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(3) 指導観生徒にとって, 本単元は中学校で初めて学習する数学である 指導にあたっては, 生徒自身が課題を発見したり, 課題に関心を持ったりすることができるよう, 導入や課題提示の仕方を工夫することで, 生徒の主体的な学びを促していきたい 負の数 という新しい数についての学習では, これまでの 0

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1 1 単元について (1)単元観 小学校算数科の数についての学習では,身の回りの物を数えることに始まり,負でない整数,小 数,分数について,それらの概念を理解するとともに,四則計算の意味を理解することができるよ うになっている。また,それらの数を用いたり計算したりすることができるようになっている。そ して,数の概念を次第に広げながら,計算についての理解を深め,身の回りの事象にそれらを適用 して問題解決をするなど学習を深めている。 中学校数学科において本単元では,これらの学習の上に立って,数の範囲を正の数と負の数にま で拡張する。数を有理数全体へと拡張することで,減法が常に可能になり,四則の可能性が広がる ことになる。そして数の範囲は,さらに第3学年「平方根」で無理数へと拡張される。このように, 数の学習では,数を拡張するときの考え方を理解するとともに,数の集合と四則計算の可能性を理 解していくことで,数の概念の理解を一層深めることができるなど,数指導の意義は大きい。 本単元は,中学校における数指導の基礎として,また今後学習していく全単元や領域とも関係す る単元であり,特に重要であるといえる。小学校での学習をもとにしながら,正負の数の必要性と 意味を理解すること,正負の数の四則計算の意味を理解し,その計算ができるようにすること,具 体的な場面で正負の数を用いて表したり処理したりできるようにすることをねらいとしている。負 の数という未知の世界のさまざまなルールを生徒が自ら見いだし,その理由や方法を表現していく 中で,思考力や表現力を育成できる単元である。また本単元は,中学校に入学した生徒が初めて学 ぶ数学であり,今後の学習の仕方を方向付ける大切な第一歩となる。いろいろな考えを出し合いな がら考え,「数学はみんなでつくっていくものである」という姿勢を身に付けさせるなど協調性を 育むことができる単元である。 (2)生徒観 対象生徒が入学して最初の授業で実施した,レディネステスト(小学校の内容)のうち,計算に 関する問題の正答率は下の表1のような結果であった。この結果から,基本的な計算技能に関して は,おおむね定着しているといえる。しかし,表2の通り正答率が7割を下回った問題は,通分を 必要とする分数の計算や,計算法則を用いて工夫して計算することなど,複雑な計算について課題 があると考えられる。 また,活用に関する問題では,木の葉の面積を求める方法について,いろいろな部分の長さが書 かれた図をもとに立式し,実際に面積を求める問題の正答率は19.2%であり,必要な情報を取り出 して整理し,正しく立式することが難しいことも明らかになった。このことから,既習の知識を活 用して深く考え,表現するなど,思考力や表現力に課題があると考えられる。 数学 第1学年 庄原市立西城中学校 指導者 和田 杏奈 単 元 名 本単元で育成する資質・能力 思考力・表現力・協調性

「正負の数」

表1 計算テストの結果 問題の内容 正答率 (%) 整数の計算(加減乗除) 95.3 小数の計算(加減乗除) 89.7 分数の計算(加減乗除) 88.9 四則の混じった計算 75.2 表2 正答率が7割を下回った問題 問題の内容 正答率 (%) 2 8− 1 9 (分数の計算) 50.0 4.2×9+5.8×9(四則の混じった計算) 46.2 9÷12×16(四則の混じった計算) 65.4

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2 (3)指導観 生徒にとって,本単元は中学校で初めて学習する数学である。指導にあたっては,生徒自身が課 題を発見したり,課題に関心を持ったりすることができるよう,導入や課題提示の仕方を工夫する ことで,生徒の主体的な学びを促していきたい。 「負の数」という新しい数についての学習では,これまでの0を「無」とする考え方から,0が ある基準の量を表しているという考え方に広げていく必要がある。そのために,単元の導入では気 温や水面の高さ,時間の前後など,身のまわりにある反対の方向や性質をもつ数量を扱うことで, 都合のよいところを0として考えてよいことに気付かせ,負の数の必要性を実感させるとともに, 負の数を使用することに慣れさせていきたい。 また,四則計算についても,トランプゲームの点数の数え方や東西への移動などをもとに計算方 法について考えさせ,四則計算の意味も理解させながら習熟を図っていきたい。その際,「符号」「絶 対値」など,計算のポイントとなる用語を提示しておくことで,見通しをもち,ポイントを絞って 計算の仕組みを考えることができるようにしていきたい。また,ペアやグループで,計算方法を説 明しあう活動を仕組み,数学的に表現していく力を伸ばしていきたい。 単元後半では,他者と協働して身のまわりの課題を解決していく学習を仕組んでいく。グループ 内での役割を明確にすることで,グループ活動の活性化を図るとともに,交流の場面では生徒の考 えや疑問に思ったことなどをつなぐ発問を意図的に行い,意見の広がりや深まりを促していきたい。 また,このような活動を通して,数学と生活との関連や,他者と協働することの良さを実感させて いきたい。 2 単元の目標 具体的な場面を通して正の数と負の数について理解し,その四則計算ができるようにするとともに, 正の数と負の数を用いて表現し考察することができるようにする。 ・正の数と負の数の必要性と意味を理解すること。 ・正の数と負の数の四則計算の意味を理解すること。 ・正の数と負の数の四則計算をすること。 ・具体的な場面で正の数と負の数を用いて表したり処理したりすること。 〈重点目標〉 ◎本質的な問い 負の数はなぜ必要か。負の数を用いるよさは何か。 ◎永続的理解 現実の世界においては,正反対の方向や性質をもつ量を1つの言い方にまとめる必要から負の 数が生まれた。このことにより,大小の比較ができたり,減法がいつでも可能になったり,加法 と減法が統一的に表すことができるようになったりするなどの良さがある。 3 単元の評価規準 数学への 関心・意欲・態度 数学的な見方や考え方 数学的な技能 数量や図形などについ ての知識・理解 様々な事象を正の数と 負の数でとらえたり,そ れらの性質や関係を見 いだしたりするなど,数 学的に考え表現するこ とに関心をもち,意欲的 に数学を問題の解決に 活用して考えたり判断 したりしようとしてい る。 正の数と負の数につい ての基礎的・基本的な知 識や技能を活用して,論 理的に考察し表現する など,数学的な見方や考 え方を身に付けている。 正の数と負の数の四則 計算をしたり,正の数と 負の数を用いて表現し たりするなどの技能を 身に付けている。 正の数と負の数の必要 性と意味及びその四則 計算の意味を理解し,知 識を身に付けている。

