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大極殿院の調査 一第

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Academic year: 2021

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大極殿院の調査

一第 1 1 7 次

本調査は、大極殿院束回廊とその中程に位置する東殿 が対象である。当該地は過去に日本古文化研究所による トレンチ調査(1934年)が行われ、その復原案では大極 殿院回廊への東殿と西殿の取付き方が、大極殿をはさん で左右非対称となること、大極殿院回廊が東殿・西殿の 南で複廊、北で単廊となることなど、釈然としない部分 があった。このことから西殿で第21次調査(1977年)を 行ったが、遺構の残りが悪く問題は懸案となっていた。

これらの諸問題を解決する目的で本調査を実施した。 発掘区は東殿を中心とする北区(1200 rri)と、大極殿 院東回廊およびその東側に建つ大型礎石建物SB530の西 端部の検出を目的とした南区 (500rri)にわかれる。10月 9日より南区の調査を開始し、 12月12日から北区の調査 を行っている。2002年3月の時点で調査継続中であり、

ここでは南区の調査現況を記す。

なお、北区の調査や断割り調査の成果を含めた成果は 来年度の紀要であらためて報告する。

88530 南区東端では、 2次(1970年)・ 100次 (1999年) 調査で確認した東西棟大型礎石建物SB530の西北隅部を 検出し、 SB530が桁行9問、梁行4聞の規模であること が確定した。礎石据付掘形は直径4 m前後で、いずれも 抜取穴をともなう。柱間総長は東西41.4m'南北18.4mで、

これまで桁行・梁行ともに柱間寸法を4.6m(15.5尺)と 理解してきたが、庇と身舎の掘形が近接していることか

図66 南区全祭(手前が86530、南東から)

56  予告文研紀要2

2

ら、身舎を16尺等問、庇を14.尺とみるのが妥当であろう。 藤原宮では大極殿に次ぐ大規模な建物。

大極殿院東回廊 南区中央では大極殿院東回廊を 3間分 検出し、合計12箇所で礎石据付掘形を確認した。回廊は 複廊であり、西側柱筋にはほぼ原位置で礎石が2箇所残 存している。回廊の柱聞は桁行42m(14尺)、梁行3.0m(10  尺)で朝堂院回廊と同規模である。雨落溝は側柱筋の約 2m外側に位置する。幅50‑90cm、深さ約30cmで、石組 み等の痕跡はなく、現状では素掘溝と考えている。西側 柱筋と西雨落溝の聞では回廊基壇外装の据付もしくは抜 取りとなる幅約30cmの講を検出した。

回廊基壇上面で検出した足場穴は直径が35‑40cm。 桁行・梁行柱聞のほほ中央に位置し、規則的にならぶ。

東雨落構内でも検出したが、西雨落溝内では未検出。建 設時のものか、解体時のものかは明確ではない。

出土した軒丸瓦・軒平瓦には、従来から大極殿院所用 瓦と考えられてきている6273B‑6641Eに加え、 6281A

‑6641C . 6281B‑6641Fの組合せが多く見られる。 大極殿院内 東回廊西側の広場には明黄白色の整地土上 面にパラスを敷きつめている。この整地土は回廊西雨落 講付近から西に向って厚く堆積する。一部では宮内造成 時のベース土となる茶褐色砂質土と互層に積まれる。こ れは回廊付近の旧地形が大極殿に向って低くなっていた ためである。整地土の下層には藤原宮の瓦が含まれてお り、少なくとも東回廊建設→回廊内の整地・基壇化粧→

雨落溝の開削という施工順序を想定することができる。 (西川雄大・松村恵司)

67大極殿院東回廊{北から)

参照

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