)岡山大学医学部第1(陣内)外科敎室 (指導:陣内敎授)
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(2) 2394. 大. Struwe20)は,脳 面 湿 潤,硬. 藤. 浮腫 では 上 記 所 見 の他 に割. 度 硬 で あ る と記 載 し,脳 腫 脹 で は. 同 じ く硬 膜 は 緊脹,蜘. 網 膜 下 腔 の 狭 小,脳. 髄 液 の 減 少 が 認 め られ,軟. 偽 ア メ ー バ 様 神 経 膠 細 胞 の 出 現,基 質 の 篩 状 乃 至 蜂 巣 状 構 造 等 の 強 い 変 化 が あ らわ れ て く. 脳 膜 血 管 の充 血 に. る こ とか ら,組 織 学 的 に も3型 に 分 ち 得 る と. 面 は 乾 燥 し粘 性 大 で あ るが,硬. 度は. 非 常 に 軟 か く破 壊 され 易 い とい つ て い る.即 ち 硬 度 の 点 に つ い て はStruwe20)の 記 載 は他 と全 く逆 でMeynert21)も. 増 殖 と 変 性 神 経 繊 維 間 神 経 膠 細 胞 の 増殖 変性,. 脊. もか か わ らず 脳 質 は 貧 血 の 状 を呈 し,脳 溝 は 浅 平,割. 弘. 彼 の 説 に 賛 成 して. い る.. し て い る. 先 にAnton25)は. 脳 浮 腫 では組 織 間 隙並に. 血 管 周 囲 腔 の 漿 液 性 体 液 の 増 加 に よ り,神 経 細 胞 や 神 経 繊 維 は 変 性 破 壊 せ られ,神 経 膠 細 胞 も破 壊 され て,場 所 に よつ て は大 きい 組 織 間 隙 乃 至 腔 を 形 成 す る とい ゝ,ま たHoff10). 一 方 脳 浮 腫 と脳 腫 脹 とを 区 別 しな い と い う Schluter. u. Never22),. Jaburek23). 等 は,両. 者 の 間 に は 本 質 的 な 差 異 は な く同 一. , Scheinker24). 過 程 の 時 期 的 な 相 違 に す ぎ な い と の べ,こ. の. は 脳 浮 腫 で は 神 経 細 胞 の 浮 腫 が 見 られ るが, 脳 腫 脹 で は そ の 変 化 が 明 か で な い とい ゝ,こ れ は 前 記 安 保13)の説 に 反 し て い る.ま た1905 年Reichardt16)は. 全 然 組 織 学 的 に 変 化 を認. 両 者 を 肉 眼 的 或 は 組 織 学 的 に 区 別 す る こ とは. め られ な い 脳 容 積 増 大,即. 極 め て 困 難 で あ る と し た.. 増 加,炎. この脳 腫脹 に 関す る研究 は吾 国 で は比 較的. ち 組 織 間 隙 の液 体. 症 性 病 変,組 織 の 肥 大 増 殖,充 血 等. の 全 く認 め ら れ な い もの を脳 腫 脹 と して 記 載. 少 い が, 1948年 安 保13)に よ り第1編. で述べ た. し, Spatz17), Fufgeld 18), Selbach15)も. これ. 如 く,い わ ゆ る脳 腫 脹 は 先 づ 第1に. 含 水量 の. に 賛 成 し て い る.ま. 腫脹. 点 よ り脳 浮 腫,脳 分 け られ,こ た.安. 腫 脹,及. たScheinker24)は. び 移 行 型 の3群 に. の 根 本 は 血 管 の 変 化 で,浮 腫 と腫 脹 とは程 度. れ に よ りそ の 理 解 も容 易 と な つ. の 差 に す ぎ ず,血 管 の形 態 学 的 変化 を示 す の. 保13)は 第2に. を 肉 眼 的 に も詳. が 浮 腫 で,形 態 学 的 変 化 の な い の が 腫 脹 で あ. 細 に 観 察 し,脳 浮 腫 で は 表 面 は 湿 潤 で 光 沢 が. る と した. Greenfield26)も 浮 腫 と腫 脹 とは異. あ り割 面 も水 分 に と み,脳 脊 髄 液 は 増 加 し,. つ た 機 転 で は な い とい つ て い る.. 粘 稠 度,硬. この3群. 度 は と もに 低 下 す る とい う.移 行. 型 で は 表 面 及 び 割 面 の 湿 度,光. 沢 と もに 正 常,. か くの 如 く開 頭 術 並 に 外 傷 そ の他 に よ るい わ ゆ る脳 腫 脹 の 肉 眼 的 並 に 組 織 学 的 所 見 に 関. 脳 脊 髄 液 も正常 で あ る が 硬 度 は 増 加 し,容 積. し て は,或. も また 増 大 す る.腫 脹 型 に な る と脳 表 面 は 乾. 諸 家 の 意 見 が 一 致 し て い な い.し か し血 管 周. 燥 し,脳 脊 髄 液 は 殆 ど な く,容 積 の 増 大 著 し. 囲 腔 の拡 大 が 脳 浮 腫 に 特 有 で あ る こ とは大 体. く,粘 稠 度 が 増 加 して い る と い う.第3に この3群. は. を 組 織 学 的 に 検 し,初 期 浮 腫 で は血. は脳 浮 腫 とい ゝ或 は脳 腫 脹 とい ゝ,. 諸 家 の認 め る と こ ろ で あ る. 我 が 教 室 に お け る脳 腫 脹 に 関 す る一 連 の研. 管 周 囲 腔 の 拡 大 が 処 々に 強 度 に 起 つ て い るが,. 究 で,薬 師 寺27)は,手 術 中に 脳 腫 脹 を 防 ぐ意. 変 化 は この 程 度 に 止 り,神 経 細 胞,神. 味 で 用 い られ て い る生 理 的 食 塩 水 の 代 りに,. 神 経 膠 細 胞,基. 経 繊 維,. 質 に は 変 化 が な く,移 行 型 に. 脱 水 性 の あ る溶 液 を 開 頭 部 に 灌 注 した 場 合 の. な る と血 管 周 囲 腔 の 拡 大 は部 分 的 に 消 失 し,. 組 織 学 的 変 化 に つ い て 観 察 し, 0.1%ホ. 神 経 細 胞 の 変 性,神. リ ン を 灌 注 した 場 合 に は 細 胞 変 性 は 全 く見 ら. 経 膠 細 胞 の 水 腫 性 変 化,. 偽 ア メ ー バ 様 神 経 膠 細 胞 の 出 現,基. 質 の篩 状. れ ず,極. ルマ. く僅 か な 浮 腫 型 変化 を 認 め る もの が. 乃 至 蜂 窩 状 構 造 が 軽 度 に 見 られ る.腫 脹 型 に. あ るが,こ. な る と血 管 周 囲 腔 の 拡 張 は 全 然 な く な り,細. る の を 認 め,こ の 使 用 に よ り脳 浮 腫 を 防 ぎ う. 胞 変 化 が 主 役 を な す よ うに な る.即. る と記 載 し,三 宅28)も含 水 量 の点 よ り これ を. ち神経 細. 胞 は 各 段 階 の 変 性 を 示 し,神 経 細 胞 の 膨 化, 随 伴 細 胞 の 増 殖 と浮 腫 様 変 化,神. 経 膠 細胞 の. れ は3週 後 に は 全 く正 常 に 回 復 す. 裏 書 して い る. 私 は 先 に 第1編,及. び 第2編 に お い て,起.
