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Microsoft Word - MedicalMonthlyREPORT2011年10月

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(1)

Medical Monthly REPORT

2011

年 10 月

株式会社

夢みらい

急に引越をすることになった。 引越手配、カーテン、照明、エクステリア、エアコン、アンテナ、色々な事を見積もってもらってはお願いす る。果たして高いのか、安いのか。ネットで情報が即座に集められるとはいえ、家電製品ならともかく、相場が 見えないものも多い。あまり一度に決めてしまうと感覚もマヒして来るのか、疲れからなのかきちんとした判断 もなかなか出来にくくなる。価格より、対応、人柄、手間のかからない方へとだんだんに流されていく。 そんな最中、「ガイアの夜明け」でダスキン 11 年振りの新製品モップ LaLa の特集を視た。お願いした引越業 者さんが「ダスキン商品、通常 2 週間無料お試しのところを4週間無料お試しにさせていただきます」とのこと。 僅かなこととわかっていながらも、多少のお得感を期待しつつ、気持ちを正常に戻す努力をしながら、LaLa の実 力度を試すことをひそかな楽しみといたしましょう。

重い遺伝病患者の遺伝子、iPS細胞使い修復

ディナベックなど

バイオベンチャー企業のディナベック(茨城県つくば市、長谷川護社長)は英ケンブリッジ大学などと共 同研究で、重症の遺伝病の患者の遺伝子を新型万能細胞(iPS細胞)を使って修復することに成功した。 修復した後にマウスに移植したところ、正常なたんぱく質が作られ、治療効果が見られたという。今後、安 全性などを詳細に確認し、臨床研究を始めていきたい考え。 成果は 13 日、英科学誌「ネイチャー」に掲載される。 [2011/10/13 付 日経産業新聞]

口内異常7割が「治療せず」

歯科医師会調べ

日本歯科医師会(東京・千代田)が実施したネット調査で、55%と半数以上が歯や口腔(こうくう)に異 常や問題を感じているものの、このうち「現在治療をしている」と答えたのは 16.2%にとどまることがわ かった。「現在は治療を中断している」を含め、83.8%が異常や問題を感じながらも治療していない実態が 浮かび上がった。 異常や問題を感じている人のうち「現在は治療をしていない」が 70.9%で最も多く、「現在は中断してい る」が 11.4%、「治療を受けたことがない」が 1.5%。 [2011/10/13 付 日経産業新聞]

多発性硬化症と視神経脊髄炎、脳脊髄液成分で区別

京都府立医大など

京都府立医科大学の池川雅哉准教授や武田病院神経免疫センター(京都市)の近藤誉之所長らは、症状が 似ている多発性硬化症と視神経脊髄炎を見分ける手法を開発した。患者の脳脊髄液の成分を解析し、2種類 の物質の量から9割以上の確かさで区別できることを確かめた。 研究チームは約 190 人の脳脊髄液に含まれる 100 種以上のたんぱく質などの成分を解析。2種類のペプチ ド(たんぱく質の断片)で区別できることが分かった。たんぱく質などを網羅的に解析する手法を応用すれ ば、さらに疾病を細かく分類できると見ており、患者に適した治療の実現を目指す。 [2011/10/13 付 日経産業新聞]

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医師の喫煙率9%、最低は呼吸器科の3%

ケアネット調べ

東証マザーズ上場で医療関係者向けサイトを運営するケアネットは医師を対象にした喫煙率とたばこの 適正価格に関する意識調査を実施した。医師の喫煙率は9%で、日本国民全体の喫煙率 23.4%より大幅に 低いことが分かった。たばこの適正価格については喫煙しない医師の 52%が1箱当たり 1000 円と考えてい る。 「以前喫煙していた」は 34%、「喫煙したことがない」は 57%だった。20 代は 90%が「喫煙したことが ない」と回答したが、年代が上がるほど「喫煙したことがない」比率は下がり、70 代以上は 31%。喫煙率 は 20 代で4%なのに対し、70 代以上は 11%だった。 喫煙率は診療科目で異なり、最低は呼吸器科の3%、最高は麻酔科と整形外科でともに 14%で、4倍以 上の開きがあった。 [2011/10/12 付 日経産業新聞]

