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昭和63年度研究報告会要旨

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Academic year: 2021

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統計数理 第37巻 第1号(1989)

昭和63年度研究報告会要旨

と き:1989年3月22日 午前10時〜午後5時          23日 午前10時〜午後4時

ところ:統計数理研究所 講堂 3月22日

あいさつ 所長  赤一泡 弘 次

領域統計研究系

疎たデータの理論(3) 道2項分布

柳 本 武 美  この数年間,疎たデータが現実的にしばしば観察されることを指摘し,その理論的た対応として条件 付尤度の利用の有用性を研究している.別の対応としては周辺尤度の利用がある.

 条件付推論の適用の拡大を阻む要因は,条件付推論が母集団の確率モデルに対して特殊な制約を有す る点にある.・従って,柔軟で幅広いモデルを開発しておくことは現実的た解析において有用である.こ のような開発研究は理論研究老の関心をひき難い.

 道2項分布は非負整数値のみをとる分布で,その確率関数は        r(2κ十后)后

       力(κ,い)=r(、十1)r(、十后十1)ガ印

で表わされる.この分布はランダム・ウォークの初期通過分布として知られ,待ち行列理論でも扱われ た分布である.しかし,実際以上に複雑な分布と誤解されていて,全く実際的た利用はされていたい.

 上の導出でランダム・ウォークをウィナー過程に置き換えると,逆ガウス分布が得られる.この意味 で,道2項分布は離散型逆ガウス分布とみなせる.道2項分布の累積母関数は2項分布のそれの逆関数 にたっている.この事実が道2項分布と呼んだ根拠である.この事情は逆ガウス分布と正規(ガウス)分 布との関係に対応する.ウィットモアはdefective逆ガウス分布を論じているが,これに対応して,

力<1/2のときは無限大。oの値をとる分布に拡張できる.

 条件付推論を論じるために

       μ=々α/(2力一!)

       θ=1/后

と母数の変換を行なう.母数μは平均を表わし,θはちらばりを表わす.母数θが0のときポアソン分 布になる.標本平均πはμとθに依存するが,πを与えたときの条件付分布はθのみに依存する.逆ガ

ウス分布で条件付推論が有益であることはReciproca1解析との対応から容易に理解できる.

 道2項分布を仮定して,多くのデータを解析した.結核退院患者のデータでは典型的に有用性を確認

できた.

参照

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