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3.3.1圧縮強度試験

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(1)

平成24年度 修士論文

 セメントペーストの反射電子像の画像解析に 基づくコンクリートの強度推定手法に関する研究

首都大学東京大学院 都市環境科学研究科 建築学域

       11886440船越貴恵        指導教授 橘高義典

(2)

一 目次 一

策1章 序論

1.1研究の背景 1.2研究の目的 1.3本論文の構成

第2章 既往研究

2.1細孔構造と圧縮強度に関する研究

2.2セメントペーストの画像解析に関する研究

第3章 セメント硬化体における強度推定手法の基礎的実験 3.1実験水準および調合計画       H 3.2 供試体の作製      ..

3.3 実験方法      ..

 3.3.1圧縮強度試験      ・.

 3.3.2 細孔径分布測定       ・・

 3.3.3反射電子像観察および画像解析      ・・

3.4実験結果と考察      ..

 3.4.1圧縮強度試験結果および細孔径分布測定結果     ・・

 3.4.2反射電子像観察結果および画像解析結果       ・・

第4章 熱劣化を受けた場合の強度推定手法の基礎的実験

4.1供試体概要       ・ 4.2 実験概要      .  4.2.1加熱方法      .  4.2.2 実験方法      . 4.3 実験結果と考察       .  4.3.1圧縮強度試験および細孔径分布測定結果       ・  4.3.2 供試体観察結果および画像解析結果         ・

・2

・4

・5

・7

・10

・16

・18

・19

・19

・19

・21

・26

・26

・29

・37

・38

・38

・38

・39

・39

・44

(3)

第5章 画像解析による強度推定手法の検討 5.1物理量の設定

5.2各物理量の考察

 5.2.1 セメントペーストの場合  5.2.2 モルタルの場合

5.3 画像解析による強度推定法の提案 5.4 熱劣化を受けた場合の考察

・52

・54

・54

・65

・71

・75

第6章 結論 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …    80

参考文献 謝辞

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …    82

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …    84

付録

(4)

第1章 序論

1.1 1.2 1.3

研究の背景 研究の目的 本論文の構成

(5)

第1章 序論

1.1研究の背景

 現在,構造物をリノベーションやコンバージョンによって長期に供用するという考え方 が主流になっており,改修工事などを行う際,既存構造物の耐久性を適切に評価すること が重要となっている。鉄筋コンクリート造構造物に求められる要求性能の中でも,強度は 構造物の性能を表す最も重要な指標として一般的に用いられており,構造物の基本性能確 認に役立つ。強度測定は,構造物からコア供試体を採取し,圧縮強度試験を行なうことで 評価する場合が多い。この方法が既存構造物に使用されているコンクリートの強度特定に 有効であることは言うまでもないが,構造体の耐力や意匠を大きく損なう場合など,コア 供試体の採取が困難な部位には適用できない。そのような場合に,非破壊検査および微破 壊検査が有効であり様々な手法が検討されている(図一1.1)が,長所だけでなく短所もそ れぞれにあるため,確立された手法は見つかっていない。例えば,現場で特に用いられて いるシュミットハンマー(衝撃弾性波)法を用いる場合には,測定面の凹凸や厚みなどの 影響を受けてしまうことがある。

 次に,コンクリートやモルタルの大部分を占める骨材に対して,セメントペーストの占 める割合は多くはないが,結合材料であるセメントペーストによってコンクリートの物性 が決定される場合は多い。既往研究より,セメントペース中に存在する細孔空隙は数ナノ メートルから数ミリメートルといったサイズのものまで存在し,その特徴は細孔空隙のサ イズによって異なり,強度に影響を及ぼすことが報告されている。これまでに,水銀圧入 法により,コンクリート中の細孔径分布や細孔量を測定することによって細孔構造を評価 し,その値と圧縮強度の相関性が高いことが明らかにされている。しかし,この方法は水 銀を高圧で細孔に押し込むため,その試料が破壊されるという指摘や空隙の連続性によっ て生じるインクボトル効果により細孔を過大評価してしまうといった懸念もある。

 一方,近年では,走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影したコンクリート研磨面の反 射電子像(BEI)に画像解析手法を用い,細孔量の測定を行なう研究報告がなされている。

この方法は,水銀圧入法による細孔測定範囲が0.0031〜100μmなのに対し,O.1〜数10011m であることから,コンクリートの特性に大きく影響を与える粗大な細孔構造に着目するこ

とも可能である。また,BEIによる画像解析手法では,算出した空隙量とPowersの水和モ デルを組み合わせることにより,セメントの水和度が解明され,コンクリートの水セメン

ト比を推定する方法が提案されている。水銀圧入法とBEIは,測定される細孔径の範囲が 大きく異なるだけでなく,測定原理も大きく異なるため直接比較することは適切ではない

とされているが,どちらもコンクリートの特性を判断する上で有効であると考えられる。

 BEIは,画素寸法以下の情報を平均化してしまうため,厳密にセメントペースト構造の各 相の形や大きさを読み取ることはできないが,その情報は画像の濃淡に反映されていると 考えられる。これを利用して得られるヒストグラムからグレーレベルのシフト量を先ほど 述べた水セメント比の推定手法に組み込んだ研究も行われている。このように,BEIから得

(6)

