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地域港における輸出構造と産業構造との乖離の展望

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(1)

地域港における輸出構造と産業構造

との乖離の展望

   目    次

一、

竭閧フ所在

二︑分析方法

  特化性向と特化弾力性−・

三︑輸出構造と産業構造との乖離の類型

 1輸出重工業化先行型−

四︑地域港工業品輸出の比較優位

五︑ムフ後の課題

問題の所在

155

 地域経済の研究にとって︑ある一定地域における輸出構造と産業構造との乖離の変動要因を究明することは︑理論

的にも実証的にも興味ある課題である︒この問題は国民経済に立脚した場合は︑重化学工業化と貿易構造といった理

155

(2)

156

論的分析によって簡明に説明できるであろう︒すなわち︑国内産業構造のトランスフォーメーションによって生み出      ①された輸出構造の軽工業品から重工業品への高度化という現象から︑その乖離の展望がなされる︒

 しかし︑本稿ではこれら乖離の展望を地域経済的な︑特に地域港の側面から接近しようとの試みであり︑その揚合

どのような接近方法により︑どのように説明できるか︑さらにその両構造問の乖離現象がどのようなパターンをと

り︑その原因はどのようなものかを究明したい︒したがって本稿での分析目的をつぎの二点におく︒

 第︼の問題点は地域経済の輸出構造と産業構造との乖離をいかなる分析方法によって接近するかの問題である︒

 第二の問題点は地域港の輸出構造の変動が産業構造の変動にどう関連しているかを知り︑その原因を検討しようと

することにある︒これは特定地域港の工業品輸出の比較優位を実証的に分析することにより︑検証したい︒

 第︷の点は地域経済における産業構造面の重化学工業化と輸出構造面での重化学工業化を問題とするが︑その前に

地域経済論の研究方法にふれておきたい︒勿論地域経済理論は静態的な立地論と動態的な地域乗数理論によって展開   仙されるが︑構造乖離の現象が示す研究課題は︑後者の地域乗数理論によって解明されなければならない点がある︒そ

れは︑もし﹂主要工業地域においての輸出の増大による所得及び雇用の増大が他の地域の産業に波及効果一縮少傾向

にあれば逆流効果fを及ぼし︑いわゆる地域乗数作用の過程をへて︑その地域の経済発展を促進する︒

 そこで︑その地域の輸出増大の主要点は少なくとも︑重工業製品輸出の比較優位による変動要因によって︑重工業

比率を高めるものと考えられる︑したがって︑地域乗数による波及効果後のその地域港の輸出商品の重工業化を検討

する必要がある︒それによって︑特定地域の輸出構造の重工業化は︑その地域の産業構造の高度化の促進に影響を及

ぼされるといった相互依存関係が見出される︒

 このことは国民経済における外国貿易乗数による展開と同じような型をとると考えられるわけである︒ただ地域経

lDo

(3)

157

済においては港を中心とした場合の財の輸出入とさらに他地域との財の交流である移出入をも考慮しなければならな

い︒ しかし︑本稿で取り扱う問題は地域経済の発展が国民経済のワク内にて行われ︑国民経済の発展にともなう産業構

造と輸出構造とを通じて︑地域経済の発展も大きく影響をうけることに立脚した分析方法をとることにする︒すなわ

ち︑地域経済の発展と国全体の経済発展との相関分析︑あるいはシェアー分析を通じて地域経済の位置づけをする︒

したがって︑この分析の目的とするところは各地域経済の大きさを︑国全体との関連をもって明らかにすることであ

り︑各地域経済構造の特質を相対的に考察することにある︒これは地域経済で言うところの一〇鍵叶㎞9目ρqo即諾馨によ

って示唆されるが︑ここでは地域経済での輸出構造との乖離現象を見出すのに有効的と考えられる輸出産業の﹁特化

性向﹂及び﹁特化弾力性﹂によって検討したい︒

 第二の問題については︑輸出構造と産業構造との乖離現象を重工業化一一国経済の重工業化については問題点もあ ゆるが一の進展状態に求めると︑いわゆる西欧先進工業国型が輸出重工業比率の生産重工業比率に先行するのに対し      畦て︑日本型がその逆である生産重工業比率の先行といった型を示している︑そこで︑これらのことを地域経済にあて

はめて考えた場合︑いわゆる先進工業地域と後進工業地域においては︑輸出構造と産業構造との乖離に格差を表わす

ものと思われる︒本来はそうした地域間の格差を問題とすべきであるが︑本稿では特定の一地域を選定して︑両構造

問の乖離がどういつだパターンを示すかを究明し︑その原因をさぐってみたい︒

ω 昭和三十六年度﹁通商白書﹂︑﹁経済白書﹂︒﹁日本経済の重工業化﹂第四章︑重工業化と貿易︑︵金森久雄︶︒

ω ..ω貫く2u・︒幽囚88巳︒↓冨︒q︾<︒ピ﹃Ωδヨずp巳O⑦︿巴︒℃ヨΦ罧写軍︒富﹁巴︷震↓冨﹀ヨ¢ユ︒pづ国88巨︒﹀鴇︒︒舜一8

  霞目↓冨刃︒冒一国88急︒ω︒99と.︑<嗣ヵ①αq一8巴国88a︒ω>Q︒艮く畠︑︑ξ﹄.劉ζΦ莞コζ碧ヨ三節PH¢①9

157

(4)

158

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  ピ讐鎌Cu︒¢︑コ︐m能︒︹臼二¢チm二μωぼ口︒ε毎︶ζ國H.︑一︑.勺﹁窒チ一霧◎蔀訳︑木内信蔵監訳﹁立地と空間経済﹂朝倉書店︑

