落・來るや二引□ふてしかの鹿
横山氏の婚姻を賀して
榮ふ葉のもとに色染む萬年青哉 極 塵
③
居 竹①通川
註
②鵬朗③居竹 久世華藏庵の曾︒明治三十年頃般︒勝山の人︒三澤氏︒七尺の門︒別號一晶庵︒柴田氏︒別號松風葦︒
明治八年股︒
津山高専紀要第22号(1984)
一一 178 一
(101)
(100)
仁枝 美作の三日資科
星々松雨の両俊才に引たてられて山形 ① の桃之蓄識を訪ひしにかならずの事に ② て留守なりけれぽ田下に舞ひ戻りて横
山氏をあるじとし毛ごろもを刷りて遊
ぶ勝山の鴨や田下に日向ぽこ ③ 七尺謹言
①桃之 久世山方の人︒福井和一郎︒明治六年残︒年八十︒ 註
②横山氏 錦浪︒前出︒
③七尺 勝山の人︒二代目七尺︒田中氏︒別號櫻哉︒明治四年投︒
年七十六︒
名月や□ふも行燈の置慮
夕方のあとに聲あり磯の松
消安き雲の出る日や郭公
山櫻こxろ残さず散にけり
ふる里やむかしながらの松の月
浪音もなき込み汐や雲の峰
あさがほ
隣から越す舞の眞向や煮からしの茶にし□かくや田うへ時
聲聞た松の葉を掃小はるかな
掛水も茶屋の氣韓や風薫る
︵裏︑出雲國 松浦惣右衛門︶
松曲管半半邦俊臭通①東 翁朗川馬
盛… ノil 寛 イlh イ山
中くに風も障らぬ柳かな
周魚味噌や舌に味ふ須摩鳴戸
牡丹散て人語しばらく絶にけり
七夕やお禮で涼しき筆の鞘
この庵はまた初花の小萩かな
しばらくは夕紅ひや雲の峯
馬□た聲に鳥立櫻かな
︵裏︑出雲國八重山玉旧庵久臣書︶
鯛を喰ひ山家となりぬ蜀魂
野の隅も山の端もなし月今宵
︵裏︑備後國二村西天庵檬︑深澤先生書︶
しら萩や月もあるかと朝の色
明月や光のと攣く海のそこ
凧揚や児達の足の地につかぬ
よい年を置て流れつ秋の水
︵裏︑出雲國井尻村岩佐忠四郎︶
詰松江朝日まつ江に美しXおし番ひ
︵裏︑備中國︶
垣こしに親しき鮮の案内かな
待つ耳に蚊もひとつきてほとxぎす
鳴やめて眠りにつくや草の鴫
美作の國に入る
山々や谷は何庭まで稻の秋
︵裏︑越後國長岡長町大原逸策︶
雲雲秀正三菩五 鷹鷹翠蛙脛岳籟
唇 風楳 子
牛金簸丈 友波川云
来 雲鴎鴎鴎②
朗朗朗
極 庭
〈99)
津山高専紀要第22号(1984)
降しきる雪や夜ながら雲の中
ふり向けばうしろから也時鳥
黒棚に・はや元日のほこりかな
ほだされてそっとわらふや臨り花 ② 猿隻君にわかる瓦をおしみて
たれとみてたれと語らむむめ柳 ③ 看雪庵宗匠立机を祀して
月すxし松のかげ置く二見潟 ④ 八十五
八十翁
人見氏の菊園に遊び□なるに時を
移し中にも金龍といへる花に見と
れて蹄るを雨に毒しも風流の一な
るか
金龍の若し縄張か菊の園
笠踊君の初老を賀して
懐□華を抱いて富貴の毫 八十翁
讐猿雅兄の還暦を賀して
六十過て千代の一めや松の花
︵六十踏でひとつは千代目凹めかな 初案?︶
三 節
うち出した石火の花や今朝の春
︵うてば火も今生れたり今朝の春 初案?︶
春なれや雨なら雨の一風情
むまの尾について越ばやとしの坂
しらぬ火の世に恐ろしき浦景色 はつ午や化る仕くみの借り衣海満て静かな二百十日かな探心もよき松風や蚊屋のなみかけひきもなき費聲やはつ松魚鈴ひけば新たに薫る櫻かな石風呂のつかれわすれて不如蹄 八+四翁春雨や火なし巨達も夢の伽 八+五翁虫喘や月には黛かる振もなし羽箒でよごれ彿ふや幅壽艸 八十五 みそさざいしらなくば名もしらましを鵜鵡短か夜や夢の契も添ひ足らず露ほどの憎げの見えぬ鹿母子 以上錦浪親書の短珊であるが︑思ふに殆ど最晩年の作と思はれ︑ 表のみならず裏にも書かれてみるなど︑即興に或はかりそめに書 かれたものが多いやうに思はれる︒
①錦浪 久世田下の人︒横山氏︒別號一文館︒今井千々春の門︒明 註
治二十六年残︒年八十六︒
②猿嬰 久世の人︒安藤氏︒或は三友といふ︒別三木三茶︒明治三
十五年殻︒年七十六︒
③看雪庵 勝山の人︒三三氏︒三三冬青︒七尺門︒大正七年殻︒年
八十二︒
④人見氏 勝山の入︒
●七尺筆茶掛
一 180 一
(98)
仁枝 美作の俳譜資科
いつもむめが瓦やふかれたあとの朝暮出る
蝶ひとつふたつはものXなつかしき
年の夜の雲に見て透く柳哉
