この論文の主な目的は︑線型計画法を個別的な農業経営の観点から利用して︑合理的な経営計画の指針を与えよ
うとすることでほない︒むしろここでの議論ほ︑そのような研究の一層の発展を期待しながら︑線型計画の方法を
経済分析の道具として用い︑農業生産理論を一層具体的なま空層別程の広いものにしていくための手掛りにしよ
うという観点から行われるものである︒もちろん︑これら二つの観点ほ互いに対立するものではなく互に関連しあ
ったものであって︑むしろこれら二つの観点からする研究を従来よりも二層密接なものとするところに線型計画法
によるアプローチの特色があるといってもよいで
まず第ふ節でほ︑伝統的農業生産理論と線型計画の考え方を利用した生産理論とを比較して後者の特色と利点と
を明らかにするとともに︑線型計画法の基本的諸仮定を農発との関連のもとに検討する︒第二節では︑︑線型計画法
を利用した農業生産のモデルを︑もっとも簡嘩なばあいから出発して次第に後雉な要因を取り入れていくという順
序で作成してみる︒最後の第三節でほ︑古くして新しい問題である農業生産の階層的構造の問題を︑自給生産と商
業的生産とのからみあいという側面を考慮しながら︑線型討画法の仙程の比較静学への適用ともいうべき観点から
︵三九五︸山五五 農業佳産とその階層的構造の分析 農業生産とその階層的構造の分析
1線型計画法の劃適用 −
稲 春
第三十二巻 貸手甲五号 ︵三九六︶一五六
考えて鼻たい︒また分析の対象となる実態的側面についてほ︑戦後の日本農業の在り方を想定している︒
一農業生産と線型計画
これまでわが国の農業生産理論の研究ほ︑一般的生産理論になら′つて生産函数という概念を出発点とし︑これの
理論的ないし実証的研究を通して︑わが国の小農経営や高率小作料の存続理由の説明︑労働や資本の過剰問題の分
︵1︶ 析︑資本制限の説明や技術進歩の効果分析などにおいて重要な責献を果してきた︒このような伝統的農業生産理論
にかわって線型計画の考え方によった農業生壁嘩論ほどのような点で利点をもつであろうか︒まず第山に︑よくし
られているように伝統的理論における生産函数とほ技術的に実現可能なあらゆる投入量と産出量との結合関係であ
り︑生産の問題はそのもっとも有利な点を選びだすことであった︒.線型計画法ほ︑この企業が当面する技術を生産
函数のばあいより息二層限定して︑一層具体的にとりあげるりすなわち︑企業の決意ほ投入量や産出量の水準を直
接決定することでほなくて︑もっと具体的に︑どういう﹁生産のやり方﹂を選ぶかということであるという見方が
採用される︒この﹁生産のやり方﹂というのが所謂﹁プロセス﹂またほ﹁アクティビティ﹂という概念であって︑
﹁さまざまな没入物の使用患とさまざまな産出物の生産量との間の山組の比率﹂と定義され︑企業の産出量や投入
畳ほ直接動かされるのでほなく︑これら種々のプロセ′スの採用水準の変化を通して間接的に動かされることになる
︵2︶ のである︒このような見方ほ︑われわれのほあい︑農業生忍者たちの決意の仕方の把握ふ二層具体的かつ包括的に
することを可能にする︒なぜなら︑商業的農業の発展と農業上の技術的可能性の発展とほ︑農業生産者たちをして
利用可能な山定の土地面積をどのように利用すればもつとも有利か︑すなわち一定の土地面積に仙定期間にわたっ
′ て作付しうる作物の技術的に可能な体系にはさまざまのものがあるが︑それらのうちどれを︑戎いほそれらのうち
の幾つかをどのような組合せで︑採用するならばもっとも収益が大きくなるかということに関心を集めさせつつあ
︵3︶ るからである︒例えば︑薦田快夫氏による﹁水稲の栽培期の可動性或いほ伸縮性﹂と
水稲をとり入れた水田作付体系の選択範囲を拡大し︑これまで殆んど選択の余地のないものとして前提されてしま
っていた在来の水田作付体系は変更可能であるせいう考え方を農業生産者たちに一層普及せしめることになった典
型的な一例といえるであろう︒作付体系は贋山次的にほ時間的順序をもったさまざまの産出物の組合せである︒時
間的順序と産出物の種類が同一であっても︑投入鼠と産出量との間の関係ほただ二つである必要はもちろんない︒
耕作のやり方すなわち可能な投入量と産出量と
ただ一つのプロセスでほなくして多数のプロセスの集りどある︒しかし︑他の作付体系に移って︑産出物の種類と
その時間的順序が変るならば︑そこに前と同様に付随する多数のプロセスの集りがあるとしても︑前者のプロセス
の集合と後者のそれとの問にほかなりの相異があるであろう︒すなわち︑各作付体系ほそれぞれ仙組のプロセスを
規定する︒作付体系の変更は︑或るプロセスの集合から他のプロセスの集合へと移ることを意味する︒さまざまな
作付体系の可能な集合は\こうして一連のプロセスの全集合によって表現することができ︑その中から山つのプロ
セス或いは二つ以上のプロセスの組合せを選択するということほ︑作付体系の選択と同時に耕作方法の選択をも意
味することになるのである︒作付体系の問題は︑伝統的生産理論においてほ︑結合生産の特殊なばあいとして︑一
般的な多数産出物と多数投入物をふくむところの陰伏的生産函数の中にまさに陰伏的にのみふくまれていたにすぎ
なかった︒線型計画法ほ︑これらの問題を鹿米生産者たちの実際の決意のやり方と農業技術者たちのタームとに関
連のある形で処理することを可能ならしめるといっでよかろう︒
次に線型計画法でほ︑上述のように企業が当面する技術をプロセスの集合とみることとならんで︑その企業が所
有する固定的資源をプロセスの実行水準の可能な範囲を制約するものとして明示的に導入する戸この固定的資源の
︵三九七︶一志七 農業生産とその階層的構造の分析
︵三九八︶ 山五八 第三十二巻 第三・四︒五号
制約ということの実態的意義は︑ドーフマンの言葉を借りれば次のように述べることができるであろう︒﹃長期的