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3 4 総括的な評価の方法 (1)パフォーマンス課題 あなたは,野球部に入っています。メジャーリーグベースボールのチーム「ロサンゼルス・ドジ ャース」の大ファンで,よくテレビで中継を見ています。ある日,そのことを知った親戚のおじさ んから,メジャーリーグベースボールの観戦ペアチケットをもらいました。そこで,あなたは同じ 野球部の友達を誘って,夏休みに観戦に行く計 ロンドンを基準とした時の各都市の時差 画を立てることにしました。試合は,ロサンゼ ルスで8月7日10時から始まります。また,日 本(東京)を出発してから会場のドジャースタ ジアムに到着するまでの移動にかかる時間は, およそ13時間です。試合に間に合うように行く ためには,日本(東京)を何月何日の何時まで に出発すればよいでしょうか。右の「ロンドン を基準とした時の各都市の時差」を用いて,出 発する日時とその根拠を考え,一緒に行く友達に説明してあげましょう。 (2)ルーブリック 評定 観点 4 ・ロサンゼルスを基準にして,日本とロサンゼルスの時差を求め,移動時間も踏まえて, 日本を出発する日時を正しく求めている。そして,それを適切な式や言葉をいれてわ かりやすく説明している。 【解答例】 ロサンゼルスを基準とすると,日本(東京)との時差は, (+9)-(-8)=+17 であるから,ロサンゼルスの時刻の17時間後が日本(東京)の時刻になる。 したがって,ロサンゼルスで試合が始まる8月7日10時は,日本では 10+17=27,27-24=3 より,8月8日3時である。 移動時間が13時間かかるから,8月8日3時の13時間前は, 3-13=-10,24+(-10)=14 より 8月7日14時である。したがって,8月7日の14時までに出発すればよい。 3 ・ロサンゼルスを基準にして,日本とロサンゼルスの時差を求め,移動時間も踏まえて, 日本を出発する日時を正しく求めている。 【解答例】 (+9)-(-8)=+17 であるから,日本は8月8日3時になる。移動時間をいれると,8月7日の14時まで に出発すればよい。 2 ・ロサンゼルスを基準にして,日本とロサンゼルスの時差を正しく求めているが,日本 を出発する日時が誤っている。 【解答例】 (+9)-(-8)=+17 であるから,日本は8月8日3時になる。移動時間をいれると,8月8日14時までに 出発すればよい。 1 ・日本とロサンゼルスの時差が誤っている。 【解答例】 (+9)+(-8)=+1 したがって,日本は8月7日の11時である。移動時間をいれると,8月6日の22時に 出発すればよい。 5 本単元において育成しようとする資質・能力とのかかわり 【スキル】 ①ある事象に関して疑問をもち,追究する。(思考力) ②複数の事実から新しい考え方を導き出す。(思考力) ロンドン 0時間 東京 +9時間

-8時間 モスクワ +3時間 -5時間

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4 ③感情や思考などを伝達可能な形式で表現する。(表現力) ④根拠をもとに,筋道立てて他者にわかりやすく説明する。(表現力) 【意欲・態度】 ⑤相手の意見に耳を傾け,自分の考えを深め,合意形成していく。(協調性) 6 指導と評価の計画(全24時間) 時 学習内容 評 価 関 考 技 知 評価規準 (評価方法) 資質・能力の評価 (評価方法) 1 庄原市の最高気温と最 低気温をもとに,-の ついた数の意味を考え る。 ◎ ○ ・身の回りの正負の数に関心 をもち,その必要性と意味 を考えようとしている。 (ノート,行動観察) ・正負の数の必要性と意味を 理解している。 (ノート,行動観察) 2 いろいろな数量を正負 の数を用いて表す。 ○ ・反対の性質をもつ量や基準 とのちがいを,正負の数を 使って表すことができる。 (ノート,行動観察) 3 ・ 4 数の大小 ○ ◎ ○ ・正負の数の大小関係に関心 をもち,それを調べようと している。 ・数直線上の位置と正負の数 の大小の関係を理解してい る。 ・絶対値をもとにして正負の 数の大小を考え,その関係 を不等号を使って表すこと ができる。 (ノート,行動観察) ・絶対値をもとにし た正負の大小の考 え方について,説 明することができ る。【表現力】 (ノート,行動観 察) 5 ・ 6 ・ 7 加法 ◎ ○ ○ ○ ・正負の数の加法の計算方法 を理解している。 ・加えた2つの数の符号や絶 対値に着目して,計算方法 を考えることができる。 ・正負の数の加法の計算がで きる。 ・加法の計算法則を利用して 工夫して計算することがで きる。 (ノート,行動観察) ・加法の計算方法を 考え,説明するこ とができる。 【思考力】 【表現力】 ・計算の工夫につい て,説明すること ができる。 【表現力】 ・他者の考えを参考 にして,自分の考 えを広げることが できる。【協調性】 (ノート,行動観 察) 8 ・ 9 減法 ◎ ○ ・正負の数の減法の計算方法 を理解している。 ・正負の数の減法の計算がで きる。 (ノート,行動観察) 課題の設定 情報の収集 整理・分析 情報の収集 情報の収集 情報の収集

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5 10 ・ 11 加法と減法の混じった 計算 ◎ ○ ・正負の数の項の和の意味を 理解している。 ・正負の数の加法と減法の混 じった計算ができる。 (ノート,行動観察) ・正負の数の加法と 減法の混じった計 算について,計算 方法を説明するこ とができる。【表現 力】(ノート,行動 観察) 12 ・ 13 ・ 14 ・ 15 乗法 ◎ ○ ○ ○ ○ ・正負の数で,2つの数の乗 法を,東西の移動をもとに して考えることができる。 ・正負の数の乗法の計算方法 を理解している。 ・正負の数の乗法の計算がで きる。 ・乗法の計算法則を利用して 工夫して計算することがで きる。 ・正負の数の累乗の計算がで きる。(ノート,行動観察) ・減法の計算方法を 考え,説明するこ とができる。 【思考力】 【表現力】 ・計算の工夫につい て,説明すること ができる。 【表現力】 (ノート,行動観 察) 16 ・ 17 ・ 18 除法 ○ ◎ ○ ○ ・2つの数の除法を,乗法の 逆算などをもとにして考え ることができる。 ・正負の数の除法の計算方法 を理解している。 ・正負の数の除法の計算がで きる。 ・正負の数の除法を,逆数を 使って乗法になおして計算 できる。 (ノート,行動観察) 19 ・ 20 四則の混じった計算 ○ ◎ ○ ・正負の数の四則の混じった 計算に関心をもち,計算方 法を考えたり,計算したり しようとしている。 ・正負の数の四則の混じった 計算ができる。 ・分配法則を利用して,正負 の数の計算ができる。 (ノート,行動観察) ・四則の混じった計 算の計算方法につ いて説明すること ができる。 【思考力】 【表現力】 (ノート,行動観 察) 21 数の範囲と四則 ○ ・数の範囲と四則計算の可能 性について考えることがで きる。 (ノート,行動観察) 22 正負の数を利用して, 2つのバスケットチー ムはどちらのチームが 有理か考える。 ○ ◎ ・具体的な事象を正負の数で と ら え る こ と に 関 心 を も ち,正負の数を利用して課 題 を 解 決 し よ う と し て い る。 ・正負の数を利用して,身長 の平均を工夫して求める方 ・正負の数を利用し て,課題を解決す ることができる。 【思考力】 ・他者の考えを参考 にして,自分の考 えを広げることが まとめ・表現 整理・分析 情報の収集 情報の収集 整理・分析 整理・分析 まとめ・表現

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6 法を考え,説明することが できる。 (ノート,行動観察) できる。【協調性】 (ノート,行動観 察) 23 正負の数を利用して, リオオリンピックの開 会式が始まる時間を求 める。 ○ ・正負の数を利用して,課題 を解決することができる。 (ノート,行動観察) ・正負の数を利用し て,課題を解決す ることができる。 【思考力】 ・他者の考えを参考 にして,自分の考 えを広げることが できる。【協調性】 (ノート,行動観 察) 24 ・単元のパフォーマン ス課題に取り組む。 ・単元の振り返りを行 う。 〇 ◎ ・正負の数を利用して課題を 解決することができる。 (ワークシート) ・正負の数を利用し て,課題を解決す ることができる。 【思考力】 【表現力】 (ワークシート) 7 本時の学習 【第1時】 (1)本時の目標 正負の数に関心をもち,その必要性や意味について理解する。 (2)本時の主体的な学びの姿 正負の数に関心をもち,それらの数が表す意味について考えている。また,身のまわりにある正 負の数を見付けようとしている。 (3)学習の流れ 学習活動 指導上の留意点(◇) ◆「努力を要する」と判断した 生徒への指導の手立て 評価規準 教科の指導事項(○) 資質・能力(★) (評価方法) 1 庄原市の気温について考える。 2 最高気温の温度計をよむ。 3 最低気温について考える。 ◇温度計(イラスト)を拡大したも のを掲示しておく。 ◇予想させた後,温度計(イラスト) を拡大したものを掲示し,読ませ る。 小学6年生(平成27年4月~平成28年3月)のとき,庄原市の最高気温は何度だったでしょうか。 (予想される生徒の反応例) ・夏が暑かったから最高気温は33℃ぐらい。 振り返り まとめ・表現 最高気温を記録したのは,8月1日でした。何度を表していますか。 (予想される生徒の反応例) ・最高気温は 36℃ぐらい。(35.7℃) 最低気温を記録したのは,1月24日でした。何度だったでしょうか。 (予想される生徒の反応例) ・最低気温は,-9℃ぐらい。 (-8.9℃)

