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(1)

学位研究 第

2

号 平成

6

年1

2

月 ( 研究 ノー ト/資料)

〔 学位授与横棒研究紀要〕

英 国高等教育品質評議会

(HEQC)

単位累積互換 ( CAT) 発展 プ ロジ ェク ト報告 書

『 変化 の選択一高等教育 における参加の機会, 選択,流動性の拡大』

‑ 内容の紹介及び 「 報告書概要」全訳‑

HigherEducationQualityCouncil(HEQC)

,

TheReportoftheCreditAccumulation andTransfer(CAT) DevelopmentProject,ChoosingtoChange.・Extending Access,

ChoiceandMobility inHz'gherEducation

,

Noteson theReportandJapaneseTranslationofitsSummaryReport

,

ExecutiveStatementand Summary

MariIXE

ResearchinAcademicDegrees

,

No.2 (December

,

1994)ltheessay/material] TheJournalofNationalInstitutionforAcademicDegrees

(2)
(3)

英 国高等教育品質評議会

(HEQC)

単位累積互換 ( CAT) 発展 プ ロジ ェク ト報 告書

『変化 の選択一高等教育 におけ る参加 の機会, 選択,流動性 の拡大

‑ 内容の紹介及び 「 報告書概要」全訳‑

リ*

は じ め に

英国の高等教育に お い て は,

1980

年代後半以降,単位累積互換

(CreditAccumulation and Transfer:CAT)

の制度化 とその実行がめ ざま しく進展 して きている。近年, こ うした

CAT

の現 状 とその問題点お よび今後 の展望を探 ることを 目的 として,英国高等教育品質評議会

(HigherEdu‑

cation Quality Council:HEQC)

の下で,

CAT

発展 プロジェク ト」が実施 された。そ して,

1994

4

月には本 プロジェク トの報告書が発表 されている。 これは, 『 変化 の選択一高等教育にお ける参加の機会,選択,流動性 の拡大

(Choosing io Change.・Extending Access

,Cho

ice and MobilityinH2'gherEducation)

と題す る 360 京に も及ぶ膨大 なものである。 また,この報告書 の 概要を説明す る 『 実施声 明及び概要

(ExecutiveStatementandSummary)』(

16

貢)が,別冊で 刊行 されている。本 プロジェク トは,その報告書の規模か らもわか るよ うに大がか りな ものであ り, その結果 としての報告書は,英国の

CAT

の動 向お よび今後 の発展方向を知 るためには格好の資料 である。

ここでは,本報告書の内容を紹介す るとともに 『 実施声明及び概要』 の全文を翻訳す る。英国の 高等教育における

CAT

は比較的新 しい ものであ り,未だ発展の途上にある。そ して,

1980

年代後 半に本格的に始 まる英国の高等教育制度改革の,中核部分をなす もの とも評価 され よ う。他方,戟 が国において も 「 大学改革」 の枠組みの中で近年,大学 の科 目履修生制度や学位授与機構に よる学 士の学位授与等 の,単位累積互換 の発想に基づ く新 しい試みがなされつつある。 したが って,英国 における

CAT

の現状,問題点お よびそれへの対応策は今後 の我が国の高等教育制度 のあ り方を考 えるにあた って参考 となるはずである。

なお, 『 実施声明及び概要 』 の翻訳 の刊行は

HEQC

の許可

(1994

12

2

日)を得 てなされた ものであ り,翻訳原文の著作権は学位授与機構に属す るものであるO

* 学位授与機構審査研究部助教授

‑ 83‑

(4)

内容の紹介

以下では,本報告書の内容を, 本 プロジェク トの経緯 ( 主に本報告書第

1

部に対応す る), 英 国 の高等教育におけ る

CAT

の歴史 ( 主に本報告書第

2

部に対応す る),今 日 の

CAT

の特徴 ( 主に 本報告書第 2 部 と第 3 部の一部分に対応す る), および今後 の課題 ( 本報告書第 3 部に対応す る) とい う四つに分けて紹介す る。 ここでは とくに, 『 実施声明及び概要』では直接触れ られていない 事柄で,現在 の

CAT

を理解す るために不可欠だ と思われ るものについて,重点的に補足す る。 し たが って,内容の紹介 と 「 報告書概要」 の双方を参照すれば,おお よその本報告書の大要,すなわ ち英国の高等教育における

CAT

の動向お よび今後の展望は,概観で きるはずである.

なお,原則 として本報告書の詳細な出典箇所は挙げない。ただ し,補足的に参照 した文献は,若 干の ものをその都度本文中の括弧で示す ことにす る。

1 ⅡEQC CAT

発展プロジ ェク ト実施の経緯及びその成果

(1)

本プ ロジ ェク トの起源および 日的

本 プロジェク トは,

CAT

を さらに推進 してい くために

1991

年,オ ックスフォー ドで開催 された 関係者間での会議

(

「壁のない学習

(LeaningwithoutWalls)

会議) の後,教育省お よび雇用省 が全英学位授与評議会

(Counilfor NationalAcademic Awards:CNAA)

( 後には

HEQC)

に 対 してその実施を要請 した ことに由来す る。本 プロジェク トの 目的は,進行 しつつある英国の高等 教育における変化 の中で単位制度が もつ可能性を探 ることであった。 その背後には,単位を基礎 と す る学習を英国の高等お よび継続教育の基本的な特徴 として確立す るとい う,英国の高等教育政策 における将来 目標が存在す る。 これは,高等教育への参加の機会を拡大 し,個 々の学生 の選択を拡 張 していこ うとい う,英国の長期的な国家政策にそ った もので もあった。

(HEQC

,Updat

eI

N

ews from theH2'gherEducation Quality Council

,No.

