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藤森利美

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Academic year: 2021

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(1)

試験・測定方法の選択に関する一考察

−SN比法とBradley法の比較−

藤森利美

1.緒言

数種類の実験方法や試験・測定方法のいずれかを選択するために,それ ら*の優劣を比較しなければならないとき,その基準としては精度,正確 さ,信頼性,感度などが考えられる。これらの基準のいずれを選択するか は,その実験・試験の目的によってきまる。たとえば工程管理の場合には精 度が,商取引の場合には正確さが重視されるが,一般的には感度が重要な場 合が多い。したがって,この報文では,感度による比較法のうちで代表的な 2方法をとりあげ,その比較を行うこととした。その一つは田口6),8)の提 唱したもので,試験方法などの感度を,通信工学などで使われているSN 比(SignalNoiseRatio)で表わし,その大小で優劣を決める方法(以 下SN比法と略す)である。もう一つはR.A.BradleyとD.E.W.

Schumann1),2),3)の発表した方法で,比較する試験方法の処理要因の分散 と誤差分散より求めた分散比(F値)の非心母数を求め,その大小で優劣を 決めるというものである(以下Bradley法と略す)。

上記2方法**の特徴は次のとおりである。

1)田口のSN比法は,本来,信号因子M(真値と見なすことができ

る)と観測値yの関係が1次であるときに多く用いられる解析方法である。

すなわち,両者の関係を y‑α+βM+e

と仮定している。ここでαは一定のかたより,βはMの1次係数,eは

*同一試験・測定方法において,よりすぐれた測定操作条件を探索する場合−最 適条件の推定−を含む

**これらの2方法の概略はAppendixに示してある。

(2)

2  経 営 と 経 済

ランダム誤差であるロ一般に計測の分野ではこの仮定が成立するのが普通 で,乙の場合lこSN比が有用であることはすでに実証されている6),8)が,

l次近似できない場合については必ずしも明確ではない。

しかし,実際にはl次近似できない場合 (2.参照)も多いので,乙の方法 の適用に際しては M とyの関数関係に留意する必要があるo

2)  Bradley法は F検定を用いるため, M とyの関係が l次である か,多次であるかを問わない。したがって SN比法の場合のようにMとy の関係をあらかじめ検討しておく必要はない。

乙の2方法の優劣の判断の基準は次によった。

1)  多くの実例について,各方法ごとに計算した結果の考察。

測定方法・条件を変化させたときの観測値 yの変化を検出しうるか否か を比較した。一つの方法では有志となり他の方法では有意でないとすれば,

前者の検出力一一感度一ーがすぐれているものと判断できるからであるD

2)  2方法の共通点,相異点,信頼限界などに関する理論的考察 以下乙の基準によって2方法を比較する。

2.  試験・測定における真値 M と観測値yの関数関係に 関する考察

上述したように,通常の計測の分野では乙の両者の関係はl次であること が多い。例えばもっとも単純な質量測定の場合,多数の標準(分銅)を利用 できるので, 相隣る標準の間では信号因子 M (ここでは標準を意味してい る)と読みとり値 yの関係は 1次式で十分精度よく近似できることは明 らかであるo

かりに M と yの関係、が図1.1に示すように2次である*としても,い くつかの計測範囲に区切れば,それぞれの範囲内では1次近似が可能となる 場合が多い。

*吸光光度分析法などの場合,供試試料の濃度と吸光度の関係は2次となる。ただし,

との場合は吸光度の対数をとる乙とによって1次近似させるのが普通である。

(3)

M1  M2  M  図1.1 l次項のみの近似

しかし,計測以外の分野では, M とyがより複雑な高次の関係であるこ ともしばしばあり, 乙れをl次近似するためには,測定範囲を狭く区切らな ければならず, その範囲の数だけ標準 M が必要となり, その数だけl次推 定を行わなければならない。これでは繁雑でもあり,推定の精度もあまりよ

くないので, 2次乃至 3次近似による解析を行うことが多い8)。 このような場合には,真値(標準) Mと観測値 yの関係を

y=j (M) 