 篠原泰三編﹁地域経済と農業﹂東大出版会︑ 一九六六年︑第三章﹁農業発展の地域性﹂第二節﹁経済の地域的発展に関する従

  来の理論﹂ ︵逸見謙三︶

麟  ﹁重工業化ぱナンセンスか.一篠原三代平︑日本経済新聞.⊥九六六年九月二十日−

簡…

@篠原三代平著︸経済成長の購造﹂第八章﹁.経済成長と工業構造の変貌﹂.⁝F﹁︑重工業化と貿易椹造﹂

二 分 析 方 法

 ここで用いる分析の方法は地域経済と国全体とのシェアー分析を通じて︑地域経済の特質を示す﹁特化性向﹂によ

る.︑これは例えば地域港の輸出をみる揚合に︑ある特定輸出商品が国全体にたいしてのその特定地域港の輸出状態を

示すものであり︑どの程度その輸出商品が特化されているかを示唆することを意味するものである︒さらにその特化

性向よりえられる特化弾力性をもって地域港の輸出構造分析を二層ほりさげてみたい︒地域の経済理論が静態理論た

る立地論で説明されるとすれば︑この特化性向分析はその立地的な地域の悪化現象を説明するものであり︑また動態

理論的な乗数理論に発展するものでもある︒

 一定の地域港の輸出特使性向は輸出商品の特化状態を示す特化係数によるものであり︑いわばその地域港から

の輸出商品の比較優位を知るものでもある︒それは各地域港の輸出額の合計たる国全体の輸出総額に占める特定輸出

(5)

159

商品の輸出額のシェアーと︑特定地域港の輸出総額に占める輸出商品の輸出額のシェアーとの関係から求められる︒

これは別の意味では︑国全体の輸出総額に占める地域港の輸出総額といったシェアーと︑輸出商品別の国全体と地域

港のシェアーとの関係でもある︒

 したがって︑いまρ地域港の9商品の輸出額を︽ミ︑その合計たるρ地域港の輸出総額を︽箕︑一方国全体の9

商品輸出額を詫Q︑その合計たる輸出総額を歌︑とすれば︑力地域港の9輸出商品の国全体との関係からえられる商

品別輸出特化性向は︑

き.ござさ

 }

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躰い 

鮮q

:︵目︶

、(

1)

       にで表わされる︒ ︵この式は地域港の輸出構造を輸出特化係数によって分析するといった従前の論文に使用したものと

同型︶︒右の式でえられた数値はρ地域港のq輸出商品の比較優位を示すものでもある︑具体的に特化性向の意味す

ることは︑国全体の輸出総額に占める9輸出商品のシェアーと︑各地域港の輸出総額に占める4輸出商品のシニァー

との比較検討であり︑両者のどちらが大きいか小さいかによって決められる︒したがって︑1より大きい場合はその

地域港での9輸出商品は他の地域港と比べて特急要因を含んだ商品であることを意味する︒

 さらにその輸出商品の応化性向を説明するために︑その商品の限界特化性向と平均特派性向との問の関係を考察す

み      ロる︒これについては両者の間に規則的な変動が見られるが︑さらに両者の関係を明確にすることによって︑地域港の

特化性向の規則的な変動が︑つぎのようなパターンを示すことになる︒

159

(6)

160

 まず両者の関数関係は旨11窟+ミ︵図の通り︶において︑∂は限界特化性向﹂ミ﹂8であり︑ αの常数項は地域港

の輸出と見ることができる︒これらの相関関係については既に説明したことであるが︑謬とツとの相関係数はほとん       ど○・入以上であり︑その相関の高いことを示している︒

 そこでさらに本稿の第四節で使用する﹂じとツとの構成比関数を図示した実際値によってヒ㌃と﹂ミ﹂8との関

係を整理してみたい.︑ ︵この実証分析には名古屋港の輸出実績を使眉︑第四節参照︶

 まずαが正の場.合の両者の関係を説明しよう.︑

図1:切辺の正のケース

雑製品の特化性向

y二〇.4693x十1.7653 づ名古屋圏 3     2     1

5  x

  (全国)

3 4 2 1

3Pα二.

yρα

図H

 xα

∠苧誼7一

y w

11

Zノ

a

/ノ

1

0 x

0

(図1は名古屋港の雑製品の特化性向を示す ものであるが,その輸出商品の回国と名古屋 港の輸出構成比関数は ♪・=0.4693/十1.7653 で示される。期犀恥よ:弼年から41).年子芝での4半

期別資i料による)

160

 この場合の限界特化性向﹂ミ﹂聴は直線㎜の傾斜で示される︒平均特化性向目\聴は図nに示すごとく︑原点0か

らの直線Oミ・O謡の傾斜で示される︒図の示すようにこの場合は︑全国のσ商品の輸出比率∬が増加するにつれて︑

(7)

161

平均蟻蚕性向隻\賊は漸減する傾向をもっている︒この傾向は劣が無限に増大したとしても︑ミ8はこの場合︑図

1のように平均特化性向が漸減傾向をとり︑限界特化性向が下限を画することになる︒この場合は前者が後者に接近

する傾向をとる︒

 つぎに両者の関係から地域港の輸出特筆弾力性がえられるので︑この変化によって輸出商品が実際にどのように説

明されるか︑上記の二つのパターンからそれぞれの変化を述べてみよう︒

 まずαが正なる揚合は﹂ミ﹂&︿ミ独であり︑﹂ミ﹂独に接近してゆくが︑一致することはない︒したがって平均

特化性向は漸減傾向をもち︑限界特化性向はその下限を画することになる︒

      つぎに切辺αが負の場合にはどのようになるで

図皿 切辺の:負のケース 化学工業製品の特化性向

W

y=0.39351x−0.5840 y

宮4

屋3

 2  1

 X

(全国)

5 6

4 3 2 1

y

図IV

W

   ,@,

f

n

0

   !

