• 検索結果がありません。

論 文 審 査 の 要 旨

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "論 文 審 査 の 要 旨"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

別紙1

論 文 審 査 の 要 旨

報告番号 2783 今野 歩

論文審査担当者

主査 教授 桑田 啓貴

副査 教授 代田 達夫

副査 教授 井上 紳

(論文審査の要旨)

学 位 申 請論 文 「 Continuous monitoring of caspase-3 activation induced by propofol in developing brain. 」 に つ い て 、上 記 の主 査 1 名、 副 査 2名 が 個別 に 審 査を 行 っ た。

近 年 、未 発 達能 に お ける 脳 神 経発 達 時期 に お いて 麻 酔 薬に 曝 露す る こ とで 脳 発 達に ダ メー ジ を 与 え る可 能 性を 示 唆 する 報 告 がな さ れて お り 、吸 入 麻 酔薬 お よび 静 脈 投与 に よ る全 身 麻酔 薬 に よ る 高次 脳 機能 へ の 影響 を 解 明す る こと は 臨 床医 学 に おけ る 重要 な 問 題と さ れ て い る 。本 研 究 で は 全身 麻 酔薬 の 1 つプ ロ ポ フォ ー ルが 脳 神 経発 達 時 期に お ける 脳 神 経細 胞 へ の影 響 を生 細 胞 を 用 いて 、 共焦 点 顕 微鏡 に よ り 経 時 的に 観 察 する 手 法 を確 立 して い ま す。 ま た 、実 際 脳細 胞 に お け るア ポ トー シ ス 誘導 を FRET現 象 を捉 え る こと に よ り定 量 的か つ 定 性的 に 評 価す る こと に 成 功 し 、こ の こと に よ り、 麻 酔 薬が 脳 神経 細 胞 へ ダ メ ー ジを 与 え て い る こと を 明 らか に して い る 。

本 論 文の 審 査に お い て、 副 査 の 代 田 委員 お よ び井 上委 員か ら 多く の 質問 が あ り、 そ の一 部 と そ れ らに 対 する 回 答 を以 下 に 示す 。

代 田 委 員 の 質 問 と そ れ ら に 対 す る 回 答 :

1 .麻酔薬による発達時期脳神経細胞へ の麻酔薬のダメージはどのような作用機序 か。

(ア ポ ト ーシ ス 誘導 の 作用 機 序 とし て 、未 熟 な GABA 作 動性 ニ ュ ーロ ン の起 動 が 細胞 外 への ク ロ ラ イ ド イ オン を 流出 さ せ 細胞 膜 で 脱分 極 を起 こ す こと が 報 告さ れ てい る 。 細胞 膜 の 脱分 極 に続 き 電 位 依 存 性カ ル シウ ム チ ャネ ル の 活性 と 細胞 外 間 隙か ら 細 胞質 へ Ca2+の 流入 が 起 こる 。 また 、 小 胞 体 の InsP3R の 過剰 活 性に よ り 小胞 体 から Ca2+が 放 出 され 細 胞内 の Ca2+濃 度 が 上昇 し ミト コ ンド リ ア の 生体 膜 の崩 壊 が 起き て チ トク ロ ーム C の 放出 あ る いは カ ルパ イ ン の活 性 が 生じ 、 カス パ ー ゼ 3 の 活性 を 経て 細 胞 はア ポ ト ーシ ス へ導 か れ ると さ れ る。 )

2 .プ ロ ポフ ォ ール 投 与に よ っ て海 馬 CA1 領域 でカ ス パ ーゼ 3 活 性 が高 くな っ て い た こ との 臨 床 的 意 義 を 説明 せ よ 。

(海 馬 は 記 憶 と 学 習 に お い て 重 要 な 役 割 を 果 し て お り 生 理 的 ア ポ ト ー シ ス を 上 回 る 過 剰 な ア ポ ト ー シ ス が起 こ るこ と で 認知 機 能 障害 や 学習 機 能 障害 を 引 き起 こ すこ と が 懸念 さ れ る。本 研究 で は、

カ ス パ ー ゼ 3 活 性 の増加 率 が コン ト ロー ル 群 と比 較 し てプ ロ ポフ ォ ー ル群 で 投 与 5 時 間 以 降に有 意 に 増 加 す る 結 果 を 示 し た 。 こ れ よ り 脳 神 経 発 達 期 に お け る 長 時 間 の プ ロ ポ フ ォ ー ル 持 続 投 与 に よ っ て アポ ト ーシ ス 変 化を 増 強 し認 知 機能 の 発 達に 影 響 を与 え る可 能 性 が示 唆 さ れる 。 )

(主査が記載)

(2)

井 上 委 員 の 質 問 と そ れ ら に 対 す る 回 答 :

