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癒しの人間学的研究 : 看護者が認識する"癒し"

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(1)

癒しの人間学的研究 : 看護者が認識する"癒し"

著者 森田 敏子

雑誌名 福井医科大学研究雑誌

巻 1

号 2

ページ 293‑312

発行年 2000‑06‑30

URL http://hdl.handle.net/10098/972

(2)

福 井 医 科 大 学 研 究 一雑 誌 第1巻 第2号(2000)

癒 しの人 間学的研究

一 看 護 者 が認 識 す る"癒 し"一

森 田 敏 子

看 護 学 科 臨 床 看 護 学 講 座 (平 成12年4月10日 受 理)

An observational study of healing:

Perception of healing by nurses

ToshikoMORITA

DepartmentofClinicalNursing,SchoolofNursing

Abstract: The purpose of this study was to identify the perception of "healing" by nurses in this study. A survey was administered to 1,070 nurses in G Prefecture in June and July, 1996.

The nurses were asked to complete a questionnaire, which addressed perceptions and experi- ences of "healing". Nine hundred and fifty five (89.2%) nurses responded to and returned to the researcher. Approximately 40% of the nurses indicated having perceived patient "heal- ing". Many of these nurses defined "healing" as a "comfort", "warmth" , and "sympathy".

Factor analysis was performed for all responses and 6 factors were extracted. The factors were categorized into "states of mind", "relationship with others" , and "soul and body".

Nurses' indications of situations when their patients experiences "healing" involved experi- ences with family members, such as "healing of close ties with family" , "being loved my family", and "being supported my family". Six factors were extracted by factor analysis, and were categorized into 4 categories, "relationship with family", "relationship with doc- tors and nurses", "acceptance of death", and "basic desires". The factors that influences nurse perceptions of "healing" were nursing career and positive attitude of nursing.

KeyWords:healing,patient,nurse,perception

(3)

は じめ に

フ ロ ー レ ンス ・ナ イ チ ン ゲ ー ル(FlorenceNightingale)に よ って ,看 護が学 問 と して の道 を 歩 み 始 め た の は19世 紀 で あ る 。 ナ イ チ ソ ゲ ー ル ば 「病 気 は そ の経 過 の どの 時 期 を と って も程 度 の 差 こそ あ れ,そ の 性 質 は 回 復 過 程 で あ っ て,必 ず し も苦 痛 を 伴 うも の で は な い 。 病 気 とは,毒 さ れ た り衰 え た りす る過 程 を 癒 そ う とす る 自然 の 努 力 の 現 れ で あ り(以 下 略)」(1859)(1)と し,病 気 を"癒 し"の 過 程 と捉 え て い た 。 ナ イ チ ソゲ ール は,健 康 は 自然 環 境 と人 間 の 相 互作 用 に あ り, 人 間 を 外 界 自然 の受 け 手 と して 最 良 の 状 態 に 置 くこ とが 看 護 で あ る と捉 え,"癒 し"を 基 本 に 据

え た 上 で 看 護 を 論 じて い る。

ナ イ チ ソゲ ール 以 来,医 学 ・医 療 の 発 展 と共 に看 護 は 実 践 の 科 学 と して,ア ー ト(Art)と 科学 (Science)の 発 展 とそ のバ ラ ンス を 追 及 レて き た 。 しか し,21世 紀 を 迎 え よ う とす る 今 日,看 護 を 取 り巻 く環 境 は 大 き く変 化 し,"癒 し"^が 存 在 す る の か 危 ぶ まれ て い る 。

20世 紀 は 科 学 技 術 が 大 い に 進 歩 し,医 療 や 看 護 に 大 きな 貢 献 を し,感 染症 や癌 治療 な ど 目覚 し い 発 展 を遂 げ て きた 。 医 療 の 世 界 で は,科 学 性 と論 理 性 を 追 求 し,命 の尊 さを尊重 す るあ ま り1 分1秒 の延 命 効 果 を 図 る こ とに 努 力 して きた 。 しか し,「命 は 救 わ れ た が 生 活 は で き な い 」 と椰 楡 され る よ うな患 者 を数 多 く生 み 出 して きた の も,ま た 事 実 で あ る。 患 者 は 病 と闘 い な が ら,病