に考えると経済上の設備ほ不断に新しく設計され再建されているが︑短期においてほ︑われわれは過去から受継い
だ有限の種類の設備を︑その日その日の目的に適応させて用いるということを不断に行っているのである︒⁝⁚・リ
ニヤー︒プログラミングは動的な経済状態において短期にどれが最も適した便法であるかを明らかにする︒すなわ
ち与えられた状況において︑さしあたって利用できる設備ほ多かれ少かれ目的に完全に合致しているものとほいい
難いのであるが︑それらの設備を最も適切に利用するにほどうしたらよいかということを明らかにするのであ
︵4︶ る︒﹄これを農業のほあいについていえば︑固定的資源の主な要素としては農業用土地︑農業用建物︑農機具︑動
植物︑および自家労働力がある︒そして農業生産者たちほ短期にほこれらの資源量を所与として生産計画をたてる
ものといってよかろう︒しかしその場合︑所与の技術と価格体系のもとでほ︑たてられた最適生産計画と所与の資
源の完全利用とほ必ずしも両立しないかもしれない︒一部の固定的資源は過剰となるかもしれない︒また固定的資
源の所有鼠とその相対的比率とが変化するならば︑所与の技術と価格のもとで︑最適生産計画︑最大収益︑稀少蟄渥
と過剰資源の種類などすべて変化するであろう︒線型計画ほ農業生産におけるこのような側面を山層具体的に分析
することを容易にするのであ︑る︒同時にこれほ農業仕産の階層的構造の分析へのその適用可能性を暗示している︒
すなわち所与の時点において︑地域的に同一でありかつ土地がすべて同質的であるならば︑農業生産者たちにとっ
て共通に利用ができる農菜技術と価格体系とがあるとしよう︒このような状況のもとにおいて︑もしも固定的資源
の所有巌とその相対的比率がすべての農業生産者にとって同山であり︑また彼らほすべて同様に合理的行動をする
としたならば︑収益水準においても生産計画においてもまた資源の稀少過剰のタイプなどにおいてもすべて同様で
あるはずである︒これに反して︑現実にほ利用しうる技術と価格とがはば等しくても︑収益︑生産計画︑資源過剰
のタイプなどにおいて相異なる幾つかの階層に農業稗産着たちを分類しうるということは︑固定的資源の所有畳と
その相対的比率の相異にその原因を帰せしめなければならない︒第三節で仙層詳しく述べるように︑線型計画ほこ
のような所与の技術と価格のもとでの固定的資源の所有状況の相異とその帰結との関係を明確にすることを可能な
らしめるのである︒しかも︑これら固定的資源ほそれ自体過去から受けついだものであるという意味で︑動態的過
程の一断面である︒構造分析とは動態的過程の断面分析であ1て長期静態の解剖ではない︒したがって︑断面はそ
こに変化の要因を含むものとして把握される必要があろう︒線型計画法における双対問題︑すなわち固定的資源の
評価周題の考慮ほこれら変化の蟄因の同時的把握を可能にするものと考えられる︒なぜなら評価問題には山企兼の
固定的資源を全体として考えたばあいの評価と各個別資源に対する山単位当り仇価値の評価という二つの側面があ
るが︑前者ほ農業生産者たちがその経営を持続していくか布かという問題に関連をもちうるし︑.後者はどの資源を
購入しどの資蘭を処分すべきかという固定的資源最の調整問題に関連をもちうるからである︒農業生産者たちの階
層的構造の長期的変化ほ︑短期におけるこのような評価問題と関連しあった変化の要因に支えられて生起するもの
といってよいであろう︒もっともここでは技術進歩その他の長期的要因を考慮していないから︑長期的変化をそれ
自体として論じることはできないけれども︒
︵5︶ 最後に線型計画法に特有な基本的仮定を農業との関係で吟味しておこう︒基本的仮定とは︑プロセスを特徴づ
ける各投入物の鼻の間の比率および各投入物の量と各産出物の量との問の比率はプロセスがどの水準で実行される
かということとほ無関係に一定であるという﹁一次性﹂の仮定︑各プロセスほそれを実行するのに十分な資源が入
手できるかぎり︑正の水準でならばどの水準ででも実行することができるという﹁可分性﹂の仮定︑資源供給鼠の
限界内で実行できるときにほ二つ或いはそれ以上の数のプロセスを同時に実行することができ︑その場合の産出物
︵三九九︶ 仙五九 農業生産とその階層的構造の分析
第三十二巻 第手甲五号 ︵四〇〇︶一六〇
と投入物の鼠は各プロセスを別々に実行したときの産出物の量の合計および投入物の量の合計に等しいという﹁加
法性﹂の仮定︑および使用できるプロセスの数ほ有限であるといテ﹁有限性﹂の仮定である︒最初の三つの仮定で
ぁる山次性︑可分性︑および加法性についての経験的適用上の制約の程度は農業においても非農実においても大し
た相異はないと思われる︒しかし最後の有限性の仮定についてほ農業への通風に際して検討を要するであろう︒な
ぜなら︑農業過剰就業論者たちによってしばしば指摘されているように︑﹃農業においては一足の技術のもとで要
︵6︶ 素比率ほフレクレプルであると仮定しうる﹄し︑﹃この生産要素の結合関係が技術的に弾力的であるということほ
︵7︶ 農業における雇用の在り方を左右する重要な条件である﹄からである︒ここで伸縮的とか弾力的とかいわれている
︵8︶ 意味は﹃生温要素の結合割合を動かしうる範囲の広いこと﹄である︒線型計画が適用される場合にも︑有限個のプ
ロセスの実行水準を適当に変更することによって結果的に生産要素比率を或る範囲内で動かすことができる︒しか
しモ﹂で農業に特有なものとして実態的に想定されていることほ﹁むしろプロセスの数が無限といってよいはど多
いということである︒すなわち︑生産要素ほ完全に代替的ではないから︑例えば生産要素が土地と労働とである場
合︑もっとも労働使用的なプロセスともっとも土地使用的なプロセスによって定義される或るかなり広いが一定の
範囲内に要素比率の変りうる余地ほ限定されるであろうけれども︑これらの両極端のプロセスの間に無数のプロセ
