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「もったいない」日赤血の返品問題を考える

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Academic year: 2021

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【編集者への手紙】 Letter to the Editor

「もったいない」日赤血の返品問題を考える

清水 勝

最近,東京都赤十字血液センターから,「血液製剤の 返品取扱の廃止について」との通知が各医療機関宛に 出され,その徹底を図るという.血液センターが返品 を認めない方針の根拠は,GMP と PL 法にあると理解 しているが,実態は,返品血液の質に関する管理責任 上の問題と返品された血液代金の負担の問題とに集約 されるであろう.

常時十分な量の血液を供給できるように血液事業を 運営して行くためには,ある程度の余剰を見込み,そ の分が廃棄されることはやむを得ないが,それには血 液センターの需要に見合った採血計画の実施と,医療 機関での血液準備量を適正にする努力が必要とされる.

現在,血液センターから医療機関に出庫された血液 は,保管状態を保証できないとして,例え返品されて も他の医療機関へ再出庫はせず,廃棄処分にしている と聞く.この廃棄血問題を論ずるには,先ず血液セン ターあるいは医療機関で廃棄されている血液量を具体 的に知る必要がある.しかし,残念ながら公表されて いる日赤の 血液事業の現状 あるいは厚労省の 血 液事業報告 からは,正確な廃棄量を読取ることが出 来ない.血液センターには採血血液の原因別廃棄数を 公表し,さらに医療機関の協力をえて,全国各施設の 廃棄数(血液センターへの返品も含む)を調査し1),実 態を経年的に公開することを望みたい.

最近は,血液の保管管理を血液センター並みに行なっ ている医療機関も増えている.このような施設につい ては,血液センターの観点から管理状況を点検・評価 し,適正であれば未出庫血の返品を認め,他施設に転 用して有効利用することを検討すべきであろう.また,

血液センターの機能集約化により,地方の医療機関に

は従来以上に緊急時の供給を危惧する声もある.その 対策には,以前行われていたように特定の医療機関内 に血液を備蓄し,周辺の施設にも供給することも検討 に値する.血液センターは該当する医療機関での血液 製剤の保管管理状況などをチェックし,供給を受ける 周辺の医療機関をも含めて備蓄契約を行うことを推進 すべきであろう.

返品に関する血液代金については,血液事業は地域 における相互扶助に基づく社会福祉事業との認識から は,医療機関での適正使用を前提に,三方一両損(医 療機関,血液センター,地方行政)の負担を考えるべ きであろう.医療機関での血液の管理状況や適正使用 の実態の点検・評価には,各地の献血推進協議会や合 同輸血療法委員会などの役割にすることも考えられる.

今後の血液事業の行く末を考えると,血液センター から供給された未使用血について,都立病院間の余剰 血の相互利用の試み2)はあるものの,画一的に総て廃棄 処分にすることは,余りにも「もったいなく」智恵が なさすぎ,献血者に対しても申し開きし難いことであ ろう.関係者各位の積極的な取組みを期待したい.

1)神白和正,比留間潔,奥山美樹,他:都立 7 病院におけ る血液製剤の廃棄理由の調査と有効利用の可能性.日本 輸血細胞治療学会誌,55:313, 2009.

2)寺谷美雪,神白和正,比留間潔,他:血液製剤の有効利 用に関する研究について(その 2)―病院間における輸 血用血液の有効利用―.日本輸血細胞治療学会誌,54:

215, 2008.

医療法人西城病院内科・検査室

〔受付日:2009 年 8 月 14 日,受理日:2009 年 10 月 6 日〕

Japanese Journal of Transfusion and Cell Therapy, Vol. 56. No. 1 561):7273, 2010

(2)

日本輸血細胞治療学会誌 第56巻 第1 73

TOO GOOD TO WASTE! HOW TO SAVE RETURNED RED CROSS BLOOD?

Masaru Shimizu

Department of Internal Medicine, Saiki Hospital

Keywords:

wasted blood, blood cost, GMP, product liability law

!2010 The Japan Society of Transfusion Medicine and Cell Therapy Journal Web Site: http:!!www.yuketsu.gr.jp

参照

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