札幌市におけろ所得分布
曙
早川三.代治
93
,目次
はしがき︒考察の目的︒
第一章︒戸敏割所得による分析︒
戸敏割所得分布表︒
就会的ビラ赴ッドの形状σ
所得分布曲線︒
パレート線︒㈱
一所得分布曲線の諸性質︒国
所得分布の不李等度の測定︒㈹
累積度暫紬分布の吟咲叩︒㈹
勢働者所得分布︒㈹
冤税黙以下小所得の分布︒㈹
札幌市における所得分布
ノ 4
﹂
︑
●
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6
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調 磯
219、 ζρ
か
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︑'ピ衛し
︑
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や
94
一商學討究第三巻第二號
第二章︒職時中並に職後の所得分布︒
e第三種所得分布と戸敏割所得分布との比較︒
⇔職時中の所得分布歌態(札幌税務署管匝)︒
繭職後の所得分布状態(札幌税務署管匠)︒
⑳・職後札幌市における所得分布︒
はしがき℃考察の目的
︑ O
O塾
̀'220
'
此考察は二章から成る︒第一章は丸幌市における昭和五年度並に八年度の戸数割賦課の標準とされた昭和四年中並
ゆに八年中の個人所得に關する分析である︒その骨子は去る昭和十年四月︑棘戸商業大学で開催された日本統計学会第
五回研究報告大会に於て報告を豫定されたが︑たまたま病氣のため公約を震むことの出來なかつたものである︒資料
そのものは既に二+年乃至二+藪年も以前のものではあるが︑當時︑札幌市當局の厚意によつて同市の戸数割賦課原
簿によつて提供されたものであつて︑その所得額は第三種所得に於けるが如き控除を行はぬ︑謂は璽﹁生のま﹂﹂の
総所得額を示し︑且つ第三種所得における冤税鮎以下の低所得をも包含するものである︒私はこの資料,の分析から出
立し︑それを手がかりとして︑所得分布の諸麦なる問題を考察し︑就中︑冤税鮎以下の低所得の分布状態を推定し︑
以つて全髄の所得分布欺態を把握するに役立たせたいと思ふ︒
第二章は第一章に於ける所見を基礎として第三種所得並に綜合所得の資料から職時中及び職後に於ける所得分布状
態の推定を試みる︒職時統制時代及び職後インフレーシ.ン時代における札幌市の急速な稜展は瞠目に値するものが
あるが︑その間に於いて所得分布歌態は如何なる様相を呈したかを比較考察したいと思ふ︒
ノー
■
︑' 是等の考察を通じて私が期待する観貼は凡そ次の如くである︒第一の黙は︑第三種所得統計では冤税鮎以下所得の
分布の様相を知ることが田來ないが︑私の資料の戸数割所得ではそれが充分に
把握出來ること︒第二の鮎は︑昭和四年乃至昭和七年の時期は世界的大不況に
襲はれた沈滞時代であつたので︑斯る時期に於いて︑一事例として札幌市の如
き中都市が如何なる所得分布歌態を示したか︒第三の黙は︑亭時と職時中とに
ド於ける所得分布瓶態の相異如何︒而tて第四の貼は︑職後︑札幌市の急激な稜
展に於て︑所得分布状態が如何なる檬相を示しているか︑という諸鮎である︒
第一章月数割所得による分析
都 市 名
昭 和 四 年 末1 昭 和 七 年 末 年奉均噌加率
世 副 人 ・ 世 副 人 ・ 世酬 人・%
4.06 3.23 0.93
表
2.97 2.66 0.25 202,251
176,390 150A48
0戸数割所得分布表,
昭和四年末並に七年宋當時においては︑北海道内人口十万人以上の都市は第
隻一表に示す如く三市であり︑札幌市はそれらのうち似第二位に位していた︒
第一表によつて見れば(自昭和四年末至昭和七年末の三年間の三市における
世帯数並に人ロ敏の歌態は停滞的であつた︒殊に小樽市の場合は甚しい停滞歌
態を現はしている︒
・㌻私の資料とした戸藪割賦課原簿上の世帯総数は第二表の如くである︒
是れによつて見れば︑戸殿割納税世帯数は総世帯藪を網羅していると見て大
95
過がない︒是れに反し︑札幌市における所得分布
ノ 一
第180,300 160β21
146,385
39,272 34,397 28,917
36,060 31β52
28,703
市市市
館幌糧
函札小
第三種所得税納税世蒙総幕警封して萎禦にド馨§昭和四年)・挿蓑(昭刎 ﹁
︑ 隻ノ'
'
,
96
和七年) も〆h商學討究第三巻第二號 ノへに通ぎない︒それ故に︑第三種所得税納税世帯だけによつて所得分布歌態を︑殊に所得分布の不亭等度如何
︑
●'
表二.
