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門脇義次

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Academic year: 2021

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16

動的不安定領域における切削について

門脇義次 後藤美千男

1

動的不安定領域での切削加工においては,工作精度の 低下や仕上げ面の劣下を生ずる。

その原因は,工作機械による場合,刃物による場合,

工作物による場合,などに大別出来る。そしてこれら諸 原因のうち,工作機械の剛性については,理論的にも,

実験的にも,解析されつつあり,多くの成果が報告され ている。一方刃物についても,その剛性を高めたり,形 状を変えるなどの方法がとられている。工作物系の動剛 性を高めるため,心押台センターの使用,振れ止めの使 用,などの手段を構じているものの,その使用条件や手 段はほとんど現場の経験に委ねられており,理論的には

もちろん,実験的にも解折例が少ない。

我々はこの問題を実験的に解折するための,基礎実験 として,被削材が切削抵抗によって容易にたわむような,

不安定状態,すなわち長い突出量を持つ被削材の切削試 験を行ない,被削材のたわゑが旋削精度に及ぼす影響に ついて実験を行なった結果を報告する。

2−1 実験方法

本実験における切削状件と被削材料について列挙すれ ば次の通りである。

旋盤 大隈鉄工所製LS450×1,250(5.5KW)

工具 SKH3右勝手片刃バイト 19×19IZI

工具寸法形状上すくい角0.,横すくい角12.,前に げ角17.,横にげ角8。,

切削油ダイヤカット 11

切込承 1加那, 2加加, 3加加, 4 5 , 送り 0.2""/rev

切削速度約20"/min 被削材料市販品SS42

被削材直径28ゆ 3 , 36の, 44 ' 50 ,

ただし切削速度については旋盤の機構上正確に20"/min を得ることが出来ないので20"/minに最も近い値をと った。被削材直径と切削速度との関係を第1表に示す。

1

主軸一工作物系の振動形態が同じ領域にあると報告され ている(1)ことから,本実験では突き出し長さを200 , 一定とした。又保持方式は4ツ爪チャックによる,チヤ

ック支持方式とした。

切削は自由端側から,チャック側に向かう外丸削りによ

ったo

一方被削材直径に比して切込承量が大きい場合は,被削 材が大きくたわんで,バイトにのり上って,切削不能と

なるので,あらかじめ各直径毎に切削可能な範囲を見い 出し,その範囲内で実験を行なった。

2−2測定方法

切削終了後,被削材をチャックに保持したまま室温まで 冷却した後,往復台上に取りつけたダイアルケージによ って,被削材の全長を10 間隔で,半径方向の寸法誤差 を測定した。

この場合,往復合のすべり面を基準として,寸法誤差を 測定していることになり,往復台と主軸との平行度が問 題となる。このことからテストバーによって,主軸と往 復台との平行度を測定した結果,チャック面から300 の間で平行度誤差が0.004 以下であった。実験値から 象れぱ,基準面として信頼し得る。

叉マイクロメータによって,被削材の全長にわたり10 間隔で直径を測定した。

測定結果から,各断面における,真円度と平均直径を求

めたo

さらに各断面の平均直径から,基準直径を引いた値を直 径変位量として表わした。

この場合の基準直径とは,チャック側から4−5個所の 位置で測定した平均直径から求めた値であるo

各断面での測定位置は次の通りであるo

半径方向寸法誤差測定

a

位置

a, a', cD c/の4点 直径測定位置 a‑aノ, b−b/

c‑cノ, d‑d'の4直径

C

被削材直径"" 28 1 ℃32 1 36 1 44 1 50 1851 2111Ⅲ' 2211 18ユ

切削速度m/min

被削材長さはいずれも全長250 とした。 a

突き出し長さが200 以下で,直径60施鰯以下の場合, なおa, aノ, c, cノ,は4ツ爪チャックの爪が当る位置の

(2)

すなわち,片持支持の自由端に近ずくにつれ,直径変位 量が増しており,叉被削材直径が細いほど直径変位量が 増し,叉被削材直径が細いほど直径変位量が大きく現わ れている。これらのことがらは,いずれも切削抵抗によ