1(Nov・1993)

,

.p.6

,

No.2(Mar.1994)

,

p.3

&

No.3(dug.1994)

,

p.2)

(2)

本プ ロジ ェク トの範囲及び方法

本 プロジェク トが扱 う範囲は,全国的な単位 の枠組みの創設,品質保証のための制度,教育機関 の運営のための制度,資金管理に関す る制度,国際交流,単位制度が学問のあ り方や高等教育検閲 の文化に与える影響等,広範囲に及ぶ。 さらに,個 々の教育機関内部,高等教育機関相互の間,高 等 お よび継続教育棟関の間,高等教育 と職業教育 との間,国家間等での学生の流動性 と交流を促進 す るための手段について も,考察が加え られている。 この ように,本 プロジェク トは様 々な角度か ら,高等教育における

CAT

のあ り方を扱 う包括的な ものである。そ して,後に述べ るような過去 30 年間の英国高等教育における改革論議に,単位制度 の確立 とい う観点か ら貴重な検討材料を提供 す るべ く期待 された ものであった。

(HEQC

,

Ibid)

本 プロジェク トの実施は, リバ プール ・ジ ョソ ・ムーア大学の D. ロバー トソソ教授に委託 され た。 このプロジェク トには,極めて多 くの関係簸関,団体 お よび個人が様 々な形で関与 し,約

1

‑ 84‑

(5)

半 の年 月が費 や された。

(3)

本 プ E 3ジ ェク トの成果‑ 『変化の選択一 高等教育 にお け る参加の機会 , 選択 , 流動性の拡 大』

こ うした

CAT

に関す る大規模 な調査研究 の結果 として ま とめ られた報告書 は,全体 で

3

15

章 よ り構成 され てい る。 そ して,様 々な事柄 に関す る

104

に も及 ぶ勧告 を含 む。報告書全体 の構 成 の 詳細 は,以下 の よ うで あ る。

第 1部 本 プ ロジェク トの方法 と範 囲 第 Ⅰ 章 序論

章 検討事項 第 Ⅲ 章 方法論 的 な側面 第

章 調査 の範 囲

第 2部 今 日まで の政 策 と進歩 につ いての再検討 第

章 政策環境

第 Ⅵ章 進歩 につ いての再 検討 第Ⅶ章 単位 の互換

3

部 よ り一層 の進歩 のため の提 言 を支 える分 析 第

章 単位 につ いて の理解

第 Ⅸ章 単位 の枠組 み 第 Ⅹ 章 品質保証 第 X l 章 財政 と柔軟性

第 Ⅶ 章 柔軟性 を達成す る こ と 第雅 章 学生 を ガイ ドす るこ と 第ⅩⅣ章 国際的 な互換

第 Ⅹ Ⅴ 章 単位文化

第 4部 文献 目録及 び情報 源 に関す る付録

本報告書 は本 プ pジ ェク トの ダイ レクターであ る ロバ ー トソソ教授 の見解 で あ り,必ず しも

HE QC

の立場 を表 明す るものではない。 しか し,その意義 は

HEQC

や教育省等 か らも高 く評価 され てい るO また,そ こで提 出 され た勧告 は重要 な検討課題 として,現在 ,

HEQC

のイ ニシアチ ブの 下 で教育故関や関係諸機 関お よび団体 との間で の協 議が進 め られ てい る。 こ うした協 議 の結果 は,

1995

年初 めに報 告 され る予定 とな ってい る。

2

英 国の高等教育 にお ける

CAT

の発展の歴史

(1)

は じめに

英国 の高等教育 におけ る

CAT

は,米 国の大学 におけ る単位制度 をそ のモデル とす る。 そ して,

‑ 85‑

(6)

そ の発 展 の歴 史 は前 史を含めて,過去

30

年 間に及 ぶ。

その

30

年 の歴 史 は,大 き く

3

つ の時期 に分 け られ る。 第 Ⅰ 期 は,

CAT

が英 国 の高等教育改革に とって有効 な手段 として提 案 され,導入が本格的 に検討 され る よ うに な るまで の時期

(1963182)

で ある。 第

期 は,

CNAA

の下 で

CAT

が本格 的 に導 入 され.多 くの教育棟 関 の間で実施 ない し そ のための準備 が整 った時期

(198311991)

で あ るb そ して,第 Ⅱ 期 は,解体 された

CNAA

に代 わ って

, HEQC

の下 で

CAT

の意義 が ます ます強調 され ,そ の将来 のあ り方が議論 され る よ うに な って きた時期

(1992‑)

で あ る。

なお,

CAT

に関す る政府 の政策 は,必ず しも常 に明確 な ものでは なか った。 そ して, この こと が教育機 関の側 での積極 的 なそ の導入 を阻害 し, その結果

CAT

の発 展 の速度 は必ず しも一定 では なか った といわれ る。 しか し,近年 , と りわ け

1980

年代後半 以降 の政府 白書や 閣僚 の答弁 に も現わ れ てい る よ うに,政府 は 明確 に

CAT

の展開を積極 的に支持 してい る。 これは,教育省 のみ な らず 雇用や産業政策 を担 当す る雇用省や貿易産業省 に も共通す る立場 で あ る。 また,雇用者 とそ の代表 団体や職業 団体 も一般 に,

CAT

の利 点 につ いて横極的 に認 めてい る。 と くに,職業 団体 の近年 の 柔軟 な姿勢は,かつて と比べ て変化 が見 られ る点 で ある。 さ らに,学生 の団体 も同様 で あ る。 こ う して,今 日

CAT

の発 展は様 々な社会的 レベルで支持 され てお り,そ の推進 のための環境 は整 って きてい る とい え よ う。

以下 では,前述 した

3

つ の発 展 の各段 階を概観 す る。

(2)

第 Ⅰ 期

(1963‑82)

学 生 の選択 の拡大 お よび柔軟性 の増大 の重要性 を強調 し,最初 に モ ジ ュラー方式 お よび単位互換 の導入 を提案 した のは

, 1963

年 に提 出 された ロビンズ報告書

(Robbins

,

LordR

e

portoftheCom‑

mitteeon HL'gher Education

,

Command2154

,

HMSO)

で あ ったO この報 告書 の影響 は

1960

年 代 に始 まる 2つ の動 きを とお して, しだ いに一 つ の方向を形 作 ってい くこ ととな った。 そ の一 つは,

1969

年 のオ ープ ン ・ユ ニバ ー シテ ィ

(OU)

の創設 であ る。 これ は, モ ジュラー方式 お よび単位互 換 の導入,過去 の学 習 の認定 ,中間学位 の授与 ,学生 ガイ ダソスの提供 ,認定証 明書 の 発 行 等,