(3) 諸種脳腫脹におけ る脳皮質含水量並に無機物質含 有量及び病理学的……云々. 2395. り方を異にす る諸種脳腫脹 の差異につ いて観 察 し,第1編. に お い て は,両. 第2章. 側 頸 静 脈結 紮 に. よ り急 性 脳 鬱 血 を 起 した 場 合,頸. 動 脈 内 に蒸. 溜水 を注 入 して 水 血 症 を 起 した 場 合,ま. た頭. 実 験 方 法. 猫 を使 用 して 第1,. 2編. と同 様 に5種 類 の. 操 作 に よ り脳 腫 脹 を お こ し た もの に つ き,そ. 部に強 い振 盪 を 与 え た 場 合 の 何 れ に お い て も,. の 皮 質 運 動 領 を 剔 除 し,病 理 学 的 所 見 を 観 察. 自由水 並 に 全 水 は 増 加 し,結 合 水 に は 変 化 を. し た.操 作 開 始 よ り屠 殺 まで の 時 間 は 同 様3. 認 めず,安 保13)のい わ ゆ る 浮 腫 型 の 変 化 を 示. 時 間 と し,慢 性 内 脳 水 腫 例 の み2ヶ. すの を認 め た.ま. 第1節. た 内脳 水 腫 例 では 脳 含水 量. の変化 を 認 め な か つ た.一. 方脳 に 高 温 を作 用. させ て起 つ た 脳 腫 脹 で は,か. え つ て 自 由 水,. 第1編. 実験材料並に脳組織片採取. と 同 様,体. 用 し,そ. 月 と し た.. 重2〜4kgの. 成熟 猫 を使. の 運 動 領 を 厚 さ 約0.5cm剔. 除 し,. 全水 の減 少 を 認 め,結 合 水 は 増 加 す る の を 認. 直 ち に 純 ア ル コ ー ル で 固 定 し た.運. めた.こ れ は 水 分 含 有 量 か ら み れ ば,安. Weed and. 保13). のいわ ゆ る腫 脹 型 の 変 化 で あ る と結 論 した. また第2編. に お い て は,こ. の脳 皮 質 内 無 機 物 質,と. れ ら各 々 の 場 合. くにNa,. Cl, Kの. し て,教. Clの. に減 少 す る の を 認 め,こ. Cl, Kと. も. の無 機 物 質 の異 同か. sigmoideus. 第2節. 標本作 製. 標 本 作 製 は 純 ア ル コ ー ル に3日 ル コ ー ル に2日. 間 固 定 し た 後,. 純 ク ロ ヽ ホ ル ム に40分. と結 論 した.ま. パ ラ フ ィン に12時. は,脳 内 無 機 物 質 に も変 動 を 認 め な か つ た. ,そ. こで 本 編 で は 組 織 学 的 所 見 か ら,こ れ ら. 間,無 30%及. ク ロ ヽ ホ ル ム ア ル コ ー ル に 各30分. ら も浮 腫 型 及 び 腫 脹 型 を 別 け 得 る も の で あ る た 慢 性 に お こつ た 内 脳 水 腫 で. posteriorを. 剔 除 し た.. 増 加 とKの 減 少 を. み,腫 脹 型 を と る も の に はNa,. 猫 脳 図 を参 考 と. 室 渡 辺30)の 記 載 に 従 い,薬 師 寺27)の. 実 験 と 同 じ くGyrus. 含 有 量 を 測定 し,水 分 含 量 よ りみ て 浮 腫 型 を とる も のに は, Na,. Langworthy29)の. 動 領は. 間 浸 漬 し,. 間 投 入 後 ク ロ ヽホ ル ム. 間 浸 漬 し た 後,軟. ラ フ ィ ン に そ れ ぞ れ2時 て,パ. 水 ア び60%. 及び 硬 パ. 間 及 び1時. 間浸 漬 し. ラ フ ィン 包 埋 を 行 つ た 後 切 片 と し た.. 各 脳 腫 脹 の 間 の 差 異 に つ い て 観 察 し,含 水 量. 切 片 の 厚 さ は5μ. 並び に 無 機 物 質 含 量 の 上 か ら或 は 脳 浮 腫,或. 色 と ヘ マ ト キ シ リ ン ・ エ オ ジ ン 染 色 と を 行 い,. は脳 腫脹 と結 論 した もの に,病. 前 者 で 主 と し て 神 経 細 胞 の 変 化 を 見,後. 理学 的 に それ. らの特 徴 と され て い る 変 化 を 認 め 得 るな らば 一 層 これ らの 関 係 が 判 然 とす る も の で あ る と 考 え,本 実 験 を 試 み た.し. 第3章 第1節. 量 測定 上 採 用 した 時 間 は 短 時 間 で あ り,組 織. は非 常 に 軽 度 で あ つ た.そ. 胞 変化 等. こで 私 は,脳. の水. 写 真1及. る.皮. 周囲 腔,即. Lamina. 腔. 者で. 予 備 実 験. 正常猫脳 の組織像. び2に. 示 す 如 く,運. 動 領 を見 るに. 表 面 は蜘 網膜 及 び 軟膜 間に 蜘 網膜 下腔 を 認 め. 分 潴溜 に よ つ て お こ る 限 局 性 変 化 で あ る血 管 ち い わ ゆ るVirchow‑Robin氏. 色 は ニ ッス ル 染. は 主 と し て 浮 腫 性 変 化 を 見 る こ と ゝ し た.. か しな が ら,含 水. 学的 変化 が 充 分 表 れ るに 至 らず,細. と し た.染. 質 の 細 胞 構 築 像 は,表 zonalis,外. 面 よ り帯 状 層. 顆 粒 層Lam.. granularis. 