り,被削材料が逃げ勝手になることと一致している。

3‑2 (Bうについて

第2図ぱB>に属するものの直径変位量と, 自由端から の距離との関係を示したもので,第3図は同じく,真円 度と自由端からの距離との関係を示したものである。直 径変位量についてiXA)とほぼ同様のことが言い得るo

しかし真円度誤差ぽA)に比較して非常に大きい。 (比 較のため(A)の場合の真円度誤差を第3表に示す。)し かも自由端に近いほど,叉被削材直径の細いほど,真円 度誤差が大であることから,直径変位量の場合と良く似 た傾向を示す。

真円度誤差の大きい部分について,ダイァルヶージによ る半径方向変位量と,マイクロメーターによる直径との 測定結果より,その断面形状を調べた。その結果断面は 楕円をなすと着し得る。そしてその長軸は,各断面にお いてほぼ一定の位置に現われている。又この部分では,

仕上面俎度も非常に大きく, ピピリ現象特有の縞目面も 明瞭である。

従ってこの領域でも,かなり不安定な切削が行なわれて いると考えられる。

第4図は断面形状を調べた一例である。

3‑2 (Cうについて

第5図ⅨCJに属するものの,直径変位量と自由端か らの距離との関係を示し,第6図は同じく,真円度と自 由端からの距離との関係を示すものである。

(A及び<B)の場合と異なり,わずかに先細の傾向を示 す。又第6図によれば(B)と同様に, 自由端に近ずくに つれて真円度誤差が大きくなっている。この場合にも断 面は楕円をなしている。その一例を第7図に示す。

投影点である。

3実験結果と考察

前述の方法で実験した結果を整理すれば,旋削後の被削 材形状は次の様に分類出来る。

[A)明らかに先太であって,真円度誤差の小さいも

のo

(B)先太であって,真円度誤差の大きいもの。

(C)矧田であって,真円度誤差の大きいもの。

[D)先細の傾向が箸るしく,かつ真円度誤差の箸るし く大きいもの。

(E)直径に注目すれば(C3に属し,真円度に注目すれ If(D,に属すもの。

これらの分類を,被削材直径と,切込量との関係に分類 すると第2表の様になる。

第2表

被削材直径 鯛鰯

│ #" │ $o 28 1 32 36

11AI B IAI AIA

切込承深さ

ZL//| B I B I B | c2L//| B l B l B l C 3 1//│//I D I E │ C 41//│//│//IDIg

沈加

5 F参Fン│//│//│ Q

次に分類別に,その実験結果についてのくる。

3−1 〔瓜〕について

第1図ぱA>に属すもので,直径変位量と,被削材の自 由端からの距離との関係を示すものである。これによる といずれも先太であることが判る。

これは切削抵抗によって,被削材がたわゑ,いわゆる逃 げ勝手となるため,設定切込承量と,実際切込ゑ量とが 一致せず,切り残しが生じたものと考えられる。

第3表〔H〕における真円度

沈況

§T盃T王 砺弓T55T75 185 1 95 110S│1151125113511451155116511751181 181 91 51 121 131 91 ]31 71 41 21 31 121 221 6 28 ' 121 151 81 §31 141

被削材直径

36.| 101 ヨー91 7R−gr81 113141 :01 10171 91 111 91 61 91 8

…5F 5「81 '21 "│ '│ '│ &│ 31 '│ #│ '│ '│ 4

…5F「§「副 I51 '│sl sl &│ 。│ 81 ]21 '│ 21 ''│ '41 9

(3)

18

2

︵闇g︑騎十︶軋遡邑

15

軋唄漫割遡掴

1

幽三ggL」

■I■■

L一 a

由蝋からの距詮一

D

C C

1電潟論I小ミト︾駁

p

a

、。

100 150

自由蝋からの距鍵 画画

50 2側

1 50 150

自由端から の距雑燭嘩

第4図(3 −2)

