Complimentary Closeの用法について
その他のタイトル Actual and Proper Uses of Complimentary Closes in Present‑Day English Business Letters
著者 中間 敬弌
雑誌名 關西大學商學論集
巻 26
号 5
ページ 566‑603
発行年 1981‑12‑25
URL http://hdl.handle.net/10112/00020857
Complimentary Closeの 用法について
中 間 敬 犬
は じ め に
(1)
拙稿の「英語商業通信文の ComplimentaryCloseに関する一考察」にお いて Yoursfaithfullyとか Yoursvery trulyあるいは Verytruly yours 等の結辞 (ComplimentaryClose)における yoursの本質とは何か, Very truly yoursにおいて副詞の verytrulyを yoursの前に置くということ にはどういう意味があるのか,また Sincerelyyoursの yoursが省略され た単なる Sincerelyという結辞の効用は何なのか,という結辞の基本的なこ
とについて考察を行った。
本稿ではこれらの結辞に関する基本的な考察に基づいて, yoursにfaith‑ fully, truly, sincerely, cordially, respectfullyの副詞が付いた結辞の
それぞれの実際の用法について考察し,われわれが英語の商業通信文を作成 する場合の新しい用法の指針を求めたい。
最初に, yoursにfaithfully,truly, sincerely, cordially, respectfully という副詞が付いた結辞のそれぞれが英国と米国では用法の点でどのように 考えられているかを知るために,イギリスとアメリカの英語商業通信文の教 本やビジネス・コミュニケーションに関する専門書の結辞に関する記述を基
(2)
礎に既述の拙稿で作成した表を挙げ,同表に基づいて考察を進めることにし たい。
(1) 「関西大学商学論集」第26巻第4号(昭和56年10月) pp.21‑46。
(2)以下,本文並びに注における拙稿とは注(1)の小論を指す。
Complimentary Closeの用法について(中間) (567)17
I Yours faithfully
表 ー1(イギリス)から明白なように,同表に挙げた13冊の著者の全員が
(3)
礼 辞 (Salutation)を DearSir,"あるいは DearSirs, "にした場合の適 当な結辞として Yoursfaithfullyを挙げている。表ー2 (アメリカ)では 全部の著者がイギリスの Yours faithfullyに相当する適当な結辞として Yours very trulyとVerytruly yoursを挙げており, faithfullyの付い
た結辞もその一つに挙げている著者は3人しかいない。
このことから,現代の通信文においてはイギリスでは礼辞を Dear Sir, (3) "Dear Sirs,'は拙稿(注(1)参照)の注(2)で詳述したように, 通信文が会社や
団体にあてられている場合(主として英国系)に用いられるが, 単数の Dear Sir,"(または米国系の場合の Dear Sir:)は礼辞の上方に位置する inside address(受信者名,住所)の受信者名が人名ではなく, 会社, 団体などに所属 する個人の肩書になっている場合に用いられることが多い。 Fry(1967,pp. 43‑
60)から DearSir,"の場合の受信者名の例を挙げると TheContracts Man‑
ager, The Secretary, The Sales Manager, The Manager, The Chief Buyer, Th̲e Buyer, The Office Manager, The Export Manager等がある。また,
イギリスでは insideaddressに人名が受信者名として挙げられていても受信者 に面識がない場合には礼辞をアメリカのようにDearMr—,としないで Dear Sir,とする場合 (Fry, 1967, p.192)がある。面識のない人に DearMr—.
