神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』第15号 2011年3月
6 3
■ 研究論文
新 自由主義 とコーポレー ト・ガバナンス
一企業不祥事の政治学および経済学的視点か らの考察 ‑
Neol i be r al i s m andCor por at eGove r nal l Ce
‑ACo ns i de l ‑ a t i o no fCo r por at eMi s doi ngf r o m t hePo l i t j c a l sa ndEc o no m ic sAs pe c t s 一
神奈川大学大学院 経営学研究科 国際経営専攻 博士前期課程
十 原 正 悼
J UBARU, Mas ahi r o
■キーワー ド
新 自由主義、新 自由主義化、 コーポレー ト ・ガバナ ンス、企業不祥事、エ ンロン事件
1
は じめに政治 と経済 は、互 いに異な るが、実際には、密 接 な関係 にある。 なぜ な ら、政府 は、市場の安定 を図 ることを目的に、市場 に介入 した り規制 を緩 和 した りと、政治的権力 を用 いるか らである。 し か し、今 日、政府 は、 アメ リカ発の新 自由主義 を 取 り入れ、 あ らゆ る分野 の規制 を緩和 した。 これ により、資本市場 における自由競争が正当化 され、
企業の国際化、多角化 を促進 させた。 また、政治 学 および経済学 の分野で ある新 自由主義 は、企業 経営 にも大 きな影響 を与 えている と考 え られ る。
経営学 の分野で あるコーポ レー ト ・ガバナンス について述べ ると、 コーポ レー ト・ガバナンスは、
企業経営の監視 ・牽制 の仕組みを構築 し企業不祥 事 を防止す る役割 と、企業経営の意思決定 システ ム等 を確立 し企業競争力の強化 に役立たせ る役割 との、 2つの側面が ある とされている。 しか し、
複雑化 す る株式市場 と高度 に分散化す る株主 によ り、経営者支配が強 ま り、企業不祥事 が後 を絶
たない。 よって、 コーポ レー ト ・ガバナ ンスは、
しば しば前者 の意 味で議論 が な されて いる。 「企 業不祥事 は、なぜ な くな らないのか」 とい う問い に対 して、経営学的な視 点だ けではな く、政治学 お よび経済学 の視点か ら企業不祥事 を考察す る必 要がある と考 えた ことが本論文 を執筆 す るに至 っ た動機である。
そこで、本論文では、企業不祥事の根底 には、
新 自由主義 と何 らかの関係 にある と考 え、政治学 お よび経済学 の視点か らコーポ レー ト ・ガバ ナン スについて考察 していきたい。第
2
節 においては、新 自由主義 の基礎的な考察 を行 う。 また、新 自由 主義化 とは何 かを明 らか に し、新 自由主義化 を図 り、明 らか となった階級権力 を考察す る。第3節 では、新 自由主義 における企業の経済活動 の考案 を行 う。 また、エ ンロン事件 とサ ブプライムロー ン問題 を具体例 に挙 げ、企業不祥事が起 きるまで の流れを考察する。第
4
節では、新 自由主義 とコー ポ レー ト ・ガバ ナンスの関係性 と問題点の考察 を 行 う。 また、企業不祥事が起 きるまでの流 れを経6 4
神奈川大学大学 院経営学研 究科 『研 究年報 』第15号 20日年3
月 図1
新 自由主義 の主な流派(出所)穐山守夫t2()06」を参考にして、筆者が図を作成するO
営学 的視点 と政治学 および経済学的視点か ら比較 し、新 自由主義 とコーポ レー ト ・ガバ ナンスの関 係性 を解明 し、両者 の問題点 を考案す る。
2
新 自由主義 とは何か2‑1
新 自由主義の種類 と背景まず、新 自由主義 とは何 よ りも、強力な私的所 有権、 自由市場、 自由貿易 を特徴 とす る制度的枠 組みの範 囲内で個々人の企業活動 の 自由 とその能 力 とが無制約 に発揮 され ることによって人類 の富 と福利が最 も増大す る、 と主張す る政治 お よび経 済的実践 の理論 で あるZ。 これ は、多様 な流派 に 分 かれ るが、個人 の自由の位置付 け、根拠づ けの 相違か ら図 1で示 されるような3つ に分 け られ る。
1つ 目は、 自然権論的新 自由主義で ある。 これ は、 自己所有権 を根拠 とす るものである。 2つ 目 は、帰結主義的新 自由主義 である。 これは、個人 の 自由が、社会 にもた らす恩恵 を重視す るもので ある。 3つ 目は、契約論的新 自由主義である。 こ れ は、理性人 で あれば、新 自由主義 的社会原理 に合意す るはずだ とす るもので ある。 これ らの新