と共 存 しな が ら 日 々生 活 して い か な け れ ば な らな い 。 今 や 単 な る命 の 延 長 で は な く,生 き る人 間 と して の 「生 活 の質(QOL:Qualityoflife)」 が 問 わ れ て い る 。 医 療 者 側 の 臨 床 研 究 的 態 度 に 押 され て き た患 者 と医 師 と の 関 係 は,患 者 の 生 活 の 質 を 保 証 す る 医療 や 看 護 の姿 勢 と して期 待 さ れ る よ うに な り,両 者 の 関 係 性 が 改 善 され つ つ あ る 。 さ らに近 代 医 学 の発 展 に伴 っ て,遺 伝 子 治 療 や 臓 器 移 植 な ど人 為 的 な 治 療 の 問 題 が 医 療 や 看 護,患 者 に大 き くの し掛 か っ て き て い る 。 医 療 の 中 に イ ソフ ォー ム ド・コ ン セ ソ ト(IC:Informedconsent)や 癌 告 知 とい っ た こ とが 日常 的 に 取 り入 れ られ て い る が,そ の コ ン セ ソサ ス は 未 だ 得 られ ず,本 来 人 間 性 を 重 ん じる医 療 や看 護 が, ケ ア の 質 を 模 索 して い る段 階 に あ る の も事 実 で あ る 。 人hが 求 め て い る のは 傷 つ いた魂 の 癒 し"

で あ り,生 命 の 全 体 性 へ の 回 帰 で あ る こ とに,よ うや く気 づ き始 め た の で あ る(2)。こ こに 人 間 の 心 の 問 題 で あ る"癒 し"を 視 野 に据 え た 看 護 を 考 察 しな い わ け に は い か な い 現状 があ る と考 え る。

医 療 や 看 護 に お い て,そ の 人 の生 活 全般,生 活 信 条,価 値 観 自 己 イ メ ー ジ ま で 心 身 と共 に 治 療 す る必 要 が あ る(3)ことか ら,こ の よ うな 状 況 で 今,"癒 し"の 概 念 が 注 目 され て い る(4)。 した が っ て,患 者 が 自 覚 す る"癒 し",家 族 や 遺 族 の 立 場 か らみ た"癒 し'㍉ 看 護 者 の 立 場 か らみ た

"癒 し"の 三 方 向 か ら"癒 し"の 概 念 を追 求 して い く必 要 が あ る

。 しか し,̀癒 し"に 関 す る 概 念 規 定 が 明確 に され て い な い 現 状 が あ る こ とか ら,本 研 究 で は,第 一 段 階 と して 看 護 の 提 供 者 で あ る看 護 者 に 焦 点 を 当 て,看 護 者 が 捉}る"癒 し"を 考 察 す る もの で あ る。

〈用 語 の 定 義 〉

(1)看 護 者:病 院 に 勤 務 す る看 護 婦(士),准 看 護 婦(士),助 産 婦,保 健 婦

(2)"癒 し":"癒 し"に 関 す る用 語 に 対 して,回 答 者 が あ りの ま まに 受 け 止 め,感 じた こ と 。

(4)

癒 しの 人 間 学 的 研 究 一 看 護 者 が 認 識 す る"癒 し"一

こ の 結 果 か ら"癒 し"を 考 察 す る 。

(2)"癒 し"の 経 験:看 護 者 自 身 が 癒 した と 思 っ た り,実 感 し た こ と 。

1研 究 方 法 1研 究 対 象

G県 下 の設 置 主 体 が 異 な る5つ の 病 院 の 看 護 婦1,070名 が 対 象 で あ る 。1,070名 の 内 訳 は 国 立 病 院329名,県 立 病 院166名,市 立 病 院275名,学 校 共 済 病 院202名,私 立 病 院98名 で あ り,全 数 調 査 で あ る 。

2研 究 方 法

1)調 査 尺 度 の 作 成:̀癒 し"に 関 して 概 念 規 定 され た もの や 尺 度 化 され た も の は 現 存 して い な い た め,研 究 者 が 下 記 の 手 続 きで 尺 度 を 作 成 した 。

