文
珠
儀
軌
經
の
梗
概
(三)
堀
内
寛
仁
第 十 二 品 の 梗 概 漢 課 は ﹁第 十 二 章、 数 珠 儀 軌 品 ﹂ と あ る が、 梵 藏 二 本 は ﹁ 中 品 鰹 像 の 章 品 中 の 数 珠 の 儀 軌 の 章 品 ﹂ と な つ て い る。 本 品 は 釋 尊 が 文 殊 に 封 し、 ﹁全 べ て の 儀 軌 に 共 通 し て 使 用 さ れ る 数 珠 の 儀 軌 を 詳 細 に 読 こ う ﹂ と て、 数 珠 を 作 つ て 佛 前 に 献 じ 悉 地 を 成 就 す る 作 法 を 読 か れ た 章 品 で あ る が、 本 品 に い う 数 珠 は 佛 前 に 供 え て、 修 法 す る た め の 数 珠 懸 あ つ て、 直 接 的 に は 比 丘 の 持 ち 物 と し て の 数 珠 を 読 や の で は な い。 ま つ ( 一) 始 め に 数 珠aksa-sutra を 作 る 場 合 に 論 す べ き 眞 言 を 教 示 し、 こ の 眞 言 に よ つ て 三 十 七 遍 ( 蔵 課 廿 七 回) 珠 を 取 ら ん と す る 樹 木 を 加 持 し、 若 し 非 人 或 は 醜 悪 相 の 夢 を 見 れ ば、 そ の 木 を 捨 て て 他 樹 を 選 定 す べ き 事 を 説 き、 ( 二) 次 に 樹 木 と し て は、1. rudraksa ( 學 名Elaescarpus G anitrus) を 第 三 と し、2. indraksa ( 學 名Wrightia Anti d y s e n terica) 之 に つ ぎ、3. putranjivaka ( 學 名putranjiva R oxburghii) そ の 他 を 選 ぶ べ き 事 を 読 い て い る が、 漢 繹 は 一 ・ 二 ・ 三 を 各 々 金 剛 子 ・ 印 捺 羅 子、 菩 提 子 と 繹 し、 更 に 櫻 子 な る も の ( む く ろ じ 樹) を 飴 計 に 附 加 し て い る。 然 し て ( 三) そ の 三 番 上 の 枝 の 果 實 な れ ぱ 上 々、 中 枝 な れ ぱ 中 品 の 悉 地、 下 枝 な れ ぼ 下 の 悉 地 を 得 る こ と、 ( 四) ま た(1) 枝 が 西 に 出 て 居 れ ば 物 質 的 悉 地 に 適 し、(2) 北 枝 は 夜 叉 ・ 部 多 ・ 阿 修 羅 ・ 乾 闊 婆 ・ 緊 那 羅 ・ 羅 刹 等 の 降 伏 に 適 し、(3) 東 枝 は 長 壽 ・ 官 に(4) 南 枝 は 蛋 物 に 害 を な す か ら 不 可、(5) 枝 が 下 に 下 つ て い る の は、 地 下 の 阿 修 羅 の 佳 所 に 於 て 天 の 幸 輻 を 享 受 す る こ と が 出 來 る こ と 等 を 読 い て い る。 ( 五) 次 に そ の 珠 ( 種 子) を 前 述 の 眞 言 を 諦 し て 磨 き、 童 女 の 紡 い だ 蓮 綜 を 振 つ た 所 の 紐 に と お し、 金 銀 ・ ル ビ ー ・ 水 晶 等 を ち り ば め て 敷 珠 を 作 る の で あ る が、 数 は 百 八 か、 廿 五 か、 五 〇 (藏 課108・20・50)(漢謬108・54・27) に 成 し、 千 八 ( 漢、 千 八 十) な れ ば 最 上 で あ る 事、 ( 六) 種 子 の 種 類 は 二 種 或 は 三 種 に し、 金 銀 銅 等 を 混 用 す る も 可、 端 を 結 ん で 輪 と な し、 三 重 に 撚 り 合 し て マ ン ダ ラ の 形 文 珠 儀 軌 經 の 梗 概密 教 文 化 或 は 蛇 の コ ブ ラ の 如 ぐ す る 。 ( 七) か く て 歎 珠 が 出 來 上 れ ぱ 浅 自 身 水 浴 し て 身 を 浮 め 数 珠 を 五 牛 製 品 ( 牛 乳 ・ 凝 乳 ・ バ タ ー ・ 牛 尿 ・ 牛 糞) 土 粉 等 で 浮 め 、 ま た 浮 水 ・ 良 香 ・ 顔 、料 ・ 白 檀 ・ サ フ ラ ン 等 で 磨 り 洗 い 、 中 品 膣 像 或 は 釋 迦 牟 尼 像 、 叉 は 舎 利 の あ る 場 所 に 置 き 、 書 夜 前 述 の 眞 言 を 千 八 百 遍 ( 藏 課1008 漢 謬1080) 若 く は 百 八 遍 之 を 講 し 夢 に 佛 ・ 菩 薩 ・ 聲 聞 ・ 縁 畳 ・ 童 子 等 を 見 れ ば 必 ず 悉 地 が あ る と 読 い て い る 。 第 十 三 品 の 梗 概 梵 本 に は ﹁ 第 十 三 の 章 品 ﹂ と の み あ つ て 、 題 目 は 見 え な い が 、 漢 羅 に は ﹁ 護 摩 品 ﹂ と あ り 、 一藏 繹 は 三 番 詳 し く ﹁ 護 摩 の 儀 軌 の 章 品 ﹂ と な つ て い る 。 題 名 が 示 す よ う に 、 護 摩 を 焚 い て 火 天 を 祀 る 所 作 ・ 作 法 を 読 い た 章 品 で あ る が 、 釋 奪 が 文 殊 に 封 し 読 か れ た 形 式 に な つ て い る 。 い ま そ の 梗 概 を 略 述 す る と 、 ( 三) ま つ 火 天 の 内 心 眞 言paramagni-hrdaya を 読 き 、 こ の 眞 言 を 論 し て ゴ マ を 焚 け ば 火 天 が 召 請 ( ヨ ビ ヨ セ ル) せ ら れ る こ と 、 ( 二) ゴ マ の 目 的 と し て は 息 災 ・ 増 釜 ・ 調 伏 (raudra, Tib d rug-po 漢 課 に は ﹁ 降 伏 ﹂ と あ り 、 降 伏 の 梵 語 は 普 通abhicaraka, rd u g-cul-can で あ る) の 三 種 が あ り 、 各 々 柴 木 ( ゴ マ 木) を 異 に す る こ と 、 息 災 に は 無 憂 樹 (skt. Acoka, 學名 Jonesia A soka Roxb 灘 羅 摯) の 漁 つ た 木 片 が 最 も 良 く 、 長 さ は 三 張 手vitasti 、 若 く は 一 肘hasta 厚 さ は 三 指 、 粘 り 氣 の あ る の が 尤 も 良 く 、 穴 や 室 洞 の あ る も の は 不 可 、 色 は 緑 か 白 が 良 い 事 、 そ の 他 ゴ マ 木 の 選 び 方 等 を 読 き 、 ( 三) 火 耀 は 方 形 、 深 惑 は 西 ・ 三 ・ 二 ・ 一 肘 、 虫 を 除 い た 土 で 蓮 花 形 の 縁 を 作 り 、 或 は ま た 四 角 ・ 弓 形 (藏 謬 ﹁ 玉 垣 の 形 ﹂ ( la n-kan) 漢 謬 ﹁ 牛 月 ﹂) 、 金 剛 杵 の よ う に 見 え る 爾 頭 三 針 形 に し 、 火 燈 の 直 径 は 二 肘 に す る 。 場 所 は 清 浮 の 地 で 河 岸 ・ 屍 林 乃 至 閑 林 等 に 築 き 、 吉 群 草 の 座 を 設 け て ゴ マ を 焚 け ば 悉 地 の 成 就 は 疑 い な い こ と 、 ( 四) 息 災 に は 東 向 き 、 増 盆 に は 北 向 、 調 伏 に は 南 面 し 、 息 災 ・ 増 釜 に 用 ゆ べ き 樹 名 に
はbilba, plaksa, nyag
rodha を あ げ 、 調 伏 に は 乾 い た 、 な め る と ぢ リ ツ と す る 、 或 は ス ツ パ イ 、 先 の と が つ た 木 を 用 い る こ と 、 そ の よ う な 木 が な い 時 は 吉 鮮 草kuca 等 を 爾 端 に ま き つ け る こ と 、 ( 五) 更 に 火 を つ け 始 め る に は 草 を 用 副 い 、 口 の 息 ( イ キ) や 下 衣・ 上 衣・ 手 等 で 煽 が す 、 易・ 衣 服 の 端・ 葉 な ど を 用 い 、 漉 水 三 度 (梵 ﹁ 右 よ り 左 へ ﹂ 藏 ﹁ 左 手 で ﹂) 、 火 中 に 供 物ajya ( 澄 ん だ バ ク ー) を 投 げ 入 れ て 、 佛 ・ 並 び に 眞 言 の 主 を 敬 禮 し 、 火 天 の 内 心 眞 言 を 以 て 花 ・ 香 を 供 え 、 火 神 を 召 請 し て 、 酪 ・ プ ル タpluta・ バ タ ー ・ 蜜 等 を つ け た 木 を 以 て ゴ マ を 焚 く こ と 、 こ の 中 供 物 を 投 す る 回 数 ・ 柴 木 の 激 ・ 念 諦 の 回 歎 等 い ろ く 詳 し い 読 明 が あ る 。 ( 六) 、次 に 悉 地 の 相 と し て は 焔 が 一 つ に な れ ば 息 災 、 煙 が な け れ ば 増 釜 、 煙 が あ れ ば 調 伏 の 法 は 成 就 し 、 火 焔 が 白 色 で あ
れ ば 上 乗 で 息 災、 赤 色 な れ ば 増 釜、 黒 色 ・ 煙 色 ・ 褐 色 ( 猿 の 色) で あ れ ぱ 調 伏 の 悉 地 で あ る こ と、 ( 七) 召 請 ・ 褒 遣 等 は 全 べ て 前 述 の マ ン ダ ラ の 儀 則 と 同 檬 で あ る こ と、 ( 八) 火 供 を 膣 前 で 行 え ば あ ら ゆ る 事 に 於 て 悉 地 が あ る と は 昔 諸 佛 が 読 か れ た 所 で あ る が、 但 し 罪 の あ る 作 業 ( 調 伏 法) は 諸 佛 の 禁 制 で あ る こ と、 ( 九) 最 後 に 膣 像 前 で 備 に ゴ マ を 行 う と、 地 下 の 主 と な り、 虚 室 を 飛 行 し、 地 主 ・ 夜 叉 ・ 夜 叉 女 等 を 自 由 に 召 請 す る こ と が 出 來、 ま た 十 地 の 菩 薩 は も と よ り 馬 一 切 部 多 を 自 由 に 君 請 し、 世 間 に 於 て は 將 軍 國 王 等 を 自 由 に す る こ と が 出 來 ゐ 等 ゴ マ の 功 徳 を 読 い て 本 章 は 終 つ て い る。 第 四 段 第 十 四 品 の 梗 概 本 品 は 韓 輪 王cakra-vartti の 膣 像 を 画 い て 修 法 す る 成 就 法 を 読 い た 章 品 で あ る が、 漢 課 は ﹁ 韓 輪 王 ﹂ を ﹁ 犬 輪 三 字 明 王 ﹂ と 諜 し、 且 つ 二 節 に 分 つ て 第 二 節 を ﹁ 十 四 の 飴 ﹂ と 稻 し で い る。 内 容 は 寳 憧 如 來 の 内 心 眞 言 で あ る 一 字 の 明 王 ( こ こ で は 明 王 と は 明vidya の 中 の 最 勝 の 明 と い う 意 味 で 眞 言 王 と い う 意、 不 動 明 王 等 の 場 合 の 如 く 人 格 身 の み を 言 つ で い る の で は な い) ボ ロ ンBhrum の 樫 像 ( 画 像) と 土 壇 曼 茶 羅 の 画 き 方 及 び そ の 画 像、 及 び 土 壇 マ ン ダ ラ に よ つ て 眞 言 を 謂 じ 所 願 を 成 就 す る 方 法 を 教 示 し た 章 品 で あ る。 い ま そ の 梗 概 乏 順 を 追 う て 略 述 す る と、 ( 一) ま つ 釋 尊 が 文 殊 に 封 し、 こ の 明 王 ( ボ ロ ン) は 一 切 眞 言 中 最 も 勝 れ た る も の な る こ と、 昔 無 量 の 儲 が 既 に こ の 眞 言 を 読 か れ 寳 憧 如 來 の 内 心 最 秘 の 眞 言 で あ つ て、 全 べ て の 欲 望 を 満 足 せ し め る も の な る こ と 等 を 読 か れ、 ﹁ そ れ は 一 体 ⋮⋮﹂ と 読 き 出 さ れ た 時、 そ の 時 釋 尊 の 眉 聞 ( の 白 毫) よ り 光 が 現 わ れ、 佛 國 を 遍 く 照 し、 衆 生 を 喜 悦 せ し め て 肉 髪 の 中 に 清 宜 る。 そ う す る と、 肉 髪 の 中 か ら、 光 焔 に つ つ ま れ て、 見 る 事 も 出 來 ぬ 大 輪 王 の 形 を し た 明 王、 三 字 と 名 け る も の が 現 わ れ、 ボ ロ ン ・ ボ ロ ン と 唱 諦 し つ つ、 釋 尊 の 上 方 か ら 釋 尊 に 樹 し て 室 中 に 佳 す る、 ( ( 註) こ の 所 藏 課 は 梵 本 で 約 五 行 程 飲 課 (skt.p. 1 2 919-p.12923) ( 二) か く て 釋 尊 は 再 び 語 を つ い で ﹁ ( 1) こ の 一 字 の 縛 輪 明 王 は 諸 佛 の 内 心 で あ る こ と ( 2) 一 切 如 來 中 で は 寳 橦 如 來 が 得 ら れ た る も の な る こ と ( 3) 娑 陵 捺 羅 王 佛Salendra 無 量 光 佛Amitabha 難 忍Duhprasaha 妙 眼Sunetra 妙 橦ketu 花 王Puspendra ス ピ ナ ソ タSupinanta ロ カ ム ニLoka-muni カ ナ カKanaka 等 の 諸 佛 の 所 読 な る こ と、 ( 4) こ の 眞 言 を 共 に 三 洛 叉 論 す れ ほ 世 出 世 一 切 の 眞 言 が 成 就 す る こ と ﹂ 等 を 読 か れ る と 全 世 界 は 六 種 に 振 動 し、 一 切 の 佛 ・ 菩 薩 ・ 聲 聞・ 縁 発 等 が こ こ に 集 合 し て 來 る わ け で あ る が、 か く て 釋 尊 は 文 殊 に 封 し、 再 び 一 字 眞 言 の 功 徳 を 再 読 し、 次 に 偶 を 以 て マ ン ダ 文 珠 儀 軌 經 の 梗 概