とおき, M の変動 SM を 1次, 2次……高次の変動に分解して, 2次以上 の項が有志であるならば,高次の関数関係として解析すべきであろうD

3.  SN比法と Bradley法の実施例による比佼

SN比法と Bradley法の詳細は Appendixに示しであるので, ここで は具体的な解析の実例を一例のみ示し, その他の実施例については計算結果 のみを示すことにするo

(4)

4 

3.1  計算例;フエロアロイ中の硫黄の分析方法の検討6〉0

1)目的および実験の概要

経 営 と 経 済

フエロアロイ中の硫黄の分析に用いられる重量法には,予備処理の段階で 2とおりの異なった採作 (Au A2) があるo 分析方法の標準化のために,

乙のいずれの操作がすぐれているかを調べる目的で 7分析所が2程類の試 料について各2回ずつの分析を行った。したがって,問題となる因子はつぎ のようになるロ

a)制御因子:A1=けい素除去後,鉄,モリブデンを抽出する方法 A2=鉄,モリブデンを抽出後けい素を除去する方法 b)信号因子:試料 M1=高硫黄分試料

M2=低硫黄分試料 c)誤差因子:くり返し2回

2)実 験 結 果

乙の実験によって得られたデータを表3.1,こ示す。

表3.1 データ表 (硫黄96)

M1高硫黄分試料 M2低硫黄分試料

分析所 A1  A2  A1  A~

0.107  0.105  0.067  0.074  L1 

0.105  0.103  0.070  0.072  0.127  0.127  0.086  0.084  L2 

0.122  0.124  0.088  0.084  0.115  0.109  0.069  0.068  L3 

0.112  0.111  0.072  0.065  0.108  0.117  0.064  0.065  L, 

0.108  0.115  0.065  0.066  0.097  0.110  0.065  0.067  Lo 

0.096  0.097  0.063  0.065  L6  0.114  0.116  0.076  0.076  0.119  0.122  0.077  0.088  L7  0.155  0.164  0.116  0.116  0.145  0.160  0.112  0.114 

(5)

3)  SN比法による A1,A2の比較

比較したい2つの操作 Au A2ごとに,表3.1のデータを分散分析すると 表3.2および3.3が得られるO

表3.2 A1の分散分析表 要

M (試 料 問 ) L (分析所間) e ( 誤 差 ) T ( 計 〉

S  や V 

0.010413  0.007271  0.000196  0.017880 

σ.2+14σM2  σ.2+4σL 2  0.010413 

0.0012118  0.0000098 

要 S 

表一

折一分一

散一

A角 ︑ 1一

ノ 一

の一 ゅ

2

‑

A一

qu

一

‑ 司 門 ベ

U一

表一

V  E(V) 

M (試 料 開 ) L (分析所間) e ( 誤 差 ) T ( 計 )1 

0.011849  0.008365  0.000465  0.020679 

M︒

2   7 L  

4 σ  

1ム84・

++ 

︒ι

酬 の

‑ O L M

e e e  

σ σ σ   5 2  

n V 7

・ 内

JA

吐 内 4 q A nO

円4nu

︑ ︐ 占 可 ︐

EanHU1占nununununu nununU 

1 6 0  

円ノ

27 1 

SN比は次式によって算出する6)。

したがって,予備処理操作 A1および A2の SN比は次のようになるo

‑ A ‑

(O. 010413‑0. 0000098)  14 

0.0000098 

‑L(VM‑U 14  '‑. JV1 

η(AJ 

Ve  75.8 

これをデシベノレ単位(lOlogη)で表わすと18.80(db)となる。

‑L(VM14  '‑. lVl ーに) ‑L(0.01184914  ー0.0000232)

η(A2) = . 1 .7  Vb  0……‑‑‑‑=36.3 

デシベル単位では15.60(db)となる。

以上の結果をまとめると,表3.4の よ う に な り , 検 出 感 度 の 点 で は ん が A2よりすぐれている乙とがわかるD

(6)

6 

予 備 処 理 A1 

A2 

表3.4 SN比総括表 SN比

75.8  36.3 

db  18.80  15.60 

経 営 と 経 済

次に,両者聞の差 [η(A1)一η(A2)=3.2(db)]が有意といえるかどうかの 検定を行うo

手順1)両者の信頼区間を次式6)から求めるo

{  Fo  -l 民話土~F~XF(ゆ2φ1;0・0お)‑1 

1 

r l F(φ1.φ2;0.025)  .J. J=='/== r l....V/"....''t'2 't'1,v,V':'vj  .J. J  ここで rは分散分析表の不偏分散の期待値における M の係数。 φ2は誤差 項の自由度であるoφ1は (VM の自由度)XFo2である口

