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世界 - 書物 - 図書館

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熊本大学学術リポジトリ

世界 ‑ 書物 ‑ 図書館

著者 井原, 健

雑誌名 東光原 : 熊本大学附属図書館報 = Kumamoto

University Library Bulletin

巻 5

ページ 3‑4

発行年 1993‑06

URL http://hdl.handle.net/2298/10117

(2)

第5号 1993.6

)+│の総官として置いた九)、│、│探題一色範氏を目の上のコ ブとしていたので、これを好機として直冬方につき、

さらに肥前の深堀氏や松浦党、肥後の詫磨氏など続々 とこれに加わった。こうして九I、ト│は、直冬の九lトト│下向 に先立って肥後に入った征西将軍宮(懐良親王)を戴

〈菊池氏を中心とする宮方、それに探題方、そして佐 殿(直冬)方の三派てい立の独特の政治状況を迎え、

その抗争の中からやがて征西府の覇権が確立されてゆ く。(文学部教授国史学)

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ヒン 任法可致沙汰之状如件、 不及子細、無其儀者、 不日打向在所、遂素懐、無爲令上洛者、 落下肥後國河尻津云々、 兵衛佐事、可出家之由仰遣之虚、 (直冬)

〔三〕將軍家齪銅御判御教書

(尊氏)貞和五年十月十一日(花押)

(大)(惟時)阿蘓大{呂司殿 〔二〕高師直書状(折封ウハ轡)「謹上阿蘓大宮司殿武蔵守師直」(直冬)丘〈衛佐殿被落下九州之由、其聞候、就之、

(尊氏)自將軍家被下御自筆御書候、案文進之候、

若被餘手事候者、任法可有計沙汰候、

且自關東近日御上洛之間、重可被仰候也、

恐々謹言、

(貞和五年)九月廿八日武蔵守師直(花押)

(宇治惟時)謹上阿蘓太宮司殿

(大)

世界―書物―図書館

Lン 井原健

神は自然・人間・聖書という三冊の書物を書いた、

ということになっていたりする。これはつまりこの世 は何でもかんでも本なんだと言い切っていることにな る。聖書ならまだしも自然や人間までく書物〉という メタファーで一括してしまうのは、一定の手順を踏ん で読み解かれるという点では同じであると考えられて いたからだ。それらを生み出すに当たって神が刻み込 んでおいた書跡を苦労して解読し、わかる者にしかわ からない真理を導き出すという共通の作業。自然〔世 界〕(マクロコスモス)も人間(ミクロコスモス)もす べて書物のように読まれ、理解される。今となっては 多少奇異に思える一方で思わずこのたとえに惹かれて

しまうところもあるのは、それが過去何百年もの間メ タファーとして共有されていたという事実に現在のわ れわれがもう取り戻すことのできないノスタルジック な喪失感を抱くからかも知れない。

歴史をさかのぼるとこういった考えはヨーロッパで はかなり古くから存在する。特に世界=書物という

くリーベル・ムンデイ〉の観念は、ダンテ「神曲」中 の「この宇宙に紙片のように散らばったものが愛によっ て−巻の書物に綴り合わされている」という言葉に代 表されるように中世において一般的になり、「自然もし くは世界という書物を読むために、黄色くなった羊皮 紙の挨を払った」ルネサンス以降も盛んに論じられる

(3)

東光原

ことにな愚。これまでダンテをはじめシェイクスピア、

ゲーテ、ノヴァーリス、ジョイスなど数え切れないほ

どの人間がこういった〈世界という書物》を夢見てき

ており、何かにつけて引き合いに出されるマラルメの

「この世界のすべてのものは-冊の書物に帰着すべ<存

在している」という言葉も、世界そのものが解読苔れ るべき--冊の〈大いなる書物〉であるというオルフィク なヴィジョンを反映している。劇場あ患いは舞台にた とえられることもあるこの世界は-冊の書物として読