密 教 文 化 ラ の 画 き 方 を 読 か れ る の で あ る が 、 ( 三) こ の 所 縮 刷 藏 經 頭 註 に 指 適 し て い る よ う に ﹂ 前 章 ﹃ 護 摩 品 ﹂ の 文 章 が 重 ね て 繹 出 、 挿 入 さ れ て い る 。 大 正 本 で は 八 七 五 頁 C 四 行 ﹁ 能 於 彼 佛 像 ﹂ よ り 同 廿 四 行 ﹁ 塗 香 一 切 ﹂ ま で の 文 章 で あ る 。 梵 藏 二 本 に は 勿 論 こ れ に 該 當 す る 文 章 は な い 。 ( 四) 亥 に 釋 奪 が 偶 を 以 て 読 か れ た 曼 茶 羅 の 画 き 方 は 、 そ の 要 窯 の み あ げ る と 、 ( 1) 画 布 と し て は 表 面 に 毛 が な く 、 ペ タ く く つ 玉 か な い も の 、 新 し い 白 色 の 、 総 毛 ( フ サ) の あ る 薄 い 上 等 の 布 で 、 長 さ 二 肘 、 幅 一 肘 、 そ の 他 無 垢 に し て 新 し い も の 、 ( 洗 つ た 布 は 不 可) 質 は 葛 布 ( 綜 布dukulaka) た る 事 等 い ろ く 詳 し く 読 き 、 ( 2) 画 ぐ べ き 聖 衆 と し て は 光 覧 に 園 ま れ た 本 奪 を 洞 穴 ま た は 山 上 に 画 き 、 本 尊 の 上 に 天 人 二 人、 山 下 に 大 海 、 軽 の 周 園 は 諸 花 を 以 て 園 む こ と 等 が 読 か れ 、 花 の 名 を 十 箇 あ げ て い る 、 こ の 中 漢 繹 は 第 五 のMalati-kusuma マ フ テ イ の 化 を 二 分 し て 、 摩 羅 迦 花 ・ 倶 蘇 摩 花 と 誤 課 し て い る 。 ( 3) ま た こ れ ら の 華 を 以 て 供 養 す る 方 怯 ・ 製 綜 ・ 織 工 博 画 人 等 は 全 べ て 前 述 の 上 品 膣 像 の 儀 軌 と 同 檬 で あ る こ と 、 ( 4) 本 奪 と し て は 金 色 の 寳 生 牟 尼 (Ratna-ja) 寳 橦 (Ratna-ketu) を あ げ 、 詳 し く そ の 像 容 を 読 い て い る 。 ︹ 漢 課 第 十 四 品 ( そ の 一) 巳 り ︺ ( 五) 更 に 釋 尊 の 読 法 は 綾 い て ま た 別 の マ ン ダ ラ を 読 い て い る 。 そ の 要 鮎 を あ げ る と 、 ( 1) 清 浮 な 地 、 河 岸 等 に 美 し い 五 色 の 檜 の 具 の 粉 末 で 、 四 方 形 に し て 四 門 ・ 門 櫻 (torana) 等 が あ る の を 画 く ( 2) 洞 穴 ・ 山 中 に 寳 橦 如 來 を 画 く ( 3) 寳 橦 如 來 は 韓 輪 王 の 主 に し て 、 大 王 の 姿 、 冠 を つ け 、 右 手 に 花 、 左 手 に 燃 え る 火 輪 を 持 ち 、 旭 日 の 如 く 輝 い て い る 之 と 。 ( 六) 更 に こ の マ ン ダ ラ に 飲 食 ・ 香 ・ 灯 ・ 花 貿 を 供 養 す る こ と 、 韓 輪 王 の 前 に 瓶 を 置 く こ と 、 護 摩 海 な す 乙 と 及 び 護 摩 木 を 焚 く こ と 八 千 本 、 胡 麻 ・ バ タ ー 油 等 を 投 す る こ と 千 八 回 ( 漢 諜 千 八 十 回) す る と 、 普 瓶 世 聞 の、 或 は 出 世 間 的 の 一 切 の 願 望 が 成 就 す る こ と 等 を 読 き 。 ( 七) 最 後 に こ ん な 法 も あ る 、 あ ん な 法 も あ る と 、 種 々 の 成 就 法 を 雑 然 と 読 い て い る 、 二 三 の 例 を あ げ る と 、 ( 1) 白 蓮 花 ・ 白 壇 を 用 い て ゴ マ を 焚 き 、 寳 憧 如 來 を 拝 し て 、 そ の 世 界 に 佳 す る こ と 、 ( 2) ナ ー ガ ケ ー サ ラ 花 ・ 龍 騰 ・ 白 榎 ・ サ フ ラ ン 等 に て ゴ マ を 焚 き 、 七 地 の 菩 薩 の 授 記 を 受 け、 諸 佛 世 界 に 至 る ご と 、( 3) 種 々 の 器 に 酪 を 盛 つ た 燈 明 を 百 千 献 じ て 苦 を 抜 き 輪 廻 を 解 脱 し 無 畏 安 樂 の 八 聖 道 を 盟 得 す る こ と 、 等 は 佛 教 的 で あ り 、 ( 4) 二 ン バnimba の 木 で 金 剛 杵 を 作 り 、 ゴ マ を 焚 い て 持 明 天 に 昇 天 す る こ と 、 そ の 他 ﹁ 碑 通 を 得 る 方 法 ﹂ 、 ﹁ 盧 室 を 飛 行 す る 法 ﹂ 、 ﹁ 王 位 、 大 臣 位 を 得 る 法 ﹂ 、 ﹁ 種 々 の 病 を 治 癒 す る 法 ﹂ 、 ﹁ 魔 に つ か れ た の を 除 く 法 ﹂ 、 ﹁ 蛇 毒 等 を 滑 す 法 ﹂ 、 ﹁ 敵 の 怒 り を 除 く 法 ﹂ 、 ﹁ 部 多 鬼 等 を 自 由 に 驅 使 す る 法 ﹂ 等 が 読 か れ て い る が 、 中 に ぼ ﹁ 僥
場 で 屍 盟 の 上 に 乗 つ て 修 法 す る ﹂ と い う よ う な 成 就 法 も 読 か れ て い る。 而 し て 最 後 に ﹁ 欲 す る 所 に 從 つ て 良 く 分 別 し て そ れ ぐ の 修 法 を 實 行 す べ し、 必 す そ こ に 上 (成 佛) 中 (地 位 ・ 名 警 ・ 冨 ・ 旙 徳 ・ 除 輿 等)・下 (降 伏) そ れ ぐ の 悉 地 は あ る。 全 舜 て の 修 法 匿 於 て ゴ マ は な す べ し ﹂ と 結 ん で 本 章 は 已 つ て い る。 第 十 五 品 の 梗 概 梵 蔵 二 本 は ﹁ 一 切 の 業 の 所 作 の 義 ﹂ と あ り、 漢 課 は ﹁ 法 行 義 品 と 謬 し て い る。 但 し 梵 本 は 第 十 三 章 と あ る が 既 に 第 十 三、 十 四 章 が あ る の で あ ゐ か ら 第 十 五 品 の 誤 り で あ る こ と は 前 述 の 通 り で あ る。 以 下 の 章 ま た 同 じ。 ﹁ 業 の 所 作 の 義 ﹂ と は、 業 が 原 因 と な つ て あ ら ゆ る 現 象 が 現 わ れ る と い う 業 感 縁 起 の こ と 左 言 つ て い る の で あ る。Karma-Kriyartha と は 世 聞 に よ ぐ ﹁ 業 を 作 る ﹂ と 言 う が そ の ﹁ 業 を 作 る と 言 ふ 意 味 ﹂ は ど う い う 意 味 で あ る か、 そ の 意 味 を 読 い た 章 品 と 言 う 意 味 で あ る。 さ て 然 ら ば 業 を 作 る と 云 う 意 味 は ど う い う こ と で あ る か と 言 え ば、 そ れ は 悪 因 は 悪 果 を 作 り 善 因 は 善 果 を 作 る と 言 う こ と で あ る。 從 つ て 本 品 の 形 式 は 金 測 手 の 問 い に 答 え て、 釋 尊 が 夢 の 善 悪 を 読 か れ る 形 式 に な つ て い る が、 輩 に 良 い 夢 を 見 た か ら、 悉 地 が 成 就 す る、 夢 が 悪 い か ら 悉 地 は 成 就 し な い と い う よ う な 夢 判 断 を 読 く の で は な い。 そ の 論 理 的 根 擦 は 業 感 縁 起 論 に あ る の で あ つ て、 良 い 夢 を 見 る に は 見 る だ け の 原 因 が あ り 良 い 結 果 が 生 す る に は 生 す る だ け の 原 因 が あ る。 つ ま り そ の 人 の 悉 地 が 成 就 す る と い う の は そ の 人 が 過 去 世 に そ れ だ け の 善 業 を 作 つ た か ら で あ り、 そ の 善 業 の 結 果 と し て い ま 悉 地 成 就 と い う 善 果 が 生 す る の で あ る 遭 ま た 良 い 夢 を 見 る と い う こ と も、 そ の 人 が 過 去 世 に 善 い 因 を 作 つ た か ら で、 そ の 善 因 に 樹 す る 結 果 と し て 悉 地 の 成 就 が あ り、 そ の 悉 地 の 成 就 す る 前 兆 と し て 良 い 夢 を 見 る の で あ つ て、 決 し て 偶 然 に 善 い 夢 を 見 た と い う べ き も の で は な い。 結 局 良 い 夢 を 見 る と い う の も、 悉 地 の 成 就 す る と い ぅ の も、 共 に 過 去 世 の 業 が 原 因 で あ つ て、 過 去 世 に 善 因 が な け れ ば 善 夢 も な く、 善 果 た る 悉 地 の 成 就 も な い と 言 う 論 理 で あ る。 つ ま り 前 兆 も 結 果 も 共 に 過 去 世 の 業 因 の 果 で あ つ て、 業 因 と 前 兆 と 果 報 と の 周 に は 道 徳 的 因 果 律 の 論 理 が 通 つ て い る の で あ る。 從 つ て 本 章 は そ う い う 道 徳 的 因 果 律 の 論 理 を 根 底 と し て 夢 の 善 悪 や 人 相 等 が 読 か れ て い る の で あ つ て、 輩 に 夢 判 断 や 人 相 ・ 占 星 の 方 術 を 教 示 す る の が 趣 意 で は な い。 い ま 釋 尊 読 法 の 梗 概 を 順 を 追 う て 略 述 す る と、 ( 一) ま す 夢 を 見 ん と す る 者 は、 静 か な 山 頂 駕 河 岸 ・ 洞 穴 に 行 き、 茅 屋 を 作 つ て、 吉 祥 日 の 夜 初 更 にkhadira ( 學 名Acacia C a te chu) 木 を 火 天 に 護 摩 し 供 物 千 八、 蓮 花 八 千 を 火 に 僥 き、 寳 坐 印 を 結 ん で 自 の 眞 言 を 以 て 坐 を 與 え、 夢 見 の 眞 言 ( 名 は 読 か れ て な い) を 講 じ つ つ 護 摩 を 焚 く こ と、 つ い で、 諸 佛 を 禮 し て 繊 悔 を な し、 そ こ に 臥 し て 眠 る こ と、 ( 二) ( 以 下 偶 文) か く て 初 更 に 夢 を 見 る が、 そ れ は 粘 液 性 c
lesma-sambhava, Tib. bad-kan, Ch.