第1章 序論

られる濃淡情報から水セメント比をはじめとする様々な特性を明らかにすることが可能で あると考えられるが,圧縮強度との比較例は見当たらない。

 また,さまざまな環境下に置かれる構造物が劣化する1つの要因として熱影響が挙げら れる。熱影響の中でも火災においては,高温状態でのセメント水和物の脱水反応や熱応力 の局部発生によるコンクリート表面の剥離,または火災によって発生した二酸化炭素の多 量供給による中性化の進行などがある。他にも,硬化熱や太陽熱による熱膨張ひび割れが 起こる。硬化熱によるひび割れは,ダムなどの躯体が分厚い場合,セメントが硬化する際 の水和反応熱の発散効率が悪く,内部と外部(外気)の温度差が大きいことが原因となり 発生する。太陽熱によるひび割れは,夏場の屋外などに南方向の壁面など,一定方向のコ ンクリート表面温度が高くなり膨張するが,両端が固定されているため逆ハの字の斜めひ び割れが生じる。このように熱影響を受けた部分はコア採取試験も難しく,適切に強度判 断できない場合も多い。

第2次【1975年〜】

  ・日祝法   ・放射線法   ・超音波法   ・電磁波法   ・レーダー法   ・^E法

図一1.1微破壊・非破壊検査の変遷

(7)

第1章 序論

1.2研究の目的

 本研究は,セメント硬化体から採取した微小試験体を用いて,走査型電子顕微鏡(SEM)

で取得した反射電子像(BEI)のヒストグラムから得られる情報と圧縮強度の関係を把握し,

コンクリートの強度推定式を提案することを目的とする。また,調合強度を変化させたぺ 一スト,モルタルに加えて加熱劣化の影響を受けた供試体について分析考察する。図一1.2 に本研究の概要を示す。

少量採取試料(モルタル部)から綱訴

因一1.2本研究の概要

(8)

第1章 序論

1.3本論文の構成

本論文は全6章で構成されており、以下に各章の要旨を示す。

 第1章「序論」では、研究の背景として、現在の鉄筋コンクリート構造物の耐久性診断 方法やその問題点、研究の目的について述べた。

 第2章では「既往研究」では、水銀圧入法を用いたコンクリートの強度推定法に関する 研究、セメントペーストのBEIを用いた画像解析に関する研究を行っている既往文献の考 察をした。

 第3章「セメント硬化体における強度推定手法の基礎的実験」では、セメント硬化体の 圧縮強度とBEIの画像解析の基礎的な関係を把握するために、所定科齢まで20℃の標準養 生を行ったセメントペースト、モルタルについて円柱供試体の圧縮強度試験、供試体を粉 砕した5mm以下の試料を用いた細孔径分布測定を行った実験結果をまとめた。また、各辺 2cmの立方体を供試体から切り出し、樹脂含浸後、研磨した試料をSEMで撮影して得られ

るBEIの観察結果をまとめた。全ての水セメント比において材齢を追うごとに圧縮強度は 増加し、細孔量は減少した。それに伴い、細孔部分を水和物が埋めていくためにBEIは全 体的に明るくなる傾向が見られた。

第4章「熱劣化を受けた場合の強度推定手法の基礎的実験」では、コンクリート構造物が 劣化を受けた場合を想定し、100℃〜800℃に加熱されたセメント硬化体について第3章と 同様の実験を行った。温度の上昇に伴い発生するひび割れの影響がBEIや細孔径分布測定 から明確に判断でき、圧縮強度の低下に大きく影響を与えていることがわかった。

第5章「画像解析による強度推定手法の提案」では、コンクリートの強度推定式を検討す るために、第3章のセメントペーストのBEIを画像解析して得られた情報と圧縮強度試験 結果について回帰分析を行い、各値の相関を考察した。相関の高い値を用いて、少量試料 から構造物の強度推定を可能にするコンクリートの強度推定式を検討した。また、実際の 構造物のように骨材が混入されている場合も検討を行い、第3章と第4章で実験を行った モルタルやコンクリートについても考察を行った。

第6章「結論」では、本研究で得られた知見をまとめた。

(9)

第2章 既往研究

2.1細孔構造と圧縮強度に関する研究

2.2セメントペーストの画像解析に関する研究

(10)

第2章 既往研究

2.1細孔構造と圧縮強度に関する研究

空隙構造依存性に基づくコンクリート強度推定法に関する研究   一策1報 圧縮強度と空隙構造の関係一

吉野利幸,鎌田英治,田畑雅幸,柳敏幸:日本建築学会論文報告集,第312号,

PP.9〜16.1982年2月

匿璽 種類の異なるセメントおよび骨材を用いてAE剤の有無,水セメント比を最大5水    準設けて調合したコンクリート供試体を,水中,労かん,乾燥といった3つの養生    方法で作製した。これらの供試体から総細孔量,結合水率,溶解率を測定した。そ    の結果,コンクリートの圧縮強度はその空隙率と相関性を持っていることがわかっ    たが,試料全体の空隙率である総細孔量で表現した場合,圧縮強度との相関関係は    試料中の骨材量,スランプ,骨材種別などの様々な要因の影響を受け,解析困難と    なる。この空隙率を有効細孔量とした場合,総細孔量の場合と比較して圧縮強度と    の対応が優れていることがわかった。しかしその相関性は材齢や養生条件によって    異なり,有効細孔量のみでは圧縮強度を表すことはできない。以上のことから,有    効細孔量を基本とし,中央値,もどり比,結合水率または材齢を加えた4変数によ    ってコンクリートの圧縮強度を表和した場合,強度推定式となりうる実験式を誘導    することが出来た。以下にその式を示す。

