九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
重みつき残差法による分布定数系のモデリングに関 する研究
今井, 純
九州大学工学研究科電気工学専攻
https://doi.org/10.11501/3088157
出版情報:Kyushu University, 1991, 博士(工学), 課程博士 バージョン:
権利関係:
重みつき残差法による分布定数系のモデリングに関する研究
平成3年1 2月
今井 純
11
第1章 序論...••••••• •• •••• •• •••• • • • •••• • • • • • ••• • • • ••••••••• •••• • •• • • 1
1. 1 研究の背景.• • .• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • .. .. • • • .1
1. 2 研究の目的...5
1. 3 本論文の要旨と構成...6
第2章 問題の定式化...8
2. 1 緒言...._ ..........................................8
2. 2 放物型分布定数系...9
2. 2. 1 対象システム 2. 2. 2 モデルの表現形式 2. 2. 3 境界入力と分布入力 2. 3 重みつき残差法による有限次元近似問題...17
2. 3. 1 重みつき残差法 2. 3. 2 境界入力を持つシステムの取扱い 2. 4 結言...24
第3章 3. 1 3. 2 3. 3 3. 4 3. 5 3. 6 第4章 4. 1 4. 2 ガラーキン近似法にお け る 静特 性 補償...25
緒言...25
ガラーキン近似モデル... 26
静特性の補償...30
固有関数近似における誤差解析...32
数値例...37
結言...56
3次スプライン関数による近似モデル . . . ... . . . ... . ... .. . .57
緒言...57
対象システム. . . ... .. . . .59
111
4. 3 座標関数の構成...60
4. 4 行列要素の解析的構成...64
4. 5 数値例...68
4. 6 結言...72
第5章 分布定数系のパラメータ同定問題への応用...73
5. 1 緒言...73
5. 2 問題設定...7 5 5. 3 近似モデルの構成...77
5. 3. 1 固有関数を用いた近似モデル 5. 3. 2 3次スプライン関数を用いた近似モデル 5. 4 出力誤差法を用いた境界パラメータの同定... 82
5. 5 結言...85
第6章 結論...86
謝辞...88
参考文献...89
付録...93
A. 1次元系に対する固有関数近似...93
B. 3次スプライン関数近似におけるREDUCEソースリスト...96
1
第1章 序論
1. 1 研究の背景
最近における科学技術の進歩と、それに伴う産業規模の拡大・社会構造 の複雑化によって、 制御工学の分野において制御対象として考慮しなけれ ばならないシステムは、生産システムのみならず社会・ 環境システムにま で及び、ますます大規模化かっ複雑化している。このような大規模でかつ 空間分布に関する挙動の特性が本質的問題となるシステムの多くは分布定 数系としてモデル化することができる。例えば、熱や物質の移動、 電磁現 象、化学プラントや原子炉の反応、環境問題における汚染物質の拡散1)、地 震や気象といった自然現象、高層建造物の振動、宇宙構造物2)などは、分布 定数系として解析あるいは設計することが必要な典型的な例である。この ように実在系では分布定数系の方が一般的であり、分布定数系モデルは集 中定数系のように有限個の変数聞の関係にのみ注目するのとは異なり、空 間的な広がりをも考慮した形で取扱うので、きわめて対象に忠実なモデル であると言える。それにもかかわらず、このようなモデルによる取扱いは、
その状態、が時間だけでなく空間座標の関数となるためいわゆる無限次元の モデルとなること、 一般にその動特性は偏微分方程式で表現され、初期条 件のほかに境界条件も加わることなどにより、数学的取扱いがかなり 複雑 になることなどの理由で制限されてきた。
しかしながら、近年、強力な計算機ハードウェアが安価に使用できるよ うになり、ディジタル計算機は現場における制御のあらゆる分野に用いら れてきている。また、制御系設計の分野にもパーソナルコンピュータやワー クステーション上で動作する計算機ソフトウェアの環境が充実し、先進的な 設計理論に基づいたソフトウェアパッケージが一般ユーザにも利用できる
2
ようになってきている3)4)。こうした技術の急激な発達および環境の充実に 伴い、現場においても精密な制御目的に応じられるようになり、偏微分方 程式によってシステムをモデリングして、それに基づいた解析・設計を行う ことが実務レベルでも可能になってきた。
分布定数系が関係した数理的問題を実際に解く上では有限次元近似が不 可欠である5)。例えばあらゆる数値シミュレーションの技法は有限次元近似 の操作を本質的に含んでおり、分布定数系モデルについて直接解析あるい は設計した結果も実装の段階では有限次元近似が必要である。また一般に は対象を分布定数系により モデル化したあと、近似モデルを導きそれに対 して解析や設計を行うのが普通である。制御対象を最終的に有限次元系で モデル化することになっても、最初から集中定数系を仮定したものと比べ て分布定数系をベースにしたものはその物理的意味合いを強く反映してい るためより密度の濃いモデルが得られる。
状態フィードパックによって分布定数システムの最適化や安定化をはかろ うとする場合、状態値が既知であることが前提であるから、限定された観 測条件のもとで状態値を算定しなければならない。特に最適フィードバッ ク制御系を構成するためには、システムの全状態を完全観測する必要があ る。この実用化において分布定数系で表される対象の有限次元近似モデル を低次元で実現する技術は欠かすことができない。数値シミュレーションに おける有限次元近似では計算機容量の許す限り高い分割数を用いることが できるのに対して、制御工学においては実際上許容されるモデルの次数は 高々1 0次程度までという厳しい制約をうける。これは、モデルの次数そ のものがコントローラの積分器の個数に直接反映し、しかも制御系の安全 性や補償器の保守の観点から制御器の次数は1次でも小さいことがきわめ て重要視されているためである。
偏微分方程式で表される系の近似手法には差分法6)7)、重みつき残差法8) などが知られているが、特に重みつき残差法は有効な手法として広く応用
3
されている。熱交換器やむだ時間の系への応用に関する報告9)10)によると、
重みつき残差法による近似モデルは低い次数でも低周波数の入力のもとで 元の系と良い一致を示し、次数を大きく取るに従って一致する範囲が高い 周波数に及ぶようになると言われている。
しかしながらこのような望ましい性質は座標関数の選択に大きく影響さ れるため、低周波数入力に対する空間分布を満足に表現できないという理 由で、無視できない誤差が生じることもある。特に重みつき残差法の適用 における従来の手法によると、 システムの入力影響関数の特異性が強いと き、 限られた項数では系の静特性の十分な表現が困難である。さらに分布 定数系には分布入力と境界入力があり、両者は関数空間上の常微分方程式 としての定式化で眺めることで数学的には同種の分布入力として考えるこ とが可能で、制御や推定問題の理論的研究の基礎となっている。しかし近 似手法に関しては従来両者では別の取扱いが必要なことが知られており、