‑3.2  η(AJ =18.8 +2.3 --L~'~ (db) 

‑3.2  η(A2)=15.6 

+ 2 : 3  

(db) 

手順2)両者の差と信頼区間を比較するo

η(AJ‑η(A2) =3.2(db)< v3.22十2.32=3.94 (db)  となるから,両者聞に有志差があるとはいえない。

4) Bradley 法による A1• A2の比較

乙の方法も ,A1, A2 ごとの分散分析表(表3.5,3.6参照)を用いる。

A1, A2ごとに Fo=VM/Veを計算し ,Appendix に示した手順で両者を比 較するoすなわち,

表3.5 A1の分散分析表

要 因 S  φ  V 

M  0.010414  l  0.010414  L  0.007271  6  0.001212  MXL  0.000092  6  0.0000153 

e  0.000104  14  0.0000074  T  0.017881  27 

(7)

表3.6ん の 分 散 分 析 表

要 因 S 

M  0.011849  L  0.008365  M X L   0.000261 

e  0.000204  T 

0.010414 

A, : F, ~V '~V~.L~v~--:r~.L_--:r. 1407.3  0.0000074 

0.011849 

Aヲζζ0.000015 :Fヮ=一 =789.9

φ  1  6  6  14  27 

V  0.011849  0.001394  0.000044  0.000015 

ここで, FI>F2 である乙とは , A2と比較して AI のほうが試料聞の差を よりよく検出しうる乙とを示唆している。このことは ,AI のほうが A2よ

りSN比が大きいことに対応しているO

2α= 1 (α=1/2), 2b=14(b= 7)  非心母数を推定する。

/ ¥  

入1=1/2(1407.3‑1) =703.15 

/ ¥  

λ2= 1/2(789. 9‑1) =394.45 

ノヘ、

A.= 548. 8  Ho:λ1=入2=入

H1 :入1キ 入2

(1/2+548.8)2 

a'  "'~',..  ,‑.~ ‑:‑:: '.:::/ ~ =274.78  1/2+2X548.8 

1407.3  w =一 一 一 一 一 一=1.78

789.9 

ω。=(274. 78 7; o. 025) = 3 . 24 

従 っ て 切

< ω

。(0.025)で あ る か ら , ん と A2聞に有意差があるとはいえな い。

5)ま と め

以上示したように,フエロアロイの分析における予備処理操作 AI と A2

(8)

8  経 営 と 経 済

を比較したいとき ,SN比法と Bradley法のいずれの場合でもんのほう がA2より測定の感度は大きいものの,両者間に有意差はみとめられない乙 とがiっかるo

3.2  実施例の計算結果の要約

このような実施例を多数収集して ,SN比法と Bradley法の両者で解析 すれば,測定の感度という観点からどちらの方法がすぐれているかを推定で

きるはずであるo

そ乙で, 4. ~こ述べる理論的考察に先立ち , rSN比マニュアノレ6)Jその他 の文献の,11)に記載されている19件の実施例 (SN比が計算されている〉の 原始データを利用し, Bradley法による検討を試みた。計算の過程は省略 し,各実例ごとに求めた誌験・測定方法問の有意差検定の結果を集計すると 表3.7,3.8のようになるo

表3.7,3.8の結果をさらに集約すると表3.9が得られるO

試験・測定方法問あるいは同一方法内の操作水準聞の差を検出する能力と いう観点から2方法を比較したとき,表3.9から次の結論が得られるO

1) Ssが 求 め ら れ る (1次近似が可能な)場合

乙の場合は, 15例中11例まで2方法の検定結果が一致しており,いずれか の方法でのみ有志となったのは各2例しかない。したがって試験・測定方法 の感度の判別能力という点では ,SN比法と Bradley法はほとんど同等で あると考えられる。

