• 検索結果がありません。

ドイッの大学における「情報学」学科

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "ドイッの大学における「情報学」学科"

Copied!
13
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

47

ドイッの大学における「情報学」学科

栗 山 次 郎

1 はじめに

 計算機(及びその周辺科学)に関する研究はドイツではInformatikと称さ れている。その名を冠した学部を有する大学もあるし,数学・Informatik学 部を設置する大学もある。ベルリン・フンボルト大学はInformatik学部と応

用Informatik学部を有している。

 計算機をいわゆる人文科学,社会科学の分野に活用し,学問的,応用的シス テムを構築する研究,教育は上記学部だけでなく,他のInformatik学部,学

科でも行われている。

 エッセン総合制大学では1989年にそれまでの経済学部に加えて,経済Infor−

matik学部が設置された。経済Informatik学科はその他の大学(例えばベル

リン自由大学,ハイデルベルグ大学)にも見られる。

 ボッフム大学では1987年に人文科学関係学部卒業者を対象にした補充学科と して「人文科学のためのInformatik」学科が新設された。ハノーファ大学で は保険Informatik学科が学生を受け入れており,ベルリン自由大学のデータ 処理センターでは「文芸学におけるPC利用」も開講されている(1990年度)。

 これらのInformatik(の研究と教育)とは別にInformationswissenschaft学

科が置かれている大学もある。

 本論ではこのような「情報学」学科の概略を述べる*。

*)Informationswissenschaftを情報学と訳した。訳,または用語においてInfomlatik

 を「情報工学」,「情報科学」,Informa60nswissenschaftを「情報学」とはっきり限

(2)

 「情報学」は研究面での広がりからみても,研究スタッフの数から言っても Informatikとは比較にならない。その置かれている状況もきわめて困難iであ

る。それは「情報学」の学問上の位置を反映している。研究,教育の制度上か ら言えばドイッ内に学科が3つ,オーストリア内に研究所が1つあるだけであ

る。本論ではこれらに加えていくつかの講座を紹介する。

 60年代に入ってからアメリカ合衆国,ヨーロッパにおいて情報学が語られる ようになり,ドイッにも及んできた。以来現在に至るまで,ドイツにおいては

情報学に関する共通の理解は確立していない。その理由としては,

 a.代表者(団体)が不在で,代表者(団体)達のみが存在している。

 b.情報学が大方では実用領域での事柄と見なされ,学問レヴェルでの対処

   が進んでいない。

 c.数学,情報工学に示される計算機(及びその周辺科学)の発展が目ざま

   しく,それをフォローするのにエネルギーが費やされている。

等が挙げられる。

 たしかに情報学は情報技術,コミュニケーション技術,通信技術等にみられ

る科学技術(の進歩)を抜きにしては語れない。しかし技術や制度(の進歩)

を一次的前提とは見ていないし,社会や文化における知識の役割を視野にいれ ながら,情報要求を持つ人々の要請に広く応えようとしている新しい分野であ る。このように周辺を強力な科学に囲まれ,立脚点は多様であり,加えて歴史 の浅い分野であるが故に情報学は学問体系の中に一つの地位を占めるのが容易 でない。自分の地位確保のために大学内で常に「その地位を求めて闘わなけれ

ばならなかった」(資料f.S.127)のはこのような事情による。

定,区別して使用するのは実態に合わない。現在の日本では「経済情報科学」という より「経営情報学」と言う。「経済」と「経営」の対象分野の相異は別にしても,こ

の場合「情報学」にあたるドイッ語はInformatikである。本論では情報科学と情報

学の定義,相違,重複,担当分野,更には二つの学部・学科の成立事情,発展史の比 較を意図してはいない。ドイツ語圏の大学においてInfomlatikと称することなくIn−

formationswissenschaftと自分を呼んでいる学科を紹介しようとするのである。

(3)

ドイッの大学における「情報学」学科      49

皿 ベルリン自由大学の「情報学」学科

 ベルリン自由大学の「情報学」学科はコミュニケーション学専攻分野におか れている。その趣旨,歴史,カリキュラム等は次のようである。

1.「情報は行動する知識である」

 知識はきわめて一般的な現象であり,それが学問的であるか,実用的なもの かを問わず,ある世界のモデルを示している。そこには多様な構造が含まれて いる。この知識は行動には必要不可欠であり,行動の目的にしたがって処理,