こうした状況はこれまで明確に説明されているとは言い難い。
近似手法に関して多くの場合、 その近似項数を大きく取ったときの厳密 解への収束性が示されているが、これは一つのいわゆる必要条件に過ぎな い。実際への応用において近似項数は数項しか用いられないことがほとん どであるため、 そのようなモデルでも元の系の主要な特性を保存する手法 の開発がこれまでも望まれてきている。
動特性を効率よく近似するためには、座標関数の選択が結局のところ重 要である。 固有関数は自由応答の表現に特に優れているばかり でなく、入 力応答にも良い特性を示す。しかしながら、 固有関数そのものを求めるこ とはごく限られた簡単な系の場合以外、 通常は困難であるため、一般の場 合への応用を実際上考えることはできない。 そこで高い近似精度を与える ような座標関数の適用を検討していく必要が生じる。
区分的多項式の一種であるスプライン関数は関数近似において一般的に 用いられており11)、特に1次スプライン関数を用いる有限要素法は偏微分
4
方程式の数値的な近似解法として普及している12)。しかしながらこのよう な低次のスプライン関数を用いると近似モデルそのものの次数は高くなっ て制御系設計や推定問題などへの応用には不都合な場合もある。そのため、
例えば直交多項式や高次のスプライン関数など、 より滑らかな座標関数が それらの目的には用いられてきている13)。特に3次スプライン関数の様々 な推定問題への適用に関する研究はBanksら14)ー18)をはじめとして活発に行 われている。しかし重みつき残差法の近似モデルの行列の要素の計算は、
数値積分に頼らざるを得ず、パラメータ推定や適応制御などのようにパラ メータを変更しながらモデルの構成を逐次繰り返さねばならないような場 合には必要な計算量が膨大になるため、実際への適用が実質的に困難になっ ていたという問題がある。
5
1. 2 研究の目的
分布定数系を有限次元近似する際に制御工学上許される近似次数には実 際上厳しい制約があることを述べた。重みつき残差法において従来知られ ている手法では、限られた項数で低周波数入力に対する応答を表現するこ とは必ずしも可能ではない。
時間的に一定な入力信号に対する定常応答の空間分布は、静特性と呼ば れているが、数値解析においても、定常解析の十分な積み重ねのもとで過 渡解析は行われてきた。本来、静的な関係を表現するためには積分器は必 要でなく、従って近似モデルの次数の増加は招かない。このことに着目して 漸近安定な線形時不変系に対して静特性を補償する近似法を提案する。
さらに従来の近似法では分布入力と境界入力を別々に議論しなく てはな らなかった本質的な理由について一つの明確な説明を与え、静特性補償と いう考え方で両者の近似における取扱いを統合化して考えることもあわせ て提案する。
低次元で高い近似精度を与え、かつ未知のパラメータを含む場合でも適 用可能な座標関数が要求されている。高次スプライン関数を用いる場合に 問題となるのは、 その近似モデルの実現の方法である。前節で論じたよう に、数値積分を用いて近似モデルを実現するとパラメータ推定の際には計 算量が膨大になる。最近、有限要素法における行列の計算に数式処理を用 いて記号的に積分を行わせ、 その後数値計算させることで計算の精度の改 善や負荷の軽減するなどの試みが行われているが19)、高次スプライン関数 を用いる場合に適用された例は報告されていない。 そこでパラメータ推定 を目的とした3次スプライン関数を用いた有限次元近似において数式処理 の援用による解析的な近似モデルの構成を提案する。
6
1. 3 本論文の要旨と構成
本論文は、 以上の目的のもとで、静特性をより重視した動的モデルの近 似手法を提案し、近似モデルの実現において数式処理の援用を提案するも のである。論文の構成は以下の通りである。
第2章では、本論文で取り扱う放物型分布定数システムを定式化する。
また、重みつき残差法による有限次元モデルの従来の構成について説明し、
それにおける問題点をモデリングの観点から指摘する。さらに、分布入力 に対する手法と境界入力に対する手法とは従来別々に考慮されていたが、
境界入力は理論的には分布入力に帰着して取り扱えることを説明する。
第3章では、静特性の解析の結果をベースにして動特性の近似モデルを 構成することを提案する。定常解析の結果を組み込んで近似解を仮定しで も、すっきりとした形の近似モデルが得られることは興味深く、 また実用上 重要でもある。 このようにして得られた近似モデルの定常特性が、 元の分 布定数系の近似モデルと確かに一致することを証明する。さらに 固有関数 近似においてモデルとシステムのそれぞれのモード的な解釈を示し、動特 性の誤差の性質も理論的に明確な形で表されることを明らかにする。提案 した手法は時間領域でのシミュレーションだけでなく周波数応答上での誤 差の比較でも低い近似項数で優れた性能をもたらす ことを示す。 また本手 法は分布入力のみならず境界入力に対しでも、統合的に適用が可能でかつ 同様に良好な近似精度を与えている。
第4章では、 固有関数を求めることができないような系の近似モデルの 構成を解析的に可能にするための一つの試みを示す。スプライン関数の微 積分演算が数式処理に適していることに注目し、その援用による解析的な 近似モデルの構成を示す。 これによって数値計算の精度や計算負荷の軽減 などが図られ、パラメータ推定などの種々の 問題へ効率よく応用できる。さ らに3次スプライン関数が、座標関数として定評のある固有関数と同等か むしろ優れた性能を持ち得ることをシミュレーションならびに周波数特性 上の比較で定量的に明らかにする。
7
第5章では、入力が存在する境界条件に未知パラメータを有する放物型 分布定数系の同定問題を出力誤差法により定式化する。未知パラメータに 対して連続な近似モデルを構成することが必要であり、これを前章までに 論じた結果を適用して導く。 この手法はセンサーの数や配置が制限されて いるか、観測データ数が限られている場合に特に有効である。座標関数と して固有関数と3次スプライン関数をそれぞれ用い、システムの励起が十 分ならば境界パラメータを同定し得ることをシミュレーションにより示し ている。
第6章では、結論として以上の結果を要約する。
8
第2章 問題の定式化
2. 1 緒言
本章では本論文で取り扱う分布定数システムの定式化を行い、入力の種 類として大きく分布入力と境界入力があることを説明する。そして境界条 件に含まれる境界入力をどのように偏微分方程式に対応づけられるかを説 明する。そのために偏微分方程式で与えられる分布定数系の一つの表現形 式についての説明を与え、その目的と相互の関係について明らかにする。
そして境界入力と分布入力は一見別々に取り扱わなくてはならないようで あるが、本質的には同種のものであることを説明する。
次に重みつき残差法として知られている近似の方法について概説し、分 布入力と境界入力に対する従来の取扱いについて明らかにする。重みつき 残差法を分布定数系のモデリングにおいて用いる際、境界入力と分布入力 に対する手法それぞれに問題が現れることを指摘する。
9
2. 2 放物型分布定数系
2. 2. 1 対象システム
有界で連結した空間領域n c Rr,l三r � 3を考え、その境界をθQで 表 す。r �と2のときδQは区分的に滑らかとする。 。上で定義されたスカラ値 の状態u(t,x), x :== (Xlぃ. ,x,.)εD. ,t> 0の時間的空間的挙動が、(2.1)-(2.3)
式で与えられる放物型分布定数システムで記述されるとする。
2
E(tJ)= A(tJ)u(tJ)+B(tJ)f(t), t>O,M Q? (2.1) δtr(x)u(t,x) == B(t,x)了(t)ヲ ZεθD. (2.2)