「開かれた参加」 を推進 す るため の英 国 内で の最初 の高等教 育検 閲で あ った. そ して も う一 つは,

1960

年代以降 のい くつか の大学 に よるモ ジ ュラー方式 の採用

(1969

年代 には ロン ドン大学 で,

1970

年代初 めにはい くつか のポ リテ クニ クで,

1970

年代後半 にはその他 の教育機 関で) で あ る。

こ うした

2

つ の動 きは

, 1970

年代 の高等 教育 改革 に関す る一連 の政府 白書,委員 会報告 ,お よび そ の他 の報告書 (た とえば,

1972

年 の高等教育 自書

(TheWhitPaper

,

Educationl aframework forexpa72Sion

,

1972)

,

1973

年 の成人教育 に関す る ラ ッセル報告書

(Russel

l ,

AdultEducationIA Plan for Development

,

1973)

,

1977

年 のオ ー クス委員会

('Oaks'Committee)

,お よび

1979

年 の トイネ報告書

(Toyne

,

EducationalC71editTransferlfeasibilitystudy

,

DepartmentofEduca tionand Science

,

1979)

)

に引 き継 がれ てい くこととな った。 これ らの文 書 では,単位互換 お

よびそれに関す る包括 的なデ ータベ ースの作成や , モ ジ ュラー方式 の寮極 的な導入 の重 要性 が,繰

り返 し述 べ られ ていた ので あ る。

(7)

(3)

II

(1983‑1991)

1980

年代半ば以降,そ うした動 きは,多 くの高等教育棟閑でのモジュラー方式 の採用お よび単位 互換の実施ない しそのための制度 の整備 とい う形で本格化 した0

1984

年には高等教育機関の資金団 体が,継続教育のよ り一層 の発展について真剣 に検討を始めた。

さらに,同年,

CNAA

が ロン ドンにある諸大学お よび

OU

と連携 して, ロン ドン地域における

5

年間の

CAT

に関す るパイ ロッ ト計画を提案 したのである。 この提案をめ ぐって関係者間で活発 な議論が交 され, その結果

1986

年 には.

CNAA

の下での

CAT

制度

(CAT Scheme:CATS)

(なお,

CNAA CATS

については,安原義仁 「 英国学位授与審議会に よる単位累積互換制度‑ そ の理念 と仕組み ‑」

IDE

現代の高等教育

326

(1991

7

月)

43

貢以下に,紹介がある。 )が 発足 したO こ うして,

CAT

それ 自体 の導入については個 々の教育機関の具体的な判断に任せ,教 育機関間の単位互換は原則 として複数の教育機関や雇用者,職業団体等 の関連諸団体相互の協定や 連合

(̀consortium')

を基礎 とす る,そ して

CNAA

はその調整を任務 とす るとい う,今 日の

CAT

の原形が整 ったO また,

CAT

の実施 レベルは通常 の大学教育

3

年間 (スコッ トラン ドの場合は

4

年間)の学部 レベルお よび大学院の修士 レベルの二つ とし,数字に よる単位 の換算をその方法 とす るとい う,技術的な制度 も確立 したのである。

そ して,

1980

年代初めに創設 された単位互換に関す る包括的なデータベースである教育相談及び 単位互換情報サ ービス

(EducationalCounsellingandCreditTransferlnfomation Service:EC CTIS)

ち,

1980

年代半ば以降広 く普及 して

CD‑ROM

化 され,積極的に活用 され るよ うにな った。

さらに,様 々な関連団体や高等教育に関す る多 くの報告書において も,

CAT

は広 く支持 されたの である。

こ うして,

CAT

1991

年 までに,

OU

のみならず殆 どの大学や カ レッジ, また多 くの企業や職 +

業団体を巻 き込む形で普及 していった。 ここでは と りわけ,

CNAA

の法律上 の学位授与権 とい う 特殊な性格に支 え られた

CATS

の果た した役割は,積極的に評価 されな くてはな らないOなお,

CATS

の果た した最大の機能は,雇用者や職業団体が提供す る多 くの訓練課程を,

CNA

A に よる その晶質 の評価を とお して高等教育の次元に と りこむ ことがで きた 点 で あ る。

CATS

の中で も

CNA

A 中央登録 自体は,それほ ど活発に利用 された とはいえないのである。 しか し

,CNA

A に も 限界があったO この時期の後半にな って時折指摘 され るようになった,全国的かつ包括的な単位 の 枠組みの設定の妥当性をめ ぐる問題には,十分に対応で きなか ったのである。

(4)

(1992

‑)

1992

年以降,

CNA

A が担 っていた

CATS

における調整機能は,新 しく創設 された

HEQC

に継 承 された。そ して,

CAT

1990

年代の課題 として,今 日しば しば以下 の三つが指摘 され る。第一は,

CAT

の導入に対 して相対的に消極的な伝統的な大学

(establisheduniversities)

の参画を,教育年 度の改革を含むモジュラー方式 の積極的な採用 とい う形で促進す ることである。第二は,

1992

年以 降ポ リテ クニクか ら衣替え した 「 新 しい」大学

(̀new'universities)

が,単位制度,モジュラー方式,

また労働に基づ く学習の認定 の積極的な活用を とお して よ り一層参画 してい くように確保す ること

‑ 87‑

(8)

であるC第三は,単位制度を基礎 とす る資金の配分のあ り方を,資金評議会の側で積極的に評価す ることを推進す ることである。 さらに,そ うした三つの課題を背後か ら支えるもの として,従来 の 英国の高等教育のあ り方に様 々な点で大規模 な変草を迫 るよ うな, 「 単位文化

(̀creditcultureつ」

の普及 の重要性が叫ばれているO

また,今 日では,英国国内のみな らず,国際的な単位互換を制度化 していこ うとす る動 きも活発 である

これは,とくに欧州諸国間の欧州共同体授業単位互換制度

(EuropeanCommunityCourse CreditTransferSystem:ECTS)や大学生 の流動性 の た め の 欧州制度 (EuropeanSchemefor theMobilityof University Student:ERASMUS)