第
臨 菊 撃年梨
34,397 176,390 4,243 12.34%
35,117 31,852
160,821 4,340 13.63%
24Aas 穂琶帯敷
総人 ロ敷
ザ ノ
第三種所 得税納 税世帯数 同上・纏 世帯数 に封 す る割合 戸敷割賦課 原簿 上の世帯総敷
第三表 札幌 市戸敏割賦課標準所得分布表
昭和 四年 昭和 七年
蕊 蹄 敷1刎 世鞘1%
310841991331014066829594120150907031903020101000000001239778643125100000000.000000000‑占‑凸‑占一
10 48 16 86 80 57 17 14 05 71 40 60 58 26 44 71 54 33 23 12 〃oo 11 7 3 3 0 0 0 0 2 8 β β £ ﹂ β 2 4 ユ 3 9 β 5 3 1 6 6 6 2 2 2 1 1 1
﹂5認29所羽茄釦お⑳血朋翻認認血29認認胡舶⑳価加加皿90加皿128888・7531362100000000000000¶⊥■よ‑山
バリ ソリの ソるらワる ソヨハリ ワるゆフ ヨ エ むピリウリ ユ コ バリ りの
28脚4651加皿閥婿873985緬51釦脇7531171124422111
1払4281・ ・・…135・U71m・ ・
所 得 階 級
1‑
100‑
200一 占
300‑
400‑
500‑
600・‑
700‑
800‑
900‑
1,000‑
1200‑
2,000‑
3,000‑
4,000‑
5,000‑一
、6,000‑
79000‑‑
8,000‑。
9の00‑
10,000‑
20,000‑
30,000‑
40,000‑
50,000‑
60,000‑
70,000‑
80,000一
100 200 300 400 '500
600 700 800 goo 1,000 1200 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000
の9,000 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000 90,000
90,000‑一 一100,000
100,000一
計
222
●
聯
ヒヒの問題を論することは要當でないばかりか危瞼であるとさえ言うことが出來よう︒反之︑かつての地方自治膿の實施
した戸数割賦課の封象たる所得においては︑原則として冤税黙がなく︑甚しい貧困者に封してのみその賦課を冤じて
いたから︑所得の分布の範園(値域)を遙かに廣く知ることが出來た沌實際において私の使用した資料によれば︑所
得の分布範園は最低ド圓以上から最高Q︒Q︒闘8函(昭和四年)︑乃至目メ刈8塵(昭和七年)にわたつて夫々の所得階
級に封慮する所得世帯数が知られる利便があるので︑所得分布の不奉等度を問題とする資料としては︑第三種所得統
!計よりも遙かに好適のもめとすること・が出來る︒,
' 価
̀
97
.
囑\
先づ最初に︑昭和四年並に同七年中の所得階級別世帯敏を表示すれば第三表の如くであるρノ
ーノ国肚会的ゼラミドの形歌'̀
殉鴛雲oの所謂﹁所得の砒会的ピラミッド﹂の.形歌に就ては︑パレートの解明以來著名となつているが︑第三表に
擦つて札幌市の場合を見ると︑第一圖並びに第二圖に見られる如く既に完全に都会型を表はしている︒この事
は私が他の機
沁ら・もらり会に於いて度
︑9︑も︒々述べた所見︑ヘミもゐも
おミも帯と同檬であ
拘o︑‑る︒(註一)即
静ミ︑世ち第鱒圖(昭
庵︑聴も和七年)に見
︑斜ミ"るように︑ピ沁$ミ︑
ラミッド下暦
︑.部における各
所得階級の分
,化が著しく︑前得冨)それと共に中泌暦部の階級が相當に形成され︑更に上暦部ハ殊に先端部が薯しく高く伸長している︒本圖によつて︑所得分布の不均
︑.札幌市におげろ所得分布︑
︑'︑
‑噛r●! ︑ ﹂ \
■ 鯛
'
98
ら 商學討究第三巻第二號
等性が如實に表はされている事が知られる︒訳にぜラミ.ドの底邊部の形歌に就︑いては︑パレートは種々の推定を試み‑
第タ固
7
酢︑得(圃)
20,00̀
'o.eeo
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黛き︑ミ
W31︒g
め⑨ミも
世
蛍ミq. その著しく下
方に塵縮され
.ていることを
推論しかが・
札幌市の場合
にも第二圖
(昭和七年)の
ようにパレー
トの推論に合・
致すること津
示している︒
︑日所得分布曲線.,,
第三表の所得分布表に基いて︑第三種所得税菟税鮎に相當する千二百圓を境界とし︑冤視職以上及び以下に匠分す
れば︑その世帯数並に所得総額及び各百分比率は次の第四表の如くである︒
.第四表に依つて概観的に言うならぱ︑総世帯の約お獣内外の冤税鮎以上の世帯が総所得額の略ぼ巴獣に近い所得