u(O,x)==uo(x), xεD. (2.3)
A(t,x)は楕円型線形偏微分作用素、r(x)は線形境界作用素で それぞれ次 のように与えられるものとする。
1 �� a r-一一 .-, 月
A(にゆ(x)
:==つ7三
vu,芯ji=1j=1 82iL 2二� -__
v' a(刈α り(x)ま
(x)+
Z
qiM妥
(x)+的?川), x E D.巾)ψ(x):==ß(ゆ(x)+ (1 - ß(x))
学
OlJ (凡 代的(2.4)
(2.5)
ここで Qで2団連続微分可能なαij(x)をZJ成分とする行列店(x)は各zεQ について正定であるとし、α(x):== deもA-l(X)とする。qi(t,x)はTxD.で2団 連続微分可能、c(t,x)はTxD.でHölder連続20)とする。またθ/θνは境界δQ
についての外向きの法線微分を表し、 ß(x)はδQ上で連続微分可能とする。
またB(t,x), B(t, x)はそれぞれ 領域Qおよび境界θQ上で定義された既知の ベクトル値関数で
B(t,x) :== [b1(t,x) ... bm,(t,x)], B(t,x):== [bm'+l(t,X) ・・・ bm(t, x)
]
10
ただし、ァど2のときら(t,x)はTxθQで有界連続とする。さらに 、既知の 入力信号ベクトルf(t),了(t) を次のように 定義する。
r
f1(t)1 r
fm'+1(t)1f( t) : == I :
I
f( t) : == I :I L
fm,(t)J L
fm(t)J
偏微分方程式 (2.1)式のB(t,x)の要素bj(t,x),
j
== 1,・・・,m'は入力影響関数と 呼ぶ。境界条件はß(x) == 1のときデイリクレ型、 ß(x) == 0のときノイマン型、
o < ßL < 1は混合型と呼ばれて いる 。
。がl次元の場合についての例を次に示す。
例題2.1
r :== 1 , n == [0, f], A:==α(θ2/θx2) (α>0は定数)、 m' :== 1 , m :== 3 , b2 :==りL(for
x == 0 ), :== 0(for
x == f ), b2 :== 0(for
x == 0 ), :==ηR(for
x == f )と取り、 五(t)→f(t) ,ん(t)→fL(t) ,ん(t)→fR(t) , b1(t,x)→b(x) グ(0)→ßL , ß(f)→ßR と書き直すと次のように なる。2川
=α信会川
+b(的刷附川Z吋M川刷)げ川卯肌f六仰(t
rηlU t
ßLU(t,O) - (1 - ßL)三一(t,O) ==りLfL(t)ax
í'J1I.
ßRU(t, f) + (1 - ßR)三一(t,f) ==ηRfR(t) ax U(O, x) == uo(x), xεQ
2. 2. 2
モデルの表現
(2.6)
(2.7) (2.8)
十分滑ら かな初期条件 、入力影響関数、入力時間関数の仮定のも とで (2.1)-(2.3)式の解の存在が保証される注)。しかしながら工学的には入力影 響関数 bj(t,めには点入力、温度差入力などの超関数的 なものを考えること
注)
Uo(x) , B(t, x)の要素bj(t,x),j == 1,.・・?ばに Q上のHölder連続性を仮定 す ると、tについてl団連続微分可能、zについて 2団連続微分可能な解u(t,x) が存在するという意味である 21)。11
が、しばしば必要になる。こうしたものを 考えるためには、問題を次に示 すような形式で考えるこ とが行われている。 cg(O)をQで2団連続微分 可能でかつr車(x)ψ(x) == 0なる関数の集合とする(rぺx) の定義については 後述する)。すなわち境界入力が存在せずれt) == 0 のとき、(2.1)の両辺に ψ(x)εcg(O)を乗じてQで積分を取ると次式 のようになる。
4
l u(い)cp(x)dx ==I
A(い)u(い)ψ(x)dx+I
B(い)ψ(x)dx.f火(のω(, JO JO JO (2.9)
cp(x)εC5(O)
次式に示すGreenの公式21)を利用して u(t,x)に対する偏微分作用素を消去
する。
l
(A川い〕則一則λ川州dx=ム(併の) -
u(x)(か) - ,(X)V(X) ) }
dxすなわち
主1
u(t, x)tp(x)dx= 1
阿川、川)dx十1
恥州dx飢ψ(x)εC5(O) (2.11)
ここで Aホ(t,x)は A(t,x) の共役作用素であり、次式で与えられる。
1 θ ,,,
A*(t,x)ψ(x)
:== づ行乞乞Q� _ va市aij
(司法
(x)V
U\X) i=1 j =1 δXi
一
2ε: 一J」7烹士すでj手L |d{丙Z巧苅;元νqi引此iぺ(
t戸=1
V ω叫Lいゐ刈)ö 川 L Y ' / �' , /1' /Jここでψ(x)は次式に示す境界条件を満足するもの とする。
r市(x)ρ(t,x) ==0, xεδQ
(2.12 )
(2.13)
-圃-
12
ここで
{θr..p
1 �� \ _ I J.. __ \ _1 � \1
r(x)ψ(x) := ß(x)ψ(x) + (1 - ß(x))
i ��
(x) -γ(t, x)ψ(x)十
代印 (2 . 14)ただしγ(t, x)はqi(t,x)の境界における法線方向の大きさであり、 片付)を 80のzにおける外向き単位法線ベクトルの第t成分とすると次式のよう に表される。
γ(t,x):=
乞
グ(t,x)ν'i(X), XεδQ (2.15) i=l(2.1)-(2.3)式の解が一意に存在する場合、 その解は必ず (2.11)式を満足す
るという意味で(2.11)式は元の方程式の拡張になっており、例えば点入力が 存在する場合のように(2.1)式を満足する解を考えることが難しい場合にも 考察が可能になる。
2. 2. 3
境界入力と分布入力
境界条件に現れる入力項了(t)は境界入力と呼ばれ、応用においてしばし ば現れるため重要である。しかしながら境界条件は状態に対する拘束条件 の一種と考えられ、境界入力は方程式とは別の拘束条件の中に現れること になるので、このままでは取扱いが不便である。 そこで何らかの方法によ り 境界条件を偏微分方程式と関係づけることが必要である。本節では境界 入力に対するこつの取扱いについて説明する。本節以下に限り、 式の簡単 化のため、(2.1)-(2.3)式において分布入力はないものとし、 f(t)三Oとする。
(1)古典的な境界入力の取扱い22)
ここでは境界入力をもっ系を解く問題を状態の変数変換により 分布入力 のみをもっ問題へ変換することを説明する。
まず、次式のようなu(t,x)からU(t,x)への変数変換を考える。
U(t, x) = u(t, x) - G(t, x)f(t) (2.16)
-
13
ただし、G(t,x) := [r+九'+l(t,x) . . . r+bm(t, x)] は2団連続微分可能な関数 か らなり 、 r+は (2.17)式を満たす作用素とする。
[r(r+bj)](t,x) =ら(t,x), j = m' + 1, .・・,m (2.17)
言いかえると 関数 r+るIj(t,x) は単位入力ん(t) = 1 についての非同次境界条 件を xEθQで 満足するものとして任意に選ぶことができる。 2. 2. 1節 の例題2.1において境界入力ん(t),ん(t) に対応する r+b2(t,x), r+b3(t, x) には 例えばzの2次多項式を用いた (2.18)式のようなものが挙げられる。
(f - X)2 r+ゐ(t, x) :=
fßL + 2(1 - ßL) f
ηR x2