日本イーライリリー、急性期の統合失調症向け筋肉注射剤を申請

米系製薬会社の日本イーライリリー(神戸市)は統合失調症の急性期治療に使う「オランザピン速効型筋 肉注射製剤」の承認を厚生労働省に申請した。過度の興奮や焦燥など急性期の統合失調症の精神症状を鎮静 させ、経口投与が困難な場合などに効果的という。 製品名は「ジプレキサ」。日本では 2001 年に錠剤(フィルムコート錠)を発売し、現在は細粒、口腔内崩 壊錠といった剤形もそろえる。筋肉注射製剤は統合失調症の急性期治療薬として開発され、11 年現在で世 界の 80 カ国・地域以上で承認されているという。 [2011/10/12 付 日経産業新聞]

ユニ・チャーム、マスク新ブランド

プリーツ型「超快適」

ユニ・チャームは同社の代表製品の一つ「超立体マスク」に次ぐ新ブランドのマスクを 18 日に発売する。 表面を波状のプリーツタイプにし、4万人のデータを基にぴったりと顔に合う構造を開発した。頬の周りに 隙間ができやすい同タイプの従来品よりもウイルスの飛沫や花粉の侵入を防ぐ効果が高いという。新製品投 入でシェア拡大を狙う。 「超快適マスク プリーツタイプ」は「ふつう」と「小さめ」の2サイズを用意。オープン価格だが、店 頭想定はそれぞれ 400 円前後(5枚入り)。 [2011/10/10 付 日経産業新聞]

ロシュ系の腫瘍マーカーキット、より早く正確に診断

スイス製薬大手ロシュグループで診断薬事業を手掛けるロシュ・ダイアグノスティックス(東京・港)は 乳がんや胃がん向けの腫瘍マーカーキット「ベンタナ ウルトラビュー」シリーズを発売した。 抗原への反応精度を高めた独自技術を使い、より正確に診断できるようになったという。価格は本体が 26 万 2500 円。初年度 7000 万円の売上高を目指す。 [2011/10/10 付 日経産業新聞]

薬歴電子化、三洋が発売

調剤薬局向け、来月から

三洋電機は調剤薬局向けの電子薬歴システム「ファーネスツー エムエックス」を 11 月 10 日に発売する。

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レセプト(調剤報酬明細書)と処方歴を統合し、一つのコンピューターで管理できるようにした。価格はオ ープンだが、実勢は 330 万円前後から。初年度に 2000 システムの販売を目指す。 レセプトと患者の薬歴情報を一括して管理できるようにした。電子薬歴は「薬歴表紙」「服薬指導」「ハイ リスク薬指導」の3つの画面で管理し、これらの画面を確認することで患者の状態をすぐに把握できるとい う。 [2011/10/7 付 日経産業新聞]

東大など、たんぱく質が発光する病気検査で大幅に時間短縮

東京大学の上田宏准教授らの研究チームは、骨粗しょう症などの病気を素早く判定できる検査手法を開発 した。見つけたい分子がくっつくと光るので簡単に分かる。低分子化合物からたんぱく質まで幅広い物質に 対応可能。検査時間も3∼5分と、従来の1∼2時間と比べて大幅に短縮できるという。 成果は米化学会誌に掲載された。北陸先端科学技術大学院大学、たんぱく質研究を手掛けるプロテイン・ エクスプレス(千葉市)も研究に参加した。 [2011/10/7 付 日経産業新聞]

動脈の硬軟を測定

志成データムが電子血圧計

映像・医療機器メーカーの志成データム(東京都町田市、斎藤之良社長)は動脈の硬軟の程度を測定でき る電子血圧計「PASESA(パセーサ)」を開発し、厚生労働省に製造販売承認を申請した。 腕に巻いた袋状のバンド(カフ)で感知する血圧から上腕動脈の脈の変化を時系列で分析。減圧に伴い変 化する動脈の容積から、血管の拡張や弛緩を測定する。 [2011/10/7 付 日経産業新聞]