スを連続的に想定することができるのである︒したがってプロセスの有限性の仮定を適用しようとするならば︑無
限個のプロセスを有限個のプロセスで近似するという手続がとられな揉ればならない︒例えば第山図のOA曲線ほ
一定の土地面静の上に労働を連続的に増投していったときの産出量の変化を示す曲線であるが︑この場合厳密にい
えば曲線上のあらゆる点と原点0とを結んだ無数のプロセスがあることになる︒しかしこれらを曲線上の適当な点
例えば︑ん︑鮎︑鮎︑と原点0とを結んだ線で表わされる三つのプロセスによって近似し︑Alと鮎との間ほ最初の
第1図
︵6︶ 田中駒男︹12︺四二二頁︒
︵7︶︑︵8︶大川岬司︹5︺仙三七頁︒
︿9︶ H2adyandCa邑er︹17︺P・琵ほ肥料のばあいを中心に近似化の問題を論じている︒
二 農業生産の線型計画モデル
1.線型計画の一般的形式−固定的資源の場合︒或る企業ほm個の画定的資源を保有し︑その畳をb=︵b−・⁝
( ( ′、 5 4 3
し \− し
農業生産とその階層的構造の分析 ︵2︶ DOrfmann㍍am邑sOn邑SOぎ︹讐⁚hap・⁝およぴA=2n︹讐盲ap−−00 産出量
・∽ほ線型計画法と伝統的理論との関連をうまく解説した文献である︒
薦田快夫︹7︺ほ氏のこの方面の研究をまとめたものである︒
DOrfmann︹15︺邦訳一五五頁︒
稲田献ニ3︺二三−三二頁︑DOrfma旦讐邦訳表六−五二束︑D邑mann−Samue−書andSOぎ︹16︺邦訳表七1
八頁︒ 二つのプロセスを結合し︑また裁と鶴との間ほ最後の二つのプロセスを結合する ︵9︶ ことによって近似することができるであろうパ両極端のプロセスの間の幅をかな り広くとり︑また近似するプロセスの数を比較的多くするならば︑農業生産の特 殊性を考慮しながらも有限性の仮建にたちもどることができると考えられる︒
︵1﹀ 大川・川野︹6︺に収められている土屋童造﹁生産函数研究の展望﹂︑丸田宗平﹁
生産函数による農業分析﹂および沢田収二郎﹁技術進歩の効果分析﹂ほ従来の諸 研究と現在の水準を整理かつ代衣するものである︒
︵四〇一︶一六一
︵四〇二︶二ハニ 第三十二巻讐丁四・五号
bむ︑とする︒プロセス・の数はn個であり︑各プロセヌhほm偶の固定的資源にかんする投入係数によってP㌦
︵a.恥:⁝.a邑︶︑として表わされるものとする︒儲与の技術AほA=︵Pl・:・Pお︶であるから︑mX︒の投入係数行列
︹aむとして表わされる︒また所与の価格体系のもとでの各プロセス一単位当りの純収入をr=︵r−⁚⁝rお︶とする︒
最後町変数㌃︵㌣⁚⁝・㌢︶︑を各プロセスの実行水準を表わすものとする︒そうすると線型討画の問題は次のよう
なーを求めることである︒
\ A−爪b﹀−㍍○︶8伊什d N=r−‖‖‖ma舛 差p=亨⁝邑︑をm個の固定的資源の評価価格ゑするならば︑上述の問題の双対問題ほ次のような芸求
めることである︒
A︑pけr︶plレ〇一㊦伊て巾 ノ五b︑p=‖‖miロ
2単這産物の場合︒もっとも簡単な単⊥港産物を生産している農業生産者の場合から出発しょう︒彼ほ問哀
的資源として同質的な土地︑自家労働力および農機具をもっている︒その量についてほ︑土地bl反︑自家労働力ほ
時間に換算して月当り玩労働時間︑また農機具ほh稼動時間であるとする︒ナ占セスは土地について標準化する
ー土地の投入係数a−㌦=−1ことにし︑他の投入係数ほ反当月当り労働時間および反当り稼動時間として定義 する︒したがって生産量は反当収量として各プロセスどとに指定され︑可変的費用を無視すると各プロセスの純収
入ほ各反当収量Qと農産物価格pとの積r笥pC帆走よって表わされる︒
け 甚
﹂山躁蛾寧
添喪神 滞>森野 ⅧⅦ∵yl 欝苅> コ 河此索郎 c−⁝ =⁚C遥
r遥
すなわち各プロセスにおいて反当農機具の稼動時間ほ同叫であるが︑労働の投入時間が大きいプロセス誓収鼻 ほ逓減的に大である︒叢の制約のう彗労働時間五〇〇ほ例えば自家労働力数がニ・芙であり︑二日平均労働
許容時間が八時間で月当りこ雷就業可能な場合芯㌫×00×腎⁝︶と解してよい\︒そうすると問題ほ次のような スを求めることである︒ いま㌃︵㌢・⁝・㌻︶︑を各プロまの実行水準とするならば︑問題ほ次のようなスを求めることである︒
ざ+ ㌢柑十・⁚⁝十㌢浮爪bl
a誓ざ+a諾㌢b+:⁚:+a曽シ垂爪b栂
a望ざ十a琵㌢蛤十⁝⁝+a00お㌢苫mb00
0 シ上作き ㌢3け
8ふ∴?d・N汗p︵c−ざ†⁚1cも妄︶=r︼ざ十⁝⁝+rお㌢お=ma舛
兵体的な数字を用いて例解しよう︒或る農業生産者に与えられたデータが次のようなものであるとする︒
ざ+ ㌢旭十 ㌢00軋−∽
∽○ざ十∽∽㌢柏+会㌢∽N笠○
麗業生産とその階層的構造の分析
海南尭
′ト宗菩コ 添壊け 蕗 加療露
︵河︶
︵血・零或︶
︷零式︶
︵剖︶
︵雄コ︶
︵十﹁ニ﹂ 市\一端鞍
︵四〇三︶ 二ハ三
∞ざ+00y蛤十讐£m−筈
ざ折Ou㌢愉l′つ︼㌢00折0
㊦伊けdN=NOざ+N∽㌢岨+N夢関=maM
解をジンプレックス法によって求めると㌣=ヂ訂芦訂い○であって︑最大収入は三三万円︑また土地と労 働とほ完全利用されるが農機具ほ三〇時間分が遊休化するという結果がえられる︒質→ニ表はこの結果を投入産出表
の形で示したものである︒
ABCの願で毎年作物が交替され︑ローターレヨンⅡほ作物の種類と順序ほ同じであるがAが二年連作される点で
異なる︒各ローデーショJJほ土壌に対する効果などが異なるから︑耕作方法その他資源の投入において異なるであ ろう︒更に同一のローテーションにおいても代替的なプロセスが考えられる︒しかしいま簡単のため固定的資源の 種類ほ竺生産物の場合と同じであり︑各ロータージョンにほただ三のプロセスしか許写れないとするならば︑
投入係数その他の関係データほ次のよう転なるであろう︒ 第三十二巻 第三1四・五号