r+b3(t, x) := 判
fßR + 2(1 - ßR) f
(2.18)
しかしr+ら(t,x), r+b3(t, x)は端点の境界条件を満足しさえすればよいので その選択の自由度は無数にある。
Uは次のシステムを満足する。
θU 1 • \ A T T 1 • \ A /'f 1 • \ -'1 • \ /'f 1 • \ d f δG
一(t,x) = A U(t, x) + AG(t, x)f(t) -G(t, x)一 (t) 一一(い)f(t),
θt \ V , ..., J - V � '-' \ v , ... J I V �... \ v , ... J J \ V J ... , V , ... J
dt θt
t > O,xεn,
r(x)U(t, x) = 0., xεθn,
U(O, x) = uo(x) -G(x)f(O), xεQ
(2.19)
(2.20) (2.21)
(2.19) - (2.21) 式の解U(t,x) を(2.16)式に代入して求めた u(t,x) が (2.1 ) -( 2.3 ) 式を満足することは容易に確かめられ 、その解u(t,x)はG(t,x)に関係なく
一意であることに注意する。
(2)超関数的な分布入力に帰着させる方法 23)24)
境界入力とは境界条件に表れる入力のことであるが 、系への物理的な作 用を考えると境界付近に特異な入力影響関数により作用していると 考える のが物理的にも自然である。 ここではそれを数式上で取り扱う方法を説明 する。
-
14
(2.11)式では境界入力が存在し ないことを仮定したが、境界入力が存在す る場合は次のようになる。
3訂A
山川)汐以附ψ以仰刷(μωZ刈)d批x==1ルu叫附(t川t
ここでI(t,x)は
r
1 10 I _ \ B ( t, x)ψ(x) ß(x)手1J
1 -ß(x)I(t,x):==
<.L r\�J
/九 \| ーí.}(�_\B(t,x)(ムーγ(x)) <p(x)グ(x)# 0
l
ß(X)-\V '�I\θν /
(2.22)
ここではu(t,x)の積分を取って考えており、θQはQに関して測度0と考え られるので、境界上の u(t,x)の値は方程式に影響を与え ない。そのことを 踏まえて、u(t,x)が同次 境界条件f(x)u(t,x) == 0, xεθQを満足すると考え れば(2.10)式は次式のように書ける。
1
Au(x)山)dx==心
(x)れ(x)dxまたさらに入力 影響 関数Bが超関数的に存在すると考える0
1
B(t, x)ψ(x)dx ~ _ ==( � J�n .L J )θn j J
1-r
ß(x)\��
- 恥 )I A \ナ
)dz \ 川 1 (2.23)I
I 一一一B(t,x)(一一γ(x))ψ(x) ß(x)ヂ0l んn
ß(x)-\V'�I\δν /
すると(2.22)式は次式のように書き表される。
t訂L
山(2.24) これを(σ2.1)-一(σ2.3め)式の形に翻訳すると 次式のように境界入力が分布入力に帰
着されているといえる。
~
ZM=AM山)+B州民t), t >山0, σ
f(x)u(t, x) == 0, xεθQ (2.26)
ー-‘
15
u(O,x)
==
uo(x), xεQ (2.27) 厳密な議論は文献23)24)などを参照されたい。例題2.2 例題 2.1で考察したシステムに対して(2.22)式に対応する形式 を考える。
:
t1
u(t, x)州x=11
u(t,x)宗
榊+ {-ßLCP'(O) + (1 -ßL)ψ(O)} fL(t)
+ {ß R cp' ( 1) + (1 -ß R)ψ(1)} fR(t), ψ(x)εC5(n) これを次のように解釈する
主11
u(t,x)州dx=1
1払
川dx十
[{←H山一イ-ßL仇ßL8州6
(2.28)
キ
[
{切仙仰附州9偽ωω帆主凶以胤8'(代〔いト山川zト一一」斗1吟〕附いトい一寸9山一l)cp(x)}いdx 胤 的C制 すなわちθu θ2U
友(t,x) == �x; (t, x) + {-ßL8'(x) + (トßL)8(x)}JL(t) (2.30) + {ßR8'(x - 1) + (1 - ßL)8(x-叫ん(t), 0くx<l,t>O
δu θu
ßLU(t,O) - (トßL)一(t,O)δX \V, == ßRU(t, f) + (1 - ßR)一(t, θ z f) == 0, t > 0 ( 2.31 ) この1次元の例題において、入力影響関数8(x- xo)はx
==
Xoにおける点入力を表し、入力項8(x - xo)f(t)は次のような条件と等価である24)。
lim
学
(い)一 lim学
(い)== f(t)z→xo-o dx' " x→xo+o d (2.32)
同様に入力影響関数8'(x - xo)はx == xoにおける状態値のギャップを生じせ しめ入力項グ(x- xo)f(t)は次の条件と等価になる。
iEL
ou(tJ)-ALou(tJ)=f(t) (2.33)-田園圃・
16
このように考えると、内側からの極限は非同次境界条件を満足している ことになり、境界で不連続点が生じていることになる。領域内部の分布定数 系としてみれぼ、内側からの極限がシステムの特性に作用することになる。
このように境界入力を超関数的な分布入力に帰着させる利点は、境界入 力と分布入力をシステム理論的に統合して取り扱えることであり、 またダ イナミカルシステムとしての入力の影響の物理的イメージがつかみやすい ことである。
ー田園-
17
2. 3 重みつき残差法による有限次元近似問題
初期条件と境界条件を含む偏微分方程式で表される分布定数システムの 集中定数系近似の手法として、差分法、 重みつき残差法など時間領域で近
似する方法が広く用いられており、特に重みつき残差法は有効な低次元近 似モデルを与えるとされている。
以下、記号(・7・)や11・11は次の意味で用いる。
川
:戸= 1ルかか以仰叫(いωZ刈桝川川)沙州仰ゆ似仰刷(μωz刈)仇
ψ川Ilcp叫11:== (ψ?ψ)1/β2 ==
( I
ψcp2代(いωZ刈 )d x)
, ψ(μωZ刈 )εL2代(ρ例Q川)\JO ノ
ここでL2(O)はQ上で2乗可積分な関数の集合である。
2. 3. 1 重みつき残差法8)
(2.34)
それぞれが同次境界条件r(x)仇(t,x)== 0, x εδQを満たし、かつ互いに 一次独立なN個の座標関数仇(x)ド..,ゆN(X) εc2(ñ) を準備する。日r :==
span {仇(X)}f::1は座標関数空間、その次元Nを近似次数と呼ぶ。u(t, x)の近
似解uN(t,x)を座標関数のl次結合として次のように仮定する。
uN (t, x) :== U1(t)ゆ1(X) +U2(t)の(x) +・・・+UN(t)似(x) (2.35)
ここで結合係数以(t),i == 1,・・・,Nは時間関数であり 近似モデルの状態変数 に対応する。
まず初期条件について通常の関数近似を考える。
(ωj, U N (0, .) -uo) == 0, j == 1, • . • , N (2.36)
次にt>OにおいてUi ( t ), i == 1, . • • , Nが従うべき関係を導くため、次の方程 式残差を考える。
丸山N
RN(t,x) :==
す
(い) - A(山"回国・
18
RN (t, x)三Oならば、対応する uN(t,x)は厳密解に他ならないが、これは通 常は成り立たない。そこで N個の重み関数ωj(x),j== 1,・ぺNを用意して次 の条件を要求する。
(ωj,RN) ==0, j==l,...,N より次式のよう な近似モデルが導かれる。
(2.38)
3
