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シリンジ法による根管内洗浄効率に関するin vitro での流体解析

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

シリンジ法による根管内洗浄効率に関するin vitro での流体解析

後藤, 千里

九州大学大学院歯学研究院口腔機能修復学講座歯科保存学研究分野

https://doi.org/10.15017/19950

出版情報:Kyushu University, 2010, 博士(歯学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

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シリンジ法による根管内洗浄効率

に関する in vitro での流体解析

2011 年

後藤 千里

九州大学大学院歯学府歯学専攻

九州大学大学院歯学研究院口腔機能修復学講座 歯科保存学研究分野

指導教員 赤峰 昭文 教授

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本研究の一部は, 下記の論文に投稿中である.

「シリンジ法による根管内洗浄効率に関する in vitro での流体解析」

後藤千里, 吉嶺嘉人, 赤峰昭文

日本歯科保存学会雑誌 第 54 巻 2 号

本研究の内容の一部は, 下記の学会において報告した.

第132回日本歯科保存学会春季学術大会 熊本市 2010年 6月

「シリンジ洗浄法に関する根管模型での効率評価」

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目次

1 要旨 1

2 緒言 3

3 材料と方法 5

3-1 材料及び実験装置 3-2 実験1 セル内での洗浄針先端部の流体観察 3-3 実験2 模擬根管モデル内の流体観察 3-4 統計学的分析 4 結果 7

4-1 セル内での洗浄針先端部の流体 4-2 模擬根管モデル内の流体 5 考察 9

6 総括 12

7 謝辞 13

8 参考文献 14

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1.要旨

根管治療においては, 根管系を無菌化するために細菌などの為害性物質を除 去することが重要であるが, リーマー・ファイルなどによる根管拡大•形成の操 作のみでは, この目的を達成することは困難で化学的洗浄が必要である. 根管 の化学的清掃手段としては, 洗浄用シリンジと洗浄針を組み合わせた方法が一 般的である. 本研究では, シリンジと洗浄針を用いた根管洗浄法の効率に関し て, 透明なガラス製セルまたは根管模型内において, 液体の動きをトレーサー としてガラスビーズを用いることで可視化し, 高速度カメラによる撮影並びに 解析を行った.

先端部が開口した洗浄針(FE 針)では, 流出孔からの流れはほぼ直線的に下 方へと向かい, 洗浄針のサイズ(直径)は 流出速度に大きく影響した. 一方, 先端部は盲端で側方に2カ所の流出孔のある洗浄針(SV 針)では流れは斜め下 方に向かい, 流出速度は押し出し速度と洗浄針の径に関係なく, 第1流出孔の 方が第2流出孔よりも早く, また, FE 針の流出速度に比べて SV 針の流出速度は 遅くなる傾向を示した. 模擬根管での観察結果では, 先端から 8mm の位置の FE針では, 根管先端部領域に流れが到達しにくい傾向がみられた. SV針では, 第1流出孔からの流れは上下に分散し, 根管先端部にも流動が認められた.

これらの結果から, 平坦型洗浄針では洗浄液の押し出しの危険性を軽減する ために, 洗浄針の挿入深さと洗浄針のサイズに応じて押し出し速度を加減する 必要があることが分かった. 一方, 側方型洗浄針では, 効果的な洗浄を行うには, 孔の方向を変える必要があることが分かった. ガラスビーズと高速度カメラを

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用いた流体解析は, 根管の洗浄効率を評価する上で有用であることが示唆され た.

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3

2.緒言

根管治療を成功に導くためには, 根管系から為害性物質を除去し無菌化する ことが大切である1-3⁾. しかし, リーマー・ファイルなどを用いた機械的器具に よる根管拡大•形成の操作のみでは, この目的を達成することは困難であると 言われており 4-6⁾, 化学的薬剤を用いた洗浄作業の併用が必須である 7-9⁾. すな わち, 根管内洗浄は機械的拡大の途中または拡大終了後に残存する象牙質削片 や壊死歯髄組織などの根管内残渣の除去, 器具が到達できないような側枝, 根 尖分岐, フィン, イスマスなどの複雑な解剖学的構造内に残存する細菌 10⁾の除 去, 拡大操作によって根管壁に形成されるスミヤー層 11⁾の除去, などのために 極めて重要な作業である1,12-16⁾.