5・結合生産物の場合︒ここで結合生産物の場合とほ各プロセスによって生産される 産出物の種類が二つ以上である場合である︒三つのタイプが区別されるであろう︒所謂 ローテーレヨンの場合︑作付方式或いは作付体系の場合︑および副産物の場合がこれで あるが︑副産物ほ作何方式の場合と形式的にほ異ならない︒
まずローテージョンからほじめよう︒いま産出物A︑B︑およびC︵例えば玉露黍︑
燕麦︑牧草︶があって︑技術的に可能なローデーレヨソとして第二表のような三年ロー デーショソと四年ローテーショソの二つがあるどする︒すなわち︑ローテーションⅠほ ︵四〇四︶ 山六四
p匝Ch匝十pひC詣 である︒
∽ざ十 か㌢坤Ⅸb︼
a柏lざ+a旨㌢嶋lNb旭
農業生産とその階層的構造の分析 このデータにおいて各ロ﹂71ジョンを表わすプロセスほ︑三年ローテーションの場合ほ土壁二反について︑ま
た四年ローテージョンの場合ほ土地四反について標準化されている︒これほ三反歩の土地に毎年二種類の作物をA
BCの順で作付したときの年平均の各収量と資源投入量とほ︑他の条件が等しければ︑第三表のごとく三反歩にA
B︑Cの作物を各一反歩づつ作付し︑翌年ほAのあとにほB︑−BのあとにほC︑CのあとにほAというように定め FrF
られたルールにしたがって三反歩の各二反歩に毎年異なる作物を作付けていった場合の毎年実
際に得られる各作物の収艮恩と実際に投下された資源の鼠とに等tいからである︒したがって各
プロセスの投入係数ほ作物A︑B︑C︑の各一反歩に必要な諸資源鼻を各資源ごとに合訂した
ものであって︑対応する収量ほ反当り各作物の収監である︒そうすると問題は次のようなAを
求めるどとである︒ただ⊥各n−テージョンの収益ヤほ如を各作物の価格とすればr㌦=pき十 け 蕗 城 塗 恥添加
r︼ 薫\′
抒彗
葺星旦
忘↑ごご=Mpも写 し
重≡芸
︵四C五︶ 二ハ五
第三十二巻 第l子四・五号
a望㌣−+a岩㌢愉mb印
㌢︸け肘〇一㌢b虹け○
㊦伊けd N=r︼ざ+rシ匝−−ma掴
もしも作物のうちAとCとが主要作物であって︑
︵1︶ いてBの収監晦を無視するか或いはBの価格伽をゼロとおけばよいであろう︒
次に作付体系の場合であるが︑ここで実態的側面として念頭においているのほ︑鹿田民が香川県下について調査
l ニ.、 く∫l げゝ
閻せ 執軸
減圧雰沸﹃努詔㊦堰遁辞渇け てヾヽ︒瑚主軸 鴻・か軸 創芸洒↓戸皆耳か
N 一 ∽
血×U汝抑・湖薄井国
中南部抽温
郎避認︵師事心○咄亜︶ 渾避認︵鋸噂A咄亜︶ A+仙∽一の ≠ 可 ︼ ∞一¢一−〇一−−一−N
罫避妹市塙‖−−霊登当閑古T⊥軍曹皿忘0
誤 軒 >
き詩 法 由
恵 左
意 志
皿抽 .←▲−■■■卜 .←→ Bほ単なる地力維持作物であるにすぎないならば︑収入函数にお
臨牌 浮遊諒︵顧盟−∽N頼朝︶
浮遊認︵闇盟−びN埴亜︶ ・訣−てヾ朝亜 ︵四〇六︶ 二ハ六
された第四表のような事例で示されるごときものである︒この場合︑可能な冬作何体系はそれぞれ対応するプロセ
ス︑戎いほ投入資源間の代替可能性を考慮すればプロセスの集合として表わすことができることは償二節で述べた
とおりである︒前と同様に土地につい・てプロセスを標準化すれば︑土地の投入係数は1︑その他の固定的資源の投
入係数ほ年間の反当各資源投入量を示し︑収量はその作付体系に入ってくる作物の各反当収鼠によって表わされ
る︒作物の種類と作付順序が同仙であっても各固定的資源の投入量が変化すれば反当諸収量も変化するものとし
て︑一つの作付体系について複数のプロセスな想定する方がもちろん現実的である︒いま固定的資源ほ前と同様で
あって︑作物A︑B︑Cについて二つの作付体系A虫とA℃ ︵この順序に山定の土地に作付けられる︶とが技術的
に可能であり︑前者の投入係数をa︑収量をC︑後者の投入係数を2︑収量をd︑また前者のプロセス.の数をS︑
後者のそれをーとするならば︑データーを次のように整理することができるであろう︒各プロセスの単梓あたり収
入についてほローテーションの場合と同様である︒
眼帯 簿 > 涼 蝉
3・労働の季節性︒ここでふれておかなければならないのほ資源投下の季節的側面ないし時期的側面である︒前
述の薦田氏の研究が﹁水稲栽培期の可動性或いほ伸縮性﹂という観点に立ったものであることからわかるように︑
農業生産とその階層的構造の分析 T. 直 様挽警 恥藤池 両脚︷⁝ C−⁝⁝C;dニ⁝⁝d三 C巴⁝C悼も⁝・⁚⁝0 9=⁚⁝・〇d巴⁚⁝・d監
︵四〇七︶ 山六七
固定的資源を月別に血月労働︑二月労働=:⁝主いうように分割して︑投入係数の算定や労働供給可能量の指定を
行わなければならない︒或いはもっと進んで各月各旬別に︑更にほ半句別に分割することさえ必要であるかもしれ
ない︒なぜなら︑欝五表の六月下旬労働ほ主として田植労働であり︑この作業の許容期間ほ半句であって︑半句の
うちに反当これだけの労働汐投下されなければならない︒また当然に固定的資源としての自家労働供給可能環も半 第三十二巻 第三・四・五号 ︵四〇八︶一六八
作付体系が異なれば土地を除く各資源︑殊紅労働の年間時期別配分状況が異なってくる︒したがって︑土地以外の
固定的資源についてほ年間時期別に需給満面について細分する必要があるであろう︒例えば欝五表ほ北九州の一農
家の年間時期別の反当労働投下藍である︒採用されている作付体系ほ第四真のⅠすなわち在来の米麦二毛作であ
る︒この表の合計欄を縦に見ていくと︑米麦二毛作の作付体系が選ばれた場合には︑反当労働患ほ五月下旬から六
月一ばいと十月下旬から十一オ二ばいを二つのピ﹂クとして︑年間時期別にかなりの変動を示している︒このこと
は︑この種の作付体系をプロセスとして考えるときに隠前述の単純な場合のように労働投入係数を月当り労働とし
て平均的に処理することができないことを意味するものである︒すなわらこの場合紅ほ少くとも自家労働力という
第5表 布来作付体系に おける反当時期別労働 投下貴