弼 瀬 お で あ り 文 珠 儀 軌 經 の 梗 概
密 教 文 化 二 更 ぱ 脆 汁
性pitta, Tib. mkhris-pa, Ch.
應 導 お 三 更 は 風
性vatika, Tib. rlun, Ch.
劉 漁 お 四 更 に 見 る の が、 ﹁ ほ ん と う の 夢
﹂satya-s., Tib.
bden-p a r hbyun-ba, Ch. 眞 剛 で あ る と 総 読 し、 次 に 第 剛 藁 に 見 る 夢 ( 粘 液 性) は こ の 檬 な も の で あ る と、 ﹁ 寳 聚 ・ 眞 珠 の 理 略・ 大 洋 ・ 水 中 に 在 る こ と、 流 れ に 溝 さ れ、 大 海 の 浴 れ る、 そ こ に 自 身 が 佳 す る の を 見 る、 或 は ( 乃 至) 等 々 ﹂ 種 々 の 場 合 を あ げ、 家 に 謄 汁 性 と し て は ﹁ 燃 え て い る 火 の 形、 種 々 の 寳 の 生 産、 ・ 灼 熱 ・ 流 星 ﹂ 等 々 そ の 他 を あ げ、 こ れ ら の 夢 は 膿 汁 の 凝 固 よ り 起 る と し、 風 性 の 夢 と し て は、 ﹁ 四 方 に 光 り が 嚢 し て 明 る い こ と、 夫 に 登 り、 天 を ( 横 に) 飛 行 し、 天 を ( あ ち こ ち) 遊 行 す る こ と ・ 水 を 跳 び 越 え、 水 に 跳 び 込 む こ と、 木 に 登 る こ と ﹂ 等 そ の 他 を あ げ て い る。 い ま そ の 特 徴 を 拾 つ て み る と、 粘 液 性 の 夢 は 水 に 關 係 あ り 色 は 白 い も の 膿 汁 牲 の 夢 は 火 に 關 係 あ り 黄 色 又 依 金 色 風 性 の 夢 は 虚 室 に 關 係 が あ る。 ( 二) ま た こ れ を 貧 瞑 痴 に 配 し、 女 人 に 愛 着 す る 如 き 夢 は ﹁ 貧 ﹂ で 之 は 粘 液 性 よ り 生 じ、 圖 争 を 好 む の は 膿 汁 よ り 生 じ て ﹁ 瞑 ﹂。 記 憶 を 忘 失 す る 如 き 夢 は 風 性 よ り 生 じ ﹁ 痴 ﹂。 ま た 之 等 は 入 り 交 つ て 夢 に 現 わ れ る と 読 い こ い る。 ( 三) 更 に ま た 粘 液 性 の 人 は か く の 如 し、 膿 汁 性 の 人 は、 風 性 の 人 は と、 そ の 容 貌 ・ 身 色 ・ 性 質 ・ 動 作 ・ 嗜 好 等 を 一 々 あ げ て い る が、 い ま そ の 特 徴 鐵 を 拾 つ て 死 示 す る と、 顔 色 性 質 十 二 宮 適 す る 修 法 星 嗜 好 粘 液 性 油 氣 あ り、 白 色 色 欲 や 名 春 心 に 強 い 双 魚 宮 に 生 る 王 位 や 寅 を 求 め る 法 木 星 生 れ 謄 汁 性 怒 り の 表 情 青 黒 い 邪 行、 大 膿、 友 多 し 蜴 宮 に 生 る 降 伏 法 火 星 生 れ 少 食、 辛 味、 酸 味 を 好 む 風 性 粗 野、 顔 色 悪 し 愚 鈍、 多 苦、 敵 多 し 水 生 宮 に 生 る 敬 愛 法 隠 身 法 に 適 す 土 星 生 れ 多 食 と な る。 ( 四) 次 に 修 法 と 功 徳 ( 善 行 爲) の 一 致 す べ き こ と、 即 ち 善 徳 を 離 れ て 修 法 は 成 立 た す、 功 徳 を 離 れ て 眞 言 は 成 就 し な い ご と、 及 び、 善 悪 ・ 吉 ・ 不 吉 の 夢 は 全 べ て 過 去 の 業 の 必 然 的 の 結 果 と し て 現 わ れ る も の な る こ と、 從 つ て 善 夢 を 得 な い と い う こ と は 善 な る 果 報 が な い こ と で あ り、 い く ら 修 法 し て も 悉 地 ( 善 果) は 求 む べ く も な い こ と。 叉 人 の 相 ( 人 相 ・ 性 格・ 行 動 等) も 過 去 世 の 業 ( 行 爲) の 必 然 の 結 果 で あ る か ら、 そ の 相 に 應 じ て 修 法 を な し、 そ れ に 相 應 し た 悉 地 を 得 べ き こ と、 上 品 の 悉 地 を 得 る 相 の な い も の が い く ら 上 品 の 悉 地 を 求 あ で 修 法 し て も 成 就 す る も の で な い こ と、
( 五) 更 に そ の 相 に 相 應 し た 修 法 を し て い る に 拘 ら す 、 眞 言 が 成 就 し な い の は 部 多 等 の 障 碍 で あ る か ら 、 こ れ が た め に は 六 面 六 讐 の 大 急 怒 ( 大 威 徳 明 王) の 四 字 の 眞 言 を 論 す べ き こ と 、 こ の 眞 言 は 昔 娑 陵 捺 羅 主salendra-raja 如 來 が 読 か れ た も の で 、 一 切 の 障 碍 を 除 き 得 る こ と ( 六) か く 釋 尊 が 読 か れ た 時 、 一 切 の 障 碍 を な す ビ ナ ヤ カ v inayaka 鬼 た ち は 恐 れ お の の い て 釋 尊 と 文 殊 に 敬 禮 し 、 そ の 眞 言 の 三 昧 耶samaya ( 溢 浴) に 入 往 す る の で あ る が 、 藏 漢 二 課 は ﹁ 念 怒 王 が 自 ら 自 分 の 眞 言 を 読 い た ﹂ と し 、 且 つ 漢 課 は﹁ 文 殊 が 釋 尊 を 禮 し 三 昧samadhi ( 羅 滞) に 入 つ た ﹂ と 誤 課 し て い る 。 ( 六) つ い で 釋 尊 は 一 切 の 大 衆 に 樹 し 、 こ の 大 念 怒 明 王 は あ ら ゆ る 眞 言 の 修 法 者 を 自 の 春 驕 と 共 に 擁 護 す る こ と 、 こ の 念 怒 王 の 三 昧 耶 ( 規 約) に 反 し て 眞 言 行 者 を 害 す る 者 ( 鬼 共) は 頭 が 裂 け て 七 分 す る こ と 等 を 読 き (眞 言 以 下 散 交 体) ( 七) 更 に 偶 文 で 以 て 、 こ の 眞 言 の 功 徳 を 再 読 し 、 ︹ 漢 課 ﹁ そ の 一 ﹂ 己 り ︺ ( 八) 次 に 上 中 下 三 品 の 眞 言 を 成 就 す る 丈 夫 ( 偉 人) の 相 を 読 い て い る 。 即 ち ﹁ 威 徳 あ り 、 智 あ り 、 身 金 色 忙 し て 大 腹 ( 大 力) 眼 長 く 潤 い あ り 、 貧 欲 少 な く 、 急 怒 な し 、 艇 毛 赤 く 言 語 美 し き 人 、 か く の 如 き 人 に は 最 上 ( の 眞 言) が 成 就 す る ﹂ と い う よ う に 十 二 章 句 四 十 二 偶 に 亘 つ て 、 身 相 ・ 性 質 ・ ふ る ま い 等 を 非 常 に 細 か く 読 明 し 、 か 玉 る 人 は 上 の 悉 地 を 得 る 人 相 で あ る 、と し て い る 。 こ の 中 、 身 相 は 佛 身 の 八 十 種 好 に 読 か れ て い る よ う な 事 柄 で あ る が 、 漢 課 は こ の 部 分 の 語 句 を 錯 鼠 し 、 梵 本 に 於 て 後 に あ る を 前 に 課 し 、 前 に あ る を 後 に 課 し 梵 本 と 語 句 前 後 錯 齪 し 、 且 つ 之 を 三 分 し て 、 ﹁ こ れ く は 上 品 の 悉 地 を 得 る 人 、 こ れ く は 中 品 の 悉 地 を 得 る 人 ﹂ 等 と 齪 課 し て い る 。 ( 九) 次 に 鬼 宿 ・ 奎 宿 等 の 宿
(naksatra, Tib. rgyu
隠 虹) 日 ・ 月 ・ 火 ・ 水 ・ 木 ・ 金 ・ 土 及 び 計 都 ・ 羅 喉 の 九 曜 (
skt. Graha, Tib. gzah
細) 等 を 以 て 、 ど う い う 星 が 出 て い る 時 に 生 れ た 人 は ど う い う 性 格 で あ り 、 そ の 人 の 悉 地 は 成 就 す る ( 或 は し な い) と い う よ う な 例 を あ げ 、 要 す る に ( 1) か 玉 る 星 宿 は 輪 が 廻 曹 す る 如 く に 出 淡 し 、 そ の 蓮 行 は 一 瞬 も 止 ら な い の で あ る が 、 然 も 生 時 善 星 に 遇 う も 悪 星 に 遇 う も 一 に み な 自 の 業 ( 過 去 の 行 動) の 結 果 で あ つ て 、 決 し て 偶 然 め も の で は な い こ と 、 ( 2) ま た た ど え 善 趣 ( 天 等) に 生 れ て 天 人 に な つ て も 時 至 れ ば 再 び 悪 趣 に 堕 ち る 等 輪 廻 の 韓 生 は き わ ま り な い こ と ( 3) 或 は 四 大 ・ 五 大 の 不 調 和 よ り 病 が 生 す る が 、 こ れ ら 一 切 の こ と も 他 の 誰 か が そ う さ せ る の で な く 、 全 く す べ て 悉 く 自 の 業 の 結 果 で あ る こ と 、 ( 4) 或 は そ の 反 封 に 牟 尼 所 読 の 儀 則 に 從 い 、 浬 葉 の 城 に 到 達 し 、 寂 静 と 無 憂 安 樂 の 菩 提 を 得 る の 、も み な 一 に 自 業 自 得 で あ る こ と 、 ( 5) 過 去 の 諸 佛 並 に 自 分 ( 釋 奪) が 星 宿 の 吉 ・ 不 吉 ・ 夢 の 善 悪 等 を 読 く の は 要 す る に 衆 生 を し て 善 業 を 修 し て 善 果 を 得 さ せ よ う が た め で あ る こ と 、 ( 6) 儀 軌 に 從 つ て 修 行 す れ ば 必 す 佛 文 珠 儀 軌 經 の 梗 概