根管の化学的清掃手段は, 手動式洗浄法と機械補助による洗浄法の2つに大

別される 17,18⁾. 前者としては, 洗浄用シリンジと洗浄針を組み合わせた方法が

一般的に用いられている 19⁾. 一方, 後者としては超音波や音波による振動を応 用した方法など各種の機器が開発されている17,20,21⁾.

シリンジ洗浄法の作用原理は, 洗浄液自体の抗菌性や組織溶解作用 22-25⁾, お よび物理的な洗い流し作用 26,27⁾に基づいている . このうち, 洗い流し作用の 方が重要であると報告されている 28⁾. 特に, スミヤー層の除去においては, 洗 浄液の流れと根管壁との間に生じる剪断応力が作用していると考えられる29⁾.

洗浄効果を評価する方法としては, 抜去歯の機械的拡大後の根管を洗浄した 後, 分割して走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて根管壁表面を観察する方法が最 も一般的である 28,30,31⁾. しかしながら, この方法は洗浄終了後の状態を形態学

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的に評価するものであり, 洗浄操作中の洗浄液の流れを評価することはできな

27,32⁾. この欠点を補う方法として, 根管内に X 線造影剤 33,34⁾, ビーズ状ゲル

35⁾, 着色液 36⁾などを容れて流れを観察する方法, また近年では, 熱画像解析 (Thermal image analysis)法により根管内の液体の動きを温度変化で捉える試 み 32⁾や, 流体の運動に関する方程式をコンピューターで解くことで流れを分析 する数値流体力学(Computational fluid dynamics, CFD)を応用した方法 27,37⁾ などが報告されている.

本研究では, 透明なガラス製模擬根管模型を用いて, ガラス製微粒子トレー サーを含む洗浄液をシリンジ法で流出させた際の流体の可視化と高速度カメラ による撮影を試みた. さらに流体解析を行うことで, 洗浄針のタイプおよびサ イズ, 根管内での位置, 根管の太さ, シリンジの押し出し速度, などが洗浄効率 にどのように影響するかを分析することを目的とした.

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3.材料と方法

3-1. 材料及び実験装置

実体顕微鏡(Stemi2000C: Carl Zeiss, ドイツ)に高速度デジタルカメラ

(HAS-220M: DITECT)を装着し, 出力端子を PC (Workstation T3400: Dell, USA) に接続した. さらに, カメラのレンズから約 10 cm の位置に蒸留水を容れた透 明なガラス製セル(奥行 1.0 mm × 幅 10 mm × 高さ 15 mm)および模擬根管(先 端部の直径 0.4 mm または 1.0 mm, 根管相当部の長さ 10 mm) (図1)を置き, 斜 め後方に光源(KL2500: Carl Zeiss)を設置した. 図2に装置の構成を示す.

ルアーロック式 5mL 用シリンジ(テルモシリンジ: TERUMO)に, 先端部が開 放された平坦型の洗浄針(25G(直径 0.5 mm) ルートクリンニードル: 日本歯 科薬品, 22G(直径 0.7 mm)ノンベベル針: TERUMO)(Flat-end type, 以下 FE 針と略す, 図3a), または, 先端部は盲端で側方に2カ所の孔(先端と第2流 出孔の中心間:1.5 mm, 第2流出孔の中心と第1流出孔の中心間:1.0 mm)の 開いた洗浄針(27G(直径 0.4 mm)および 30G (直径 0.3 mm)クリーン・ウォ ッシングニードル: デンツプライ三金)(Side-vent type, 以下 SV 針と略す, 図 3b)を装着し, 洗浄液には直径約 10 m のガラス製微粒子トレーサー(Glass Hollow Spheres: LaVision, ドイツ)(図4)を含む蒸留水を用いた. シリンジ のプランジャー押し出しは, 2次元コントローラ/ドライバ(QT-CD1:中央精機)

を用いて自働化して行った. また, プランジャーを押す速度は, 0.1 mL/sec ま たは 0.05 mL/sec に設定し, 洗浄中に生じる流体パターンを動画モード(100 フ レーム/秒)で撮影記録した. 同一条件で各 5 回の観察を行った.