今はたゴかりの神代や初日影
籠に鳴く鶯ちかし枕元
鉢敲月夜の姿哀也
あらし山夢とは二度の花見かな
錦織村興暉寺上人
老そめて花さく松の齢かな
大雪の底から姻る小家哉
裏面に﹁艀夏草画佛筆とあり︒﹂
すxはきや捨るもおしき古器
大原の里や蚊遣の夕げぶり
鳴鳥の跡で氣のつく枯野哉
山吹や流れに洗ふ淺黄椀
雑.冬
照りながら日のちらかるや冬の空
舜や登る木のなき草の中
解くれや佐保の川瀬に鳴千鳥
米俵負せた牛や霧の中
濱の松みどりうるはし后の月
茸狩や買た草履のおろし亜
門くにひるの月消しぐれ哉
ふた筋を星の隔や銀河 以下十四句同じ︒ 黄鳥や夜の明残る竹の幽いまは唯かりの神代や初日影行としゃもはや余りもなき住居見る人のなささうで有野梅かな川越た馬の尾にまで氷柱かな若鮎に浪もそれ程ちいさけれ名のしれぬ鳥の行衛や朧月菊いろノ\手折れば露も散りぬべし蠣の暗音かくる雨□哉散る花の果はありけり嵐山時雨るXや葉の有木から顯はる外回着てきのふには似ぬ女哉卯の花や水にごXろの移る時ひらくと風の光るや青簾あだし夢さまさせて飛ぶ水鶏哉月に氣のつかで暮たる櫻かな足もとに山が見ゆるぞ春の水 他に短冊の三十二句があるが︑ 松風庵 ︵松風庵は静置の別號︶ 松風庵 松風庵
︵芙碁庵井左筆︶
︵楳明筆︶︵卜阿筆 津山成道寺の檜︶ ︵卜阿筆︶ ︵同︶ ︵同︶ ︵同︶︵蒼鶏筆 瓜生原静夏子︶
︵澄月熔解両三︶
︵澄月筆︶
︵同︶
︵同︶
︵静夏草 八千房淡曼筆︶
作者が明かでないので略す︒
● 久世町田下横山茂氏大古短冊等
聲なくば眼も振ましをみそさ黛ひ
以下二十七句何れも三面の短冊
錦 浪 ①
(97)
津山高専紀要第22号(1984)
□りたつ春とも見るやつくくし
門松に聲ある夜半も交りけり
たのもしや老てもかるき鍬始
上道桃林にそふ
めづらしさに桃の朝茶を畑の家
沢山な雨の外なる柳哉
菜種畑夜にも馴し近なる
見忘たやうなくど吹ご齋三
三のほす村はどこまで桃柳
入相の山家に似たる深紅哉
豊かさのおとながくし落し水
待宵や峰をはなれて消る雲
露ふかき森を出にけり朝鴉
八專の間ひに笑ふや帰り花
清瀧に返す餌やほとxぎす ︵丹波 福知山樂酒︶
加 藝
八賀卓州三 千彗丈奢石
木 仙
︵浪花 八千房駝岳︶
震李花李木木木 天二天仙仙仙 v
︵大阪清得舎李天筆︶
林 曹
︵ナニハ柊庵林曹宗匠 梅室門︶
淡 節
︵かゴ卓丈筆 京淡節草︶
淡 節
︵かゴ卓三筆 京淡節草︶
霞 外
︵播州明石︶
回外 けしき持見回涼し秋の山. 霞 外 ︵う︶奥深ふ見ゆる手入や君が梅 霞 外 ︵播州明石4三日月の入□りけり梅の花 霞外 ワロ草影や盤ぬ流れも澗初て 芝石 ︵肥前平戸 口石勝次郎︶行秋の日脚も見ゆる垣根哉 芝 石芦かれて住の江高き入日かな 二 柳 ︵大阪 不二庵二柳抜句︶腹汁に寒さを置て戻りけり 二 出座蒲團のかしはじめなり后の月 馬 友 ︵近江園浪人 ッマヤニテ馬友︶ ︵い︶大君の御代いっぱみや初日かげ 多賀女 ウの竹も木もめでたかられて明のはる 多賀女うぐひすやよい頃あいのあたエかさ 多賀女梅柳何ふそくなし門構 静 夏 ︵静夏は田三瀬兵衛︒月回の子︒明治十一年投︒以下静夏の句︒名を略す︒︶晴れて退く雨の青みや春の山 ︵ひ︶ ︵い︶ 我家西にむかいて冬の日はひるも戸をあくる事を得ず柿の實とみかんの皮や冬ごもり 御嶽山の檜正花遊大雅初老の春を迎へ給ふを祝して國越しに見る大寺や初かすみ明かエる空の狂ひを初回
雨晴の櫻木青き四月かな
一182 一
(96)
美作の俳言皆資科 仁枝
よくくの事やひ違ふ梅の主 楚 狂
鶯やしばし時計に聞はまり 楚 狂
︵備タケベ 市場屋代藏︶
春 興
初さくら翌あさってはみんな見る 錦 亭
︵作州勝山 前菊屋喜左衛門白粥舎里翠 八千房屋烏代宗匠︶
はじめて訪ひいりて
是でこそ誠の春や初櫻 烏 雪
︵・ヤマ山北僻鷹嬉セツ︶
わざと事らしやはなれて遊ぶ鴛 櫻 哉
︵勝山 田中氏七尺︶ ︵い︶ ︵は︶目出たひといわれたのちの櫻の実 櫻左
︵勝山 金田氏本家珠玉苑櫻左︶
亀などに酒呑ましたる霞哉 可 月
︵勝山家中 渡邊朔治郎︶
心して見るや冬至のひがし山 右 橘
︵勝山塚谷屋別家金田荊右衛門︶