1og(助=一0.01092亙乃Pr−0.2345109(ノ脆)一0.7343児θ十1,717肋ト3,294

      (1)

       (R=0,984)

1og(助=一0.00903刀ク=Pr−0.2656109(ノ脆)一0.7598児θ一0.0618/二48θ十3,624       (2)

       (1R=O.981)

ここに,

此:推定強度(kgσcm2)

刀〃γ:有効細孔量(×10■2m1/g);半径32A〜56μm間の細孔量を伽で除した値

〃:溶解率;試料中の硬化セメントペーストの割合 Mる:中央値(A);全体の細孔量の1/2に対応する細孔半径

五θ:もどり比;減圧過程と加圧過程で測定された細孔量の比の値

肋:結合水率;600℃の強熱による減少量を全て結合水量とし,硬化セメントペー   スト中の重量に対する値

λ8θ:材齢(週)

(11)

第2章 既往研究

(1)(2)の式を有効細孔量のみで表すと

      1og(助=一0.01769万ZPγ斗2,832   (R:0,889) (3)

という式が得られ,(3)式からの計算値と実測値を比較したグラフを図2−1に示す。

    棚◎

      ζ竜樹婁nt 1;フP儘

   ぐ △葦蝋燃融泌 、 ⑩

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   三 舳畑海勝重

   種   1・ 。

   種2θ      γ一一。蝋鋤童n滅鮒鮒     嘗       ◎  フ・伽脾     篭      ○ 蝸細搾     馨      g 91佃茅8       ⑫ 鈍58蟹y§

      斗 婁x茅◎8e曇王畿邑iτ

     6

         2書0      403       る書。

       輸k難1銚納 戦工跳(k紅グ㎝2)

図一2.1強度推定式による計算値と実測値の比較

この式は,Knudsenタイプの式(粒径を空隙径としている)となり,実測値との対 応はRyshkewitchの式,Knudsenの式,ゲルスペース比によるによる計算結果より

も優れている。

(12)

第2章 既往研究

細孔空隙構造からのコンクリートの各種特性の形成機構に関する検討 橋田浩:清水建設研究報告,第63号,1996年4月

睡重1水セメント比55%の普通強度コンクリート供試体と水セメント比30%の高強度    コンクリート供試体について,乾燥および養生条件を変え,圧縮強度試験,促進    中性化試験,乾燥収縮試験,細孔空隙量分布測定を行い,それぞれの関係性につ    いてまとめている。今回は,本研究と最も関係の深い,圧縮強度および圧縮強度    と細孔空隙量の関係について抜粋し,以下に示す。

・圧縮強度は,より養生時期の早い段階で乾燥を受けた場合に,低下する傾向が顕 著になる。

・圧縮強度と細孔量の関係性は,普通強度コンクリートの場合,圧縮強度は直径5

〜0.05pmの細孔空隙のうち,主に骨材とセメントペースト界面の遷移帯を形成 する空隙量に依存する。

・高強度コンクリートの場合,遷移帯が形成されないため,全毛細管空隙量(直径5

〜O.004pmの細孔空隙量)に依存する。特に,高強度コンクリートの場合は,遷 移帯が形成されないため細孔量にばらつきが少なく,相関性が高いこともわかっ た。図2−2にそれぞれの有効細孔空隙量と圧縮強度の関係を示す。

W/C(%) 記号 AE剤

55 NAE なし

55 NP あり

30 H あり

28S:28日射かん養生

nDS:材齢n日で含水量調節し,

   その後28日まで労かん養生

嚢鶏

牽」

嚢灘・

書出簿

図一2.2

   1 書虹霧鰯

   姜     1    1      1

       董

       慧嚢鰯灘

   1  1    1  1

饗蓼譲霧嚢簿書簸嚢熟嚢講義/繊柵

有効細孔空隙量と圧縮強度の関係

(13)

第2章 既往研究

2.2セメントペーストの画像解析に関する研究

セメント硬化体内部組織の幾何学的特徴の定量評価

五十嵐心一,米山義広,渡辺暁央:第35回セメント協会論文賞受賞論文,セメント・

コンクリート,No.731.2008年1月

睡憂雪 セメントペーストの反射電子像を用いて2値化した画像から空隙・未水和セメン    トの相を分類し,その距離をテンプレートを用いて測定することで,相の連続性    や大きさを判断している。また,観察倍率の違いについても考察を行っている。

   【条件】①W/C=25,40,60%

       ②観察倍率100,300,500倍(1148×1000画素)で1O枚ずつ

   【画像解析方法】点と線分を使って3つのパターン(S・C・L)で相関関数を求めて        いる。

   図一2.3のように反射電子像に対してテンプレートを用い,図一2.4のように点と線    分の与え方に従って算出する。これを1つの画像で距離rが10000個になるまでテン    プレートを移動させる。

      50岬

図一2.3セメント粒子を抽出した2値化画像とテンプレート       1

C皇≡職㍍):一一・…・・

線分の一端が 粒子上.他端が マトリックス上

     !