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6 3-2. 実験1 洗浄針先端部の流体観察

FE 針(22G と 25G)と SV 針(27G と 30G)を装着したシリンジをセル内に設置 した状態で, 0.05 mL/sec または 0.10 mL/sec の速度で押し出した際の流体を観 察した. さらに, 撮影した画像の流線の長さの平均値をシャッタースピード

(1/100 秒)で除することで, 平均速度を求めた.

3-3. 実験2 模擬根管モデル内の流体観察

25G の FE 針を用いて, 模擬根管の底部から一定の距離(直径 0.4 mm の模擬根 管では 3 mm, 5 mm, 8 mm)(直径 1.0mm の模擬根管では 2 mm, 5 mm, 8 mm)を おいて洗浄針を設置し, 0.1m L/sec の速度で押し出した際の流体を観察した.

次に, 0.4 mm と 1.0 mm の模擬根管の底部から 1 mm 以内に 30G の SV 針を設置し, 0.1 mL/sec の押し出し速度で洗浄した際の流体を流出孔の正面と側方から観察 した.

3-4. 統計学的分析

実験1で計測した各条件における流速を平均値±標準偏差にて示した.さら に統計学的解析は Student’s t-test を用いて検定した.

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4.結果

4-1 セル内での洗浄針先端部の流体

洗浄液の流体がガラスビーズによる流線として表わされ, FE 型洗浄針では流 出孔からの流れはほぼ直線的に下方へと向かった(図 5). 同一速度でも洗浄針 のサイズが細いほど, また押出速度が速いほどガラスビーズの流線が長く密に 観察された. 図 6 に 22G と 25G の洗浄針を用いて, 0.05 mL/sec と 0.10 mL/sec の 速 度 で 押 し 出 し た 際 の 流 出 速 度 を 示 し て い る . 0.05 mL/sec で は 35 m/sec(22G), 80 m/sec(25G), 一 方 , 0.10 mL/sec で は 50 m/sec(22G), 85 m/sec(25G)と洗浄針の直径が 0.2 mm 減尐すると, 流出速度は約 2 倍に増加した.

SV 型洗浄針での流体を図 7 に示す. FE 針の場合と異なり, 流れは斜め下方に 向かい, 押出速度が速いほど, また洗浄針が細いほど浅い角度で流出した. 流 出速度は, 押し出し速度と洗浄針の径に関係なく, 第1流出孔の方が第2流出 孔よりも早く, また, FE 針の流出速度に比べて直径が細いにも関わらず, SV 針 の流出速度は遅くなる傾向を示した(図 8).

4-2 模擬根管モデル内の流体

25GのFE針を模擬根管内で用いた場合, 洗浄針先端の位置および模擬根管の 直径によって違いがみられた(図 9). 洗浄針先端を根尖から2 mm または3 mmに設置したとき, 根管直径0.4 mm, 0.6 mmのいずれの場合においても流体 は根尖相当部から強く跳ね返り上方へ向かった. 根尖から 5 mm に洗浄針先端 を設置した条件では, 根尖付近で上方へ向かう環流がみられた. さらに根尖か

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ら8 mmに洗浄針先端を設置した条件では, 根尖から3~5 mm程の位置で上方 へ向かう環流がみられ, 0.10 mL/secの速度で押し出しても根尖部領域に流れが 到達しにくい傾向がみられた. 根管直径0.4 mmと0.6 mmでの流体を比較する と, いずれも根管上部まで流体が観察されたが,根管直径0.4 mmの根管では針 との間の空隙が狭いため流量が尐なく, 一方, 根管直径0.6 mmの根管では空隙 があるため流体が活発に観察された.