自由主義 は、国家論 ・政府論の観点か ら分類す る と、 この ように表す ことがで きるO さ らに、新 自 由主義者 は、政府 か ら干渉 されない 自由を求 め、
その自由を手 に入れ るためには、 どうした らいい のか、そ して、政府 とい う手段 を使 って何 がで き るのか、 を考 える 。
また、代表的な新 自由主義論者 には、オー ス ト ラ リア学派 の フ リー ドリヒ
・A
・ハイエ クや シカ ゴ学派 の ミル トン ・フ リー ドマ ン、 ヴァージニア 学派 のジェームズ・M・ブキャナンな どがい る。彼 らの諸説 は、表lの よ うに示す ことがで きる。
1人 目の フリー ドリヒ・A・ハイエクは、 ヒュ‑
ムやアダム ・ス ミス らのイギ リス経験主義 の流れ を汲むものであ り、 その観点か ら法実証 的な立法 万能観5に批判 的で ある。 2人 目の ミル トン ・フ リー ドマ ンは、経済面 の 自由をただちに実現す る よ うな経済体制、 すなわち競争資本主義 は、政治 面 の 自由をも促す と考 える,なぜ な ら、経済 の力 を政治権力か ら切 り離 し、 それによ り政治権力を 抑制できるか らである、としている。3人目のジェー ムズ ・M・ブキヤナンは、 自然法や 自然権 を拒否 し、個人主義 の立場か ら、立憲契約 の基づ く小 ざ
新自由主義とコーポレー ト・ガバナンス
6 5
表
1
代表的な新 自由主義 の論者の主な諸説新 自由主義論者 諸説
フリー ドリヒ.A.ハイエ ク の流れ を汲むもので あ り、 その観点か ら法実証的ヒユームやアダム .ス ミス らのイギ リス経験主義 な立法万能観 に批判的であるo
ミル トン .フリー ドマ ン 経済面 の 自由をただちに実現す るような経済体制、すなわち競争資本主義 は、政治面 の 自由をも促すo なぜ な ら、経済 の力 を政治権力か ら、切 り離 し、
それで もつて政治権 力を抑制で きるのである○
ジェームズ .M.ブキヤナン 自然法や 自然権 を拒否 し、個人主義 の立場か ら、
(EJj所)フリー ドリヒ・A・ハイエ列 ]954l、ミル トン ・フリードマン「2008ト ジェームズ・M・ブキヤナン日9911 を参考にして、筆者が表を作成する。
表
2
先進資本主義諸国 における新 自由主義化の動 き年代 主な動 き
1960年代 「埋 め込 まれた 自由主義」 の解体
(深刻な資本 蓄積危機 の兆候が あ らゆ るところで姿 を現す)
1970年代 失業率 とイ ンフ レ率の上昇 による世界 的規模 の 「スタグフレー シ ョン」
(税収 の急落 による社会支出の増大 によ り、各国で財政危機 が起 こる)
1980年代 再分配政策
(労働組合の力を政治的に一定統合す ることや団体交渉 を承認す ることな ど) 自由な資本移動 に対す る規制
(とくに資本取引規制 を通 じた一定 の金融抑制) 公共支出の拡大や福祉国家の建設
経済への積極的な介入 一定の経済発展計画の策定
(出所)デヴィッド・ハーヴェイ【2OO7]23頁を参考にして、筆者が表を作成するO
な政府 を主張す る。
彼 らの諸説で共通 してい ることは、 自由を手 に 入れ るために国家か らの介入を最小限に とどめ、
小 さな政府 を主張 していることである。
2‑2
新 自由主義化 の動 き新 自由主義への転換 は、 1930年代の世界恐慌化 で資本主義的秩序 を脅か した破滅的な状況が再 び 起 きるのを防 ぐこ とで あった6。 そ して、 1970年 代以降、政治 お よび経済 の実践 と思想の両方 にお いて、新 自由主義へのはっき りとした転換がいた るところで生 じた。新 自由主義 の理論 を取 り入れ る、すなわち、政治および経済 における新 自由主
義化 の動 きは、表2で示 され る。
まず、1960年代 には、「埋 め込 まれた 自由主義7」
の解体が行われ、深刻な資本蓄積危機 の兆候が あ らゆ る ところで姿 を現 す よ うにな ったG また、
1970年代 には、失業率 とイ ンフレ率 の上昇 による 世界的規模 の 「スタグフレー シ ョン8」が起 こ り、
各国の財政危機 を引き起 こした。 そ して、 1980年 代 には、先進資本主義諸 国は、再配分政策、 自由 な資本移動 に対す る規制、公共支出の拡大 や福祉 国家 の建設、経済‑の積極 的な介入、一定 の経済 発展計画 の策定 な どのケイ ンズ主義 的政第 9を経 て、新 自由主義化 を図った.