とするのはなれなれしくぶしつけであるという意識が働くのであろう (Elliot, 1979, pp. 122‑123)。しかし,保守的なイギリスでも個人あての通信文ではたと えお互いに面識がない場合でも DearMrー一, という形式ばらない礼辞を使う のが硯代の傾向になってきていると言えよう。 その場合の結辞は Yoursfaith‑ fully'とYours sincerelyがある。 さらに, 主として英国に見られる inside addressにおいて J.Smith, Esq. (Fry, 1967, p. 316)のように・Esq.(あるい はEsq)を使う場合も, Esq (= Es(luire) という語のもつ本質から考えて礼辞 は当然 DearSir,にするのがふつうであると考えられるが,堅苦しくない礼辞 を使う現代の傾向に合わせてか, DearMtーー,とする場合 (Kingand Cree, 1979, p.152)もある。この場合の結辞も YoursfaithfullyとYourssincerely が考えられよう。しかし, Esqという語は現代の新しい言語感覚に合わなくなっ てきているのでその使用頻度は低くなってきているし,使われる場合も堅苦しい 形式を重んじる officialletterあるいはそれに準じるものに限られるであろう。
l 2 Comp I imentary
『i
Closes(結辞)
[
寅 名 l
(・行者名) 頁(出版年)
1 E .. /j,A 岬 A••ri四
゜
OB匹i•99•Leuers(Eckerslq叫 1‑1 kauf匹
pp."缶 (1951)
2 c●疇●9rcialCor『9叩 止999&
゜
oc.胃霞99ci•IE暉lisk 2‑1 (Xelson)
pp.53‑51 (1962) 3 E呵'hG,呻••,,C●● .. ,iii ..
゜
ST匹 如i四co,r)re止 ●99(Pink and 3‑1 p.297 (1963) 4 The Pocket Book •IBu9枷"
゜
C9rres”叫証•(Bl•山佃rn) . 4‑I p.lO (I!165J 5 M....1 •I C..霞erci•I
゜
C99999押—•(F,y) 5‑1
p.7 (1967) 6 C,.,...icali,● hBusi砒I•
゜
S (Little)
pp.I條lll8 (1910)
7(凸Mal9i•油r)for珈i 酋
p.祁 (1911) 8 (MGoaとrilsB•si••s• L•Ilers
゜
S id,)
p.22 (1974) 9 Wrill..Co● ● 呵ic●Ii..for
゜
O Bhess SI叫9●IS
s (P" and H叫叫 p.150 (19i5) IO B匹i"’”LeII'”f•rAII
゜
0 (Natemp, 11,・is andHaberfeIIner) p.8 (I!177) II Bmi..,• LeII9『S
゜
0 (EIHoり
△
pp.I氾—I公 0979) 1O2 E(K喧i喧 '叫hB9C9reei) s Leuers
p. 7 (19l9) ゜
13 A Guide I• KIIer IVrilin,r
゜
S (Th,叩叫
pp.24‑25 (l!!IIO)
A Clos;暉としている^
第 26 巻 第 5 号 表ー1(イギリス)
3 4 5 6 7 8
`ら呈旦:
3< □i‘~ ゞ."三.., i,.,.3.,., 疇
̀ [ 巨<
< 5 I ` :, 畷 ~ i
≪ t < l l
゜
2‑2
゜ ゜
3‑2 3‑3
゜ ゜
7‑3 7‑3
8‑1
゜ ゜
9‑1 9‑1
函
゜ 晶
晶 晶
, 10 II 12 13 ピi
し
[: I i日" ぎ
しl ヽi .l .g 0. < ・9 • ..g! . •
l
゜ ゜
1‑2 1‑2
゜
2‑3
゜ 品
3‑‑1
゜
6図
゜
7‑2
゜
゜
゜ 必.
゜ 必
゜
゜
O CoCoSummbsppcBlrimmimeennitataonr,rとy ・ Cl..eとしている。
s pt している。他に4はformof closure, 5はClose,7はComplimentaryF渾ling,8はCompliment●ryCl .. ure, 13は 14
l 固
Complimentary Closeの用法について(中間) (569)19
15 ]6
"
姜g 己Ii│ ' " 百;
19 20 21 22 *表の中の Ofll を fJ• した結辞ば抒'打が使用を勧めているものである。
ロ自
u:
姜< 3< • ピì [ ヽ ..[ .