をは じめ とす る様 々な プロジェク トの展開に 見 られ る。 こ うして,発展の速度は必ず しも一定ではなか った ものの,3

0

年間の歴史を経て

CAT

は現在新 しい発展段階に入 った といわれているのである。

3 今 日の英国の高等教育における

CAT

の特徴

(1) CAT

の 目的 と背景

英国の高等教育における

CAT

とは, 「 評価 され うる適切な学習に対 しては,それが どの ような 場所でなされ るかにかかわ らず,高等教育におけ る学位につなが るよ うな単位が付与 され る」(

The OpenUniversity

,

CreditRatings:Guidelinesfor OrganizationSeeking a Review of their CreditRating

f

rom Open University ValidationService

,

1994

,

p.1)

とい う考 え方を基礎 とす

る。 これは,高等教育における参加 の機会,選択,お よび流動性を増進す ることが必要であるとい う政策を体現す るものである。その背後には,経済的側面か らの高等教育の普及 の必要性 ( 右派), あるいは社会的平等の観点か らの教育機会の民主化の必要性 ( 左派) といった要請が存在す るo

伝統的に,英 国の高等教育制度は垂層構造を形成 しているとされて きた。 しか し近年, と りわけ

1980

年代後半以降,参加の拡大お よび柔軟性 の増大 とい う基本政策の下で,伝統的な立場か らの抵 抗を受けつつ も流動性を高め るための制度的な再編成が しだいに進行 して きている。

CAT

はそ う

した改革の中の一つの要であ り,そ うしたマ クロの視点か ら考察 されな くてほな らない ものである。

(2)CATの定義および原則

CAT

とい う用語の使用法は英国の高等教育機関において も微妙に異なってお り, 現在 の ところ 明確な単一の定義は存在 しない。 また,イ ングラン ド, ウエールズ, スコッ トラン ドお よび北 アイ ルラン ドの間での認識 のあ り方の相違 も顕著である。

しか し,以下の ような四つの原則に立 ち,具体的には教育機関内部でのモジュラー方式 の採用 と 単位制度の導入を基礎 とす るもの として,今 日一般に理解 されているよ うである。そ うした四つの 原則 とは,まず第一に,学生側に よ り一層の自由 とコン トロールの幅を与えることで,従来 の学生 と授業 の間の関係を変革す ることである。第二に,教育激闘相互 の連携 と承認を推進す ることであ る。第三に,個人が生涯にわた って学習す ることがで きるよ うに,教育への参加の機会を拡大す る ことであるO第四に,学生,授業,お よび雇用者 の間での三角関係を確立す ることである。

そ してこれ らの原則は,単位を基礎 とす る算術に よって計算 され る方式で,通常 の大学 の

3

年間

(9)

(スコッ トラン ドの場合は 4 年間) の学部教育 お よび学部卒業後 の修士 レベル とい う, 2 つの レベ ルで実施 され るD なお,そ こにい う単位については,教育検閲相互 お よび様 々な部門相互で明確 な 定義は確立 されていない。 しか し ,30 時間を‑単元 とす る観念的な時間であることについては,一 般的 な合意が形成 されつつある とみ て よかろ うo また,単位 の概念は現在 の ところ,職業教育にお け る場合を除いては,能力や学習成果 とい った要素を含 まない よ うである。 そ して,そ うした四つ の原則に基づ く

CAT

の具体的 な導入は,個 々の教育機関 の判断に任 され る。単位 の互換 も原則 と して,複数 の教育機関や雇用者,職業 団体等 の間の協定 ない し地域的 もしくは科 目別 の連合を基礎 として実施 され,

HEQC (1992

年 までは

CNAA)

がその調整を行 うとい う形 を とることにな って い る。

実際に,具体的 な制度 としていかなるものが採用 され てい るかは,個 々の教育機関に よって大 き くば らつ きが見 られ る。 また, 「 有名無実」 な

CATS

( 教育棟閑は名 目上は

CATS

を実施 しなが らも,個別具体的な ケースでは実際に

CATS

を適用 してはいない) も少 なか らず存在す る。全体 的な債 向 として,新 しい大学は相対的に

CAT

の実施 に熱心である。他方,伝統的な大学は一般 に, モジ ュラー方式 と単位制度 とを切 り離 して とらえ,前者 のみ導入す る傾 向にあるO これは,主に品 質保証をめ ぐる懸念か ら,伝統的な大学が

CAT

の導入に対 して消極的であることに よるD また, 教育を担 当す る大学 スタ ッフの多 くは,単位制度 の導入に よって授業課程が断片化 した り学生 の理 解度が低下す るのではないか等 の不安を抱 いてお り,単位制度 を含む

CAT

の本格的 な実施には留 保 して もい るのである。

しか し,近年,英国 の高等教育におけ る参加や流動性 の拡大を よ り一層推進す るために,全国的 に共通す る単位 の枠組みを設定 して

CAT

を しだいに一元化 してい くべ きであるとい う主張が,一 般的に広 く支持 され るよ うにな って きた。 したが って,個 々の教育機関の 自治を確保 しつつ も,塞 本的 な部分では共通す る包括的な単位制度 の導入が,検討 され るべ きであるO

(3)

単位互換が及ぶ範 囲

単位互換 の原則 とは,一般に,一つの連続 した学習期 間 または中途 断絶を経 て,一定 の単位数を 教育棟閲,職業訓練課程,その他 の一定 の課程 の中で習得 して累積す ることに よ り,高等教育にお け る学位 を取得で きることである。 したが って, ここでの学習 とは,全体 として相当広範 囲の形態 の ものを含む こととなる。 た とえば, フル タイ ムの学習,パ ー トタイムの学習,遠 隔学習,雇用を 基礎 とす る学習,訓練授業,短期授業,人生経験,個人的な相談 に よって組み立 てた課程,私的な 学習等が認 め られ うる。 また,具体的 な高等教育へ の参加を開始す る以前 の学習 も,一定 の評価手 続 きを経 て認 め られ るのである。