つ ぎに、アメ リカにおける新 自由主義化 の動 き
6 6
神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年季鮎 第】 5
号2 0
日年3
月表
3
アメ リカにおける新 自由主義化の動 き年代 主な動向
1 9 6 0
年代 金融業者 と製造業者 との間の乱舞が表面化 す る1 9 7 0
年代 乱蝶 は消え去 るか、新 しい形態へ と変化 す る大企業 はますます金融取 引に,精 を出す ようにな る
1 9 8 0
年代 企業 は生産で出 した赤字 を金融操作で得 られた収益で穴埋 めす るようにな る 生産、不動産、商取 引、金融 を新 しい形 で結合 し、 さまざまな異なった産業部門 を 包括 した コングロマ リッ トが作 り出され る1 9 9 0
年代 メイ ンス トリー ト[製造業の中心]よ りもウォールス トリー ト[金融業 の中心】が重要 祝 され る「ウォールス トリー トに とってよい こと、 それがすべてだ」 とい うスローガ ンが人 (出所)デヴィッド・ハーヴェイ
【 2 0 0 7 】 47 、48
頁を参考にして、筆者が表を作成する。は表3で示 され る
。1 9 6 0
年代 には、アメ リカでは、しば しば金融業者 と製造業者 との問の乳操が表面 化 した
。1 9 7 0
年代 には、大企業 は、 ます ます金融 取 引に精 をだす ようにな り、 そ して、1 9 8 0
年代 に は、 企業 は、生産 で出 した赤字 を金融操作(貸付 や保険業 といった通常の ものか ら、乱高下す る通 貨や先物市場 の投機 にいたるまでのあ らゆ る金融 取 引)で得 られた収益 で、穴埋 めす るよ うになっ た1㌔ 1 9 9 0
年代 には、製造業 よ りも確実 に収入 を 上昇 させ る金融業へ権力移動が生 じ、メイ ンス トリー ト[製造業】よ りもウォールス トリー ト[金融業
】
が、重要視 され るようになった。つ ま り、新 自由 主義化 が意味 したのは、 あ らゆ るものの金融化 で
あった"といえる。
2‑3
新 自由主義化 と階級権力今 日における複雑化 す る株式市場 と高度 に分散 化 す る株 主 、 そ して
、CEO( Chi e fEx e c u t i v e Of f i c e r )
への支払いに 自社株購 入権 が あて られたことな どによ り、企業の経営者支配が強 まった と 考 え られ る。 その ことが、エ ンロン事件 のような 大規模 な企業不祥事を引き起 こした といえるであ ろ う。 これによ り、新 自由主義 の も とで台頭 しつ つ あ る階級権力の実質的な中核部分 の一部 を構成 してい たの は
、CEO
、 会社 の重役 、 そ して、 資本が活動す るこの聖地 を取 り巻 く金融、法律、技 術部門の リーダーたちであった】2と考 え られ る。
その他 の国々 において も、新 自由主義化 を図 り、
実質的な経済権 力を握 った人々 は、表
4
で示 され る。イ ン ドネ シア ・マ レー シア ・フィリピンで は、
少数派 の華僑 で あ り、 また、 ロシアでは、七大新 興財閥(オ リガル ヒ)で ある。 そ して、 イギ リスで は、イギ リス特有の貴族政治的伝統が、マーガ レッ
ト ・サ ッチャー'3によ り攻撃 され、成 り上が りの 企業家や成金 】4が支持 された。
3
新 自由 主 義 と企 業 の経 済 活 動3‑1
新 自由主義化 を図 った企業の経済活動 企業 は、 アメ リカ発の政治お よび経済システム で ある新 自由主義 を取 り入れ、政府か ら干渉 され ない 自由な経済活動 を行 って きた。新 自由主義化 を図った政府 と企業の関係性 は、図2
で示 され るCまず、人 は、政治的 自由を政府 に求め、経済的 自由を経 済(市場)に求 め る。政府 において は、 自 由権 や社 会権 を求 め政 治 的 自由 を獲得 し、 経 済 (市場)において は、企業 を道具 として間接 的 に経 済的 自由を獲得 す る。 また、政府 は、経済成長の 復活や民主主義 の進展 を促 すために、民営化や 自 由化 、規制緩和 な ど経済(市場)に対 して行 う。 そ
新 自由主義 とコーポレー ト・ガバナンス 67
表
4
新 自由主義化 に伴 い各国で経済権力握 った人々代表 国 権力 を握 った人々
インドネシア. 少数派華僑
マレーシア .フィリピ ン (中国国内以外 に移住 しなが らも、中国国籍 を持つ漢 民族)
ロシア 七大新興財閥
(ボ リス .ベ レゾ フス キー、 ウ ラジ ミル .グ シ ンスキー、
ミハ イル .ホ ドル コフス キー、 ウ ラジ ミル .ポ 夕ニ ン、
ミハイル .フ リー ドマ ン、 ウ ラジ ミル ,ビノグ ラ ドフ、
ア レクサ ンダー .ス モ レンス キー)
イ ギ リス 成 り上が りの企業家や成金(マーガ レッ ト .サ ッチ ャー は、 イ ギ リスの特 有 の貴 族政治 的伝統 を攻撃 し、彼 らを支持す る)
(出所)デヴィッド・ハーヴェイ【2007146貢を参考にして、筆者が表を作成するO
図2 新 自由主義化を図 った政府 と企業の関係性
(出所)筆者作成。
して、政府 は、外交 において、他 国に新 自由主義 化 を促す、つ ま り、経済(市場)の開放 を要請 す る ことで、企業の資本市場 における自由競争が正 当 化 され、 自由な資本移動が可能 となるのである。
また、前節で述べ たよ うに、アメ リカでは、限定 的な定義付 けではあるが、企業が新 自由主義化 を 図 り、実質的な権 力 を握 ったのは、金融業者や大