0 200

切1222−一一一一径紗dゆり直犯犯調

1 I 1 1

1

■I■■

切3234一一一一一径ゆりのjI4000K4555

①O●︑

1

1画旦懲遡掴

■■■U■

﹁輿且割遡豈

I nU

0 50 100 150

自由蝋からの距雛

第2図

200

自由端からの距離 廊厨

第5図

1 1 . L

1 1 1

150

1週圧.臂

■■■■

1劃匡拭

50

0 50 100 150

自由婚からの距離…

第3図

200

自由端からの距雛 瓦圃

第6図

。、や

、く

e a−a

‑‐ O b−Ij −−−−−−

・● c−cbO

。−。

鼠、くふa、●

醐弓、雪蕊ご匙 a

6。溝

O︑︑

毒§ご墨コーユー輿。

00aacc

①O●︒ I

蕊‑§●元.︺︒

…罷翔 冒甥鞠;撚晟

◎。

.−

8

…=

'@盆

0W=

●4■の

22643334径一切込ゆゆゆゆ −一一一 1222

①○●◎

5−一一き

一一一

邑一 !■■

O曹

①○● 直径一切込555 ゆゆり000 −一一 234

0

垂呈里旦:

帝号弩

(4)

これ等の結果を考察すると,被削材に切削抵抗が作用し て大きなたわゑを生ずるような,過度の不安定領域での 切削では,被削材がたわんで逃げ勝手になる場合と,バ イトに乗り上がった状態で切削される場合との二つが存 在しているものと考えられる。その変位する附近では (C>に見られる状態が現われるものと考えられる。試料 が少ないので充分な結果が得られなかったが,切込量を 細かく増して行くと, (A3', (B), (C), (E), (D),

と順次現われるものと考えられる。

3‑3 (D)について

さらに切込量を増したら,第8図に示されるように[A) 及び(B>に表われたものと全く異なり,先細になってい

るo

同じ被削材について真円度誤差を測定した結果,第9図 に図示されるように, 自由端に行くに従い真円度誤差が 大きくなっている。

叉前項と同じく断面形状を測定した結果,第10図に示さ れるように明らかに楕円を示している。

直径一切込 1 1

1 1■■■■■

2 ︑▲ 4月 印dU0

で畠琶等十︶軋鞘掴

15

I

0

1

1舅邑鼠蝋圏

■■し

自由端からの距離祠、

C

200 C

①○●◎

150 a

aacc

㈹駒0

1︑躍湧熟I小ミト︾恥

−151 ■■■

鑿司雛鍔 @鑑 ■■■■■■

100 150 2

自由婚か らの距雛

0 50

自由鎖からの距離軍

図(50の−3) 第8図 第7

11

︐aがDocFq

a・一

b』■■■

一一cも︒

①O●︒

11

§モミミミ2聖些○−2 の● い● ①一グ囚8

送塞皇勢圃 U 9o

豆⑨

88

.‑.銭

"一

シーぎげ

。〆

1

O/

(5)

20

4結

極端に不安定と思われる領域までの切削試験を行なった 結果。

1. 切込承が浅いうちは,被肖附の逃げ勝手によると思 われる先太の形状となる。

2. 切込承量の増加に伴い,先細の形状に変わる。

3. 切削状態が不安定になると,被削材の断面が楕円を 呈して削られる。叉楕円の長軸はいずれの場合もチャッ

クの爪の位置には表われなかった。

試料数が少なく充分の結果は得られなかったが,今後の 実験の方針を得るに有意義であった。

引用文献

(1)例えば 日本機械工業会

工作機械の構造に関する研究

直径一切込

3345−一一一︒ゆり砂64403445

I 1■■■■■■■■■■■ I I

一一

600

1劃圧拭

0 50

400

000321 000

010

脚由端か の距離 厘画

第9図

即4伊卯伽伽勾〃.︽nM︒P︑︾﹄・一旬唾争︵E畠蘇・雷十︶軋過 側的㈹0321

0 l自由娼

C

00000000321−恥軋輔鍔論I小会ト︾私

0 50 100 150 200

自由端か の距離趣。

第10図(361‑3)

0

と一

一一

≦会、

吾畷、ヘ

:夕万K。 ︑一 鐘、、《

。 皇

参迦壷電

ミミ弧

、。、垂

︒洲

〜一

一己ロ

0︒■Fabcd一一一一abcd

①○●◎

一一

.g‑:a:二沙胃誇‑S‑a‑g

,=ず。〆.宴ツー

毎/参〆。宣刀""。

傘ノル

U宅唖へ一一

ーー

−9⑲‑⑲&

一.聖哲品鋪二許剴

僅一c〆。

参照

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