(mN仏)) == (川仏)内)) +川仏州j==l,...,N,t>O (2.39) (ωj, UN (0,・)) == (ωj,uふ j==l,...,N (2.40)ここで重み関数ωj(x)をデイラックのデルタ関数に選ぶものは選点法と 呼ばれ、空間領域Q上の N個の点x== Xl,.・・,XNについて RN(t, x) == 0かっ uN(Oヲx)== uo(x) とするものである。また重み関数を座標関数と同じに選ぶ ものはガラーキン法と呼ばれている。これは対象システムが線形の場合、
t>OについてII RN(t,・) 11およびIluN(0, x) - uo(x)11 をそれぞれ最小化するこ とと等価である。このときuN(O,x)は uo(x)のvNへの直交射影に対応して おり、ま.た近似モデル の状態の時間的変動8uN (t, x)jδtは方程式 (2.1)の右辺 A(t,x)u(t,x) + B(t,x)f(t)のvNへの直交射影に対応している。以下本論文 ではガラーキン法について取り扱う。
UN(t,x)を座標関数空間VNの基底{仇(x),i==l,...,N}によりベクトル表 現すると、 (2.39)-(2.40)式は次式のよう になることがわかる。
、. ..,.. ザ'"
� 1..ーに、
dUN, , . 1\T__1\T
一dt 一 (t)== A NUN (t) + BN f(t),
UN(O)==U�,
uN(t,x) == CN(X)UN(t).
ûN ==
乞
N 仇(x)以(t)==φ(X)TUN (t),(2.41.α)
(2.41.b)
(2.42)
園田園-
19
ただし
の れ
る=
。FEB''EEEBEEEEEBEL 引の 打W
tt向、ーIlli--1114
ぺ ら
U 、ぇ
, 与 11111で
ωω -例式
12N
φ'AV
ι町内φι
「111111』 じ ス 吋
~円
A N B N
一C
NZ お トふ
φ、 び
(2.43)
AN :== M-1
(
φ,AφT)BN :== M-1(φ,B(t,.)) cN (x) :==φT(X)
(2.44.α) (2.44.b) (2.44.c)
u�
:== M-1(φ, uo)。 (2.44.e)ただし、ここでは以下に示すような記法を用いている25)。まず、 。上の任 意の関数ψ(x)についての、座標関数各々との積の積分からなる縦ベクトル を次式のように記す。
r (札ψ) 1 (φ?ゆ) :==
I : I
L(ゆN,ψ)J
また、同様に任意の関数ψl(X)ぃ・・?ψN (X)を成分とする縦ベクトルを並(X)==
[7þl(X)..:ゆm(X)]Tとし、ψ1 (X)γ・・ヲ7þm(X)と座標関数との積の積分からなる行 (2.45.α)
。るす
レ'」
け1JH山
の内 も 科 hu
L
る付伸す用伝ドa,aql
A判 仇
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hu --- LV 」
υwMW分
{ll成
一一 こ
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伶
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リ
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表 け
素
に 出 用
ぅ = 作
よ
\/
のの
mV
へ式 ゑ
ル
次 ftI
ト
を
ク 列
べ
(2.45.b)
Aw(x) :== [A仇(x) .. .Aψm(X)] (2.45.c)
また、 Mは基底仇(X), i == 1,. ・,Nについてのグラム行列
(
φ,φT)
であり、仇(x),i == 1,・ぺNが互いにl次独立ならば正則である。
2. 3. 2 境界入力を持つシステムの取扱い
.圃4・h
20
分布定数システムの入力には分布入力と境界入力があり、 系が境界入力 を持つ場合は分布入力の場合に比べて解析が複雑になることを2. 2. 3 節で述べた。境界入力を持つ系にガラーキン法を適用する方法としては大
きく次の3種類に分類で きる。
i) 超関数的な分布入力に帰着させるもの
ii) 状態の変数変換により分布入力を持つ系に変換するもの iii)非同次境界条件を満たす関数を近似解に組み込むもの 以下、これらについて説明する。
i)超関数的な分布入力に帰着させるもの26)
2. 2. 3節(2 )項に示した方法により境界入力を分布入力に帰着さ せたあと、通常の分布入力に対する手法(2. 3. 1節)を用 いて近似モデ ルを導くものである。この方法によるモデルについて 、次数を十分大きく 取ったときに誤差の2乗積分が0に収束するという証明がなされた例もある 27)。この方法で実際に使われる程度の近似項数により近似を行うと、 ノイ
マン型境界条件については適用可能な結果を与えることもあるが 、デイリ クレ型境界条件の場合には 、数値シミュレーションを行った結果はほとんど 見当たらな い。
ii)状態の変数変換により分布入力を持つ系に変換するもの22)
これは2. 2. 3節( 1 )項の方法により境界入力を持つ系の問題を分 布入力のみの 系の問題に帰着させ 、 その問題に対して標準的な分布入力に 対する手法を適用するものである。すなわち(2.19)-(2.21)式で定まるU(t,x) の近似解UN(t,x)を2. 3. 1節の手続きに従って定め、 それに基づいて u(t, x)の近似解uN(t,x)を得る。
(2.13 )-(2.15)式のガラーキン法による近似モデルは次 式のように与えら
ーー-
21
れる。
五
件'j,UN仏ト(川仏)内)) + (川(t, . ) G (t, x) ) f( t)df" d
-(め ,G(t,.))委(t) +友(ゆj, G ( t, . ) ) f(仏 j==I,... ,N,t>O (2.46) (ゆj,UN(O?・))== (ゆ'j,Uo -G(O, .)f(O)), j == 1,. .. , N (2.47) ただし、UN(t,x)はU(t,x)の近似解である。
UN (t, x) :== U1(t)ゆl(X) + U2(t)仇(x) +・・・+UN(t)ゆN(X) (2.48) そこでu(t,x)の近似解uN(t,x)を(2.10)式より次 式のようにおく。
uN (t, x) == UN (t, x) + G(t, x)f(t), t > 0, xεn (2.49)
(2.46)一(2.49)式の近似モデルは境界入力f(t)の時間微分項を含み、このま までは制御対象のモデルとしては適さない。そこで、次のように UN(t,x)
からÛN(t,x) へ変数変換を行う。
UN(t,x) == ÛN(t,x) -pNG(t,x)f(t) (2.49)' こ こでpNはvNへの線形射影作用素で 次を満たすものとして定義される。
(ゆ'j, ゆ_pNゆ)== 0, j == 1ぃ・・,N, ゆ(x)εL2(n) (2.50) 具体的には前節の記法により次のように 表現される。
pNゆ .-φT(X). M-1(φ, <Þ) (2.5 1 )
従って、ÛN(t,x)はUN(t,x)と同じように ゆi(X)の線形結合で書き表される ので、同じ Ui(t)を用いて ÛN(t,x)== U1(t)仇(x) +・・・+UN(t)仰い) とかく。こ のとき(2.46)式の右辺第3項は零になり、システムは次 式のようになる。
:
t\
ゆj,ÛN(仁))
==\
ゆjJ(t, )ON(t, )〉
(2.52 )+(ゆj,A(I - pN)G(t, .))f(t), j == 1,. ・・,N,t> 0,
--
(
cþj,ÛN(O,.))