︵註︶ この表は︑磯辺秀俊・三沢嶽郎・渡辺兵力・金沢夏樹共編﹃農兼経営ハンドブックし上
巻pp・結ひーぴ∽∽にあげられている事例にもとづき︑作成したものである︒ 月 叫 l ﹃ 2一3一4 仙 5 叫 6 叫 7 ¶ 8 〜 9 ≠ 10 叫 11 〜 12
二
_
!丁
旬のものとなるのセあって︑この時期の労働ほ見かけ以上に強い生産の制限条件となるかもしれないからである︒
もちろん︑このように自家労働力の∴時期別細分が多くなるはど生産可能領域を決める不等式の制約条件式数ほ多く
なり︑取扱いが困難になる︒しかし︑ピーク労働以外の時期の労働紅かんする制約条件式が有効条件とならないこ
と︑すなわちいくつかの時期の労働ほいつでも過剰となることが予めわかっているならば︑最適生産計画を求める
に当ってこれらを無視することができる訂であって︑後から解の億を無視した条件式に代入してどれだけの労働が
過剰となるかを求めればよいであろう︒
︵2︶ 4.多角経営の場合︒BishOpとTOuSSaintとがととのえた資料から得られる次のようなモデル︑戎いほここで
︵︿J︶ ほとりあげないがへディがととのえた傲種のローテージョンと牛および廓部門からなるモデルなどほ多角経営の場
合と考えることがでせる︒なおこのモデルで濾前項で述べたような点が考慮されて︑労働ほ二カ月ごとに分類され
ていることに注意したい︒/
簿 叢 話 魔霹︵−H−汝−︶
苫■再ト︵でで︶ −古
殿業生産とその階層的構造の分析
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ト⊥ ト⊥
く=〉ト⊥ N⊂〉の⊂〉く〇⊂>
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亡〉ト⊥ のく〇Jゝ⊂〉トJく=〉
笠 らら ○¢の○ト〇○
鼠− ∽−∽N
−00料.〇
Nひの.〇
N血中.〇
︼00A.e
−00A.〇
−↓N叩0
〇.〇
〇.〇
N−の∽ 帝 ︵∽剋︶ NONO
ー1−一の−】−J(刀 N−〕く♪かトJO〇 のく刀Ul⊂〉U t(=)
♪. く=〉N 当 ら㌫
︵闇〇九︶ 二ハ九 始 塾
∽
−∽
くn⊂〉 ⊂>く=〉く=〉⊂〉(=〉⊂〉 ⊂>
︵四仙○︶一七〇 ≠ 第三十二巻 第三・甲五号
5・購入肥料を考慮した場合︒肥料実験などからよくしられているようにヾ他の資源の反当投入巌を固定して反
当肥料投入量を増加し︑ていけば︑収量ほ逓減的に増大していく︒これらをいくつかの反当り肥料投入量について近
似し︑他の諸資源の反当り投入量と合せて凄示するならば︑二些現実的な新しいプロセスを定義できるであろう︒
この肥料が購入肥料である場合︑三つの処理方法を考えることができる︒欝ヤほ各プロセスの嘩位当り純収入な封
算するときに肥料代を控除して算出し︑投入係数めうちにほ購入肥料係数を明示的に含めないやり方である︒第二
ほ購入肥料資金として割当てられた貨幣額を固定的資源の中に加え︑購入肥料係数を反当購入肥料代として金頗表
示して投入係数の劃つに含めるやり方である︒一これほ肥料代が今年度の収入の中からでほなくて前年度の収入の中
から支払われるような場合に適切であろう︒もをろん前項の多角経営のモデルにみられるように︑他の現金支出と
劇括して現金支出係数を算定し︑利用可能な貨幣額も持して固定的資源に加えることもでき︑またその方が簡単
であろう︒第三は投入係数の申に購入肥料係数を物的表示でもっノて含めることにし︑新たに肥料購入プロセスを
︵?⁚01亭:○︶︑と定義してこれを加え︑更に固定的資源ベクトルの購入肥料に対応する要素をゼロと置くやり方で
ある︒いま第三番目の要素を購入肥料︑また第nエ番目のプロセスを肥料購入プロセスとするならば︑制約条件
式は次のようになるであろう︒
この中で購入肥料にかんする制約条件式ほ
a讐㌣+⁝⁚・・⁚+a冨㌢1㌢+−m〇
という形をしているが︑書きあらためると ー⁝⁝⁚・− O a讐=⁚=a旨 O a讐:⁚:aぎーー ぎ︸:⁝・a富 ○
\、_一/
a芦ざ十⁚⁚⁚⁝十a㌢㌻m㌣互
となるから︑少くとも計画された生産に必要なだげの肥料は購入しなけれほならないという簡単な事実の表明で
あることがわかる︒また目的函数ほr㌣−を購入肥料の価格とするならばN=r−㌣十⁝⁚・・∵十rし㌻−r茸−㌢+−となるで
あろう︒
︵1︶ ローテージョンのばあいの線型計画についてほ︑形式的な分析としてHi−dretFand Reiter︹ほ︺︑および具体例として例
えばHeady and Cand−err17︺Chap.Aを参照︒本文の三年ローテーションと四年ローデージョンの例ほヘディによった︒
︵2︶ BishOp and TO亡議蒜aint︹14︺P・−び∽・
︵3︶ HeadyandCandler︹17︺P●−−N︐
三 農業生産の階層的構造
農業生産め階層的構造の分析にあたってほ二つの観点からする分析を結合しなければならない︒餞∵の観点ほ商
業化の程度の問題であり︑第二の観点ほ固定的資源の所有鼠とその相対的比率の相異が︑所与の技術ならびに価格
体系のもとにおいて︑どのような諸特徴を各階層に与えることになるかという問題である︒盛栄生産者たちの行跡
を︑合理的行動として把握するこキすなわち合理性の仮定をおく点セほ伝統的農業生産琴論も線型計画法にもと
づく生産理論も同じであり︑また最大化ぜるべき目的が農業の場合忙ほ二般的にいって工業部門のように利潤でほ
なく︑利潤︑賃金︑地代等を未分離のままに含んだ純所得或いは粗所得であると仮定する方が妥当であることも変
りほない︒第二節で述べた各種のモデルの目的函数もすべてこのような目的函数を前提したものであった︒ただし注
意しなけれはならないの/ほ︑経済的行動における合理性ほ︑資本主義の生成発展と不可分離のものであり︑農業生