…・オ喜㍗ヲ):

 線分全体が  櫨号上(浅:この  擦分はS葦榊(わ

 にも婦賦

r圭{廿くr):

  線分の繭錯   点が粒子上

(14)

第2章 既往研究

 (三)樹齢7日  ◎・3書畑㈱量025

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      室静く州)

図一2.5倍率を変化させたときの 未水和セメント粒子の2点相関関

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(一)籾嶋7目

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0246 8㈹

図一2.6 倍率を変化させたときの    毛細管空隙の2点相関関数

→ ・2点相関関数Sは観察倍率の影響を受けない。

  ・セメント粒子間30〜40μm,毛細管空隙4μmが構造距離と考えられる。

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図一2.7未水和セメント粒子の    2点間直線経路相関関数

〇一2s

o,2◎

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◎,10

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        昏創r〜 醐言

   図一2.8毛細管空隙の      2点間直線経路相関関数

→ ・2点間直線経路関数LによってW/C=25%と60%の間には約2倍の違いが見られる。

  ・材齢の進行に伴い,同じ相(未水和セメント・空隙)の連続性は小さくなる。

(15)

第2章 既往研究

 i.2  1.書

三〇・8 ミα・!

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箏1(WC都1舳㈹1

く紬〆

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        →

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 渥美バ州)

未水和セメント粒子と 毛細管空隙のクロス相関関数

→ ・2点クロス相関関数Cをそれぞれの相の体積率で除したもの = 縦軸 は⊥止位    近で収束する      1 理論上距離にともなう変化が  1

      l       l       .      1

      =小さくなり,相関性がなくなる値  ;

      」 ・ ・・ ・…    一一一・■・一・・一一一.一・・ ・・

   ・材齢の進行&W/Cの増大に伴うセメント水和度の増大は,このグラフから,ク    ロス相関関数の変化として評価が可能。

(16)

第2章 既往研究

グレーレベルのシフト量に着目したセメントペーストの水セメント比の推定

Dang Giang Hoang,五十嵐心一:第64回セメント技術大会講演要旨,PP232〜233.

2010

睡憂ヨBEIにおける画素の濃淡レベルと化合物を構成する物質の平均原子番号の間には非 線形な対応関係が存在する。しかし、セメント硬化体の構成相に対応する平均原子番号の 小さい区間(約0〜20)では、濃淡レベルと平均原子番号の関係はほぼ線形とみなせる。よ ってこの濃淡レベルの分布曲線は各相の正規分布曲線の重ね合わせと判断できる。各構成 相に対して濃淡レベルの累積度数が画像全体の50%になる位置が理論上の平均原子番号に 対応する濃度として決定できる。図一2.10においてIc。皿。。tは約206,Ip。。。は約16であり、

式(1)よりCH袖およびCSH相の中心位置(IcH、、1,IcsH。、t)は約189,162と求められ

る。

       ZCH−Zpore

1CH。。t=lp。。。十(lC.m。。t−lp。。。)

      ZCemenrZpore

      (1)

       ZcsH−Zpore

lCSH。。t=lp。。。十(1C.m。。rlp。。。)

      Zcement−Zpore

:Zはそれぞれの相の平均原子番号

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     二㈱

〉旦,o 翻  ㌧尊鉛、

 ⑰、5

1\     ・1㈱いい細

O.0

50     王⑪⑰    150    2⑪0    250

   濃淡レベル

 図一2.lO ヒストグラム側

 空隙相が画素寸法以下になってしまうとCSHの山に飲み込まれてしまい判断できないた め、CH相の平均番号が一定であることを利用し、CH相の中心位置のシフト量の主な原因 が空隙の含有であると仮定し、空隙率δを含んだ式(2)を作成できる。この式を変形させ て式(3)を作り、空隙率を求める。

(17)

第2章 既往研究

1。。=1。。。e、。・(1一δ)十1。。、、・δ (2)

    1CSH。。t−1CH 1CSH。。t−1CH lCSH。。t=    亀

    ICSH。。t−Ip。。。 lCSH。。t

(3)

 式(3)より得られた空隙率と画像から求められる粗大な毛細管空隙率の和を全毛細管空 隙率とし、全体積からこの全毛細管空隙率と未水和セメント体積率を差し引いた値が水和 反応生成物子体操体積率(ゲル空隙を含む)として求められる。

 よってこれらの値とPowers&Brownyardモデルより初期の水セメント比を求めること

ができる。

(18)

第3車 セメント硬化体における強度推定手法の基礎的実験

3.1 3.2 3.3 3.4

実験水準および調合計画 供試体の作製

実験方法 実験結果と考察

(19)

第3章 セメント硬化体における基礎的実験

3.1実験水準および調合計画

 表一3.1に実験の要因と水準,表一3.2に実験②の砂セメント比の設定,表一3.3に使用 材料を示す。本実験では,セメントペースト供試体(以下,実験①)およびモルタル供 試体(以下,実験②)を作製した。水セメント比は両実験とも25・40・60・80%の4水 準,材齢は実験①は1・3・7・28・91日の5水準,実験②では7・28・91日の3水準とし た。実験②はフロー値が180±5mmと一定になるように砂セメント比(S/C)をそれぞれ 定めた。W/C=60%については,骨材量の影響を検討するためにS/C=2.3を基準に±0.7