並に 神 経 細 胞 周 囲 腔 の 拡 張 と,瀰 漫 性 の 基 質. externa,錐. の稀 薄 化 の 程 度 を比 較 す る こ と ゝ し,こ れ を. supramarginalis,内. 浮腫性 変 化 と し て 一 括 し,神 経 細 胞 の 変 性 で. interna,神. は主 と して ニ ッス ル 顆 粒 の 変 化 と細 胞 の 膨 化. 多 形 細 胞 層Lam.. 並に 核 の 変 性 の 度 を 基 準 と し,各 々 の 場 合 に. る が,運. つ い て 観 察 す る こ と ゝし た.. 薬 師 寺27)の 言 う如 く猫 で は 帯 状 層 は 広 く,第 2,. 3,. 体 細 胞 層Lam.. pyramidalis. 顆 粒 層Lam.. 経 節 細 胞 層Lam.. granul.. ganglionaris,. multiformisの6層. に 別れ. 動 領 で は 内 顆 粒 層 を 欠 如 し て お り,. 5層. の 限 界 は 不 明 瞭 で あ る.帯. 状層に. は 神 経 膠 細 胞 と少 数 の 神 経 細 胞 を 認 め る.顆.
(4) 2396. 大. 藤. 粒 層 の 神 経 細 胞 は 円 形 乃 至 楕 円 形 で,胞. 体は. 弘. 度 の も の を(〓)と. チ オ ニ ン に 淡 染 し,神 経 突 起 は 明 瞭 で 核 膜 は 明 瞭,核. は 中 心 に 位 置 す る.第5層. 細 胞 層 は い わ ゆ るBetz氏 で,菱 形,錐. の神 経 節. 細 胞 の あ る と ころ. 体 形,長 不 正 形 の 大 き い 神 経 細. 第3節 先 に 第1編. した.. 中脳 導水管閉塞所見 に お い て記 載 した 如 く,内 脳 水. 腫 を 起 す 目的 で 中 脳 導 水 管 に 綿 栓 を 施 し, 2 ヶ 月後 実 験 に 供 し た の で あ るが,こ. の場 合 の. 胞 が 並 び,樹 枝 状 突 起 は 明 瞭 に チ オ ニ ンに 染. 中 脳 導 水 管 の 組 織 所 見 を 観 察 した.即 ち 閉 塞. つ て い る.神 経 突 起 の 根 部 も チ オ ニ ン染 色 性. 部 を 綿 栓 と ゝも に 切 出 しア ル コー ル 固定 と し,. を 示 し て い る.ニ. 第2章. ッス ル 顆 粒 は 明 か に 虎 斑 状. 第2節. に 従 い パ ラ フ ィン切 片 と し,ヘ. に 染 つ て い る.核 は 胞 体 の 中 央 に 位 置 し比 較. マ トキ シ リン ・エ オ ジ ン 染 色 で 鏡 検 した .即. 的 大 き く,円 形 乃 至 類 円 形 で,核 膜 は 明 瞭,. ち 写 真7に. 核 小 体 も比 較 的 大 き くチ オニ ンに 濃 染 して い. 破 壊 消 失 し,上 衣 下 細 胞 や そ の附 近 の 神 経 膠. る.核 の ク ロ マ チ ン は 極 め て 少 く淡 い.ク. 細 胞 が 著 し く増 殖 し て 綿 栓 繊 維 の 間 に 侵 入 し,. ロ. 示 す 如 く,綿 栓 局 所 の 上 衣 細 胞 は. マ チ ン 索 は 微 細 網 状 乃 至 顆 粒 状 を 呈 して い る.. 器 質 化 の 機 転 が 認 め られ る.即 ち 増 殖 侵 入 し. 随 伴 細 胞 は 一 般 に 多 く,こ れ は 薬 師 寺27)も認. た 膠 細 胞 は,細 胞 体 の腫 大 したPlasmatische. め,猫. Gliaや. の 特 性 で あ ろ う と い つ て い る.第6層. 巨 大 細 胞 の 形 成 を 伴 い,或 は さ らに. の 多 形 細 胞 層 に は や ゝ丸 味 を お び た 菱 形,錐. 小 円 形 細 胞 の 浸 潤 を 伴 つ て綿 繊 維 を 被 包 し,. 体 形,多. 角 形 の 細 胞 が 並 ん で い る.こ. 或 は 破 壊 した 綿 繊 維 内 に 侵 入 し,こ れ を 吸 收. は 第3層. の 神 経 細 胞 よ りや ゝ小 さ い.胞. の細胞 体は. 処 理 し よ う とす る機 転 が 見 られ る.ま た 著 し. チ オニ ンで 微 細 顆 粒 状 に 染 り,核 は 中央 に 位. い 膠 繊 維 の 増 生 を 伴 い,器 質 化 組 織 の硬 化 が. 置 し,円 形 乃 至 類 円 形 で ク ロ マ チ ンは 淡 く,. 見 られ る.以 上 の 所 見 は 実 験 的 内 脳 水 腫 発 生. 微 細 顆 粒 状 を 呈 し,核 小 体 は チ オ ニ ンに 濃 く. の 目的 で,中 脳 導 水 管 内 に 挿 入 した 綿 栓 が 漸. 染 つ て い る.髄 質 で 神 経 膠 細 胞 が 神 経 繊 維 の. 次 器 質 化 の 機 転 に よ り,膠 組 織 に 置 換 され,. 走 行 に 一 致 し て い る 所 で は,多. そ の 閉 塞 を 来 し,よ. 数 列 を な し,. 横 断 され て い る と こ ろ で は 輪 状 に 並 ん で い る.. 第2節. の と解 せ られ る.な お 写 真6は. 第4章. 経 細 胞 の 変 性 に つ い て は そ の形 態 学. 的 変 化 の 程 度 を,細. 胞 体 膨 化,ニ. の 変 化 及 び 核 の 変 化 に つ い て,軽 等 度(+),中. 等 強 度(〓)及. ッス ル 顆 粒. 