(1)手 続 き1:面 接 聞 き取 り調 査:臨 床 経 験20年 以 上 の看 護 者3名 お よ び 教 育 経 験5年 以 上 の看 護 教 員3名 に,̀癒 し"の 意 味 す る もの や 関 連 す る用 語 癒 し"に おけ る看 護 老 の 姿 勢 患 者 は どの よ うな時 や 状 況 で癒 され る と思 うか に つ い て 書 き 出 して も ら い,そ の 後 面 接 に よ る 聞 き取 り調 査 を 行 った 。 面 接 時 間 は40〜60分 程 度 で あ る 。

(2)手 続 き2:書 籍 に よ る用 語 の 抽 出:手 続 き1で 得 られ た 用 語 や 状 況 を 確 認 し さ らに補 足 す る た め に̀癒 し"お よ び"ケ ア"に 関 す る 書 籍10冊(5‑14)を研 究 者 が 選 び,熟 読 して

"癒 し"に 関 す る用 語 を 抽 出 した

(3)手 続 き3:尺 度 お よび 調 査 用 紙 の 作 成:手 続 き1で 得 られ た̀癒 し"に 関 す る用 語36語 に 手 続 き2で 得 られ た14語 を 加 え て,̀癒 し"の 概 念 用 語 を50語 と した 。"癒 し"に 関 す る看 護 の姿 勢 は,手 続 き1で 得 られ た10の 姿 勢 に3つ の 姿 勢 を 加 え て13姿 勢 と し,患 者 が̀癒 され る時"は 手 続 き1で 得 られ た31場 面 や 状 況 に5つ の 状 況 を加 え て36場 面 と

して 尺 度 を作 成 した 。 さ らに,こ れ らの 尺 度 で 構 成 した 自記 式 質 問 紙 を 作 成 した 。 2)調 査 方 法:調 査 は,各 病 院 の 看 護 部 に 一 括 依 頼 す る質 問 紙 留 め 置 き法 で 行 った 。 調 査 用 紙

は 各 病 院 の 看 護 部 長 か ら病 棟 婦 長 を 通 して 各 病 棟 の 看 護 者 に配 布 して も らい ,回 答後 に回 答 箱 に 入 れ て も ら った 。 そ の 後,病 棟 婦 長 が 回 答 箱 を 看 護 部 長 に届 け る方 法 で 回収 した 。な 紅

この 調 査 は 研 究 の 目的 以 外 に は 使 用 しな い こ と,研 究 の主 旨に賛 同 しなけれ ば,白 紙 で返却 す る こ とが で き る こ と を説 明 した 。 また,婦 長 ・看 護 部 長 経 由 で の返 却 で は な く,直 接 郵 送 で も返 却 で き る こ とを 説 明 して協 力 を 求 め た 。

3)調 査 期 間:1996年6月28日 〜7月28日 の1ヶ 月 間 4)調 査 内容:以 下 の 内 容 で あ る 。

(1)̀癒 し"の 概 念 用 語:愛 ・調 和 ・や す ら ぎ ・い た わ りな ど50項 目

(2)看 護 の姿 勢(看 護 す る時 に 心 が け て い る こ と):傾 聴 す る ・苦 しみ を解 る ・痛 み を とる ・ 一 緒 に い る ・ま る ご と受 け 止 め る な ど13項 目

(5)

(3)患 者 が 癒 され る 時:家 族 との 対 話,看 護 者 との 対 話,家 族 に 愛 され る,こ れ ま で の人 生 を 認 め る,痛 み か ら開 放 され る な ど36場 面 や 状 況

(4)"癒 し"経 験 の 有 無

(5)回 答 者 の属 性:年 齢 ・性 別 ・職 種 ・職 位 ・臨 床 経 験 ・勤 務 場 所

上 記(1)〜(3)に 関 して,看 護 者 が どの よ うに 認 識 して い るか を 「非 常 に そ う思 う」 か ら 「全 く思 わ な い 」 の5段 階 で 回 答 を 求 め た 。 な お 、̀癒 し"の 経 験 に 関 して は,そ の場 面 や 関 係 性 な ど につ い て 回 答 を 求 め た 。

5)分 析 方 法:

(1)5段 階 尺 度 の 回 答 は 「非 常 に そ う思 う」 に5点,「 全 く思 わ な い 」 に1点 を 配 点 し,そ の 平 均 値 と標 準 偏 差 を 求 め た 。