転換される。この転換は多面的であり,重層的であり,長い歴史を有している。

現時点での転換要素を挙げてみれば,

 a.転換の基礎としての工学。これはいはば知識の情報化である。これの発

   展無しには「情報学」は考えられない。

 b.情報化された知識を行動に応用する側面からみれば,

   ・ある知識に対応したコミュニケーションプロセスの構築    ・知識基本システムの構築

   ・情報システムと知識産業の相互関係 等である。

 知識の蓄積,知識の情報化,情報の応用化という現実の中にあって,「情報 学は新しい情報技術,コミュニケーション技術という条件下にあって,個人,

組織社会の全ての地平における知識利用の学である」(資料b.S.7)。

 情報工学の進歩によって知識と技術と人間とが新しい関係の中に投げ込まれ ている。古典的知識の境界になじまないこの問題群を新しい知の獲得によって 解明,解決する必要性に直面している社会と学問領域において,圧倒的な技術

と人文科学,社会科学的諸領域との橋渡しを目指すのが情報学のバースペクテ イーフである。

 情報学の方法論としては次の諸点が挙げられる。

(4)

 a.知識の獲得,伝達が何よりもコミュニケーションプロセスと解されるの

   であるから,情報学はコミュニケーション学の一翼を担う。

 b.情報学は知識を表示する研究である。表示の多くが言語を利用している    が故に言語学との接点が多い。表示利用の場として図書館,ミュージア

   ムを前提とした図書館学,博物館学との関連も深い。

 c.知識を情報化,組織化する手段としての技術は拡大,進展しているので,

   情報学は情報技術の応用研究でもある。

 現実においては情報に関する技術と文化と利用とは複雑に交錯しているので,

情報学の研究,教育においてもこれらの方法論を単独で,独立した形で扱うこ

とはきわめて困難であり、またまれでもある。

2.略史

1954年 雑誌の文献整理の視点から図書館学に関係して講座が始まる。

1966年 文献整理学が副専攻として認められる。

1968年 インフォーメーション・ドキュメンテーション学としての(コミュニ

    ケーション学部内での)専攻認知を求める。

1970年 主専攻として認知される。

1984年  「情報学」学科設置。

1988年 大学は専攻分野改組の一環として専攻,学科取り消しの方針を出す。

    当学科は精力的に各方面に働きかける。その結果,方針は撤回され,

    存続が認められる。

 現在は教授1人,助教授1人,非常勤講師数人のスタッフである。入学希望

者は多いが(89年現在で在籍者は350人),不安定な位置にある。

3.カリキュラム A.基礎教育

情報伝達,知識伝達,コミュニケーション技術,情報と管理,技術と文化

・社会等に関する基本理解を目指す。

(5)

ドイツの大学における「情報学」学科       51

情報学を主専攻とする学生には,

 a.情報学基礎      8時間  b.データ処理とPC使用     4時間  c.情報技術の実際         6時間  d.技術使用理論         6時間

 e.言語学,経営学,歴史方法論,自然科学等から2領域にわたって       10時間

が課せられている。

 B.専攻教育

 次の分野が開講されている。授業科目は例示である。

 a.情報マネジメント… 組織情報論CAD論,コミュニケーション・

   ネットワーク論等

 b.知識オーガニゼーション…  LISP,知識表示,データバンク論等  c.技術応用…  映像メディア論,映像分析論,システム理論等

 d.ヴィジュアル・コミュニケーション…  ヴィジュアル技術論,考古学    プレゼンテーション論等

 現在まで,大型研究施設相互間のコミュニケーション分析を目指した「遠隔 地共同作業」(1988年)やイギリス,フランス,ドイツのミュージアムの市場 戦略を例示する「ミュージアムとマーケッティング:ヨーロッパ」(1990年)

等のプロジェクトに参加している。

 これらの研究,教育,プロジェクト参加から1973〜90年にわたって73本の修 士論文が情報学科に提出されている。ここ数年間の論文題目から例示してみる。

 ・ホテル業界におけるコンピュータ支援経営情報  ・イギリス人のミュージアムの展示  その傾向と分析

 ・組織とE.mail

 ・社会の発展から見たベルリンの情報学

 ・LANとオフィス・コミュニケーション

(6)

・東ドイツにおけるマイクロエレクトロニクス

・人間の思考と人口知能

・エンド・ユーザー論

・データ保護と法治国家論

・人口知能のプラン・システム

 論文のテーマは様々であるが,これもベルリン自由大学の「情報学」学科は 一面では,マンーマシーンの複雑な関係を変化する条件に合わせてモデル化す ると共に,他面では情報の中にある人間に向けた新しいシステムを模索してい