= (いふ j = 1,...,N,uN (t, x) = ÛN (t, x) + (1 -pN)G(t, x)f(t), t > 0, xεn.
22
(2.53) (2.54)
ただし、Iは恒等作用素である。ここで[jN(t,X)はuN(t,x)の座標関数成 分 (すなわち 、ÜN(t,x)はuN(t,x)の九rへの射影)そのものになる。言いかえ ると、(2.52)式は近似解uN(t,x)の座標関数成分の時間的挙動を表し、(2.54) 式の左辺第2項はuN(t,x)のうちの座標関数で表現できない成分を表して いる。 (2.52),(2.53)式は次式のように書き表すこともできる。
笠ど(t,x) = ANÛN (t, x) + AN (1 -pN)G(t, x)f(t), in九r (2.52)' dt
。N(0, x) = pN uo(x) (2.53)'
ただしANは同v上で定義された AN:= pNA である。
。N(t,X)をベクトル表現 すると、(2.52)-(2.53)式は次式のようになる。
JTTN
三�1 (t) = ANUN (t) dt + BN f(t),
UN(O) = U�
uN (t, x) = CN (x)UN (t) + tJN (x)f(t) AN, BN, ëN (x), [)N (x)およびufは次式で与えられる。
AN := M-1(φ,AφT)
BN := M-1(φ,AG(t,・)) - AN M-1(φ,G(久・)) CN(x) :=φT(X)
tJN (x) := G(t, x) -φT(x)M-1(φ, G(t,・))
u� := M-1(φ, uo)。
iii)非同次境界条件を満たす関数を近似解に組み込むもの28)29)
(2.5 5.a)
(2.5 5.b)
(2.56.α) (2.56.b) (2.56.c) (2.56.d)
(2.56.e)
園田園'‘
23
境界入力を持つシステムの重みつき残差法による近似において最も一般 的に用いられている方法は、(2,25)式に対応する近似解uN(t,x)を次のよう に仮定することである。
uN(い):==
L
Ui(t)仇(x)+ゆo(t,x) i=lただし、 ゆo(t,x)は非同次境界条件を満足する既知関 数である。
ゆo(t,x) の一つ の選び方として次のようなものを考えられる。
ゆo(t,x) :== G(t, x)f(t)
(2.57)
(2.58)
これは(2.49)式を近似解として仮定することと等価になる。(2.37)式で定義 されるRN(t,x)に(2.49)式すなわち(2.57)式 のuN(t,x)を代入し、(2.38)式を 考えると、UN(t,x)に関して得られる 式は(2.46)一(2.47)式に帰着され、結果 的にii)の場合と同じとなる。
以上、系に 境界入力がある場合 のガラーキン法による近似モデルの構成
について述べた。本来の定 式化では 境界入力が存在する系を超関 数的な分 布入力とみなして近似解を仮定するi)の考え方で従来の近似法を用いると、
近似解は必ず同次境界条件を満足するように仮定されるため、非同次境界 条件を満たさないという問題が生じる。次数を十分大きく取れば近似解 の 誤差 の2乗積分が十分小さくなるという性質が保証されている場合が多い が、 通常使用する有限 の次数においてはDirichlet境界入力を持つ場合 のよ うに大きな誤差が生じることがある。またii)の方法についてもG(t,x)は分 布定 数系 の解U(t,x)には影響を与えないが、有限次元モデルのUN(t,x)に は影響し、 その選択の問題が残されている。
----
24
2. 4 結言
本章では本論文で取り扱う放物型分布定数システムを記述し、境界条件 に含まれる境界入力をどのように偏微分方程式に対応づけられるかを説明 した。そこでは境界入力と分布入力は一見別々に取り扱わなくてはならな いようであるが、本質的には同種のものであることを説明した。次にその ような系に対する重みつき残差法の従来の適用法について明らかにした。
そうした手法をモデリングに用いる際、境界入力と分布入力に対する方法 それぞれにおいて問題が現れることを指摘した。すなわち境界入力に対す る従来の手法では分布入力の問題に変換するための変数変換に自由度があ るが、 それが近似解にどのように影響するのかが明確でないこと、また境 界入力を超関数的な分布入力へ帰着させて従来の分布入力の手法を適用し でもモデリングにおいて使用する次数程度では十分な精度が得られず、こ れまでのところ統一的でかつ実用的な手法が提案されるに至っていないこ とである。
田園田-
25
第3章 ガラーキン近似法における静特性補償
3. 1 緒言
重みつき残差法の適用における従来の手法によると、システムの入力影 響関数の特異性が強いとき、 限られた項数では系の静特性の十分な表現が 困難である。そこで本章では、線形時不変で安定な放物型分布定数系に対 し、周波数応答特性がより広い帯域で元の系と一致する低次元集中モデル をガラーキン近似法により 得るために、誤差の静的な成分を補償する手法 を提案する。静特性の誤差は低域をはじめとして全周波数領域の特性に影 響を及ぼすことが本研究の動機であり、このような定常特性の問題は集中 定数系の低次元化問題においても考察されている30)。静特性補償の立場に より、境界入力を持つ系についての手法を分布入力について拡張すること で、さまざまな種類の入力に実際に適用可能な統合化された方法が得られ ることを示す。
固有関数を座標関数として用いる場合について、近似モデルのモード的 な構造を用いることにより 提案法と従来法それぞれによるモデルの関係を
明らかにする。
提案する手法は、分布入力を有するシステムだけでなく境界入力を持つ システムについても統合的に適用が可能であり、こうした手法は境界入力 のみならず分布入力を持つ系についても、低次元で低域特性に優れた近似 モデルをもたらすことが数値的検討により 示される。
'園田圃酔
26
3. 2 ガラーキン近似モデル
2. 2. 3節 で述べた ように境界条件 (2.2)式右辺に現 れている境界入力
は超関数的な入力影響関数を持つ 分布入力へ変換することができるため 0 と仮定する。 また説明を簡単にするため以降、 システム(2.1)-(2.3)は時不変 と仮定し、すなわちA(t, x) , B(t, x) は tには依存しない と する。