したS/C=1.6および3.0を設定した。

表一3.1実験の要因と水準 要因

W/C(%)

材齢(日)

実験①

1, 3, 7, 28, 91

水準

25, 40, 60, 80

実験② 7,28,91

表一3.2実験②砂セメント比の設定

W/C(%) S/C(一)

25 0.3

40 1.2

1.6

60 2.3

3.0

80 3.O

表一3.3使用材料

材料 種類 物性

セメント 研究用普通ポルトランドセメント 密度3.16g/cm・

硅砂(豊浦産) 表彰密度2.62g/cm3

z水率0.75%

増粘剤 高機能特殊増粘剤 i花王ビスコトップ)

アルキルアリルスルホン酸塩,

Aルキルアンモニウム塩

混和剤 高性能AE減水剤. ポリカルボン酸工一テル系化合物

(20)

第3車 セメント硬化体における基礎的実験

 実験①の増粘剤はW/C=80%に用い,水に対して0.5〜5%添加することができ,本実 験では3%加えて粘性を得ることとした。(写真一3.1,3.2)

写真一3.1 増粘剤 写真一3.2増粘剤添加後の様子

表一3.4に実験②の調合およびフロー結果を示す。また,フロー後の写真を載せる。

表一3.4調合およびフロー結果

質量(kg/m3)

W/C

i%)

S/C

i%) セメント 混和剤

フロー値 imm)

25 30 367 1469 441 13.2 181

40 120 341 851 1022 178

230 334 557 1282 176

60 160 393 655 1048 231

300 291 485 1455 111

80 300 354 442 1327 182

写真一3.3W/C・60%・S/C・1.6 写真一3.4W/C・60%・S/C・3.O

(21)

第3章 セメント硬化体における基礎的実験

3.2供試体の作製

 作製は,温度20℃,湿度60%RHの恒温恒温室で行った。練り混ぜには写真一3.5に示す 容量10Lの一軸強制練りモルタルミキサを使用した。実験②の場合はセメント,細骨材をミ キサに投入し空練を30秒間,水を投入し30秒間練混ぜを行い,掻き落し,さらに60秒間練 混ぜを行った。練り混ぜは1バッチにつき5Lとし,型枠に打ち込んだ。高水セメント比の場 合はブリーディング現象がおきやすいため,30分程度練り置きした後,30秒間練り混ぜる

ことを繰り返し,ブリーディングが少なくなってから型枠に打ち込んだ。その後,所定科 齢まで温度20℃の水中養生を行った。なお,供試体の寸法はφ50×100mmとし,各試験条 件4体とし,3体を圧縮強度試験に,1体をBEIと細孔径分布測定に用いた。写真一3.6に水中 養生の様子と作製した供試体を示す。

写真一3.5一軸強制練りモルタルミキサ

写真一3.6水中養生の様子と作製した供試体

(22)

第3章 セメント硬化体における基礎的実験

3.3実験方法 3.3.1圧縮強度試験

 各村齢まで水中養生した供試体は,両面研磨を施し,圧縮強度試験を行った。強度試験 には写真一3.7に示す1000kNアムスラー型試験機を用いた。

写真一3.7圧縮試験機

3.3.2細孔径分布測定

図一3.1に供試体の使用方法を示す。実験②の各条件の1体は図のようにカッターでSEM用 の立方体を切り出した周辺部分をハンマーを用いて2.5〜5mmの大きさに粉砕し,アセトン 浸漬により水和を停止させた後,湿度11%RHのデシゲータ内で1週間乾燥させ,細孔径分 布測定を行った。写真一3.8に粉砕した試料の様子,写真一3.9に乾燥の様子,図一3.2に RH11%の模式図を示す。デシゲータの調湿方法は塩化リチウム飽和溶液により湿分を調節 するRH11%法を用いた。これは,市販の窒素ガス(99.99%程度)を塩化リチウムの入った容 器を通過させた後,デシゲータ内に導入して目的の相対湿度を得る方法である。

ε

oε

50mm       (2cmの立方体)ト

2

言工

→証 細孔径分布測定

(2.5〜5mm)

50mm SEM用(2cmの立方体)

細孔径分布測定用

図一3.1供試体の使用方法

(23)

第3章 セメント硬化体における基礎的実験

写真一3.8粉砕した試料

高真空オイルによる 逆入防止機構

写真一3.9デシゲータ乾燥

調湿糟(デシゲータ〕

試料

富国園

0 6◎

窒素ガス

塩化リチウム十本

図一3.2RH11%の模式図

 図一3.3に水銀圧入法のしくみ,写真一3.1Oに細孔測定に用いた試験機を示す。細孔測 定はマイクロメリディックス自動ポロシメータ(オートポアlV9500シリーズ)を用いて,

水銀圧入法により5.5nm〜50011mの範囲で行った。水銀圧入法とは,試料を濡らさない 性質(接触角が大きい性質)をもつ水銀に圧力をかけ,かける圧力を連続的に大きくする

