新潟産業大学経済学部 紀要
No.13『 第
3セクターの現状 と課題』
出 井 信 夫
Ⅰ
は じめに
まちづ くりにおける 「 第
3セ クター」問題 は、古 くて新 しい優 れて今 日的なテーマである 。 第
3セ クターは、 これ まで国土 開発、地域 開発、都市整備 な どの観点 よ り議論 されて きた。
とりわけ、昭和
50年代後半の東京へ の過度の一極集 中化現象 を是正す るため に、地方圏への人口 と産業の分散化 を推進す る問題 に関連 して、内需拡大 を図 る処方策の一つ として 「 民活」論議がなさ れた。もとよ り、この背景 には財政赤字 の累積 と貿易摩擦 の激化が国政の重要課題 とされていた中で、
政府 は高度経済成長期 に肥大化 した行政機構組織 の効率化 ・簡素化 によって財政支 出 を圧縮す るとと もに、民間の能力 と資金の活用 を有効 に図 ることによって、 これ ら種 々の課題 に対 して、同時 に解決 を図ってい こうとす る発想がその底流 にあったことは改 めて言 うまで もない。
これ らの議論の過程の中で、当面の緊急課題 を解決す る最有力 な方法の一つ として、官民 の共同出 資 ・出指 によって設立 された 「 第
3セ クター方式 による企業体」が新 たに脚光 を浴 びたわけである
。昭和
61年
5月 に成立 ・施行 された 『 民活法』以来、 『リゾー ト法』 や 『 頭脳立地法』 など、いわゆ る 「 地域整備法」 と呼 ばれる地域支援政策の多 くは、法律 を制定す る当初 の段階 よ り、事業開発整備 主体 は基本的 には第
3セ クターが想定 されていた といって も過言ではない。
近年、第
3セ クター方式 は、地方 自治体 においては、地域振興や地域活性化 関連のみな らず、教育 文化や社会福祉 関連、 さらには研究技術 開発関連 に至 るまで、広範 な多岐 にわたる事業分野で設立 さ れる傾 向にある
。第
3セ クターの第
3次 ブームの到来 といわれる所以である
。この ように、第
3セ クターは、国のみな らず、 とりわけ、 自治体行政 における地域活性化事業 を推 進す る際の有力 な開発事業手法の一つであると大 きな期待が寄せ られたわけである。に もかかわ らず、
一般 に、 この 「第
3セクター方式」 に対 して、十分 な理解が なされているとは到底言 い難いのが実情 である 。
第
3セ クター方式 を採用す るにあた っては、 この事業方式 のメ リッ トやデメ リッ ト、あるいは他の 事業方式 との適否 などの比較 をす るな ど、種 々の角皮 よ り十分 に議論や検討が なされず に、安易 に設 立 される傾向が多 々み られる
。また、第
3セ クターの運営管理や経営管理 について も、不適切 な面が 多い と多 々指摘 されていることは周知 の とお りである
。これ は、 『 第
3セ クター論』 とも呼 ぶべ き理論的 な枠組み ・体系化が未 だ不十分である とともに、
実態調査等 に基づいた実証分析が極 めて少 ない ことに起 因 しているといえる 。 経済学で体系化 されて
いる ( 経済理論 ・経済原論) ( 経済政策) ( 実証分析) な どに相当す る体系化 が、 この分野では未だ未
整備であるため といえる 。 その結果、第
3セ クター方式 に対 して、 さまざまな曲解が生 じた り、客観
的な評価が されに くい状況 となってい る 。
̀この ような現況 を踏 まえ、本稿では、次 の諸点 を中心 に、̀ ̀ 第
3セ クター序論" を試みたい と考 え ている
。(1)
社会資本整備 とその変遷
( 2) 社会資本整備 と公共民間の役割分担 ( 3) 第 3 セクター事業の範囲 と設立可能性 ( 4) 第 3 セクターの設立の現状
( 5) 第 3 セクターの増加の背景 とその代表的な事例 ( 6) 第 3 セクターの成功 ・失敗事例 とその要 因 ( 7) 第 3 セクターの法人設立の課題
( 8) 第 3 セクターの経営分析 ・実態分析 ( 9) 第 3 セクターの基本的な設立運営課題 u o ) 第 3 セクター研究の今後の方向
なお、紙数、時間等の関係 より、本稿では主 として
(4)‑(10)について論述す ることとす る.( 1 )
‑(3)に ついては、改めて別稿で論 じたい と考 えている 。
Ⅱ
第
3セクターの設立の現状 1「 地方公社 」 と 「 第
3セクター」
(1)
「 地方公社」の設立状況
「 第
3セクター」 は、現在全国 に相当数が存在 していると考 え られ るが、特 に第
3セクターに焦点 をあてて実態調査 された統計データがないため、現状では統計的に正確 な実数 を把握す るととは極め て困難である 。
ところで、自治省では、「 地方公社」の実態 については、
3年 に
1度調査 している。この場合の 「 地 方公社」 とは、「 単独 の地方公共団体の出絹 ・出資割合が
25%以上の特別法人、民法法人、商法法人 を対象」 に、全国的に調査 された ものである( 1 ) 0
最 も新 しい地方公社 に関する調査 は、平成
5年
1月
1日付 けで行 われた ものである
。同調査 によれ ば、現在、全国における地方公社の総数は
6,659公社である 。 前 回平成
2年の調査時 における地方公 社総数 は、5,
477公社であった。前回の調査 と比べ、1,
182公社、21.