る努力の表現と言えるであろう。

皿 コンスタンツ大学の「情報学」学科

 コンスタンツ大学は1964年設立の新しい大学である。ここにはInformatik 学部はない。情報工学,社会学,行政学,経営学,心理学,言語学の協力関係 のモデル試行として1970年社会科学部,政治・行政学科内に「情報学」講座が

設けられ,1988年学科に昇格した。

 現在のスタッフは教授2人,講…師4人,補助員7人で在籍学生数は1987年現 在で180人。

 「情報は行動する知識である」というモットーは前述したベルリン自由大学

「情報学」学科と共有している。とはいえその趣旨や研究方向はその成立事情

をおのずと反映している。

1.趣旨

 「情報学」といえば「情報に関する学」が厳然と存在するかのように思える。

ところがこれはきわめて流動的な「学」である。そもそもこの「情報」という

のは人間個人の存立及びその共同生活の基底をなすものであり,一つの分野と

して独立して取り出し難い性質である。「情報学」は情報に関する全ての分野

(7)

ドイツの大学における「情報学」学科       53

の上位概念である。

 とはいえ現実の社会変化,学問の広がり,知識の拡大に直面した大学はその

扱う「情報」を限定せざるをえない。

 おびただしい時間と経験の中で蓄積された人々の知識の一部分は私の目の前 に確かに存在している。が,目下解決しなければならない問題に対して目の前 に存在する知識だけで対応できる状況は殆ど考えられない。知識の大部分は隠

されているのである。

 問題解決に必要な,そしてしばしば目の前に存在しない知識の集合体を「情 報」と位置づける。このような情報はそれ自体として使用されるためには,時 間,費用,目的,能力等々を配慮して前もって手を加えられて(処理されて)

いなければならない。

 この情報処理は一義的には計算機に依存している。とはいえ情報処理は単な る技術的問題とみられるだけではない。多くの周辺条件も考慮しなければなら ない。様々な分野での方法論が検討され,応用されなければならないのである。

 このような観点から,情報工学への依存は必須としながらも,情報工学,人 口知能,言語学,心理学,経営学,行政学等々に関する全ての情報現象を各々 の分野のパースペクティーフから扱い,情報という付加価値を生み出す方法論

に関する研究,教育の必要性が認識された。

 q青報学」学科はこのような考えのもとに設置されたのである。

2.カリキュラム

 情報技術の更新は絶え間なく行われており,情報量は急速に増大しており,

情報要求は多様化しており,情報市場は国際化している。情報技術やシステム

が形成する情報バリアも問題となっている。

 この学科では次の三つの柱によって研究,教育を進めている。

A.情報伝達…  社会的産出である知識を問題解決に利用,変換,供与する

  方法論。テキスト・データバンクの実際,情報市場の経済的,法的,政策

  的検討等。

(8)

B.情報マネジメント… 組織が情報というリソースを意識的,経済的に利   用する際の諸問題。組織内情報処理,情報要求と個人情報,オフィス・コ

  ミュニケーション等。

C.知的情報処理…  人口知能を基礎に知的問題の解法を求める。情報シス

  テム,自動翻訳,認知モデル等。

 これらの研究,教育に基づいて近年提出された論文の題目をいくつか例示す

る。

 ・行政におけるオフィス・コミュニケーション  ・医療相談にみられる言語理論モデル

 ・ISDNネット論

 ・CAD/CAMシステム導入と職業変化

 ・ヨーロッパのコンピュータ支援法律情報システム  ・行政における地域情報システム

 ・情報サービスから見たEC統合  ・知識構造モデル

 この学科の成立事情からして行政学や経営学からのアプローチに重点がある ようにみえる。

 V ザールブリュッケン大学の「情報学」学科

 ザールブリュッケン大学の「情報学」学科案内(1988年版)は学科案内とし ては特異である。(当時の統計で)ヨーロッパ内で売られるPCの80%はアメ

リカ製,ヴィデオコーダの90%は日本製,世界の情報に関する支出の内90%は アメリカ内でなされている…  国家レヴェルでの育成無しにはドイツは情報

産業のゴミ捨て場になるだけだ…  という風である。

 研究,教育の両者において実用の視点を重要視し,「専門情報と言語問題」

(9)

      ドイツの大学における「情報学」学科      55 という現時点での要請に応える形で,

a.授業プログラムとしては  ・狭義の専門情報

 ・情報マネジメント

 ・情報産業(出版業etc.)