30G の SV 針を模擬根管内で用いた場合(図 10), 流出孔の側面から観察す ると第1流出孔および第2流出孔からの流れは根管壁に衝突後に上下に分散し, 根管先端部を取り囲むような流動が認められた. 根管直径0.4 mmと0.6 mmで の流体を比較すると, FE 針と同様にいずれも根管上部まで流体が観察された

が, 根管直径0.6 mmの方が根管上方まで活発な流体が観察された.

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5.考察

シリンジ法による根管の洗浄効果は, 洗浄針の直径 38⁾, 洗浄針の位置 39,40⁾, 根管の拡大サイズ 41⁾, 洗浄液の粘稠度 42⁾, 洗浄液の流出速度 42,43⁾, など多く の因子の影響を受けることが報告されている. 実際の臨床における根管洗浄は, 根管内という可視化することの出来ない領域で行われており, 且つ洗浄液の動 きを捉えることは不可能である. すなわち, 洗浄操作は盲目的に行われており, 上記の因子が洗浄液の流れにどのように影響するかを理解することは, 効率的 な根管洗浄を行う上で重要である.

根管内の流体を観察する方法として, ガラス製またはレジン製の透明模擬根 管内における液体の動きを, Chow35⁾は不溶性のビーズ状ゲル粒子を使って, ま た, Kahn ら36⁾は着色した液体を用いて報告している. また, 近年, 抜去歯内の 液体の温度変化を熱画像解析で捉える方法が報告されている 32⁾. この手法は, ヒトの抜去歯が使用できる長所を有している反面, 細かい流体の分析には適し ていない. 一方, 根管内に容れたビーズ状粒子の動きを分析する方法に関して, Hsieh ら 32⁾は粒子が重力の影響で根尖部に沈殿する問題点を指摘している. し かしながら, 今回用いた粒子状トレーサーは直径約 10 m と小さく, 中空構造 で軽く, 液体中に浮遊する性質を持つため, 根管模型のような狭小な空間内に おける流体解析にも適していると考えられる.

代表的な洗浄針の先端形状には, 先端部から流出する平坦なタイプと先端部 は盲端で側方に孔の開いたタイプがある. 前者は根尖部近くで使用した場合, 洗浄液を根尖孔から押し出す危険性が指摘されている 44⁾. 一方後者は, 根尖孔

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からの押し出しを予防する目的で開発されたが, 精密な加工を必要とするため 臨床で使用する場合, コスト面での問題がある. 今回の研究では, この両方の タイプの洗浄針に関して評価を行った.

これまでの報告では, シリンジ本体に 1 mL 用45⁾, 3 mL 用40⁾, 5 mL 用46⁾, 10 mL 用25⁾などさまざまな容量のシリンジが使用されている. Boutsioukis ら26⁾は, 10 mL 用シリンジはプランジャーの操作に, より大きな力が必要であり, わずか な動きで大量の液が押し出されるためコントロールが難しく, また逆に, 小容 量のシリンジでは頻繁に洗浄液を填入しなければならない煩雑さがあると指摘 している. このため, 今回の研究では臨床使用時の操作性を考慮して 5 mL 用シ リンジを選択した. 一方, プランジャーの押し出し速度は 0.05 mL/sec と 0.10 mL/sec に設定して行った。