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7 4 用語の確認をする。 5 本時のめあてを確認する。 6 課題を把握する。 8 課題に取り組む。(個人思考) 9 全体で交流する。 10 身のまわりで負の符号が使われ ているものを挙げ,その意味を考え る。(グループ) ◇演算記号の+(たす),-(ひく) とは意味が異なることを確認す る。 ◆何がどこよりどれだけ高いのか, 低いのかを考えさせる。 ◇基準となる量があることに気付か せる。 ◇基準が違うと,同じ数でも表して いることが違うことを確認する。 ◆社会科で使用する地図帳の中から 見付けさせる。 ○身の回りの正負の 数に関心をもち,そ の 必 要 性 と 意 味 を 考 え よ う と し て い る。(ノート,行動 観察) ○正負の数の必要性 と 意 味 を 理 解 し て いる。(ノート,行 動観察) 正負の数の必要性や意味を理解する。 (予想される生徒の反応例) ・琵琶湖のところに「 85 −104 」と書いてある。(湖面の標高/水深) ・伊豆・小笠原海溝のところに「-9780」と書いてある。(海面からの深さ) これらの+や-のついた数は,何を表しているのでしょうか。 (予想される生徒の反応例) ・最低気温の「-2」は0℃より2℃低いことを表している。 ・最高気温の「+1」は前日の最高気温より1℃高いことを表している。 ・最低気温の「-2」は前日の最低気温より2℃低いことを表している。 ・海抜「-1」は,海面より1m低いことを表している。 正の符号,負の符号,正の数,負の数 なぜ「-」をつけて表したのでしょうか。 -がつく場合とつかない場合の違いはなんでしょうか。 今日の天気 晴れ 最高 14℃ [+1] 最低 -2℃ [-2] 前日比

ここの地盤は

海抜

-1m

(予想される生徒の反応例) ・0℃より9℃低いから-がつく。 9℃は0℃より高いときを表し ていることになる。 ・0℃より高い気温は+,低い気 温は-をつけて表す。

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8 11 本時のまとめを行う。 12 本時を振り返り,次時につなげ る。 【第2時】 (1)本時の目標 反対の性質をもつ量や基準とのちがいを,正負の数を用いて表すことができる。 (2)本時の主体的な学びの姿 ロンドンを基準としたときの各都市の時差について関心を持ち,正負の数を用いて表そうとして いる。また,反対の性質をもつ量も正負の数で表すことができるということを理解し,いろいろな 数量を正負の数を用いて表そうとしている。 (3)学習の流れ 学習活動 指導上の留意点(◇) ◆「努力を要する」と判断した 生徒への指導の手立て 評価規準 教科の指導事項(○) 資質・能力(★) (評価方法) 1 前時の復習をする。 2 本時のめあてを確認する。 3 課題意識をもつ。 ◇言葉や符号を掲示し,本時のキー ワードとして意識させる。 ◇友達の写真を見せ,友達がアメリ カ人であることに気付かせる。 ◇日本と外国には時差があることを 確認させる。 (生徒の振り返り例) ・正の符号や負の符号が身のまわりにいろいろあることが分かった。他にもどんなと ころに使われているか探してみたい。 ・負の数の計算はどうすればよいのか知りたい。 正負の数は,基準となる量をもとに,基準より高い場合は+(正の符号),基準より 低い場合は-(負の符号)を使って表したものである。 杏奈さんには,数学が得意な友達がいます。数学の問題でわからないところがあった杏奈 さんは,電話して友達に聞いてみることにしました。都合を聞いてみたところ,「明日の午 前中は用事があるから15時なら大丈夫だよ。」と返事が返ってきました。次の日,杏奈さん は15時に友達に電話をしてみましたが,友達はなかなか電話に出てくれません。ようやく 電話がつながりましたが,友達は眠たそうな声で,「こんな時間に電話してくるなんて,迷 惑だ!」と怒って切ってしまいました。約束の時間に電話したのに,なぜでしょうか。 (予想される生徒の反応例) ・友達はお昼寝していて,起こさ れて腹が立ったのだろう。 ・友達が約束を忘れていたのでは ないか。 ・友達は外国にいるのではない か。 ・友達は日本人ではないのではい か。 いろいろな数量を正負の数を用いて表すことができる。

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9 4 時差について知る。 ・ロンドンを基準としている。 ・東京はロンドンの時刻の9時間後 ・ニューヨークはロンドンの時刻の 5時間前 5 課題意識をもつ。 6 各都市の時差を地図上に正の数, 負の数を使って書き入れる。 ・モスクワの時差はロンドンの3時 間後 ⇒ +3時間 ・ロサンゼルスの時差は,ロンドン の8時間前 ⇒ -8時間 7 課題に取り組む。(個人思考) (1)西城中学校から歩いて東へ5km 進むことを+5km と表すと,西城 中学校から歩いて西へ3km 進む ことはどのように表されますか。 (2)下の表はAさんのスポーツテス トの記録を表したものである。 中学1年 現在 年齢(歳) 13 26 握力(㎏) 22 24 垂直跳び(㎝) 52 45 中学1年生の時の記録から現在は どれだけ変化しましたか。 8 全体で交流する。 9 本時のまとめを行う。 ◇地図のロンドンの位置に「0時 間」,東京の位置に「9時間」,ニ ューヨークの位置に「5時間」と 書き入れる。 ◇地図上の各都市の位置を確認し, 社会科での学習も意識させる。 ◇正の符号や負の符号をつけること によって,反対の性質をもつ数量 を表すことができることに気付か せる。 ◆ペアで確認させ,理解を確実にさ せる。 ◆中学1年の時を基準として基準よ り増えたのか減ったのか考えさせ る。 ◇「増えた」や「減った」を使わず に表現させる。 ◇「増えた」「減った」を使わなくて も,「+13 歳」「-7㎝」などと, 簡潔な一つの表現で表すことがで きる良さを実感させる。 ○反対の性質をもつ 量 や 基 準 と の ち が いを,正負の数を使 っ て 表 す こ と が で きる。 ( ノ ー ト , 行 動 観 察) ○反対の性質をもつ 量 や 基 準 と の ち が いを,正負の数を使 っ て 表 す こ と が で きる。 ( ノ ー ト , 行 動 観 察) 正負の数を使うと,反対の性質をもつ量や基準とのちがいを表すことができる。 ロンドンを基準にして9時間後や5時間前を表すには,どうすればよいでしょうか。 (予想される生徒の反応例) ・正の符号と負の符号を使って 時差を表せばよい。 ・9時間後はロンドンの時刻よ り9時間進んでいることだか ら,+9時間と表すことがで きる。 ・東京を+9時間と表すなら, ニューヨークは-5時間にな る。