こ うして, ここでは様 々な場面での単位 の互換が想定 され る。 それは, モジ ュラー方式 を経 るこ とに よる個 々の教育棟関内部 で,地域や科 目等 を基礎 とす る個別協定を とお しての複数 の教育機関 相互 で,異 な る学位間で,高等教育 と継続教育 との間で,学 内 と 「 学外 (

̀offcampus')

」 で,高等 教育機関におけ る学 問教育 と雇用 ない し職業団体の側 で の職業教育 との問で,大学 院相互 で, また 複数 国家間で, とい った極めて広範囲な場面 に まで及ぶのである。 と くに, この制度 は, 「 大学‑

‑ 89‑

(10)

雇用省一職業団体‑ その他の組織」 とい った連携関係を意識 した ものである点が重要である。

場面に よっては, こ うした単位 の互換 の潜在的な需要はかな り大 きいであろ うといわれている。

現実に も,それは継続教育か ら高等教育‑,お よび学 内学習 と学外学習 との間 (とくに,仕事を基 礎 とす る学習や企業訓練課程 の認定)で顕著である。他方,高等教育機関相互

(OU

を介す るもの は除 く)の学生移動は相対的に少ないO これは,単位互換 のための最大の組織的な制度 とされる教 育機関の連合は,期待 されたほ ど機能 していない ことを意味す るOその理 由は,提供 され る教育 の 品質保証に対す る懸念に由来す る具体的な場面での教育棟関に よる留保等,様 々なものが考 え られ る。 また,学生 の側でのこ うした移動に対す る需要が欠如 しているのではないか, とい った ことも 想像 され うる。 いずれにせ よ, こ うした連合は,将来において も単位互換をそれほ ど推進す るもの とはいえないだろ う。確かに こ うした学生の移動は,関連事情が変わ ることに よ り将来活発 とな り 得 るものの,既存 の連合は

, CNAA CATS

の よ うな,学位授与権 とい う特殊 なものを通 して,個

々の教育故関のサー ビスに付加的なものを提供で きる制度 とは,基本的に異 なるか らである。 また, 国際的な学生移動 も相対的に不活発である。 これは, とくに英国は欧州諸国間での様 々な制度に漬 極的に参画 して きてはいるものの,英国の学生が語学力の問題に直面 しているといった理 由に よる ところも大 きい。 しか し,現在,様 々な国際的な互換のためのプロジェク トが進行 してお り,今後 の制度 の整備 の仕方に よっては将来活発 となるだろ う。

4 CAT

をめ ぐる今後の課題

(1)

は じめに

本報告書の第

3

部では,

CAT

をめ ぐる今後 の課題が,現状分析の結果に基づいてい くつかの論 点に分け られて整理 されているO また,具体的な提案 も勧告 として提示 されている。その骨子は,

『 実施声明及び概要』で簡潔にまとめ られているO以下では,本報告書 の構成にそ ってそ こでの議 論 の要点を紹介す る。 なお, 『 実施声明及び概要』 との重複を避けるために,そ こで直接言及 され

ている事柄については大 まかな構成 のみに言及 し,議論 の具体的な内容は省略す る。

(2)

単位についての理解 ( 本報告書第

ⅤⅠ

章)

CAT

の基礎である単位お よびモジュラー方式 とい う用語が,論者や教育棟閑に よって異なって 理解 されている状況に注 目し,それ らの意味について,実証的な観点か ら整理 してい る。そ して, 結論 として,関係者間で一般的な コンセ ンサスがある

8

つの点が挙げ られているOそれ ら

8

つの点 とは,単位制度 の意味,単位 の定義,能力や学習成果 といった概念 と単位制度 との間の関係,単位 を基礎 とす る制度の規模 の変遷,モジュラー方式 と単位制度 との間の関係,伝統的な授業

(course)

とい う用語 と課程

(program)

ない し経路

(route)

とい う用語 との間の実体的な関係,単位制度

と品質評価の問題,お よび高等教育における単位制度,モジュラー方式,学習成果を含む多次元的

なアプローチの意義である。

(11)

(3)

単位の枠組み ( 本報告書第

章)

全国的な単位の枠組みの創設が必要であるとい う主張 について, まずその正当性 と背後にある考 え方を述べた後,各部門で採用 されてい る既存 の単位 の枠組みを分析 している。そ して,望 ましい と思われ る単一 の枠組みの性格や構造を説 明す るとともに,解決 されな くてはな らない点について も解説す る。 また,その実現のための具体的な提言 もなされている。 ここでは とくに,単位の通用 力に関す る共通基準の設定の困難 さと,品質保証の問題に焦点が当て られてい る。 さらに

,

「 準学 位

(Associate Degree)

に代表 され る中間的な資格 の創設の意義に も,過去 の議論 も含めて詳細 に言及す る。

(4)

品質保証 ( 本報告書第

章)

品質保証が単位を基礎 とす る学習に とっての中心的な争点であることを, まず強調す るoそ して, 個 々の教育機関内部でのモジュラー方式を とお しての単位の互換

,

大学や高等教育 カ レッジと継続 教育 カ レッジとの間での互換, また学外学習の認定 とい った,各 々の場合における品質保証の現状 と好 ましいあ り方に言及す る。 ここでは, とくに,近年需要が増大 しつつある学外学習の認定に関 す る望ま しい品質保証制度が,具体的な選択肢 の列挙の下で検討 されているoただ し,長期的には 様 々な部門について包括的に扱 う品質保証 のための制度が必要であるとされ,そのために も,部門 間のパー トナーシップの重要性が指摘 されている。 また,そのための具体的な仕組 についても様 々 な提案が されている。そ して,品質保証 のために

HEQC

の果た し得 る役割が多角的に検討 され, 具体的な勧告 も挙げ られている。

(5)

財政 と柔軟性 ( 本報告書第

ⅩⅠ

章)

資金に関す る制度が学生 の選択や流動性 の拡大に与える影響について,教育機関への資金の配分 の方法 と,学生の授業料や生活費の支払方法やそれに関す る支援のあ り方 とい う,二つの観点か ら 詳細 な考察がなされている。その結果,前者については,資金評議会は単位を基礎 とす る教育機関 への資金の配分方法 は,公正かつ衡正な資金 モデルを達成す るために最適な ものであ り,近年 とく に継続教育で顕著なそ うした実行は高等教育において も積極的に取 り入れてい くべ きであるとす る。