(2)5段 階 尺 度 の 回 答 を 因 子 分 析 し,バ リマ ッ クス 回 転 後 に 因 子 負 荷 量 を 求 め 因 子 を 構 造 化 した 。

(3)個 人 の 因 子 得 点 を 属 性 群 別 に 平 均 値 を 算 出 し,各 群 間 の 有 意 差 をt検 定 に よって確 認 し、

因 子 に 及 ぼ す 要 因 を 検 討 した 。 な お,統 計 ソ フ トはSPSSを 使 用 し,有 意 水 準 は5%と した 。

皿.結 果

1、 調 査 に 対 す る 回 答

調 査 に 対 す る 回 答 は981名 か ら あ り(回 収 率91.7%),そ の 内 有 効 回 答 は955名(89.2%)で あ っ た 。 回 答 者 の 属 性(性 別,年 齢,職 種,職 位,経 験 年 数 お も な 勤 務 場 所)は 表1〜6に 示 した 。

表1性 別 表2年 齢 表3職 種

性 別N瓢 区 分1寛 種 別N男

女93497.8‑25歳39040.8看 護 婦79282.9

男181.926‑3。 歳21・22.1准 看 護 婦1・a10.9

NA30.331‑35歳10410,9助 産 婦515.3

計955100.036‑40歳12813.4保 健 婦40.4

41‑45歳879.1そ の 他30.3

46歳 以 上353.7NA10.1

計955100.0計955100.0

*看 護 婦 ・准 看 護 婦 は,看 護 士 ・ 准 看 護 士 を 含 む

(6)

癒 し の 人 間 学 的 研 究 一看 護 者 が 認 識 す る̀癒 し"一

表4職 位 表5経 験 表6勤 務場所

区 分 N% 区 分 N% 区 分N %

ス タ ッ フ77380.9 3年 未 満26427.6 内科 系339 35.5

副 婦 長*12012.6 3‑6年22123.1 外科 系390 40.8

婦 長 444.6 6‑9年13414.0 小児 科70 7.3

看 護 部 長*90.9 9‑12年666.9 精神 科31 3.2

NA 90.9 12‑15年545.7 その 他88 9.2

955100.0 15‑18年576、0 NA 37 3.9

*副 婦長 は主 任 ・係長 を 含む

*看 護部 長 は副看 護部 長 を含 む

18‑21年545.7955100.0

21年 以 上10310.8

NA 20.2

955100.0

2。̀癒 し"の 経 験 の有 無

看 護 実 践 の 中 で̀癒 し"の 経 験 の 有 無 を 問 う と 「経 験 あ り」 と 回 答 した 看 護 者 は38.7%,「 経 験 な し」 と回 答 した 看 護 者 は45.1%で あ り,「 どち ら と も言 え な い 」 と回 答 した 看 護 者 は7.2%で あ った 。 「どち ら と も言 え な い 」 と回 答 した 看 護 者 の 中 に は 「患 者 を癒 した か も しれ な い が,こ の よ うな 判 断 は 看 護 者 が す る も の で な く,患 者 が す る もの で あ るか ら どち ら と も言 え な い 」 と し た 看 護 者 が 多 か っ た(図1)。

わ か らな い

どち らともい え な 7%

経 験 あ り 39%

経 験 な し 45%

3."癒 し"の 概 念 に つ い て 1)"癒 し"に 関 す る 用 語

図1"癒 し'°の 経 験

"癒 し"に 関 す る 用 語50項 目 の 平 均 値 を 算 出 し

,高 い 順 に 並 べ る と,第1位 は 「や す ら ぎ 」 (3.99±0.83),第2位 は 「あ た た か さ 」(3.90±i・,),第3位 は 「い た わ り」(3.84±0.84)で あ っ た 。 以 下10位 ま で は,「 安 堵 」 「落 ち 着 き 場 所 が あ る 」 「心 の 平 静 」 「ゆ っ た り した 気 持 ち 」 「人 と 人 の 絆 」 「安 心 」 「信 頼 」 が 位 置 つ い て い た 。 逆 に 下 位 か ら10項 目 は,「 謙 遜 」 「身 体 が 軽 い こ と 」

(7)