6%と大幅 な増加 を示 している。なお、今回の調査で は、「 単独の団体 の出資割合 が
25%未満 の法人」 について も 「付加調査」 ( 従 前 の調査で は
25%未満の法人 は調査対象 とはされていなかったため実態が不明であった) として、同時 に調査 された。
1つの自治体 の単独 出資 の割合が、
25%未満 の法人 は1,587法人である
。この 両者 を合計すると、
8,246公社等 となる。 ( 表
1‑① 、表
1‑②、図
1参照) )0
( 2) 地方公社 の業務内容
「 地方公社」の総数
6,659公社 を業務別 ・形態別 に分類す ると、表
2に示す ように、全体 の
31.6%にあたる
2,102公社が、主 として公用 ・公益施設用地、住宅用地、内陸 ・臨海工業用地、流通業務用 地等 の土地の取得 ・造成等 を行 う 「 土地開発公社」 などの 「 地域 ・都市開発関係」 ( この うち土地開 発公社 は
1,563公社) の地方公社である 。 次 いで多 い順 にあげる と、「 教育 ・文化関係」が
907公社
‑ 20
‑
新 潟 産業大学 経済学 部 紀要
No.13表 1 ‑ ( D 地方公社数の推移
(25%以上出資)
( 構成比 :
%)区̀ 分 昭和
62年 lI
j]1日平成
2年
1月
1日 ・平成
5年
1月
1日 公社数 構成比 増加率 公社数 構成比 増加率 公社数 構成比 増加率 都道府県
1,504 31.9 16.0 1,700 31.0 13.0 2,111 31.7 24.2指定都市
247 5.2 7. 4
315 5.8 27.5 376 5.6 19. 4 市区町村
2,969 62.9 12.1 3,462 63.2 16.6 4,172 62.7 20.5( 付加調査分 を除 く)
( 構成比 :
%)表 1 ‑②
付加調査 (25%未満出資)
区 分 単独 の地方公 共 団体 出資割合 単独 の地方公共 団体 出資割合
合計
25%以上
25%未満 (今回付加調査)
都 道 府 県
2,111 852 2,963指 定 都 市
376 104 480市 区 町 村
4,172 631 4,803合
計
6,659 1,587 8,246( 出所) 自治省資料 図 1 地方公社の種類
0 20 40 60 80
1
00%出 資25 % 以 上
の法 人 数 合計 6. 6 5 9団体 出資2 5 % 未満 の法 人 数
合
計1, 5 87 団体
ン / / / /+ + /
・ : .
1枚 l : : : : : : : : : : : :
::::::::KXXXXヌ;≡;;;≡;;;;;三;≡;≡;≡… .:.:.:.i+11
0 0 2 8
0 281 1438814172 397そ の 他
公 害 ・ 自 然 環 境 保 全 関 係
教 育 ・ 文 化 関 係
運 輸 ・ 道 路 関 係
生 活 衛 生 関 係
社 会 福 祉 ・ 保 健 医 療 関 係
商 工 関 係
農 林 水 産 関 係
観 光 ・ レ ジ ャ ー 関 係
住 宅 ・ 都 市 サ ー ビ ス 関 係
地 域 開 発 ・ 都 市 開 発 関 係
(出所 )自治省資料
(13.6%)
、「 農林水産関係」が
809社
(12.1%)、「 観光 ・レジャー関係」が
673公社
(9.6%)となっ
ている。 この うち、土地開発公社 など特別法人である 「 法定三公社」 を除 く残 りの地方公社 について
業務別分類 をみると、「 教育 ・文化関係」が最 も多い。 次 いで多い順 に、「 農林水産関係
」「 観光 ・レジャー 関係 」 「 社会福祉 ・保険医療関係 」 「 地域 ・都市開発関係」 となっている 。
一方、業務別分類 を法人形態別 にみると、「 民法法人」 の最 も多 い業務分野 は 「 教育 ・文化 関係」
892
公社
(24.0%)である。次 いで多い順 にあげると、「 社会福祉 ・保険医療関係」5
90公社
(15.9%)、
「 農林水産関係
」 543公社
(14.6%)、「 その他
」 393公社
(10.6%)となっている ( 表
2参照)0 ま声、「 商法法人」の最 も多い業務分野 をみると、「 観光 ・レジャー関係 」
354公社
(27.7%)である 。 次いで、「 農林水産関係 」
266公社
(20.8%)、「 運輸 ・道路関係 」
207公社
(16.2%)、「 地域 ・ 都市開発関係 」
156公社
(12.2%)の順 となっている (表
2参照)0
表
2業務別 ・形態別地方公社数
( 全国計)( 単独 の地方公共団体出資割合
25%以上の地方公共)
民 法 法 人 商 法 法 人 . 特 別 法 人 計
財団法人 社団法人 小 計 株式会社 有限会社 小 計 住宅供給 公社 地方道路 公社 土地開発 公社
構成 構成 構成 . 構成 構成 構成 構成 構成 構成 構成
比 比 比 比 比 比 比 比 比 比
1
地域 .都市開発関係
373 17.7 10 0.5 383 18.2 154 7.3 2 0.1 156 7.
4 0 0.0 0 0.01.56374.42.102100.0 2住宅 .都市サー ビス関係
80 48.5 3 1.8 83 50.3 2615.8 0 0.0 2915.85633.9 0 0.0 0 0.0 165100.0 3紋光 .レジ ャー関係
257 40.3 26 4.1 283 44.
4 34654.3 8 1.3 35455.6 0 0.0 0 0.0 0 0.0 637100.0 4農林水産関係
246 30.
4 29736.7 543 67.1 23829.428 ′3.5 26632.9 0 0.0 0 0.0 0 0.0 809100.0 5商工関係
271 72.3 9 2.
4 280 74.7 9124.3 4 1.0 9525.3 0 0.0 0 0.0 ・ 0 0.0 375100.0 6社会福祉 .保健医療関係
579 97.0 ll 1.8 590 98.8 7 1.2 0 0.0 7 1.2 0 0.0 0 0.0 0 0.0 597100.0 7生活衛生関係
149 74.1 4 2.0 153 76.1 4120.