ことによって,径の大きな細孔から徐々に水銀が入っていくことを利用する。かける圧 力を連続的に大きくしながら,細孔へ入った水銀の容量を測定することで,細孔径の大 きさと細孔量が判定できる方法である。

兜ズ箪試料 細孔

ωkPa〕       1〜228MPal

〔500μm〜〕      一〜5.5nm〕

  図一3.3水銀圧入法のしくみ

写真一3.1O ポロシメータ

(24)

第3章 セメント硬化体における基礎的実験

3.3.3反射電子像観察および画像解析

 図一3.4に試料作製手順,写真一3.11〜3.18までに使用器具および材料を示す。なお,試 料作製およびSEMなどの作業は千葉県佐倉市の太平洋セメント中央研究所で行った。SEM 用の試料は,供試体の中心から2cmカットし,さらにその中心から立方体を切り出した。そ の後アセトン浸漬して水和を停止させ,塩化リチウムを用いて湿度11%R.H.に調湿を行っ た窒素ガス環境のデシゲータ内で1週間以上乾燥させた。乾燥を終えた立方体は,エポキシ 樹脂に含浸,硬化させ,研磨剤を用いて面出しを行なった。次に,研磨面を再含浸させ,

丁寧に研磨した。その後,カーボン蒸着を行い,SEMの観察試料とした。

樹脂含浸 試験体の半分まで樹脂を入れ、泡が出なくなるまで真空引きする。

残り半分も加えて真空引きを行い、樹脂を浸透させる。

研磨①

再含浸

研磨紙排100で余分な部分を削り、排150→400→800まで面出しを行う。

研磨粉使用時は、潤滑油を使用。

研磨粉の除去にはプロパノールを用い、超音波洗浄機を使用する。

   フコバノールを飛ばす

樹脂含漫と同様に研磨面に樹脂をのせる。

研磨② #800で面出しを行し\枯1000で丁寧に研磨する。

その後ダイヤモンドスラリーで6→3→1→α25μmまで研磨を行う。

フ菱ハノールを飛ばす

蒸着 SEMでは試料が電気を帯びてしまうため、力一ボンを蒸着する。

図一3.4試料作製手順

(25)

第3章 セメント硬化体における基礎的実験

写真一3.11 使用樹脂・硬化剤 写真一3.12 樹脂含浸の様子

写真一3.13超音波洗浄機 写真一3.14研磨板(研磨粉・スラリー用)

写真一3.15研磨粉 写真一3.16 ダイヤモンドスラリー

(26)

第3章 セメント硬化体における基礎的実験

写真一3.17研磨後試料とSEM用試料台の様子 写真一3.18蒸着装置

 走査型電子顕微鏡(SEM)は写真一3.19に示すJSM−7001Fのサーマル電界放出形走査電 子顕微鏡を使用した。図一3.5にSEMの仕組みを示す。SEMは入射した電子が試料に当た

り放出されるさまざまな電子を読み取ることによって,試料表面を観察や分析できる。そ のため,今回は試料であるセメントペーストやモルタルの組成について調べ,強度と比較 するため反射電子を用いて研究を進めることとした。

 SEMの設定は,加速電圧15.0kV,観察倍率250倍でセメントペースト研磨面のBEIを撮 影した。撮影を始める前にカーボンとアルミで基準値を合わせ,コントラストとブライト ネスを設定し,BEI情報が毎回一定となるようにした。1つの立方体に対して,それぞれの 倍率で実験①では5枚,実験②では骨材の影響を受け,ばらつきが生じると予想して10枚の 画像を取り込み,画像解析を行なった。1枚の画像は,960×1280ピクセルからなり,観察 視野に関しては約344×480μmである。

       電子ビーム       反射電子

へ     グヅ

写真一3.19走査型電子顕微鏡

 オージェ電子  カソード 河ルミネッセンス

二次電子

     .

       一 .・吸収電子

 透過電子

図一3.5SEMの仕組み

(27)

第3章 セメント硬化体における基礎的実験

 表一3.5にセメントペーストの化合物の平均原子番号,図一3.6に反射電子像の仕組み,

図一3.7にヒストグラムの読み取り例,図一3.8に2値化画像の例を示す。取得した画像は,

画像解析ソフトを用いてノイズ除去のために平滑化フィルター処理を1回行い,輝度で表 示されるヒストグラムを読み取った。このヒストグラムは,試料に電子ビームが照射され て発生する反射電子がそれぞれの原子番号効果を持っており,重元素ほど明るく表示され る。セメントペーストを構成する物質は化合物のため,それぞれの平均原子番号に対応し た明るさで表示される。硬化セメントペースト中では,大きく4つの山に分かれ,細孔空 隙が黒色,C−S−Hが暗灰色,水酸化カルシウムが明灰色,未水和セメントが白色で観測さ れる。また,それぞれを区切る閾値はそれぞれの谷部分とし,この谷が明確でない場合は 画像を2値化し,観察者の目視により判断した。

表一3.5化合物の平均原子番号

化合物 平均原子番号

C2S 12.29

C3S 12.67

C3A 12.18

C4AF 13.22

工ドリンカイト 5.26

モノサルフェート 6.08

CSH 7.1〜8.2

細孔空隙 0

      反射電子        4        ! 電子ビーム !

     刊      !      !     !