密 教 文 化 智 を 得 る こ と、 ( 7) こ の 儀 軌 は 文 殊 菩 薩 が 之 を 教 示 し、 こ れ ら の 儀 軌 に 依 ら す ん ば い か に 長 時 修 す る も 悉 地 は な い こ と、 ( 8) 解 脱 の た め に は 輝 定 は 鉄 く 可 ら ざ る こ と 等 を 読 い て 本 章 は 巳 つ て い る。 第 十 六 品 の 梗 概 漢 繹 は ﹁ 法 義 品 ﹂ と な つ て い る が、 梵 藏 二 本 は ﹁ 偶 頌 の 章 品 ﹂ と な つ て い る。 内 容 は 前 章 の 夢 の 善 悪 や 人 相 等 は 全 べ て 過 去 の 業 ( 行 動) の 結 果 と し て 必 然 的 に 感 果 す る も の で あ る と い う 意 義 を 再 読 し た も の で、 漢 課 は 内 容 よ り 法 義 品 と 課 し、 梵 藏 二 本 は 偶 を 以 て 再 読 さ れ る 黙 に 名 付 け た も の で あ る。 い ま そ の 梗 概 を 略 述 す る と、 ( 一) ま す 釋 尊 が 文 殊 に 樹 し、 ﹁ 自 分 は 金 剛 手 の 請 に 應 じ 夢 の 善、 悪 等 を 読 い た ﹂庭、 金 剛 手 は 非 常 に 喜 び ﹃ 眞 言 行 者 の 夢 の 善 悪 ・ 人 相 ・ 業 と 相 の 關 係、 修 法 の 意 義 等 途 お 読 き 下 さ る の は 賢 劫 の 第 七 佛 (漢 は 第 四 成 佛 と 謬 す) 釋 尊 で あ る ﹄ と、 私 を 讃 歎 し た け れ ど も ⋮⋮﹂と 読 か れ る。 そ の と き 文 殊 は 之 に 野 し 更 に ﹁ 善 事 に 精 進 し た い と 思 い な が ら、 實 行 す る か、 し な い か、 ま た 悉 地 の 相 ( 兆) は 實 際 に 成 就 せ ら れ る の か、 ど う か と 疑 つ て い る 者 が あ る か ら、 そ れ ら の 者 の た め に 是 非 お 読 き 下 さ い ﹂ と 求 め、 か く て 釋 尊 は 偶 文 を 以 て 再 び 前 章 所 読 の 意 義 に つ い て 再 読 さ れ る こ と に な る の で あ る。 即 ち ( 二) そ の 内 容 は ( 1) 人 の 利 釜 の た め に す る 者 の 眞 言 は 成 就 す る こ と、 ( 2) 最 上 の 眞 言 を 恒 に 請 持 す る 者 は 魔 を 降 し、 快 樂 を 得 る こ と、 ( 3) そ の 悉 地 成 就 者 の 威 力 は 天 の 主 ( 帝 釋 天) も 之 を 知 ら す 乃 至 十 地 の 菩 薩 も 之 を 知 ら な い こ と. ( 4) 佛 は こ の 威 力 を 文 殊manju 熟 哲 鍾 ( 藩 翻 ・醇) と 名 付 け、 師 利Cri 珊 課 と 名 付 け ら れ た こ と、 ( 5) 從 つ て 文 殊 の 名 を 唱 う る も の は そ の 人 の 眞 言 は 必 す 悉 く 成 就 し、 一 切 の 障 碍 を 除 き、 つ い に 菩 提 を 得 る に 至 る こ と 等 を 読 い て 文 殊 の 徳 を 讃 歎 し、 本 章 は 終 つ て い る。 第 十 七 品 の 梗 概 梵 藏 二 本 は ﹁ 業 が 自 作 し た 縁 の 章 品 ﹂ と 名 付 け、 漢 課 で は ﹁ 随 業 因 果 品 ﹂ と 課 し て い る。 こ こ で ﹁ 縁 ﹂ と は そ れ ら の 相 を 縁 と な し て 眞 言 を 論 じ、 悉 地 を 成 漱 す る 所 の 夢 の 善 悪 ・ 人 相 ・ 星 の 善 悪 等 を 指 し て い る の で あ り、 そ れ ら の 相 は 過 去 世 の 業 力 に よ り て 現 わ れ る も の で あ る か ら ﹁ 業 が 自 作 し た ﹂ と 言 つ て い る の で あ る。 本 品 は 釋 尊 が 星 ・ 宿 ・ 曜 等 に 樹 し、 ま す 業 感 縁 起 の 理 ( コ ト ワ リ) を 読 か れ、 そ の 次 に 佛 頂 熾 盛 光 の 眞 言 を 読 か れ る 形 式 に な つ て い る。 い ま そ の 梗 概 を 略 述 す る と、 ( 一) ま す 釋 尊 は ﹁ 一 切 如 來 の 神 攣 ﹂ と い う 定 に 入 ら れ、 白 毫 よ り 光 を 嚢 し て 諸 々 の 星 ( 宿 ・ 曜 等) を 招 き 寄 せ、 釋 尊 の 嚢 し た 光 に よ つ て 地 に 伏 し 韓 ん で い る 諸 星 に 封 し て 読 法 さ れ る の で あ る。 そ の 読 法 の 要 窯 は ( 1) こ の 世 間 に は、 い ろ く の 世 界 が あ る け れ ど も そ れ ら は 全 べ て 衆 生 が 自 の 業 ( 過 去 世 の 行 動) に よ つ て 種 々 に 作 つ た も の で あ る こ と ( 之 を 業 感 縁 起 と い う) 即 ち 或 者 は 佛 金 剛 の
身 を 現 じ ( 成 佛) 或 者 は 天 や 阿 修 羅 等 の 六 世 界 に 輪 廻 し て い る ( 六 道 輪 廻) が、 み な こ れ 善 悪 の 過 去 業 が 縁 に 應 じ て 生 じ た も の で、 そ こ に そ う い う 世 界 ( そ の 世 界 に 佳 す る 者 も 含 む) を 創 造 し た 作 者 ( 神) も な け れ ば 主 宰 者 も な い、 た だ 業 ( 因) 縁 か ら 生 じ た も の ( 衆 生) が そ の 原 因 ( 業) を 見 て い る の で あ る こ と。 ( 2) さ れ ば 聲 聞 ・ 縁 畳 ・ 菩 薩 等 の 三 乗 に よ つ て 佛 道 を 成 じ、 無 上 の 浬 葉 に 入 る と い う こ と も、 亦、 自 の 業 力 ( 修 行 修 法 等 の 善 業) に 依 る べ く、 善 い 夢、 善 い 星、 よ い 人 相 等 の 悉 地 成 就 の 相 ( 業 の 因 な る に 封 し 縁) は、 嚢 芽 に ょ り て そ の 結 實 を 知 り、 身 の 嚢 弱 に ょ り て そ の 病 を 知 る が 如 き 性 質 の も の で、 偶 然 の 夢 や 星 等 の 兆 に よ つ て 悉 地 成 就 を 云 爲 す る の で は な い こ と。 ( 3) 從 つ て 持 調 者 は 悉 地 成 就 の 相 と し て の 夢 の 善 悪 や 星 の 吉 ・ 不 吉 及 び 人 相 ・ 性 格 の 適 不 適 を 考 量 す べ き こ と、 ( 4) 然 し て 不 吉 ・ 不 善 の 相 ( キ ザ シ) が あ り、 悉 地 成 就 の 相 が な い 時 は 魔 の 障 難 で あ る か ら、 昔 娑 陵 捺 羅 王 如 來 が 読 か れ た 眞 言 の 威 力 に ょ つ て、 之 を 消 滅 す べ き 事 等 を 読 い て 熾 盛 光 の 眞 言 を 読 か れ、 そ の 功 徳 を の べ て 暫 時 沈 獣 の 後、 更 に こ の 熾 盛 光 が 佛 の 頂 き ( 肉 髪) よ り 生 じ た も の で あ る こ と を 論 か れ て、 本 章 は 終 る。 第 十 八 品 の 梗 概 梵 藏 は ﹁ 天 文 の 相 を 知 る 章 品 ﹂ と あ り、 漢 課 は ﹁ 陰 陽 善 悪 徴 應 晶 ﹂ と 課 し て い る。 内 容 は 星 と 人 の 蓮 命 と の 關 係、 星 と 天 攣 地 攣 と の 關 係 等 を 読 き、 こ れ ら の 吉・ 不 吉、 善 悪 の 星 が 現 わ れ る の は 一 に 過 去 の 善 悪 の 業 に 應 じ て 結 果 し た も の で あ る と 読 く の で あ る。 猶 本 經 で は 星 ( 梵、taraka, 通 リ 過 キ ル モ ノ 藏skar-ma, 尋 旨 ツ デ イ ル モ ノ) を 大 別 し て ( 1) 宿 ︹ 梵、naksatra, 酷 鴫 樽 由 ノ, 藏、rgyu-skar, 轡ク 脳 英、star. ( 二 十 八 宿 等) ︺ ( 2) 曜 ︹ 梵、graha, 沸エルモノ, 勘 噸, 藏、gzah 鵬エ 唱 英、planet. ( 七 曜 ・ 九 曜 等) ︺ ( 3) 宮 ︹梵、raci, 撫リ, 環, 藏、khyim, 彌. 英、zodiac. ( 十 二 宮 ・ 三 十 六 宮 等) ︺ 等 に 分 類 さ れ る。 い ま 本 章 の 梗 概 を 順 を 追 う て 略 述 す る と、 釋 尊 が 宿 曜 天 ( 二 十 八 宿 ・ 九 曜 等 の 星 を 人 格 体 と し て) に 封 し て 読 か れ る 形 式 に な つ て い る が、 そ れ は 諸 星 に 封 し て ﹁ 汝 等 に か く あ る べ し ﹂ と い う に 等 し い 言 い 方 で あ る。 ( 一) ま す 始 め に 羊 宮 を 例 と し て、 之 に 關 係 す る 曜 ( 火 曜) 並 に 宿 名 ( 婁 ・ 胃 ・ 昂) を 學 げ、 ( 二). 亥 に 主 な る 星 と し て は 困 二 十 八 宿 の 外 に、 鬼tisya、 ウ パ パ ダupapada 等 の 十 六 宿 ( 漢 課 十 二 名) が あ り、 こ の 他 に も 星 は 六 萬 四 千 あ る が、 現 在 世 に は 無 力 で あ る こ と、 ( 三) 更 に ( 1) 太 初krti 無 冷 ( 世 界 四 大 時 期 の 第 一 期) に は 全 生 物 は 自 主 猫 力 で あ り、 老 も 死 も な く、 各 々 盧 室 を 自 由 に 飛 行 し、 そ こ に 何 等 の 封 立 や 上 下 が な か つ た こ と、 ( 2) 從 文 珠 儀 軌 經 の 梗 概
密 教 文 化 つ て そ の 時 代 に は 日 ・ 月 ・ 二 十 八 宿 ・ 九 曜 等 の 天 体 も な く、 飲 食 の 用 も な け れ ば 持 齊 と い う こ と も な く、 ま た 眞 言 も な け れ ば 善 悪 等 々 も な かこ た こ と、 ( 3) 然 る に そ の 後 業 に 索 引 さ れ て 地 上 に 來 り、 こ ゝ に 善 悪 が 生 じ 上 下 の 封 立 が 起 り、 天 体 等 の 蓮 行 も 始 ま つ た こ と、 ( 四) ま た 自 分 ( 釋 尊) は 過 去 世 に 種 々 の 身 を 現 じ て 衆 生 教 化 の 怨 耐 行 を な し、 ま た 種 々 世 間 の 技 術 學 問 を 修 め た け れ ど も 要 す る に そ れ は 輪 廻 に 輪 廻 を 重 ね て い た の で あ る こ と、 然 し そ の 聞 ま た 菩 提 を 求 む る 事 久 し く、 つ い に 現 在 世 は 自 生 智 s vayambhuvamjnanam を 得 て 業 の 繋 縛 を 離 れ る に 至 つ た 事 ( 五) さ れ ば 業 ( 善 行) を 離 れ て 悉 地 は な い、 天 体 の 運 行 や 善 悪、 吉 ・ 不 吉 は 一 に 衆 生 の 過 去 の 業 に 關 係 が あ る の で あ る か ら 末 法 時yugadhama に は 星 宿 の 善 悪 を 了 知 し て 之 に 封 應 せ ね ば な ら ぬ 事、 等 を 読 い て 前 読 と し、 い よ く 本 読 に 入 つ て い る。 即 ち、 ( 三) ま す 第 一 に 諸 星 宿 が 依 存 す る 宮 を 読 明 し て 十 二 宮 と し、 各 宮 の 順 に、 ( 但 し 梵 藏 二 本 は 牛 宮 の 部 分 の 文 章 を 一 部 分
(Skt. p.267 jatakesu-p.2688 vidhiyate; Tib.