4 7′3.5 4823.9 0 0.0 0 0.0 0 0.0 201100.0 8運輸 .道路 関係
53 17.5 2 0.7 55 18.2 19765.010 3.3 20768.3 0 0.04113.5 0 0.0 303100.0 9教育 .文化関係
871 96.0 21 2.3 892 98.3 14 1.5 1 0.1 15 1.7 0 0.0 0 0.0 0 0.0 907100.0 10公害 .自然環境保全関係
67100.0 0 0.0 67100.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 67100.0 11その他
381 76.8 12 2.
4 393 79.2 10220.6 1 0.2 10320.8 0 0.0 0 0.0 0 0.0 496100.0うち情報処理関係
6 14.6 4 9.8 10 24.4 3175.6 0 0.0 3175.6 0 0.0 0 0.0 0 0.0 41100.0うち国際交流関係
100 98.0 0 0.0 100 98.0 2 2.0 0 0.0 2 2.0 0 0.0 0 0.0 0‑0.0 102100.0うちその他
275 77.9 8 2.3 283 80.2 6919.5 1 0.3 7019.8 0 0.0 0 0.0 0 0.0 353100.0計
3,327 50.0 395 5.93,722 55.91,21618.361 0.91,27719.256 0.841 0.61,56323.56,659100.0( 出所)「 平成
5年度 地方公社総覧」 ぎようせい
表
3は、業務分野別 に、地方公共団体か らの出資割合の観点 より、前述の 『 地方公社総覧』 に紹介 されている各種 の統計資料 を再整理 した ものである 。 単独 の地方公共団体の出資割合が2
5%以上の地方公社 の状 況 をみ る と、「 地方公 共団体が1
00%全額 出資 してい る地方公社」 は、6,659公社 の うち
3,815公社、5
7.3%である。この うち、最 も多い業務分野 は地域開発 ・都市開発関係の1,
760公社であ
り、次 いで多いのは教育 ・文化関係の6
08公社 となっている 。
一方、単独 の地方公共団体の出資割合が25% 未満の付加調査 の地方公社 の状況 をみると、「 地方公 共団体が1
00%全額 出資 している地方公社等」 は、1,587公社 の うち1
7公社、1.
日̀である。 この両者
ー 22‑
新潟産業大学経済学部 紀要
No.13の合計、すなわち単独の地方公共団体 の出資割合が
100%全額 出資 している地方公社等の合計 は、総 計
8,246公社等の うち
3,832, 公社等であ り、全体の
46.5%に達 している
。表3
業務分野別 ・地方公共団体 出資割合別地方公社数
( 1 ) 単独の地方公共団体出資割合25% 以上の地方公社
地方公共団体出資割合
業務区分 地方公共団体全額出資法人 地方公共団体5
0%以上100%未満民間5 以上出資 法人
0%計
(100%)
出資法人
単独地方公
共団体出資 複数地方公 共団体出資 単独地方公 共団体出資 複数地方公 共団体出資
1.地域開発 .都市開発関係
1,760 139 1.899 105 27 132 71 2.102 2.住宅 .都市サービス関係 88 24 112 25 ll 36 17 165 3.観 光 .レ ジ ャ ー 関 係 195 19 214 . 250 26 276 147 637 4.農 林水 産 関 係
81 18 99 329 112 441 269 809 5.商 工 関 ■ 係
89 18 107 111 78 189 79 375 6.社会福祉 .保健医療関係 210 75 285 134 82 216 96 597 7.生 活 衛 生関 係
80 44 124 35 ll 46 31 201 8.運 輸 . 道 路 関 係 70 15 85 73 58 131 87 303 9.教 育 . 文 化 関 係 608 24 632 160 39 199 76 907 10.公害 .自然環境保全関係 29 3 32 21 4 25 10 67l l .そ の 他
192 34 226 141 52 193 77 496(2)
単 独 の地方 公 共 団体 出資 割 合
25%未満の地方公社 総 数
地方公共団体出資割合
業務区分 地 方
50 % 25% 25% 計全 額 出発法 地 方公 共 団 地 方公 共 団 計 構成 公 共
団 体 全 額 出 資
法 人 以 上 未 満
1出 資
00%〜 以 上 未 満
1出 資
00%〜未 満 出 資 人(
100%)構成 体5
1出資法人
00%0%以上未満 構成 体 出資法人
50%未 満構成
(100%)法 人 法 人 法 人
比 比 比 比
1.地域開発 .都市開発関係
2 6 15 77 100 1,901 23.1 138 1.7 163 2.0 2,202 26.8 2.住宅 .都市サービス関係 0 2 4 50 56 112 1.4 38 0.5 71 0.8 221 2.7 3.観 光 .レ ジ ャ ー 関 係 1 3 23 253 280 215 2.6 279 3.4 423 5.1 917l
l.1 4.農 林 水 産 関 係 0 9 56 216 281 99 1.2 450 5.4 541 6.6 1,090 13.2 5.商 工 関 係
1 ■14 34 94 143 108 1.3 203 2.5 207 2.5 518 6.3 6.社会福祉 .保健医療関係 3 10 16 59 88 288 3.5 226 2.7 171 2.1 685 8.3 7.生 活 衛 生関 係
1 1 3 ll 16 125 1.5 47 0.6 45 0.5 217 2.6 8.運 輸 . 道 路 関 係 1 9 46 85 141 86 1.0 140 1.7 218 2.7 444 5.
4 9.教 育 . 文 化 関 係 3 2 6 61 72 635 7.7 201 2. 4
143 1.7 979l
l.9 10.公害 .自然環境保全関係 2 0 4 7 13 34 0.
4 25 0.3 21 0.2 80 0.9l l .そ の 他
3 5 46 343 397 229 2.8 198 2.