2) Ssが求められない場合

この場合も, 14例中11例まで2方法の検定結果はよく一致しているo した がって 2方法の,測定感度の判別能力聞に大差はないものと判断される が, Bradley法でのみ測定方法聞の感度の差を検出し得た例が2例あるの で,総合すればやや SN比法より Bradley法がすぐれているものと考え られるo この点についてはさらに4.で検討するが ,SN比法がもともと信号 因子 M (真値)と観測値 yの関係をl次近似していることからみても妥当 な結果といえようo

(9)

表3.7実施例の解析結果の要約一1 信号因子の真値あるいは真佑の間隔がわかる場合(1次変動Ssが求められる場合)

l

実例恥]問法

y

度…て アーマ き方法SN比(db)!限(d界b){古ー!検定位│限界値│検定いる方法F  アノレコーノレの分析6)AJ, Az 4.3 7.86 O 48.35 23.16 *>1,ε Bradley  微量カドミウムの定量日)AJ, Az 3.33 6.14 O 5.31 5.275  * Bradley  AJ, A2 6.3 2.84 ** 4.634 4.3 ** 同等 3 たばこの水分測定6)A3, Az 2.9 2.84  * 1.680 2.46 O SN比 Al,A3 3.4 2.84 * 2.760 2.46 * 同等 Az,Al 3.5 4.52 O 2.185 2.86 O 同等 4 KBr溶液の濃度測定自)A., A3 5.05 3.83  * 3.14 2.86  * 同等 AJ, A. 8.04 5.94  ** 3.875 2.86 * 同等 5 ばねばかりの比較6)AJ, Az 2.76 7.79 O 1.51 6.5 O 同等 6 タイヤのバランス測定日)AJ, A3 11.23 6.36 ** 9.87 5.6 *ホ同等 7 水分の電気的測定7)AJ, Az 8.97 7.81  * 1.807 9.60 O SN比 8 粉体の体積測定7)AJ, Az 1.58 8.41 O 1.473 9.28 O 同等 9 コ、、jレフボーノレ実験7)AJ, A2 6.177 7.872 O 2.766 9.60 O 同等 10 薬品の吸収速度11)AJ,Az 真イ数ナが2.16 17.29 O 同等 マス 11 圧延性のダイナミック特性7)AJ, Az 3.8 4.86 O 2.28 3.28 O 同等 注)0印は有意差なし,*印は5%有志**印は1%有志。

(10)

'ー」Cコ 繭時作関前

実施例の解析結果の要約一2 信号因子の真値が不明(Ssが求められない場合〉 │蹴叶

…  │ 

…法│感度…て ア一て7' き方法SN比(db)/限(界db)値

I

検定F値│限界値│検定いる方法 12 フ(重エ量ロ法ア)ロ6イ)の分析At, A2 3.2 3.94 O 2.08 2.46 O 同等 13 フエロアロイの分析 A1' A2 3.82 3.98 O 2.41 2.4  * Bradley法 (容量法) At, A2 2.7 2.18  ** 1.92 1.61  ** 同等 石炭・コークス中の全硫黄の 14 B1' B2 2.6 2.18  ** 1.81 1.61 ** 同等 分析6) C1, C2 O 1.43 O 同等1.1 1.56 1.26  架橋ポリエチレンのゲソレ分率At, A2 2.61 5.21 O 1.81 2.60 O 同等 15 Bt, B2 4.92 5.21 O 3.11 2.60 * Bradley法 測定6) C2, Ca 6.52 5.21  * 4.49 3.80  * 同等 16 硬度計の比較6)A1' A2 8.3 6.44  ** 6.2 4.3  ** 同等 17 絶縁抵抗計比較6)At, A2 0.02 5.36 O 1.004 3.1 O 同等 18 かたさ計の比較11)At, A2 0.62 6.51 O 1.14 5.71 O 同等 A1' A2 15.6 6.02  ** 28.6 3.2  ** 同等 ウイスキーの味の識別能力の 19 A1' Aa 10.9 3.89  ** 10.37 3.2  ** 同等 比較6) A2' A3 4.7 4.9 O 2.24 3.72 O 同等

表3.8 注)0印は有志差なし,*印は5%有意,料印は1%有意。

(11)

