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全国におけるポジショニング

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2017年4月 月月

女性の仕事と子育てに関する調査

~求められる社員の理解と意識改革~ 少子高齢化に伴う労働力不足が顕著化してきており、女性の労働力に注目が集まっている。 しかしながら、就業を希望しながらも仕事と育児を両立させるための条件等が合わず、出産 を機に退職することも多く、働き続けることができる職場環境等の構築が求められている。 そこで当研究所では、熊本県内に在住する女性を対象に、子育て支援や女性の活躍推進に 関するアンケート調査を実施した。本稿では、その調査結果等を踏まえて、出産後も働き続 けるための支援や女性の活躍を推進するために必要なものなどを明らかにしていきたい。 【調査結果のポイント】 1. 子育てしながら働く上で困ったことは、「子どもが急病になった時の仕事の調整」が 76.8%と最も多く、「学校行事等への参加と仕事の調整」(50.0%)、「子どもの長期休暇 の時の仕事の調整」(32.6%)となった。 2.男性社員の家事・育児の参加に向けた職場の取り組み状況は、「取り組んでいない」が 45.2%と最も多く、「あまり取り組んでいない」(30.7%)の合計は7割を超えている。 これに対して、「積極的に取り組んでいる」は5.8%、「ある程度取り組んでいる」が18.3% となった。 3.仕事と育児の両立のために職場で必要なことは、「休暇を取得しやすい職場環境」が 68.4%と最も多く、「上司の理解」(68.3%)、「同僚の理解・協力」(61.5%)と続いて いる。 4.勤務先における女性の活躍推進の状況は、「進んでいる」(17.2%)、「ある程度進んで いる」(31.8%)の合計は49.0%だった。一方で、「進んでいない」(25.8%)、「あまり 進んでいない」(25.2%)の合計は51.0%となった。 5.女性の活躍推進のために必要なことは、「長時間労働を前提としない働き方」が50.6% と最も多く、「経営者・管理職の意識改革」(47.0%)、「男性社員の意識改革」(45.7%) と続いた。 【調査の概要】 2.調査期間:2017年2月21日~23日 3.調査方法:調査会社登録モニターへのネット調査       (調査会社:㈱マクロミル) 4.有効回答:621人 1.調査対象:熊本県在住の20歳以上50歳未満の働いている女性       及び働いていないがいずれ働く予定の女性 【回答者の属性】 未婚 既婚 子ども あり 子ども なし 働いて いる 働いて いない 621 311 310 285 336 465 156 100.0 50.1 49.9 45.9 54.1 74.9 25.1 207 141 66 52 155 155 52 100.0 68.1 31.9 25.1 74.9 74.9 25.1 207 99 108 103 104 155 52 100.0 47.8 52.2 49.8 50.2 74.9 25.1 子どもの有無 就業状況 全体 20代 30代 全体 未既婚

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(1)末子出産時の就業状況 子どもがいる働く女性に対して、末子出産時の就業状況をたずねると、「育児休業を取得し て仕事を続けた」が 36.8%と最も多く、「育児休業を取得しないで仕事を続けた」(7.9%) を合計すると 44.7%となり、4 割を超える女性が出産後も仕事を継続していた。これに対し て「仕事をやめた」は 31.1%だった(図表 1)。 年代別にみると、40代は「育児休業を取得して仕事を続けた」が18.9%となり、20代(55.2%)、 30代(54.5%)に比べて低くなっている。 (2)子育て支援制度の利用状況 子どもがいる 188 人に職場の子育て支援制度の利用についてたずねると、「育児休業」が 42.0%と最も多く、以下、「子どもの看護休暇」(17.6%)、「短時間勤務制度」(16.5%)と続 いている。 3歳未満の子どもがいる人が利用できる「短時間勤務制度」は、1日の所定労働時間を原則 6時間に短縮する制度であるが、その利用は1割強にとどまり、多くの女性は時間を短縮する ことなく働いているようである。また、「どれも利用しなかった」が42.6%と最も多いことが 目を引いた。 自由回答をみると、「両親に預かってもらった」という意見があり、両親等親族の支援を受 けている人もいるようである。一方で、「育児休業などの休みが取りにくい」という意見も見 受けられ、子育て支援制度があるにもかかわらず、利用しにくい職場もあると思われる(図 表2)。 図表1 末子出産時の就業状況      (n=190)  31.1 41.4 18.2 36.8 36.8 55.2 54.5 18.9 7.9 0.0 12.1 7.4 24.2 3.4 15.2 36.8 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体 20代 30代 40代 仕事をやめた 育児休業を取得して仕事を続けた 育児休業を取得しないで仕事を続けた 出産時は仕事をしていなかった