4 466 5.6 893 10.8資料 :「 地方公社総覧」 ( 自治省地域政策室編、 ぎようせい) より筆者が作成。
2
第
3セクターの定義
図
2は、公共サー ビスの提供主体 の観点 よ り、「自治体
」「 地域
」「 企業」の相互の関連性 について 整理 した ものである
。図
2公共サービスの処理方式別供給主体の概念図 ジ ョイ ン トセ ク ター
第
5セ ク ター
( 出所)
「52年度神戸 市報告書」
また、表
4は、図2の各セクター間の相互関連性 を基礎 に、・ その定義 ・概念お よび近年の代表的な 事例 をもとに、筆者が再整理 した ものである 。
これ らの諸点 を踏 まえて、「 第
3セクター」 を定義すると、「 第
3セクター とは、公社、協会、株式 会社等の名称 の如何 にかかわ らず、①土地開発公社 などの特別法人である法定三公社 と②単独 または 複数の地方公共団体が
100%全額出資お よび出摘 している地方公社等 を除いた残 りの法人で、かつ公 的セクター ( 国、地方公共団体、政府関係機関等の特殊法人等) と民間セクター ( 民間企業等の営利 法人、農協 ・商工会議所 ・商工会 ・観光協会等の経済団体 や任意団体等 を含 む各種団体や民間の公益 法人等) との両者の共同出資 によって設立 された商法 に基づ く商法法人の株式会社等 ( 狭義の意味) に、 さらに共同出指 によって設立 された民法 に基づ く民法法人の財団法人等 を加 えた ( 広義の意味) 法人組織 ・団体である」 と定義で きる ( 2)
。‑
2 4‑
新潟産業大学経済学部 紀 要
No.13表
4各セクターの概念
事業主体 ?構成 代 表 的 な 法 人 形 態 . 今後設立 され る可能性 の高 い事業主体 お よび分野 代表的 な事例 と
第
3セ クター ・地方公共団体等 ・株式会社 ・財 団法人 ・安比総合 開発㈱
・㈱ 石炭 の歴史村観光 p
・㈱ ルネ ッサ ンス棚倉、
・㈱ ノヽ一千二一 ラ ン■ ド .
・越谷 コ ミ ノ ユニテ ィプラザ㈱ な ど、多数 あ る と ・財団法人地域 活性化 セ■ ン夕‑な ど
・民 間 企 業 等 ・そのほか ・そのほか .財 団法人 (まちづ くり財 団 な ど).
・株式会社 ( 市街地 開発事業 な ど)
・公益信 託 ( 助成財 団 な ど)
・協 同組合 ( 工場 団地 の共 同福利厚生施設 な ど) な どのケース. が想定 される
第
4・地方公共団体等 ・住 民 . 等 と ・東 田法人 ・社 団法人 シルバ ー人材 セ ンターな ど
・株式会社 ・㈱ 七 日町再 開発 ビルな ど
・そのほか ・そのほか .財 団法人 ( 生 きがい事業団 な ど)
セ クター ・公益信託 ( 区画整理事業 に伴 うまちづ くり信託
な どのケ‑えが想定 され る
第
5・住 ・民 間 企 業 等 民 と 等 ・財団法人 ・財 団法人富士記念財団 な ど
・. 公益信託
・そのほか ・公益信託 あだち まちづ くり トラス ト
・公益信託 コ ミュニテ ィ .フ ァン ド‑ さざんか
、 . きつちゃん教 育基金 な どの公益信託 ̀
・そのほか .財 団法人 ( 助成財団や福祉厚生施設 な どの管理
セ クター .財 団)
・株式会社 (まちづ くり .む らお こ し .地域活性 化事業 や人材バ ンク事業 な ど)
・また、 ( コ ミュニ テ ィー .ビジ ネス ‑地域 の ス モール ビジネス) な どのケースが想定 され る
ジ ョイ ン ト ・地方公共団体等 ・民 間 企 業 等 ・住 p民 と と 等 ・財 団法人 ・株式会社 ・財団法人 まつ ど街 と水辺 の緑化基金
・財 団法人船橋緑 の基金 な どの緑化対策基金
・財団法人津南地域活性化 セ ンター ( 新潟県津南 町)
・㈱ ふ るさと企画 ( 岐阜県東 白川村)
・㈲ 美濃 白川 ふ るさと開発 ( 岐阜県 白川町)
・そのほか ・㈱ 黒壁 ( 滋賀県長浜市)
セ クター ・そのほか .財 団法人 ( 公共施設管理財 団等)
・株 式会 社 (まちづ く り事 業 .市 街 地 再 開発 部 莱 .社会福祉事業 .教 育文化 な どの 関連事業 な ど)
・公益信託 (まちづ くり公益信 託 .環境基金)
・また、 ( コ ミュニ テ ィー .ビジネス ‑地域 の ス
( 出所) 出井信夫 「まちづ くりと第三 セ クター 」 「とみん広聴」平成
5年
2月 を加筆
3
第
3セ クターの設立状況
全 国 の第
3セ クターの設立状況 を把握 す るには、前述 の 「 地方公社調」 ( 『 地方公社総 覧』 参照) が 最 も的確 な統計資料 としさえる。 現 時点 で は、第
3セ ク ター に関 して全 国的 な規模 で調査 された統計 デー
タ資料 はほか にみいだす こ とがで きない。
前述 した ように、地方公社総数 は
6,659公社 あ る
。この うち、( D土 地 開発公社 な どの法定三公社 は
1,660公社 あ る 。 また、② 地方公共 団体 が
100%全額 出絹 お よび出資 してい る民法法人 は2,108公社 、 商法法人 は
47公社 、計
2,155公社 あ る 。
一方、単独 の地方公 共 団体 の出資割合 が
25%未満 の法 人 は全 国 に1,587法 人 あ る
。この うち、単 独 の地方公共 団体 にお け る出資 比率 は
25%未満 で はあ るが複 数 の地 方公 共 団体 か らそれぞ れ出資 されてい るため、結 果 と して複 数 の団体 か らの出資割合 を合計 す る と