DVx、植え込みペースメーカーのリード線交換

患者負担軽く

ジャスダック上場で医療機器販売のディーブイエックス(DVx)は植え込み型ペースメーカーのリード 線を抜き去るための補助デバイスについて厚生労働省から保険適用を取得した。ペースメーカーと心臓はリ ード線でつないでいるが、リード線交換の際の患者負担が重かった。新デバイスは抜き取る際の血管壁への 影響が少なく、患者負担も少なくなるという。 ペースメーカーや除細動器と心臓をつなぐリード線は劣化するなどして交換する必要が出てくる。しかし リード線は血管壁に癒着することが多く、リード線そのものが軟らかいためにレーザーを使った剥離も難し く、抜き去り時には癒着組織ごと引き抜くか、癒着が著しい場合は開胸手術によって取り除く方法が一般的 だ。 [2011/10/6 付 日経産業新聞]

腹腔鏡手術、体に穴小さく

ニチオンが新器具

医療器具製造のニチオン(千葉県船橋市、本田宏志社長)は国立がん研究センターと組み、内視鏡を使っ て開腹せずに実施する腹腔(ふくくう)鏡手術で、患者への負担の少ない手法と器具を開発した。特殊なク リップの付いた糸を使う。内視鏡と手術用のはさみの穴以外は直径1ミリメートル程度の穴で済むという。 来年中の実用化と器具の販売を目指す。 一般的な腹腔鏡手術は手術をする部分が見やすいように鉗子(かんし)で内臓を持ち上げたり押さえたり

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する。鉗子用の穴を開けるため、内視鏡や手術用はさみのためを含め、直径3∼5ミリメートル程度の穴を 4∼5個開けることが多いとされる。 [2011/10/6 付 日経産業新聞]

メディカルリサーチ、死因を画像診断で究明

解剖より早く

医療ミスなどの死因調査を手掛けるメディカルリサーチ(東京・港、宮沢裕一社長)はエックス線画像な どから死因を究明するサービスを本格化する。死後画像診断は遺体を解剖しないため遺族の心理的な抵抗感 が低く、解剖より早くある程度の死因を特定できる利点がある。損害保険会社や生命保険会社、弁護士らを 対象に3年後をめどに年間 2400 件の受託を見込む。 エックス線撮影装置やコンピューター断層撮影装置(CT)などで遺体を撮影し、脳や臓器からの出血な どの状態を細かく見極めて死因を究明する。保険会社や弁護士らから死因調査の依頼を受けると、同社は提 携先の読影医に死因の鑑定を依頼。顧客は鑑定結果をパソコンなどで見られるようにする。今月中旬から始 める。 [2011/10/5 付 日経産業新聞]

20 年の高齢者見守りサービス、10 年比 1.5 倍の 132 億円に

民間調べ

調査会社のシード・プランニング(東京・台東)は 2020 年の高齢者向け緊急通報や見守り・安否確認サ ービスの市場規模が 10 年比約 1.5 倍の 132 億円に拡大するとの予測をまとめた。高齢者住宅の整備や都市 部での一人暮らし高齢者の増加などが市場の拡大をけん引するとみる。 緊急通報は壁に取り付けたボタンやペンダント型のコール機を使う。コールセンターと連絡を取ってオペ レーターが状況を判断して家族にメールしたり救急車を手配したりする。見守り・安否確認は人感センサー で高齢者の様子を把握し、動きがなければ駆けつける。同社は 10 年の市場規模 90 億円のうち 86.7%が緊 急通報と推計した。 [2011/10/5 付 日経産業新聞]

大正製薬HD発足、東証に上場

医薬投資を効率化

大正製薬の持ち株会社である大正製薬ホールディングスが3日、発足した。株式交換で大正製薬を完全子 会社化し、同日付で東証1部に上場した。持ち株会社化で、一般用医薬品(大衆薬)や医療用医薬品など、 各事業に経営資源を適切に配分できる体制を整える。 大正製薬の上原明社長兼会長が持ち株会社の社長兼会長を兼務する。当初は持ち株会社の下に事業会社の 大正製薬が付くだけだが、将来的には大衆薬と医療用医薬品など事業分野ごとに再編して、持ち株会社の傘 下に置く体制に移行する計画。配当方針としては連結配当性向 30%を目指すとしている。 [2011/10/4 付 日経産業新聞]