企 業 のCEOだ とされ て い る。企 業 は、 異 な る産 業部門をまた ぐ合併 を行 い、生産、商取 引、不動 産、金融 を新 しい形 で結合 し、 さまざまな産業部 門を包括 した コングロマ リッ トを作 り出 したので ある。 これによ り、金融業界 は、爆発 的な発展 を 遂 げ、 これまで活動範 囲が限 られていた金融活動 は、規制 による束縛や障壁か らます ます 自由にな
68 神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』第15号 20日年 3月
ることがで き、 あ らゆ るところに広が りを見せ る ので ある。
そ して、エ ンロン事件やサ ブプライムロー ン問 題 のよ うな企業不祥事が、起 こったのだ と考 え ら れ る。 そ こで、エ ンロン事件 とサ ブプライムロー ン問題 につ いて具体的に検証 し、新 自由主義化 を 推 し進 め、 どのよ うに して企業不祥事 に至 ったの か考察 してい く。
3‑2
新 自由主義 とエンロン事件1985年、天然ガスのパイ プライ ン運営会社 とし て経営活動 をは じめたエンロン社 は、エネルギー 業界の規制緩和 の波 に乗 って、 たった15年 とい う 短期間でエネルギー卸売の世界最大手に成長 した。
2000年 には、売上高で、全米第7位 になったエ ン
ロン社 だったが、2001年 のは じめに,事態が急変 した。IT不況で通信事業の損失が拡大 し、 巨額投 資の発電、水道事業 も不振 に陥 り、2001年 の7‑
9月期 の決算 で は、 10億 ドルの特別損失t5を計上 し、6億 ドルの赤字 を出 した。 この決算の発表後、
薄外 債務 の受 け皿 として設立 した特 別 目的会社16
を通 じた複雑 な取 引によって、利益 を水増 しす る とい う会計不正が明 るみに出て、2001年12月、エ ンロン社 は、裁判所へ破産 の申請 を行 った。負債 総額 は、160億 ドル を超 え、 アメ リカ史上最大級 の経営破 たん となったのである。 これ らのエ ンロ ン社 とアメ リカ政府 ・経済 の動 きの詳細 は、表5 のよ うに示 され る。
表
5
工ンロン社 とアメ リカ政府 ・経済 の動 き年代 工 ンロン社の動 き アメ リカ政府 .経済の動 き
1985年 ガス会社 として設立す るンナチ ュラル .ガス社 を吸収合併 し、 天然7月 イ ンター .ノース社 が 、 ヒュース ト
1986年 業務 とな るガス運輸 .販売事 業 .炭 .開発事業 が主 なエ ンロン社 は、業界
2
位の地位 を占める1987年 連邦 エネルギー委員会パ イ プ ライ ン事業 の 自由化 を命 じ、 生産 会社 とパ イ プ ライ ン事業者 の固定 的 な関係 を廃止す る
1988年 ガスの変動幅が拡大 され る
新自由主義 とコーポレー ト・ガバナンス 69
1991年 ス トと事業提携 を行 うな どして、金 融工学の習得 を図 るこの年 まで、 投資銀行 、 バ ンカー ス .トラ
1992年 アメ リカ最大のガス卸会社 にな る ガス輸送事業 と販売部門の完全分離を命 じる 時価評価会計 を導入す る 「エネルギー政策法」成立す る
(デ リバ テ ィブ取 引の会計処理 において、契 ① 発電 .送 電 へ の新規 参 入、② 電 力会社 の 約期 間 中 のエネル ギー価格 を現 在価 格 に引 送電線 を使つての電力の御託送、 の 自由化
きなお し、 契約 期 間 の収支 を前倒 しで一括し会計処理す る方法である) 長期 .固定的な販売契約制度 の崩壊
1993年 子 会社 エ ンロ ン .イ ンター ナ シ ョナル を設立 し、海外事業の本腰 を入れ る
.
イギ リスの投資先、天然ガス燃焼式 のティーサイ ド電力会社 を稼働 させ るカ リフォル ニ ア州公務 員退職年金基 金 と共同出資す るJ E D
日時別 目的会社)が設立 され る 1994年 電力 トレーデ ィングに本格的に参入す る 1995年 た トレーデ ィングセ ンターを設置す るロ ン ドンで天 然 ガス、 電力取 引 を中心 とし1996年 開発 とい う資産保 有型 ビジネス を縮 小 し、7天然ガ ス火力発電所 を着工す る会社 を買収す る対象 とな る金 属 、水 、 天候 デ リバ テ ィブ排 出権 も取 引原油、石炭、ガ スパイ プライ ンの空 き容量、電力供給会社 と契約 を結 び電力 を確保す る電力事業 の卸販売事業 を強化す るイ ン ド .ダボールーアメ リカトレーデ ィング事業 を拡大す る2月月 パ イプ ライ ン会社 として初 めて\電力パイプライ ン運営やエネルギー探鉱 .7位 の電力販売会社 となる 卸託送 の基本 ルール .料金が規定 され る
1997年 特別 目的会社 を使 い、 不 良債権 や負債 を隠本 の撤退 をす るす操 作 を した り、保 有資産 の価 格維持 のためのヘ ッジ契約 を行 った りしたカ リフォル ニア州公務 員退職 年金基金 が資11月(負債増加 を回避す る操作のため)Chewco(特別 目的会社)が設立 され る エンロ ン社 の株価が上昇す る
70 神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』第15号 2011年3月
買収す る
子会社 を通 じて、通信 回線市場 に進出す る 未 経 験 な 通 信 事 業 と設 備 コ ス トを 負 う
1999年 水道事業 に乗 り出すが、想定以上の劣悪 なイ ン水利権 を買収 す る天然ガス火力発電所が完成す る売上400マーケ ッ トメーカー として介入す る電力事業で2イ ン ド .ダボールアルゼ ンチン1フラと労組の反発 によ り撤退す るブラジル1月 エ ンロン .オ ンライ ンが稼働 する億 ドルになる0億 ドルの損失 を被 る
2000年 売上1000億 ドルを上回 る 8月 株価90ドルに達す る