ゞi 己 し.i ー= ・ I 、: "邑 I
i
しi〜巴く・ > >
注 (0し印た。をた付しだたし緒髯本辞稿につのい考て察の上著必者要のな記場述合をに要限約っしたて。、) あるいは原文のまま記
1‑1. ほとんどの英組通は文は'DearSirs'で始まるが、その場合に最もひんば んに使われる結辞は'¥¥'e>er'YeamnourM risn r, • IYaLoi叩uthrgfus'llfあyaるi'tでhいfあuはllる・y。"』'kWac I are, Yours faith .. 1‑2. ful礼ly辞あ(るSaいluは<a簡<iヽ9単nsに)をした・I 合Lo、nとg•しとてしいた場合。
2‑1. 礼 辞 をDea:tSir, Dea:t Madam, Dear Sir3にした埠 しるが`
Dear Sir.,に対応するDa'nr‑Mei.:rlamesの場合もありうる。
22‑‑23., 礼礼辞辞をを辞MDeをyar cSleMiar.r r . ‑ ‑ ・ GSeirrd,, Dlc~¢maII e TdMeairssM ー叫にaしmた,M場9介(i。r shsにした場合。
2→と 他に:トし をSir., erItlcmerI. MI 叫Iyamih • Mesdrmifls/こした場合の結辞として Your obedient servantを(Ui,;uu Government or official corre‑
釘mnclenr.e)として沖げている..また、official letteISの正式な結辞としてI
゜
3‑9己・缶ば芸蕊臨品芯五菩柔己蕊え笠忌芹召名#五烹室缶玄温辛紐宗;;訊五唸尋匹翌と五が翠零き砿でなご゜ぃば后.•竿i :翌:
3‑2.
゜ 3‑4. 3‑3,
5図
認万ヰけ王よ翌溢出字どば,,芍ば戸王:芯ば匹;盆芯琴琴•累既9o9ぷ•迄M•‘ヽ兵詈翌子げ忠#あるお字翠店い9ぢ,寄.笠匹芦正•1•認•屈::••?ぢ-墨ご、『•ぷ9→心、出’芦乙.0益牙ほ苓しだ; う
1
晶 5‑1. 6‑1. ルなものにしている。しまい通に侶は文このの潤形子式をもよふりつ親うしにみなのりあ澤現在の優位を失な うことになろう。7‑1. J)ear Sir/ Madnmの場介、としているが、DearSirsもあ当る然(入p.れ54る)。べきで ある。もちろん`DearSirsに対してはDearMesdamesも
8‑2 77‑‑23.• Deお互arいMのrOO.J係onがesあ.まDeりn隅r人,Jo的neでs,なDいea場r合RoにbeYれouのrs場s合in。cercb• の代りに時 々使われる。
四.心寄--邸•茫9芯ヽの一鱗ぶ一年`̲茄9年9笞,9こ―●t‑紅げごらば9砂れMて話派い栞―のる.小,為で‑9芯,曹云.‑1nむ咄こ芯とわして芯れ、た9霊が•澁だ-C ‑翌9‑9● ‑ 8‑1.
8‑2.