額を占めて︾る︒叉爾年の間の推移を見るならば︑総世帯に封する冤視黙以上世帯の占める割合が悼紹訳だけ減少
し︑畠所得額については︑総所得額に封しで冤税瓢以上所得の占める割合がqO刈叡だけ減少を示している︒これらの
ー
224
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︑
嶋●
99
竃︑血
金51
得躯
齢簾㈲薪表講)額圓50四金(協
得螂
第所
数23,帯,蔦2世
劉 簾 糊
48.39 100.00
88.11 11。89 100.00
3,028 744 8,795,900
18,177,250 2,905
24428
. }
昭和四墨
免税 点以 下 免税 点以 上
計 昭
和 七 年
冤税点以下 免税点以上
計
31,944 3,173
辱 35,117
12み83,700 19,158,950
2ユ,642,650
391.9α96 2,887・9』4 616100.00
57.68 42β2 100.00
障 藪字は微少ではあるが︑何れにしても
所得分布の歌態がや﹂不牛等度を減じ
たことを意味していると解することが
出來よう︒
更に第三表について見れば︑分布の
最厚部即ち並数の存在する所得階級は
昭和四年においては三百圓以上四百圓
未満の階級︑昭和七年においては二百
圓以上三百圓未満の階級である︒斯く
む
て所得分布の並数は︑昭和七年は昭和四年に比べて一階級(級間隔百圓)だ
︑け低下したこと﹂なる︒又︑最高所得階級は昭和四年の八万圓以上九万圓未
満の階級から昭和七年の十万圓以上二
十万胤未満へど上昇しているが︑一世
帯當李均所得は昭和四年の﹃鳶國から
昭和七年の窪α璽へとμ鵠國の低下を
示している︒即ち嵩・博獣の低落であ
札邑幌市における所得分布
︑ ㌃
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ミニも︑恥
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76巳ノ
225
︑
署
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ノ
へ
100
商學討究̀第三巻第二號
る︒
りロ吹に第三表の所得分布表に基いて︑直角座標軸の横軸
上に所得額をとり︑縦軸上に世帯殿をとつて所得分布曲
線を描けば︑第三圖(昭和七年)の如き曲線が得られる︒
この曲線は一見して明らかなように︑甚しい正の非封稽
性む現はしている︒
﹂四団霞08線●
ノ今︑所得額を図とし︑図以上の所得額を有する世⁝帯の
も
累計数,を冒として︑これを爾封数目盛上に累積度敏分布圖(oσq才o)を以つて表はせば第四圖の如くである︒
但し︑第四圖中︑線P閑Oは昭和四年戸敏割所得︑
b︑国︑O︑は昭和七年戸数割所得︑寓男は昭和四年第三種
所得︑尾属︑は昭和七年第三種所得を表はす︒是等の曲
線の形態並に冤税鮎の位置を比較考慮するならば︑第三
種所得分布或は菟視勲以上の所得分布の形歌だけを以つ
て直ちに所得分布を論することの危瞼が一見して明瞭で
ある︒
㈱所得分布曲線の諸性質﹂ 第ゆ圖
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'0,000 塾
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刈
渦
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, σ
㌧.我々は實際に第三岡のような著しく正の非封構性を有する分布曲線を得たので︑この分布曲線の歌態及び性質を記
述するに必要な各種の数値を求めなければならぬ︒
働先づ度数分布の数量的位置︑換言すれば分布度数集申鮎の位置を知らねばならぬ︒そのために用ひられる各種の
中数を求めれば吹の如くである︒︑'
昭和四年中戸敏割所得について︑その所得総額並に一世幣當李均所得額を原簿から直接に求めれば︑
ヨ,哉謬慧μQ◎ち2"譲O匝︑
唱芯奪お慧司沼・藩厘バ誉刈き璽).
である︒
又︑取扱の便宜上︑原分布表を簡輩に整理し︑所得階級中央値をX︑分布度数をf︑世帯総敏をaとすれば
ヨお灘慧M{・図Hμ◎◎レミ℃馨函.
となり︑從つて一世帯當平均所得額は︑
!酋群酵翌芯墨盤撫.図ロ銭這.︑β・表
となる︒かくて爾敏値は殆んど合致する︒同様にして︑昭和四年並に七年について算五術準均︑幾何亭均︑中位数並に並数を夫々統計学的算出式に從つて求めれば第五表の第
如くである︒
②'次に度敏分布の程度を知るために︑分散度を測定する種々なる方法によつてこれ
を求めると次の通りである︒
う札幌市における所得分布
'
﹁..
1昭和畔 卜昭和七年 算術亭均
幾何李均 中 位 敷 並 難
400圓 302圓
744圓[6・6圓
蜘 巨24圓
341圓 247圓
! ' 0