 ・受容者情報システム(ニューメディアetc.)

という4分野,

b.実務(研究)プランとしては  ・専門情報の言語問題

 ・分析,予測,効果  ・情報源,情報プロセス

 ・新しい,又は特殊な領域の情報サービス

という4つのセクションをたて,それを組み合わせて,下の表に示すようなプ

ロジェクトを組もうとしている。

    教育

、究

狭義での

@専門情報

情報マネジ

@メント

情報産業 受容者情報

@システム

専門情報の

@言語問題

テキスト解明

@ システム

使用法入門

統合共同モデ

@ ル作成

テキスト推定

@ システム

分析・予測

E効果

言語データ

@   処理

テキスト・ソ

tトウェアー

言語データ

@  処理

ニユーメデイ

Aのシステム

ェ析

情報源と

﨣 プロセス

人文科学での

hキュメント eーション

人文科学にお

ッる要求分析 ニ利用者分析

(内容は不明) 専門情報での

eキスト推定 Vステム 新しい情報

@サービス

言語データ処 揀Tービスセ

塔^ー構想

研究所サービ Xシステム

¥築

出版社サービ

Xネットワー

N

応用利用法

(10)

 全てのプロジェクトが実施されているわけではないが,各々において理論的 コンセプトを実験システム,モデルシステムに応用し,利用及び実現の可能性 を模索又は拡大する方針である。そのことにより問題解法が広範囲に求められ

ると共に,情報学自身がマンーマシーンーコミュニケーション,研究における技

術使用等の緊急にして,社会的にひろがりのある問題設定に発言権を有するこ

とが可能となるのである。

 情報学を専攻する学生は上にみたような大学での教育に並んで,学外での

「情報実習」を経験しなければならない。期末休暇に分析段階で8週間,デモ ンストレーション段階で8週間である。

 学外実習は,ドイツで人気があり,入学希望者の多い職業大学では必須であ るが,大学での学外実習は職業人養成をめざすザールブリュッケン大学「情報

学」学科の一つの実験である。

 「情報学」学科は哲学部基礎科学学科内に設置されている。スタッフや学生

の数,論文リストは筆者には不明である。

V グラーツ大学の「情報学」研究所

 オーストリアのグラーッ市内のグラーッ大学,グラーツ工科大学,ヨハノウ ム研究所,ボルツマン研究所が共同でゆるやかな組織体としてのグラーッ情報 処理研究所を形成している。各セクションは母胎大学,研究所に分散している。

 グラーッ大学は医療情報研究所と情報学研究所を,グラーッ工科大学は通信 技術研究所,コンピュータ支援ニューメディア研究所と情報工学研究所を,ヨ ハノウム研究所は情報システム研究所とマルティメディア・インフォメーショ

ンシステム研究所を,そしてボルッマン研究所は医療技術研究所を有している。

 この配置を見ると「情報学」はきわめて広く解されたInformatikの一分野

として構想され,且つ存在し得ることが分かる。

 グラーッ大学は6学部,スタッフ2000人,学生25000人をかかえる。情報学

研究所は社会・経済学部内の研究所として1987年に設置された。スタッフは4

(11)

      ドイッの大学における「情報学」学科      57 人,1990年には102名の学生が属している。

 科学,社会,経済,行政におけるインフォメーションシステムを構築するこ とが趣旨であり,研究,教育はコミュニケーション学,図書館・ドキュメンテ,

一ション学,情報マネジメントの3分野で行われている。

 1990年度の授業題目としては情報学基礎,ドキュメンテーション方法論,文 献利用論,電子出版,情報技術と社会,データバンクシステム,データ保護,

情報検索論,情報システム論等が挙げられている。

 論文は

 ・PCにおけるデータ保護のコスト・ユーズ分析  ・図書館における相互データバンク論

等である。

 V【デュッセルドルフ大学の「情報学」講座

 デュッセルドルフ大学哲学科に置かれている「情報学」講座は現在のところ

副専攻としてしか認められていない。

 講座の趣旨は科学,経済,行政におけるインフォメーションプロセス,イン フォメーションシステムへの体系的アプローチとし,研究,教育の内容は情報 の処理,受容,管理,分析に対する論理的,方法論的,技術的知識の伝達とし ている。