アストラゼネカ日本法人、乳がん治療薬の製造販売承認を取得

閉経後対象の注射薬

英系製薬会社の日本法人、アストラゼネカ(大阪市)は乳がん治療薬「フェソロデックス(一般名フルベ ストラント)」の製造販売承認を取得した。閉経後の乳がんを対象としたホルモン療法の注射薬で、腫瘍の 成長や転移を防ぐだけではなく、薬が効きにくくなるのを防ぐ効果を期待できるとしている。 フェソロデックスは1筒 250 ミリグラムを4週ごと(初月のみ2週ごと)に1回、尻の左右の筋肉内に1

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筒ずつ注射する。 [2011/10/3 付 日経産業新聞]

東京医科歯科大など、ベンチャー設立

血栓できにくい人工心臓

東京医科歯科大学は東京工業大学と共同で新しい体外設置型の補助人工心臓を開発、ベンチャー企業「メ ドテックハート」(横浜市)をこのほど設立した。大手医療機器メーカーと組み 2012 年にも国内外で製造販 売承認の申請を目指す。 開発したのは磁石の力で羽根を浮かせてまわす仕組みの人工心臓で、血の塊(血栓)ができにくい。ベン チャー社長に自ら就任した東京医科歯科大学の高谷節雄教授らは、牛で 60 日間たっても血栓ができないこ とを確かめた。 新しい人工心臓は1週間から1カ月間程度の使用を目指す。「患者に長期の人工心臓が必要か見極めるた めの装置へのニーズは大きい」(高谷教授)という。 [2011/10/3 付 日経産業新聞]

米ケンタッキー大学、脊髄損傷の回復早める成分

米ケンタッキー大学の研究チームは、サプリメントの成分「アセチルLカルニチン」が脊髄(せきずい) 損傷の回復を早めることを見つけた。実際に動物実験で損傷直後にこの成分を与えると早く回復した。損傷 の影響が広がるのを防げるとみている。安全性も確認されており、早期の臨床応用を目指す。 動物実験で損傷直後から成分を与えると、1カ月後には4本足で自力で立てるようになった。成分を与え なかった場合より早かった。脊髄が傷つくと周辺の神経はストレスを受け死滅する。この成分は神経のエネ ルギー生産を助け、死滅を防ぐとみている。人ではすでに代謝を高める目的で、この成分を高容量で服用し ている。 [2011/10/3 付 日経産業新聞]

大塚製薬、ドライアイの薬で承認

大塚ホールディングス子会社の大塚製薬(東京・千代田)はドライアイ治療薬「ムコスタ点眼液UD2%」 の製造販売承認を取得したと発表した。ムコスタの有効成分である「レバミピド」は胃炎・胃潰瘍治療薬「ム コスタ錠」と同じ。同薬の治療効果がドライアイでも有効と考え、新たに点眼薬としても開発して承認を得 た。 レバミピドは胃粘液成分「ムチン」を増やして粘膜を修復する効果がある。ドライアイの原因の一つは涙 液中のムチンの量の減少と考えられていることから、大塚製薬はドライアイ治療薬としても開発を進めてき た。 [2011/9/30 付 日経産業新聞]

あすか製薬、高脂血症薬の錠剤を 12 月発売

あすか製薬は高脂血症治療薬「リピディル」の錠剤を 12 月 19 日に発売する。溶出性を高める「固体分散 体化」という製剤技術を使って吸収性を改善した。従来はカプセルだったが、小型の錠剤にして飲み込む力 が弱くなった高齢者でも継続的に服用しやすくした。 吸収性をよくしたことで用量を減らしても同様の効果が得られるようになり、小型の錠剤にすることが可

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能になった。成分の用量は 53.3 ミリグラムと 80 ミリグラム。従来のカプセル剤は 67 ミリグラムと 100 ミ リグラムだった。 [2011/9/30 付 日経産業新聞]

インターメディカル、体外から5分で肝炎検査

装置拡販、委託営業8倍 800 人に

医療機器販売のインターメディカル(東京・品川)は肝炎患者の検査が簡単にできる検査機器の本格的な 販売に乗り出す。従来の検査は患者が入院して針を刺して肝臓組織を取り出す必要があったが、同社の検査 機器は体外から5∼10 分程度で肝臓の硬さを測定できる。販売委託企業での営業人員を従来の8倍の 800 人体制としており、各地の医療機関への売り込みを強化、来年には年間 100 台の販売を狙う。 同社の検査機器は「フィブロスキャン」で、仏医療機器メーカーから国内の独占輸入権を獲得。医療機器 卸大手ムトウ(札幌市)の全額出資子会社エムエムアンドニーク(東京・台東)を通じて販売している。10 月から、この機器を使った検査が保険適用となることを見込んで、営業人員を増強した。販売価格は 1400 万円。 [2011/9/29 付 日経産業新聞]