第1節. 実 験 成 績. 両側頸静脈結紮例. 両側頸静脈を結紮 し,急 性脳鬱血を起 させ. 度(±),中. た皮質運動領の組織学的 変化を模型的に表示. び 高 度(〓). に 分 類 した.. すれば第1表 の如 くである.. 細 胞 体 膨 化 の 中 等 度(+)と き も の で あ る.ニ. は 写 真3の. 如. ッス ル 顆 粒 の 変 化 も写 真3,. 肉 眼 的 所 見: られ,脳. 容 積 増大 は軽度 に全 例に見. 表 面 は や ゝ充 血 性 で,脳 の 硬 度 は や. 4の 如 く微 細 顆 粒 状 を 呈 す る もの を(+)と. ゝ低 下 して 湿 潤,光. し,さ. 度 は 殆 ど正 常 で あ つ た.. らに(±)及. 核 の 変 化 で は 写 真3, もの を(+)と. び(〓)の. 基 準 を 設 け,. 4の 如 く腫 脹 の 明 か な. し た が,核. に は かえ つ て萎縮. 組 織 学 的 所 見:. 腫 を 認 め た.そ. 宜 上 この 中 に 含 め た.ま. 度(±)で(+)の. はVirchow‑Robin氏. た 浮 腫 性 変 化 と して. 腔 の 拡 大 を 目標 と し,. 如 き程 度 の もの を(+)と. 拡 大 の よ り軽 度 の も の を(±)と. し,そ の し,よ. り高. 沢 の 傾 向 が あ るが,粘 稠. 10例 中2例 に は 殆 ど変化. を 認 め な か つ た が,他. し た もの もわ ず か な が ら あ つ た が,こ れ も便. 写 真5の. 中脳 導 水 管 正. 常 像 を 示 す.. 組織学的変化 の基準. すべ て の実験 成 績 を比 較 す る上に 便宜 な よ うに,神. く実 験 の 目的 を 達 した も. の8例 に は 脳 実 質 の 浮. の程 度 は 中等 度(+)乃. もの は3例 で あ つ た.神. 経 細 胞 の 変 性 は 軽 度 で,ニ 度 に 止 る もの が7例. 至軽. ッスル 小 体 崩 壊 程. で, 1例 に 細 胞 体 腫 脹,. 核 の 腫 大 を 認 め た.こ. の1例 は 脳 実 質 の浮 腫.
(5) 諸種脳腫脹における脳皮質含水量並に無 機物質含有量及び病理学的 ……云 々 第1表. も中等 度 の も の で あ つ た.脳 め て い な い2例. に は,神. 両 側 頸 静 脈 結 紮 例. 実 質 の浮 腫 を認. 第2節. 経 細胞 の 変性 は 全 く. 頸動脈内蒸溜水注入例. 頸 動 脈 内 に 蒸 溜 水pro. 認 め られ な か つ た.. kg 20ccを. 注 入 し3. 時 間 後 の 成 績 を 模 型 的 に 表 示 す れ ば 第2表. 第2表. の. 頸 動 脈 内 蒸 溜 水 注 入 例. ル 小 体 崩 壊 程 度 に 止 る神 経 細 胞 の 変 性 を 認 め,. 如 くで あ る.. 肉 眼 的 所 見:. 容 積 増 大 は 殆 ど全 例 に 見 ら. れ,脳 の硬 度 は 低 下 し,湿 潤,光 粘 稠 度 は 殆 ど正 常,仮. 内1例. 組 織 学 的 所 見:. 沢 が あ り,. 性 波 動 あ り,脳 表 面 は. もの が3例. も の が2例,中. で,他. の5例. で あ つ た. 第3節. 等度. で,. 開 頭 後 頭 部 に 強 振 盪 を 与 え て3時. は 軽 度(±). す れ ば 第3表. 5例 に ニ ッス. 第3表. 頭. 頭部振盪例. した もの に つ い て,そ. で あ つ た.神 経 細 胞 の 変 性 は 割 合 に 軽 く,核 の腫 大 を 認 め た も の は1例. 等 度 の 細 胞 体 腫 大 と中 等 度 乃 至. 軽 度 の ニ ッス ル 小 体 崩 壊 を 認 め る もの が2例. 全 例 に脳 実 質 の浮 腫 を 認. め,中 等 度 以 上(〓)の. で は と くに ニ ッス ル 小 体 は 微 細 顆 粒 状. で あ つ た.中. 充 血 な く,か え つ て 蒼 白 で あ つ た.. (+)の. 2397. の 如 くで あ る.. 肉 眼 的 所 見:. 部. 振. 盪. 間 を経過. の成 績 を模 型 的に 表 示. 脳 質 腫 大 は 明 か に 見 られ,. 例. 脳 表 面 は 湿 潤 で,硬. 度 低 下 の 傾 向 を 認 め た.. 実 験 例 で は 神 経 細 胞 の 変 化 が 割 合強 い感 じで,. 粘 稠 度 は 正常 で,脳. 表 面 に は か な り充 血 を 認. ニ ッス ル 小 体 崩 壊 程 度 に 止 る も の が2例. ニ ッス ル 小 体 崩 壊 と 細 胞 体 腫 脹 を 認 め る も の. めた. 組 織 学 的 所 見:. 10例 中2例. を認 め て い な い が,他 腫 を 認 め,そ 4例 で,他. で,. の8例. に は 殆 ど変 化. に は脳 実質 の浮. の 程 度 は 中 等 度(+)の. の4例. は 軽 度(±)で. もの が あ つ た.本. が2例. あ り,中 等 度(+)の. もの が4例. で,こ. 核 の変化 を伴 う. の 中1例 に は と くに 細 胞 体. 腫 脹 が 高 度(〓)で. あ つ た.脳. 実 質 の浮 腫 が. 明 か で な か つ た2例. に は,神 経 細 胞 の 変 性 も.