2001年 】月 インド .ダボールの天然ガス火力発電所 は 1月 時点で株価80ドル台を維持す る
コス ト面で採算が合わず債務不履行 となる3月 未経験 な通信事業 と設備 コス トを負い大 幅損失を計上 し、通信 回線市場から撤退する8月 CEO退社 経理担当者が簿外の巨額含み損 を会長 に内部 告発する1目で0月、1非連結だった子会社の不 良債権償却の名0,1億 ドルの特別損失の計上 し、税 引き
後の決算で純損失9存在 を認め、 同期間における純利益累計額 を1111億 ドルから292月219億 ドルの減資を発表月27年から28日日
N
格付機関が投資不適切へ引き下げY
20連邦裁判所へ破産 申請を行 う301,0年9月末 までの期間の簿外取引の億 ドルへ 「6,18億 ドルを発表する減額修正」を行 う28,証券 アナ リス ト 「買い推奨」 を出す新自由主義とコーポレー ト・ガバナンス 71
(出所)鎌田信男【2004]を参考にして、筆者が表を作成するO
これ らか ら、 アメ リカ経済の 自由化 に伴 U、エ ンロン社 は、事業 の多角化 を図った ことが うかが えるO エ ンロン社 は、経済 の 自由化 に伴 い、事業 の拡大 を図 り、経済活動 を行 ったが、結果 的にア メ リカ史上最大規模 の企業不祥事 を引き起 こす こ ととなったのである。新 自由主義 は、経済 の発展 を促 す もの として、導入が進 め られたのだが、企 業不祥事 を引き起 こす要因 となった ことを考慮 し
なければな らない といえるであろ う。
3‑3
新 自由主義 とサブプライム ローン問題 サ ブプライムロー ン とは、信用力が低 く、返済 能 力のないよ うな借 り手(低所得層)を対象 とす る 住宅 ロー ンの ことである.サブプライムロー ン問 題 によ り、 アメ リカで4番 目に大 きな投資銀行で あるリーマ ン ・ブラザーズは、破 たんに追いや ら れたのだが、サブプライムロー ン問題 は、新 自由 主義化 によって引き起 こされた ものだ と考 え られ るO そ こで、サ ブプライムロー ン問題 によ りアメ リカ金融危機が起 きるまでの流れは、図4
のよ う に示 され る。住宅バ ブル崩壊前、 アメ リカでは住宅 ブームが 起 き、 ロー ン会社 は、低所得層の借 り手に、住宅 価格 の上昇を理 由に住宅 ロー ンを組 ませた。 ロー ン会社 は、貸 し出 したサブプライムロー ン債権 を 手元 に置かず、銀行や証券会社 に売却 し現金化 し たOなぜな ら、 も とも と信用度 の低 い人々への貸 し出 しであったため、 リスクが高 い と判断 された ためで ある。サブプライムロー ン債権 を買い取 っ た金融機関は、 それ を証券化 し、小 口に して市場 へ売 り出すのだが、サブプライ ムロー ン債権 は、
リスクの大 きな商品であるため、小 口に したか ら といって売れ るわけではなかった。 そのため、商 業銀行や投資銀行 は、サ ブプライ ムロー ン債権 の リスクを見 えな くす るため、他 の優良な証券化商
品(国債や超優 良会社 への貸付債権 、社債 な ど)と サ ブプライムロー ン債権 を混ぜ合わせ た新 たな金 融商 品(債務担保証券)を作 り出 したので あるO こ れ には、各付 け会社 です ら リス クを見過 ご し、A AA(トリプルA)の最高格付 けを付 けたため
、
機関 投資家やヘ ッジファン ドは、大量 に これを購入 し たのである。住宅バ ブル崩壊 後、値上が りしていた住宅価格 は下落 し、住宅 を担保 に借 り入れの融資額 を増や して購入 した家具や家電、 自動車な どは、負債へ となった。低所得層の人々 は、住宅価格 の下落 と 家具や家電、 自動車 な どの多 くの負債 によ りサ ブ プライムロー ンを借 り入れ る前 よ りも厳 しい生活 となったのだ。 また、債務担保証券 と関連金融商 品 は下落 し、投資家や金融機 関 は、多大 な損失 を 被 ったので ある。新 自由主義 においては、サ ブプ ライムロー ン問題 の よ うな利益重視 の経済活動 ま で もが、規制 のない 自由な市場で競争が行われれ ば、正 当化 され るのである。
4
新 自由主 義 と コー ポ レー ト ・ガバ ナ ンス の関係性 と問題点4‑1
コーポ レー ト ・ガバナ ンスの発端 と目的 まず、 コーポ レー ト ・ガバ ナンスは、1990年代 初頭 よ り、先進諸国を中心 に議論 が活発 となって い る。 コーポ レー ト ・ガバ ナンスは、企業経営の 監視 ・牽制 の仕組みを構築 し企業不祥事 を防止す る役割 と、企業経営の意思決定 システム等 を確立 し企業競争力 の強化 に役 立 たせ る役割 を持つ17と されてい る。 しか し、 この両者 の機能 を兼ね備 え るコーポレー ト ・ガバナンスではあるが、今 日に おける、複雑化 す る株式市場 と高度 に分散化す る 株主 によ り、企業不祥事 は後 を絶たない。それに よ り、 コーポ レー ト・ガバ ナ ンス は、前者 の意味72 神奈 川大学大学院経営学研 究科 『研 究年報 』第15号 2011年3月
図
4
サブプライムローン問題 によ りアメ リカ金融危機が起 きるまでの流れB
住宅バブル 崩壊前
住宅ロー を組ませ
低 所 得 者 流離
D‑ン債権を売 却し、現金化
=≡≡≡≡≡
≡ ≡ ≡ ≡ 二 コ
≡ : :
王≡ローン債権 買い取り
1 日 0 % 以 上 ) 不 動 産 バ ブ ル に よ り
銀行 優良な証券化商品と 証券会社 混合させ売り出す
家 具 ・ 家 電 自 動 車 な ど
証 券市
場
アメリカ経済 活性 化
AAAの格付けによりi i i
ローン債権を大量に購入
謡 宗
%L .