2
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前 出 し て 第 一 宮 た る 羊 宮 の 前 に 観 入 し て ゐ る の で 文 章 が 前 後 錯 瓢 し て い る が) そ の 時 分 に 生 れ た 人 の 個 人 的 な 蓮 命 ( 性 格、 容 貌) や 眞 言 の 成 不 成 等 を 論 明 し て い る。 い ま 宮 名 と そ ご に 依 存 す る 宿 名 並 び に 曜 名 の み を 列 墾 す る と、 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7.
8. 9. 10. 1 1. 1 2. ( 二) 次 に 天 攣 地 異 と 星 宿 と の 關 係 を、 即 ち 飢 謹 ・ 稜 病 ・ 職 災 ・ 亡 國 ・ 大 火 等 の 磯 生 を、 か よ る 星 が 現 わ れ、 か ゝ る 時 聞 に 地 震 が あ れ ば、 ど の 方 角 や 地 方 に 災 難 が 生 す る、 と い う よ う に、 一 々 細 か い 読 明 を し て い る。 い ま そ の 地 名 の み あ げ て 見 る と、 ( 1) 雪 山himavat (ビマテセ山) ( 3) ク ハ シ ヤkhaca (北印) 満 城 國paundra (澱 B ehar ト Bengal テ 吟 ム 圖) ( 5) 鳥 哺 國udra (odraノ 鶏リカ, 濁 今Orisasa) ( 6) 迦 摩 噌 國kamarupin (Bengalノ 舞, A s sam ノ 圖 嶺) ( 7) 鍾 識 羅 國vanga (Bengal 欝 母, 曲 譜 ノ 圃 盤 ノ 渦 畏)( 8) 矯 學 國gaunda (gaur 首 母, Bengal 中 部) ( 9) 摩 蜴 陀 國magadha 等 の 名 が 見 え る。 ( 三) 次 に 流 星ulka の 色 に 依 る 吉 ・ 不 吉 ( 四) 日 (附) の 善 悪 ( 五) 十 二 ム フ ル タ (muhurta 羅 謡 ノ 欄 欝 カ?) の 名 と 善 悪 ︹ 十 二 と い う が 十 一 し か な い、 藏 謬 は 十 二 あ り、 漢 謬 は 全 部 飲 け て い る。 ︺ 等 を 読 き ( 六) 次 に 時 聞 の 輩 位 を 読 い て い る。 略 記 す る と、 ︹ I ︺ 文 珠 儀 軌 經 の 梗 概
密 教 文 化 即 ち 一 弾 指 が 百 で 一 ﹁ 初 分 時 ﹂ ど い ゝ、 四 ﹁ 初 分 時 ﹂ を ﹁ 中 分 時 ﹂ ( 四 十 五 分 間 二 當 ル)、 四 ﹁ 中 分 時 ﹂ を ﹁ 移 分 時 ﹂ 二 八 〇 分 即 チ 三 時 間) 四 ﹁ 移 分 時 ﹂ で ﹁ 書 間 ﹂ 若 転 は ﹁ 夜 分 ﹂ の 十 二 時 間 (牛 目)、 從 つ て 八 ﹁ 移 分 時 ﹂ で ﹁ 一 書 夜 ﹂ ( 二 十 四 時 間、 三 日) と な る。 ︹ II ︺ ( A) ( B) ︹III︺ 大 醤
(maha-varsa, Tib. lo-chen)
等 で あ る。 ( 七) 次 に い か な る 星 宿 の 時 に、 日 月 蝕 が あ れ ば、 ど こ に、 ど ん な 天 災 が 起 る か と い う 事 を 一 々 読 明 し て い る。 ( こ の 中 梵 本 に は 女 宿 の 名 が 見 え ず、 牛 宮 が 二 度 あ り、 漢 課 に は 女 宿 あ る も、 漢 梵 の 星 宿 名 は 大 い に 異 な る) 地 名 と し て は (1)udra (odra カ) ( 2)lata ( ロ ノ 部 中 讃 粟, 戴 羅ニョ ル) (3)Vanga (灘 欝) (4) anga (藩 麗ハ (4) (5) テ 名 メ) (5)magadha (6) g a nga 薗 (7)himavat 等 が 見 え る。 ( 八) 最 後 に か か る 善 悪 の 相 ( キ ザ シ) は た と え 如 何 に 小 さ い も の で も、 す べ て 是 れ 過 去 世 の 業 ( 因) よ り 生 じ、 因 な き 所 に い か な る 災 難 も 生 じ な い 事 を 読 い て 本 章 を 結 ん で い る。 第 十 九 品 の 梗 概 梵 藏 は ﹁ 一 字 韓 輪 明 王 出 現 品 ﹂ と な つ て い る が、 漢 謬 は 出 現 の 文 字 な く、 内 容 よ 紅 ﹁ 略 読 ﹂ の 字 を 補 い、 略 読 大 輪 一 字 品 と 課 し て い る。 内 容 は 釋 尊 が 諸 佛 の 憲 懸 に よ り 再 び 末 法 時 に 於 け る 一 切 眞 言 の 王 に し て、 一 切 の 悪 障 碍 を 除 く 一 字 韓 輪 ( 明 王) の 功 徳 を 略 読 さ れ る 章 品 で あ る。 い ま そ の 梗 概 を 略 述 す る と、 ( 一) 釋 尊 の 読 法 は 前 章 に つ づ い て い る の で あ る が、 ま す 諸 宿 曜 に 封 し、 文 殊 の 儀 軌 に 順 じ て、 眞 言 行 者 を 擁 護 す る よ う 命 じ、 つ い で ﹁ 一 切 如 來 の 頂 髪 が 現 出 す る ﹂ と 名 付 け る 定 に 入 ら れ る、 か く て そ の 定 力 に よ り て 集 つ た 十 方 世 界 の 諸 佛 の 徳 慧 に 從 い、 そ の 場 に あ つ た 菩 薩 ・ 聲 聞 ・ 縁 畳 等 の 大 衆 に 読 法 さ れ る の で あ る が、 そ の 読 法 を 要 約 す る と、 ( 一) ま す ( 1) こ の 眞 言 ( ボ ロ ン) は 天 龍 八 部 等 の 一 切 悪
者 を 調 伏 し、 佛 法 が 將 に 滅 せ ん と す る 時 期 に そ れ を 擁 護 す る こ と、 ( 2) こ の 一 字 眞 言 は 一 切 如 來 の 法 を 集 約 し た も の で あ る こ と、 ( 3) 法 界 は 無 漏 無 相 で あ る け れ ど も、 衆 生 囁 化 の た め に 種 々 の 有 相、 眞 言 等 の 形 に 現 わ れ る こ と、 ( 4) こ の 眞 言 を 調 す る と、 そ の 佳 所 五 由 旬 (梵 は ﹁ 五 ﹂ の 字 な し) 内 の 一 切 の 悪 者 が 逃 げ 去 り、 諸 天 さ え も 近 寄 れ す、 他 の 一 切 の 眞 言 も そ の 域 内 で は 無 力 と な る こ と 等 を 読 か れ、 ( 二) 次 に そ の 實 際 の 場 合 に つ い て ] 々 そ の 成 就 法 を 読 い て い る。 即 ち ( A) 第 一 に は 例 え ば ( 1) 他 の 眞 言 を 破 つ た り ( 2) 他 人 を 硬 直 さ せ た り ( 3) 呪 縛 し た り ( 4) 抑 制 し た り ( 5) 引 き 裂 い た り ( 6) 所 り 殺 し た り ( 7) 悔 ま し た り す る 等 一 切 の 降 伏 法 を な す 場 合 の 念 請 法 ( B) 衣 に 息 災 法 ・ 嚢 遣 ・ 召 請 ・ 災 難 の 擁 護 等 み な こ の 眞 言 に よ り て 成 就 す べ く、 他 の 儀 軌 も こ の 眞 言 の 併 用 に ょ り て た や す く 成 就 す る こ と ( C) 更 に 天 ・ 龍、 ・ 夜 叉 ・ 夜 叉 女 ( こ の 二 ・ 藏 課 訣) 乾 闊 婆 ・ 夜 叉 女 ・ 龍 女 ・ 龍 ・ 曜 ・ 婆 羅 門 ・ 首 陀 羅 ( 奴 隷) 吠 舎 ( 李 民) 女 人 ・ 栴 陀 羅 ・ 童 女 等 を 降 伏 し て 自 由 に す る 場 合 の 護 摩 物 ( 火 中 に 投 す る 供 物) の 匿 別 等 を 読 明 し、 ( 三) 最 後 に 文 殊 に 封 し ﹁ こ の 眞 言 は 劫 を 經 て も 読 く こ と は 難 か し い、 た だ そ の 一 分 を 読 い た の み で あ る ﹂ と 読 明 さ れ る。 そ の 時 文 殊 は 更 に 釋 尊 に 野 し、 そ の 實 修 法 を 読 か れ ん こ と を 求 め、 そ こ で 本 章 は 終 つ て い る。 求 め、 そ こ で 本 章 は 終 つ て い る。 第 廿 品 の 梗 概 梵 藏 は ﹁ ︻ 字 韓 輪 明 王 の 修 法 の 儀 軌 並 に 鰹 像 を 読 示 す る 品 ﹂ と あ る が、 漢 課 で は 略 読 一 字 大 輪 明 王 甕 像 成 就 品 と 課 し て い る。 本 章 は 前 章 の 最 後 で 文 殊 が ﹁ 膣 像 の 儀 則 を お 読 き 下 さ い ﹂ と 求 め た の に 封 し、 一 字 繭 輪 の 幡 像 の 画 き 方、 並 に そ れ に 依 つ て 種 々 の 修 法 を な す 作 法 を 廣 読 し た 章 品 (全 章 散 文 ・ 偶 文 な し) で、 そ の 内 容 よ り 言 え ば、 別 に 章 を 改 め る 必 要 も な く、 前 章 の つ づ ぎ と 言 つ て 良 い。 い ま そ の 梗 概 を 略 述 す る と ( 一) ま す 始 め に、 前 読 と し て 一 字 韓 輪 の 儀 則 は 既 に 前 章 ( 第 十 四 品 を 指 す) で 廣 読 し た 所 で あ る が、 末 法 時 に は 衆 生 の 智 が 劣 り、 精 進 努 力 も 足 ら な い か ら、 い ま こ こ で 再 び 略 式 の 作 法 を 読 く の で あ る ﹂ と 読 明 し、 ( 二) 次 に 膣 像 の 画 き 方 を 読 か れ て い る が、 極 く 簡 輩 な マ ン ダ ラ で、 ( 1) 清 浮 無 垢 の 白 布 に、 焔 で 園 ま れ た 読 法 相 の 寳 橦 如 來 ( 2) そ の 下 に 梵 天 と 金 剛 手 ( 3) 如 來 の 下 に 髭 を 持 つ た 二 天 人 ( 4) 一 番 下 に 成 就 者 ( 修 法 者) を 画 く に す ぎ ぬ。 而 し て こ れ を 開 眼 す る に は こ の 禮 前 で 三 時 沈 香 ( a g a) を 嶢 香 し て 十 洛 叉 眞 言 を 諦 す れ ば 足 る。 ( 三) か く て こ の 膣 像 を 安 置 し て、 そ の 像 前 で い ろ く の 修 法 を 行 う こ と を 読 い て い る が、 い ま 一 例 を あ げ る と、 ﹁ ま す 第 一 に 輪 の 成 就 を 修 法 せ ん と 欲 す る 者 は 十 二 の 輻 ( ス ポ ー ク) の あ る 鐵 製 (puspa-loha-maya 化 の 魏, 聾 中 の 化, 文 珠 儀 軌 經 の 梗 概