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10 10 本時を振り返り,次時につなげ る。 【第3時】 (1)本時の目標 数直線を使って,正負の数の大小関係を理解することができる。 (2)本時の主体的な学びの姿 -3と-4はどちらが小さいのかを考え,その理由を説明している。また,数直線上の負の数の 位置について理解し,それをもとに正負の数の大小を判断している。 (3)学習の流れ 学習活動 指導上の留意点(◇) ◆「努力を要する」と判断した 生徒への指導の手立て 評価規準 教科の指導事項(○) 資質・能力(★) (評価方法) 1 課題意識をもつ。 2 課題を把握する。 3 本時のめあてを確認する。 4 課題に取り組む。(個人思考) ◇「負の数の大小はどのように比べ ればよいのか」という疑問を生じ させる。 ◇考えたこと(理由)を,文章や図 などにまとめ,自分の考えをもた せる。 ○正負の数の大小関 係に関心をもち,そ れ を 調 べ よ う と し ている。(ノート, 行動観察) (生徒の振り返り例) ・+や-を使って表すことで,時差の○時間前や○時間後を表すことができた。他の 都市の時差も調べて,+や-を使って表してみたい。 ・ロンドンを基準としたときの各都市の時差は表すことができたけど,日本とニュー ヨークの時差はどうやって表すことができるのかな。 -3,+3,0,+4,-4を小さい順に並べたらどんな順番になるでしょうか。 (予想される生徒の反応例) ・-3,-4,0,+3,+4 ・-4,-3,0,+3,+4 -3と-4はどちらが小さいのだろうか。 (予想される生徒の反応例) ・温度計では,-3℃よりも- 4℃のほうが低いので,-4の 方が小さい。 ・-3は0よりも3小さい数,- 4は0よりも4小さい数だか ら,-4のほうが小さい。 ・数直線に書いてみると,-4の ほうが左側にあるので,-4の ほうが小さい。 正負の数の大小関係を理解することができる。

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11 5 グループで考えをまとめる。 6 全体で交流する。 7 適用題に取り組む。 8 本時のまとめを行う。 9 本時を振り返り,次時につなげ る。 ◇グループ内で役割分担させること で,自分の考えをしっかりと伝え るようにさせる。 ◇ピラミッドチャートを用いて,グ ループの意見をまとめさせる。 ◆活発な話合いができていないグル ープに参加し,助言する。 ◇他のグループの発表は,理由が適 切であるか考えながら聞かせる。 ◇数直線を用いて考えているグルー プの発表をもとに,数直線上での 負の数の位置を確認させる。 ◇数直線を用いた考え方が出なかっ た場合は,「-4の方が小さいこと を図に表すことができないか」と 問いかけ,考えを広げさせる。 ◆数直線を書かせる。 ○数直線上の位置と 正 負 の 数 の 大 小 の 関 係 を 理 解 し て い る。(ノート,行動 観察) ○数直線上の位置と 正 負 の 数 の 大 小 の 関 係 を 理 解 し て い る。(ノート,行動 観察) 【第4時】 (1)本時の目標 絶対値をもとにして正負の数の大小を考え,その関係を不等号を使って表すことができる。 (2)本時の主体的な学びの姿 絶対値に着目して,数の大小のきまりを見いだしている。また,いろいろな数の大小を,絶対値 をもとにして考えている。 (3)学習の流れ 学習活動 指導上の留意点(◇) ◆「努力を要する」と判断した 生徒への指導の手立て 評価規準 教科の指導事項(○) 資質・能力(★) (評価方法) 1 前時の復習をする。 ◇数直線上に表し,それぞれの数の 正負の数の大小は,数直線上で左にある数ほど小さく,右にある数ほど大きい。 (生徒の振り返り例) ・数直線上に表してみることで,数の大小がわかりやすくなった。 ・負の数は,-の後にある数字だけを見て大小を判断してはいけないことがわかった。 ・数直線を書かなくても,+や-の後の数で大小関係を判断する方法があるのではないか。 次の各組の大小を,不等号を使って表しなさい。 (1)-2,-3 (2)-4,+3,-1

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12 ・-3と-4の大小 2 絶対値の意味を知る。 3 絶対値の求め方を確認する。 4 課題意識をもつ。 5 本時のめあてを確認する。 6 課題解決方法を考える。 (個人思考) 7 全体で交流する。 位置を確認させる。 ◇前時の数直線を使った学習をつな げて考えさせる。 ◇絶対値は,その数の符号を取った ものになっていることに気付かせ る。 ◇絶対値が関係していることに気付 かせる。 ◇その数の絶対に着目させ,「絶対 値」という用語を使って考えを書 くようにさせる。 ◇「絶対値」という用語を使って説 明させる。 ◆数直線上で示しながら,絶対値と 数の大小の関係について,イメー ジをもたせる。 ★絶対値をもとにし た 正 負 の 大 小 の 考 え方について,説明 することができる。 【表現力】 ( ノ ー ト , 行 動 観 察) 数の大小関係を素早く判断するためのきまりを見つけよう。 (予想される生徒の反応例) ・正の数どうしなら,数で比べれ ばよい。 ・-3と-4は,-4の方が原点 から離れているから小さくな る。負の数は原点から離れるほ ど小さくなっていく。 ・原点からの距離は絶対値だか ら,絶対値が大きくなるほど, その数は小さくなっていく。 数直線上で原点からの距離が3になる点はどこでしょうか。 (予想される生徒の反応例) ・+3 ・-3も原点から3離れている。 (1)-10 (2)0 (3)+2.5 (4)-1 3

数直線を使わずに数の大小を判断することはできないでしょうか。 (予想される生徒の反応例) ・その数が原点からどれだけ離 れているかがわかれば,でき る。 ・絶対値に着目すればよいので はないか。

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13 8 適用題に取り組む。 9 ペアで確認し合う。 10 本時のまとめを行う。 11 本時を振り返り,次時につなげ る。 ◆それぞれの数の絶対を確認させ る。 ◇「絶対値」の用語を使って,理由 を説明させる。 ○絶対値をもとにし て 正 負 の 数 の 大 小 を考え,その関係を 不 等 号 を 使 っ て 表 すことができる。 (ノート,行動観察) ★絶対値をもとにし た 正 負 の 大 小 の 考 え方について,説明 することができる。 【表現力】(ノート, 行動観察) 【第5時】 (1)本時の目標 数直線を使った正負の数の加法の計算方法を理解することができる。 (2)本時の主体的な学びの姿 トランプゲームを通して,正負の数の加法の計算に興味をもち,得点や失点などを正しく計算し ようとしている。また,それを式や数直線上の動きで表し,数学的に計算方法を考えている。 (3)学習の流れ 学習活動 指導上の留意点(◇) ◆「努力を要する」と判断した 生徒への指導の手立て 評価規準 教科の指導事項(○) 資質・能力(★) (評価方法) 1 課題意識をもつ。 負の数は,絶対値が大きいほど小さい。 (生徒の振り返り例) ・2つの数が負の数のときでも,絶対値だけを見て大小を判断できるようになった。 ・「絶対値」の用語を使って説明できるようになった。 (+3)+(+5)を計算しよう。 (予想される生徒の反応例) ・+8 ・小学校の時に学習した「3+5」 の計算と同じ (+3)+(-5)を計算したら,計算結果はどうなるだろう。 次の各組の大小を,不等号を使って 表しなさい。 (1)-36,-49 (2)-0.8,-0.12 (3)-1,-7 6

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14 2 本時のめあてを確認する。 3 ゲームを通して,2数の和につい て考える。 ・ルールを確認する。 ・グループで3回戦行い,それぞれ のゲームごとに優勝者を明らか にする。 4 トランプのカードを使って,2枚 のカードの合計点の計算方法を数 直線上で確認する。 (1)黒3と黒5 (2)赤3と赤5 (3)黒3と赤5 (4)赤3と黒5 5 適用題に取り組む。 6 本時のまとめを行う。 7 本時を振り返り,次時につなげ る。 ◇既習の加法(正の数どうしの加法) との違いを意識させる。 ◇とってうれしいカード(黒の 13) やとりたくないカード(赤の 13) などを確認し,ゲームへの意欲を 高めさせる。 ◆グループの中で,カードの得点の 計算が正しいか確認させる。 ◇数直線上では,0を基準として, 黒のカード(正の数)のときは正 の方向,赤のカード(負の数)の ときは負の方向へ移動することを 確認させる。 ◇数直線を使って考えさせる。 ○正負の数の加法の 計 算 方 法 を 理 解 し ている。 (ノート,行動観察) 正負の数の加法は,数直線上で正の方向や負の方向へ移動することを使って考えればよい。 (生徒の振り返り例) ・トランプを使うことで,黒のカードを正の数,赤のカードを負の数として,加法の 計算の仕方がイメージしやすくなった。 ・数直線を書かなくても,式だけでもっと簡単に計算できる方法はないのかな。 トランプゲームをしよう。 【ルール】 ① トランプをよく切って,1人2枚ずつ配る。 ② 順番に1枚ずつ引いていき,3周するまで続ける。 ③ 黒のカードは正の数(得点),赤のカードは負の数(失点)として, 2枚のカードの合計点を計算する。合計点の多い人が勝ちとする。 (予想される生徒の反応例) ・+2 ・-2 ・負の数の加えると,加えられる 数はどうなるのかな。 正負の数の加法の計算方法を理解する。 (1)(+4)+(+2) (2)(-4)+(-2) (3)(+4)+(-2) (4)(-4)+(+2)