アメリカ経済
一一 十 金融危機に陥る ー :巌 リーマン・
ブラザーズ投資銀行 倒産
不動産バブル崩壊により 住宅価格は下落
住宅を担保に溝入した 商品は、負債となる
家 具 ・ 家 電
住 宅
自動車など(出所)筆者作成。
で しば しば議論が交わされている。
また、 コーポ レー ト ・ガバナンスを構築 す るた めに、経済協 力開発機構(以下、 「OECD」 とい う) をは じめ として、 さまざまな国際機関や機 関投資 家、各国内の機関等が、 コーポ レー ト ・ガバ ナン ス原則 の策定 に取 り組 んでいる。 しか し、 コーポ レー ト・ガバ ナンスは、歴史、社会、文化、制度、
慣 習な どを異にす るそれぞれの国 に制度化 され、
その社会 に根 ざす ものであるか ら、 それぞれの国 と社会 に最 も適合 し得 るコーポ レー ト・ガバ ナ ン ス制度が育 まれているtSため、世界標準原則 の策 定 は、困難 なものであるといえる。
そ して、 コーポ レー ト・ガバ ナンス問題 の解明
は、経営学、経済学、法学、会計学、金融論、証 券論、財務論 な どの分野か ら、学際的に進 め られ てきたが、諸学問の交流 はあまり行われてこなかっ た といえ る19。経営学 の分野で は、 エ ンロン事件 な どの企業不祥事 をコーポ レー ト ・ガバナ ンスの 問題 として議論 されているが、同様 に、政治学 お よび経済学 の分野で も、 この企業不祥事 を新 自由 主義 の問題 として議論がな されている。 したがっ て、 コーポ レー ト ・ガバ ナンス問題 の根底 には、
政治 と経済 の新 自由主義化が関わってい るのでは ないか と考 え られ る。
新自由主義とコーポレー ト・ガバナンス 73
4‑2
新 自由主義 とコーポ レー ト ・ガバナ ンスの 関係性新 自由主義 は、政治お よび経済的なシステムで あ り、 コーポ レー ト・ガバ ナンス との関係性 はな いよ うに感 じられ る。実際 に、 この両者をつなげ た研究 は、 なされていないのが現状である。 ここ で は、 「企業不祥事 は、 なぜ起 きるのか」 とい う 問いに対 して、政治学 お よび経済学の分野である 新 自由主義の視点か ら新 自由主義 とコーポレー ト・
ガバナンスの関係性 について考察 してい く。
まず、新 自由主義 は、国家か ら干渉 されない、
他人か らの強制力のない、 そ して、 自由競争 を行 うための環境 を整 えることが大事であ り、経済 を 活性化 す るための最善 の方法 とす る理論 お とび思 想であると考 え られ る。主 に、規制緩和や民営化、
自由化 な どの政治的 ・経済的な動 きが、新 自由主 義化 といえる。
また、 コーポ レー ト ・ガバナンスは、企業経営 の監視 ・牽制 の仕組 みを構築 し企業不祥事 を防止 す る役割 と、企業経営 の意思決定 システム等 を確 立 し企業競争力の強化 に役立たせ る役割 を持つ、
とされているO 今 日における相次 ぐ企業不祥事 に よ り、 コーポ レー ト ・ガバナ ンスは、 しば しば前 者 の意味で議論がなされている。
しか し、新 自由主義化 を図った ことによ り、結 果的に、エ ンロン事件やサブプライムロー ン問題 な どの企業不祥事 を生 み、 これまで議論 されて き たコーポ レー ト ・ガバ ナンスは、 これ らの企業不 祥事 を防止す ることはできなかった といえる。そ こで、企業不祥事が起 きるまでの流れを、経営学 的視点 と政治学 お よび経済学的視点か らみてみ る
と、図3のように示 され る。
は じめに、経営学 的視点か ら企業不祥事が起 き るまでの流 れをみてい くと、複雑化す る株式市場 と高度 に分散化 した株主 によ り、所有 と経営 の分 離が生 じた。 それ によ り、経営者 への権力が、集 中 した と考 え られ る。 また、株主 は配当のみを重 視 し、経営者 は株価 の下落 を懸念 したため、粉飾 決算な どを行 い、企業不祥事 として発覚 し、 コー ポ レー ト ・ガバ ナンスに注 目が集 まった とい うよ
うな流れ とな るO
つ ぎに、政治学 お よび経済学 的視 点か らの企業 不祥事が起 きるまでの流 れをみてい くと、新 自由 主義が台頭 し、政府 と経済 は ともに、新 自由主義 化 を図 った。製造業 を中心 とす る企業 は、確実 に 収 入を上昇 させ る金融業へ権力 をシフ トし、金融 業界は爆発的な発展 を遂 げたC また、政府 もこれ に関心 を抱 き、 「ウォールス トリー トに とって よ い こと、それがすべてだ」 とい うスローガ ンさえ 登場 したほ どだった。 そ して、企業不祥事へ と繋 が り、新 しい統治システムへの構築 に注 目が集まっ た とい う流 れになる。