名大と帝人、細胞付着制御ペプチド発見

人工血管の詰まり阻止

名古屋大学工学部の加藤竜司助教らは同大医学部、帝人と共同で、体内に埋め込んで使用する医療機器に 細胞が付着するのを制御するペプチド(複数のアミノ酸がつながった分子)を見つけた。実際にペプチドを 入れて作った細い人工血管では、必要な細胞だけが内面に付着し、血管の詰まりを阻止した。ペプチドは簡 単に合成できるため、金属表面への被覆など様々な医療機器にも用途を広げたい考え。 医療現場で使われる機器類には人工血管やステントと呼ぶ細い金網状の筒など、体内に直接埋め込んで使 用するものが多い。ただ、長期にわたって使ううちに、血液中のたんぱく質成分や細胞が付着して、詰まっ てしまうという問題点がある。 [2011/9/28 付 日経産業新聞]

理研・岡山大、がん細胞を認識し攻撃する必須たんぱく質特定

理化学研究所と岡山大学の研究チームは、生き物の免疫ががん細胞などを認識して駆除するのに必須のた んぱく質を特定した。がん細胞を認識する免疫細胞から、がん細胞を攻撃する免疫細胞への情報伝達に関わ る。がんやリウマチなどの新規治療法につながる可能性がある。 体内のがん細胞やウイルスに感染した細胞は、免疫系の「キラーT細胞」という細胞が攻撃して駆除する。 キラーT細胞が活性化するためには、まず「樹状細胞」という別の免疫細胞ががん細胞などの目印となるた んぱく質を取り込み、その情報をキラーT細胞に送る必要がある。 [2011/9/28 付 日経産業新聞]

タイ病院最大手のBGH、日本の病院と提携

まず9病院と

【バンコク=高橋徹】タイ病院最大手のバンコク・ドゥシット・メディカル・サービシーズ(BGH、通 称・バンコク総合病院)は日本の病院との提携戦略を加速する。第1弾として9病院と契約、将来的に全国 で 100∼200 病院に提携先を増やす方針だ。患者紹介などで相互に連携して日本人駐在員や旅行者が海を越 えて継続治療を受けられるようにするほか、近隣諸国に在住する日本人の医療ツアーの需要開拓も目指す。

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BGHは京都武田病院(京都市、武田敏也院長)や新庄徳洲会病院(山形県新庄市、笹壁弘嗣院長)など 9府県の病院と、相互に患者を紹介する提携に契約調印した。今後は各都道府県で3∼5の病院を提携先と して確保するのが目標だ。 [2011/9/28 付 日経産業新聞]

抗がん剤候補、興和に製造・販売権

ナノキャリアが譲渡

東証マザーズ上場のナノキャリアは 26 日、前臨床試験を実施中の抗がん剤候補「エピルビシンミセル」 について、全世界における独占的な製造・販売権を興和(名古屋市)に譲渡すると発表した。開発は共同で 行う。ナノキャリアは見返りに契約時2億円、さらに開発段階に応じて一時金を最大で 24 億円得る。発売 後はナノキャリアが原薬を製造して興和に納入する。 エピルビシンミセルは、エピルビシンをナノキャリア独自の技術でナノ(ナノは 10 億分の1)サイズの カプセルにとじ込めた医薬候補。エピルビシンは乳がんなどの治療に使う代表的な抗がん剤の一つで、効果 が高い一方、心臓に副作用が起こりやすい課題があった。エピルビシンミセルはエピルビシンをカプセル内 に封入したまま、がん患部に集中的に搬送する。 [2011/9/27 付 日経産業新聞]