静夏大入に杖をとエめて三山を眺望して・
石ぶみのきっぱりみへた草紅葉 玉 川
︵西川國久店︶
ゆたかさをふくむ雲あり春の月 鶴 壽
︵ツヤマ 東屋二良太夫︶
冬訪らへば挨拶よりも巨燵哉 うめを
︵ッヤマ京町 二文字屋梅雄︶ 短夜やおくれの侭に鶴の聲 好 女暗りの筆そ玉や月の竹 ︑ ︑ 梅 室厨をでてよく見亘せば人の家︑ 梅 室鶴ほどに鳶の影さす初日かな ・ 梅 室︑ ︵梅室門人淡節直筆︶青柳に鵜匠が縄の稽古かな 奇 淵ほとエぎす膝のあたりの夜の景 ︐ 奇 淵 ︵初手七枚堂追而花屋葦後ハ大黒庵︶おこたらぬ云うれし雨の朝 r 岱 ︑年 ︵京都 西行蕎岱年宗匠︶かさなりし枝からさびる紅葉かな 岱 年 ︵京都宗匠 無時岱年︶薦の穗をけぶらせて行千鳥かな 一 肯 ︵浪花八千房一肖筆︶おぼろ夜や雲林院の小柴垣 八壬房はなのはるかげなきものはなかりけり 蒼 軋杭さきや雲雀見あげて哺ひばり ヒ . 而 曉 ︵尾張 而后門人︶鶯におもはずくるx野の日哉 ・桃 來 ︵大坂七松堂奇淵孫︶朝貞にあさくうごく心かな 騎 竜r珍らしき笄喰ふや佛名會 橘 葺卯の花や水美しき一在所 月旦子駒よせのひはっくまでにとしの市 安 海紅葉からうつる赤みや闇る雲 樂 三
・(95)
津山高専紀要第22号(1984)
さきくに青き枯野の小松哉
おもふ
枝に鳴蝉も念に秋近し朝の東風戸載る顔にあたりけり
米園は別號画佛︒
能い程にしほのたXえて飛螢︑
ゆふだちやしばし肺代の淡路島
今朝ははやなつかしと見れば散る一葉
巴草のかねに下るか夕ひばり
いなつまやあとは淋しき水の音
明星院主の初老を賀し奉りて
格別にみねの松こそ長閑なれ
花の葬淡路の海も濁るかと
夜ざくらの月は眞西と成りにけり
有□は水澄切って冬の月
月草にかけてもどるや池の水
山のみか小野の野末や笑ふめり
きく焚て猶一しほや釜のにへ
尿道筒いよく青しとしのくれ ︵田辺大庄屋
さ
米米米丈 園園園
土耕排浮居浮(
喜 米 鳥鳥春番春團
v
挨 鳥
耕 鳥
耕 鳥
︵京都 鳳尾蕎白黛筆︶
排 鳥
︵芝馬筆︶
蘭 隻
︵作・ナベ薪款飾五竹門人︶
卜 阿
︵東武出生實々齋ト阿︶
ト 阿
︵ツヤマ實々齋ト阿後は因州也︶
卜 阿 二三のこゑに春たつあしたかな ト阿鶯の聲がひ黛くよ山の雪 有計
︵ツヤマ林田三橋本屋林右衛門先生︶
ちっとの間手の裡這はす螢かな 鬼 角
︵馬伏 山本丈八︶ ︵さ×う︶欠そふな下駄の歯音や冬の月 鬼 馬
︵植月鬼馬筆︶
噛は無沙汰わびるか來し燕 琴 松
︵作ニイタ 地丸八十造︶ひとつ家のひまなく見ゆるさくら哉 龍孫
︵勝上
黄鳥や上手に成って藪はなれ
はるの水松旧くべても直に涌く
敬して遠ざくといふごエろを ︵う︶恵方棚一通りより高ふ釣る
冬ごもりする品激や蕪大根
人が來てこの花守にしたりけり
鳥暗や月はきえ行雪のうへ
涼しさの動て見ゆれ鉢の水
青柳や魚の尾ひれも見る初日
︵ほ︶
延し夜をなを更おしむ月見かな︵勝山
籠馴て遠くも飛じ放し鳥
流郷新五左エ門幾代苑三三︶
七 尺 七 尺 七 尺 七 尺 楳 明 三明︵ツヤマ口話町ヌシャ勘平︶ 楳 明 浮 水 ︵ツヤマ林田 石川茂助︶ 馬 佛蓬來屋金田弁左衛門︶
馬 佛
一一P84一一
(94)
仁枝 美作の俳諮資料
ひさご一つが旅のちからぞ
きみよふに白帆のはしる朝あらし
まだ櫛入れぬ遊女の富みだれ
氣味よふに峠のあせもひく清水
かげろふのぼる彦根米原
右 秀 吟 十章
追 謂
いさりび漁火にあぶなき芦の穗わた哉
右 秀 逸
追 加
松に眼を休めて花のあそびかな 涼 雨春 人
右往句集抜葦十章︑月並襲句集抜葦十六章は久世町建井正道氏の
所藏せられるものである︒成立の年次は明かでないが︑作家から
推測して江戸末期か明治初年と思はれる︒何れも久世の連中であ
る︒
● 三浦梅府の磯句額
横巾は松ぽかりなり朧月 おほか花に似た花なし花は多在れど
里へ來る山の煙りやほとエぎす
摺小木に成らん足は盆坊主 ︵え︶黄に見へてすべなき菊の垣根哉 戸をたて工足もと見せん槽明り 文政十二年初夏 心華齋 言説 久世町中山博雅氏藏︒扁額︒ ﹁遺漏﹂の句は太々撰の﹃俳詣螢句 題叢﹄に梅府の作として見える︒ 心華齋梅府は作州勝山藩四代の藩主三浦毘次公︒安永八年に生れ 嘉永二年に莞じた︒.年七十一︒江戸百草の誓願寺に葬る︒