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55.1 37.2 15.8 15.8 14.4 10.2 7.4 5.3 4.6 3.9 1.8 1.4 0.4 0.4 4.2 0 10 20 30 40 50 60 認 可 保 育 所 幼 稚 園 認 定 こ ど も 園 放 課 後 児 童 ク ラ ブ 一 時 預 か り 保 育 病 児 保 育 認 可 外 保 育 施 設 フ ァ ミ リ ー ・ サ ポ ー ト ・ セ ン タ ー 事 業 所 内 保 育 所 ※ 1 小 規 模 保 育 ※ 2 家 庭 的 保 育 ( 保 育 マ マ ) ※ 3 子 育 て 短 期 支 援 ベ ビ ー ホ テ ル ベ ビ ー シ ッ タ ー そ の 他 % 女性の仕事と子育てに関する調査 2017年4月 (3)子育て支援サービスの利用状況 次に、子どもがいる 285 人に子育て支援サービスの利用についてたずねた。「認可保育園」 が最も多く 55.1%、以下、「幼稚園」(37.2%)、「認定こども園」「放課後児童クラブ」(15.8%) と続いている(図表 3)。 2015年4月に子ども・子育て支援新制度がスタートしたことで、幼稚園と保育所の両方の機 能を併せ持つ認定こども園の件数が増加しており、認可保育所、幼稚園に次ぐ利用となった ようである。また、「放課後児童クラブ」は15.8%となり、子育て中の女性にとって子どもの 受け皿になっていることがうかがえた。新たな保育の場として設置された「小規模保育」「家 庭的保育(保育ママ)」は、保育需要が最も多い0~2歳児を預かる施設であり、待機児童解消 の一助となることが期待されているが、利用は少ないようである。 図表2 子育て支援制度の利用状況(複数回答)  (n=188) 42.0 17.6 16.5 7.4 6.4 5.3 1.1 42.6 5.9 0 10 20 30 40 50 育 児 休 業 子 ど も の 看 護 休 暇 短 時 間 勤 務 制 度 所 定 外 労 働 ( 残 業 ) の 免 除 深 夜 労 働 の 制 限 法 定 時 間 外 労 働 の 制 限 そ の 他 ど れ も 利 用 し な か っ た わ か ら な い % 図表3 子育て支援サービスの利用状況(複数回答)  (n=285) 

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(4)育児休業取得者への支援 次に、育児休業を取得する際に欲しい支援をたずねると、「休業前に面談を実施」「休業中 に職場からの定期的な連絡」「復職前に人事担当者と復職に向けた面談」が32.9%となり、同 率で上位を占めた。また、「復職後のキャリアプランの策定」は18.6%、「復職後に研修の実 施」は12.9%だった(図表4)。育児休業取得者は、休職中の職場に関する情報不足を不安に 感じていると思われ、復職後に行われる支援よりも休業中の連絡や復職に向けた支援を望ん でいるようである。 2.仕事と育児の両立に向けて (1)子育てをしながら働く上で困ったこと 子どもがいる190人に子育てしながら働く上で困ったことをたずねると、「子どもが急病に なった時の仕事の調整」が76.8%と最も多く、以下、「学校行事等への参加と仕事の調整」 (50.0%)、「子どもの長期休暇の時の仕事の調整」(32.6%)となり、仕事の調整に関する項 目が上位になった。 自由回答をみると、「子どもの急病などで休みづらい」という意見があり、突発的な休暇に 対して理解が得られにくい職場もあると思われ、同僚などに気を使いながら休暇を取得する 人もいるようである。 また、「配偶者の協力」は30.5%となり、配偶者に対して家事や育児への協力を期待してい る女性もいると思われる(図表5)。 図表4 育児休業を取得する際に欲しい支援(複数回答)   (n=70) 32.9 32.9 32.9 18.6 14.3 12.9 4.3 7.1 0 20 40 60 休 業 前 に 面 談 を 実 施 休 業 中 に 職 場 か ら の 定 期 的 な 連 絡 復 職 前 に 人 事 担 当 者 と 復 職 に 向 け た 面 談 復 職 後 の キ ャ リ ア プ ラ ン の 策 定 休 業 中 に 通 信 教 育 等 の 紹 介 復 職 後 に 研 修 の 実 施 休 業 中 に 休 業 者 を 集 め た 懇 談 会 の 開 催 そ の 他 全体 20代 30代 40代 %