(6) 2398. 大. 藤. 弘. 認 め られなかつた.. 部 に 灌 注 した もの10例 に つ い て,. 3時 間 後 の. 第4節. 成 績 を 模 型 的 に 表 示 す れ ば 第4表. の如 くで あ. 高温生理的食塩水灌注 例. る.. 運動 領を開頭 し,高 温生理的食塩水 をこの 第4表. 肉 眼 的 所 見:. 高温生理的食塩水灌注例. 脳 脱 は 著 明 に 見 られ,脳. は 浅 く,表 面 の 充 血 は 著 明 で,硬. 溝. 度 で,全. 度 は や ゝ増. 体 崩 壊 の 中等 度(+)の の も の3例 で,軽. 加 し,粘 稠 度 もや ゝ増 加 の 傾 向 を認 め た. 組 織 学 的 所 見:. 本 実 験 で は 脳 実 質 の浮 腫. を 認 め た も の は 僅 か3例 (+)の. もの1例,軽. あ つ た が,他. で,程. 度(±)の. の7例. れ,頭. 内. 容 積増 大 は殆 ど全例 に 見 ら. 蓋 間 隙 は 狭 小 で あ つ た.し. か し脳 溝 が. や ゝ浅 く感 じ られ る も の ゝあ る ほ か は,肉 的 性 状 は 殆 ど正 常 で,少. 内脳 水腫 例. も の10例 に つ い て,そ す れ ば 第5表. 脳. 水. 数 の ものに脳 表 面 の. 腫. の成績 を模 型的 に表示. の 如 くで あ る.. 例. 度(〓)で,ま. た 細 胞 体 腫 脹 も中 等 度(+). に 認 め られ た. 第6節. 眼. 小. 括. 以 上 の 実 験 成 績 よ り,条 件 を 異 に して 発 生 した 各 種 の 脳 腫 脹 を 比 較 検 討 す るに,肉 眼 的. 萎 縮 を 認 め た. 組 織 学 的 所 見: 腫 を 認 め た が,大. 度 の 胞 体 腫 脹 の 認 め られ る. 中脳 導 水 管 を 閉 塞 し,内 脳 水 腫 を 起 させ た. れ に反 し神経 細 胞 の変性 は割 合 高. 肉 眼 的 所 見:. 度(±). た 核 の 変 化 は3例 に 中 等 度(+). 第5節. で. く浮 腫 を 認 め な. 第5表. もの7例,軽. に 認 め た.. に はVirchow‑Robin氏. 腔 の 拡 張 は 全 くみ られ ず,全 か つ た.こ. も の1例,ま. 度 は 中等 度 もの2例. 例 に これ を 認 め た.即 ち ニ ッス ル小. 10例 中5例. に脳 実質 の浮. に は 両 側 頸 静 脈 結 紮 例,頸 動 脈 内 蒸 溜 水 注 入 例,頭 部 振 盪 例 の何 れ に お い て も硬 度 は や ゝ. 体 に お い て 軽 度(±)で, もの は1例 に す ぎ な か つ た.. 低 下 し,表 面 は 湿 潤 光 沢 を 示 し,高 温 生 理 的. 神 経 細 胞 の 変 性 は 全 例 に 多 少 と も存 在 し,ニ. 食 塩 水 灌 注 例 で は 硬 度 や ゝ増 加 し,粘 稠 度 も. ッス ル 小 体 崩 壊 に 止 る もの が5例. 増加する傾向を認めた.内 脳水腫例では脳表. 中 等 度(+)の. も. 面 に 萎 縮 を認 め る もの が あ つ た 以外 は 殆 ど正. 経 細 胞 の 腫 脹 の 見 られ. 常 と変 りな か つ た.組 織 学 的 に は 浮 腫 性 変化. そ の程 度 は 中 等 度(+)で,軽 の が2例. で あ つ た.神. る も の は 半 数 で,程 度(±)で は1例. 度(±)の. 度 は 軽 度(±)乃. あ つ た.核. で,こ. で あ るが,. 至 中等. の 変 化 が 見 られ た もの. の 例 で は ニ ッス ル 小 体 崩 壊 も高. は 蒸 溜 水 注 入 例 に 最 も 多 く全 例 に 認 め られ, 次 で 振 盪 例,静 れ,程. 脈 結 紮 例 に 殆 ど全 例 に 認 め ら. 度 も蒸 溜 水 注 入 例 に 強 く認 め られ た..