んでいくこともできるのである。「世界はすべて、開か

れた本である」(寺山修司)

この〈書物〉というメタファーを通して世界や人間 を見る考えの背後には、この世のすべてを見尽くした い、それを整然と分類して世界を-冊の書物に取り込 みたい、そういうそれ自体で完結した巨大ジオラマを 完成させたいという強烈な欲望が隠各れている。たと えば現在ほとんどの図書館で採用されているデューイ の図書10進分類法(1876)も同じような夢に懸かれ ている。たかだか100年ほどの歴史しかもたないこのシ ステムは、10の《類〉を同じく10の〈綱〉、《目》に よってツリー状に枝分かれきせていき、最終的に1000 の項目がこの世界全体を漏れなく覆い尽くすことを目 指す。それはまきに一冊の書物の内部がく章〉やく節〉

によって細分化されているのと全くパラレルであると 考えていい:余りに膨大な知識を-箇所に閉じ込める ためにはそれ相当の精繊な分類システムが必要になる。

図書館の歴史というのは、いかに効率のよい分類手順 でこの世のすべてを細分化できるか、どれだけ遺漏な く網の目を張り巡らせて世界を自らの中にまとめ込め るかの戦いの歴史でもある。

したがって図書館もまた、世界と人間について書か れた巨大な-冊の書物と見なせるだろう。〈書物の書

物〉あるいはメタ書物。それはポルヘスが「砂の本」

と呼ぶ怪物、つまりごく普通の装丁をしていながら異 常なほど重く、無限に増殖するページには初めもなけ れば終わりもない、各ページにはまったくでたらめな 数字が打ってあり、-度開いたページは二度と目にす ることができないような究極の書物に他ならない。「薔 薇③名前」に描かれていたような、薄暗くてちょっと カビ臭い地下室の、床が抜けるほど積み上げられ、テー マ別に整理されたあやしくいかがわしいタイトルの中 から、誰もまだ手にしたことのない本のページをめく る、そしてそのページは図書館という名鰯メタ書物め どこだかわからないある一部分に過ぎなくて、そこか ら先どこへ読み進んだらいいのか見当もつかない、下

手をす愚とどこかで行き倒れになってしまうかも知れ ないというラピリンス、それが図書館である。こうし て《世界一書物一図書館〉は三題噺よろしくメタフオ リカルに結合する。

そしてそういう図書館の中を歩き回ることによって のみ真に空想的・幻想的・想像的なものが生み出きれ る。いわゆる空想とか幻想というのは往々にし鷺非現 実的。非実用的な気まぐれのように捉えられがち篭が、

むしろ図書館に眠るテクストとテクストの間から、記 号と記号の間から生まれる、それ自体一つの現実と考 えていい。それだけでは断片的な情報をいかに反復。

解体・連結させ、そこからどんな想像を生み出すか、

そこにこそわれわれ〈デミ・ウルゴス(創造者)〉の 本領が発揮される。「夢見るためには、目をつぶるので はなく、読まなければならない」(フーコー)役に立た

ない知識の死蔵された単なる保管庫ではなく、次々に 幻想という現実を生み出す想像力空間と考えてこそ、

語の本来の意味において〈ファンタスティックな〉-

冊の書物として図書館を語ることができる。図書館は、

「開かれ、目録に整理され、ばらばらに切りはなされ、

くり返され、結びつけられて」その度にファンタスマ ゴリックな空間へと変貌する。

ブラッドベリーのi華氏451度jに描かれたよう な焚書は図書館からその本来の機能を奪ってしまう。

ポルヘスが「図書館は、その正確な中心が任意の六角 形であり、その円周には到達し得ない一個の球体であ る」と定義しているのを見ればわかるように、それは ある意味では神を抹殺してしまうに等しい。われわれ にとりあえず必要なのは、気が遠くなるほど膨大なペー ジを備えたく世界=書物=図書館〉の中を全力疾走で 駆け抜けていくことである。

(教養部講師英語学)

、』

参照

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