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Kyushu University Institutional Repository
水稲慣行収穫法の地域性とその成立要因に関する研 究(大分県・要旨)
立野, 喜代太
九州大学農学部
古賀, 茂男
九州大学農学部
https://doi.org/10.15017/14125
出版情報:九州大学農学部農場研究資料. 4, pp.53-57, 1977-06. 九州大学農学部附属農場 バージョン:
権利関係:
55
水稲慣行収穫法の地域性とその成立要因 に関する研究 (大分県)
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t 調査地帯区分
7地帯に分けて調査をまとめた。(1)県北:穀倉地帯である。(2)国東:耕地条件が悪い。(5)新産都
:大野川,大分川の下流一帯で地味=豊沃で生産力が高い。(4)県南:番匠川,臼杵川の下流で高い生 産力を示す水田もあるが,山間谷あいや海岸に散在する水田は生産力が最も低い。(5)竹田,大野:
米作中心地帯である。(6)久住,飯田:山間部で低温,日照不足や圃場の不整形など生産条件は悪い。
(7)日田,津江:久住,飯田同様,生産条件が不良である。
2.調査の結果
(1)刈取期:県南の早期栽培地帯の8月中旬刈取をのぞいては,10,月より11月上旬にかけ て刈取る。国東の一部では9月下旬にまたがる場合もある。
(2)鎌の形状:久住,飯田地帯でうす鎌が多く用いられる外は,全県的にのこ鎌が優位をしめ ている。
(3)手刈り:5〜6株を右から左へ刈取りながら前進する方法が一般的であるが,県北の山間
部や国東,竹田大野の一部では前後の2株を3〜4条刈取って前進するため,1回の刈株数は6〜
8株となる。また久住,飯田や竹田,大野の一部では同様の刈取り方法で5条を刈取るため10株
になっている。このような地域による刈株数の変動は,当該地域の株ばりや収量の良否とも関連し ていると考えられる。新産都の日出,別府一帯では,刈取り方法が特異で,5〜6株を左から右へ 刈取って前進する。刈取った稲は左側にたおす。この方法は他地域では見られない。刈倒した稲は地干し地帯では5〜6株をまとめて置くか,2握り,または3握りを稲の根本を交差させて置く◎
架干し地帯では10〜15株をまとめて置き,結束の際の手間をはぶく。刈倒した株は左,右,う
しろ,穂先を向い合せる置き方がある。国東,新産都澄よび竹田大野の全部,県北,久住飯田の大.部分では左置きが,県南の全部,久住飯田,澄よび日田の一部では右置きが,県北の耶馬渓,山国 一帯ではうしろ置きが,また,久住飯田の一部,日田の大部分では穂を向い合せる置き方がみられ
る。
(4)刈株の高さ:全県にわたって全面低刈りが普通であるが,竹田,大野地帯では20〜50
%が全面高刈りで,特に竹田市では60〜70%をしめている。県北,国東の一部では刈取り最後
の株を高刈りにする。また,左から右へ刈取る日出,別府などでは左側最初の株を高刈りにしてい54 立野喜代太・古賀茂男
る。このようにして高刈りした刈株に,刈取った稲め根本を置いて地離しの効果を高めている。
(5)結束:材料はすべてわらであるが,地干し地帯の新自然,県南の全部・国東,県ヰヒ,竹田 大野の大部分,久住飯田の一部では,2〜5日地干ししたのちむすで(本県では般いいぜ が一般 的な呼称となっている。)で大束に結束する。日田の全部と久住飯田の大部分,および県北,国東,
竹田大野の一部では架干しにするため,小束に結束(15〜20株)する。架干し地帯では刈取り
後,当日のうちに結束する地域が多いが,耶馬渓地方のように刈りながら結束する場合も見られる。(6)乾燥法:地干し,田干し後 野積み,架干しの3つの方法がある。地細しは田面で2〜5 日間,刈取った稲を予乾する方法で,乾田地帯でもっぱら行なわれる。刈取った稲を1握りつつ田 面に置くのが普通であるが,2握りを根本で交差して置く地域もある(県南)。
また,県北,国東,新露都の半乾地帯の一部にみられるように,刈取り最後または最初の株を高 刈りにして,その上に稲体をのせて乾燥を促す様に工夫している。地干し後,野積みするのは県南 地帯や久住,飯田地帯の一部にみられ,丸小謡その他の方式がとられる。幽幽しは,3本組(また
は2本組)の支柱を2〜5m間隔にたて,その上に横木(竹)をわたす。架け方の要領は稲束を半
分に分けて横木に架ける。
(7)運搬手段:雷干し地帯では,人力によるほかはトレーラーや一輪車などが用いられる。山 間の架干し地帯では人力による運搬が主である。
(8)脱穀:脱穀機は自脱(チェーンおくり)が多いが,動脱も全県的にのこっている。遥遥と 血止の比率は約7:ぎ(昭和47年)程度とみられる。〜二とに山間部での動脱の比率は大きく,日 田地域の一部(前,中,上津江)では約半数が動脱である。山間部では,自脱は重すぎて運搬に不 便をきたすので,動脱が根強くのこっているという意見もある。
5 収穫法の作業類型とその地域性 大分県の慣行作業類型は次の通りである。
lll手メ 地干し一結束(大)螺(憂)竺燥総):(雛:本)《収幽)
::;『結束(小)嚇∴叢論魚岬
(1)は新産都,県南のほど全部と,国東,県北,竹田大野の大部分,久住飯田論よび日田の一部に またがり,一般的にとられている作業体系である。(2)の体系に属する地域は,本県では比較的に狭 く,県南の一部または久住飯田の極一部にみられる。(5)は山間地帯で全県的な広がりをみせている。
(4)県南の早期栽培地域での作業体系である。
水稲慣行収穫法の地域性とその成立要因に関する研究(大分県) 55
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