100%全額 が地方公共 団体 か ら出損 ・出資 されてい る ことになる と認 め られ る法 人 は、民法法人が
16法 人、商法法 人が
1法 人、計
17法人 あ る
。したが って、前述 の定義 に基 づ く 「第
3セ ク ター」 は、 この地方公社等 の総合計8,246公社等 の う ち、① 特別法人 であ る法定三公社
1,660公社 と、② 単独 または複 数 の地方公共 団体 が
100%全 額 出指 ・出資 して い る地 方 公 社 等 の法 人 ( 民 法 法 人
2,124、 商 法 法 人
48の合 計2,172法 人) の両 者 (総 計
3,832公社等) を除 いた残 りの地方公社等 ( 商法法人 十民法法 人 ‑狭義 の第
3セ ク ター +広義 の第3セ クター)であ る。この統計 デー タよ り、全 国 にあ る第
3セ クターの総数 は、平成
5年
1月
1日現在 、 地方公社等 の総合計
8,246公社等 の うち、
53.5%にあた る4,414法 人 あ る と推 定 され る (表
5参照)0
表
5第
3セ クターの設立状況
特別法人 民法法人 商法法人 計
地方公社
1,660 3,722 1.277 6,659( 単独の地方公共団体の出資割合25% 以上)
( うち
、100%全額を公共団体が出資 している法人) (
1,660) (2,108) (47) (3,815)第 台セクター
1,614 1,230 2,844付加調査地方公社
472 1,115 1,587( 単独の担方公共団体の出資割合25% 未満)
( うち
、100%全額を公共団体が出資 している法人)
(16) (1) (17)第
3セクター
456 1,114 1,570合 計
1,660 4,194 2,392 8,246地方公共団体の出資法人の合計
( うち
、100%全額を公共団体が出資 している法人の合計) (
1,660) (2,124) (48) (3,832)( 出所)「 地方公社総覧」 より作成
ー 2 6 ‑
新潟産業大学経済学部 紀要 No .1 3
Ⅱ
第
3セクターが増加 した背景 と第
3セクターへの公共 ・民間の参画動機
1第
3セクターが増加 した背景
1
第
3セクターが近年急激 に増加 した背景 には、次 の ような理由があげ られる。
第
1には、 まちづ くり、む らお こ しなど地域活性化 に取 り組 む自治体が第
3セ クター方式 を積極的 に取 り入れた ことがあげ られる
。特 に過疎 自治体 な どで は、 むらお こ し事業や地域活性化事業 などを 推進す るにあた り公益的 な事業 と収益的な事業 を推進す るための手段 、 また有能 な民 間の人材 な どを 柔軟 に採用す る手段 として導入 された
。第
2には、民活法の成立以来、社会資本整備や公的事業分野へ積極的に民間活力の導入 を図 るため に、種 々のイ ンセ ンテ ィブが付与 されたことがあげ られる。事業推進主体が第
3セ クターの場合 には、
国や 自治体 の補助金、NTT株式売却益 に よる無利子融資、開銀 ・北東公庫 な どの低利融資、固定資 産税等 の軽減措置 な ど種 々の支援策が受 けられる
。これ らの優遇措置が第
3セ クターの設立 に一層拍 車 をかけた。.
第
3には、 リゾー ト開発事業等 の ような大規模 な事業開発 には自治体の財政投資 だけでは不十分で あるため、民間企業の豊富 な資金や ノウハ ウ等 の導入 を図 ることによ り事業の成長性 を確保す るとと もに、同時 に経営 リスクを回避 しようと考 えられた結果採用 されたことがあげ られる。一方 の当串者 である企業 もバ ブル期 にあ り、潤沢 な資金 と人材 を新規事業 や ビジネスチ ャンスの拡大、経菅 の多殉 化 を図 る手段 の一つ として積極的に探 り入れた。特 に、地元地権者 や公官庁等の折術 など、煩雑 がJ t
務手続 きや諸条件 をクリア しなければな らないことを考 えた場合、民間企業が単独で串業r 那 己す るよ りは第
3セ クター方式 の方がスムーズに事業展 開が行 えると判断 された ことによる
。この ように、事業化 の推進 にあたっては、 自治体側 と民間企業側 の両者の開発の思惑が合致 した結 果、第
3セ クター方式が増加 したのである
。2
第
3セクターへの参画動機
表 6 第 3セクターの設立の動機 ・参画 目的 ( 公共側) ( 矧 l u側)
・地域活性化 .地域振興 ・新規申業機会の確保 (まちづ くり、 む らお こ し) ( ビジネスチ ャンス)
・郡市基盤整備 ・リス トラの一環
・産業振興 ・経営 ノウハ ウの活用 ( 提供、吸収)
・雇用 の機会の参加 ・溌金活用 ( 提供、吸収)
・所得確保 の機会 ・人材活用
・民 間の経営 ノウハ ウの活用 ・遊休地等: Zi 源の活用
・民 間の. 資金活用 ・企業 イメー ジの向上
・民 間の人材活用 ・地方公共団体 との関係強化
・遊休地等肘 原の活用 ・迅速 な許認可叫務 の推進
第
3セクターに参画す る際の公共側 と民間側の動機 をみると、基本的に両者の動機づ けは異なる場 合が多い。地元企業以外 の大企業が参画す る場合 には、特 にその傾向が強い。表 6は、両者の第 3セ
クター‑の基本的な参画動機 を整理 した ものである
。したが って、第
