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厚生労働科学研究費補助金(健康安全・危機管理対策総合研究事業)
分担研究報告書
地域特性に応じた保健活動推進ガイドラインのための知識基盤の構築に関する研究
研究代表者 麻原 きよみ 聖路加国際大学大学院看護学研究科 教授 研究協力者 梅田 麻希 聖路加国際大学大学院看護学研究科 准教授 小林 真朝 聖路加国際大学大学院看護学研究科 准教授 三森 寧子 聖路加国際大学大学院看護学研究科 助教 永井 智子 聖路加国際大学大学院看護学研究科 助教 小西 美香子 横浜市総務局 課長
佐川 きよみ 葛飾区健康部 係長
須藤 裕子 小鹿野町保健福祉センター 主査 稲垣 晃子 聖路加国際大学 臨時助教 渡辺 真弓 聖路加国際大学 臨時助教
A. 研究目的
本研究は、「地域における保健師の保健活動に関 する指針」を実用化するための「地域特性に応じた保 健活動推進ガイドラインの開発」の一段階として、知 識基盤の構築を行うことを目的として実施した。研究 は、①ガイドラインで用いる主要用語の定義を確定 するためのデルファイ調査(以降「デルファイ調査」)、
②地区活動に関する実態調査(以降「実態調査」)か ら成る。①の目的はガイドラインで使用する用語の定 義を明らかにすることであり、その定義の元となるエビ デンスの収集を行う。②の目的は、地区を意識した保 健活動や地区活動(地区担当制、業務担当制など)
の実態を把握するとともに、その関連要因を明らかに することである。
B. 研究方法
1. デルファイ調査
ガイドラインで用いる主要用語の定義を確定 するためにデルファイ調査を2段階に分けて実 施した。本研究で合意形成をめざす用語は、他職 種と協働して活動する際に用いるものである。よ って、調査対象は、全国の自治体に所属する保健 師責任者と事務職、保健師教育機関の公衆衛生看 護学教育責任者、社会福祉協議会職員、各 200 名、
計 800 名とした。調査した用語は、地域、地区、政 策、施策、施策化、事業、事業化、保健師人材育成、
地域診断、PDCA サイクル、地域ケアシステム、地域 ケアシステムの構築、健康課題、地区担当制、業務 担当制、保健師による地区活動、保健サービス、保 健活動、保健事業、統括的な役割を担う保健師、ソ 研究要旨:本分担研究は、「地域における保健師の保健活動に関する指針」の実用化を進め るために、「地域特性に応じた保健活動推進ガイドライン」の知識基盤構築を目的としてい る。本年度は、①デルファイ調査を行い、ガイドラインで用いる主要用語の定義を確定した、
②地区活動に関する実態調査を行い、分析に向けた準備を行っている。実態調査については 調査票の回収途中である。
6 ーシャルキャピタル、地域特性、まちづくり/地域づく りである。
評価項目は、1 回目調査においては、適合度、
使用頻度、重要度、意見とし、2 回目調査では、
適 合 度 と し た 。 適 合 度 は Sumision ( 1998) と Ziglio(1996)の水準に基づき、同意率を 70%以上 とした。評価基準は以下の通りである。
・ 適合の有無:用語と定義の適合度(同意・ど ちらかといえば同意・どちらかといえば同意 しない・同意しない)
・ 使用頻度:日常活動において当該用語をどの 位使うか(よく使う・どきどき使う・あまり 使わない・まったく使わない)
・ 重要度:日常活動における用語の重要度(非 常に重要・重要・それほど重要でない・重要 でない)
・ 意見:「適していない」とした理由、修正案、
代替案など
2.実態調査
全国的な保健師の地区活動の実態及び効果を 明らかにするために質問紙調査を行った。文献と 保健師へのヒヤリングに基づき、調査票を作成し た。
調査票は、保健師管理者用、保健師個人用の 2 種類を作成した。調査票の内容は、下記の通りで ある。
・保健師管理者調査票
自治体の人口、自治体の組織体制(常勤保健師 数、地区分割方法、現在の体制のメリットなど)、 自治体における地区活動に関する情報(地区活 動を推進する取り組み、地区活動の平均時間数 など)
・保健師個人調査票
個人の情報、所属組織(自治体の種類、所属機 関の種類、所属部門、業務体制)、地区活動に 関する情報(担当地区の人口規模、地域/地区
活動の体制・方法など)、アウトカムに関する 尺度(「行政保健師の職業的アイデンティティ 尺度」、「保健師の道徳的能力質問紙」など)