mう

m

a x

0

あろうか︒図皿がその実証的なものであり︑図Wがその説明のためのものである︒ αが負の場合は﹂量\﹂&﹀セ\&であるので輸出特化弾力性は一より大きいことになる︒ したがって地域港の特定輸出商品の特化性向とこの特化弾力性との関係より︑そのときの特化の規則的変動がさぐり出される︒すなわち︑ωの場合は9輸出商品において︑ρ地域港では全国の輸出が零であっても︑その地域港からは既に輸出し

ていたことを意味している︒

161

(8)

コ62

 こうした様相は具体的にはその地域港の伝統的輸出商品iすなわち最初から輸出特化しやすい商品一がこれにあた

る事実を示していたことになる︒したがって図1のように︑名古屋港のような比較的後進的な港においては雑製品の

ような軽工業品にこうした状態がみられる︒

 しかし︑この様相はこの輸出商品の輸出始発期におけるρ地域港への輸出の過大依存は次第に是正され︑その地方

産業のみならず輸出産業の伸展とともに︑その輸出が国全体︑すなわち他の地域港にとっても有利となり︑国内産業

の生産調整が行なわれるに至る︒その結果︑この輸出商品の生産増大がなされ︑一地域港の輸出といった購書状態が

是正されることを意味している︒

 このことは上述の言葉をもってすれば︑一地域港だけでの特化の優位性がくずれ︑国内の競争地域産業が︑他の地

域へと波及し︑その特化性向ミ8が変ってくる︒すなわちこの傾向状態が平均二化性向の漸減となり︑さらに特化

弾力性が一に近ずく結果を生み出すことになる︑ついで︑この特化性向が若しこうした傾向を続けるとするならば︑

そのパターンを変え平均特化性向と限界特化性向とが一致し︑特化弾力性も一になる状態をまねくことになる︒但し

この輸出薫化性向のパターンの変化が特急弾力性を一より小さくするとすれば︑これは全国にとっての比較優位が有

利となり︑逆に︑地域港にとっては︑特化弾力性が一より大きくなるにしたがって︑次第にそのパターンが変化し輸

出商品の比較優位が高まってくることにある︒

 つぎに⑭の場合︑即ちαが負なる場合についてはどう説明されるであろうか︒

 この揚合は︑地域港は勿論のこと︑国全体にとっても9輸出商品はある一定期間︑国内市場向けの状態にあった

か︑それとも輸入の段階にあったか︑いずれにしろ輸出の段階に達していなかったことを示唆している︒具体的にみ

れば名古屋港においてはこの輸出商品は輸出の状態にない︑いわゆる重化学工業製匙であることに注意すべきであ

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(9)

163

る︒特に重化学製品であることは︑第四節に説明するが︑重化学工業部門に遅れたこの港の状態をよく物語るところ

である︒ したがって︑こうした切岸αが負の輸出商品は矢張り重化学工業製品にみられる黒化性向を示している点︑国内市

場向けの製品が漸次国内産業の発展をまって︑輸出する段階に至った商品と見倣すべきである︒こうした様相は特に

地域港にあっては後進又は中進的発展のある地域港にみられる現象である︑地域経済の開発に準じて漸次その方向を

是正する商品であるのは間違いないことである.

 よって︑こうした場合の特恩弾力性は普通1より小さい数値であり︑地域港よりもむしろ国全体にとって特化し易

い状態に置かれるといった過程をへるものである.したがってこの揚合は輸出の飛躍的発展は直ちに望めない状態に

おかれているが︑その地域産業構造の構造的変動によって︑輸出に影響を及ぼし︑その登窯状態をより一層有利なら

しめるような方向に動かなければならない︒いわゆる地域開発に伴う輸出構造の変動はむしろこうしたパターンの方

が重要視されるべきであるとの結論をうる.︑

 以上輸出特化弾力性の変動による問題を説明したが︑これらを実証するものとしては次節に説明するので︑ここで

は直接ふれない.しかしこうした要因が輸出構造と産業構造との関係に密接な関連性を有することになるので︑産業

構造についても︑輸出にみられたと同じ分析方法をもっておこない︑比較対照して乖離現象を明らかにしたい︑

 そこで地域産業についても︑産業特化性向とその特任弾力性に論議の根拠を求め︑輸出と同類型の分析方法によっ

て︑それぞれの構造的研究をする︒すなわち産業構造についてはつぎのような式が展開される︒

 ある一定地域んのq商品の生産額を沁ミ︑その合計たるh地域の総生産額を肉ζ︑全国の9商品生産額を二心︑そ

の合計たる全国商品総生産額を巧︸とすれば︑その産業特化性向を示すものは

163

(10)

164

硬5)

  