3セクターを設立 ・運営する際 には、 この ように公共側 と民間側の出資 ・参画の動 機の相違 を前提 に、事業の仕組み、両者の役割分担、経営採算性の考 え方 などについて、合意形成 を 図ることが第
3セクター事業 を成功 させ る大 きな鍵である。
Ⅳ
第
3セクターの成功事例 ・失敗事例 とその要因 1成功事例 と失敗事例
( 1) 成功事例
第
3セクター事業の設立 は、鉄道や リゾー ト事業のみならず、福祉 や環境保全関係 など事業分野や 事業内容 は多岐 にわたる
。第
3セクター事業 は、駅前再開発事業や商業施設 ・文化施設等が一体的に 整備 された大規模 な複合施設整備か ら農水産物 など、地域資源の有効活用や地域産業の振興 を図る目 的で設立 された地域密着型の第
3セクターに至 るまで、事業規模 は大小 さまざまである。近年の第
3セクターの事例 をみると、一般的には、大規模 な開発投資資金が必要 とされる資本投資型の第
3セク ター よりも、事業規模 は小規模 な地域密着型の第
3セクターの方が堅実経営が行 われ比較的成功 して いるといえよう ( 3) 0
ここでは、比較的小規模ではあるが地域活性化 に大 きく貢献 している代表的な成功事例 をい くつか 紹介 しよう 。
福井県名田庄村の 「 ㈱名田庄商会」 は、名田庄村、農協、森林組合 など
5団体 の出資 によって地域 産業 おこ し母体、村内‑の利益還元 を優先することを目的に昭和
59年
7月 に設立 された。名田庄商 会の事業 は、大別す ると、公共的事業 と民間的事業の
2つか らなる。公共的事業 とは、地域活性化事業 に関わる企画立案や PR活動 ・生産者支援 など、事業全般 にわたる支援策 を指す。民間的事業 とは、
特産品開発、加工食品の製造、通信販売や物産館の経営 など、流通販売部 門である
。「 売れるものを 売れるだけつ くれば、確実 に経営採算 は採 れる」 と語 る営業部長 は、メーカーに勤めていた地元出身 のUター ン組 の一人である
。「 村民商社 」 「 村おこし商社」 と呼 ばれる名田庄商会 は、農協等生産者の 協力 と多 くの村民の参加 を得て、 過疎村の活性化 を推進す る事業母体 として大 きな期待 を集めている 。
一方、岐阜県東 白川村の 「 ㈱ふ るさと企画」 は、村 ぐるみ会社 として村民が参加 した 「ジ ョイン ト セクター」 ( 自治体 +企業+住民)である
(4)0「 ふるさと創生事業 」 の資金 を活用 した 「 つちのこ探 し の村」 とマスコ ミに紹介 されるなど、ユニークな村づ くりで知 られている。㈱ ふ るさと企画の設立構 想 は、昭和
57年 に策定 された 「 東 白川村地域振興計画」 に端 を発 している 。 この振興計画では、新 しい村づ くりの方向について、村 の物的資源、人的資源、社会的資源 を結 びつけ、付加価値化 して地 域 を活性化す るための組織 「 村 ぐるみ会社」の設立が提案 されていた。 この提案 に基づいて、その後 建築協 同組合、特産品の開発 など地域資源 を活用す るため、種々の事業が着実 に展開 された。そ して
10年後、その集大成 として、「 村 ぐるみ会社」の㈱ ふ るさと企画が設立 された。 この会社設立の 目的 は、( D地域の産業の拡大、②就業機会の拡大 と安定、③地域の活力の醸成 を図ることにある . 主 な事
‑28‑
新潟産業大学経済学部 紀要
No.13業 としては、①農産物の生産、加工、販売、②公共施設の管理受託、③ イベ ン トの企画運営、④旅館、
料理飲食の提供、( 9その他か らなる
。また、岐阜県明宝村 には、第
3セクターが現在
5社 ある ( 5) 0「 設立 した ら必ず成功 させ る」 とい う 村長の強い経営方針の もと、現在全ての会社が黒字である
。各社 の事業概要 は次の とお りである
。① めいほう高原開発㈱ :昭和
63年
3月に設立
、∫スキー場の経営。
② 明宝物産加工㈱ :昭和
63年
3月に設立、ハム等の食肉加工 ・販売。
③ 明宝温泉㈱ :平成 2年 3月 に設立、温泉掘削、村設置の露天風呂の経営。
④ ㈱明宝マスターズ :平成
2年
12月に設立、物産館、喫茶店、バーベ‑キューセ ンターを経営。
( 参 ㈱明宝 レデ ィース :平成
4年
7月設立、農産物加工、飲食店経営等の経営。
さらに、現在村では
6社 目の第
3セクターの設立が計画 されている
0他方、旧国鉄の特定交通線、すなわち赤字不採算路線が第
3セクターに引 き継がれて経営 されてい る鉄道 は、全国 に 39社 ある
。元々、収入 を経費が大幅 に上 回る赤字路線である
。第 3セ クター方式 に変更 されたか らといって、す ぐに収支が好転するわけではない。ある意味では、経営赤字 は当然の 結果であるともいえる
。この第
3セクター方式の鉄道会社の中で、数少 ない黒字経営 を行 っている一 つに㈱樽見鉄道がある ( 6) 0
樽見鉄道 は昭和
59年旧国鉄樽見線 を引 き継 ぎ、 平成元年
3月に棒兄 まで路線が延長 された。同社 は、
全国に先駆 けて レールのバス導入、 ワンマ ン運転 をは じめ種 々の合理化 を推進す る一方、薬草列車な どユニークな企画列車の運行 を通 じて旅客誘致 を図るなど、経営努力 により増収、黒字経営 を堅持 し ている 。 「 赤字経営 になれば会社 自体がな くなる 。 会社 を存続す るためには、何 として も黒字経営 を 続 ける必要がある」 と、社長 は決意 を込めて語 っている。