「悩 み や 苦 しみ が な い 」 「受 け 取 る こ と」 「超 越 」 「納 得 」 「自己 防 衛 が は ず れ る」 「他 者 に存 在 を 認 め られ る 」 「与 え る」 「許 し」 が 位 置 つ い て い た("2)。

や すらぎ あたたかさ いたわ り 安 堵 落 ちつき場 所が ある 心 の平 静 ゆった りした気持 ち 人 と人の絆

安 心 信 頼 人 との 相互 信 頼 救 い 人との間 の安 定性 大 いなるもの 共 にいること 仲 間 の励 まし 十 分 に生きる 心 の傷 を肪 ぐ 一つ の過程 心 と身 体 が一 体 他者 の幸 福 を祈 る あ るが ままに受 け入れ る 悲しみ からの立ち直 り 自分 が 必要 と感 じる 人生 の真 の意 味を生きる 他者 の 成長 を助 ける

  … … … … 鱒… °°… 一 一   一  齢開  … ∴  ㎜   … 一 一…     … 一一   … … …   1

r

1

一   一       ㎜ 齢  … 一… ̀

1

̀

°"…"… °"榊 一 髄    "°'… 繭… ° … … … 酬 繭"… °… … 榊 闘  一朧"襯1

1 1

1 f

1

調和 塑麟臨 麟麟圏 圏團 騨 團 ■團 ■麟幽M翻 騨繊 ■ 圏 圏 騨

自然界 へ の慈 しみ 相 手 との 合一 を感 じる

相 手 に好意 を持 つ 正 直なこと 感醐 慰 め 専 心 無 欲 自己成 長 心 の執 着を越 える 自己実 現す る 心 の執 着 がない 許 し 与える 他 者 に存在 を記 められ る 自 己防衛 が はずれ る 納 得

1

1

1

超越 騨 ■■ 圏 圏 脳 騨 圏畷 闘 腰腰 騨 騨 圏 ■翻EI 受け取ること褻画函醗函爾繭璽画畷 醗画 醐薩醗 璽圏 函醐圏f

悩 み や 苦 し み が な い一1

身体 が 軽 いこと 撃圏圏 ■■■願 騒醸 騙騨園翻鰯鰯 鰯醐鱒 国闘晒騨關■闘閲■1 謙 遜

0

i

図2

23

"癒 し"に 関 す る 用 語

4 5

(8)

癒 しの 人 間 学 的 研 究 一 看 護 者 が 認 識 す る"癒 し"一

2)"癒 し"の 因 子 構 造

"癒 し"に 関 す る用 語 を 因 子 分 析 した 結 果

,累 積 寄 与 率50.1%,Cronbachα 係 数0.95で,6因 子 が 抽 出 され た 。 各 因 子 は 次 の よ うに 命 名 した(表7)。 第1因 子 は 「や す ら ぎ 」 「心 の 平 静 」

「安 堵 」 な どが 位 置 づ き"癒 し"の 心 模 様 を 表 して い る こ とか ら 『心 模 様 く や す ら ぎ 〉』 と した 。 第2因 子 は 「謙 遜 」 「自己 成 長 」 「納 得 」 な どが位 置 づ き,第1因 子 と同 様 心 模 様 を 表 して い る こ

とか ら 『心 模 様 く謙 遜 〉』 と した 。第3因 子 は 「他 者 の 幸 福 を 祈 る」 「他 者 の 成 長 を 助 け る」 「自 分 が 必 要 と感 じる 」 な どが 位 置 づ き 『他 者 との 関 係 く 祈 り〉』 と した 。 第4因 子 は 「他 者 に存 在 を 認 め られ る 」 「悩 み や 苦 しみ が な い 」 「身 体 が軽 い こ と」 な どが 位 置 づ き 『心 と身 体 く存 在 〉』

と した 。 第5因 子 は 「人 と の 間 の 安 定 性 」 「落 ち つ き場 所 が あ る 」 「人 と の相 互 信 頼 」 「共 に い る こ と」 な ど が 位 置 づ き 『他 者 との 関 係 く安 定 〉 』 と した 。 第6因 子 は 「心 と身 体 が 一・体 」 「心 の 傷 を 防 ぐ」 「十 分 に生 き られ る 」 な どが 位 置 づ き 『心 と身 体 〈一 体 〉』 と した 。 以 上 の よ う に6

