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図画工作科

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Academic year: 2021

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図画工作科 納得がいくまで表現し、自らの造形感覚を豊かにする

子どもたちは、これまでの生活経験や造形体験において、実際に目で見たり、手に触れたり、道具 を操作したりする中で、その子ならではの造形感覚を培っている。造形感覚とは、その子の造形に対

しての見方や感じ方、発想の仕方や表し方(創造的技能)である。

子どもたちは、教材に出会うと、その子ならではの造形感覚から「〜に見えるな(感じるな)」「何 ができそうか」「どう表そうか」とイメージする。自分の内にある夢や憧れ、興味や想像、経験や思 い出といったものと絡めながらイメージを具体化し、「こんなことをしてみたい」「こんなものを作り たい(描きたい)」と思いをいだく。この思いがその子を突き動かすことになる。 子どもたちは、

材料の特性や可能性を探っ、たり、技術・技法を確かめたりしながら、常に自分の造形感覚と向き合い、

どのように表していくのかを考えて表現していく。自分の表現を思い通りだと感じれば、思いを強め、

さらに表し方を工夫しようと新たな技術・技法を求めて動き出したり、発想を広げ、それまでにはな い表し方を取り入れたりする。一方、思うように表すことができないと感じ、思い悩むこともある。

「なぜ思うようにできないのか」「思いに合った表し方にはどんな方法があるのか」「どんな材料を使 えばいいのか」と、自分がしたいこととできることとを見つめ、思いを強めたり、発想を広げたりし ながら自分の思いに合った表し方を探っていく。このように、子どもたちは表現することそのものに 没頭していく中で、創造的技能の幅を広げ、表現していくことの楽しさを味わっていく。

子どもたちは、こうした一連の造形活動を友達とかかわり合いながら行っている。直接かかわり合 うことだけでなく、言葉はなくとも友達の表現や存在そのものが互いを刺激し合うこともある。自分 の表現にこだわり追究する子どもたちは、友達の表現に出会い、自分とは違う色や形、発想の仕方な どに魅力を感じると、「自分には発想できない表現だ」「本当はこんな表現をしたいのかもしれない」

と、自分の造形感覚を揺さぶられ、今一度自分の表現を見っめていく。時には、納得がいくまで取り 組む友達の姿に、「自分はこの表現で納得できるのか」と自らに問うこともある。あくまでも自分の 表現にこだわろうとするのか。それとも、悩みながらも友達の表し方を自分の表現に取り込もうとし ていくのか。まったく違う表現を模索していくのか。自分の思いと表し方との間を行き来しながら、

本当に自分が表現したいことを見つめ直し、「自分はこうしたいんだ」と思いを強めたり、「こんな表 現もいいな」と思いを広げたりしながら納得がいくまで表現していく。

子どもの表現は、目に見える色や形、姿だけを言うのではない。表現には、その子の内にある心の もとめるもの(夢や願望、想像など)が込められている。今のその子の心のあり様(感情や心情)が にじみ出てくることもある。子どもたちは、こうした思いを色や形として具体的に表しながら、自分 自身を表現しているのである。

教師がその子の表現を感じとらえていくとは、その子の性格や人柄、今の心のあり様などその子を まるごととらえていくということだ。そのうえで、その子が今どんな表現にこだわっているのかを見 取り、どの表現、どんな発想や技術・技法に出会うことで、思いを強めたり広げたりしていけるのか

を構想し、関わっていく。その子の表現に対して、友達や教師の客観的な見方をあえてぶっけること もある。大切なのは、その関わりがその子の思いにまで迫ることだ。なぜなら、その子が「自分は何 を表現したいのか」と思いに立ち返った時、その子は、表現に込めた思いや、表現に映し出された自 分自身を見っめ、その子ならではの造形感覚で自らの納得を揺さぶっていると考えるからだ。

自らの表現と対峠し、自分にしかできない表現を求め、納得がいくまで表現していく。この時、そ の子の造形感覚は広がりと厚みを増し、研ぎ澄まされ、豊かになっていく。ここに、図画工作科にお ける学びがある。その子が自らの造形感覚を豊かにしていくことは、その子自身が豊かになっていく ことだと信じている。

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