(15)

15 【第6時】 (1)本時の目標 2数の符号や絶対値に着目して加法の計算方法を見いだし,計算することができる。 (2)本時の主体的な学びの姿 2数の符号や絶対に着目して加法の計算方法について考え,それを他者に説明している。また, 他者の説明を聞くことで加法の計算方法についての理解を深めている。さらに,それを利用して, いろいろな加法の計算問題に取り組んでいる。 (3)学習の流れ 学習活動 指導上の留意点(◇) ◆「努力を要する」と判断した 生徒への指導の手立て 評価規準 教科の指導事項(○) 資質・能力(★) (評価方法) 1 前時までの復習をする。 ・トランプゲームで行った加法の計 算(4通り) 2 課題意識をもつ。 3 本時のめあてを確認する。 4 トランプゲームで行った加法の 計算(4通り)について,ルールを 見つける。(個人思考) 5 ペアで自分の考えを説明し合う。 ◆トランプのカードを提示し,イメ ージしやすくさせる。 ◇符号や絶対値に着目すればよいこ とに気付かせる。 ◇和の記号と絶対値に着目させる。 ◆正の符号,負の符号,絶対値など の用語を用いて,考えを記述する ようにさせる。 ◇自分のノートの式や記述を指し示 しながら説明させる。 ◆相手の説明を聞き,わかったこと ○加えた2つの数の 符 号 や 絶 対 値 に 着 目して,計算方法を 考 え る こ と が で き る。(ノート,行動 観察) ★加法の計算方法を 考え,説明すること ができる。 加法の計算のルールを見つけ,計算することができる。 数直線を書かなくても,正負の数の加法の計算ができないだろうか。 (予想される生徒の反応例) ・正の数どうしの加法なら,数を 足せばよいだけだけど,他の場 合はどうなるのだろうか。 ・数の大小を比べるときには,絶 対値に着目したから,計算のと きも絶対値を見ればよいので はないか。 ・2つの数の符号と絶対値によっ て,計算方法が違うのではない か。 (予想される生徒の反応例) ・2つの数が同符号のとき,絶対 値の和に共通の符号をつける。 ・2つの数が異符号のとき,絶対 値の差に絶対値の大きいほう の符号をつける。

(16)

16 6 全体で交流する。 7 適用題に取り組む。 8 ペアで答えと考え方を伝え合う。 9 小数や分数を含む問題に取り組 む。 10 本時のまとめを行う。 11 本時を振り返り,次時につなげ る。 を自分のノートにも書かせる。 ◇表現が不十分である説明に対して は,それを生徒に返し,補足させ る。 ◆2つの数の符号が同符号か,異符 号かを確認させる。 ◇本時の学習を振り返り,符号や絶 対値の用語を使って加法の計算方 法を説明できるようにさせる。 ◆分数の計算では通分が必要である ことを確認させる。 【思考力】 【表現力】 (ノート,行動観察) ○正負の数の加法の 計算ができる。 ( ノ ー ト , 行 動 観 察) ★加法の計算方法を 考え,説明すること ができる。 【思考力】 【表現力】 (ノート,行動観察) ○正負の数の加法の 計算ができる。 ( ノ ー ト , 行 動 観 察) 【第7時】 (1)本時の目標 加法の計算法則を利用して,正負の数の加法を工夫して計算することができる。 (2)本時の主体的な学びの姿 加法の交換法則や計算法則を理解し,それを利用して,効率よく計算できる方法を考え,自分の 考えを他者に積極的に伝えている。また,他者の考えを聞き,自分とは異なる考え方に興味をもち, 理解を深めようとしている。 正負の数の加法の計算では, ①同符号の2数の和は,絶対値の和に共通の符号をつける。 ②異符号の2数の和は,絶対の差に,絶対値が大きいほうの符号をつける。 (生徒の振り返り例) ・加法のきまりをみつけたことで,簡単に計算できるようになった。 ・加法の計算では,2数の符号と絶対値に着目すればよいことがわかった。 ・分数の計算では通分に気をつけなければいけないけど,計算の仕方は整数のときと 同じなので,通分する式をきちんと書いて,間違えないようにしたい。 (1)(+4)+(+6) (2)(-4)+(-6) (3)(+9)+(-4) (4)(-10)+(+4) (1)(-0.3)+(-1.5) (2)

(-

5 3

)+(+

1 4

説明例(2) -4と-5は同符号である。した がって,絶対値の4と5をたして 9,それに共通の符号である-を つけるから,答えは-9になる。

(17)

17 (3)学習の流れ 学習活動 指導上の留意点(◇) ◆「努力を要する」と判断した 生徒への指導の手立て 評価規準 教科の指導事項(○) 資質・能力(★) (評価方法) 1 前時までの復習をする。 ・加法の計算練習(ペア活動) 2 課題意識をもつ。 4 本時のめあてを確認する。 5 課題に取り組む。(個人思考) ◆机間指導により,助言する。 ◇「加法の交換法則」の用語を確認 させる。 ◇「加法の結合法則」の用語を確認 させる。 ○加法の計算法則を 利 用 し て 工 夫 し て 計 算 す る こ と が で きる。(ノート,行 動観察) 加法の計算法則を利用して,工夫して計算することができる。 次の計算をしなさい。 ①(+3)+(-9) ②(-9)+(+3) (予想される生徒の反応例) ・どちらも-6となって同じ ・加えられる数と加える数を入れかえても,結果は変わらない。 次の計算をしなさい。 ①{(-9)+(+3)}+(+7) ②(-9)+{(+3)+(+7)} (予想される生徒の反応例) ① {(-9)+(+3)}+(+7) =(-6)+(+7) =+1 ② (-9)+{(+3)+(+7)} =(-9)+(+10) =+1 したがって,どちらも計算結果は同じ 次の計算をしなさい。 (-9)+(+4)+(-7)+(+9) (予想される生徒の反応例) ・左から順に計算 (-9)+(+4)+(-7)+(+9) =(-5)+(-7)+(+9) =(-12)+(+9) =-3 ・和が0になる2つの数を先に計算 (-9)+(+4)+(-7)+(+9) ={(-9)+(+9)}+{(+4)+(-7)} =0+(-3) =-3 ・正の数どうし,負の数どうしを先に計算 (-9)+(+4)+(-7)+(+9) ={(-9)+(-7)}+{(+4)+(+9)} =(-16)+(+13) =-3

(18)