因 子 に構 造 化 され た が,大 き くは 「心 模 様 」 「他 者 との 関 係 性 」 「心 と身 体 」 の3領 域 に 集 約 され た 。

3)"癒 し"の 因 子 構 造 を 規 定 す る 要 因:看 護 者 の属 性

看 護 者 の年 齢 や 職 位,経 験 年 数 な ど属 性 別 に"癒 し"の 因 子 構 造 との 関 係 を み る と,第6因 子 r心 と身 体 〈一 体 〉』 に年 齢 で 有 意 差 が あ り(p〈.01),第5因 子r他 者 と の 関 係 く安 定 〉』 に 職 位 で 有 意 差 が あ った(p〈.05)。̀癒 しの経 験 あ り"と した 群 は,第1因 子 『心 模 様 く や す ら ぎ 〉』,第3因 子 『他 者 と の 関 係 く 祈 り〉』,第4因 子r心 と身 体 く存 在 〉』,第6因 子r心 と身 体 〈一 体 〉』 で 有 意 差 が あ り,影 響 要 因 と考 え られ た(表8)。

表8"癒 し"の 因 子 構 造 を 規 定 す る 要 因:看 護 者 の属 性

項目

因子

年 齢

職 位

臨 床 経 験

癒 した 経 験

26歳 以下 26歳以 上 ス タッフ 婦 長

6年 以下 6年以上

F1:心 模様 くやす らぎ 〉

.064

.095

.oos

.193

.059

.061

.1°

.08:4]蒙

F2:心 模 様 く謙 遜 〉

.067

.047

.004

‑.032

.024

.424

.027

.032

F3:他 者 関係 く祈 り 〉

.027

.019

.005

.002

.036

.040

.°724

.101

F4:心 と身 体 く存 在 〉

.117

.os2

.003

.173

.°s°a

.osz

.157Q

.U79

F5;他 者関 係 く安定 〉

̲059

.042

.°18d

.334

.022

.024

.041

‑.07s

F6:心 と身体

〈一体 〉

1 1::b]套

.oi2

.160

.°9°b

.093

1:::4]*

**<.01*<̲05

(9)

表7因 子負荷量 表:癒 し 因 子 名

V︿︿ ︿ V V

や す ら ぎ 心 の 平 静 安 堵 愛 信 頼 い た わ り 調 和 あ た た か さ 謙 遜 自 己成 長 納 得 超 越 専 心 感 謝

他 者 の 幸 福 を 祈 る 他 者 の成 長 を 助 け る 正 直 な こ と

あ る が ま ま に 受 け 入 れ る 相 手 と の 合 一 を 感 じ る 自 分 が 必 要 と 感 じ る 他 者 に 存 在 を 認 め ら れ る 悩 み や 苦 しみ が な い 受 け 取 る こ と 身 体 が 軽 い こ と 人 と の 間 の 安 定 性 落 ち つ き 場 所 が あ る 人 と の 相 互 信 頼 共 に い る こ と 心 と 身 体 が 一 体 心 の 傷 を 防 ぐ 十 分 に 生 き ら れ る 率(%) 累 積 寄 与 率(%)

FI

難9遡

68聴5

&6TH$

碩 馨髄

ε2濯88 62壬 茄

護磯 鱒

5274ヨ .04856

.15368 .07137 .06722 .17755 .321fi8 .19100 .14287 .47598 .21596 .14374 .18268 .16251 .08152 .01040 .04954 .22041 .34054 .32421 .23853 .23005 .04249 .15766 29.8 29.8

F2 .oszas .ユ0699

.16461 .11985 .25532 .06390

.34946 .00454

窪煎8 登 69穐$

6脳 ヨ1:

66航a 589 539β を .08852 .17312 .25058 .04746 .21973 .16043 .13844 .13955 .20919 .30074 .31458 .05202 .16578 .09753 .os7s8 .13031 .18425 6.6 as.4

F3 .06647 .00037

.01004 .21942 .23043 .08456 .is37s .28037 .07744 .27341 .08942 .os70s .06564 .29498