(7) 諸種 脳腫脹 におけ る脳 皮質含水量並に無機物質含有量及び病理学的……云 々. 2399. 内脳 水 腫 例 に は 半 数 に 極 め て 軽 度 の 浮 腫 傾 向. の で は な い か と考 え,す で に 第1編. を認 め た.こ れ に 反 し高 温 生 理 的 食 塩 水 灌 注. 編 に お い て 水 分 含有 量 及 び 無 機 物 質 含 有 量 に. 例 で は, 3例 に 極 く軽 度 の 浮 腫 傾 向 を 認 め た. つ い て 観 察 した の で,木. に過 ぎず,他. の7例 に は 全 く この 変化 を 認 め. 並 に 組 織 学 的 所 見か ら,こ の 相 互 間 の 差 違 を. なか つ た.神. 経 細 胞 の 変 化 は,核. 求 め よ う と試 み た.. の変化 を伴. う如 き強 い 変 化 は 振 盪 例 に 最 も 多 く 見 られ4 例で,次 で 高 温 作 用 の3例 で,他 それ ぞ れ1例. の場 合に は. を み た に 過 ぎ な い.総. 及 び第2. 編 にお い て は肉眼 的. 先 づ 肉 眼 的 所 見で は,両 側 頸 静 脈 結 紮 例, 頸 動 脈 内 蒸 溜 水 注 入 例,頭. 部 振 盪 例 と もに,. じて 他 は. 脳 表 面 の充 血程 度 は個 々の場合 に 多少 相 違が. ニ ッスル 小 体 崩 壊 程 度 に 止 る 軽 度 の 細 胞 変化. あ り,蒸 溜 水 注 入 例 で は か え つ て 蒼 白 を 呈 し. を示 した に 過 ぎ な い.ま. た とい う点 を 除い て は,硬 度,湿. た 全 く神 経 細 胞 の 変. 潤 度,光. 沢. 化 を認 め て い な い も の は,頸. 静 脈 結 紮 例,蒸. と もに 大 体 一 致 した 所 見 を 呈 し,脳 浮 腫 の 肉. 溜 水 注 入 例,振 盪 例 に 各2例. づ つ あ つ た.. 眼 的 所 見 と し てReichardt16), Funfgeld18),. 第5章. 総括並に考按. の 記 載 と も よ く一 致 して い る.た. 瘍,炎. 症 等 に よ る 脳 圧 亢 進 が1885年Rieger31)に. Reichardt16)に. の 後1905年. Struwe20),. に至 り. よ り,組. つ い て は,諸 家 に よ り低 下 す る と記 載 され て い るが,私. は こ の 変 化 を 確 認 し得 ず,殆. 常 例 に 比 較 し て 変 化 を 認 め な か つ た.こ れ に. の 賛 意 を 得 た が,. 増 加 す る傾 向 を 認 め,硬 度 もや ゝ増 加 した 感. 説 は ま た これ に 反 す. が あ り,こ れ は 諸 家 に よ り脳 腫 脹 の 変 化 と し. ちRei. 織 間 隙 に 自 由水が 増 加. し た も の と 考 え ら れ た 脳 浮 腫 と,組. 織 内 固形. て あ げ られ て い る点 と一 致 す る も の で,こ. 次 に 組 織 学 的 所 見 に つ い て は, Scheinker24),. 物 質 が 組 織 水 と結 合 し て 膨 化 した と考 え られ た 脳 腫 脹 と は,理. 論 的 に は 明 確 に 分 ち 得 られ. れ て い るVirchow‑Robin氏. た の で あ る が,含. 水 量 の上 か ら もまた肉 眼的. て み れ ば,蒸. れ に 関 し て は 全 く正 反 対. の意 見 も 述 べ ら れ て い る の で あ る.. 安 保13)は 肉 眼 的 に い. わ ゆ る脳 腫 脹 を 脳 浮 腫,脳 3群 に 分 類 し,第1章. 腫 脹及 び移 行 型 の. に 記 した 如 くそ の 肉 眼. 的 所 見 を 詳 細 に 述 べ,ま. た 含 水 量 の点 か ら も. この3群 に 分 け う る こ と を 立 証 した.即 浮腫 で は 自 由 水,全. ち脳. 水 の 増 加 を 認 め,脳 腫 脹. で は結 合 水 の 増 加 及 び 自 由 水,全. 保13)等 に よ り脳 浮 腫 時 に 認 め ら 腔 の拡 大につい. 溜 水注入 例 に は全 例 に割 合高 度. に こ れ を 認 め,次. で 頭 部 振 盪 例,頸. 静脈 結 紮. 例 の 順 で 殆 ど 全 例 に こ の 変 化 が 証 明 で き,こ. そ の 後 我 国 に お い て も こ の 問 題 が 検 討 され る よ うに な り, 1950年. の. 場 合 は 確 か に 腫 脹 型 で あ る と考 え られ る.. Prados9),安. 所 見 に つ い て も,こ. ど正. 反 し,高 温 生 理 的 食 塩 水 灌 注 例 で は 粘 稠 度 の. Terplan19)等 Meynert21)の. ゞ粘 稠 度 に. Spatz17),. る も の で 一 致 し て い な か つ た.即 chardt16)に. よ. よ り この 脳 の 腫 大 は 肉 眼 的 に. 脳 浮 腫 と 脳 腫 脹 と に 分 類 さ れ, Funfgeld18),. 保13)等 が あ げ た. 項 目 に 一 致 す る もの で あ り,教 室 の薬 師 寺27). 脳 手 術 の 術 中 並 に 術 後 及 び 中 毒,腫. り脳 浮 腫 と命 名 さ れ,そ. Terplan19),安. Spatz17),. 水 の減 少 を. れ ら の 場 合 は い づ れ も脳 浮 腫 で あ る と考 え ら れ る.ま. た これ ら の 場 合 神 経 細 胞 の 変 化 は 振. 盪 例 に 割 合 強 く み られ,核 が 少 数 例 あ り,他 く,細. の変化 を伴 うもの. の例で は核 の変化 は殆 どな. 胞 体 腫 脹,ニ. ッ ス ル 小 体 崩 壊 に 止 る程. 度 の 軽 い 変 化 が み ら れ た,し か しSpielmeyer32) Gilda. and. Cobb33),. お こ つ た 場 合,或. Prados9)等. は脳 に貧 血 の. は 脳 を空 気 露 出 した 場 合 に. 認 め,移 行 型 は こ の 中 間 に 位 す る こ と を 証 明. み ら れ る 脳 浮 腫 時 に お い て は,多. 少 と も神 経. した.. 細 胞 の 変 化 が,或. 縮,或. さて 私 は 原 因 を 異 に し て作 つ た 脳 腫 脹 に つ. は 核 の 腫 脹,萎. 素 融 解 と い う 形 で 表 わ れ る と の べ,ま. い て,肉 眼 的 に は 殆 ど同 程 度 の 脳 質 腫 大 を 認. Jakob34),王. 丸35)等. め た 場 合 で も,そ の 間 に 何 等 か の 相 違 が あ る. 胞 の 浮 腫 性 変 化 が,中. は色 た. は強 い浮 腫 例に は 神経 細 心 性 色 質 融 解,空. 胞変.