@  a.\鱒i又は.調︑調であ・.       臨

ω昭和三十五年度﹁経済白書﹂1世界輸入需要増加率と日本の特化係数︒金森久雄著﹁新版日本の貿易﹂至誠堂︑一九六五年︒

  講座・国際経済 第二巻﹁国際収支﹂皿︑﹁国際収支の現状分析﹂皿一3︑﹁最近の国際収支と貿易の自由化﹂︵田中喜助︶

 ※地域経済論についてはアイサードがぎ︒巴︒口ρ口︒辞δ箕を使用︑これも一種の地域特化係数であることがわかる︒

  乏.Hω上国..ζσチ︒︸o︷ヵ︒讐︒づ鉱♪づ蝉一拳ジ︑.u>⇒写笥︒匹乞江︒⇒8幻︒ぴq一〇⇒巴ω9魯090げ⇔讐醜㎝.℃℃■一諺〜己辞ζ一

 ︑7勺諾ω26①︵︶■

  地域経済分析の理論と要具について︑シェアi分析を通じての立地変動の測定として地域特化係数と地域偏差係数を説明

 したのに竹内正己著﹁地域経済の構造と政策﹂法律文化杜︑一九六六年︒また地域係数として利用を説明したものに﹁地

 域経済と農業﹂前掲書第二章〃地域乗数の諸型式︵鈴木忠和︶︑がある︒

  さらにアイサードの諸分析方法の総合については﹁日本の地域開発﹂日本地域開発センター編︑東洋経済︑昭和四十年︒第

 一編の中の﹁諸分析万法の総合.一︵植村福七︶に︑分析方法の解説・評価・日本の現状分析についての総合の程窒についての論

 説がある︒

② 拙稿﹁地域港の輸出構造一層化係数および輸出特化度﹂・﹁地域分析﹂第︼号第一巻︑ 一九六三年三月︒愛知学院大学経営研

 究所所報︒

㈹ 限界と平均輸入性向との関係及び弾力性については︑小島清著﹁日本貿易と経済発展﹂・国元書房︑昭和三十三年.︑第二章

 日本の経済発展と貿易依存度︑四〇〜九〇頁︒

囲 拙稿﹁地域港の輸出構造−輸出特牛係数による分析﹂世界経済評論︑一九六四年一月号︒ ここで輸出商品別の全国︑名古屋

 港の輸出構成比函数をあげ︑方程式と相関係数を算出︒

  前掲論文﹁地域港の輸出構造﹂七一頁︒

(11)

165

輸出構造と産業構造との乖離の類型

  一1名古屋港と中京工業地帯とのケース

 ここでの問題点は前述の輸出・産業道化性向によって︑地域経済の輸出構造と産業構造との乖離現象を解明し︑そ

こからその地域での輸出重工業化先行型か或は生産重工業化先行型かのどちらであるかを見きわめ︑さらにその原因

を究明することにある︒

 まずこの型を見出す前に問題となることは︑地域港とその背後地域の画定についてである︒ここでは背後地域の工

業地帯での産業構造と︑その製品の外国への輸出門戸である港での輸出構造との相互依存的な結びつきを考慮した上

で︑この論議をおこなう訳である︑したがってその地域の画定いかんによっては構造的把握が大いに異なってくる.

 したがって︑地域画定がこれらの問題をとく最初のカギであることになる.︑まずこの問題から検討する︒

 通常地域概念には三つの意味︑1同質的地域︑2行政的地域︑3核心的地域もしくは機能的地域がある︒この第三

の概念は︑一定の地域が異質的であっても︑分業と財貨およびサーヴスの交換によって相互依存的に結びつく理由に

よるものである︒したがって︑ここで乖離現象を把握するための実証的分析に︑ある一定の地域を画定するのにこの

第三の地域概念に立脚することにする︒

 わが国の工業立地よりみれば︑いわゆる太平洋工業ベルト地帯に大工業地が散在し︑通常四大工業地帯︑即ち大東      酬京工業地帯︑近畿工業地帯︑中京工業地帯︑北九州工業地帯があげられる︒またこうした工業地帯はそれぞれ港湾を

有しているため︑その依存関係が明確に把握できる︒

 本稿での考察対象地域は︑右記四大工業地帯のうち︑比較的開発の遅れた︑若い工業地帯である中京工業地帯であ

165

(12)

166

り︑さらにその地域の輸出入門戸である名古屋港をとりあげる︒その意味は比較的若い工業地域においては︑両構造

間の乖離が明らかになるとの予測にもとずくからである︒さらに先程の地域画定の意義にもとずいて︑それらの地域

に︑すなわち名古屋港に対する背後地域の画定を東海三県︵愛知︑三重︑岐阜県︶とする︒これは先ずこれらの地域

一.Eの分業と財貨およびサーヴスの交換による相互依存関係が最も密接であり︑港の機能的役割をはたしている点1

この三野が輸出の面で中京圏の他県を圧倒的にリードしている一に焦点をおき︑この地域を対象とする︒但しこの

三県を別の指標︑すなわち︑所得︑人口の増加率︑財政収支などによるとグループは三県とも別で︑Aブψープに愛       げ知県︑Bグループに岐阜県︑Cグループに三重県となってい6︒      のド つぎに経済構造︑ここでは輸出構造と産業構造との乖離の問題であるが︑これについては構造乖離係数が算出さ

れ︑それに基ずいてパターンが究明されている︒これは構造上の乖離を示すものとして︑工業生産の構成比とその製

造工業品の輸出の構成比との関係からえられるもので︑その数値は工業生産の構成比で工業製品輸出の構成比を割っ

たものである︑したがってこの式より導き出された数値の示す限りでは︑乖離係数1以上をもつて工業生産に比較し

て︑輸出がヨリ重工業化していることを意味する.これによれば日本の重工業化は生産の先行型で︑又軽工業部門で       劇の輸出の工業化が進められてきたとの結論がえられている.︑

 またこうした状態を日本経済の成長の構造という観点からすれば︑他の先進工業国に比較すると輸出面での重工業

化への高度化がたち遅れていることが示唆.される︒このことは他の工業国の輸出重工業比率が生産重工業比率を大き

くオーバーしているのに︑日本では輸出重工業比率が生産重工業比率をむしろ下回っている状態を示している︒した

がって︑今後の経済成長には輸出面での重工業化を西欧なみにもつてゆくことが︑逆に産業構造を強化することにな       鳳るとの論議が生まれてくる︒

/66

(13)

167

 世界の主要工業国の輸出は軽工業品から重工業品へとその比率が移っていることや︑生産との関係において重工業      吊化への方向のあることの研究が数多く発表されている︒