●
津山市高尾 田外一氏所藏短冊等
左記は短冊のみならず︑短冊様の紙に︑何かから切り取られ
たものを貼付したものが多い︒思ふに手紙より切り取ったも
のであらう︒しかし本人の親書と思はれ︑佳句もあるので︑
資料として償値あるものである︒ ︵︶内は裏面に書かれた
ものである︒
見えぬ氣で留守遣ひけり青簾
けふのきくけふばかりでもなかりけり
行あたる小松から立き黛す哉
山吹の花にふかめる垣根かな
遠退けば姻りをふくむ柳哉
芹蓄初手は小聲にはやしけり
楳などもちらぬではなし朧月
鳥らしき貞はせぬなり哺鶉
もえしさる木をさしくべて秋の風 ︵作良高庵 米 園川上勘輔︶
回米米米米米米米 園園園園園園園園
(93)
津山高専紀要第22号(1984)
︵づ︶春風や鴨の飛にもひとつず玉
毛の穴の立程さむし春の雪
湖辺へ来花外立ふねに朝霞
明日雨にならねばよいが梅の月
梨しの花夜はうす雲のへばりけり
降る雨や春になりきる椿山
風まくや小田二三枚ちるさくら ︵ぢ︶青柳有中に□まくもみじ哉
あかつきの大空移る野楳かな
鳥かげや二旧つ黛けば春の水
︵う︶
面白ふほればかねさくはるの山昇る日に腹當て暗雲雀かな
●
天 満宮月並 蛮 句
抜 葦 秀 吟 十 ⊥ハ 章
逆 順
十一丁
草の香になもなき餅の風味哉十三丁
ふらこXや兄はあにだけ高く乗る初丁よそ 鯨所の場にうかと這入やさくら狩+二丁
片在所つひ町になる櫻哉七丁 汐干から戻った入の磯くさき三丁 關守の眉こそふるやちるさくら集
久 王
向東
南 雷 東米子
倭風野師春貞?丸
三津人
村 之 太清 マ 楚 情ブンゴ 森帰鳥
伯誉橋津
竹 栖マ木山葺桑命撰
猿全梅通白通 曼 遊川三川
九丁 くは 立ながら花守飯を回れけり
四丁ふみなれ 踏馴ぬ素足あぶなし汐干潟七丁 あとを見て戻る氣になる汐干哉五丁︵う︶ 養ふた雨におそるエさくら哉三丁 永ぎ日も馴て嬉しX旅衣八丁 行春もおしみ氣はなし鐘の聲
十丁 おつ
梅ほどは折た跡なき櫻かな六丁 くれ ゆく 隙に暮遊びにくれて春の行十四丁 ︵え︶ つばめ
鷹の音は霞に清へてなく乙鳥五丁
我がものとすれば短き日永かな●國 司 宮 奉 燈
雑 句 集抜 葦
逆 順 いで あげつらくと出て見上た嫁の三
つらくと旭の昇る雪の山
あとやさき鷹の聲きく薄月夜 ︵う︶りxしげに先を彿ふてお行列
まってくれわしもこエから抜参り ふかつらくと︐風に回れて猿のぼり
氣味よふに扇射落す海の中
きみよふにうた瓦牒て見る夏の月 旭流魚佛撰
春巣通春猿如梅春白通 人園川人隻蕃丘人雲川 高梅眞高月高三江
泉遊柳泉泉香雨子
一 186 一
(92)
美作の三川資料 仁枝
正月のくれるを﹁はしりにけり
物問ふとかたこと言ふて柳かな
大そらや花のかげなるよし野川
眼のさめることばつ黛きや梅柳 ︵を︶高豪や御製の中に梅かほる
若くさや雪に押れし氣色なし
鶯やうぐひすに似る鳥もないて
戸を押せば花の盗るX野寺哉
鶏も参るよ今朝の藩屑
月の洩庵しぐれて梅の嘉
名を付ル男かしこき新茶哉 この鼻かんで見直したさや之食
鶏の喰もの出來て春の月
木がらしや藪へよびだす海の音
能中の隣ちらしそ花の幕
草畑へ﹁の露れば水のすむ
︵ま︶︵う︶
養父入やまちもふけたるとろx汁 ざるはるの水ながれ非迄美しき汐先へ聲打付るき黛すかな
直をする助は夜のさくらかな
白椿午時の烏の見入たり
庵の夜を哺娯びし蛙かな
二三軒家見亘して初櫻
春の人牛の跡から歩行けり 百左右
三千事
一 瑳 春 江 ゆきをウ 作ワ 困 州
シ 豊江高 鹿 兵 桑
マ 后戸取 野 庫
村 几小象方芝宗志く露可互馬覧其芦夷分竹環米
( に曙町方舟竜郷3扇こ竹翠雨陵之遡江拍再呈縫丸
人の世となり晃かすむ海と山
船頭の喧嘩は過て霞けり
春の鳥ゆめ驚かす夜明かな ︵う4よくのない人伴ふて日の永し
松風のもどりて暮る董かな
日のあたる家に來初し燕かな
呼とはふ聲も績けや春の磯
門柳よんべの雨は夢でなし
のどかさやひとになれたる聯の鳩
永き日や土手を引ずる牛の聲