18 6 グループで自分の考えを説明し 合う。 7 全体で交流する。 8 適用題に取り組む。 9 ペアで自分の考えを説明しあう。 10 本時のまとめを行う。 11 本時を振り返り,次時につなげ る。 ◇工夫したところがわかるように, 途中式とその説明もノートに記述 させる。 ◇既習の数学用語を掲示し,説明に 数学用語を用いることを意識させ る。 ◇グループ内で役割分担させること で,自分の考えをしっかりと伝え るようにさせる。 ◆表現が不十分である説明に対し て,グループ内で補足しあうよう にさせる。 ◇自分の考えと比較して,共通点や 相違点を明らかにしながら聞か せ,異なる考えは書き加えさせる。 ◇それぞれの考え方の良さを考えさ せる。 ◇工夫したところがわかるように, 途中式を書かせる。 ◆どの方法を使って解きたいかを決 めさせる。 ◇自分のノートの記述を指し示しな がら説明させる。 ★計算の工夫につい て,説明することが できる。【表現力】 ( ノ ー ト , 行 動 観 察) ○加法の計算法則を 利 用 し て 工 夫 し て 計 算 す る こ と が で きる。(ノート,行 動観察) ★計算の工夫につい て,説明することが できる。【表現力】 ( ノ ー ト , 行 動 観 察) 加法では,交換法則や結合法則を使って,和が0になる2つの数を先に計算したり,正の 数どうし,負の数どうしを先に計算したりすると,効率よく計算ができる。 (生徒の振り返り例) ・計算を工夫すると,時間短縮や計算ミスを減らすことができるなど利点があるので, 活かしていきたい。 ・自分は,絶対値が同じで符号の異なる2数を先に加えて0にする方法が簡単だと思 った。これからする問題では,これを使って解きたい。 ・自分が思いつかなかった方法で計算していた人がいて,すごかった。いろいろな考 え方を知ることができてよかった。 ・他の人の考えを聞いて,自分の考えも広がった。これからもグループで協力して取 り組みたい。 次の計算をしなさい。 (-8)+(+5)+(-3)+(+8)

(19)

19 【第8時】 (1)本時の目標 正負の数の減法の計算方法を理解する。 (2)本時の主体的な学びの姿 トランプゲームでの2つの状況をもとに,減法の計算方法について考えている。また,ある数を ひくことは,その数の符号を変えてたすことと同じであることを見いだし,減法の式を加法の式に 直して計算しようとしている。 (3)学習の流れ 学習活動 指導上の留意点(◇) ◆「努力を要する」と判断した 生徒への指導の手立て 評価規準 教科の指導事項(○) 資質・能力(★) (評価方法) 1 前時までの復習をする。 ・加法の計算練習(ペア活動) 2 課題を把握する。 3 本時のめあてを確認する。 4 課題について,式で状況を整理す る。 ◆机間指導により,助言する。 ◇黒のカードは正の数(得点),赤の カードは負の数(失点)として得 点を計算していたことを確認させ る。 ◇Aさんの今の得点は-3点である ことを確認させる。 ◇カードをとるときは加法,とられ るときは減法の式になることを確 認させる。 ◆カードを操作し,(2)の場合,残 ったカードがハート5(-5点) だけになることに気付かせる。 ◇+2を引くことは,-2を足すこ とと同じであることに気付かせ る。 正負の数の減法の計算方法を理解する。 AさんとBさんはトランプゲームをしています。Aさんは今,ハート5 のカードと,クラブ2のカードを持っています。Aさんにとって嬉しい のは,次の(1),(2)のどちらですか。 (1)Bさんからハート2のカードをとったとき (2)Bさんにクラブ2のカードをとられてしまったとき (予想される生徒の反応例) ・赤のカードをとっても失点が増 えるだけだから,(2)のほう が嬉しい。 ・黒のカードをとられると得点が 減るから,(1)のほうが嬉し い。 ・どちらも同じ得点になるのでは ないか。 (1)は,今の得点に-2点が加 算されるから (-3)+(-2)=-5 (2)は,今の得点から+2点が 減るから (-3)-(+2)=-5

(20)

20 5 減法の計算方法を確認する。 6 適用題に取り組む。 7 本時のまとめを行う。 8 本時を振り返り,次時につなげ る。 ◇加法の式への直し方を確認させ る。 ◆ひく数の符号を変えればよいこと を確認させる。 ○正負の数の減法の 計 算 方 法 を 理 解 し ている。(ノート, 行動観察) 【第9時】 (1)本時の目標 正負の数の減法の計算ができる。 (2)本時の主体的な学びの姿 いろいろな正負の数の減法の計算について,加法の式になおして計算している。 (3)学習の流れ 学習活動 指導上の留意点(◇) ◆「努力を要する」と判断した 生徒への指導の手立て 評価規準 教科の指導事項(○) 資質・能力(★) (評価方法) 1 前時の復習をする。 2 本時のめあてを確認する。 3 例題で確認する。 ◇減法の式を加法の式になおす方法 を確認させる。 減法では,引く数の符号を変えて加えればよい。 次の式を加法の式になおしなさい。 (1)(+5)-(+7) (2)(+3)-(-5) (生徒の振り返り例) ・減法の計算では,まず加法の式になおせばよいことが分かった。 ・減法の計算も,加法の式になおせば,今まで学習したことを使って計算できそうだ。 例(1)(+3)-(+7) +7を引くことは,-7を 足すことと同じであるから (+3)-(+7) =(+3)+(-7) (2)(-3)-(-8) -8を引くことは,+8を 足すことと同じであるから (-3)-(-8) =(-3)+(+8) 正負の数の減法の計算ができる。

(21)

21 4 課題1に取り組む。 5 課題2に取り組む。 6 本時のまとめを行う。 7 本時を振り返り,次時につなげ る。 ◆加法の式になおさせる。 ◆加法の計算方法を確認させる。 ◇分数の計算では,通分の仕方が分 かるよう,途中式を丁寧に書かせ る。 ◆通分の仕方を確認させる。 ○正負の数の減法の 計算ができる。 ( ノ ー ト , 行 動 観 察) ○正負の数の減法の 計算ができる。 ( ノ ー ト , 行 動 観 察) 【第 10 時】 (1)本時の目標 得失点差の計算方法を考えることを通して,項の和の意味を理解することができる。 (2)本時の主体的な学びの姿 サッカーの得失点差の求め方に関心をもち,各チームの得失点差の計算をしようとしている。そ の中で,26-30 のような計算に疑問をもち,その式の意味や計算方法について追究している。そし 減法の計算は,加法の式になおしてから計算する。 (1)(-6)-(-1) (2)(+7)-(-9) (3)(-3)-(+5) (4)(+6)-(+3) (5)(-5)-(-5) (6)(-7)-(+7) (7)0-(-8) (8)(-14)-0 (9)(-4)-(-9) (10)(+6)-(+9) (生徒の振り返り例) ・いろいろな数の減法の計算をすることで,減法の計算が完璧にできるようになった。 かけ算や割り算も早くやりたい。 ・分数の計算は,通分や約分が必要なので難しかった。もっと練習をしてできるようになりたい。 (1)(-2)-(+5) =(-2)+(-5) =-7 (2)(-4)-(-2) =(-4)+(+2) =-2 (1)(-0.4)-(+0.2) (2)(-3)-(-1.2) (3)(-1 9 )-(- 4 9 ) (4)(-3 2 )-(- 2 3 ) (5)(+1 4 )-(+ 6 7 ) (6)(+2)-(+1 3 )

(22)