 以上の壁構造上の問題点をここにまとめてみると︑少くとも二つの類型があげられる︒その一つは︑西欧先進工業

国型的な生産重工業化にたいする輸出重工業化の先行型と︑他の一つは︑日本型的な生産重工業化にたいする輸出重

工業化の遅れ︑換言すれば生産重工業化先行型といったものがあげられる︒

 したがって︑こうした二つの類型を地域経済においてはどちらの型をとるであろうかを検証してみるのが本節の主

要目的である︑

 第一の地域の画定は前記の通りであり︑第二の分析方法は既に説明したように︑地域港の輸出善化性向と地域経済

の産業劇化性向とによる︒この方法は地域経済分析においては︑構造乖離係数によるよりも特化性向を示す特化係数

によるものの方が検証可能性について有利な点があるからである︒ ︵前節において説明したが︑前者の相関係数の方

が後者に比し低い点も含まれている︒と同時に後者の方は︑商品別の分析において地域経済の特化状態が明確に示唆

されうる︒それは少くとも国全体との構成において求める点に見出されうるからである︒︶

 両者の薫化性向を表示したのが表1・Hである︒この表よりこの地域の輸出構造と産業構造との乖離現象を眺めて

みたい︒ まず第一に全体的動向について検討する︒この表によると︑ω両性向ともに昭和三十五年を境として重工業比率が

高まる傾向が見られるが︑特に輸出特化が著しく高くなっている点が注目される︒捌但し平均して軽工業部門での等

化の強いことが明確に表示されている︒特に産業構造について言いうる︒ところが︑その様相も三十五年から漸次変

動するようになった︒ところが︑そのテンポは輸出特化の方がはるかに早く︑構造的変動を重工業化へと転じている︒

167

(14)

168

   ︷838654765486625753

   

 3 色住α位0︐色色L住

       幽﹁−. 一 ︸8182518!479!656955 27

 一36 0・色住α0︐七色﹂②L  ﹁.一∴     〜 塾35面鵠謹選識

三.重・岐

34 0.72 0.80 0.43 0.59 0.39 0.84 0.58 1.41 0、52

1

1

表1 産業特fヒ係数(東海三満山愛知・

三碧二二」㌧艶」31i一辺」一33

       レ      重   =〔   業     . 0.65 1 0.69 ヨ 0.72

化学製品10.6910.711 非鉄金属 0.41io.42・

金属製品0・55ヨ0・54;

鉄   鋼、0.28旨0.38.

藤械器具0.971.02

電気機械・G.7G.G.74

輸送用機器 1.1/1/.18

測   量  器  0.6レ 0.60

   0.74

0,79   0.80 0.43   0.45 0,49   0.57 0,35   0.34 0.9!   Q.84 0.79   〔〉.66 1.33   1.33 0.56 』 0。56

軽  工  業  食  糧  品

 繊維工業製品

 衣服・その他製品

 木材・木製品

 窯業・土石製品  その他の製造品

!.30 1 1.3!   /.31 0.67 [ 0.65   0.66 2.70 1 2.65   2.73 0、57 1 0.62   0,70 1,ユ5 1 !.08 : /.07 L62・ L6ユ.  /.62.

0,64 . 0.63   0.64

1.291 0.69.

2.831 0.661

!.10.

1.39 0.68.

   1.33 ℃ 1.31 Q,68 . 0.69 2.92 1 2.84   ト0,82 1 0.68 1、12 1 1.06

1.65…L74.

0.73 : 0.74 . 1.27、

0.67 2,83 0,77 1.Q7

!.67.

0.7/

1.24 0.7C 2.71 0.75 1.04 1.68 0.68

資料:工業統計表より算出。(生産額は出荷額にて表示)

有したがって︑ここで重要なことは︑この地域におい

てはすでに昭和三十年以来︑輸出の重工業化といった

特化現象が生産の重工業化よりも先行し︑三十五年に

は輸出構造それ自体において係数が1以上を示してい

るように︑この年次から輸出の重工業比率を高め︑重

工業化の転換の様相を示めしている︒そこでこのこと

を要約すると︑㈲輸出の重工業化先行型といったパタ

ーンを示していることになる︒

 つぎに個別的︵商品別︶動向をみると︑Gj産業特化

性向での問題は︑軽工業では繊維工業製品の二化がき

わめて高く︑この地域経済の伝統的産業の優位性をい

かんなく発揮している︒ついで︑窯業・土石製品︑木

材・木製品といった︑いわゆる地域産業独特の伝統的

特産物製品の特化がはっきりと示され︑労働集約材と

いった軽工業産業の優位が依然として目立っている︒

ωまたこの産業二化性向がそのまま地域港に反映し︑

共通した財の流れを示している︒しかし輸出において

は︑産業以上により高い濃化を示しており︑このこと

168

(15)

169

表H 輸出特化係数(名古屋港)

     軒と    3(,    31  :  32 品一目. .一一._一一一一一一.一一_一.....

        重工業…0.7810.850.83  化学製品102110・150・22  非鉄金属.0.2510.170.15

譲属製翻:翔:粥:讐

 機械器則・.722.5・.2.77

 電気機械1一 一

醗塁機薫叢濃 

33  34

0,79   0,85 1 0.25   0.20 0,36 i O,45 1

 1

0.30 i O.38 2.881

0・1710・08

 1

0・57 u0・58

  ・・2!1・・3・

   一10・16

35 1 三。3i o.151

。.鵠1 0.561 0,32

0.11 0・221

36 137

1.111Loi

  

0.22 i O,27 . 0.58 E O.80 0.55 ・ 〔},57 . 0.32   0.42

  

3.29 1 3.61

0・22 m0・24

0・12 P2・40

0・1810・11

軽 工 業 食 糧 品

繊維工業製品

衣服・その他製品

木材・木製品

窯業・土石製品

その他の製品

1./3   1,09 0.04   0.04 0.43   0.40 0.42 . 0.49 6.74  6.26 6.85   6.G8 1.73   0.89

ユ.11   ユ,15 0,04   0.03 0,47   0.49 0、55 . 0,44 5、24  5.05 6.08   6.80 0.97 . 0.98

1.11   0.98   0.91   0.96 0.e3   0.03   0.04   0.06 0,48   0.44   0.39   0,51 0,56   0.46   0.41   0.43 3.84   3,33   3.36   3.32 6.53  6.Ol  5.14  5.86 0,96   0.82   0.72   0.70