これ らによ り、新 自由主義 とコーポ レー ト ・ガ バ ナンスは、同様 の企業不祥事 を通 して、密援 な 関係が あ り、企業不祥事 をな くす ためには、経営 学 の視点か らだ けでな く、政治学 お よび経済学 の 分野か らの視点 を含めた議論が必要 となる といえ
るであろ う。
4‑3
新 自由主義 とコーポ レー ト ・ガバナンスの 問題点新 自由主義 とコーポ レー ト ・ガバナンスの関係 性 を明 らかにし、い くつかの問題点が明 らか となっ た。 それ らをま とめ る と、大 き く分 けて3つ に分 け られ るo
lつ 目は、 コーポ レー ト ・ガバ ナンスは、経営 学 の視点か らのみで議論 されてきているとい うこ とである。コーポ レー ト・ガバナンスは、経営学、
経済学、法学、会計学、金融論、証券論、財務論 な どの分野か ら、学際的に議論 がなされている。
しか し、 これ らの学問の交流 は行 われてお らず、
企業不祥事 をな くすためには、 さまざまな学問の 視点か らコーポ レー ト ・ガバ ナンスについて議論 す る必要が ある と考 え られ る。
2つ 目は、企業不祥事 の発端 は、新 自由主義が 何 らかの影響 を与 えた とい うことである。 コーポ レー ト ・ガバナ ンス と新 自由主義 は、それぞれ別 物 として議論 されて きた。 しか し、エ ンロン事件 は、共通の企業不祥事 として取 り上げ られてお り、
未 だに後 を絶 たたない企業不祥事 をな くすために
74 神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』第15号 2011年3月
図
3
企業不祥事 の経営学視点 と政治学 ・経済学的視 点(出所)筆者作成。
は、新 自由主義 の視 点か らコーポ レー ト ・ガバ ナ ンスにつ いて考察 す る必要が あ る と考 え られ る。
3つ 目は、 コーポ レー ト ・ガバ ナ ンス は、政治 と経済 の動 きに大 き く影響 され る とい うことで あ る。 コーポ レー ト ・ガバ ナ ンス は、政治 と経済 の 動 向に密蛙 に関係 してお り、政 府が、市場 の安定 を図 ることを目的 に、市場 に介 入 した り規制 を緩 和 した りと、政治的権 力 を用 い る ことか らも うか が える。 しか し、 これ らを、関連 させての研究 は、
い まだ されてお らず、企業不祥事 の防止 に役 立つ と考 え られ る。
これ らの問題点か ら、企業不祥事 の根底 には、
新 自由主義 とい う概念が関わ ってい る と考 え られ
る。新 自由主義化 を図 った政府 お よび経済 におい て、経 済権 力 を握 ったの は、 大 企 業 のCEOで あ り、 また、所有 と経営 の分離が進 んだ今 日におい て、企業不祥事 の発生 は、偶然で はな く、必然で あった とい って も過言で はない。 なぜ な ら、政府 も製造業 よ りも確実 に収入 を上昇 させ る金 融業 へ の権 力移 動 を容認 し、 メイ ンス トリー ト[製造業】
よ りもウォール ス トリー ト[金融業1を、重要視 す るよ うになったか らで あ る。 その こ とは、人 口に 胎灸 した 「ウォールス トリー トに とって よい こと、
それがすべ てだ」 とい うス ローガ ンが登場 した こ とか らも うかが え る。 したが って、 これ ら3つ の 問題 点 を解決 す るこ とが、企業不祥事 をな くすた
新 自由主義 とコーポレー ト・ガバナンス 75
めには必要 であ る と考 え られ るであろ う。
5
おわ りに本論 文で は、 まず、新 自由主義 の基礎 的考察 に つ いて提示 した。 ここで は、新 自由主義 の種類 と 背景 を考察 したO そ して、政治 お よび経済 にお け る新 自由主義化 とは、あ らゆ るものの金融化であっ た ことを解 明 した。 そ こか ら、新 自由主義化 に伴 い経 済権 力 を握 った の は、 大 企 業 のCEO と金 融 業者 であ ることを明 らか に した。つ ぎに、新 自由 主義 と企業 の経済活動 につ いて提示 した。 ここで は、新 自由主義化 を図 った企業 の経済活動 を考 察 した。 そ して、新 自由主義化 を図 った企業 は、政 府 に よ り資本市場 にお ける自由競 争が正 当化 され たため、国際化、多角化 を進 めた ことを解 明 した。
そ こか ら、新 自由主義化 を推 し進 めた ことによ り 起 こった企業不祥事 といえる、 エ ンロン事件 とサ