本節の目的 はこのような分布入力のみを持つ系に対して (2.57)式のような 既知関数 からなる補助項を考慮する場合の近似モデルを得ること である。
Q上で定義され た互いに1次独立な座標関数{仇(x),i= 1,.. .,lV}と\þ(x) := [ψl(X) ・ ・ ・ψm(X) ]T を用い 、 u(t, x)の近似解uN(t, x)を次式のように仮定 する。
uN(い) :=ザ(x)f(t) +
乞
Ui(のゆが) (3.1)i=l
ここで Ui( t ), i = 1,..., lVは近似モデルの状態変数に対応する方程式残差 R(t, x) :=δuNjθt(t, x) - A(x)uN (t, x) - B(x )f(t) についての条件
(
RN(t,・),仇)
=0, i=l,...,lV より 次式のような近似モデルが導かれる。
il(
札UN(t,・))
==(
仇,AUN(t,・))
+(
仇A\ÞT + B)
f(t)dt
一
(
仇?宙博
仇 t>い1,...,lV(
ゆi,UN (0,・))
=(
ゆi,uo(・) - \ÞT f(O))
, i = 1,・・ ・ ,lV(3.2)
(3.3)
uN (t, x) = UN (t, x) + \þT(x)f(t), t > 0, xεn (3.4)
ただし UN(t, x) :=ε
�
l Ui(t)仇(x) である。ここで(3.1)式に補助項並T(x)f(t)を導入した ため(3.2)式の表現には入力 f(t)の時間微分が生じており、 また 初期条件の (3.3)式には入力の初期値 f(O)が表れている。
Seidmanは境界入力を持つ系についてその非同次境界条件を満足させる ため(3.1)式 と同様な補助項を考慮したが、その際\Þ(x)に次式のような条件
...-ー
を付して近似モデルを 得ている29)。
(ゆ"宙) = 0, i = 1, 2,...,JV
27
(3.5)
このまま では守(x)を選択する際にこの条件が非常に厳しい制約になるが、
補助項削x)の各要素札'l =し..,mに座標関数成分を各々任意に加えても 近似モデルは不変であることを利用すればこうした問題を回避することが できる。
【命題1 u�(t,x)は(3.2)一(3.4)式の世(x)に対応して得られるuN(t,x)を 表す とする。このときそれぞれ任意のごl(X)γ・・?とm(x)εVN:= span {仇(x),.
ゆN(X)}につ い て次式が成り立つ。
u� (t, x) = u�+x(t, x), t > 0, xεQ ただし、 X (x):= [6(x) Ç2(X) ・・・ ごm(X)]Tである。
(3.6)
(証明) (3.2),(3.3)式を基底仇,t=l,・ぺNに関してベクトル表現しQ:=
(φ,AφT)とすると 次式のようになる。
rv,., . __1 �_. 1\T /., � r_l / T LT.T\ ..1.\ ..r-l/x .T,T\df
ヰ
(t) = M-1QUN (t) + M-1 (<þωT川) - M-1(<þ, \ÞT) �� (t) uN (0) = M-1伊川o - \ÞT f(O))εN (t) := U�+x(t) - u� (t)は次式を満たす。
.J_N
す
(t) = M-1QE;N(t) + M-1(<Þ,AX)f(t) _M-1仰)芸
(t)εN (0) = _M-1(φ,XT) f(O)
A = M-1Q, B' := M-1(φ,AXT) , B" = M-1(φ,XT)とおくとεN(t)は次式
----
28 で表される。
従って
♂内(収山t
== etはA(ヤεN
(0的)
+Bγ(仰0))一Bγ(t) +l
e(t-s)A (B' - AN B") fいuZ+x(t, x) - uZ (t, x) ==φT(X)εN (t) + XT(x)f(t)
=φT(x)etA(εN (0) + Bγ(0) ) +
が的向(μ吋Z
+(XTη(μωZ吋 ) 一 φTη(xめ)Bつ f火(t例tの)
ここで命題の仮定より X(x)の各成分が内の要素であるので、各々εN(O)+
B" f(O) == 0 , B' - AN B" == 0 , XT(X)一φT(x)B" == 0 の成立が単純な計算によ り示せる。故に u�+x(t,x) - U� (t, x) == 0, t三O,xεQとなる。 (証明おわり)
すなわちpNをvNへの射影作用素とすると 、補助項仇(x),i == 1,・・・,m の座標関数成分pN仇(x)がどのようなものであっても近似解uN(t,x)には
全く影響しない。この性質により、古(x)の各要素 を座標関数に対しそれぞ れ 直交化させたを(x) :==宙(x) -pN宙(x) == (1 -pN)宙(x) へと取り直しでも uU=U(;-PN)留であるo結局(3.2)-(3.4)式の近似モデルは等価なものとして
次式のように表現しなおす ことできる。
11(ゆi,UN (t,・)) == (仇,AUN(t,・)) dt
+
(Øi'
A (1 -pN)ザ+B) f(t),i == 1,. . . ,N, t > 0,
(3.7)
(札UN(O,・)) == (ゆi,uo), i == 1,・・・,N (3.8) uN (t, x) == UN (t, x) + (1 _ pN)ザ(x)f(t), t > 0, xεO. (3.9) ここでIは恒等作用素である。(3.7)-(3.9)式はUN(t):==[U1(t) U2(t) ・ ・ ・UN(t)]
として (3.10),(3.11)式のように 表される。
、』
---・ー
29
.JTTN
Zゑ- (t) == ANUN (t)
+BN f(t),
uN
(0)== M-1{φ, UO),
uN (t, x) == CN (X)UN (t)
+jjN (x)f(t).
(3.10)
、、aa'''噌te晶噌Eム。、u,,aE‘、
ただし
AN :== M- 1(φ,AφT),
BN :== M-1(φ,A\þT +B) -ANM一1(φ?宙T),
cN (x) :==φT(X),
jjN(X) :== \þT(X)一φT(x)M-1(φ,V) ? φ(x) :== [ゆl(X)ゆ2(X) ・・・ 仰い)]T,
宙(x) :== [ψ・・・ψm]T M:== (φ,φT) .