懸蝶の戸口に落る草家かな
青柳の奈良にはおほき酒屋かな
行はるも風のすじ迄出に晃
野ごxうになれば鳴出す雲雀かな
春風の小口なり髭波かしら
はるの夜の夢にてもなし藝が事
童のもやけ所よ桃の華
只居れば咲てくれるよ梅の花
背戸ロへ五尺あゆめば若菜哉
諸鳥の聲にはそはぬき怠すかな
此の頃は茶の間淋し・き櫻かな
朝雲の連て揚たるひばり哉
梅が香や降るとも雪の地にそはず
蹄たやきぬはる家の門のまへ
豊
ヲ 後 尼
兵伯ワ 別鳥 崎 米
尼
庫陽リ 府府 藩
府藩 竹琴太仙豊平佛蝸巖可雲史省道桐梅党竹朝桂五麻金晋 ?
里女寧瓶明齋水貞嶋秀曉川我雄街分籟雄竹 □三嵐洲
(91)
津山高専紀要第22丁目1984)
人︒安永六年殻す︒年七十一︒大阪難波元町の瑞龍寺に葬る︒安
永二年の﹃半時庵十三回忌﹄の編著がある︒
美作の俳壇は︑寳暦以降は淡々︑百川の系統に属するものが多
く︑勝山の景山青千は淡々の門に學び︑石井屋鳥は八千房二世の
難波の五竹庵木仙︵駝岳︶に學んで八千房三世となり︑五竹庵と
樗した︒菅里翠・美甘の廣岡三三︑久世の今井千々春等は何れも
この系統である︒
これは師が弟子に與へた傳系の形態である︒筆者藏︒
水深云々の五言の封句は︑杜甫の﹁秋野﹂五首の下前聯︵頷聯︶
であって︑水深・林茂の深茂の字を取って俳號としたもので︑或
は淡々が舎檸の爲に與へたのであらう︒
● 文化文政期の俳入寄せ書き
美甘村贋岡幸男氏三吟︒
縦九七糎︑横四二糎の刷物で軸装︒誰の襲案か明かでない
が︑文化文政時代の俳人九十絵入が自作の一句を書いてゐ
る寄せ書である︒廣岡家に傳はってみるところがら︑或は
廣岡麻三の蛮起かも知れない︒麻三は中央部に小さく自作
を書いてみる︒先ず自ら中央に書きつけたとも考へられる
のである︒美甘は出雲街道に臨んだ宿場で︑ここを通る俳
人に︑長い歳月に渉って適才に染筆を依頼したのではない
かと思はれるのである︒空いたところに書いたためか甚だ
讃みづらいものであるが︑私の讃み得たもののみを記する
ことにする︒ 廣しま万歳にもちあるかるX旭かな 綾 彦 イヨ春風の片寄せておく鴎哉 静 山 やみの夜となりて蛤ふとりけり茨にもならで野梅の険にけり梅の木も人に見られで﹁の行 ︵え︶櫻には不足のみへぬ小家哉夜起して風の色見る櫻哉︵じ︶ぢわくとかすみかけたり山椒の木春野見れば藥に成らぬ草もなし山吹のむかしかた氣の見ゆる也歌費の旦那ひろめてうめの乱人の日や生ながらの春の艸 ︵ゐ4春雨のあがっているや芒のほ奥山の几巾に際だつ家敷かなうぐひすや草ふむ声にさびがっく蝶や花やおと瓦ひ寄り瑞木兎もおもしろがるよ夜の雪水取や枝もしづまる星明り夢に見し庭たがはず回すみれ京見ずの笛吹て居るさくらかな花守やたのまれし文嗅て居る夜離れを見て行春の野山哉鶯はよく燦て居るや朧月親子して山の□堀る春辺哉 去年の旅かさもはや春秋を漁りて
芳野見し笠の古びや朧月
米子
一 枝月英東肇羅い が 梧 鳥
高 改 取 め
有吐眉林却屋一子天身成梧飛丘冬月五ち完
え 此 色簡鳳上糸□鳥う鳳車野々下干鳥女化城さ車
寸松
一 188 一一
(90)
美作の僻譜資料 仁枝
是平生の持用也・とちやう
書やう 春もや工 景しきとXのふ
月と 梅 かたかしら もろかしら二字題二寸明
納涼 三折上下分ん明何回のねきにーー哉
一三字題二寸七分明
文萱硯箱 文毫長尺九寸七分
巾一尺一寸六歩高さ三寸九歩
硯 箱 長は八寸二分 巾七寸七分
各 宗 祇 法 也 ①此一巻を露川より漬花に傳し秘董也今舎風甚深切他に越総
て免之みだりに他見あるまじ常々三顧三聖を尊敬怠まじき
もの也宜資
② 青≧三時天明三卯乃仲秋吉辰 白菜
青 ミ 堂
舎 風丈
註①露川 伊賀の人︒遅牛︒名古屋に住した︒季吟に學び蕉門とな
る︒月空居士・三山軒・鎗山窟等の別號がある︒編著に﹃枕か
け﹄ ﹃船庫集﹄ ﹃西國曲﹄ ﹃北七曲﹄等がある︒
③天明三 一七八三年︒白瑛五十一才︒白瑛は寛政十二年般した︒
年六十八︒ ● 淡淡の舎樟に與へた傳系表 △誹 譜 之 二二○貞 徳○季 吟 △芭 蕉 翁 桃 青i一
壷水
茂深ク
紙魚茎;
知極
レルレム
砂面㌻多
しl.!