22 て,考えたことを他者に積極的に伝えている。 (3)学習の流れ 学習活動 指導上の留意点(◇) ◆「努力を要する」と判断した 生徒への指導の手立て 評価規準 教科の指導事項(○) 資質・能力(★) (評価方法) 1 前時までの復習をする。 ・減法の計算練習(ペア活動) 2 課題意識をもつ。 3 本時のめあてを確認する。 4 得失点差を計算する式をつくる。 ◆机間指導により,助言する。 ◇表の得失点差のところ見えないよ うにしておく。 ◇得点と失点に着目した発言が出た ら,(得点)-(失点)を計算した 結果を得失点差といい,勝ち点が 同じときの順位は得失点差で決め ていることを知らせる。 得失点差の計算をすることができる。 川崎フロンターレと柏レイソルは勝ち点が同じなのに,順位は川崎フロンターレが上で す。なぜでしょうか。 右の表は,2015 年の サッカーJ1リーグ (2nd ステージ)の 結果です。 順位はどうやって決まる のでしょうか。 順位 チーム 勝点 勝 引分 敗 得点 失点 得失点差 1 サンフレッチェ広島 40 13 1 3 44 14 2 鹿島アントラーズ 37 12 1 4 30 16 3 ガンバ大阪 31 9 4 4 32 24 4 浦和レッズ 31 9 4 4 30 23 5 横浜F・マリノス 29 8 5 4 24 15 6 FC東京 28 8 4 5 21 15 7 川崎フロンターレ 27 8 3 6 30 22 8 柏レイソル 27 8 3 6 24 18 9 湘南ベルマーレ 26 7 5 5 20 20 10 名古屋グランパス 24 7 3 7 26 30 11 アルビレックス新潟 20 5 5 7 21 25 12 サガン鳥栖 20 4 8 5 15 22 13 ヴィッセル神戸 19 6 1 10 27 30 14 ヴァンフォーレ甲府 17 4 5 8 14 21 15 松本山雅FC 13 3 4 10 13 28 16 ベガルタ仙台 12 3 3 11 17 28 17 清水エスパルス 12 2 6 9 15 33 18 モンテディオ山形 10 1 7 9 10 29 (予想される生徒の反応例) ・勝ち点が多いほど順位がよい。 (予想される生徒の反応例) ・川崎フロンターレのほうが得点 が多いから。 ・柏レイソルのほうが失点は少な いのにな。 ・得点と失点の差で見たら,川崎 フロンターレのほうが大きい。 ・川崎フロンターレ 30-22=8 ・柏レイソル 24-18=6

(23)

23 5 表の他のチームの得失点差の欄 をうめていく。 6 課題意識をもつ。 7 26-30 の計算の仕方を考える。 (個人思考) 8 グループで考えをまとめる。 9 全体で交流する。 10 名古屋グランパス以降のチーム の得失点差についても計算し,表を 完成させる。 11 練習問題で項についての理解を 深める。 12 本時のまとめを行う。 ◇名古屋グランパスのところで疑問 をもった生徒に,計算式を発表さ せる。 ◇どのように計算したかがわかるよ うに式や説明を書かせる。 ◇全員が納得できる説明になるよう に,表現の仕方を考えさせる。 ◆活発な話し合いができていないグ ループに参加し,助言する。 ◇26-30 は,26 と-30 の和である ことを確認し,このとき 26 と- 30 を項ということを伝える。 ◇得点が多いときは+,失点が多い ときは-になることを確認させ る。 ◇同じ勝ち点のチームは,得失点差 が大きいチームの方が順位が上に なっていることを確認させる。 ◆(-6)+(+2)+(-7)の ように,加法だけの式になおさせ る。 ◇これまで加法の計算で書いていた 加法の記号+やかっこは省いて書 くことができることを確認させ る。 ○正負の数の項の和 の 意 味 を 理 解 し て いる。(ノート,行 動観察) 得失点差の計算式は,項だけを書き並べた形であり,それを計算するためには,それらの 項の和を求めればよい。 次の式の項をすべて答え,項の和 を計算しなさい。 (1)-6+2-7 (2)2-3-6 名古屋グランパスの得失点は 26-30 の式で求められるが, これを計算するとどうなるのでしょうか。 (予想される生徒の反応例) ・26 は 30 より4小さいから-4 ・30 は+30 のことだから,+30 をひくことは,-30 をたすこと と同じ。 ・ 26-30 =(+26)-(+30) =(+26)+(-30) =-4

(24)

24 13 本時を振り返り,次時につなげ る。 【第 11 時】 (1)本時の目標 正負の数の加法と減法の混じった計算ができる。 (2)本時の主体的な学びの姿 正負の数の加法と減法の混じった計算について,効率よく計算する方法を考え,自分の考えを他 者に説明している。また,他者の考えを聞き,自分とは違う考え方に興味をもち,理解を深めよう としている。さらに,他者の意見を基に,自分の考えをより効率的な解き方になるよう修正してい る。 (3)学習の流れ 学習活動 指導上の留意点(◇) ◆「努力を要する」と判断した 生徒への指導の手立て 評価規準 教科の指導事項(○) 資質・能力(★) (評価方法) 1 前時の復習をする。 ・式の項を答える。(ペア活動) 2 課題を把握する。 3 本時のめあてを確認する。 4 課題解決方法を考える。 ◆机間指導により,助言する。 ◇加法と減法が混じった式であるこ とを確認させる。 ◆減法を加法になおす方法(ひく数 の符号を変えてたす)を確認させ る。 ◇途中式を丁寧に書かせ,どのよう にして計算したのかがわかるよう にさせる。 ◇全体交流でいろいろな課題解決方 法が交流できるよう,机間指導に (生徒の振り返り例) ・これまでは 26-30 のように,小さい数から大きい数をひく計算はできなかったが, 負の数を学んで,このような計算ができるようになった。負の数がないと,得失点 差は計算できないから,負の数は必要だということを感じた。 ・項の和の形にすることで,これまで書いていた+(たす)の記号や,かっこを省略 することができるので,式を書くのが簡単になりそうだと思った。 加法や減法の混じった計算ができる。 (予想される生徒の反応例) ・加法だけの式になおして計算す ればよい。 ・かっこや+(たす)の記号を省 略して,項の和の形にすればよ い。 (+4)-(+7)+(-8)-(-2)の計算はどのようにすればいいでしょうか。 (予想される生徒の反応例) ・ (+4)-(+7)+(-8)-(-2) =(+4)+(-7)+(-8)+(+2) =(-3)+(-8)+(+2) =(-11)+(+2) =-9

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25 8 全体で交流する。(意図的指名) 9 適用題に取り組む。 10 解き方をペアで説明し合う。 11 本時のまとめを行う。 12 本時を振り返り,次時につなげ る。 より生徒の考えを把握する。 ◇説明には数学用語を用いることを 意識させる。 ◇それぞれの解き方の違いを考えな がら発表を聞かせる。 ◇自分と違う意見は,ノートに加筆 させ,考えを広げさせる。 ◇より効率的に計算するために,加 法の計算法則を利用すればよいこ とに気付かせる。 ◇説明させることで,本時の学習内 容を整理させる。 ◆説明が不十分である場合は,お互 いに助言したり,ペアで表現方法 を考えたりさせる。 ★正負の数の加法と 減 法 の 混 じ っ た 計 算について,計算方 法 を 説 明 す る こ と ができる。【表現力】 (発表) ○正負の数の加法と 減 法 の 混 じ っ た 計 算ができる。(ノー ト,行動観察) ★正負の数の加法と 減 法 の 混 じ っ た 計 算について,計算方 法 を 説 明 す る こ と ができる。【表現力】 ( ノ ー ト , 行 動 観 察) 加法と減法の混じった計算では, ①加法だけの式になおす ②項の和の形にする ③正の項どうし,負の項どうしに分けて 計算する の手順で計算すればよい。 (生徒の振り返り例) ・自分は加法だけの式になおして,そのまま計算していたが,他の人は項の形になお したり,加法の計算法則を使ったりして工夫して計算していた。他の人の解き方が 参考になった。 次の計算をしなさい。 (1)-5+3-2+6 (2)-17-(-25)+3+(-14) (予想される生徒の反応例) ・ (+4)-(+7)+(-8)-(-2) =(+4)+(-7)+(-8)+(+2) =4-7-8+2 =-3-6 =-9 ・ (+4)-(+7)+(-8)-(-2) =(+4)+(-7)+(-8)+(+2) =4-7-8+2 =4+2-7-8 =6-15 =-9