(3.12)
�・-
30
3. 3 静特性の補償
以下、本節では システム (2.1)-(2.3)式は漸近安定31)と仮定する。入力ベク トルf(t)の 各要素のうち k番目のん(t)のみが単位ステップ関数であり、 そ れ以外のん(t),j == 1,...,k-1,k+1,...,mは恒等 的に Oであるとしたときの 、
t→∞についての空間分布を 弘(x)とする。すなわち 弘(X)は Aと境界条 件、 およびbk(x)から一意に定まり 次式を満足する。
A包k(X)+ bk(x) == 0, Xεn,
δ包kI \ ^ _ "'� (3.13)
グ(x)弘(x)+ ( 1 - ß (x))一一(x)==O , XεθQ θν
(3.13)式は楕円型方程式の境界値問題であり、 単純な系の場合は手計算で解 析的に 、また系が複雑な場合でも有限要素法などの数値解析手法を用いて 容易に高精度な解が求められる。また (3.13)式は領域が1次元の場合は常微 分方程式となり、多くは手計算で解析的に解くことも可能である。
一方、 上記と同様の入力に対する近似モデルの定 常解üf(x)は次式を満 足する。
(
川(x)+ pN {A(1一戸川(x)十九(x)}== 0(3.14) 包(x)r(x)== Üf(x)' + (1 -pN)ψk(X)
ここで AN :== pN A (VN→VN)である。静特性の誤差は次式のように計算さ れる。
弘(x) -ür(x) == {1 - (AN)一1 pN A}(Ük(X) _ψk(X)) (3.1 5)
すなわち近似モデルがシステムと一致した静特性を持つためには各仇(x) が弘(X)に等しければ十分である。
以上をまとめると 、まず(3.13)式を解いてステップ入力に対する定常解 弘(X)を 求め、 次に仇(x) :==弘(X)として (3.12)式を計算すれば静特性誤差の ない近似モデルが得られることになる。
このようなモデルの状態変数UN(t)は、近似解uN(t,X)の座標関数成分を 表していることが初期条件 (3.8)式、および(3.5)式よりわかる。近似モデルの 動 的な挙動を決定するAN、また座標関数の形状そのものを表すcNは ψ(x)
---
31
には無関係である。 BNはψ(x)=包(x)のときBN = -AN M-l(φ, ü)のよう に表せるが、 これは固有関数近似の場合ψ(x)= 0のときのBN = M-1(φ, b) と一致する。すなわち(3.12)式でゆ(x)= 0と取った場合は分布入力を持つ系 についての従来法に対応する。 βN(X)は単位ステップ入力に対する定常分 布の座標関数に対する直交成分からなり、定常分布のうち座標関数では表
現できない成分を入力j(t)に応じて解包N(t,X)へ補う役割を果たしている。
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3. 4
固有関数近似における誤差解析
本章以下では、(2.1)-(2.3)式において Aが負の実固有値 0>んどんど・・・
を持ち、その}II真に対応する固有関数仇(x),の(x)ぃ・・は内積(仇ψ):= Joゆ(x)ψ(x) dxならびにノルム114>11 := (仇ゆ)1/2で正規直交であり、(2.1)-(2.3)式の解u(t,x) が次式のように記述できると仮定する注)。
u(い)=
玄
un(榊(x) (3.16)i=1 ただしun(t)は次式 で与えられる。
川川t
ただし本節に限りk、説明の簡単のために、 l入力(m=l)とし、 f(t) := f1(t) とする。以下Q上 で定義された関数以x)について仇:= (cp,仇)をψ(x)の 第ηモードと呼ぶことにする。いま座標関数を固有関数系の最初のN個、
{ゆ1(X),ゆ2 (X)ド・・?ゆN(X)}に選ぶ場合を考えると、(3.10)-(3.11)式の近似モデ ルの解は次式のように展開して表される。
山
ここでU仏i(例tの),i = 1,..一ぺ.汁,Nは次で与えられる。
仏Ui(t収山t
uN (t, xめ)の第η座標関数成分u�(例tの)はη= 1,..…ぺ.汁,NについてはU仇η(tωtり)と等し く、 n三N+1については(仇,1þ)f(t) となることがわかる。(3.13)式の第1 式Aü(x)+ b(x) = 0 より (仇,b)=一(仇,A包)=ーん(仇,めとなるので、以上に より、un(t),u� (t)は次式のように整理される。
h川州(tωト附 tの恥)片)=(ベ (仇い?,u句叫0心)μεθμλ入んÀntμιt一
んサψl川 六附川帥州7寸巾ゲ川酬川)片μ貯凶eÀけμμ入Àn{川nバ山(ο川t
注)
qグ凶iぺ(x)三0,i = 1し?い...汁,rならば、 そのような固有値固有関数が存在する 2刈1り)...-
u;: (t) ==
山0)ε入ntー 寸 tMf(T)ε入門r,
1 <η<N
(ゆ則的f(t), n三N+1.
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(3.21 )
すなわちf(t)からUn(t) , U;: (t)への伝達関数はそれぞれ次式のようになる ことがわかる。
unf( s) == (仇}包) 1 + s/(一入n)'
( (仇,u) ,./� ./ 九T
G u;: f ( S) ==
�
1 + S7
(一入n)' ょと川三川l
(ゆn,ψ), η三N+1(3.22) (3.23)
これら の関係を用いてf(t)からu(t,x) ,uN(t,x)への伝達特性をブロック線
図で表す とそれぞれFig.3.1(a),Fig.3.2(b)のようになる。 ら(t) :== un(t) -u;: (t) を第ηモードにおける誤差とすると η三N+1なるηについて のf(t)から
é
;:
(t)への伝達関数Gεnf(S)はGunf(S) -Gu�f(s)により求めら れ次式のよう に整理される。s/(一入n)
Gt:nf(S) == (ゆmゆ一包) - (仇?包) η� N + 1. (3.24)
1 + S/(一入n)'
ー
ゆ(x)==包(x) の場合、第1項は0となるので、Gt:nf(S)は微分時定数 1/(ーん) を持つ 1次の不完全微分要素 となる。またゆ(x)==Oの場合は明らかにGt:nf(S)==
(ゆn,u)/(l+s/(ーん)) というl次遅れ要素になる。εN(t,X):==u(t,x)-uN(t,x) の入力に対する動特性のブロック線図はFig.3.1(c)のようにまとめることが できる。
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• •
• •
• •
• •
一
(内+2,包)
1
ト→ト
1+s/(一入山)
(内+
1,包 ) ト→/1
+S/(�)..N+J)
(ゆN,包〉 ー| 1
+"s/(一川
1• • •
• • •
• • •
「一一一一一
〈ゆ2,包〉 ーl
1 +s/(ーら)
f(t)
(ゆ
1, 包 ) 4
1+ s/(ーん)
Fig.3.1(a)分布定数システムのブロック線図
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•
UN+2 (内+2,ψ)
UN+l (ゆN+l,ψ)
〈ゆN,包〉
」一一一一-
• •
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• •
•
• •
•
rーーーーーーー
(ゆ2,包〉 ト-r 1+
s一;
(ーん)一
(ゆ1, ü) 同1+
s/(ーん)Fig. 3.1(b)近似モデルのブロック線図
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• • • •
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