これ らの事例 は、" 地域資源 を有効 に利活用 して展開 され る地域 に密着 したスモール ビジネス型の 典型的な第
3セクター"の成功事例 として高 く評価で きる
。これ ら過疎 自治体 が設立 した第
3セクター会社の資本金 には、「 ふるさと創生事業一億円」 の一部 が原資 として利用 されていることは、あまり知 られていない。当時、仝 自治体 に対 して 1億円を交付 す ることは、バ ラマキ行政であ り総 じてムダであ り意味のない施策であると批判 されたが、使途 につ いては自治体 に自らの創意工夫で行 う施策の重要性 を認識 させ ることには大いに役立 った といえる
。地域住民か らもさまざまなアイデ ィアがだされるなど、その資金活用方法 を通 じて自治体行政への関 心 と財政支出の在 り方 に対す る一般住民の高い関心 を集めた とい う意味では、極めて重要 な役割 を果 た したわけである
。自治体の財政支出について、 これほど注 目された例 はこれまでなかった といって よい。 これ ら過疎の 自治体で は、「 地域産業振興や人材育成基金」 などに加 えて、第
3セ クター会社 の資本金の一部 に出資金 として利用 された とい う意味では、「 ふ るさと創生資金 1億 円」 は大 きな役 割 を果 た した と評価で きる。
・表 7 は、 リゾー ト開発事業 において、典型的な第 3 セクターによる事業開発方式 を中心 に、土地信 託方式、借地方式 など、各種 の事業開発方式の代表的な事例 を紹介 した ものである ( 7) 0
また、表
8は、「 施設整備主体 と管理運営主体の関係」 より、開発 プロジェク ト事業の分類 を行 っ
表
7リゾー ト事業開発の類型化
リゾー ト名 用地の取得方法 土地 .建物の所有形態 主な資金調達法 .モデル事業 運営管理主体
ルネサ ンス棚倉 ( 福 島県) 民有地/全面買収 棚倉町所有 リー. ト、地方債 デ イング .プロジェク 第 ス棚倉
3セクター .㈱ ルネサ ン ハ‑モニ‑ラ ンド( 大分県) 公有地 .民有地/ 大分県、㈱ハーモニーラン 開銀 NTT無利子融資、都 第
3セ ク ター .㈱ ハ「 モ
全面買収 ド所有 市公園整備事業 ニーラン ド
グリー ンピア津南 ( 新潟県) 公有地/全面買収 年金福祉事業団所有 大規模年金保養基地構想 ( 帥年金保養協会 安 比 総 合 開発 ( 岩 手 県) 国有地/借地 安比総合開発㈱所有 ( 国有 北東公庫等か らの協調融資 第
3セクター .安比総合開
民有地/全面買収 地は借地) 発㈱
紀伊長島 レクリエーシ ョン 民有地/全面買収 三 重 県、紀 伊長 島 レク リ 大規模 レクリエーシ ョン都 第
3セクター .紀伊長島 レ
都市 ( 三重県) エーシ ヨン都市開発㈱所有 市構想 クリエーシ ョン都市開発㈱
石 炭 の 歴 史 村 民有地/全面買収 夕張市、㈱石炭の歴史村観 光所有 一般財源、地方債等 第 史村観光
3セクター .㈱石炭の歴 クアハ ウス碁店 ( 山形県) 公有地/全面買収 村山市所有 一般財源、地方債等 ㈲村山市余暇開発公社
クアハ ウス津南 ( 新潟県) 公有地/全面買収 津南町所有 地域総合整備事業費、一般 財源 ( 抑津南地域活性化セ ンター 盛岡手づ くり村 ( 岩手県) 民有地/全面買収 ㈲盛岡地域地場産業振興セ 高度化事業資金、県 .市助 ( 抑盛岡地域地場産業振興セ
ンタ‑各工房所有 成金 ンタ‑
小海 リゾー トシテ ィ . リエ ックス ( 長野痕) 財産区/借地 松原湖高原開発( 榊借地 開銀 NTT無利子融資 第 開発㈱
3セクター .松原湖高原
河 津 リ ゾ‑ ト ( 静 岡 県) 財産区 .民有地/ 借地 河津 リゾー ト㈱借地 銀行借入予定 第 ト㈱ 干
3セクター .河津 リゾー 青 野 運 動 公 苑 ( 兵 庫 県) 公有地/土地信託 兵庫県所有 土地信託制度 ㈱ アオノリゾー ト
た け ベ の 森 ( 広 島 県) 財産区/全面買収 ㈱西洋環境開発所有 家族旅行制度 部観光( 第
3セクター .吉備高原建 粕 アルファリゾー ト.トマム 民有地/全面買収 ㈱ ア ル ウ 7 .コー ポ レ‑ 自社資金、借入金 ㈱ ホテルアルファ
( 北海道) シ ヨン所有 ( 槻アルファホーム
( 出所)出井信夫編著 「リゾー ト事業戦略研究資料編」 ( 総合ユニコム)
* 同社 は解散 したので現在 は存在 しない。
表
8施設整備主体 ・管理運営主体の組 み合 わせ
管理運営主体
施設整備主体 公 共 ■ ( 第 財 団等 を含 む)
3セ クター 民 間
̲ .公 共事業 ( 間接経営塾)
第
3セ ク ター ‑ 第
3典型 的 な セ ク ター事 業 ‑
‑30‑
新潟産業大学経済学部 紀要
No.13図
3第
3セクターの事業化類型
( タイプ 1) (タイプ3)
事業 主 体 :第 3 セ クタ
ー事業主体 :施設整備個別事業主体 ( ジ ョイン ト セクター) 運営管理 :第 3 セクターの一体的な管理 ( 計画立案‑ 施 設整備
‑管理運 営 ‑第 3 セクター) ( 計画立案一施設整備‑個別事業主体)
舞 、必 共
G. L. 計画立案‑施設整備‑管理運営 ‑第 3 セクター (日理 昌一 管理運営‑第3 ク の 体 目理) セクター
(夕 事 ( 冨 土地の取得形態 G. L (夕 . 事 ( 言 企画立案一施設整備‑個別事業主体 例 ( 公共) ( 第3 セクター) ( 民間) プ2 )
土地の取得形態 クー 体) プ4 )