密 教 文 化 海 罵の 聾 酵 謎 す, 籔 翻ハ 館 聾) の 輪cakra を 作 り、 神 攣 月 の 牛 月 に 世 尊 (帽 像 ノ 本 尊 ヲ 指 ス) の 前 で 三 時 沈 香 の 嶢 香 を 嶢 香 し、 十 洛 叉 ( 眞 言 を) 請 す べ し、 そ の 終 り 満 月 ( 十 五 日 ノ コ ト) に 大 供 養 を な し て、 そ の 後 手 に よ り て 取 ら れ ( ソ ノ 輪 ヲ 手 二 取 ツ テ ノ 意) 燃 え 上 る に 至 る ま で 諦 す べ し。 燃 え 上 つ た な ら ば そ れ ( 輪) を 握 れ ば 持 明 韓 輪 と な り、 そ れ を 見 た 人、 見 せ ら れ た 人 も 共 に ( 室 に) 飛 び 上 る ﹂ (梵 本 和 謬) と い う よ う な 叙 述 で、 約 五 十 三 種 の 法 を 読 い て い る。 器 物 の 作 り 方 念 講 の 回 歎、 そ の 修 法 の 効 験 ( 得 釜) 等 を 読 い て い る。 い ま そ の 修 法 の 器 物 の 名 前 の み 列 墨 す る と、 輪 ・ 傘 ・ 佛 頂 (杖 ヲ 作 ル) 寳 瓶 ・ 如 意 寳 ( 金 杖 ヲ 作 ル) ・ 白 傘 蓋 ・ 金 剛 杵 ・ 劒 ・ 雄 黄 ( 難 冠 石) 三 叉 戟 ・ 屍 鬼 ( 屍 髄) 鉤 ( ボ ツ ク) 膣 ・ 儀 軌 ・ 大 自 在 天 像 ・ 毘 紐 學 像 ・ 夜 叉 像 ・ 龍 女 像 ・ 金 剛 手 像 ︹漢 課 は こ こ で ﹁ そ の 一 ﹂ 巳 る ︺ 藥 ・ 牛 黄 (rocana) 雄 黄 ・ 鮎 眼 水anjana・創 ・ 三 鈷 杵 (赤 檀 ヂ 作 ル) ピ ン (cula)・輪・ 箭 ・ 槍 等 の 武 器 ・ 膣 ・ 靴 ・ 杖 ・ 絡 腋 ・ 夜 叉 ・ 龍 ・ 金 剛 手 ・ 持 明 王 ・ 乾 閣 婆 ・ 畜 生 ・ キ ン ナ ラ ・ ビ ナ ヤ カ ・ 王 ・ 太 陽 ・ 蓮 華 ・ 猫 鈷 ( 土 製) ・ ジ ヤ テ イ 華 ・ (jati) ナ ー ガ 樹 ・ 獅 子 ・ 象 ・ 等 が あ る。 ま た そ の 修 法 の 得 釜 ( 結 果) と し て は、 ( 1) 持 明 韓 輪 王 と な る こ と、 ( 2) 五 神 通 庖 得 る こ と、 ( 3) 天 に 生 れ て 三 大 劫 佳 す る こ と、 ( 4) 韓 生 自 在 な る こ と、 ( 5) 王 に 再 生 す る こ と、 ( 6) 金 剛 手 の 世 界 に 生 す る こ と、 ( 7) 財 を 得 る こ と、 ( 8) 自 在 天 が 來 降 し て 欲 す る 所 を 與 え る こ と、 ( 9) 天 女 や 夜 叉 女 が 妻 ・ 姉 と な る こ と、 そ の 他 自 他 の 除 災 招 輻 ・ 滅 罪 ・ 除 病 等 の 息 災 法、 人 を 揖 い、 呪 縛 す る 等 の 降 伏 は 勿 論、 他 の 行 う 降 伏 法 も 之 に ょ つ て 解 除 す る こ と、 或 は 地 下 の 伏 藏 ( 寳 庫) を 探 り う る こ と、 記 憶 の 忘 失 を 防 ぐ こ と、 等 が あ げ ら れ、 最 後 に こ の 佛 頂 韓 輪 に 依 れ ば、 天 の 主、 帝 釋 天 も 坐 を 下 り 天 人 は 遙 拝 し て、 百 由 旬 内 そ の 威 力 を 失 う こ と、 こ の 韓 輪 如 來 は 一 切 眞 言 の 王 に し て、 全 べ て の 儀 軌 を 支 配 す る こ と (藏 漢 峡) を 読 い て 本 章 は 終 る。 第 五 段 第 廿一 品 の 梗 概 梵 本 は ﹁ 一 字 の 根 本 眞 言mum ( 即 ち) 文 殊 師 利 の 心 ( 眞 言) の 儀 軌 で あ つ て 膣 像 の 儀 則 ( を 示 す) の 章 ﹂ と あ り、 藏 課 は ﹁ 一 字 根 本 ( 眞 言) の タ ン ト ラ ( 即 ち) 文 殊 師 利 の 心 ( 眞 言) の 儀 軌 の 章 品 ﹂ と あ り、 漢 課 は ﹁ 一 字 根 本 心 眞 言 儀 則 品 ﹂ と な つ て い る。 内 容 は 釋 尊 が 文 殊 に 野 し、 無 量 壽 智 決 定 王 如 來 所 読 の 文 殊 の 一 字 心 (mum) の 眞 言、 並 び に そ の 蜷 像 の 画 き 方、 及 び そ の 成 就 法 を 読 か れ た 章 品 で 全 章 釋 尊 の 読 法 の 形 式 に な つ て い る。 い ま そ の 梗 概 を 順 を 追 う て 読 明 す る と、 ま す 偶 文 で 以 て、 ( 一) こ の 一 字 の 眞 言 は 一 切 如 來 の 法 の 藏 で あ つ て 例 え ば 如 意 寳 珠 の 如 く 一 切 の 世 間 の 願 望 を 欲 す る が 如 く 満 足 せ し め る
も の、 末 法 の 世 三 切 如 來 の 眞 言 を 蓮 韓 せ し め る も の、 之 を 諦 す れ ば 一 切 の 明 王 ( 眞 言 の 意) を 論 し た 事 に な る こ と へ ( 二) 昔 恒 河 沙 ほ ど の 昔、 無 量 壽 智 決 定 王 如 來 が 居 ら れ、 そ の 如 來 を 憶 念 し、 そ の 名 を 講 え る の み で、 五 無 間 罪 は 浩 滅 し、 そ の 名 を 聞 く の み で 菩 提 に 到 達 す る の で あ る か ら、 眞 言 の 成 就 は い う に 及 ば な い こ と、 ( 三) さ れ ば 一 切 の 行 者 は ま す 最 初 に こ の 佛 を 作 意 し、 麟 命 し、 そ の 他 無 量 光 ・ 寳 橦 ・ 及 び 一 切 の 如 來 を 敬 禮 し て 后、 始 め て、 己 の 欲 す る 眞 言 を 講 す べ き で あ る こ と、 ( 四) 無 量 壽 智 決 定 王 如 來 所 読 の こ の 一 字 眞 言 は 三 切 如 來 の 心 に し て、 全 べ て の 修 法 に 適 用 し て そ の 目 的 を 成 就 せ し む る こ と、 ( 五) 從 つ て、 信 心 あ る 佛 弟 子 に 非 ざ れ ば 之 に 教 示 す 可 ら ざ る こ と、 ( 六) こ の 眞 言 は 七 十 六 倶 脳 (漢 謙 六 十 七 倶 臓) の 自 生 者 ( 佛) が 読 か れ た も の で、 法 の 理 趣 に 依 止 し、 文 殊 の 心 で あ り、 一 切 の 義 を 成 就 す る こ と、 從 つ て こ の 儀 軌 を 見 る の み で も 來 蝕 は 悉 地 を 成 就 す る こ と、 ( 八) 昔 無 量 壽 國 に 佛 が 読 法 し、 彼 佛 は 無 量 劫、 壽 自 在 で あ つ た、 こ れ に 依 つ て そ の 名 を 得 た の で あ る が、 彼 の 佛 は 佛 子 具 慧 者dhimat (後 に 散 文 で 再 読 す る 所 で は 得 大 勢maha-sthama -prapta と あ り 漢 課 は 大 勤 勇 と あ る、 勢 至 菩 薩 の こ と) に 最 上 眞 言 を 與 え、 具 慧 者 は 普 賢 に、 普 賢 は 文 殊 に 傳 え、 い ま 自 分 ( 釋 尊) は 一 切 衆 生 の た め に 読 示 し て い る こ と、 ( 以 上 は 偶 文 で あ る が、 以 下 散 文 体 と な つ て、 再 び 同 じ 意 味 の こ と を、 再 説 し、 更 に、 語 を つ い で) ( 九) 前 行 と し て は 乳 食 ・ 持 齋 等 を 以 て、 山 上 で 三 十 洛 叉 (梵、 二 十 と あ れ ど 誤 り か) 論 す る こ と か ( 十) 膣 像 の 画 き 方 は 持 齋 節 食 せ る 画 家 に 画 布 の、 上 に 清 浮 な 檜 具 で、 満 月 或 は 吉 鮮 の 日 に 日 の 出 よ り 日 中 ま で に 画 か せ る こ と、 (午 後 は 不 可) 画 布 は 一 肘、 上 下 蓮 花 ・ サ フ ア イ ア ・ 水 晶 等 で 飾 つ た 無 量 壽 世 界 ( 天 宮) を 画 き、 そ の 中 に 無 量 壽 智 決 定 王 如 來、 左 に 大 勢 至、 右 に 普 賢 ・ 文 殊、 下 に 成 就 者 自 身 を 画 き、 佛 の 上 に は 四 佛 (藏 課 は 四 佛 の 名 を 異 に す) 雲 中 に は 妙 眼 を 画 く こ と、 ( 十 一) 次 に こ の 眞 言 は 前 読 の 韓 輪 明 王 の 一 字 眞 言 に 匹 敵 し、 飲 酒 ・ 性 交 等 の 世 法 を 追 求 し て い て も、 不 信 仰 ・ 不 嚢 菩 提 心 を 除 き、 下 品 の 悉 地 は 之 を 成 就 し 得 る こ と 等 を 読 き、 ( 十 二) 次 に 實 際 に 之 を 修 法 す る 成 就 法 を 読 明 し、 ﹁ 王 を 信 服 せ し め て 種 々 の 利 釜 を 得 る 方 法 ﹂ ﹁ 佛 法 を 信 ぜ ざ る 異 教 徒 や 兇 悪 者 を 調 伏 し て 之 を 善 人 た ら し め、 若 く は 思 う ま ま に 之 を 國 外 に 追 放 す る 方 法 ﹂ ﹁ 或 は 天 災 の 突 襲 や 流 行 病 等 を 阻 止 す る 方 法 ﹂ な ど 凡 そ 七 項 に 亘 つ て 十 三 種 の 成 就 法 を 読 い て い る。 ︹ 但 し 漢 課 は こ の 中 六 成 就 法 を 訣 課 す ︺ ( 十 三) 然 し 最 後 に 再 び 偶 文 で 以 て ( 1) こ れ ら の 降 伏 法 は 信 仰 な き 者 や 兇 暴 者 に 封 し て 之 を 用 い、 決 し て 信 仰 あ る 人 若 文 珠 儀 軌 經 の 梗 概