年半 茂時 旧庵 閑淡 川ミLl
F
普 子 其
角
一1
時 宝 暦 六 年
勃十 宰
嘱弊歳木
下
道 待
ふ ん
か み く八ど
茂 り 四 り
を 瓜
閑 川 主 人
深茂亭︒堀氏︒
シヤポツ閑川の他に舎樟涜
・八千房の號がある︒大阪の
(89)
津山高専紀要第22号(1984)
註①鶯や ﹃別座敷﹄︒ ﹁老をなれ﹂は﹁老を鳴﹂に作る︒
②日の入の ﹃蕉句後拾遺﹄
③香に匂へ ﹃有磯海﹄︒ ﹁うになる﹂は﹁うにほる﹂に作る︒
④花の山 ﹃蕉句後拾遺﹄
⑤染揚て 同︒ ﹁揚て﹂に﹁上下﹂に作る︒
⑥室ふたの
⑦三ケ月や
⑧漸秋風
⑨世渡りや
⑩埋火も
⑬しばらくは
に作る︒
執 筆
座右脇
支考の句︒ ﹃三二三三﹄
﹃蕉月後拾遺﹄︒ ﹁名ない﹂は﹁名のなき﹂に作る︒﹃蕉句後拾遺﹄︒ ﹁吹のばせ﹂は﹁吹とばせ﹂に作る︒
同︒
﹃呼野﹄︒芭蕉の句︒
芭蕉の句︒ ﹃泊船集﹄他︒ ﹁うへ行﹂は﹁上なる﹂
の 事飾墨 細意うでも 此外の道具も飾る
飾硯 文豪 比感 半昏 耳かき
筈指 笠 筆 壼封付記リ
四季の糟あり
執筆の法
右の道具亭主の方飾るべし先硯の蓋を取て其ふたの上
に掛子を置劔筆を染て筆かけに置
執筆覚悟
籾懐需を取てうは需を除二枚横に折て又横三つに折詰
一分残して書べし百韻以上四枚也懐需胸のあたりに持
て書劔賦物なくば誹譜の連寄と書て蛮句を詠べし執筆 膝をたつべし貴入平人とも可有心得事客執筆 平人の句は宗匠の言葉を待て書べし貴人の句は宗匠の 言をまたず書べし遅参の輩打越しより吟ズ懐需の折か へしより下を見ざれ上の句は三段に吟ず下の句二段に 吟ず句の遅ほどせつく吟ずべしした瓦めの時は執筆 膳を持て末座せよ貴人のぜひとあらば可急其意懐需お わりてロに年號月日書上を端書といふ懐昏 春は青色 泉州本下うへは懐需硯箱のふた置べ 秋紫 全 し ママ ロ傅 重石に磯石をひろいて置是秘蜜也 一句引 文嘉の上に置てひくべし執 筆の役なり懐夕菅 一順のうち斗り名も亦吟ず劔懐需ならばほ句揚 句一篇吟ズ常のは宗匠珍客の蛮句揚句二へん吟 ず表需懐需 二枚重ね常のごとく横に折其表斗常のごとく書 百韻は八枚なり折目常の通也竪雷撃 一順く強く先くの句韻宗匠へ見せて書べ し 位人平入
色紙法
短冊法
一一一巾専横竪
ワ六
寸尺寸寸五壷三 分寸分 五 分
一 190 一
(88)
仁枝 美作の俳譜資料
やり句凍暑寒
情情情
感荷の鯖の時分はつるる
⑤
つき合は皆上戸にてのみあかし
さらりくとあられふる也
酔さめ 竈塗立 黒鯛 歯董
小松原 絡ちりめん 凸角鷹
川ばた ぬぐい橡 露の足
とたりと壁のころぶ秋風
きりくすまきつむ下に鳴止んで
きりくすまきの下5鳴出して
きりくすまきつむ下に鳴いてみて
註①青田云々 ﹃鶯に﹄歌仙︒前句付三共に芭蕉︒
②髪ゆふて ﹃秋ちかき﹄歌仙︒前句は惟然︒付句は芭蕉︒
③灯の云々 同︒ ﹁かしら﹂或は﹁ひたひ﹂に作る︒
④八朔の云々 同︒前句は木節︒付句は芭蕉︒
⑤つき合は云々 ﹃青くても﹄歌仙︒前句は嵐蘭︒付句は岱水︒
賦 物
一連寄賦物
何笠
鰯何
一字露歌二字通音
三字中略 の 事①山道木船人身や竹の子藪に老をなれ
②
日の入の雲吹はらへむら櫻③
香に匂へうになる岡の梅の花④花の山けさおとされな坊主達⑤
染揚てあかね干日や桃のはな 四字上下略 駒どりの岡で落日はうす着旧
一字除篇 木がらしの町に入日や鯨責 ⑥一字添冠 室ふたの崩れて青き澤田哉 ︑⑦ 名所句 三ケ月や愚ない山も三笠山 ⑧ 文字除 骨仏風吹のばせ松の村もみち ⑨ 重言葉 世渡りや渡りくらべてわたり鳥
夢想 在郷は在郷めきて竹のはな