\/

重元素ほど反射電子の数が多くなる       ↓   鰍揖、,.、」川

図一3.6BElの仕組み

(28)

第3車 セメント硬化体における基礎的実験

空隙   \

水酸化カルシウム

1反応生成物≡

1(C−S−Hなど)1

未水和 セメント

0 255

輝度値(一)

図一3.7 ヒストグラムの読み取り例

(a〕オリジナル ω2値化画像

図一3.8 水酸化ガルシウムー未水和セメント間の2値化画像        (白色:未水和セメント)

(29)

第3章 セメント硬化体における基礎的実験

3.4実験結果と考察

3.4.1圧縮強度試験結果および細孔径分布測定結果

 図一3.9に実験①セメントペーストの圧縮強度試験結果,図一3.10に実験②モルタルの圧 縮強度試験結果を示す。材齢が進むごとに強度は増加している様子がうかがえる。モルタ ルのW/C=60%・S/C=3.0のものは,フロー値が低かったように施工性が悪く,強度発現に 影響を及ぼしたと考えられる。

エ40

機。

ぐエ◎01≡

ε

3、 80 翻60

出40  20

      !     曲ダ

…美一一一   …一一一…   一      一

声  一一。醐一

  ∠一、}一、一、上一_______帖一_______ _一、一、_______一_、

二r        _州州w一州舳洲舳曲

▲   バベ鈴M鞘舳  駅パ

91

  W(1(%)

斗25

・寺40

一心一6◎

蛸奉書滞80

28

材齢(蟹)

図一3.9実験①の圧縮強度試験結果

ε

2

160 140 120 100 80

ξ0

40 20

最ン夏劣鮒鮒孤洲洲w

9{

Wκ(%)一S/C(一〕

今2S寺側

一馬S,6◎一1.6 一姫一 60−2.3

ヰ60山3。◎

ヰ8◎

28

材輸(目)

図一3.lO実験②の圧縮強度試験結果

(30)

第3章 セメント硬化体における基礎的実験

 図一3.11に実験②モルタルの材齢7日細孔径分布測定結果,図一3.12に材齢91日の結果を 示す。ここで,W!C=40%以上のセメント硬化体の場合,その強度は骨材とセメントペース

トとの境界面にできる50nm以上の粗大径からなる遷移帯の影響が支配的であるとされる。

また,5000nm以上の空隙はエントレインドエアーと考えられる。そのため,本研究で用い る細孔量は,直径50〜5000nmの範囲を対象とした。全体的に材齢が進むと細孔量が減って おり,材齢7日の段階でW/C=25%は細孔量が少ないことがわかる。また,W/C=60%・S/C=3.0 は他のS/C=1.6および2.3と比較しても500nm以上の細孔が多いことがわかり,圧縮強度の 低下に影響を及ぼしていることがわかる。

{6

ε 8

三4

 2

0

 轟      い∴、,

 差茎

〆描レ      ㌧,{

\一,

 へ伽由㌔

      500      5000     空練直径1n剛

図一3.l1材齢7日細孔径分布測定結果

一25%一1

・1■一一40%一1  −60%一i.6一ユ

㎜60%一213−1 蜆60%一3.0−1

一一榊榊W0%一1

50

ミ6

ε

二4

 2

哨弧、  ψ砂\、

      500       5000      空障直径1nm1

図一3.12材齢91日細孔径分布測定結果

馬25%一1

−40%一1

一一物一U0%一1.6_1

■60%一2,3−1 凹60%一310−1  ・80%一1

50

(31)

第3車 セメント硬化体における基礎的実験

 図一3.13に圧縮強度と総細孔量の関係を示す。相関関係は優れており,細孔量の増加に 伴い圧縮強度が低下していることから,BEIでも空隙部分の減少に伴い画像全体が明るくな ることが予想される。

150

モ100

ξ 出50

0

 ・

  ●

     ●

         R2:0,899

.・...・・.・..・・●.. 一一.1一_… …・・.一.・・1・・・・… .・・・・・・・・・・・・… 一一一一一…

      ④⑳⑧    ◎⑧ ●●   ⑧⑧        ●         ⑳

O,02     0,04     0,06     0,08     0,1

50〜5000nmの総細孔量(x1σ3mV創 図一3.13圧縮強度と総細孔量の関係

W/C(%)一S/q一)

 ●25  ●40

 ⑧60−1.6  960−2.3  ◎60−3.0

 ●80

0

(32)

第3章 セメント硬化体における基礎的実験

3.4.2反射電子像観察結果および画像解析結果

 図一3.14に実験①セメントペーストのBEI,表一3.6に水和率の計算結果を示す。比較す ると,目視の段階においても,材齢が進行するに伴いC−S−Hや水酸化カルシウムといった水 和物が多く形成され,未水和セメントおよび空隙が少なくなっているため,画像全体が明 灰色になっていくことが分かる。特に,W/C=40,60,80%はその変化が顕著であり,空隙 部分の減少する様子が観察できる。W/C=25%については,材齢1日のときに見られた空隙 面積が材齢91日において小さくなったが,未水和セメント部分の面積があまり変化してい ないため,画像全体の輝度も変化しない印象を受けた。また,未水和セメントの面積比か

らわかる水和率からも材齢が進むと水和物が形成されていることがわかる。

       材齢(日)