密 教 文 化 く は 善 人 に 適 用 す 可 ら ざ る こ と、 ( 2) 特 に こ の 眞 言 を 以 て す れ ば 前 述 の 如 く 人 の 生 命 を も 奪 う こ と は 出 來 る け れ ど も、 諸 佛 が こ の 眞 言 を 読 か れ た の は、 衆 生 教 化 の た め で あ る か ら、 最 上 の 悉 地 を 望 む ( 成 佛 を 期 す る) 者 は 決 し て こ の 法 を 鼠 用 し て 人 を 椙 つ て ば な ら ぬ こ と。 即 ち ﹁ 論 者 は 須 ら く 善 業 を 行 い、 眞 言 を 成 就 し て 不 退 韓 の 解 脱 を 得 べ し、 成 就 者 は 欲 す る ま ま に 種 々 の 修 法 を な し そ れ を 成 就 し 得 る と し て も、 こ れ ら の 修 法 ( 調 伏、 敬 愛 法) に よ つ て は 最 上 の 悉 地 は 得 ら れ な い。 最 上 の 悉 地 ( 成 佛) は 最 上 の 修 法 で、 中 等 の 悉 地 ( 富 ・ 名 響) は 中 等 の 修 法 に 依 る べ き な り ﹂ と、 下 等 の 修 法 た る 調 伏 法 の 齪 用 を い ま し め、 講 者 は 須 く 佛 果 に 眼 を 向 け る べ き こ と を 強 調 し て 本 章 は 終 つ て い る。 第 廿 二 品 の 梗 概 梵 本 は ﹁ 修 法 の 儀 軌、 聖 文 殊 師 利 の 章 品 ﹂ と あ り、 藏 課 は ﹁ 儀 軌 の 所 作、 文 殊 の 儀 軌 の 章 ﹂ と あ り、 漢 課 は ﹁ 妙 吉 鮮 心 摩 字 庵 字 成 就 法 儀 則 品 ﹂ と あ る。 こ の 中 ﹁ 妙 吉 鮮 ﹂ は 文 殊 師 利 が 音 課 な る に 鉗 し、 そ の 意 課 で あ り、 ﹁ 庵 字 ・ 摩 字 ﹂ は 内 容 か ら 補 足 し た も の で、 結 局 三 本 共 ﹁ 文 殊 の 修 法 の 儀 則 ﹂ と 言 う こ と に な る。 内 容 は 釋 尊 が 文 殊 に 樹 し ﹁ 汝 の 一 字 と 六 字 と の 眞 言 に よ り 膣 像 の 前 で 修 法. す る 方 法 が あ る。 末 法 の 世 に は、 世 の 依 り ど こ ろ と な る で あ ろ う ﹂ と 前 読 し て 読 法 さ れ た 形 式 に な つ て い る が、 本 章 で は 一 字 眞 言 の 成 就 法 の み が 読 か れ、 六 字 眞 言 の 成 就 法 は 読 か れ て い な い、 (吹 章 で 読 く) 文 殊 菩 薩 を 本 尊 と し て 修 法 し 種 々 の 悉 地 を 成 就 す る 方 法 を 読 い た 章 品 で あ る。 内 容 は 八 段 に 分 れ、 そ の 中 第 一 段 は 準 備 的 修 法 で 釋 尊 を 本 尊 と す る 膣 像 マ ン ダ ラ 髪 画 き、 之 を 舎 利 塔 前 に 置 い て 文 殊 の 一 字 眞 言 を 諦 し、 自 分 一 個 の た め で な く、 他 の 利 釜 の た め に す る も の な る こ と を 観 念 し、 つ い で 香 華 燈 塗 飲 食 等 の 供 養 を な し、 眞 言 一 洛 叉 論 し 已 れ ば 般 若 經 を 讃 講 し、 最 後 に 数 珠 を 献 る の で あ る。 第 二 段 よ り 第 七 段 ま で は、 以 上 の 第 一 段 の 修 法 を 前 行 ( 準 備 的 修 法) と な し て、 正 し く 文 殊 を 本 尊 と し て 修 法 す る 方 法 を 読 い た も の。 第 八 段 は 結 語 と で も 言 う べ く ﹁ 末 法 の 世、 輻 徳 少 な く、 貧 ・ 瞑 ・ 痴 の た め に 縛 せ ら れ て 苦 し ん で い る 衆 生 の た め に 三 乗 の 道 を 示 し、 善 業 の 因 ( 修 法) を 示 し て 悉 地 を 得 さ し め る た め、 こ の 眞 言 や タ ン ト ラ (儀 軌) 種 々 の 成 就 法 を 読 く の で あ る ﹂ と い う 意 味 の 事 を 述 べ た も の で あ る。 但 し こ の 節 段 の 分 け 方 に つ い て は 三 本 悉 く 異 つ て い る。 即 ち 梵 本 は 第 一 段 は ﹁ 幡 像 儀 則 ﹂ と 構 し 第 二 段 は ﹁ 膣 像 儀 則 の 別 の 修 法 ﹂ と い ゝ、 第 三 段 は ﹁ 第 二 の 膣 像 儀 則 ﹂ と い ゝ 順 次 第 七 段 を ﹁ 第 六 の 膣 像 儀 則 ﹂ と い ゝ、 第 八 段 は 章 末 で 別 に 段 名 は な い。 次 に 藏 課 は 梵 本 と 大 体 一 致 し て い る が 第 二 段 の み は 別 に 段 名 が な い、 但 し 第 三 段 の 始 め に ﹁ 膣 像 の 儀 軌 の 修 法 の 他 の も の ﹂ と 他 と い う 語 が あ る か ら、 こ こ で 一 段 落 し て い る こ と は 内 容 は 勿 論 こ の 語 で 明 白 で あ る。 次 に 漢 繹 は 梵 藏
二 本 に 比 し て 大 分 異 つ て い る、 即 ち 第 二 段 の 始 め の 所 に ﹁ 此 先 行 成 已 ﹂ と の 句 が あ る か ら 第 三 段 の 匝 切 り が わ か る が、 第 一 ・ 第 二 段 共 に 別 に 名 を 附 し て い な い。 次 に 第 三 段 の 始 め に ﹁ 復 有 七 種 儀 則、 第 一 書 像 儀 則 最 上 法 ﹂ の 句 あ り、 第 三 段 よ り 始 ま つ て 七 種 あ り と し て い る。 從 つ て 第 三 段 を 第 一 儀 則、 第 四 段 庖 第 二、 乃 至 第 七 段 を 第 五 儀 則 と し て い る が、 そ の 結 果 第 六 儀 則 の 持 つ て 行 き 所 が な く な り、 第 八 段 の 始 め に ﹁ 復 有 第 六 調 伏 儀 則、 如 是 所 読 於 末 法 時 当 爲 利 釜 衆 生 使 得 成 就、 我 更 與 読 第 七 儀 則 云 々 ﹂ と 題 名 を あ げ る の み で、 一 向 何 等 内 容 の 読 明 が な い 結 果 に な つ て い る。、 い ま 之 を 表 示 す る と 次 の よ う に な る。 ( 但 し 段 落 名 は 異 つ て い て も 内 容 は 三 致 す る) い ま 各 段 別 に そ の 梗 概 を 略 述 す る と、 第一 段 は 膣 像 は 中 央 に 釋 奪、 右 に 妙 財 ・ 妙 地 (漢 課 ・ 眞 實) 無 盤 意 ・ 文 殊、 左 に 普 賢 ・ 観 音 ・ 賢 護 ・ ス シ ョ ー バ ナ ( ク 非 常 二 美 シ イ 藏 課 善 生 ・ 漢 飲) 下 に 地 天、 上 に 持 明 童 子 を 画 く。 供 養 は 膣 像 だ け で な く、 ま す 三 寳、 次 に 彌 勒 ・ 観 晋 等 に 供 養 の 後 膣 像 に 供 養 す る こ と、 動 物 の 像 を 作 つ て 之 に も 飲 食 を 與 え る こ と、 油 も の ・ 菓 子 ・ 豆 ・ 魚 ・ 肉 等 を 食 べ て な ら ぬ 事 (漢 課 は 動 物 を 爽 遣 す る 如 く 誤 課 し て い る) ま た 夢 を 見 て も 他 人 に 告 げ て は な ら ぬ こ と な ど を 述 べ て い る。 第 二 段 は ま す 初 め に 白 檀 で 文 殊 の 像 を 作 り 火 傭 を 作 つ て ゴ マ を 焚 く、 他 日 ま た ゴ マ を 焚 い て 火 天 並 に 文 殊 の 召 請 の 究 を 調 し、 そ の 眞 言 で 供 養 を 奉 り、 後 ゴ マ を 焚 く こ と 一 七 日、 決 定 し て 文 殊 を 見 る こ と を 読 き、 更 に こ う い つ 木 の 護 摩 木 で ゴ マ を 焚 け ば、 こ う 言 う 悉 地 が あ る と、 ご く 簡 軍 に 五 十 三 種 の 法 を 読 い て い る、 大 体 人 を こ ち ら の 思 う 通 り に す る 敬 愛 法 や 財 を 得 る こ と、 除 病 等 で あ る が、 仲 に 三 つ 阿 閣 梨 (漢 課 は 人 間 第 一 尊 貴 と 課 す) に な る こ と が 出 來 る と、 い う の が あ る、 漢 繹 は こ の 中 五 法、 藏 課 は 一 法 が 鉄 課 に な つ て い る。 第 三 段 の 法 は 第 一 段 に 準 じ て 画 布 に 文 殊、 右 に 観 音 ・ 左 に 普 賢 を 画 き ﹁ こ の 膣 前 で 眞 言 三 倶 脂 を 講 す れ ば 王 と な る ﹂ 乃 至 ﹁ 蓮 綜 を 心 と し、 甘 薦 の 董 を 之 に 捲 い て 燈 心 と し 一 千 燈 献 す れ ば 文 殊 を 見 る ﹂ 等 の 廿 四 項 を の べ て い る。 ( こ の 中、 藏 漢 各 々 一 法 敏 課) 文 珠 儀 軌 經 梗 概
密 教 文 化 第 四 段 は 金 銀 で 文 殊 童 子 を 作 り、 供 養 念 講 す る 修 法。 第 五 段 は 赤 檀 で 文 殊 を 作 り、 坐 像 の 脇 侍 を 二 像 作 つ て 修 法 す る 法、 こ の 脇 侍 三 本 共 に 異 つ て い る。 第 六 段 は 布 に 文 殊 を 画 く、 中 央 読 法 相 の 文 殊、 右 金 帯 明 妃、 左 般 若 菩 薩、 蓮 池 に 二 龍 王 と 持 論 者、 上 に 天 人 を 画 き て 修 法 す る 方 法。 第 七 段 は 白 ア ル カ 樹 で 文 殊 を 作 り、 人 の 敬 愛 を 得 る こ と、 文 殊 に 會 う こ と 等 を 読 い て い る。 ( 三 本 共 に 相 違 多 し) 第 八 段 は 全 段 偶 文 で 意 味 は 前 述 の 通 り で あ る が、 そ の 間 二 度 読 明 文 が 入 る。 藏 漢 は 全 段 釋 尊 の 読 法 と し て 居 り、 漢 諜 は 梵 本 ど 異 な る 所 が 多 い。 第 廿 三 品 の 梗 概 梵 本 は ﹁ 文 殊 師 利 の 膣 像 儀 則 の 品、 修 法 の 儀 則 の 第 七 ﹂ と あ る。 ﹁ 第 七 ﹂ と は 前 章 の 六 儀 則 に 樹 し て 第 七 儀 則 の 意 で あ る が、 藏 課 に は 第 七 の 語 は 見 え な い。 漢 課 は 内 容 よ り ﹁ 妙 吉 鮮 六 字 心 眞 言 品 ﹂ と 総 し て い る。 文 殊 の 心 眞 言 の 中、 前 章 で は 一 字 眞 言 が 読 か れ、 本 章 で は 六 字 心 眞 言 に 依 る 成 就 法 が 読 か れ て い る の で あ る。 い ま そ の 梗 概 を 略 述 す る と、 ( 一) ま す 釋 尊 が 文 殊 に 封 し、 ﹁ 末 法 の 世 に 實 修 し て そ の 効 の 室 し か ら ざ る 汝 ( 文 殊) の 六 字 心 眞 言 に 依 る 第 七 の 儀 則 が あ る ﹂ と 言 つ て、 ま す 六 字 の 心 眞
言'om vakye da namah'