(8) 2400. 大. 藤. 性 とい う形 で 表 わ れ る と い つ て い る .こ れ ら の 点 か ら考 え れ ば,私 の 実 験 で 脳 浮 腫 型 の も. 弘. て 考 察 す れ ば, Na,. Clの 増 加, Kの 減 少 は. 脳 浮 腫 の 際 の 変 化 で あ り, Na,. Cl及 びKす. の に 神 経 細 胞 の 変 化 が 出 現 して も決 して 不 都. べ て の 減 少 は脳 腫 脹 に み られ る もの で あ る と. 合 で は な く,こ れ ら の 場 合 血 管 周 囲 腔 の 拡 大. 考 え て 差 支 え な く,現 在 まで 浮 腫 型 と腫 脹 型. が,神. の 区 別 が 水 分 含 有 量,肉. 経 細 胞 の 変 化 に 比 して 著 明 で あ る点 か. らみ て,浮. 腫 型 の変 化 で あ る とい つ て 差 支 え. な い と思 う.. 化,或. は 尿 素 含 有 量 の 上 か ら の み な され て い. た の で あ るが,こ. ま た 高 温 生 理 的 食 塩 水 灌 注 例 で は,少. 数例. に 極 く軽 度 の 血 管 周 囲 腔 の 拡 大 が 認 め られ た. 眼的 並に組 織学的 変. れ に 加 う るにNa,. Cl, K等. 無 機 物 質 含有 量 の 上 か ら も区 別 され うる こ と を本 研 究 に よ り立 証 しえ た も の と考 え る.. も の が あ るが 大 多数 例 に は 欠 如 し,こ れ に 反. し か し て 慢 性 に お こ した 内 脳 水 腫 に よ る脳. して程 度 は割 合 に 軽 いが 全例 に神 経 細 胞 の変. 腫 脹 は 水 分 含 有 量 の点 か ら も,無 機 物 質 含 有. 性 を 認 め,核. の 変 化 を も伴 う もの が 少 数 例 に. 量 の 点 か ら も全 く正 常 脳 と変 りな く,こ れ は. 認 め られ て お り,安 保13)が 腫 脹 型 の 変 化 の 特. い わ ゆ る脳 腫 脹 の 何 れ の 型 に も属 さな い脳 室. 徴 と し て 記 載 し て い る血 管 周 囲 腔 の 拡 張 の 消. 内 脳 脊 髄 液 潴 溜 に よ る単 な る脳 圧 亢 進 で あ る. 失,高. こ とを 確 か め る こ とが で き た.. 度 の 神 経 細 胞 変 化 と い う点 に 類 似 す る. と こ ろ が 多 く,肉 眼 的 所 見 を も参 考 と して 考 え れ ば,こ. の 場 合 は 腫 脹 型 とみ な して 差 支 え. 以 上 の 研 究 に よ り,従 来 脳 圧 亢 進 或 は いわ ゆ る脳 腫 脹 と し て取 扱 わ れ て い た もの ゝ うち. な い も の と思 わ れ る.私 の 実 験 で 神 経 細 胞 の. に は,種. 変 化 が 軽 度 で あ る の は,僅. り,そ れ ぞ れ が 含 水 量,無. か3時. 間 の実験 で. あ る た め と思 わ れ る.. こ とを 究 明 す る こ とが で き た.. 第6章. 経 細 胞 の 変 性 も軽 度 な. が ら 全 例 に 存 在 し,強 い て 考 え れ ば 浮 腫 型 と 腫 脹 型 の 中 間 を と る も の と も考 え られ る. に お い て,水 分 含 有 量 か ら これ. そ の 他 に よ り提 唱 され た 自 由 水,結. 合水 の 変. 動 を 基 に し て 観 察 し,頸 静 脈 結 紮 例,蒸 溜 水 注 入 例 及 び 頭 部 振 盪 例 で は 自 由水,全. 1). 水 の増. 見 及 び 組 織 学 的 変 化 に つ い て 観 察 した. 2). 両 側 頸 静 脈 結 紮,及. の 変 化 を 示 した. 3). 頭 部 振 盪 例 で は 浮 腫 型 の 変化 を認 め る. 理 的 食 塩 水 灌 注 例 で は 自 由水 の減 少,結. あ つ た.. 合水. の 増 加 を 認 め,腫 脹 型 を と る もの で あ る と考 の水 分 含有 量 に よる区別 は 肉眼 的. 並 に 組 織 学 的 所 見 と もほ ゞ一 致 す る も の で あ. 静 脈 結 紮 例,. 加 とKの 減 少 を 認 め,高. Clの. の 場 合 は 神 経 細 胞 の 変 性 も相 当高 度 で. 以 上 の 浮 腫 型 変 化 は 蒸 溜 水 注 入 例 に最. も程 度 が 強 く,神 経 細 胞 の 変化 は振 盪 例 に 強 か つ た. 慢性 に 惹 起せ しめた内脳 水腫 例で は僅. に 浮 腫 傾 向 を 示 し,ま た 細 胞 の 変性 も割 合 に. で は これ ら各 場 合 のNa,. 蒸 溜 水 注 入 例,頭 部 振 盪 例 で はNa,. 例 で は,こ. 4). 5). つ た.. び頸動 脈 内蒸溜水. 注 入 に よ りお こつ た脳 腫 脹 の 所 見 は,浮 腫 型. が,こ. Cl, K含 有 量 に つ い て 検 し,頸. 論. 異 つ た 操 作 に よ り,肉 眼 的 に ほ ゞ同程. 加 を 認 め,浮 腫 型 を と る も の で あ り,高 温 生. な お ま た 第2編. 結. 度 の 脳 質 腫 大 を 起 した 猫 脳 運 動 領 の 肉 眼 的 所. ら 原 因 を 異 に す る 諸 種 脳 腫 脹 に つ い て 安 保13). え た が,こ. び病理. 管 周 囲 腔 の 拡 張 も軽 度 で は あ る. が 半 数 に 認 め られ,神. 私 は 第1編. 機 物 質,及. 学 的 所 見 の点 よ り本 質 的 に 異 な る もの で あ る. ま た 内 脳 水 腫 例 で は そ の 実 験 期 間 も長 か つ た 関 係 か,血. 々 な る原 因 に よ る も の が 混 在 し てお. 増. 温生 理的 食 塩 水灌 注. の 何 れ も減 少 す る こ とを 認 め た が,. 上 述 の水 分含 有量 並 に組 織 学的 変 化 とあわ せ. 強 か つ た が,こ れ は他 の 例 に 比 して 長 期 間 を 要 した ゝめ と思 わ れ る. 6). 高 温生 理的 食塩 水 灌注 例で は浮腫傾向. は 消 失 し,細 胞 変 化 が 割 合 に 強 く,腫 脹 型 の 傾 向 を 示 し た..