業主体 :公共主導 .公設民営型 業主体 :施設整備個別事業主体
†画立案一施設整備‑公共) 十画立案一施設整備‑管理運営‑個別卒業
( 管理運営‑第3セクター) ・公共 ・第 ・民間 3 セク
G. L . 計画立案一施設整備‑公共 管理運営‑第 3 セクター 企画立案一施設整備‑管理運営‑ 個別事業主体 ( 公共卒業) 欄 3セクター事業) ( 民間中葉) 土地の取得形態 G. L .
土地の取得形態
( 出所) 出井信夫 「
節 3セ クター に よる観光 レク リエーシ ョン ・リゾー ト開発 の現状 と課題 」「 地方財務」
1993
年
7月号
た ものである。
図
3は、第
3セ クターによる ( 計画立案一施設整備 一管理運営) に至 るまでの事業開発の進捗状況 に応 じて、公共 と民 間の役割分担 お よび事業主体 の区別 について、事例 に基づいて典型的な事業分担 の方法 を類型化 した ものである 。
( 2) 失敗事例
第
3セ クターの失敗事例 については、最近のマスコ ミに も種 々の事例が紹介 されている
。後述す る 秋田太平山 リゾー ト開発構想 な どはその典型的な事例であるといえる
。ちなみに、平成
5年当時の各 新聞社 の特集記事 のテーマ をみると、次 の ように、各紙 とも総 じて第
3セ クターには批判的な論調が
目立つ、 。
朝 日新聞の主張 ・解説 (
9・9)には、「 生か し切 れぬ第三セ クター」 と超 して、設立増 える一途、
" 失速 も"、挫折 目立つ リゾー ト開発、バブル後、巨額負債 も、欠落す るビジ ョンと続 く
。日本経済新 開の列島 ワイ ド (
9・20)には、「 第三セ クター レジャー施設」 と遺 し、苦悩す る自治 体主導 ・経営方針違 いで明暗、足 りぬ営業努力、地元客 も集め成功 と 。 失敗事例 と成功事例 を紹介。
.ゲ ンダイ (
9・29)は、「 乱造続 く第
3セ クター崩壊 の後始末」 と大見 出
し 。赤字 タレ流 しで も潰 さず税金で尻ぬ ぐい
、6,600法人の
8割が行 き詰 まりと
。これ らのマスコ ミ報道 には一部誤解 や曲解 な どがみ うけ られる もの もあるが、いずれに して も第
3セクターの安易 な設立や暖味 な経営責任 に対 して強 く警鐘 した ものであ り、 これ らの批判等 に対 して は謙虚 に耳 を傾 ける姿勢が最 も重要である。関係者 においては、 これ らの指摘 に対 しては、成功へ導 く鍵 ・ヒン トを与 えるもの として捉 えることによって、第
3セクターのメリットを最大限に生かす こ とがで きるように留意する必要がある。
2 第 3セクターの成功要因 と失敗要因
これらの成功事例 よりみた第
3セクダーの設立 ・運営 に成功するポイントは、次のように要約で きる
。・基本構想 ・基本計画 など、行政計画や施策体系のなかでその位置づけが明確 にされていること 。
・時代のニーズに合致 していること
。・首長の強い方針の もと、行政の支援体制が確立 されていること 。
・担当者の熱意 とその よき理解者が存在すること 。
・第
3セクターの実質的な運営者 ( 社長等でな くともよい)がいること
。・地域住民、企業 などか らよく理解 され、支援 されていること 。
・行政機関や出資 した民間企業 とは異 な り独 自に柔軟 な運営がで きること
。・少 々の失敗 にもめげず、チ ャレンジ精神で挑戦す ること
。他方、第
3セクターの失敗要因は、基本的には成功ポイン トの逆 を考 えればよい。
「 計画性 のなさ」、「 責任体制の不明確 さ」、「 事業見通 しの甘 さ」 など、種 々の角度か らの検討が な されない ままに、安易 に第
3セクター を設立す ることが失敗要因の典型 といえる
。「 ず さんな計画」
「 事業見通 しの甘 さ」「 経営責任の暖昧 さ」 など、不効率 に運営 されている実態 を指 して、"第
3セク ターは
3分の 1セクターである' 'と邦旅 されることさえ もある。つ まり、第
3セクターの持つ本来の 機能や長所が十分 に生か されず に、 まさに
"3分の
1"程度 しか有効 に機能が発揮 されないことを指
している
。したが って、第
3セクターが成功するためには、 自治体側 と民間企業側 との間では第
3セ クターを 設立す る動機や 目的が基本的に異 なるとい うことを前提 とした上で、本来 自治体の持つ地域資源 ( ヒ ト、モ ノ、カネ、情報)や調整機能 を十分 に発揮で きるように工夫する一方、民間企業の持つ経営資 源 ( ヒ ト、モ ノ、カネ、情報)や柔軟性、成長性 などの長所 をうまく伸 ばせ るような両者の機能 を最 大限に活用で きるようなシステムづ くり ( 前述の成功のポイン トなど)が最大の課題である 。 と同時 に、そのシステムが有効 に稼働す るために自治体側 と企業側 の両者のバ ックア ップ体制の確立 を図る ことが不可欠な条件である 。
Ⅴ
第
3セクターの法人設立に際 して基本的に検討すべき課題
第
3セクターを設立す る際 に、事前 に検討 してお くべ き留意点がい くつかある。それ らの諸点 を集 約すると、基本的には次の
2つの観点、すなわち
(∋
法人の設立 と法人形態の検討、お よび組織間の役割分担 と連携 など事業化 に際 しての検討課題
②
経営 ・採算性 の観点か らの事 業収益分析 とその対応措置 に関する検討課題 に要約 され よう
。ー32‑