オンコリスバイオファーマ、血液から肺がんを検査

遺伝子組み換えウイルス活用

バイオベンチャーのオンコリスバイオファーマ(東京・港、浦田泰生社長)は来年半ばにも岡山大学で生 み出された遺伝子組み換えウイルス「テロメスキャンF35」を使い、血液中に流れ出すがん細胞(CTC) を見つける検査事業を始める。検査精度を確かめる試験を順天堂大学医学部と共同で 11 月から始める予定。 受託開始から3年で売上高3億円を目指す。 試験は順天堂大学医学部の呼吸器内科と共同で実施予定。肺がん患者の血液からテロメスキャンF35 を 使ってがん細胞を見つけられるかどうかを調べる。確認できれば来夏にも「研究試薬」として検査事業を始 めたい考えだ。 [2011/9/26 付 日経産業新聞]

国立がんセンター、検体バンク本格稼働

新規の抗がん剤開発に

国立がん研究センターは、がん患者に自身の血液やがん組織などの検体を医学研究用に提供してもらい保 管するバイオバンクを本格的に始めた。10 年間で約8万人分の検体を収集・保管する計画。遺伝子解析を 通じて、新規の抗がん剤の効果の確認やがん発症のメカニズムの解明などの新たながん治療法の開発につな げる。 対象は、同センター中央病院(東京・中央)と東病院(千葉県柏市)を受診する新規患者全員。新たに看 護師などの専門知識を持つ専任の説明員 10 人を配置し、患者ひとりひとりに個別に遺伝子解析の意味や目 的などを説明していく。提供の意志の有無を尋ね、同意を得た場合のみ、血液と手術時などに出たがん組織 の一部などを提供してもらう。 [2011/9/26 付 日経産業新聞]

東大、記憶の神経回路を解明

人工知能応用めざす

東京大学の宮下保司教授のグループは、記憶情報が脳のどのような神経回路を使って処理されるかを、サ ルを用いた実験で突き止めた。大脳皮質の側頭葉と呼ばれる部分に着目。物を見ている時と記憶を思い出す

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時は異なる神経細胞が情報を伝えていた。人工知能開発などへの応用を目指す。 実験動物のマカクサルに、数カ月間かけてモニター画面に2種類ずつの図形をペアにして複数覚えさせ た。そのうえで1種類だけ映し出し、ペアになる図形を選び出させる実験を実施。1日に 500∼1000 回繰り 返し正解するごとにジュースを報酬として与えた。 [2011/9/26 付 日経産業新聞]

シード、初期老眼向け遠近両用ハードコンタクト

初めてでも違和感少なく

シードは初期の老眼向けの遠近両用ハードコンタクトレンズを開発した。新たな設計方法を採用し、初め て遠近両用コンタクトを使う人でも違和感が少なく使えるようにした。従来の遠近両用コンタクトは老眼が 進んだ人向けが中心だったが、新製品の投入で近くが見にくいことに気付いた初期老眼の利用者層を開拓 し、新市場の創出につなげる。 22 日に発売する新開発の「シード マルチフォーカルO2ノア」はレンズ中心部に近視を矯正するため の「遠用光学部」を広く確保し、その外側から周辺部に向かって遠視を矯正する「中間から近用光学部」を 配置。近視の矯正を犠牲にせずに遠近両用を実現した。 [2011/9/22 付 日経産業新聞]

京大・島津、がんに集まる新型高分子

免疫すり抜け患部に

京都大学の木村俊作教授と島津製作所は、がんの診断と治療の両方に使える高分子を開発した。大きさを 20 ナノ(ナノは 10 億分の1)メートル前後にすると、体の免疫反応をすり抜けてがんの患部に繰り返し集 まることをマウスの実験で確認した。通常は免疫反応が起きるため、せっかくがんに届く化合物を作っても 繰り返し使えない。効率的ながんの診断と治療に役立てるため、1年後の臨床応用に向けて準備を始めた。 開発したのは、がん患部に集まる性質がある「ラクトソーム」と呼ぶ球状の高分子。材料にはポリ乳酸な ど体内で自然と分解するものを使った。がんの周りには血管が多くあるため、注射で血管に入れた高分子は 体内を巡りながらがん周辺に集まってくる。 [2011/9/22 付 日経産業新聞]