表3.9 実施例の解析結果の要約一3

… が │ 吋 法 一 実 施 例 の 分 類 ぐれている

する例ぐ数れてい 意いず差れなもし有 I意いず差れあもり 有 例数

s似pがが可求能めなら)れ場る合( 1次近 2  2  6  5 

Ssが求められない場合

。

2  6  6 

注)例数には 1実施例の中で,数水準聞の差の検定を行なった数を合む。し たがって総計数は実施例のテーマ数より多くなっている。

4.  SN比法と Bradley法の理論的考察による比較 4.1  SN比、法と Bradley法 の 共 通 点

Bradley法では, 2つの類似実駁の各々の非心分散比分布の非心母数が等 しいという仮説の有意差検定を行なっている。乙れらの非心母数は,実験誤 差の分散と要因の分散によって求められる。母数枚型の分散分析において,

Tjjを i実験における t個 の 水 準 の う ち の 第 j呑 自 の 水 準 の 平 均 効 果 と す るoそ し て のfを 第 i実験の誤差の分散とする。

1 ・

Aj=k :Eτ 竺)‑", i=1.2 

j=l .LJer  (4.1) 

ここで, kは各水準の平均を計算するのに使った測定値の数であるoそして 次 の 式 で λを推定する。

い(そ‑1 )  (4.2) 

ここで, VtとVeは各々要因と誤差の分散であるD

自由度 φtの要因の分散を Vt, 自 由 度 九 の 誤 差 分 散 を Veとすると,

各 分 散 の 期 待 値 は , 非 心 母 数 を 入 と し て E(Vt) =σ川 σ内 / (1 +弓~)

=σ/( 1 +入〉 (山手) (4.3) 

E(Ve) =σ  (4.4) 

(12)

12  経 営 と 経 済

批 五

vh

o 分一一 F  

るな

ん ﹂

(4.5)  は,入=0ならば分子の自由度 φt,分母の自由度 φeの F分布をするo

入> 0ならば (4.5)式の分散比Fは非心 F分布をするD

いま, λ>0として分散比 Fの期待値を求めると,

E(F) =E(VtlVe) =E(Vt)/E(Ve) 

σe2( 1 +λ) 

1 +^' 

σ  (4.6) 

であることがわかるo 2つの独立な実験から得られた分散比を F1と F2と し,その非心母数を入'^l'2とすると,

乙の分散比

F, 

W=‑F

2 

の期待値は

E(ω) =E(F1IF2) =E(F1)/E(F2) 

(4.7) 

1 +^'1 

1+入z (4.8)  となるロ従って (4.7)式の ω は,非心母数の比を計算していることにな るo

一方,信号因子の真値が不明の場合の SN比法では i種類の測定方法 A1 • A2• ……,んにおいて , t種類の品物 M1,M2'…… , Mt について h人の測定者 Rがl回ずつ測定したデータが表4.1のようであったとする。

表4.1 Ajのデータ

M1 M2……H・H・‑… ....・H・....・H・'MtI 計 R

R

・

1 2  

y y  •••

' A

︒

n p u aッ

‑ my

‑‑

・ : ・

1 2  

yy . 

Rk  Ylk  Y2k.................................Yは

計 IY1・Y2....・H・.....・H・.....・H・..……Yt.I T 

(13)

総平方和

'7守2 ST=:E :EYi/

ーな

信号因子の平方和

S ‑ I J L 2 T 2  

M一一五ーム‑Jyi・ーヲ五一 誤差平方和

(

ゆ=tk‑1) 

(φ =t‑1) 

Se=ST‑SM  (φ=t(k‑1)} 

乙れから表4.2が得られるD

表4.2分 散 分 析 表 要

信 誤

│計

S  SM  Se  ST 

φ  V 

t‑1  VM 

t(長一1) Ve 

(4.9) 

(4.10) 

(4.11) 

E (V) 

σ。2 +是σM2 σ 。l

単位あたりの信号の大きさは σJ,誤差の大きさはの2 であるo 従って測定 方法 AjI乙対する S N比 η(Aj)は,次式で推定される。

η(Aj) = 一十(VMーVe)

Ve 

=+(与‑

1 )  

この S N比 η(Aj)の期待値は,

山

j ) J = E [ + (

守一

l ) J = + [

吉宗十‑

1  J 

̲  1 (G/+長σM2 司、

k ¥ σ/  "'j 

一‑L.2臼 σJ

k  σ e 2 σ e 2  

こ乙で, σJと (4.3)式の ofとは同じものであるo従って

(4.12) 