Hsieh ら32⁾は, 23G, 25G, 27G の3種類のサイズの異なる FE 針を用いた熱画 像解析法によって, 洗浄針のサイズが大きい程, 洗浄針先端と根尖部との距離 が長い程, 根管のサイズが小さい程, 根管内での洗浄液の流れが悪くなること を報告している. また, Chow35⁾は, 透明なガラス管の根管模型と不溶性のビー ズ状ゲル粒子を用いて, 洗浄針のサイズ, 洗浄針の位置, 押し出し速度の評価 を行った結果, 効率的な根管洗浄には適切なサイズの洗浄針を選択することが 重要であると提唱している. 今回の FE 針を用いた研究においても同様に, 洗浄 針のサイズや押し出し速度が洗浄効率に影響することが示された. すなわち, 洗浄針のサイズ, 洗浄針と根尖間の距離, プランジャーの押し出し速度, の3 者は相互に関係し合っており, 効率的で安全な洗浄を行うには, 使用する洗浄 針のサイズと洗浄針の設置位置に応じて, 押し出し速度を加減する必要のある

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11 ことが示唆された.

Boutsioukis ら37⁾は, CFD 法を用いた分析結果から, SV 針の先端から先は洗 浄液の置換が 1-1.5 mm の範囲に限定されることから, 根尖から 1 mm 以内に SV 針を設置する必要があると述べている. また, 効率的な洗浄液の置換には 0.01-0.26 mL/sec の押し出し速度が適切であると述べている. Zender7⁾もまた, 根尖部に X 線透過像を有する歯の感染した根尖領域を効率的に洗浄する目的で は, 作業長または作業長から 1mm 以内に細い SV 針を位置させて行う方法を推奨 している. 本研究で採用した SV 針を根尖から 1 mm 以内に置き, 0.05 mL/sec と 0.10 mL/sec の押し出し速度という設定は, この条件に適ったものである. 今回 用いた SV 針は, 洗浄針の先端から約 1.5 mm の位置に第2流出孔があり, さら に約 1 mm の反対側に第1流出孔が開いている. 今回の研究から第1流出孔に比 べて第2流出孔からの流速は遅いことが明らかになった. このため, SV 針を使 用する場合は, 第1流出孔に相対する根管壁の洗浄効果に比べて他の部位の洗 浄効率は务ると考えられる. また, 流出孔を側方から観察した結果を加味する と, 効率的な洗浄を行うには, 流出孔の方向を変えながらの複数回の洗浄が必 要である.

今回用いた微粒子トレーサーを応用した解析法は, 根管洗浄時の流体を解析 するのに有効で, シリンジ洗浄法の効率的な使用法や, 新規に開発される洗浄 針の効果を分析するのにも役立つと思われる. 今後さらに, 機械的拡大後の細 い根管を模した模型並びに湾曲した根管模型を対象とした研究が必要である.

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6.総括

本研究では,透明模擬根管模型を用いて,洗浄針を装着したシリンジから流 出させたトレーサーの流れを高速度カメラで観察し流体解析を行った.以下の ように総括する.

1.平坦型洗浄針では, 根尖方向への押し出しの危険性を伴うため, 根尖部から の洗浄針の距離と使用する洗浄針のサイズに応じて, 押し出し速度を加減する 必要がある.

2.側方型洗浄針では, 根尖部近くでも安全な使用が可能であるが, 効率的な洗

浄を行うには, 流出孔の方向を把握して満遍なく根管壁に当てる工夫が必要で ある.

3.微粒子トレーサーと高速度カメラを用いた流体解析は, 洗浄効率を評価する 上で有用であると考えられる.

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7.謝辞

本研究は, 九州大学大学院歯学研究院口腔機能修復学講座歯科保存学研究分 野 赤峰昭文教授のご指導のもとに行われたものであり, 先生の懇篤なご指導, ご助言, ならびに御校閲に深く感謝致します.また, 本研究を遂行するにあたり 終始御指導を賜わりました九州大学大学院歯学研究院口腔機能修復学講座歯科 保存学研究分野 吉嶺嘉人准教授に厚く感謝致します.最後に, 九州大学大学院 歯学研究院口腔機能修復学講座歯科保存学研究分野, ならびに九州大学病院歯 内治療科教室員の皆様方に心より御礼申し上げます.

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参照

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