1. 生下直後のマウスを用いた理由は何か。脳細胞の増殖性と本研究と関連させて述べよ。ま た臨床的寒天から、胎児・乳幼児における毒性はどうか。

(本研究ではマウス脳スライス標本は生後 0‐4 日齢を使用している。脳神経発達期は生後 7

日前後がピークで、神経回路の再編成の完了は生後 14日とされている。ヒトでは胎生 32-36 週から生後 2 歳前後に相当し、ヒト乳幼児全身麻酔を想定している。発達期では神経回路再 編成がなされ、成熟した神経回路を作り上げるため 生理的なアポトーシスが起きており、この 時期における全身麻酔を乳幼児での危険性を明らかにしておく必要がある ため。)

2. PRISではミトコンドリアの機能障害などアポトーシス以外の組織障害性が想定されてい るが、小児PRISと本研究との関連は何か。

(プロポフォール症候群(PRIS)はプロポフォールを鎮静目的に長期間投与した際 に発症し、心 室性不整脈など多くの症状を呈する。小児に発症する稀な病態と考えられてきたが 成人でも多 く報告されて いる。本 研究では、GABA 受容体作動薬によ り生じる 神経障害とし てのアポ ト ーシス検出を目的とした。未熟脳でのCl イオン取込みを担う共輸送体の 強発現によっておこ る脳神経発達期特有の現象と考える。)

両 副 査 は 、上記 を 含め た質 問 に 対す る 回答 が 、いず れ も 満足 の いく も の であ る こ とを 確 認し た。

主 査 桑 田 委 員 の 質 問 と そ れ ら に 対 す る 回 答 :

1 . 脳 神経 発 達期 の 全 身麻 酔 薬 投与 に よっ て ア ポト ー シ ス以 外 の細 胞 変 化は 起 こ るの か 。も し 、 起 こ る 場合 に 与え る 影 響は ど の よう な もの か 。

( 本 研 究で は カス パ ーゼ 3 活 性を 指 標と し て アポ ト ー シス 変 化を 評 価 した が 先 行研 究 では 吸 入 麻 酔 薬 投 与に よ って 軸 索 誘導 の 方 向性 に ばら つ き が生 じ る こと や 海馬 歯 状 回門 に お ける 新 生顆 粒 細 胞 の 移 動を 阻 害す る こ とで シ ナ プス 伝 達の 障 害 を起 こ す とさ れ てい る 。)

2 .本 研究 で はプ ロ ポフォ ー ル の有 機 溶媒 と して DMSO を用 い てい る がそ れ 以 外の 有 機溶 媒 は 検討 し た か 。

(臨 床 で 使用 さ れて い るプ ロ ポ フォ ー ル製 剤 は 脂肪 乳 剤 によ り エマ ル ジ ョン 化 さ れて い る。高 濃度 の プ ロ ポフ ォ ール の 投 与を 検 討 した 際 に DMSO 以外 に 静 注用 脂 肪乳 剤 で ある イ ン トラ リ ピッ ド 輸液 を 溶 媒 とし て 試み た が 灌流 し て いる 人 工脳 脊 髄 液が 乳 白 色と な り蛍 光 波 長の 検 出 を障 害 して し ま う た め 使用 を 断念 し た 。エ タ ノ ール 等 はそ れ 自 体に GABA 作用 性 と NMDA 拮抗 性 の 両方 の 作用 を 持 ち 神 経 毒性 が ある と さ れる た め 除外 し た。 )

主 査 の 桑田 委 員は 、 両 副査 の 質 問に 対 する 回 答 の妥 当 性 を確 認 する と と もに 、 本 論文 の 主張 を さ ら に 確認 す るた め に 上記 の 質 問を し たと こ ろ 、明 確 か つ適 切 な回 答 が 得ら れ た 。

以 上 の 審査 結 果か ら 、 本論 文 を 博士 ( 歯学 ) の 学位 授 与 に値 す る も の と 判断 し た 。

(主査が記載)

参照

関連したドキュメント

災害発生当日、被災者は、定時の午後 5 時から 2 時間程度の残業を命じられ、定時までの作業と同

今回の SSLRT において、1 日目の授業を受けた受講者が日常生活でゲートキーパーの役割を実

(2011)

自発的な文の生成の場合には、何らかの方法で numeration formation が 行われて、Lexicon の中の語彙から numeration

1.3で示した想定シナリオにおいて,格納容器ベントの実施は事象発生から 38 時間後 であるため,上記フェーズⅠ~フェーズⅣは以下の時間帯となる。 フェーズⅠ 事象発生後

児童生徒の長期的な体力低下が指摘されてから 久しい。 文部科学省の調査結果からも 1985 年前 後の体力ピーク時から

消費電力の大きい家電製品は、冬は平日午後 5~6 時前後での同時使用は控える

原子力災害からの福島の復興・再生を加速させ、一日も早い住民 の方々の生活再建や地域の再生を可能にしていくため、政府は、平 成 27