       1      3      7      28     91

 O

( マ

o

8

図一3.14実験①セメントペーストのBE1 表一3.6BElから計算した水和率

W℃ 材齢 水和率 W℃ 材齢 水和率

(%) (日) (%) (%) (日) (%)

1 50.4 1 79.4

3 49.1 3 79.7

25 7 53.4 60 7 84.5

28 56.3 28 87.9

91 53.2 91 92.0

1 67.5 1 83.6

3 71.9 3 87.9

40 7 77.4 80 7 90.8

28 83.3 28 95.17

91 87.6 91 95.09

(33)

第3章 セメント硬化体における基礎的実験

 図一3.15に実験②モルタルのBEIを示す。セメントペーストと同様に,材齢が進むほど空 隙部分に水和物が構成されていく様子がわかる。また,骨材が多いS/C:3.0のW/C=60%と 80%は骨材間の距離が狭いため,ぺ一スト部分が充填できずに材齢91日の段階でも空隙が 多い。観察倍率が250倍のため,1枚に含まれる骨材の量がS/Cに比例していることがわかる。

また,骨材の周りに遷移帯があるため圧縮強度の低下に影響していると思われ,骨材が多 いほど圧縮強度の低下が考えられる。

      材齢(日)

         7      28         91

l o

o   p

  Oω

  ○

O

\   oo

  ぺ

  O  o

(34)

第3車セメント硬化体における基礎的実験

 図一3.16に実験①セメントペーストのBEIから得られたヒストグラムを示す。縦軸の頻度 は,BEIの画素数全体に対する各輝度値の度合いである。このヒストグラムから,材齢が進 むほどC−S−Hのピークが右にシフトしていることがわかる。高水セメント比ではその動きが 少ないが,すべての水セメント比でC−S−Hの頻度の増加が見られる。また,空隙部分を示す ピークが低水セメント比60・80%の材齢初期では見られるが,その後はピークが見らえな いため,観察倍率250倍では捉えきれない大きさの空隙になったと考えられる。しかし,BEI は画素数以下のものを平均化するため,ピークとしてはグラフから判別できないが,輝度 値に影響を与えていると考えらえる。

0.04

W!C:25%

0.03

)0.02

0.01

㎜㎜P日

.一・R日

  7日

㎜続28日

…脇№P日

0

0 50        100       150

       輝度(一)

200    250

0.04

W1C・40%

0.03

)0.02

O.01

㎜㎜P日

・一・R日   7日

□28日

脇鰍脇⊥箔

0 050100150200250      輝度(一)

 図一3.16(1〕実験①セメントペーストのヒストグラム

(35)

第3章 セメント硬化体における基礎的実験

0.04

W!C=60%

0,03

I

)0.02

0.01

0

■1日

・一■3日 7日

。28日

鰯鰍鰍 №P日

0     50 100    150 200    250

輝度(一)

O.04

W1C380%

0.03

1

)0.02

0.01

0

.1日 一3日

順一.Q8日

鰍徽燃 №P日

0     50 100     150 200     250 卸度(一)

図一3.16(2〕 実験①セメントペーストのヒストグラム

(36)

第3章 セメント硬化体における基礎的実験

 図一3.17に骨材除去前後のBEIおよびヒストグラムを示す。今回の実験で用いた細骨材は 豊浦産硅砂であり,物性試験からその径は100μm以上が約99%を占めているため,BEI上 の目視で確認できる塊が骨材と考えられる。除去前のヒストグラムと比較してみると実験

①では見られなかった輝度100付近に水和物の山とは異なる山が発現しており,これが骨材 を示していると確認した。この骨材を有したままのBEIからは情報を読み取りにくいため,

Photoshopを用いて骨材除去したぺ一スト部分のヒストグラムを観察した。

    ヤ

     い  ⇒  へ

     へ

      、

._ノ

      \        1

       i        i        ㌧        、㌧

     図一3.17 骨材除去前後のBElおよびヒストグラム

 図一3.18に実験②モルタルの骨材除去後のBEIのヒストグラムを示す。実験①と同様材齢 の進行に伴い,C−S−Hのピーク位置を示す輝度と頻度の値が増加している様子がわかる。こ の結果,モルタルの場合もぺ一スト部分を観察対象とすることで強度推定できると推測で きる。また,実験①のヒストグラムと比較して未水和セメント部分のピークがあまり見ら れないことがわかる。これは,既往研究にもあるように20011m以下の骨材が混入されるこ

とにより水和が促進されることがわかっている。そのため,本実験においても水和が促進 され未水和セメント部分が少なくなっていると思われる。加えて,除去しきれなかった骨 材部分の影響を受け,全体的に暗い画像となっていると考えられ,ヒストグラムも横幅が 広い水和物の山が観察できる。

(37)

第3章 セメント硬化体における基礎的実験

0.05

O.04

(0.03 蜴O.02

O.01

0

W1C:25%

0 50 100   150 200   250

一7d

.28d

91d

調度(一)

O.05

O.04

(0.03 概0.02

0.01

0

W1C:40%

0    50 100   150 200   250

・一・7d

一28d

一91d

輝度(一)

O.05

0.04

(O.03 囑0.02

O.01

0

\、

W1C:60%

S1C4.6

0    50 100   150 200   250

一7d 一28d

一g1d

調度(一)

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