東京理科大、免疫治療に有効なリンパ球

体外培養で1万倍

東京理科大学の北村大介教授らは、免疫治療に有効なリンパ球の一種を体の外で大量に増やすことに成功 した。ヒトでは3週間程度で1万倍に増やせる。マウスを使った実験で培養したリンパ球を注射したところ、 がん細胞の増殖を抑えた。抗体医薬を短期間で作る技術として応用できるという。 大量に増やしたのは免疫を担うリンパ球の一種「B細胞」。培養の下地に敷く皮膚の細胞を操作し、B細 胞が生体内で受ける刺激を再現した。生体内でウイルスなどの抗原に出合うと活性化して増え、抗体を作っ て退治するほか、次に同じ抗原が入ってきた時にすぐに反応するよう免疫を記憶する役割がある。 [2011/9/22 付 日経産業新聞]

ED治療薬、「医師の裁量で処方」8割

メドピアが調査

医師のコミュニケーションサイトを運営するメドピア(東京・港)が実施した勃起障害(ED)治療薬の 処方に関する調査によると、処方経験のある医師のうち8割が「医師の裁量で処方している」と回答した。 ED治療薬の処方には脳や心臓の虚血性疾患の有無を確認する必要があるが、心電図やコンピューター断層

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撮影装置(CT)などの検査を経て処方する医師は少ないようだ。 ED治療薬の処方経験があると回答した 816 人の医師のうち、「勤務先が病院で、医師の裁量にまかされ ており、他の薬剤と同様に処方できる」との回答が 50.1%、「勤務先が診療所、あるいは自身が開業医で、 特別な縛りを作らず、医師の裁量の範囲で処方できる」が 29.3%に上った。 [2011/9/21 付 日経産業新聞]

ノバルティスファーマ、閉塞性肺疾患の治療薬を販売

スイス製薬大手ノバルティスの日本法人、ノバルティスファーマ(東京・港)は 20 日、慢性閉塞性肺疾 患(COPD)の治療薬の販売を始めたと発表した。吸入してから5分で気管支を広げる効果が出て、1日 1回の使用で効果が 24 時間持続するという。COPDの国内の潜在患者数は推定 530 万人。慢性気管支炎 や肺気腫の症状緩和に役立ててもらう。 製品名は「オンブレス吸入用カプセル 150μg」。粉末の薬剤が入ったカプセルを、専用の器具を使って 吸入する。世界 70 カ国以上で製造販売の承認を受けている。 [2011/9/21 付 日経産業新聞]

放射性セシウム、魚介類から排出促す

農水省、技術開発へ

農林水産省は、東京電力福島第一原子力発電所の事故で放出された放射性物質の除染関連で、魚介類や田 畑からはぎ取った土壌から除去する技術の開発に乗り出す。東北大学や水産総合研究センターなどと取り組 む。魚は別の水槽で育てて代謝を促す技術を探るほか、土壌は高温高圧の水蒸気で処理するなどの実証実験 を進める。今年度中に結果を出し、成果を来年度から本格的に展開する予定だ。 水産物はメバルやソイ、カレイ、ヒラメ、ウニなどを対象にする。水産総合研究センターのほか、福島県 水産試験場、福島県水産種苗研究所などが実施する。放射性セシウムを取り込んだ魚介類を水槽で飼育し、 水温や塩分、餌などを工夫して最も代謝を促しやすい条件を見つけ、セシウムを早く排出できるようにする。 [2011/9/20 付 日経産業新聞]

皮膚T細胞性リンパ腫、大鵬薬品が抗腫瘍薬

がん関連遺伝子を抑制

大塚ホールディングス子会社の大鵬薬品工業(東京・千代田)は皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)治療 向けの抗悪性腫瘍(しゅよう)薬「ゾリンザカプセル 100 ミリグラム」を発売した。米メルク子会社のMS Dから販売権を獲得し、このほど薬価収載された。CTCLの治療法は少なく、新たな選択肢になると期待 される。2年目以降の年間売上高目標は 16 億円。 ゾリンザはDNA(デオキシリボ核酸)が巻き付いているヒストンというたんぱく質に作用する「ヒスト ン脱アセチル化酵素」を阻害し、がんに関連する遺伝子の発現を抑制する。このような仕組みの抗がん剤は 国内ではこれまで実用化されておらず、ゾリンザが初めてという。 [2011/9/16 付 日経産業新聞]