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積極的に取 り組んでいる 5.8 ある程度取 り組んでいる 18.3 あまり取り組 んでいない 取り組んで いない 45.2 女性の仕事と子育てに関する調査 2017年4月 (2)男性社員の家事・育児の参加への取り組み 次に、子育てしながら働く上で配偶者の協力の必要性を感じている女性がいる中で、男性 社員の家事・育児への参加に向けた職場の取り組みを女性目線でみることにする。働いてい る 465 人にたずねると、「取り組んでいない」が 45.2%と最も多く、「あまり取り組んでいな い」(30.7%)を合わせると 7 割を超えている。これに対して、「積極的に取り組んでいる」 は 5.8%で、「ある程度取り組んでいる」の 18.3%と合わせると 24.1%だった。男性社員の 家事・育児への参加に向けた取り組みはこれからのようである(図表 6)。 図表5 子育てをしながら働く上で困ったこと(複数回答)  (n=190) 76.8 50.0 32.6 30.5 21.1 16.3 15.3 12.1 2.6 0 20 40 60 80 100 子 ど も が 急 病 に な っ た 時 の 仕 事 の 調 整 学 校 行 事 等 へ の 参 加 と 仕 事 の 調 整 子 ど も の 長 期 休 暇 の 時 の 仕 事 の 調 整 配 偶 者 の 協 力 保 育 所 等 へ の 送 迎 塾 な ど 習 い 事 へ の 送 迎 両 親 等 親 族 の 協 力 仕 事 と 子 育 て 両 立 へ の 職 場 の 理 解 不 足 そ の 他 全体 20代 30代 40代 % 図表6 男性社員の家事・育児の参加に向けた職場の取り組み  (n=465)

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さらに、すべての人に対して、男性の家事や育児への参加を進めるためにどのようなこと が必要かをたずねると、「男性社員の家事・育児への職場の理解」が65.7%と最も多く、以下、 「子育て支援制度(育児休暇等)の充実」(47.3%)、「短時間勤務など柔軟な働き方の推進」 (46.9%)、「長時間労働の是正」(42.2%)と続いている(図表7)。 男性の家事や育児への参加を進めるためには、経営者や管理職がその必要性を理解し、支 援することが必要だと思われる。また、上司が職場の応援体制を整えることで、同僚の理解 も得やすくなり、育児休暇等を取得するなど、家事や育児に参加する男性が増えることが期 待される。 また、自由回答の中には、「夫の協力が必要だが、帰ってくるのは夜中で土日も仕事でいな い」という意見がみられた。男性が家事や育児に参加するためには、長時間労働を前提とし た働き方を見直し、業務の効率化や短時間勤務なども含めて、早期終業のための仕組みづく りが必要だと思われる。 (4)仕事と育児の両立のために職場で必要なこと 仕事と育児を両立させるために職場で必要なことをすべての人にたずねた。「休暇を取得し やすい職場環境」が 68.4%と最も多く、以下、「上司の理解」(68.3%)、「同僚の理解・協力」 (61.5%)、「子育て支援制度の充実」(60.2%)と続いている(図表 8)。 自由回答をみると、「会社全体の理解の向上、協力体制の強化」「上司次第で復帰後の希望 休暇の取りやすさなど違った。上司の意思統一をはかってほしい」「スタッフの少ない職場 だと休みがもらい辛いので労働環境を整えて欲しい」という意見が見受けられた。また「女 図表7 男性の家事や育児への参加を進めるために必要なこと(複数回答)  (n=621)   65.7 47.3 46.9 42.2 30.6 17.7 3.9 0 20 40 60 80 男 性 社 員 の 家 事 ・ 育 児 へ の 職 場 の 理 解 子 育 て 支 援 制 度 ( 育 児 休 暇 等 ) の 充 実 短 時 間 勤 務 な ど 柔 軟 な 働 き 方 の 推 進 長 時 間 労 働 の 是 正 男 性 社 員 の 子 育 て 支 援 制 度 の 活 用 事 例 の 紹 介 育 児 休 業 復 帰 後 の 女 性 社 員 と の 情 報 交 換 そ の 他 全体 20代 30代 40代 %