早稻の穂に穗をこなす松陰
奉納 松梅を今野に山の御影かな
永く風月をいのるうくひす ⑩ 追善 埋火も清て涙のにゆる音
櫻に花 いつでも若し櫻作りて
山は一過にまで花盛り
花にさくら 法りのはな耳ぬす人といはれたし
櫻咲たつ二十八日
花によし野 やを咲を卑下して見する花一木
みやげのどかにみよしのx葛
吉野花 よしのも奥が訪かへりけり
三衣是があの世のはな成摺り 千句底止百韻磯之
猶 口 傅
月雪
花空せき珍事然 ⑪ しばらくは華・のうへ行月夜かな
(87)
津山高専紀要第22号(1984)
⑤移 木隠れて茶摘も聞や杜宇 ⑥志 いなつまに悟らぬ人のたうとさよ ⑦見入︑ 舞や書は鎖おろす門の垣 ⑧見立 己が火を木々の螢やはなの宿
當流八体付方 ⑨匂 稻の葉のびの力なき風
蛮心のはじめにごゆる鈴鹿山
悌 しらぬ小鳥の声も八月
雲行も能登の嵐に似たる野
面 夜明の魚子は山か麓か ⑩ 五む十し何ならわせの春の風 ⑪寄 には鳥の十二の卵うみならべ
あらたにはしをふみそむる ⑫志 何を見るにも露ばかり也
花と散る身は西念が衣きて ⑬移 堤より田の青柳はいさぎよし ︵い︶ 加茂のやしろはよひやしろ也 ⑭見入 那知のお山の春おそき空
弓はじめすくり立たるむす子ども ⑮はしり 朝風にむかふ合羽を吹立て
大手の上にはしる生もの
注①卯のはなや ﹃別座舗﹄以下八七は芭蕉︒
②かたつふり ﹃猿蓑﹄ ③蓬莱に ﹃泊船集﹄他④塩鯛の 同︒ ﹁歯董も﹂或は﹁歯董は﹂に作る︒
⑤木隠て ﹃別座敷﹄
⑥いなつまに ﹃己が光﹄⑦舞や ﹃藤の實﹂
⑧己が火を ﹃己が光﹄⑨稻の葉の云々 ﹃梅若菜﹄歌仙︒ ﹃葛の松原﹄には回付の例にあ げる︒前句は珍碩︒付句は芭蕉︒西行の悌によって付けた︒⑩五む十し云々 ﹃葛の松原﹄に図示の例に見える︒⑪には鳥の云々 ﹃口切りに﹄歌仙︒前句或は﹁には鳥の卵の藪を うみならべ﹂に作る︒ ﹁そむる﹂の次に﹁也﹂を脱するか︒⑫何を見る云々 ﹃灰汁桶の﹄歌仙︒前句は野水︒付句は芭蕉︒⑬堤より云々 ・同︒前句は凡兆︒付句は芭蕉︒⑭那知の云々 ﹃青くても﹄歌仙︒前句は三三︒付句は芭蕉︒⑮朝風に云々 ﹃水鶏なくと﹄歌仙︒前句は素覧︒付句は芭蕉︒ ﹁上に﹂或は﹁うちへ﹂に作る︒所情粧比 八朔の禮はそこく仕まひ晃 ④ 聲に琵琶をどっかりと置 灯のうへより白きかしらつき ③ 木に十を斗柿をたしなむ 髪ゆふて番に出る旧の朝月夜 ② ︵う︶ 貯めなる石を布たる行水場 青田うねりて夕たちの風 ① 五ケ付所の事
一 192 一一
(86)
美作の俳階資料 仁枝
逢ふ懸
あはぬ懸
別懸祈懸 あふ懸のはじめおはりをかたNがへ 電命く□風なぶりつXくよくと捨つ超べしつもの思ひ 水さすやつを懸のげしく⑥わかれんとつめたき小袖あたxめて ︵を︶ おさなきどちの懸のあどなき ⑦ ちまたの穐に申すかね言
お供してあてなき吾を忍らん
註①兀山云々 秦の始皇の泰山で雨に逢ひ︑松下に雨やどりした故事
に見立てた︒
②新古今 後鳥羽上皇の隙岐で新古今治を進まれたることに依る︒
③歩行ならば云々 芭蕉の句︒ ﹃笈の小文﹄に見える︒ ﹃笈日記﹄
に﹁季の言葉なし︒雑の句といはんもあしからじ︒﹂とある︒
④さま︐く¥に云々 ﹃此里は﹄歌仙︒ ﹁に﹂或は﹁の﹂に︑ ﹁うつ
せ貝﹂は﹁忘れ貝﹂に︑ ﹁つれ合﹂は﹁かたらひ﹂に作る︒前句
は支考︑付句は芭蕉︒
⑤うはおきの云々 ﹃振費の﹄歌仙︒前句は野披︒付句は芭蕉︒
⑥わかれんと云々 ﹃もらぬほど﹄半歌仙︒前句は千川︒付句は芭
蕉︒
⑦ちまたの油云々 ﹃温海山や﹄歌仙︒前句は曾良︒付句は芭蕉︒