過活動ぼうこう治療薬、アステラスが発売

頻尿など改善

アステラス製薬は 15 日、過活動ぼうこう治療の医療用医薬品「ベタニス(一般名ミラベグロン)」を 16 日に国内で発売すると発表した。1日に1回服用することでぼうこうの平滑筋にある受容体を刺激して筋肉 を緩め、尿をためる量を増やして頻尿や尿失禁などの症状を改善する。

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今夏に欧州医薬品庁(EMA)と米食品医薬品局(FDA)に販売許可を申請しており、2012 年度中に も発売できる見通し。中国や韓国、インドなどのアジアでも第3相臨床試験(治験)を進めている。14 年 度には約 500 億円の世界売上高を目指す。 [2011/9/16 付 日経産業新聞]

北大・九大など、高感度なセンサーたんぱく質

緑青赤で細胞把握容易に

北海道大学、九州大学などの研究チームは生体内のカルシウムイオン濃度の測定に使える緑、青、赤の高 感度な「センサーたんぱく質」を開発した。カルシウムイオンが関係している体内の様々な細胞の活動状態 を調べられる。3色を使い分ければ複数の細胞の様子が同時にわかり、使い勝手がよいという。感情に関連 した複雑な神経回路の仕組みの解明などに役立てたい考えだ。 北大の永井健治教授らの成果。緑色の蛍光たんぱく質GFPのもとになる遺伝子に突然変異を起こさせ、 大腸菌内に組み込んでたんぱく質を作らせた。大腸菌をカルシウムイオンが入った溶液となしの溶液に浸し て発する蛍光の強さを測定。違いがもっとも大きい大腸菌を選び出し、生成するたんぱく質の遺伝子を取り 出した。 [2011/9/15 付 日経産業新聞]

コラーゲン飲料「美容に有効性」

常盤薬品、阪大と実証

常盤薬品工業(東京・港)は大阪大学と共同でコラーゲンを配合した飲料の美容への有効性を実証したと 発表した。2カ月間、就寝前に摂取し続けた結果、コラーゲンを作るもとになるアミノ酸の血液中の量が有 意に増加するなどの効果がみられたという。このほど山口県下関市で開催された日本美容皮膚科学会で発表 した。 低分子コラーゲンペプチドを 5000 ミリグラム配合した飲料を試作し、20 人(平均年齢 45.7 歳)に2カ 月間、就寝前に摂取してもらい美容効果を評価した。コラーゲンのもとになるといわれるアミノ酸「ヒドロ キシプロリン」の量が 7.5 倍に増えたほか、皮膚の弾性も改善し、しわの数も減少したとしている。 [2011/9/15 付 日経産業新聞]

精子幹細胞、体外で完全な精子に

横浜市大・理研、マウスで実験 男性不妊治療に道

横浜市立大学の小川毅彦准教授と理化学研究所の小倉淳郎室長らはマウスを使った実験で、精子の元にな る未熟な細胞を体外で完全な精子に成長させることに成功した。できた精子が卵子と受精して子どもに成長 することも確認した。人への応用も理論的には可能で、男性の不妊治療などに道を開く成果だ。14日付の 英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ(電子版)に掲載される。 研究グループは、マウスから精子の元になる精子幹細胞を取り出し、皿の中で増やした。この幹細胞を、 別のマウスから取り出した精巣の中に移植して培養したところ、精子に成長した。この精子を顕微鏡の下で 卵子と受精させた受精卵をメスの体内に戻すと、子どもが誕生した。 [2011/9/14 付 日経産業新聞]

スペインのナバラ大、脂肪代謝に効果のたんぱく質

スペインのナバラ大の研究チームは筋肉の細胞や脂肪細胞で合成されるたんぱく質「カルディオトロフィ ン1(CT―1)が、脂肪や糖代謝に効果があることを突き止めた。詰まった血液を溶かして血流をよくす

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るような化合物の一種として知られていたが、メタボリック症候群の新薬に応用できる可能性が出てきたと いう。 成果は米科学誌セル・メタボリズムに発表した。CT―1は脂肪細胞から脂肪を消すのを加速するほか、 筋肉で脂肪が燃やすのも加速していた。肥満と糖尿病のマウスを使って実験したところ、エネルギー消費が 増え、食欲が抑えられて肥満と糖尿病が改善した。研究チームは糖分が細胞に入るのを助けるインスリンの 感受性を高めるのではないかと見ている。 [2011/9/14 付 日経産業新聞]

参照

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