資料:外国貿易概況,名古屋港外国貿易月報,旬報より算出。

は日本経済のもつ輸出の特徴をいかんなく発揮して

いることになる︒いわゆる労働集約材の比較優位の強

い様相を明らかにしている︒尤も他の面では輸出特化

性向の重工業晶部門が示すごとく︑資本集約的な輸出

商品の特化が高まっていることは︑貿易の二重構造が

展開されていることを語っている︒麟ところがここで

一つの異なった特色を見出す︒それは繊維工業製品に

ついての産業珪化性向と輸出二化性向との格差現象で

ある︒これは明らかにこの財の流れが︑この港から輸

出されずに他地域に国内市場向けとして移出するか︑

或はまた他の地域港から輸出されることを意味してい

る︒これについては勿論地域乗数によって算出されな

ければならない問題を残している︑幽したがって輸出

特化性向においての重工業化の先行といったパターン

も︑この繊維工業製品の国内市場向け移出によって可

能となったことが一つの原因となっていることをも考

え合わせなければならない︒紛輸出国化性向において

は機械器具の特化現象︵第四節に説明︶をとって︑輸

169

(16)

!70

出の重工業化の先行型をきめつけるのはいささか難点があ.ると思われる︒この点については次.節にて論ずる︒耐もっ

とも︑これは産業特化における機械器具の比較的低い数値と︑逆に輸送用機器の高い数値とのギャップをどう解決す

るかにも問題がある︒したがって商品別の両部門間での特化性向の問題点は︑機械器具︑輸送用機器︑繊維工業製品

の三つの商品に焦点を合わせれば︑これらの乖離の問題が究.明できるものと思われる︒

 そこで︑以上のことを綜合すると︑子種しては生産に対する輸出の重工業化先行型というパターンをとることが結

論ずけられる︒しかし問題はそのパタ.ーンがはたして西欧先進工業国型的なものと同類型のものかどうか︑勿論そう

でないとしても︑﹈体その原因がどこにあるのか︑甚だ興味.ある問題である.︑したがって︑日本型に対する国内地域

において︑逆の型が出現することは︑実際一種のパラドックス的なことであるだけに︑一こうした乖離現象は前説       臨の両構造問の乖離係数によっても︑そうしたパラドソクス的展開が説明できる一つぎの節で︑その主要因となる輸

出面での工業製品の比較優位を検証することによって︑これらの問題を検討してみる.

ω 日本経済政策学会単一経済体制の変化と経済政策レ勤草書房︑一九六六年.︑酒井正三郎﹁中部経済圏の圏域画定にかんする

 研究﹂九八−r一〇七頁︒地域の概念については﹁日本の地域開発﹂前掲書︑ 第﹁編︑地域開発の理論・総論︵地域学研究のは

 じめにあたっての若干のコメント︑大石泰彦︶参照︒

ω 山本正雄編﹁日本の工業地帯し第三版 岩波書店. ︸九六五年︒

㎝ 伊薩塁膏市著﹁国土開発の経済学﹂十一〜十二頁︒春秋社︑ ﹇九六︻年︒

凶 前掲書﹁経済白書﹂ ﹁日本経済の重エ業化﹂

  

@ 

@  u蕪粛響点響雛講蕪ド

  アメリカ︑イギリス︑西ドイツの係数も算出され比較検討されている︒

17Q

(17)

廟 前掲書﹁日本経済の重エ業化﹂

㈲ 前掲書﹁経済成長の橿⁝造﹂

︑㎝ 貿易面の分析では︑

 ﹀ス■O簿ヰコ︒﹁○︒︒uワ敦を○ユニ↓同区α①ぎ﹈≦Qコニ︷po爵︒﹁①⑭Gつ一コoo一〇︵︶○︑︑国ooコ︒ヨ一餌一⇒8円コ⇔臥︒コ巴Φ 軸壁ζn.Zo<①ヨげ①r      ︾

 二三∪①﹁け劉しd白露類ぎ︐.↓ずoOo∋ヨ︒島憂09ゴ℃ou・三〇コ︒︷︑腎三二¢つ02︵・戸尋Φ二﹇コ︵ご自︒﹃∫一〇︵︶=葺ユ霧一ゆ8〜一〇津.圃→≦o毛Oh

  国oo昌Oヨ一〇﹂︒聾コ斜Gつ$凱ODけオし︒ 一〇切つ︒.       導

 生産と貿易との分析では︑

 ﹀.ζp︒一N2︒︒㌦︒ぎ︵ε累ユし︵申δ毛チp⇒匙乏○ユ島︑腎話匹軌︑Opヨげ﹁一︵茸①¢憂くΦ門︒︒団q勺器︒︒︒︒.一期⁝W.

㈲ 拙稿﹇︐地域港の輸出構造・皿﹂ ﹁地域分析﹂第四巻二号︑愛知学院大学経営研究所所報︒

 この論文にて東海三県における輸出構造と産業構造の乖離係数を算出︑特化係数によるものとほぼ同じ数値をえたが︑後者の

 方が厳密な数値と考えられる.︑

171

四 地層港工業品輸出の比較優位

名古屋港のケース

 地域港の輸出構造と産業構造との比較検討において︑その乖離現象として輸出の重工業比率が生産重工業比率を上

回るといった型を見出したが︑その原因がどこにあるのか︑ここで問題とする︒それにはその直接的な原因をひき出

した工業製品の輸出黒化性向を検討することが必要であると考えられる︒これは名古屋港とその背後地域に限定した

上での乖離問題であり︑さらに工業製品の比較優位もこの地域経済に限られた範囲内にて検討する︒

 まず地域港の工業品の比較優位を示す指数としては︑前節にて検討した輸出特需係数による方が︑ヨリ効果的であ

.るとの点から︑その分析方法によってすすめたい︒

17i

(18)

