名: 迫田 邦裕
審査論文
題 名:Association of moderate chronic kidney disease with insufficient improvement of fractional flow reserve after stent implantation(CKDのステント留置後FFR改 善不良に及ぼす影響)
著 者:Kunihiro Sakoda, MD, Nobuhiro Tanaka, MD, PhD, Yohei Hokama, MD, Kou Hoshino, MD, Naotaka Murata, MD, Jun Yamashita, MD, PhD, Akira Yamashina, MD, PhD
掲載誌:Catheterization and Cardiovascular Interventions (in press, 2015)
【背景と目的】
びまん性病変の影響などで,ステント留置後の冠血流予備量比(Fractional flow reserve :FFR)が 0.9 に満たない症例は全体の約3分の1とされ,その予後も 0.9 に達した症例と比較し悪いと報告 されている.さらに虚血閾値とされるFFR 0.80に達せず終了する症例も15%程度存在する。また 一方で,慢性腎臓病(chronic kidney disease: CKD)においてステント留置による血行再建が成功し てもその後の心血管イベントの発生率が高いことが知られている.今回我々はステント留置後の FFRとCKDとの関係を検討した.
【対象および方法】
左前下行枝(left anterior descending coronary artery :LAD)に薬剤溶出性ステント(Drug eluting stent: DES)を 留 置 し,血 管 造 影 上 の 手 技 成 功 が 得 ら れ,か つ ス テ ン ト 留 置 後 に FFR(Post-stent FFR)を測定した狭心症105名を対象とした.急性冠症候群,LAD領域の陳旧性心 筋梗塞,冠動脈バイパス術後,また透析導入された CKD 患者は除外した.eGFR に応じて>
60(stage0-2), 44 to 59(stage 3a), and 30 to 49ml/min/1.73m2(stage3b)と分け検討を行った.
【結果】
Post-Stent FFR は CKD stage3b 群で他の 2 群より有意に低値であった (p<0.01) .ま た, eGFRはPost-Stent FFRと有意な相関関係を認め (r = 0.223, p = 0.024), Post-Stent FFR< 0.80の独立した予測因子であった.
【結論・考察】
CKDはステント留置後のFFR改善不良と関連し、CKD患者の心血管イベント発生に 冠動脈内に残存する圧損失が関与をしている可能性が考えられた.
東 京 医 科 大 学