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女性の仕事と子育てに関する調査 2017年4月 性の理解不足」という意見もあった。仕事をカバーする女性の中には、子育て中の女性の休 暇取得等について、負担がかかり迷惑だと考える人もいるようである。さらに、「働きやす いというよりは、休みやすい職場環境が必要」という意見がみられた。子育て中の女性は、 子どもの行事などで休暇を取得する機会が多く、休暇を取得しやすい職場環境を重視してい るようだ。 3.女性の活躍推進に向けて (1)「女性の活躍推進」が進んでいる企業イメージ 「女性の活躍推進」が進んでいる企業のイメージをすべての人にたずねると、「出産・育児 後も働き続ける女性が多い」が 80.8%と最も多く、以下、「評価・キャリアアップなどに男 女差がない」(57.3%)、「女性の平均勤続年数が長い」(48.5%)、「管理職として働く女性が 多い」(39.3%)と続いている(図表 9)。 女性の社会進出が進み、出産後も働く女性が増加する一方で、働くことを希望しながらも、 勤務条件などが合わず退職を余儀なくされることもある。そのため、出産や育児後も働き続 ける女性が多い企業は、働く環境を整えるなどの対策がなされていると推察され、女性の活 躍を推進していると認識されるようである。 また、管理職は男性だけという職場もあると推察され、女性もキャリアアップを目指すこ とができる男女平等な職場という点も女性は活躍するために必要だと考えているようである。 図表8 仕事と育児の両立のために職場で必要なこと(複数回答)  (n=621) 68.4 68.3 61.5 60.2 54.1 47.7 47.0 43.6 38.3 30.8 1.8 0 20 40 60 80 休 暇 を 取 得 し や す い 職 場 環 境 上 司 の 理 解 同 僚 の 理 解 ・ 協 力 子 育 て 支 援 制 度 の 充 実 短 時 間 勤 務 な ど 柔 軟 な 勤 務 時 間 の 設 定 半 日 や 時 間 単 位 の 有 給 休 暇 制 度 子 育 て に 関 す る 経 済 的 支 援 育 児 休 業 後 の 職 場 復 帰 に 向 け た 支 援 在 宅 勤 務 な ど 勤 務 形 態 の 充 実 所 定 外 労 働 ( 残 業 ) の 免 除 そ の 他 %

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進んでいる 17.2 ある程度 進んでいる 31.8 あまり進ん でいない 25.2 進んでいな い 25.8 (2)勤務先における女性の活躍推進の状況 次に、勤務先における女性の活躍推進の状況についてすべての人にたずねた。「進んでいる」 (17.2%)、「ある程度進んでいる」(31.8%)の合計は 49.0%であった。一方で、「進んでい ない」(25.8%)、「あまり進んでいない」(25.2%)の合計は 51.0%となった(図表 10)。 自由回答をみると、「進んでいる」と回答した女性からは、「女性管理職が多い」「女性の意 見が通りやすい」という意見がみられた。さらに、「育児休業後復帰する人が多い」「急な休 みも取りやすい」という意見も見受けられた。一方で、「進んでいない」と回答した女性では、 「男性優位な職場」「女性社員への評価が低い」「働く女性に理解がない」という意見がみら れた。 図表9 「女性の活躍推進」が進んでいる企業イメージ(複数回答)  (n=621) 図表10 勤務先における女性の活躍推進の状況  (n=465) 80.8 57.3 48.5 39.3 38.0 31.7 30.6 15.6 0.6 0 20 40 60 80 100 出 産 ・ 育 児 後 も 働 き 続 け る 女 性 が 多 い 評 価 ・ キ ャ リ ア ア ッ プ な ど に 男 女 差 が な い 女 性 の 平 均 勤 続 年 数 が 長 い 管 理 職 と し て 働 く 女 性 が 多 い 女 性 の 意 見 が 業 務 に 活 か さ れ て い る 女 性 の 業 務 範 囲 が 広 い 男 性 の 育 児 休 業 取 得 を 推 進 し て い る 女 性 の 比 率 が 高 い そ の 他 全体 20代 30代 40代 %