調査対象は、全国分布を反映したサンプリング を確保するために自治体規模別(人口 50 万以上、
20 万以上 50 万未満、5 万以上 20 万未満、5 万未 満)に対象となる保健師数を算出した。予定回収 数は 1570 名(62 自治体)であり、対象数に達す るまで、自治体のサンプリングと依頼を行った。
選定した施設に調査協力の文書を送付し、調査 協力の同意が得られた自治体に調査票を送付し た。
C. 研究結果
1. デルファイ調査
1 回目の調査は、2017 年 6 月〜7 月に実施し、
回収数は 230 名(28.8%)であった。回答者の所 属は、自治体 48.7%、教育機関 31.3%、社会福 祉協議会 20.0%であった。職種は、保健師 32.2%、
教員 29.1%、事務職 33.9%、その他 4.8%であっ た。各用語の定義の適合度(同意・どちらかとい えば同意の割合)は、最小 84.2%、最大 96.9%
であり、平均値は 91.4%であった。自由記載に基 づき、用語の定義を修正し、2 回目の調査を行っ た。
2 回目の調査は、2017 年 9 月に実施した。1 回 目調査時に 2 回目調査票送付に同意が得られた対 象 者 117 名 に 対 し 実 施 し 、 回 収 数 は 90 名
(76.9%%)であった。回答者の所属は、自治体 39.3%、教育機関 41.6%、社会福祉協議会 19.1%
であった。職種は、保健師 24.1%、事務職 29.9%、
教員 41.4%、その他 4.6%であった。各用語の定 義の適合度(同意・どちらかといえば同意の割合)
は、最小 86.7%、最大 98.9%であり、平均値は 94.6%であった。適合度や自由記載に基づいて再 度定義を修正し、確定した。
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2. 実態調査
協力依頼を送付し、研究協力の同意が得られた 2,021 名(52 自治体)に調査票を送付した。2018 年 5 月を目途に回収し、分析を行う予定である。
D. 考察
地域特性に応じた保健活動推進ガイドライン の開発のための知識基盤の構築のために、デルフ ァイ調査、実態調査の 2 つの調査を行った。デル ファィ調査では、昨年度、作成した用語の定義
(案)について、二段階の調査を実施し、ガイド ラインで用いる主要用語の定義を確定した。
実態調査では、全国的な保健師の地区活動の実 態及び効果を明らかにするために質問紙調査を 行い、現在、調査票の回収を行っており、分析に 向けた準備を進めている。来年度は最終年度であ るため研究計画に支障がないよう進めたい。
本研究で明らかになった知見を、「地域診断お よび保健活動評価モデルとツールの開発に関す る研究」班で生かすと共に、エビデンスに基づく 用語の定義や地区活動の効果、および保健師活動 体制のあり方としてガイドラインに盛り込む予 定である。
E. 結論
本研究では今年度、「地域特性に応じた保健活 動推進ガイドラインの開発」の知識基盤の構築を 目的とし、①ガイドラインで用いる主要用語の定 義を確定するためのデルファイ調査、②地区活動 に関する実態調査を行った。デルファイ調査では、
用語の定義を確定した。実態調査では、質問紙調 査を実施し、調査票の回収を行っている段階であ る。
引用文献
Sumsion. T. (1998): The Delphi technique an adaptive research tool, British Journal of Occupational Therapy, 61(4), 153‑156.
Ziglio, E. (1996): The Delphi methods and its contribution to decision‑making, In M. Adler
& E. Zigio (Eds.), Gazing Into the Oracle: The Delphi method and its application to social policy and public health, 24‑33, NY: Jessica Kingsley Publishers, New York.
F. 健康危機情報
総括研究報告書による
G. 研究発表
1. 論文発表 なし 2. 学会発表 なし
H. 知的財産権の出願・登録状況 1. 特許取得 なし
2. 実用新案登録 なし 3. その他 なし
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