翻 細

518

舳 灘

52

?0 5肇6 7go 裏6a 鰐2 距9 .30990 一.01105

.13668 .24216 .18029 .12670 .33683 .21703 .13269 .02229 .38092 4.6 41.0

F4 .00619 .14258 .10077 .08621 .10292 .05216 .18206 .09925

.18941 .03621 .25887 .zlsos .03776 .10889 .oass7 .10220 .14697 .19593 .31470

̲42389 磁96Ω 64439 6超6ユ

^激 α66 .09511 .10了35

.05003

.11962 .23156 .07128 .0109fi

3.3 94.3

F5 .15123 .14329 .2fi377 .01413 .17236 .16296 .05581

.30449 .04013 .09712 .14686 .09519

.24800 .04105

.15139 .04809 .15390 .09944 .20613 .28231 .11439 .02554

.04180 .05007

薩 韮8域 :5933遡

矯3望 ㈱ 5韮測4 .08$28 .7.6507 .13244

3.0 47.3

F6 .16091 .18151 .18184 .04537 .09462

.06482 .07266 .15643 .08159 .12591 .09915 .06243 .10964 .03973 .10847 .18516 .28973 .15967 .08386 .00183 .01293 .19389 .05832 .35538 .10025 .17790 .a7s74 .11938 693豊7 Via$ 1:8

5340:9:

2.8 50.1

(10)

癒 しの 人 間 学 的 研 究 一 看 護 者 が 認 識 す る"癒 し"一

4)"癒 し"の 因 子 構 造 を 規 定 す る 要 因:看 護 の 姿 勢

看 護 の 姿 勢 で,第1因 子 か ら 第6因 子 の す べ て に 有 意 差 が あ っ た の は,「 一 緒 に い る 」 「ま る ご と 受 け 止 め る 」 「成 長 を 信 じ る 」 「あ る が ま ま を 見 つ め る 」 「信 頼 す る 」 の5つ の 姿 勢 で あ っ た 、,, ま た,ど の 姿 勢 も い ず れ か の 因 子 に 影 響 を 及 ぼ す も の で あ っ た(表9)。

表9"癒 し"の 因 子 構 造 を 規 定 す る 要 因:看 護 の 姿 勢

因 子

苦 しみ を解 る

痛 みを とる

一緒 に いる

を合わ せる

時間を 与 え る

,つ

ゆと り を与 え える まる ご と受 け 止 め る 成 長を 信 じる

あるが まま見 っめ る

自己実 現を希 望す る

とて も思 う

思 わない とて も思 う 思 わない とて も思 う 思 わない とて も思 う 思 わな い とて も思 う 思 わな い とて も思 う 思 わな い

とて も思 う 思 わない とて も思 う 思 わな い とて も思 う 患 わな い とて も思 う 思 わな い とて も思 う 思 わな い とて も思 う 思 わな い とて も思 う 思わな い

F1:」C・ 模 様 く や す ら ぎ 〉

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1:::4コ*

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F2:心 模様 く謙遜 〉

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F3:他 者関係 く祈 り〉

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F9:心 と身体 く存在 〉

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二::4]1

F5:他 者関係 く安定 〉

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F6:心 と 身 体 く一 体 〉

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.070

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.°774

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**く.01*〈‑05

(11)

4."患 者 が 癒 さ れ る 時"に つ い て 1)"患 者 が 癒 さ れ る 時"の 場 面 や 状 況

看 護 者 が 捉 え る"患 者 が 癒 さ れ る 時"の 平 均 値 を 高 い 順 に 並 べ る と,第1位 「家 族 と の 関 わ り」

(4.32±0.74),第2位 「家 族 に 支 え ら れ る 」(4.32±0.74),第3位 「家 族 に 愛 さ れ る 」(4.32±

0.80)で あ っ た(図3)。

家 族 との関 わ り 家躾 に支えられる

家族 に愛される 家族 に見守 られる 家族に受 け入れ られ る 愛する人が 共にいると実感 できる 家族 との対話 痛 みか らの開放 家族 に認 められる 残された時 間を大 切にする 家族 のために生きたい これまでの人 生を隠める 家族を愛 したい 眠 られる 看 護者 に支 えられ る 医師 に支 えられ る 看 護 者との対話 看護 者 に見 守られ る