172

 目本経済の貿易商品についての比較優位の検討はいろいろな型で論ぜられているが︑ここでは小島教授のレラテブ

・シェァー指数による分析を参考にして︑日本工業品輸出の比較優位の実態をさぐってみる︒

 この分析は世界の︺○工業国︑七四品目の工業品輸出について︑どの国のどの工業密輸出の比較優位がより強いか

について︑その順位をシェアー指数によって求める︒その結果︑工業国の輸出工業品の国国型と多様化型とを選定し︑

工業国間貿易における新たな比較優位の原理を見出すといったスケールの大きな論題である︒

 この分析によると︑日本の工業品輸出は多様化型と特化型のどちらかと言えば︑特化型であると要約されている︒

その根拠はシェアー指数が上下に大きくちらばっているか︑それとも一〇〇前後に集中しているかによって︑工業品

輸出の特化型か多様化型かを示唆するところにある.その意味で日本の比較優位は緻維品を中心とする労働集約面的

軽工業品において圧倒的に強く︑重機械︑化学品︑非鉄金属において弱いという労働集約財優位型である︒ところで

本来工業国としての道は特化型よりはむしろ多様化型をもってするところであり︑それは労働集約財や重化学工業品

といった殆んどすべての工業品にほぼ均分された比較優位をもつ方向にある︒したがって日本でも工業輸出品につい

て多様化型をとっているという論議もある︒これについては︑日本も本来この型に属すべきであり︑その方向に進み

つつあるが︑現在の割安労働という要因が強く作用し︑労働集約財熔化型の特色が強く︑重化学工業で立遅れている       駐と論じられている︒

 以上のように日本経済では︑工業品輸出については多様化型とはいえない特質型で︑且つ労働集約財軽工業品の比

較優位が強いという状態に置かれているとの結論がなされている︒

 そこでこうした型を考慮して︑地域経済の分析を行った場合︑どのような工業品輸出の型がえられるであろうか検

討してみよう︒前述のシェアi指数と理化係数とは型を同じくするが︑ただ地域経済に限定した場合には︑輸出に対

172

(19)

173

して︑この係数が直ちに相手国の輸入需要に反映するかといった疑問点もあるが︑一応比較優位を示すものとして取

り扱う︒ここでは名古屋港といった一つの地域港に過ぎないし︑又ここで究明する意味内容も異なっているが︑前述

した特化性向をここで応用するわけである︒

 それには各工業品の層化弾力性の変化に再び注目し︑問題を進めてゆきたい︒そこで︑この名古屋港の輸出構造と

日本全体の輸出の特化型との比較検討をもって︑地域港の輸出構造のもつ特色を追求してみる︒

 輸出早早弾力性については︑その輸出商品の平均特上性向と限界特化性向との関係から求められ︑その本質的意味

は領野αの正・負いずれかによる影響とその傾斜﹂ミ﹂聴によって決定される︒この場合︑通常その輸出商品9の輸

図V

原料別製品の特化性向

 〆 / / /  /  /  /  !   ■   ■   !   !    !    /    /     !

  鞍糖竃

ミャへ  鰹宰£

一価糖y︹名古屋港︸

綿織物

   ㌶宝  /

         /         /         〆      ノ      !      /      /       /       /       /       〆

人造俄維 ガラス及び同製品

翼1福p田}

y

機械類及び運搬用機器類の特化性向        写

1/

  謬

言/︑

         !

    詩  /   ・ 3  /

   ノ

  /  .ダ

 /        ゴズ

ク/

0

x(全国)

0

173

(20)

174

図 w

雑襲品ノ)ノ匪三5,

 / .〆 /

o)

イ贈

ド/

 ド /  /    〆   〆

厩.善及びナイトウエア類 x{全国1

σ

て示される︑地域港を中心に考えれば︑左上部にあるものはすべて比較優位の強い輸出商品であることになる︒

がって輸出特化性向によってその商品の比較優.位が強いか弱いかを知ることができる︒

負による影響も考慮しなければならない..︶

 そこで名古屋港の工業品の輸出特化性向を求めた数値をSITCの区別によって分類したのが付表である.︑この表

を部門別に図で示したのが前図V・W・粗である︒ ︵そのうちSITCの第五部化学工業製品については前節参照一

また︑ここで表にある絶縁電線のように変動のはげしい商品については相関係数が低く︑相関を示していないものは

図示してない︒︶ 出特化弾力性σが一より小である場合の特化性向は全国にとひて有利であり︑地域港にとっては不利である︒逆に弾力性σが一より大である場合は地域港にとって有利で︑全国にとっては不利である.したが

って地域港での輸出商品の特化性向の強い商品は後者の場合であるこ

とになる︒

 したがりてこうした概念による実証は図V・W・粗の示すところで

ある︑この図は名古屋港と全国との特定輸出商品の相関を示すもので

あるが︑参︒線より左上部︑右下部の傾斜によって︑限界特化性向と

平均訓化性向とからなる特化弾力性を示すものでもある︒前述のごと

く︑通常輸出黒化係数の一より大きな輸出品は参︒線より左上部の直

線で示されるものであり︑!より小さな輸出品は右下部の直線をもつ

       した

      ︵但﹁し︑ この場ムロ切辺aの正

174

(21)