を 読 か れ、 且 つ そ の 修 法 を 読 か れ た 形 式 に な つ て い る。 ( 二) 前 行 と し て は、 野 茱 食 若 く は 乞 食 食 に 依 つ て、 三 時 洗 浴 し、 そ の 都 度 衣 を 着 換 え て 心 眞 言 を一 洛 叉 調 す る。 ( 二) 画 像 と し て は、 中 央 に 文 殊 ( 童 子 ・ 読 法 相)、 左 に 観 晋 日、 右 に 普 賢、 上 方 に 二 持 明 天、 下 方 に 持 講 者、 周 園 は 山 で、 下 の 方 に 蓮 池 を 画 く。 ( 三)、 ﹁ こ の 画 像 を 塔 前 に 置 き、 供 養 を な し て ジ ャ テ ィ 華 千 八 ( 漢、 八 千) を 以 て 護 摩 を 焚 く と、 噂hum と 言 う 聲 が 起 れ ば 全 國 の 王 と な り、 画 像 が 振 動 す れ ば 論 宰 に 於 て 最 上 の 論 者 ど な る ゆ ま た 一 切 世 聞 の 論 書 に 濫 じ、 こ の 修 法 が 成 じ な い 場 合 で も 他 の 修 法 に 封 し て 役 立 つ ﹂ と あ る。 極 ぐ 簡 輩 で 梵 藏 二 本 は 之 を 第 一 修 法 と 聡 し て い る。 ( 四) 以 下 之 に 準 す る 修 法 を 十 種 類 読 い て い る が、 別 に 第 二、 第 三 等 の 名 は な い。 第 廿 四 品 の 梗 概 本 品 は 梵 藏 二 本 に は ﹁ 所 と 時 が 儀 軌 を 決 定 す る 章 品 ﹂ と あ る。 ﹁ 決 定 す る ﹂ と は 梵 の n iy a m a (Tib. nes-pa) を 釋 し た の で あ る が、 漢 課 は 之 を ﹁ 修 行 ﹂ の 意 に 解 し ﹁ 修 行 地 位 時 節 儀 則 品 ﹂ と 課 し て い る。 さ て 本 章 は 釋 尊 が 文 殊 に 封 し、 い か な る 法 ( 成 就 法=儀 則) は い か な る 土 地 で 成 就 す る か と い う こ と を 読 示 さ れ た 章 品 で、 つ ま り 前 述 の 成 就 法 は い つ ど こ で 時 と 所 と を 論 ぜ す、 之 を 實 修 し て も、 悉 く そ れ が 成 就 す る と い う わ け で は な く、 修 法 に は 時 と 所 と に 制 限 が あ る の で あ る。 ﹁ 時 と 所 が 儀 則 を 決 定 す る ﹂ と は そ の 意 味 で あ る。 但 し、 題 名 に は ﹁ 所 と 時 ﹂ と あ る け れ ど も、 實 際 の 内 容 は
﹁ 所 ﹂ の 読 明 の み で、 ﹁ 時 ﹂ の 読 明 は な い。 (時 の 読 明 は 第 廿 六 品 に 在 り) い ま そ の 梗 概 を 略 述 す る と、 ( 一) ま す 始 め に ﹁ 文 殊 よ 汝 の 眞 言 ・ 儀 軌 ( タ ント ラ) に 於 け る 韓 輪 明 王 を 始 あ、 如 來 の 佛 頂 等 の 諸 眞 言 が 成 就 す る 場 所 が あ る、 要 す る に 北 路uttara-patha に 於 て は、 ど こ で も 如 來 の 明 王 ( 眞 言) は 成 就 す る の で あ つ て 云 々 ﹂ と 前 説 し、 ( 二) 以 下 偶 交 で 以 て、 ど こ そ こ。 で は ど う い う 眞 言 が 成 就 す る か と い う こ と を 読 い て い る が、 要 す る に ( 1) 北 方 は 如 來 部 特 に 息 災 法 に 適 し、 最 も 良 い 土 地 と さ れ、 ( 2) 中 部 ・ 東 北 部・ 西 部 は 之 に つ ぎ、 そ れ ぐ 蓮 花 部 ・ 金 剛 部 ・ 寳 部 の 眞 言 に 適 し、 ( 3) 南 部 は 鯨 り 徽 迎 さ れ す、 阿 修 羅 や 夜 摩 天 ・ 外 道 等 の 地 と さ れ て い る。 い ま そ の 地 名 の み を あ げ る と、 ( A) 北 方 と し て は、 ( 1) 支 那cina ( 晋 圖 ノ 囲 嶺 テ 誌 メ カ) ( 2) 迦 畢 遮kavica ( 3) バ ツ カ ラvakhala (漢 謬 は 亀 叢 k ucina と す) ( 4) 鳥 杖 那udiyana (udyana ノ 職 リ カ) ( 5) 迦 漁 彌 羅kacmir ( 6) 信 度 何 地 方sindu-deca ( 漢、 西 印 度) ( 7) ヒ マ ラ ヤ 山 接 綾 地 鮎himsvat-parvata 漢、 ヒ マ ラ ヤ 四 面) ( 8) ヒ マ ラ ヤ 山 の 谷 間himadri-kuksi ( B) 中 國 と し て は ( 1) カ ー シ ・ プ リ ーkaci-puri (今 の ベ レ ナ ス、 漢 課 は 迦 微 國) ( 2) 摩 迦 陀magadha ( 3) ア ン ガ 地 方snga-deca ( ベ ン ガ ル の 央 迦、 漢 訣) ( 4) カ ー マ ・ ル ー パkama-rupa (Bhutan ノ 澱、Brahma-putra 薗 ノ 誹 蟷) ( 5) ラ ウ ヒ テ ィ ヤ 河lauhitya ( 図 薗ノ 湘 菌, く ン カ ル 灘 ニ 群 グ) ( 6) ヴ ア ン ガ v a n g a ( ベ ン ガ ル ノ 地 方、 漢、 訣) ( C) 島 と し て は ( 1) セ イ ロ ン 島 s im h a la ( D) 東 部 と し て は ( 1) ビ ン デ ィ ヤ 山 谷 v in d h y a-k u ksi ( 2) ア グ レ ー ン ド ラagrendra (騰 鞘 ニ ハ 鰯 面 購 翻 ト ナ ツ デ イ ル カ ン レ テ ハmahendra テ ア ル, 灘 覇 テ ン ヤ ハ リagrendra ( m c h o g-d b a n) ト ナ ツ デ イ ル) 等 で あ る。 ( 三) 次 に 八 部 を 八 方 に 配 し て 次 の 如 く に し て い る。 北 方 佛 族 (漢、 佛 族) 西 北 方 寳 族 (漢、 寳 賢 族) 東 方 蓮 華 族 (漢、 佛 族)、 西 南 方 夜 叉 族 南 方 金 剛 族 (漢、 蓮 花 族) 東 南 方 聲 聞 族 西 方 象 族 ( 漢、 金 剛 族 藏、 庫 族) 東 北 方 縁 畳 族 ( 四) 次 に 下 方 ・ 上 方 等 を 読 い て い る。 (が 私 に は 充 分 意 昧 が 理 解 出 來 な い) ( 五) 最 後 に 最 上 の 悉 地 は 苦 行 に よ り て は 三 生 を 重 ね て や つ と 得 ら れ る が ( 三 却 成 佛 の 意 か)、 常 に 眞 言 の 念 講 に 專 心 し 菩 薩 を 信 仰 す れ ば こ の 生 で 成 就 す る こ と。 三 寳 を 信 じ、 菩 提 心 あ り、 眞 言 儀 軌 に 巧 に し て 菩 薩 の 律 儀 に 佳 す れ ば 努 め す し て 悉 地 は 成 就 す る こ と、 こ の た め 過 去 佛 は 眞 言 儀 軌 を 読 か れ 自 分 も 文 殊 に 眞 言 の 威 力 を 読 く こ と、 韓 輪 明 王 が こ の 閻 浮 洲 に あ る 限 り、 佛 の 在 世 と 等 し く、 置 言 の 成 就 は 疑 な き 事 等 を 読 い て 本 章 は 巳 つ て い る。 文 珠 儀 軌 經 の 梗 概
密 教 文 化 第 廿 五 品 の 梗 概 本 品 は ﹁ ( 魔 に) 魅 せ ら れ た 者 の 態 度 ・ ふ る ま い の 儀 則 品 ﹂ と あ る が、 漢 課 は 執 魅 者 儀 則 品 と し て い る。 形 式 は 繹 尊 が 文 殊 に 封 し、 人 罷 に 魔 が 入 り こ ん だ 場 合 の 人 の 動 作 を 読 こ う と 言 わ れ た に 封 し、 文 殊 が 合 掌 禮 拝 し て 之 を 求 め、 か く し て 読 法 さ れ た 事 に な つ て い る。 い ま そ の 梗 概 を 略 述 す る と、 ( 一) ま す 魔 が 人 髄 に 入 り こ む の は 或 者 は そ め 食 欲 の た め で あ り、 或 者 は そ の 憤 怒 の た め で あ つ て、 之 等 は 夜 の 初 め に 入 り こ む こ と、 (藏 課 二 句 峡) ( 二) 吉 善 の 人 と は 聖 人 が の り 移 つ た の で あ つ て、 日 出 ・ 日 没 ・ 白 月 の 初 更 に 善 業 あ る 人、 有 法 の 人 に 垂 跡 す る こ と、 ( 三) 聖 人 ﹁ 離 欲 の 大 威 力 者 ﹂vitaragah maharddhikah は 白 月 の 満 月 の 吉 鮮 の 日 に 虚 室 に 現 わ れ、 佛 頂 の 印 を 結 び、 関 伽 を 献 じ、 且 つ 五 髪 印 或 は 佛 頂 印 で 結 界 す れ ば、 如 何 な る 質 問 に 封 し て も そ の 聖 人 の 答 を 得 る こ と、 ( 四) ﹁ ( 1) 聖 人 の 姿 は 色 究 寛 天 の 姿 形 で あ り、 そ の 言 葉 は 中 印 度 の 語 で あ る こ と、 ( 2) 欲 界 の 自 在 者 ( 主) 欲 界 の 天 人 の 相 や 言 葉 は マ ド ゥ ラ 語samadhura で あ り、 ( 3) 地 上 或 は 天 宮 に 佳 す る 天 人 の 語 は ク シ ナ ガ ラ 語kaci-puri (今 の ペ ナ レ ス) で あ る ﹂ と い う よ う 形 式 で、 印 度 の 地 名 ・ 族 名 を あ げ て 各 々 ( 4) 夜 叉 ( 5) 摩 喉 羅 伽 ( 6) 迦 模 羅 ( 7) 緊 那 羅 ( 8) 持 明 天 ( 9) 仙 人 ( 10) 毘 舎 左 ( 11) 餓 鬼 ( 12) 羅 刹 ( 13) 摩 多 蝿 ( 14) シ ユ ー ラ サ c u r a s a ( 漢、 勇 猛) ( 15) 日 天 等 の 曜 及 び そ の 他 の 曜 ( 16) 鳩 繋 茶 ( 17) ダ ー ナ バ d a n a v a (aditya, asura と 図 一 謡 さ わ が, 藩, 国 醸 翻) 並 ひ に ( 18) 蓮 華 ( 19) 金 剛 族 等 の 言 葉 な り と 読 示 さ れ て い る が、 之 を 要 約 す る と、 ( 1) 迦 漁 彌 羅 (kacmira) 迦 睾 試 ( k a v ic a) の 言 葉 を 金 剛 族 の 言 葉 と し、 ( 2) 中 印 度 ( m a d h y a-d e ca, 中 部) を 蓮 華 族 の 言 葉 と な し て 最 上 の 地 と な し、 ( 3) 次 に ベ ナ レ スkaci-puri の 言 葉 を 天 人 の 語、 ( 4) 迦 摩 噌 の 言 葉 を 仙 人 の 語 と な し、 他 の 地 方 は い わ ゆ る 諸 天 魔 の 語 と し て い る の で あ る。 ( 五) い ま こ れ ら の 地 名 ・ 族 名 の 中、 前 章 に 出 た 以 外 の 地 名 等 を あ げ る と、