産者たちの行動を合理性の仮定のもとに把握するこ・とほ少くとむ商業的農業の発展む前提することに等しい︒とこ
︵四〟一︶ 山七山 農業生産とその階層的構造の分析
︵四一︶ 山七二 第三十二巻 第三・四・五号
ろが実際には農業生産ほ完全に商業化されているわけでほなく︑山般に経営耕地面積が少い農家はど商業化の程度
︵総生産額のうち市場で販売される額の占める割合で測って︶ほ小さい︒例えば︑次に引用した第六表ほ経営耕地
広狭別にみた商業化の程度を示す表であるが︑この傾向を読みとることができるであろう︵販売額の総生産額に占
める割合ほはっきりつかめないが︶︒ただし︑この表で自給農業とほ農産物販売額が二万円未満のもの︑半商品生産
農業とほそれが二−一〇万円のもの︑また商品生産農業とほそれがナ○万円以上のものと定義され︑更にこのうち
那表欝叢貿讐埜欝忍覧畠謂蓋㌍織別
半面品生産農業ほ窮迫販売的な性格をもつものであるかもしれないことが
指摘されている︒そこでまず仮定的に自給農業生産︑半商業的農業生産︑
および商業的農業生産の線型計画モデルを作り︑自給部分の存在が最適生
産計画にどのような影響を及ぼすかをみることにしよう︒
1・自給︑半商業的︑および商業的農業生産の線型計画モデル ー 自給
生産の影響の問題︒最初に自給農業生産のモデルを考えるが︑これ目体は
決して第六表にみられるような現実の自給農業の在り方を説明しようとす
るものでほなく︑以下のモデルのための単なる知的演習であるにすぎな
い︒さて次のようなデータ一にもとづくモデルを作ってみよう︒
苛謡凄け 昏昏
ロト審連
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I I ︵締酔ヽq長嶺︶ ︵議場ヽ口付如︶ 茫 ヽ′ 涼 浮
a旭︼ a臨場 a怜ひ
C︼−1C︼匝 −C︼¢
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源鼻
・・ニ==ニー−
最初の三つのプロセスほ生産プロセスであり︑最後の二つのプロセスほ消琴ロセス︑・すなわち効用二軍位を生む
ところの作物AとBの最の二つの代替的な組合等ある︒線型計画のモギしルになおせは︑次のような孟求める問
題となる︒ mbl ざ+ y竿 ぎ Ⅸ♂柏 a望もこ+a諾㌢号a琵㌢ゆ
−Cござ−C−怜㌢匝−C︼℃蒜+c−か㌢軒十clさ馴1トロ
−C誓ざーC琵㌢岨−C琵㌢竿c芝㌢か十c柏研ぎ1卜〇
・−=・一日ニ・一∵=・ごニ・J・コ
㊦伊けdu=㌢か+㌢餌−1ma舛
これほ所与の固定的資源疋ある土地と労働︑所与の技術︑および所与の噂好のもとで効用の極大を図るというモデ
ルであって︑第三番目と第四番目の不等式ほ消謝鼠ほ生産畳を超過することができないことを意味し︑また目的函
数uほ総効用の指標である︒このモデルほマッコーワ・1がロビンソン・クルソー的竪経済のモデルとして作った
︵1︶ ものを簡単にしたものである︒現実の自給農業が単なるクルソー的孤立経済ではなく︑仝経済体系のオペレーショ
ンの帰結として︑例えば過剰労働力の存在形態との関連のもとに把握さるべきものであること・ほいうまでもない
が︑このような側面ほ前述のようにここでほとりあげない︒
いま白給農業生産のモデルを修正して次のようなモデルを作ろう︒
農発生産とその階層的構造の分析 ︵四劇三︶ ㌻七三 .︐ ∴Jl
Ⅸ0 −C=㌢−1C︼岨㌢旭−Cl抽㌢ひ+㌢隕
−C讐㌢1−C柏柏㌢柏−C諾㌢抑 +㌢別 人ハ○
ン.︼!lP㌢忙障っ一言=ニ一︑′†‖ユー言!lコ
㊦伊けdN=r≠㌢か+r℃品=ヨa招
これほ所与の固定的資源である土地と労働︑所与の技術と所与の価格体系︵㍉と持とほこの場合作物AとBとの
価格を表わす︶のもとで総収入芸極大を図るという商業的農業生産のモデルである︒第三番目と第四番呂の不等
式ほ販売還ほ生産巌を撃えてほならないという制約条件である︒第二節の諸モデル︑例えばもっとも簡単なモデル
ク との相異ほ︑販売プロセスを明示的にとり入れた点だけである︒
次のモデルほこの商業的農業生産モデルの固定的資源の制限を簑わすところのベクトル︵b−b誉︶を変更して
︵b−bN王bむーbしとおいたものである︒ すなわち 滞三十二巻 第三・四・五号
硲ゝ二瀕曹 ︵僻掛ヽ口付ゝ︶ ︵滞鉦≠□薄ゝ︶
汚 二詩宗卜滋H 昏昏
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′ 左 ヽ O 占7 ご 居 − I I
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︵四則四︶⁝七四
n爪ふ︼ ざ十 ㌢蛤十 ざ Ⅸ・サ鳩 a慧ざ+a琵㌢旭十a笠㌢00
−C︼lざーCl旭㌢旭−C−℃忘+yかⅨ−b加
−C望ざーC琵㌢蛤−C誌㌢ひ+㌢禁m−b−
ご巨P︑′ド⁚一l〇一ご∵旨ン・l㌧﹂・言=b
8針けdN=葺ざ+r研㌢馴=ma粥
ここでbとhとぎの農業生産者の作物Aと作物Bとにかんする自給必要量と定義するならば︑このモデル墨商
業的ないし半自給的農業生産モデルと差すことができるであろう︒なぜなら︑このモデルの第三番目と第四番目
の不等式ほ
ヱ↑ざ+c一−柏㌢柑+cl00㌢001b00l′㌢舟
c慧ざ十c旭蛤㌢柏十c慧;品・⊥F打℃ご
と誓改められるから︑商業的モデルの場合のように単に販歪ほ蓋雷撃えてほならないという意味でほな
く︑生霊から自給必警雷差引いた販売可能鼠な超えては販売できないこと憲味する制約条件であって︑蓋 ヽ
最︑自家消費哀︑および販売最の関係を明示的にふくん望デルといえるからである︒所謂窮迫販売と鱒bとh〆
を減らして販売可静畳を増やすことに帰着するであろうが︑このような側面の分析にはここでの問題の範囲な超え
た他の諸要因の考慮を必要とするであろう︒
さて自給必要部分の存在が商業的活動にどのような影響を及ぼすかを簡単な数字例誓って⁝ことにしょう︒
