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学 位 論 文 題 目 本居宣長旧宅移築保存事業にみる保存理念と手法

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Academic year: 2021

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(様式18号) 「論文博士用」

学 位 論 文 審 査 結 果 の 要 旨

申 請 者 氏 名 矢島 平一

学 位 論 文 題 目 本居宣長旧宅移築保存事業にみる保存理念と手法

主査 ・ 副査

主査 菅原 洋一

副査 浦山 益郎

副査 富岡 義人

副査 浅野 聡

審査結果の要旨

我が国における民家の文化財的な保護は、旧宅としては大正

8

年(1919)公布の史蹟名勝天然紀 念物保存法、建造物としては昭和

25

年公布の文化財保護法によって始まる。矢島平一氏の学位論文 は、以上のような法的制度が未整備の明治

39

年(1906)に設立された鈴屋遺蹟保存会(現鈴屋遺跡 保存会)が、明治

42

年(1909)に行った、本居宣長旧宅の松坂城跡への移築保存事業について、そ の保存理念と手法を検討したものである。矢島氏はこのため、鈴屋遺跡保存会所蔵の『財団法人鈴 屋遺蹟保存会 各種資料集』及び旧宅の建築的実態調査をもとに、①鈴屋遺蹟保存会の保存活動、

②移築工事にみる保存理念、③全体配置計画の手法、④明治及び昭和修理補修工事の手法、⑤遺稿 類保存の手法、について詳細な検討を行っている。

その結果、この移築保存事業が、古社寺保存法の下で先行して行われていた古社寺修理の修復手 法を民家に適用したものであること、古社寺修理でも一般化していない修理工事報告書をいち早く 作成していること、旧宅の保存には当初環境の維持などの配慮がなされる一方で、城跡の維持、保 存に対する配慮は見られないこと、建造物・史蹟・史資料の複合的保存をおこなっていること、を 明らかにし、民家・旧宅の保護制度の未整備期における、移築保存の保存理念、手法を解明した。

以上は、未解明の点が多い建築の文化財的な保護の萌芽期に関する実態の解明を行った信頼性あ る成果として学術的価値を有する。その成果は今日の文化財保護の実践にも有用な知見を提供する ものであり、今後の更なる発展も見込まれる。

審査委員会における発表および質疑も的確であり、関連する科目に関する試験の結果も合格に値 する。

以上から、本学位論文は学位の申請に値するものと判断する。

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