(9) 諸種 脳腫脹に事ける脳皮質含 水量並に無機物質含有量及び病理学的……云々 7). これ ら の 病 理 学 的 所 見 は 含 水 量 及 び 無. 稿を終 るに臨み終 始御懇 篤 な御 指 導 と御 校閲 を賜. 参 Godlee:中. 田:脳. 2). Cushing:. Intracranielle. 腫 瘍(1949)よ. 考. り 引 用.. Tumoren.. Berlin. (1935) 3). Amer.. Med.. Assoc.,. 4). Bailey:. Intracranial. tumors. 5). Sachs:. Internat. J.. Med.. 7). Echlin:安. Dtsch.. Parret 44. 9). Z.. (1933) a.. Nervenhk.,. 保:東. (1950)よ 8). Surg.,. 京. 138,. 11). Obrador:. 医 事 新. 誌,. 67,. 4,. u.. Selbach:. Arch.. Arch.. Neur.,. Dtsch.. 12). Marshall:. 13). 安 保:東. 14). Nieto‑Caso:. Psychiatr.,. 54,. Med.. 163. Wschr.,. Cerebral. 112,. (1945). 61,. Edema.. J.. 786. An.. Neurophysiol.,. 京 医 事 新 誌,. Selbach:. 16). Reichardt. Allg.. (1905), 75,. 34. 18). Funfgeld:. 19). Terplan:小. Meynert Jaburek. Z.. 3,. Arch.. よ り 引 用.. Z.. 谷:北. 9)よ. Z.. 10. 31. Klin.,. 24). Scheinker:. 25). Anton Handbuch. 34,. (1940) 62,. 海 道 医 学 雑 誌,. Greenfield. 27). 薬 師 寺:岡. 28). 三 宅:岡. 29). Weed a.. 30). 渡 辺:岡. Z.. 31). Rieger:. 1. 172. 518. Nervenhk.,. v.. patholog.. Flatau.. Jacob.. 62,. (1936). 147,. 137. 32). 辺30)よ. 35). d.. Minor,. Gilda. Eine Jena. 65,. 1435. 65,. 1459. (1953) (1953) 87. Exakte. 64,. 1551. (1952). Methode. Gustav. d.. Cranio. Fischer. (1885),. Chirurgie. 3,. auf. り 引 用. Histopathology Berlin a.. 876. Cobb:. d.. Nerven. (1922) Arch.. Neur.. u.. Psychiatr.,. (1930). Jakob:. 王 丸:久. (1939). り 引 用.. 山 医 学 会 雑 誌,. Spielmeyer:. hirns,. (1947). u.. Langworthy: Fmbryology,. systems,. 34). Anatom.. 129. 山 医 学 会 雑 誌, 山 医 学 会 雑 誌,. graphie,. 787. (1938). 104,. d.. Brain,. (1926),渡. 23,. 23,. 140,. (1940). 26). (1922) 1144. Neur.,. Psychiatr.,. Dtsch.. Berlin. 33) 261. Arch.. (1948)よ. Psychiatr.,. (1931). り 引 用.. Never: Z.. Kirschner‑Nordmann:. 409. 503. 23)よ. Nervensyst.. (1950). 112,. 133,. (1938). (1951). (1919) 77,. Jaburek:. り 引 用.. Psychiatr.,. Neur., Med.. 4,. 153. Neur.,. u.. 23). (1935). Med.,. 14,. 67,. Prados. 15). Spatz:. 21). 10. (1942). 17). Struwe:. 180 (1935). り 引 用.. Prados: Hoff. 20). 46,. (1940). 10). 献. (1932). (1933). Cains:. 文. 101. 772. (1933). 6). 講 師 に 深 く感 謝 す る.. 22) Schluter. Dandy: J.. 567. つ た 恩 師 陣 内敎 極 に 深 甚 な る謝 意 を 表 す る と 共 に, 種 々御 教 示戴 い た病 理 学 小 田 助 教 授 並 に 前敎 室 榊 原. 機物 質 含 有 量 と よ く一 致 す る.. 1). 2401. Anat. 1. u. Histopathology. d.. (1927) 留 米 医 学 雑 誌,. 9,. 78. (1946). Gross. 2.
(10) 2402. 大. 藤. 弘. First Dept. of Surgery, Univ. of Okayama. School of Medicine. (Director: Prof. Dr. D. Jinnai) Experimental. study. of the cortex Part. Ⅲ.. motor. on. the water. content,. of cats' brain. with. Experimental. cortex. study. on. of cats' brain. with. minerals various. the. and. kinds. pathological. various. kinds. pathological. of brain. edema. changes. of. of brain. changes. the. edema. by. Hiroshi Ofuji. The writer investigated the motor cortexmacroscopically and microscopically. An edematous change was observed in the cases of brain edema caused by ligationof the bilateraljugular veins,injectionof destilledwater intothe carotidartery. In the casesof brain edema caused by experimentalcommotio cerebri,degenerationof the nerve cellswas considerablymarked besidesthe edematous change. Thus the edematous change was most strikingin those with injection of destilledwater into the carotidartery, while the degenerationof the nerve cellswas marked in those with commotio cerebri. In the cases with experimentalchronic internalhydrocephalus, the edematous change was slight,but the degenerationwas relativelymarked. This seems to be due to the longer experimentalperiod for the hydrocephalusthan others. In the cases of brain edema caused by irrigationof warm physiologicsalinesolution upon the surfaceof brain, the edematous change couldn'tbe observed, but degenerationwas marked, thus the swellingtype was seen. These pathologicalfindings are understood to correspondto the changes of the water content and the minerals..
(11) 諸種脳腫脹 におけ る脳皮質含水量並に無機物質含有量及び病理学的……云々. 大 藤. 写 真:. 写 真:. 2. 正 常 神 経 細 胞Nissl染. 1. 論 文. 附 図. 正 常 猫 脳 運 動 領Nissl染. 色280×. 色50×. 写 真:. 3. Nissl染 色280×. 2403.
(12) 2404. 大. 大. 写 真:. 写 真:. 6. 4. Nissl染. 中 脳 導 水 管 正 常 像H.. 藤. 藤 論 文. 色280×. E.染. 弘. 附. 図. 写 真:. 色100×. 写 真:. 5. 7. H. E.染. 閉 塞 像H.. 色150×. E.染. 色100×.
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