商業的農業生産モデルとして次のごとく想定する︒
農業生産とその階層的構造の分析 ︵四一五︶一七五
㌢︸け○;t旭け〇.㌢コけO
Bふ∴てd・N=叩ソ品⊥・㌢払=ma舛
すなわち︑この農業生産者ほ固定的資源として土地を三反︑月当り自家労働力空五〇時間もっており︑技術的可
能性としてほ反当り月労働五〇時間を投下して作物Aを二単位生産す鳥プロセスと反当り月労働二〇時間を投下し
て作物Bを三単位生産するプロセスがある︒また作物Aの価格ほ三万円︑Bの価格ほ山万円であると仮定する︒解 を求めると
㌣¶∴∵二計=∴−計=エ∵=ざ=−○
である︒すなわち︑第忘プロセスを三単位実行して作物A空ハ単位生産し︑これをすべて販売して最大収益仙八
万円を抵得する︒またそのとき土地と労働とほ完全に利用される︒
次にこのモデルに自給必要鼠として作物A四単位と作物B二単位を導入し︑半商業的モデルを作ろう︒ 第三十二巻 第三・四・五骨
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︵四仙六︶一七六
このモデルの解ほ ㌻∴・㌣㌻・㌃=
︵2︶ である︒すなわち︑第副プロセスを二・七単位実行して作物Aを五・三単位生産する︒そのうち四単位は自家消費
し︑残りの山・三単位を販売して︵貨幣︶収入四万円を獲得する︒また作物Bほ一単位生産してすべて自家消費す
る︒自給部分を価格で評価すれば二三万円で︑貨幣収入四万円と合せれば評価総収入ほ仙七万円となり︑商業的な
場合よりも少ない︒また労働力は前払異っ
に起ったものであるが︑自給部分の存在ほ市場の諸条件によって決孝る諸作物の比較有利性を十分に利用すること
を妨げるものだといえるであろう︒すなわち︑前述の単商業的農業生産モデルの解ほ次のように二段に分けて解い
ても同じことになる︒まず自給必要量だけほどうしても生産しなければならないが︑これにほ第一のプロセスを二
単位と第二のプロセスを○︒三単位実行しなければならない︒この場合固定的資源である土地と労働との各絵使用
盈ほそれぞれ二′・三反と一〇七時間となる︒これら自給生産に撮むけられるべき資源量を総存在量三反および︑一五
〇時間から差引けば土地〇・七反と労働四三時間とが残る︒この残余がまさに商業的生産のために利用可能な固定
的資源量なのであって︑これらの減少せしめられた資源量について商業的農業生産モデルを解き︑その解と前の自
給生産のための各プロセスの実行水準とを総合すれば全体としての解がえられるのである︒このように単商業的な
農業生産においては︑自給関係資源を除いた残余資源についてほじめて市場における諸作物の比較有利性を淳受し
うるにすぎない︒固定的資源の全体量にかんしてこれを革受しうる商業的生産と較べて︑他の条件が等しいのに総収
入において劣るのほこのためである︒このようにして︑自給部分の相対的割合が汲少すればするはど所与の固定的
︵四仙七︶ 仙七七 農業生産とその階層的構造の分析
︵讐八︶一七八 第三十二巻 第手四孟号 資源からケみだされる価値ほ大となっていくであろう︒農業生産の階層佐を規定する要因としてまずこの点が考慮
されなければならない︒
︵S︶ 2・虚業生産の隊屈性の技術的側面︒農業生産の階層性の技術的な側面の分析に移ることにしよう︒普通に採用
される農業瞳産の階層的分類の尺度は経営耕地面積であるが︑これは統計的測定が比較的容易であることに加えて︑
所得水準︑労働生産性︑資本集約度その他の階層的特徴づけの複合的指標の変化が経営研地面積の変化とはぼ比例
し︑対応関係をもっているからである︒戦後日本農巣紅かんする各種の統計資料から得られる農業生産の技術的側
面の特徴ほ︑経営耕地面積の大小との関連のもと風まとめるならばほぼ次のようになるであろう︒すなわち︑経営
耕地面積が大となるにつれて︑闇反当り従巣者数ほ小さくなる︒㈲反当り年間投下労働時間ほ小さくなる︒㈲従業 ︵ 4︶ 者ス当り年間労働時間ほ大きくなる︒㈲従業者ス当り資本額ほ大きくなる︒㈲反当り農業所得ほ大きくなる
これらの諸特徴を所与の薗定的資源︑所与の技術的可能性および所与の価格体系のもとでの農業生産者たちの最
適化行動の帰結として把握しょうというのがここでの課題である︒まず︑すべての農業生産者にとって利用可能な
技術Aほ三つの部分的技術丸︑戯︑および鶴かむなるものと考えよう︒すなわち
A=︹A−A匝A乙
㌢讐﹂れらの部分的技術の諸特徴ほ第七表の仮設的数字紅よって表わされるようなものであるとしよう︒固定的資
源のうち労働Ⅰと労働Ⅱとほそれぞれ時期を異にする労働であり︑農機具Ⅰと農機具Ⅱとほタイプを異にする農機
具である︒Al︑毎および鶴はとも紅二つのプロセスからなるが︑これらの一対ほ労働をより多く投下するならば
作物の収量ほ若干大きくなるということ以外の基本的な相異ほない︒基本的相異ほむしろAl︑戯︑および戯の間に
ある︒すなわちAほ土地と労働とのみを用いて単一の作物Aを生産するところのいわば﹁原初的段階﹂の技術から
分的技術の特性であると仮定している︒また反当り産出量のうちAlと裁とほ作物Aにかんしては大して変化がな
く︑戯のプロセスの単位水準での収入が恥のそれらよりも大であるのは主として作物Bの導入の結果であること︑
他方鶴のプロセスの単位水準での収入が鶴のそれらよりも大であるのほ両作物の反当り収量が全面的に︵例えば高
度機械化による深耕効果などによって︶増大する結果であること︑このような点が表の申の仮設的数字によって表
わされていることに注意されたい︒
次に経営階層を経営耕地面積の大小紅かんして三つのグループ紅分類し︑各グループの各固定的資源の所有状況
が第八表のように特徴づけられるものと仮定しょう︒この表の中には︑前述の実態的諸特徴のうち経営耕地面積が
鹿共生産とその階層的構造の分析 ︵四一九︶一七九
第7襲 投入係数
なる︒戯は農磯臭Ⅰを使用することによって労働てが節約され︑この労働