そ して具体的に,3

0

時間の学習を単位 の‑単元 とし,一定数の単位を一年間の学習 と換算す ること を勧告す る。 また,学生 の授業料等 の支払やそれに対す る支援について も, フルタイムの学生 とパ ー トタイムの学生 との間の現状 のア ンバ ランスに着 目して,様 々な角度か らの法律や規則の改正を 提案する。 さらに, フルタイムの学生の定義について も,単位制度 に適合す るように確認す るべ き

ことを勧告 している。その他,学生 の選択や流動性 の拡大を促進す るための,バ ウチ ャー等の多様 な仕組の導入を検討 している。

(6)

柔軟性を達成すること ( 本報告書第

ⅩⅠ

章)

ここでの論点は,教育機関相互 の選択 と流動性を高め るために,個 々の教育機関内部でいかに し て柔軟性を達成すべ きか とい うことである。重要なのは,教育 と組織 の双方 の側面で柔軟性を促進

‑ 91

(12)

す ることとされ,そのための処方葦が示 されているO まず,単位を基礎 とす るモジュラー方式の

3

つのモデルーモジュラー構造

(structure)

,モジュラー制度

(scheme)

,お よび

CAT

機構 ない し制 皮

(unit/scheme)‑ の うち, 多 くの新 しい大学で採用 されているが伝統的な大学ではまず見 られ

ないモジュラー制度が,学生への磯会の提供 の程度 とい う観点か ら最 も好 ま しい。 これは,他の二 つに比べて,教育棟関内部で集権的かつ強制的な性格を もつ。 また,伝統的な大学で伝統的に とら れて きた,教育機能 と行政機能 との分離を前提 とす る専門的な行政 スタ ッフの常置,お よびそ うし た行政 スタ ッフが構成す る単一 の専門化 された行政のための グループの設定が,必要である。 これ に よ り,教育 スタ ッフは学生の選択権や流動性 の増大のための行政事務 の負担が軽減 され る。 この よ うな分権化 と集権化 とい う両側面が混在す る現実的な混合構造が,教育機関の組織 の中核 として 望 ましいとす る。 さらに,多様な学生の移動を追跡 し記録す るための,洗練 された情報制度 の必要 性が強調 されている。そ して,モジュラー方式課程 の品質評価について,

HEQC

が率先 して好 ま

しいあ り方を追求す るべ きことが勧告 されている。

(7)

学生をガイ ドすること ( 本報告書第

ⅩⅠ

葦)

学生に対 して十分な教育に関す るガイ ダンスを与えることは,個 々の学生 の選択を増進 させるた めには不可欠な前提であるとす る。伝統的に英国の高等教育は授業を基礎 とす るものであったため に,学生は 自身の進路決定に際 してガイ ダンスを必要 としては こなか った。 しか し,学生の選択 と 流動性を高めるためのモジュラー方式 と単位を基礎 とす る学習課程 の導入は,そ うした事情を根本 的に変更 しつつあるとい う。 そ して,

ECCTIS

をは じめ とす る全国 レベルでの情報提供 の仕組は 相当程度発達 しているのに比べて,多 くの教育機関での実行は乏 しい ものであると現状を分析す る。

その原田は,国家政策上 の優先順位が教育機関におけ るそれに反映 していない こと, ガイダンスと 学生募集 とが混 同されていること,選択を伴 う単位制度が未だ十分発達 していない こと等であると され る。 こ うした状況の下で,全国的な ダータベ ースとしての

ECCTIS

の有効性を生かす ことは い うまで もない。 しか しその一方で,教育機関内部における様 々な レベルのガイダソスを想定 して, その実行を提案す る。 また,提供 され る情報 の晶質を高めるための行為基準や情報提供物 の 「 英 国 規格院検査証

(QualitKitemark')

の採用 といった ことも勧告 しているのである。

(8)

国際的な互換 ( 本報告書第

ⅩⅠ

章)

単位制度の採用は,過去

5

年間に地球的規模で顕著に見 られ る現象であるが,国際的な単位の互

換は緩慢な進歩に とどまっていると指摘す る。確かに,様 々な面での地域統合が進展 しつつある欧

州地域において も,

ECTS

ERASMUS

等 のパイ ロッ ト計画は進行 してお り,英国は これ らに積

極的に参画 している。 しか し,全体的には,単位 についての共通 の定義 の不存在,教育年度や学位

の レベルの相違等を理 由として,単位 の互換は さほ ど進展 していない と評価す る。 さらに,国際的

な単位 の互換の もつ長所 と短所を指摘 した上で,今 日の国際的な互換を阻害 している要田を教育壊

閑の側 の問題点 も含めて列挙 し,その解消のための具体的な方策を論 じる。 また,海外か らの学生

の受け入れが経済的な面で教育機関の財政に貢献す ることに注 目す る。そ して, これ と単位 の互換

(13)

とを結び付け ることで,その需要を よ り一層高め うることに言及す るのである。

(9)

単位文化 ( 本報告書第 ⅩⅤ 章)

ここでは,今 まで本報告書で述べ られてきた ような単位制度 の導入をめ ぐる提案が,英国の高等 教育やその撹閑のあ り方,お よび学問文化に もた らしうるイ ンパ ク トについて,マ クロの視点か ら 考察 しているD今 日の高等教育機関は,前近代的な社会におけ る保護 された機関か ら,現代社会に おけ る公共サー ビスを提供す る組織への転換 とい う,その役割,構造,お よび 目的の点での根本的 な変化を迫 られているが,単位制度の発展は こ うした状況に対応す るための,一つの重要な手段 と して位置づけ られ るとす る。 そ し て, このよ うな根本的な変化は,単 なる構造上の変化ではな く

「文化の変化」,すなわち 「 単位文化」‑の転換を意味す るものであると指摘 されているO そ して,学部 カ リキ ュラムの再構成,教育機関の再構築等の 「 単位文化」 の原則が説 明され る。