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26 【第 12 時】 (1)本時の目標 正負の数の乗法の計算方法を理解する。 (2)本時の主体的な学びの姿 乗法の計算について,東西の移動をもとに式をつくっている。また,その式の符号と絶対値に着 目して,乗法の計算方法を考え,自分の考えを他者に積極的に伝えている。グループ活動では,出 された意見を数学用語を用いた適切な表現にまとめようとしている。 (3)学習の流れ 学習活動 指導上の留意点(◇) ◆「努力を要する」と判断した 生徒への指導の手立て 評価規準 教科の指導事項(○) 資質・能力(★) (評価方法) 1 前時までの復習をする。 ・加法・減法の計算練習(ペア活動) 2 課題意識をもつ。 3 本時のめあてを確認する。 4 東西の移動をもとに,2つの数の 乗法について考える。 ◆机間指導により,助言する。 ◇予想させ,見通しをもたせる。 ◇時間と位置について,表に整理さ せる。 ◇東を正の方向とすると,西は負の 方向,現在より2時間後を+2時 間とすると,2時間前は-2時間 と表されることなど,反対の性質 をもつ量の表し方を確認させる。 ◆(速さ)×(時間)=(道のり) の関係をもとに,式をつくらせる。 ○正負の数で,2つの 数の乗法を,東西の 移 動 を も と に し て 考 え る こ と が で き る。(ノート,行動 観察) 正負の数の乗法の計算方法を理解する。 Aさんは,東へ時速4km の速さで歩いています。現在の地点0m(0時間)と すると,2時間前,2時間後にはどの地点にいますか。 (予想される生徒の反応例) ・(1)は4×2だから8になるけ ど,(2)はどうなるのかな。 ・(3)は-4が2つあるというこ とだから,-8になるのかな。 ・(4)は,2つの数がどちらも負 の数であるから,最も小さくな る。 次の計算で,積が最も小さくなるのはどれでしょうか。 (1)(+4)×(+2) (2)(+4)×(-2) (3)(-4)×(+2) (4)(-4)×(-2) (予想される生徒の反応例) ・2時間前は-2時間,そのとき の地点は西へ8km だから-8 km と表すことができる。 したがって, (+4)×(-2)=-8 ・2時間後は+2時間,そのとき の地点は東へ8km だから+8 km と表すことができる。 したがって (+4)×(+2)=+8

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27 5 4つの式をもとに,乗法の計算に ついての気付きを考える。 (個人思考) 6 グループで自分の考えを伝え合 い,乗法の計算のルールとしてまと める。 7 全体で交流する。 ◇西へ向かって歩くことは,東を正 の方向として,時速-4km と表さ れることを確認させる。 ◆(速さ)×(時間)=(道のり) の関係をもとに,式をつくらせる。 ◇加法の計算方法を考えるときに, 符号と絶対値に着目したことを思 い出させる。 ◇グループ内で役割分担させること で,自分の考えをしっかりと伝え るようにさせる。 ◆活発な話合いができていないグル ープに参加し,助言する。 ◇数学用語を用いてまとめさせる。 ◇他のグループの意見と比較しなが ら聞かせ,表現が異なるところや 付け加えるところなどを発表させ よりよい表現になるよう修正させ る。 ○正負の数で,2つの 数の乗法を,東西の 移 動 を も と に し て 考 え る こ と が で き る。(ノート,行動 観察) ○正負の数の乗法の 計 算 方 法 を 理 解 し ている。(ノート, 行動観察) ★減法の計算方法を 考え,説明すること ができる。【思考力】 【表現力】(ノート, 行動観察) ○正負の数の乗法の 計 算 方 法 を 理 解 し ている。(ノート, 行動観察) ★減法の計算方法を 考え,説明すること ができる。【思考力】 【表現力】(ノート, Aさんは,西へ時速4km の速さで歩いています。現在の地点0m(0時間)と すると,2時間前,2時間後にはどの地点にいますか。 (予想される生徒の反応例) ・2時間前は-2時間,そのとき の地点は東へ8km だから+8 km と表すことができる。 したがって, (-4)×(-2)=+8 ・2時間後は+2時間,そのとき の地点は西へ8km だから-8 km と表すことができる。 したがって (-4)×(+2)=-8 (予想される生徒の反応例) ・積が最も小さくなるのは(-4) ×(-2)だと思ったけど,(+ 4)×(+2)の結果を同じに なった。 ・4つの式はどれも積の絶対値が 8になっている。 ・積の符号が+になるときと,- になるときがある。 (予想される生徒の反応例) ・積の絶対値は,2数の絶対値の 積になる。 ・2数の符号が+と+,-と-の ときは積の符号は+になる。 ・2数の符号が+と-のときは, 積の符号は-になる。

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28 8 本時のまとめを行う。 9 本時を振り返り,次時につなげ る。 行動観察) 【第 13 時】 (1)本時の目標 正負の数の乗法の計算ができる。 (2)本時の主体的な学びの姿 符号や絶対値に着目して,いろいろな正負の数の乗法の計算に取り組んでいる。 (3)学習の流れ 学習活動 指導上の留意点(◇) ◆「努力を要する」と判断した 生徒への指導の手立て 評価規準 教科の指導事項(○) 資質・能力(★) (評価方法) 1 前時の復習をする。 ・乗法の計算方法(符号,絶対値) 2 本時のめあてを確認する。 3 例題で計算方法を確認する。 4 課題1に取り組む。 ◇前時にまとめたことを想起させ, 確認する。 ◇まず積の符号を考えさせる。 ◇問題を多数準備しておき,習熟を 図る。 ◆積の符号の付け方を確認させる。 ◇ペアで解き方を説明しながら答え を確認させる。 ○正負の数の乗法の 計算ができる。 (ノート,行動観察) 正負の数の乗法では, ①同符号の2数の積は,絶対値の積に正の符号をつける。 ②異符号の2数の積は,絶対値の積に負の符号をつける。 (生徒の振り返り例) ・正負の数の乗法についても,符号と絶対値に着目したら計算することができること が分かった。 ・みんなで気付きを言いながら,協力して計算のルールを見つけたので,一人で考え たときよりもしっかり理解することができた。 正負の数の乗法の計算ができる。 (1)(+3)×(+4) (2)(-3)×(-4) (3)(+3)×(-4) (4)(-3)×(+4) (1)(+2)×(+3) (2)(-6)×(-5) (3)(+5)×(-7) (4)(-6)×(+2) 他,2数が整数である乗法

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29 5 課題2に取り組む。 6 本時のまとめを行う。 7 本時を振り返り,次時につなげ る。 ◆分数の計算では,どの数とどの数 を約分することができるか確認さ せる。 ◇ペアで解き方を説明しながら答え を確認させる。 ○正負の数の乗法の 計算ができる。 (ノート,行動観察) 【第 14 時】 (1)本時の目標 乗法の計算法則を利用して,正負の数の乗法を工夫して計算することができる。 (2)本時の主体的な学びの姿 乗法の交換法則や計算法則を理解し,それを利用して,効率よく計算できる方法を考え,自分の 考えを他者に積極的に伝えている。また,他者の考えを聞き,自分とは異なる考え方に興味をもち, 理解を深めようとしている。 (3)学習の流れ 学習活動 指導上の留意点(◇) ◆「努力を要する」と判断した 生徒への指導の手立て 評価規準 教科の指導事項(○) 資質・能力(★) 正負の数の乗法では,まず符号を考え(同符号なら+,異符号なら-),絶対値をかければ よい。 (生徒の振り返り例) ・積の符号の付け方に気を付け,乗法の計算が完璧にできるようになった。 ・分数の乗法は,約分を間違えないようにしたい。 (1)(+2.1)×(-0.7) (2)(-3 7 )×(- 5 2 ) (3)(-5 6 )×(+9) (4)(-3 4 )×(- 4 9 ) (解き方の説明例) (1)(+2)と(+3)は同 符号だから,積の符号は+にな る。また,積の絶対値は2×3 の計算をして6になる。したが って(+2)×(+3)=+6 (解き方の説明例) (1)(+2.1)と(-0.7)は 異符号だから,積の符号は-に なる。また,積の絶対値は 2.1 ×0.7 の計算をして 1.47 にな る。したがって(+2.1)×(- 0.7)=-1.47

参照

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