節約によって作物A以外に作物Bを年間作付体系の中に組入れることがで
︵う︶ きるようになったところの所謂﹁集約化段階﹂の技術を表わしている︒労
働Ⅱの係数が正の値をとっているのほ作物Bの生産によって新たに第二期
の労傲紀要が発生したことを示し︑また労働Ⅰの係数の値ほ機械化による
労働節約と作物Bの生産軋よる労働需要増加との複合的結果と解さるべき
︵6︶ である︒イ鶴は所謂﹁粗放化段階﹂の技術であって︑裁との相異ほ劃層高度
の機械化を行うこと︑すなわち農機具Ⅱを使用すること︑によっ.て労働Ⅰ
と労働Ⅱとがいずれも節約されるという状況を表わしている︒なお︑各プ
ロセスの係数のうち労働Ⅰと労働Ⅱとの合計は可能な反当り総労働時間を
表わすが︑これが如から鶴へと進むにしたがって減少していくことも各部 ∴﹂
整 量 ご
重 屋 壷
行動の諸帰結を表わすものである︒われわれが観察しうるのほこのような諸帰籍についてである︒そして仮設的事
例から得られた償○表の諸帰結ほ︑前述の農業生産の階層性の実態的特徴と傾向的にはぼ対応している︒以上の
分析ほこの帰結のよって来る諸原因を明らかにするのに役立つであろう︒すなわち端的にいえば︑固定的資源の所
有状況如何によって利用しうる技術的可能性ほその実僚的利用を妨げられ︑それが農業生産の階層的構造の主な諸
特性を規定するのであるぺ前項で述べセ自給部分の存在ほ商業的活動にまわし得る固定的資源鼠を一層制限するこ
とによって︑この傾向に一層拍車をかけるであろう︒
しかしながら協業生産の階層萬構造の分析ほ決してこれで終るわけでほない︒われわれほ固定的資源の所有状況
の相異をまさ堅剛提して議論せすすめてきた︒しかし山層﹂般的な農業生産の階層分析においては︑固定的資源の
農米生産とその階層的構造の分析 ︵四二†︶ ハ八血
第9家 蔵通告産計画
算10表 階層別投入産出その他諸特性
ープの固定的資源の各便用量
であり︑中段ほ主な諸特性で
あり︑また最下段ほ各資源の
稀少ないし過剰という側面を
表わしている︒
この第一○衰はまさに所与
の技術的可能性と所与の価格
体系および所与の固定的資源
の所有状況のもとでの農業生
産者各グループの収益極大化
︵四二二︶ 山八二 ︑ 第三十二巻 第三・四・五骨
相異こそがLまさに解明牒るべき問題とlなるであろう︒この解明ほ仝経済との関連の庵とに行った農業生産の動態的
分析にまたなけボばならない︒更に農業生産の階層性と潔い関係のある兼業の問題なども勤腰的局面の分析をまっ
︵7︶ てはじめて明らかにしうるものと考えられる︒けれどもそこまでいく前に︑なお︑仙時点における各階層の変化へ
の諸要因を明らかにして︑構造分析自体を一層十分なものとしていく必要があると思われる︒問題のこの側面の分
析紅ほ線型計画法における双対の問題︑すなわら固定的資源の評価の問題︑この適用が若干の貢献を果しうること
ほこの論文の第一節で述べたとおりである︒大川教授の指摘される農業における生産要素の﹁可分性と不可分性﹂
︵9︶ Tこ Ⅵ問題を考慮しながら固定的資源の各限界生産力を屈価するという問題などをふくむこの種の研究についてほ将来
の課題として残すことに七たい︒
︵1︶ MakOWer︹19︺P・会・
︵2︶ このモデルの解を求めるさいにほシンプレックス法の普通のやり方であるスラブク変数のみからなる非負の可能解を出発
点とするやり方ほ使えない︒なぜなら︑このばあい同様のやり方をすると︑すぐわかるように非負の条件に反するからで
ある︒したがって別の可能解から出発しなければならない︒
す 甘 丁 了 7 T
) ) ) ) ) )
農業生産の階層他の技術的側面の重要性についてほ田中駒男︹空から多くの示唆を受けた︒
主として井上竜夫︹1︺の諸統計表および田中駒男︹11︺第三図を利用した︒
甘︶ 沢田収二郎﹁技術進歩の効果分析﹂ ︵大川・川野︹6︺所収︶二〇六貢︒
そういう観点からかつて若干の分析をしたことがある︒拙稿︹4︶参照︒
大川叫司︹5︺劇三五1六貢︒
昭和三四年度﹁経済白書しの各論﹁農巣﹂における野心的な分析ほ異ったアプローチではあるが︑これと関連したものと
いえよう︒企画庁︹8︺二〇七1一〇貰︒
<引用文献>
︹1︺ 井上竜夫﹁農家における就共構造﹂︑過剰就巣研究会﹃過剰就菜研究報告﹂七︒
︹2︺ 磯辺秀俊・三沢嶽郎他編﹃農業経営ハンドブック﹄上巻︑産業図番昭和三二年︒
︹3︺ 稲田献劇 ﹃リニアー・プログラ︑︑\ングの理論と応用﹄︑ダイヤモンド杜昭和三二年︒
︹4︺ 稲毛清春﹁偽装均衡成長と農民の分解﹂︑﹃経済研究﹄欝劇○巻第仙骨︒
︹5︺ 大川一司﹃農業の経済分析﹂訂正増補版︑大明堂昭和一三一年︒
︹6︺ 大川劇司J川野重任編﹃現代農業分析の展望h︑大明堂昭和三三年︒
︹7︺ 武田快走﹃水稲の早期裁培と晩期裁培﹄︑養賢堂昭和三三年︒
︹8︺ 経済企画庁腐﹃昭和三田年度経済自番﹂︑至誠堂昭和三四年︒
︹9︺ 東畑精㌻磯辺秀俊編﹃農巣生産の展開構造﹄︑岩波事店昭和三二年︒
︹10︺ 東畑精一・宇野弘蔵編﹃日本資本主義と農盤≒岩波番店昭和三四年︒
︹11︺ 田中駒男﹁生産性の変化と就業化率﹂︑過剰就巣研究会﹃過剰就業研究報磐﹄九︒
︹12︺ 田中駒男﹁虚業における過剰就業﹂︑﹁早稲田政治経済学雑誌篇竺四六号常州四七号合併号︒
︹13︺ AHen一R.G.D:旨昏旨さ致泣こぎ旨妻訂 LOndOn︸−欝P邦半輿藤・沸認藤瀞節男﹃曹漣覇瑞偵﹄︵砂尋︶一箱窃凰蜘
−ゆ∽¢.
︹14︺ BishOpandT︒u宏ai阜宣言q邑富旨ゝgヽぎ誉邑昏Q牒きC旨負号F宰Y・こ誤∞・
︹15︺ DOrfmannR..倉首ぎ註箋き二ど雷1等叢⊇箋恩g旨誉↓訂Qミミ3ヽ§u Ca−ifOrnia﹀−思−・上/画爾汝普繋ごいヰー・
\□ヽⅧ〃ヾ勺 − せ営盟警邑娘フ寧塾碧一Ⅶ割漆罫添炒︐−浩声
虚莫生産とその階層的構造の分析 ︵四二三︶一八三