さらに, 「 単位文化」 の構造的特徴‑ その原則 の実施の レベル と,強調 され る事柄 の構造的な転換

‑が列挙 された後, これが科 目の専門性に もた らし得 るイソパ ク トが説 明されている。 また,単位 制度の発展 と,高等教育におけ る市場 の運営のあ り方 との不可分性について,世界中で最 も市場 の 要素を考慮に入れているといわれ る米国の高等教育モデルを参考 に しなが ら,分析がなされるので ある。

最後に,参加の機会,選択,お よび流動性 の拡大 とい った今 日の高等教育の改革 の方向は,右派 お i : び左派 とい う一般に政治的に相敵対す るとされ る二つの立場 の双方か らも,理 由は何であれ等 しく支持 されていることが明示 され るoそ して,時間はかか るだろ うが,高等教育機関は必要な文 化的な変化を達成す るだろ うと,大 きな期待が表明 され るのである。

『実施声明及び概要

(ExecutivestatementandSumm

ar y)』 の全文翻訳

<実施声明>

序 文

1

この実施声明は,

HEQC

の下での

CAT

発展 プロジェク トの報告書 ( 本報告書) の背景を 説明 し,また,本評議会が1

994

9

30

日までの間に協議過程の一環 として追究 している,主 要な争点を指摘す るものであるO これは,本報告書 と実施概要 ( 本概要) と併せて読 まれるべ

きである。

プロジェク トの背景

2 本報告書が示す ように,教育提供の柔軟性を増大 させ ること, こ うして参加の機会を拡大 し, 学生の熱意 と達成度 の質を向上 させ ることは,長い間高等教育に関す る国家政策の主要な 目標

とされてきた。適切に発展 した単位を基礎 とす る学習の制度が, こ うした 目標を達成す るため に主要な役割を果たす ことがで きるとい う点については,かな りの証拠 がある。 さらに

,

増加

‑ 93

(14)

しつつ あるモ ジュラー方式構造 の導入は,単位累積互換制度 ( 本報告書第

11

段落)を もつ教育 機関の増大 と対応 してい る。 それに また,本報告が述べ るよ うに,ほ とん どの高等教育磯閑は 今や単位を基礎 とす る制度について何 らかの経験が あるのである.

3

しか し,教育磯関の構造や組織 の発展 は当該文脈 の単な る一部にす ぎないO単位 を基礎 とす る学習の制度は,授業課程 の発展,品質保証 の増進,学生側 の学習成果 の向上,お よび教育 の 自律性 のための手段 として も有効である, とい うことが主張 されている

O

こ うして,単位を基 礎 とす る制度 の発展は,課程 の内容 とその提供,それ らの評価,お よび教育課程 の設計を革新 す るために も, しば しば有益 な変化 を もた らす ことが で きるo また,その他 の潜在的 な黄極的 変化は.本概要の第

9

段落に挙げ られてい るO

プ ロジェク トの起源

4 1991

2

月のオ ックスフ ォー ドでの 「 壁 のない学習」 会議 の成功 の後 ,当時 の教育科学省お よび雇用省

(

「 後援者

」)

HEQC

に対 して,単位 を基礎 とす る学習 の よ り広範 囲の発展が奨 励 され得 るよ うな方法を研究す ることを要請 したO人選 の結果,本評議会は 1 )バ プール ・ジ ョ

ン ・ムーア大学 のデイ ビッ ド・ロバ ー トソソ教授 に対 して, こ うした考察 の基礎 とな り得 るよ うな報告書を作成す ることを求めた。 本 プ ロジェク トは

, CNAA

お よび

HEQC

とい った

2

つの機関か らの資金で賄われたのであ り, そ こで検討 された事項 は付属書 1に挙げ られてい る。

HEQC

は現在, 後援者 に代わ って本報告書 に関す る協議を指揮 してい る。 本報告書 は,本 プ ロジェク ト・ダイ レクタ‑のチームの助言を得た,当該 ダイ レククーの報告書である とい うこ とに留意 しな くてはな らない。本評議会 自身ない し後援者である省 のいずれ も, ここでの勧告 のいかなるものについて も当事者ではないのである。

HEQC

5 HEQC

は,政府 と,大学 お よび高等教育 カ レッジの代表 団体 の支持を得 て

, 1992

年 に設立 されたD その主要な 目的は,英国の大学 とカ レッジの地位 と品質,お よびそれ ら教育機関が捷 供す る課程 と学位 に対す る世論 の信頼を深化 させ ることであ り, こ うして,教育 の水準 の設定 と維持 の面での教育棟関 の自律性 を 採護す ることである。

HEQC

は,学生 とその他 の第三者 に対 して,教育 の提供 の晶質を保証す ること,お よび品質 向上 のための教育機関の努力を支援 す ることに よって,そ うした任務を達成す る。本 プ ロジェク トとの関連 では,本協議会は 「 単 位 と学習磯会に関す る諮 問 グループ

(CreditandAccessAdvisoryGroup)

の補助 を受けて お り, この グループの メンバ ー構成は,総報告書 の付銀 1に挙げ られ ている0本 プロジ ェク ト 自体は 「運営 グループ ( M

anagementGroup)

に よって監督 されてい るのであ り, この グル ープの メンバ ー構成について も,同様 に付録 1に示 されてい る。

主要 な争点

6

本 プ ロジェク トは高等教育に向け られた ものではあるが,その他 の部門 との関連を認識 して

(15)

もいるO従 って,本報告書は他 の部門 との関連を確認 し,単位認定協紺の締結活動を考案す る のみな らず,学習への参加の機会の拡大を率先す ることやオープン ・カ レッジ連合の貢献 とい った,継続お よび成人教育の発展に も言及す る ( 本概要第1

2

段落) 。 同様に, 本 プロジェク ト は主に高等教育故関に関す るものである一方で,職業の需要を含む雇用の需要や,全英職業資 格評議会

(NationalCouncilforVocationalQuali丘cation:NCVQ)

の活動や貢献について

も考察 している。

7

本報告書は

104

の個別的な勧告を含む。 こうした勧告 の多 くは,直接 ない し間接的に

3

つの 主要な争点一全国的な単位の枠組み,資金,品質保証‑に関わ っている。本概要は これ らの勧 告の中か ら,品質保証に関す る 8つ の中心的な勧告お よびそれ らを支 える 9つの詳細な勧告 と を確認す るO 品質保証に関わ るこれ らの勧告について助言を求め る一方で,