(4.13) 

(14)

経 営 と 経 済 14 

IE ー の 1(kσtE、

E[η(Aj)〕=77‑77‑1‑(77)

(4.14) 

=一一A.1  h 

となるo とこで入は, (4.3)式での非心母数であるo

S N比法では, '1') (A1) , 'I')(A2)……,η(Ai)を求め,

したうえで,お互いに比較するoAp方法と Aq方法 (ρキq)の S N比を,

それをデシベソレ単位にして比較するとは, η(Ap) それをデシベノレ単位に

η(Ap) ,η(Aq)とすると,

>

η

(Aq)であるとすると,

(4.15)  1010g '1') (Ap) ‑10 log η(Aq)  (db) 

とするととであるo これは真数では η(Ap)とη(Aq)の比 η(Ap)jη(Aq) 

を計算する乙とを意味するoApとAqVtU定方法が互いに独立であるとする (4.16) 

と, (4.16)式の期待値は,

(4.17)  E[η(Ap)jηCAq)J =E['I')(Ap)] jE[η(Aq)] 

1、

一五一勺 入p

‑ ÷ λ q

入

q

となるo 乙こで A.p,A.qは Ap,Aq方法の非心母数であるo従って S N比 法の比較は,非心母数の比をとって行なわれることになるO

以上述べたとおり,信号因子の真値が不明の場合の S N比法と Bradley

そどちらも比較すべき実験方法あるいは測定方法の非心母数を求め,

法は,

この場合の S N比 の比を計算して比較を行なっているのであるD 従って,

法と Bradley法は,本質的に同じ方法であるといえる。

S N比法と Bradley法の相違点 4.2 

S N比法の特徴は,信号因子のl次効果 Ssが求められる場合の解析法に それがまた Bradley法との相違点でもあるo

表3.9に示したように 1次効果 Ssが求められる場合には ,S N比法が 有意であるのに Bradley法では有意ではないものが2例,

法が有意であるのに S N比法では有意とならないものが2例ある。後者の 逆に Bradley あり,

(15)

理由については 4.3で説明するので,ここでは SN比法が有意であるが Bradley法では有意とならない理由について考察する。

信号因子のl次効果 Ssが求められる場合の SN比法は,総平方和 ST を次のようにl次 変 動 向 と 誤 差 変 動 Seに分解している。

ST=Ssl+Se  (4.18)  一方, Bradley法では,総平方和 STを信号因子の変動 SMと誤差変動 Se に分解している。

ST=SM+Se  (4.19) 

いま信号因子 M を5水準,繰返しを4回行なった場合の分散分析を考える と,次のような分散分析表で表わされるo

表4.3 SN比法の分散分析表

要 因 S  φ  V  E(V) 

1 次 β Ss  1  Ss  σ。2+rs2

号~口王 A手合二L  e  Se  18  Ve  σ 

計 T  ST  19 

表4.4 Bradley法の分散分析表

要 S  φ  V  E(V) 

信 号 M SM  4  VM  σ。2+4σM2

さ町間王 1当4今 e  Se  15  Ve  σe 2 

計 T  ST  19 

一般に,要因変動を直交分解するとは,要因変動 SMを

SM=Ssl+Ss2+Ss3+

… …  

(4.20) 

と各次元の回帰変動に分解することであるo このとき信号因子 M と読み値 yの関係がl次回帰

y=α十β M (4.21) 

であるならば ,SMの変動はすべてl次 変 動 向1で表わされる。

図

表 3 . 6 ん の 分 散 分 析 表 要 因 S  M  0 . 0 1 1 8 4 9  L  0 . 0 0 8 3 6 5  M X L   0 . 0 0 0 2 6 1  e  0
表 5 . 2 直線関係のくずれた場合の信頼限界 回 ?吾 式 限 界 B r a d l e y 法 l 次の SN 比 / 2 次の SN 比 上 限 5 5 4 . 1 1 9 8  3
表 5 各方法の概要 方 法 1 (A 1)  方法 3 ( A a )  規格名 11S K2151  11S K2151 改訂案 ASTM D 2 9 4  試料 +50mm 10kg  同左 2 , ‑
表 8 分散分析表 (A 2)

参照

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