175

 この表と図を綜合するとつぎのことが言いうる︒機械頚及び運搬用機器類といった重工業品の比較優位が他の工業

品に比べて比較的強いことがわかる︒このことは特化性向の意味することから考えれば︑分母である全国のこの部門

での構成比より大きいことを示すことになるわけで︑この地域港の輸出重工業化が進んでいることを示すものであ

る︒但し重化学工業製品については比較優位がきわめて弱く︑そのバランスの欠けた面を露呈している︒したがって

重化学工業のうち︑工業面では苓北状態がたもてるが︑化学工業となると全く特化しえない状態にあると言いうるも

のである︒

 また軽工業品である原料別製品についてもほぼ同じパ々iンを示している点には今後の問題が残されている.と同

時に︑軽工業品では三十六年から四十年までほぼ平均した数値を示しているが︑重工業品では漸減している点︑まだ

確定的な特化を意味するものでないことも︑今後の検討を要するところである︒しかしこれは︑景気変動による影響

とも考えられ︑特にその点は背後地域の産業構造との関連において考えるべきことでもある︒

 ここで重工業品の比較優位の強い商品を順にあげてみれば︑バス︑トラック類︑乗用車︑繊維機械及び同部分品︑

自動自転車及び部分品︑ミシン︑絶縁電機線︑電動機︑扇風機︑内燃機関︑金属工作機械などがあげられる︒しかし

中でも別格に自動車の比較優位の強いことが証明される.︑

 他方︑原料別製品については陶磁器が圧倒的な強い比較優位をもち︑それに続いて同系列的なタイルといった二大

軽工業品がある︒他に産業では繊維産業地域の特質をもちながらも︑輸出においてはわずかに毛織物に比較優位が見

出されるにすぎない︒このへんのアンバランスの状態が逆に輸出の重工業化︑したがって軽工業の比率を低めている

原因であるとも考えられる︒

・ここで要約してみると︑地域港として一方では特産物に依存する輸出構造をもち︑他方で自動車といった重工業品

/75

(22)

工業品特化係数

IV

38 39

1 H 皿

lw

1 H

1

・…1・426

堰E25輌71…6{噛

      1。18811.128       1.084

      1.166!

      1.184…

      1.090:

ぎ:き9§19:て1§:19:量手豊!2:巷8多9:器乙…2:x農工…

       

2.083 1.72811.90411.555.1.730 1.447

1翻1:縄1:謬1:謂…1:謝1:課

4.23414.540…5.53d3.890β.8064.446

皇:2ξ塁1?:雪勢塁:8§93:?彗量…婁:8器3:9§2.

2・733P3・04313・8003・092β・0772・615・

9.87α

      8.Ol/!7.068.8. O13

0.451[0.349 0.374…0.34010.329、0.393 13.907!11.564…12.540.11.47213.23111.052 2.142「1.579 1.569!1,359…1.020.!.3421 1:ll量lL135.1・187旨1・(1281・063江639.

6.7521]..739 1.515 1.177 0.889 4.476 2.950 3.195 3.052 0.278 1.837

6.4711

1:翻

1:竃l1

0.567 0.663 0.988 0.739 0.665 0.116 1.068 1.008 0.523

0.739

    …

L557…

1.915:

0.434 4.142:

2.857…

2.028:

0.780.

0.190 3.617i

5.213.

6.280 6.311…

0.804.

3,352;

0.503.

0,420 1.724.

0.481 0.893.

0。1872 0.891:

!.016.

0.443i

0.880;0.875.

     i    I

1.415;1.35411.302 1.559.2.371 1.776.

0.746…0.89910.867 5.345.5.544 5.330 2.758 2.514:2,89!

、.、651、.537.2.292.

1.236 1.094 1,162..

0.293 0.35210.271 1.995i 1.3!5.3.754 1:織…1:譲il:lll…

4.674.4.83913.969.

6.022i       5.416…

       5.421 0.97310.580.0.918 0。408iO.42嘲 0.343

     1  1 0,599iO.590 0.553

?:塁ぎぎ…?:器1…?:碧窪.

}:摺:翻:1盤…

      1

0.121:0.24710.233 0.962iO.749旨0.449

       

0.982iO.841i1.230.

0・538iO・54810・483.

    1 0・311!

1.154…

1.715…

3,944 1.867.

0.547.

0.103.

7.5ggi O.060…

2.054 2、963.

0.335.

1.37!

2,23!

0.637 0.251

1.192 2.101 4.090 1.540 0.8!4 0.088 4.247 0.072 1.574 4.131

0.322

          1 1.165!

1.860i 1.9171旨 1.620.

0.561i O.!21;

3,8051 0.057 1.227

3.2562.

9,70311.10711.80211.72412.391

       0.766[0.473       1.22012.10012.840        0.96310.932:

       1,976 1.904 0.906 0.655i      O.812 0.821…

      1

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0.54110.431:

0.607 0.249 0.854 0.672

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176

0.238

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0.274

1,282.

0.58α     し

176

(23)

177

付表: 名古屋港の輸出

SITC

商品分類

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(外国貿易概況,名古屋港外国貿易月報,葡報より算出)。

177

(24)

178

と︑軽工業品では陶磁器といった二大産出物による型を示している︒これを別の言葉で表現すれば︑この地域港での

       ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  へ輸出構造は多様化型ではなくて︑特定産出物の輸出といった特化型であることがわかる..このことは各地域港のもつ

本質的性格であると見られるが︑工業地域としての輸出の多様化型を有する先進工業地域とはかけはなれた様相を示

しているのであ.る︒

 この特定産出物の輸出の膨化型というのは本来的には工業港というものが各工業品の輸出の多様化型である点より

考えれば矢張り後進的というより中進的工業地域のもつ運命的なものと結論を下したい︒したがって︑こうした特化

型より生まれ出る輸出重工業化の先行型は︑先進工業地域の工業品輸出の多様化型と比べれば︑矢張り本質的な先行

型ではなく︑むしろ偏行的な型であるとしか考えられないのである︒

注 働 小島清﹁工業品の比較優位﹈=檎論叢︑ 一九六六年一月︒

  

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   k茎1.Z国のん商品の輸出額

   因簿一・Z国の工業品輸出総額

   ヨ︑﹁i世界十ケ国のゐ商品輸出額

   司鮮一世界工業品輸出総額

  なお注に﹁特化係数﹈は類似の概念であると述べてある︒

 ② 同論文﹁工業品輸出の比較優位﹂九四頁︒

 ㈲ 名古屋港における全国との輸出構成比についての輸出工業製品別関数関係は左の通りである︒

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参照

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