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情報機器における情報構造化に関する研究

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Academic year: 2021

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情報機器における情報構造化に関する研究

A Study on Organizing information on Information Equipment 1w080493-3

 村田 想  指導教員 長 幾朗 教授

MURATA Nozomu       Prof. CHOH Ikuro

概要:  本研究は、情報機器上での情報の比較や分類、整理するための環境に必須と成る条件を明確にし、その 条件を基とした具体的な使用イメージの提案を行うことを目的とした。そのためにまず、大量の情報流入による 人体への影響と、それに伴った情報機器上での情報整理の重要性が高まる背景を簡潔に述べる。次いで、情報の 比較や分類、整理することは、情報同士の繋がりに有益な関係性を与え、より価値の高い知識へと変化させる行 為だとし、その重要性とそれを行う環境や手法、手順について考察した。その内容をふまえ、情報機器のGUIで の環境に適した表現方法について検討を行った。これらを基に情報機器のGUIにおいて情報の比較や分類する環 境を「インフォメーション・パレット」と名付け、その環境に必須な基本的条件の提示と、具体的な表示方法を 具体例を用いて示した。最後に「インフォメーション・パレット」の発展性について検討した。

キーワード:情報建築、流動的ネットワーク、情報視覚化

Keywords: information architecture, liquid network, information visualization

1.はじめに

コンピュータや情報技術が高度に発展し、高 速で高密度な情報伝達や、映像や音楽、画像な ど多様な情報を手軽に扱うことが可能になっ た。電子メディアが一般に普及し、多種多様な 情報を人々が利用できるようになって、私たち の生活の可能性は大きく広がった。しかし一方 で、情報化社会が抱える問題がより一層顕在化 し、人々に影響を与えていることも事実であ る。

2. 情報オーバーロードの分析

情報化社会特有の問題の一つとして「情報の オーバーロード」がある。情報オーバーロード とは、トフラーにより提起された問題で、人の 思考能力を超えた量の過剰な情報を与えること は人の知的能力を大きく妨げる事となる[1]。情 報オーバーロードを引き起こす原因として、断 片的な情報の増加や、情報に対して受動的な姿 勢、そしてあらゆる情報を比較や分類、整理す るための手法の不足の3点が挙げられる。大量 の情報に翻弄されずに情報を有効活用するに は、自らの関心に沿った情報の比較や整理が重 要と考える。また情報を整理する環境が電子メ ディアにおいては乏しいことから、本研究では

「情報機器での情報の比較や分類、整理する環 境の在り方」に問題を限定し考察を行った。

3. 情報構造化に関する考察

情報を比較したり分類、整理することは単に 情報の取捨選択をしているのではない。それら の行為は情報相互の繋がりに有益な関係性を与 え、そこから自身の目的に合った意味を明らか にすることである。シェドロフは、そのままで は意味を成さない「データ」が統合されること で「情報」になり、「情報」が組織化されるこ とで、あらゆる情報の文脈から矛盾なく説明で きる形になることで、より価値の高い構造化さ れた「知識」になると述べている[2]。

情報を整理することで、今までに見えなかっ た物が見えてくる。多くの情報が共通して持つ 属性を基に情報を分類するための基準には5項 目がある。

(1) 分野 (2) 時間 (3) 位置

(4) アルファベット順 (5) 階層

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図1 理解の概要

(2)

また、一つの集合としての情報には様々な文脈 により整理する手段があり、その文脈は個人だ けが理解できるものから、多くの人の共通な理 解によって成立するものまである。

4. 情報表現に関する考察

情報を視覚化、形式化するには、会話やモー ルス信号のような時間とともに情報が移り変わ る「即時的表現」と、文章や楽譜、写真やマー クのように情報をメディアに記す「記述的表 現」の2通りがある。情報を情報機器で比較や整 理をするためには、情報を視覚的に操作し、記 憶に負担を掛けない「記述的表現」が適してい る。また、「図」による表現を行うことで、全 体の情報の関係性について迅速に理解を促すこ とが可能である。

5.インフォメーション・パレットの提案   現在のパーソナルコンピュータ(PC)のデスク トップ環境に変わって、情報機器における情報 の比較や分類、整理する環境を「インフォメー ション・パレット」と名付け、その環境の目的 と必須の基本的条件を以下のように設定した。

[目的]

収集した情報から、自分の目的に合った整理を 可能とすること

[基本的条件]

(1) あらゆる整理方法を多様に扱えること (2) 自分の意思に沿った情報の関係付けを行え

ること

(3) 全ての情報とその関係性が一覧できること (情報の視認性)

(4) 自動的な情報分類を行えること

  基本的な4つの条件を満たす方法の一つとし て、入れ子(ネスト)型のウインドウ表示とズーム 機能を複合した情報の提示方法を提案した。ネ スト・ウインドウを用いることにより、ウイン ドウの含有関係、位置関係、サイズの差違によ り情報の関係性や重み付けを行えるため、(2)と (3)を満たすことが可能となる。さらにズーム機 能を複合的に用いることにより、情報の関係性 を全体から部分、部分から全体へと、理解の対 象をスムーズに移行させることができ、基本的 条件(1)を満たす。コンピュータの特長である自 動処理による情報の分類は、主に個人による情報 の関係づけを補助する役割として位置付けた。

6.おわりに

情報を整理する環境は、最終的な情報利用の 目的に対応したものでなければならず、イン フォメーション・パレットのより詳細なデザイ ンや条件はその目的ごとに検討すべきであろ う。しかし今回提示した基本的条件は情報機器 等を取り扱う際の条件であると考える。

  近年、教育分野にも積極的に電子教材や多機 能端末が導入され、また電子書籍などの電子メ ディアを利用した知識産業が活発になってい る。一般の人に取ってコンピュータ等の情報機 器が単に情報収集としての道具ではなく、学び のための道具として利用される現場においては インフォメーション・パレットによる情報の分 類や構造化が容易にできるインターフェースが より重要になるだろう。

参考文献

[1]アルビン・トフラー(徳山二郎訳)『未来の衝撃』  実業之日本社、

1971

[2]ネイサン・シェドロフ(篠原稔和訳)「情報インタラクションデザイ ン」、ロバート・ヤコブソン編『情報デザイン原論  「ものごと」を 形にするテンプレート』 東京電機大学出版局、2004

2

図2 ネスト ウインドウ 図3 ズームイン ズームアウト

図4 入れ子型ウインドウとズーム機能の複合

図5 インフォメーション・パレット 使用イメージ

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