ブプライ ムロー ン問題 につ いての流 れを明 らかに した。 さ らに、新 自由主義 とコーポ レー ト ・ガバ ナ ンスの関係性 と問題 点 について提示 した。 ここ では、 コーポ レー ト ・ガバ ナ ンスの発端 と目的 に つ いて考察 した。 そ して、企業不祥事が起 き るま での流れ を経営学 的な視点 と、政治学 お よび経済 学 的な視点か ら解明 したO そ こか ら、新 自由主義 とコーポ レー ト・ガバ ナ ンスの関係性、問題点 を 明 らか に した。
本論文 に よ り、新 自由主義 とコー ポレー ト ・ガ バ ナ ンスには、何 らかの関係性が あ り、 また、問 題点が存在 す るこ とも明 らかに した。未 だにあ と を絶 たない企業不祥事 をな くすためには、経営学 か らの視点だ けで はな く、政治学 お よび経済学 か らの視 点 も含 めて、 コーポ レー ト ・ガバ ナ ンス に つ いて議論 す る必要が ある と考 え られ る。 これ ま で とは異 な る視点 か ら考察 し、 よ り柔軟 な考察 こ そが、必要 である とい えるであろ う9 そのため今 後 の研究 によ り、 よ り詳細 に考察 していきたい。
注
1 企業不祥事の例 をあげると、海外の企業不祥事 では、エンロン事件やサブプライムロー ン問題 な どの不祥事である。 また、 日本の企業不祥事 では、食品偽装問題や粉飾決算な どの不祥事で ある。
2
デヴィッド ・ハーヴェイ【 2 0 0 7 日0
貢。3 物事の本質 を見極 めた り、 自然の法 則を明 らか に した りす る理性を持 った人をい う,
4 ミル トン ・フリー ドマ ン
[ 2 0 0 8 ] 2 4
貢。5 どのような事柄でも、法律 を制定 し、規律 さえ すれば解決できるであろ うとい う考 え方。
6
デヴィッ ド・ハーヴェイ[ 2 0 0 7 1 21
頁。7 国際政治学者 ジ ョン ・ラギーが、名付 けた第二 次世界大戦以降の先進資本主義国の政策傾 向。
自由主義市場では、不況 ・失業が生 じるので、
調整的 ・緩衝的 ・規制的な諸制度の中にこれを
「埋 め込」 み、資本主義的経済 と社会的安定の 双方を維持 しようとしたC これによ り、国際的 には、 自由貿易体制 を維持 しつつ、国内では福 祉国家的政策を進 めた。
8 スタグフレーションとは、イ ンフレ (物価水準 の上昇) と景気後退が同時 に発生 した場合の こ
とをさすC
9 イギリスの経済学者 ジ ョン ・メイナー ド ・ケイ ンズの理論に基づ く経済政架。資本主義経済 を 前提 とした うえで、失業問題 の解決 を目指 し政 府の財政支出による景気 ・失業対策を重視 した。
10 デヴィッド ・ハーヴェイ
【 2 0 0 7 】 4 7
頁。11 デヴィッド ・ハーヴェイ
し 2 0 0 7 ] 4 8
貢。1 2
デヴィッ ド・ハーヴェイ「 2 0 0 7 】 4 8
頁。13MargaretHildarmatcher,BaronessThatcher,
LG,OM,PC 女性 として初 めて保守党党首お よび英国首相 (在任期間 :
1 9 7 9
年‑1 9 9 0
年) と なった,1 4
リチャー ド ・ブランソン(「ヴァージン ・グルー プ」の創業者)やハ ンソン卿(「ハ ンソン社」 の 創設者)、 ジ ョージ ・ソロス(「ソロス ・ファン ド .マネージメン ト」の創立者)な どであるC 15 特別損失 とは、損益計算書 の損失の うち、通常は発生 しない特別 ・臨時の巨額 の損失を処理す
76 神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』第15号 2011年3月
るために使用 され る勘定科 目項 目をい う。
16 特別 目的会社 とは、特定の資産 を担保 あるいは 裏 付けに した証券 の発行 な ど、限定 された 目的 のために設立 された会社の ことをい う。
17 小 島大徳 [2004]32頁0 18 平 田光弘【2008]53頁。
19 平 田光弘L2008]51貢。
参考文献
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春秋社
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フ リー ドリヒ・A ・ハイエ ク【1954】『隷従 への道一 全体主義 と自由』東京創元社
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日経
BP
社矢島釣三和1991]『新 自由主義の政治経済学』同文館 ロバ ー ト・B・ライ シュ[2008]『暴走 す る資本主義j
東洋経済新聞社