 基礎研究としては

  ・情報学の理論と方法論   ・情報プロセス

  ・知識表示

  ・情報工学及びコミュニケーション学の利用 の4分野にわたって2年間に28時間,

 専門研究としては

  ・情報システムの計画と組織化

(12)

  ・情報と社会

の2分野から12時間の履修を求めている。

 授業題目は情報学概論,国際情報政策論,情報マネジメント,ドイッの図書

館制度,オンライン調査論,知識段階論,専門コミュニケーションの法的位置,

ある雑誌の発刊から廃刊まで,知識社会学,情報検索システム等である。

 教授1人,講師3人のスタッフで,学期毎に250人を越す学生に講義,ゼミ,

実習,コロキュムを提供している。

 受講生の比率は,1989年冬学期で見れば,人文科学関係領域(主として語学 関係)を第1専攻にしている学生が約45%,社会科学関係領域を第1専攻にし

ている学生が約20%である。

 また,レーゲンスブルク大学では言語学科内に「言語情報学」が置かれてい る。教授1人,講師2人で言語情報学入門,人口知能と言語情報学等を開講し

ている。受講生は130人にのぼる(1990年度)。

 なお,ダルムシュタット工科大学では法学・経済学専攻分野の中で情報検索

について,いくつかの段階にわたって講義,演習ともに開講されている。

W おわりに

 現在社会にあっては情報はますます広く要請され,情報技術は進歩し,情報 化の基盤であると共にその結果でもある知識は多面的になり,重層化している。

その中で情報に関する実践は技術面での応用にとどまらず,経営学,行政学を

越えて,社会,文化の広い範囲に広がっている。

 情報学は,このような情報社会の新しい問題群に寄与しようとする,「知識

一情報技術一人間という,その基本においては社会科学的な色彩の濃い三角

形」(資料£S.128)内での新しい科学的要請である。とはいえ,その対象と

する世界は広い。ドイッの大学での「情報学」学科に見られる不統一または戸

惑いの原因はこの「学」の置かれた位置を如実に示している。

(13)

ドイッの大学における「情報学」学科       59  更に又情報学は実用的用途をその出発点に置いている。実際に社会的,経済 的に使用できる結果を生まなければならない。その実用はその時代の社会的,

政治的情報政策の影響を大きく受けるので,往々にして短期間内での成果を期 待される。しかし一方では「学」としての科学的,学問的,体系的要請を満た さなければならない。これは長期的対処を必要とする。ここにも情報学のディ レンマがある。

参考 資料

1.各大学のVorlesungsverzeichnis,各学科の学科案内を使用した。

 又簡単な報告書や数値だけのタイプ資料をも参考にした。

2.それ以外で著《編)者,タイトルがはっきり記載されているものを挙げる。

  a.Arbeitsbereich Infomlationswissenschaft der FUB(hrsg.):

    Informationswissenschaft 1989. Berlin,1989.

  b.dito:Informationswissenschaft in Berlin 1990/91. Berlin,1990.

  c・R・i…K・hl・n(hrsg・)・1㎡・m・ati・n・wissen・ch・ft(d・・U・iversitat K…t・⇒

    Konstanz,1988.

  d.dito:Konzept des geplanten Modellvesuchs. Konstanz,1985.

    (unver6ffendicht)

  e.dito:Lehre und Forschung der Infomationswissenschaft an der Universitat,

    Konstanz. Konstanz,1989.(unver6ffentlicht)

  f.Gemot Wersig:Informationswissenschaft in der Bundesrepublik Deutschland.

    In:Informatik. J9.37(1990), Nr.4, S.126−9.

参照

関連したドキュメント

図 1 情報科と全教科との関係(臨時免許状)

 ある教科内容の重要な部分を「必修」として全ての学生に課す事は,多くの

 レゴマシンは,同じプログラムでもバッテリの状

 文科系大学2校の2010年度新入学生に対して、大学入学時までに履修してきた情報教育に関しての意識の

ていくのかを考えるための大会と位置付け、

77 てはいない。 他方,単線型体系においてほ学校段階の区分の形態において3つの機能が編

一般教育科目「地理学」における授業改善の試み 121 地域を見る眼←一モンスーンアジアー(1992年)地理学S2 2甲・位 後期

勤講師の採用によって−解決されるであろう。 (2)研究態勢紅ついて