9‑1. •Dear Sir'に対くらしてかは・Yoursfatあitるh場full合yや•が相最手もtふつうの結辞であるが、
おに使互わいれのる問。にい の親密さ力 こ栽しみを表したい場合
証1·,よ字柔~う<二-窃●•~ごら..::な.念Yい = 姦oもirと寄z名諏士だ#認ャ雰・蕊↓ば;;;:::ヽ点•治9ぶ●●^ 、;芯芦不=芦ぷ占忠';;.:芸唸ぢぢ}こ猛古三閤=沿よ品ば.=芸翌、i栞 姦 茎つやz翌: :
10‑2 11‑2
11‑1
ll‑2. . .h(ua古礼l'Ylyeoく辞'upあrかaがsる加らs'い叫Dのmebは友a/or c•u人YtSsoにeoiurはr,srloa'faSあnt・s,9iるhnuaeiloいny●nd'rは(en"t/You•o ,Dowあuaaerdるaslar esいyfasSsはii,terahr '叫fuEのdoeell場mg9yrが'合erほe時iのt.eど々組dYoふ使辞●uつxわr9tェsiうnれ・cでテYるteoio。はsuprmなescい9faf•)itihlで‑
゜ 13‑1. l12l‑‑1 3 あl•oenr lるy。'M r Smith'の礼辞には商業通信文や公式の通l yf3文の場合でも 'Yours sincerely'あるtヽは'Yours tru)y*が続くぺきである。
s;gnfog‑o/1 phraseとしているc
I 2 Cli皿ntary
日!
足<
Closes(結辞)
< 眉!!.
書 名 ì<
(著者名)
頁(出版年)
I S細 血nl贔 o((IVatson)
゜゜
o L,1,.rWril徊
pp.7‑438 (1暉,1958) 2珈s虹"却 i瓜i11AcI畑 O(T.....ler皿ILipman)
p.38 (19S7) 3 TにK",.&Ij止KI' OWril属
pp.ll‑12, (l!lli6) 4 E((,oti..r面 而mi叩i而 血
゜゜
〇 珈i..u(A町閾『9ndWoIO pp.磁 笠 (I!167) 5 玩(StewaII蛉rt.forLa珈曲a..枷. .r.xl , 1磁 2
△ Zimmer) pp.S7‑59 (1968) 6珈 枷'r佃 而mirn1i"'
o (Devlin)
pp.121‑12&μIM (I韓)
O7 珈S岬i“1•(RL軒e1呵1erHW皿『iiIi喧RudmMa.,n,). 7匂
p.31 (1968) 8 T加Bl..Boa.Io(Wf珈ieneir.) . 99
△ Le11er WriI臼
p.17 (I!1611) 9 B“●9i1加畑‘•(JWan,isUia喝叫, S
o Dr..sner) p.32 (1972)
o 10 E(r,1(9e99el9"'ii .llfrnlln9f而•f杞9. rr (p.M1,38曲 ・ndp.,k)
(I四 II PIPe.mC.t ..W 細..verW,叫il徊R. 0 (P.C. G.I~..氾r)
p.43 0977) O12BW匹,紺加喧,,皿(Jan"is)nInIlll9llirnri9頃泣
p.記 (1978) 0 l3 B•i ..匹枷畑. . (BWroriwnl檎叫叫ReCid.).....
pp.'l1‑28 (I匂9) 0 CompCompll imentary Clo..としている。
△ ;mentary Clos;喧I:している。
表ー2 (アメリカ)
3 4 5 6 7 8
呈ヽ り巨e
q 手 . ベg ヨ 団ヽ: 己i g
ゞI <;5 ;' l i < 5 i 亀i~
'゜5 <
゜I~1 ゜゜
, 2 2
,
i 日
i
゜
Correc9 mnp1imenmy closes are:
゜ ゜ ゜3‑3
゜ , ,
゜
10
[ ` ゜5
0,
,
゜,
4‑1
Theclos ..m ..in I 畑comim..o.n.l y mu臼 珊 炉sed
町e:
゜゜゜゜
5‑1
゜ ゜゜ ゜
゜~● ゜ 盈 畠
゜ ゜゜~ ゜゜
゜゜ ゜
9‑1 '9→1 9‑2
゜゜゜゜
10‑1
゜ ゜゜゜゜
゜゜゜゜
12‑1 12‑1
゜ ゜゜゜゜
11 12 13 14
こUi ) 『g g i I I l l
゜
9Less ' l•rmaI
゜
゜゜゜
゜゜
゜ ゜
゜
品
゜
゜
゜
゜ ゜