HEQC

は後援者 に代わ って,全ての勧告, とくに*心的な勧告についての コメン トを歓迎す る。 これを促進す るために,既に確認 された

3

つの主要な争点にそ って,

8

つの中心的な勧告が煩別 されたD

全国的な単位 の枠組み

8

上述 の中心的な勧告は, ここでは,拡張,選択,お よび柔軟性に対す る継続的な政府の参画 の確認,全国的な単位の枠組み,新 しい中間的な資格,お よび学生への教育ガイダンスに対す る投資に言及す る。 これ らは,本報告書の第 Ⅴ,Ⅸ,ⅩⅢ章 の各 々に基づいている。

9 本報告書は,到達 レベルに応 じた構造,単位の共通す る最小単元 と通用力,共通の中間的な 学位,お よび達成度の定義に対す る共通のアプローチを基礎 とす る全国的な単位 の枠組みの創 設を勧告す る ( 本報告書第 Ⅸ章)D こ うした枠組みは, 従来 の高等 お よび継続教育 の み な ら ず,場所を問わずになされた全ての適切な集積 された学習を も含むO進歩紘,第一次的には, 既存の相異なる単位の通用力を明確に し,調整す ることに よるのであ り,それは集約 の過程を 経 てやがては単一の枠組み‑ と至 るだろ う ( 本報告書第

19

段落) と,本報告書は考察す る。本 報告書は,単位を基礎 とす る学習についての共通の理解 と定義 とを,上か ら下‑ とい う指令的 な中央集権的モデルではな く,下か ら上へ とい う方向で認容 し受容す ることを強調す るのであ るc

lO

こうした全国的な単位の枠組みは,学習に対 して,それがな された場所を問 うことな く単位 が付与 され ることを促進 し, また学部間,教育機関間,1

6

歳以後 の教育部門間,お よび高等教 育や職業教育の課程間相互の学習単位 の互換性,すなわち単位 の携帯可能性を助長す るだろ う

と本報告書は述べ るo また,それは,様 々な タイプの共 同学習課程,た とえば雇用者 との共同 課程の実施を も促進す るだろ う。勧告に もあるよ うに, こ うした発展を十分に現実の もの とす るためには,勧告 されているように,教育 ガイダンスについての行為規準を含む,学生‑の適 切 な支援の提供が必要であるo さらに,本概要の巻末にある分析表を も参照のこと.

11

これ らの中心的な勧告に対 して コメン トを加える際に,読者は また,以下の よ うな疑問を も 検討 しよ うとす るだろ う。

i)

第一次的には明確化 と集約の過程に よって 到達 され る ( 本概要第

9

段落), 本報告書の第

‑ 95‑

(16)

Ⅸ章で提示 されているよ うな構造を もつ全国的な単位の枠組みの原刺,

ii)

( i ) の部分集合 として,単位の基本的な単元が3

0

時間の学習 となるか もしれない とい う提案,

iii)

全国的に共通す る単位の枠組みを達成す ることがで きる見込み,

iv)

全国的な単位 の枠組みについて一般的な監督が確立 され るか もしれない方法,

Ⅴ) 本報告書で具体化 されているよ うな,準学位

(AssociateDegree)

とい った新 しい 2 年 の 中間的な資格を導入す ると

う提案,

vi)

高次の レベルで学問上 の学位 と職業資格 との連携が達成 され るか もしれない方法,

vii)

教育棟関が 「準教育的な」 ガイ ダンスをす るスタ ッフに費用を費やす程度,お よび全ての

スタ ッフが ガイ ダンスと支援を提供す るように訓練 され ることを,教育棟関が保証す るべ き 程度b

資 金

12

ここでの中心的な勧告は,教育機関の資金のための単位を基礎 とする定式

,

授業料お よび生 活費奨学金の携帯可能性,学生のための単位を基礎 とす るバウチ ャー,また政府による政策参 画にについて述べ るo これ らの勧告は,主に本報告書の第

章 と本概要 の第 22 お よび 23 段落に 挙げ られている。

13

全国的な単位学習の枠組みの観念 と,いかに して こ うした学習が賄われ るべ きか とい うこと との間には,重要な関連性が明確に存在す るC資金についての本報告書の提案は, こ うした枠 組みの発展のための土台を提供 しようとしている。本報告書は,以下 の よ うない くつかのこと を勧告す る。すなわち,共通の単位換算表は,資金評議会 と教育磯閲 との問で合意 された単位 を基礎 とす る定式に従 った,教育棟関に対す る資金 の配分 と分配のための組織原則であるべ き である。 またその後,教育激闘は個 々の学生 の課程 の選択を反映す るよ うな方法で, こ うした 資金を配分す ることの利点を考慮す るように奨励 され る。 また,学生の資格は,単位を基礎 と す る教育バ ウチ ャーの制度を通 して確立 され るべ きである。 さらに,授業料 と貸与制度は,罪 継続的な単位を基礎 とす る勉強に適合す るような もの とされ るべ きである。 そ して奨学金は, よ り携帯性 の高い もの とされ るべ きである。 さらに資金評議会は,共通す る単位 の最小単元を 速やかに採択す るべ きであ り,継続 お よび高等教育機関は,共通す る教育年度の構造を採用す

ることが望 ましい。

14

以上 の中心的な勧告についての コメン トに加 えて,

HEQC

は, 後援者に代わ って以下のよ うな争点に関す るコメン トを歓迎す る。

i)

教育機関の単位を基礎 とす る資金 といった ものの実施可能性,お よび少な くとも当初,一 つ以上 の単位 の通用力の制限に よって全国的な単位 の枠組みが定義 され るのな らば, こうし たアプローチに とっての意味

ii)

教育磯関の任務 と教育の自律性 を折衷 させずに,いかに してこ うした資金についてのアプ ローチは,最 も効果的に柔軟性を助長 し得 るか

iii)

単位を基礎 とす るアプローチが,学生の学資支援に とって もつ意味

参照

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