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女性の仕事と子育てに関する調査 2017年4月 (3)女性の活躍推進のために必要なこと 女性の活躍推進のために必要だと思うことをすべての人にたずねた。「長時間労働を前提と しない働き方」は50.6%と最も多かった。保育所等へ子どもを預けて働く女性は、子どもの 迎えなどによる時間的制約があり、残業を前提とした職場では働き続けることが難しくなる と推察される。女性が働くためには、子どもの年齢に合わせた勤務時間の設定や短時間勤務 など、長時間労働を前提としない働き方が必要だと思われる。自由回答をみると、「勤務時間 の短縮や週3~4日勤務など幅広い勤務体制が必要」「短時間でもその人にあったスタイル で働ける自由な勤務時間の設定」という意見がみられ、状況に合わせた働き方を望む人もい るようである。 次に、「経営者・管理職の意識改革」で47.0%、「男性社員の意識改革」は45.7%であった。 自由回答をみると、「女性は仕事に関して意識が低いと思い込んでいる男性社員がいる」「ま だまだ男女で扱いの差がある。まずは男性社員側の意識改革をしてほしい」という意見がみ られた。また、「女性は庶務などの簡易的な事務作業を割り当てられている」という意見も見 受けられ、“女性だから”という意識から、業務などに男女差を設けることもあるようである。 このような処遇は、女性のやる気を削ぐことにつながりかねないため、女性を戦力として捉 え、業務の幅を広げるなどの意識改革が必要だと思われる。 また、「女性自身の意識改革」は34.1%となり、男性だけでなく、女性自身も高い職業意識 を持ち、どのように働きたいかを考えるなどの意識改革が求められるだろう。 自由回答をみると、「男女に関係なく、個人の得意分野が生かされる職場環境」「女性管理 職を何人などではなく、女性男性に関わらず能力のある人が相応の評価を受ける社会であっ てほしい」という意見がみられ、能力を活かした仕事を行い、正当に評価されることを望ん でいる人もいるようである。 さらに、「社会全体が男性基準なのでそこにあてはめるのは無理。新しい仕組みが必要」 「女性の活躍推進は、働く場所だけ提供すればいい訳ではない。なぜ働けないのかを調べて 解決すべき」という意見もみられた。社員の意識改革などに加え、社内における女性の活躍 を阻害している制度などを見直し、すべての人が働きやすい環境を構築することも必要であ ろう。

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おわりに 今回の調査結果をみると、女性が活躍できる環境づくりには、単に支援制度を充実させる だけでなく、支援を行うタイミングや利用するための環境を整えることが必要だとわかった。 そのためには、上司や同僚は子育てしながら働く女性の状況を理解し、フォローする体制 などを確立することが必要だと思われる。また、職場によっては、様々な支援制度があるに もかかわらず、利用されていないこともあると推察される。女性の実情を把握することは、 働き続けるために本当に必要としている支援の実施にもつながるだろう。 また、女性が担当する業務を限定せず、能力を活かした仕事を任せることは、キャリアア ップにつながると推察され、業務内容に男女差をなくすことも女性の活躍を推進することに 結びつくと思われる。 以 上 図表11 女性の活躍推進のために必要なこと(複数回答)  (n=621) 50.6 47.0 45.7 39.5 36.9 34.1 33.8 23.0 22.9 22.2 12.9 2.1 0 10 20 30 40 50 60 長 時 間 労 働 を 前 提 と し な い 働 き 方 経 営 者 ・ 管 理 職 の 意 識 改 革 男 性 社 員 の 意 識 改 革 男 性 の 家 事 ・ 育 児 参 加 在 宅 勤 務 な ど 勤 務 形 態 の 多 様 性 女 性 自 身 の 意 識 改 革 管 理 職 へ の 積 極 登 用 女 性 社 員 へ の 教 育 機 会 の 拡 充 女 性 採 用 比 率 の 増 加 ロ ー ル モ デ ル と な る 女 性 社 員 の 充 実 キ ャ リ ア パ ス の 多 様 化 そ の 他 全体 20代 30代 40代 %

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