﹁吾を﹂或は﹁吾も﹂に作る︒
具
凶
誹譜不易流行 ① 象潟の雨や西施が合歓の花
注
艸 行 皮
肉骨
② いざさらば雪見にころぶ所迄 ③ ふり費の﹁哀なりゑびす講
付方流行不易 ④ あられの玉をふるふ蓑の毛
鳥やこもる鵜飼の宿に冬の來て ⑤ 星さへ見えぬ二十八日
ひだるさはことに軍の大事也 ⑥ 送手に脈を大事がらるる
後呼の内儀は今度やしきから
①象潟の云々 ﹃奥の細道﹄﹃纏尾集﹄︒ ﹁象潟の﹂或は﹁象潟や﹂
に︑ ﹁雨や﹂は﹁雨に﹂作る︒芭蕉の句︒
②いざさらば云々 ﹃泊船集﹄︒ ﹁さらば﹂を或は﹁行む﹂に作
る︒芭蕉の句︒
③ふり断り云々 ﹃炭俵﹄︒芭蕉の句︒
④あられの玉云々 ﹃温海山や﹄歌仙︒前句は曾良︒付句は芭蕉︒
⑤星さえ云々 ﹃振費の﹄歌仙︒﹁見えぬ﹂或は﹁見えず﹂に︑﹁ひ
だるさ﹂は﹁ひだるき﹂に作る︒前句は孤屋︒付句は芭蕉︒
⑥転手に云々 ﹃三彩に﹄歌仙︒前句は芭蕉︒付句は支考︒
寄響悌匂 落話の並幅も寒し魚の店 ④ 蓬莱に聞ぼや伊勢の初便 ③ かたつふり角ふり分よ須磨明石 ② 卯のはなやくらき柳のおよびごし ① 島流八体句作
(85)
津山高専紀要第22号(1984)
NDC. 911.3
● 美作の俳譜資料e
仁 枝 忠
︵昭和五十九年四月二十八日︶
有元白瑛のロ郵書
一天明三年差舎風に與へたもの
有元白瑛︑名は茂左衛門︑別號を青々堂といふ︒白瑛は白墾とも書
く︒弓削の人︒松木淡々に學んだ︒天明・寛政の頃に於ける美作俳壇
の重三であった︒寛政十二年段︒年六十八︒
舎風は久世の人︒天明の頃に活躍した人物であるが︑傳記生般年等
は詳かでない︒
このロ傳書は久世町の.中山博雅氏の所藏である︒氏の曾組父を黄鳥
庵南窓といはれて俳句を嗜まれたことから︑或は舎風は中山家に比島
の深い入かとも思はれるが明かでない︒なほ前の部分に脱落があるや
うに思はれる︒
下句つX あらしの度に柿は三つ玉
下句て 見ぐるし髪の詣はほどけて
下句に 夜から伯父の饗をこなしに ︵ひ︶下句見ゆ むかいの山に野老ほるみゆ
︑見ゆおさへ字 うくすつゆふ む る にておさへ字 を は も か ら着せてには せんかたもなき高く雨空 ① 三山は立寄陰も雨やどり當てには また掻たつる島のともし火 ︵え︶ ② 古今集ゑらび讃たる新古今
いとすすき
重てには 糸薄超る間もなぎ露のたま たまの客とて取はやしけ・り 月 の 事 口 傳・ 月は七句めにゆつる 月々にあれぽ.八月 花 の 事 口 傳 花は十三句目にゆつる 四席に分れば四本ぬ
四季口傳 春は三句より五句迄 夏は二句より三句迄
秋は三句5五之迄 冬は二句より三句迄
本弐表 ﹂面影句翻りの表折句にすべし 猶口傅 ③かち雑の難句 歩行ならば杖突坂を落馬斜
懸の句口博 懸の句ならで有間敷事 二句より五三迄 ④懸の情 さまくに懸はまて貝うつせ貝 めをと 乞食となりて夫婦つれ合
初懸 戸ぽそから藥とる手に思ひそめ
我たましひは蝉のぬけがら ⑤待懸 うはおきの干葉きざむもうはの空
馬に出ぬ日はうちで懸する
一 194 一
(84)
美作の幽幽資料 仁枝
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(83)
津山高専紀要第22号(1984)
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享撃奢酵鍾 有元白瑛の口傳書の一部 コ こじサ オ じハ
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一 196 一