食 べられ る 看 護者 に受 け入 れられ る 医師 に受 け入 れられる 看獲 者 との 関わ り 自然 との触 れ合 い 医師 に見 守られる 医師 との 対話 医師との関 わり 病 気を受 け入 れる 看護 者 に愛 される 他 者 との関 係を実感 する 医師に愛 され る 他者 の役 に立っている 看 護者 に認 め られ る 医師 に認 め られ る 手 厚くされ た思 い 過 去の 思い 出 人は 死ぬ 存在 である

0 12

図3患 者 が 癒 さ れ る 時

3 4 5

(12)

癒 しの 人 間 学 的 研 究 一 看 護 者 が 認 識 す る"癒 し"一

2)"患 者 が 癒 され る 時"の 因 子 構 造

看 護 老 が 捉 え る"患 者 が 癒 され る時"を 因 子 分 析 した 結 果,6因 子 が 抽 出 さ れ た 。累 積 寄 与 率 68.6%,Cronbachα 係 数0.95で あ った 。

各 因 子 は 次 の よ うに 命 名 した(表10)。 第1因 子 は 「医 師 との 対 話 」 「看 護 者 との 対 話 」 「看 護 者 との 関 わ り」 な どが 位 置 つ く こ とか ら 『医 師 ・看 護 者 との 関 係 く 対 話 〉』 と した 。 第2因 子 は

「家 族 に 支 え られ る」 「家 族 に受 け 入 れ られ る」 「家 族 に見 守 られ る」 な どが 位 置 つ く こ とか ら 『家 族 との 関 係 く支 援 〉』 と した 。 第3因 子 は 「看 護 者 に認 め られ る 」 「医 師 に 認 め られ る 」 「医 師 に 愛 され る」 「看 護 者 に 愛 され る」 な どが 位 置 つ くこ とか ら 『医 師 ・看 護 老 との関 係 く 承 認 〉 』 と し た 。第4因 子 は 「家 族 を 愛 した い」 「家 族 の ため に生 き る」 「愛 す る人 が 共 にい る」 な どが 位 置 つ く こ とか ら 『家 族 との関 係 く愛 〉』 と した 。 第5因 子 は 「他 者 との 関 係 を実 感す る」 「他 者 の役 に立 っ て い る」 「人 は 死 ぬ 存 在 で あ る」 「病 気 を 受 け 入 れ る」 な どが 位 置 つ く こ とか らr他 者 との関 係 く 実 感 〉 ・死 の受 容 』 と した 。第6因 子 は 「眠 られ る 」 「食 べ られ る」 「痛 み か ら開 放 され る 」 な どが 位 置 つ くこ とか ら 『基 本 的 欲 求 』 と した 。 因 子 分 析 では6因 子 に 構 造 化 され た が,そ れ ら は 「医 師 ・看 護 者 との 関 係 」 「家 族 との 関 係 」 「死 の 受 容 」 「基 本 的 欲 求 」 の4領 域 に 集 約 され た 。

3)"患 者 が癒 さ れ る時"の 因 子 を 規 定 す る要 因:看 護 者 の 属 性

看 護 者 の属 性 別 に̀患 者 が 癒 され る時"の 因 子 構 造 との 関 係 を み る と,年 齢 と臨 床 経 験 で 第1 因 子,第2因 子,第4因 子 に,職 位 で 第1因 子 に 有 意 差 が あ り,26歳 以 下 の看 護 者 ス タ ッフナ ー ス,臨 床 経 験6年 以 下 の 者 で 負 の 値 を 示 して い た 。 癒 した 経 験 が あ る群 は,第1因 子 と第2因 子 に 有 意 差 が あ っ た(表11)。

表11"患 者 が 癒 さ れ る 時"の 因 子 構 造 を 規 定 す る 要 因:看 護 者 の属 性

項 目

因子

年 齢

職 位

臨 床 経 験

癒 した 経 験

26歳 以下 26歳 以上 ス タ ッフ

婦 長 6年 以下 6年 以上

F1:医 師看護 者関係〈対話 〉

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F2:家 族 との 関係 〈支 援 〉

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F3:医 師看護 者関係 く承認〉

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.018

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F4:家 族 との 関 係 く愛 〉

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‑.109

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.004

F5:他 者 との 関 係 ・死 の受 容

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.004

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F6:基 本的

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**く.01*く.05

(13)

表10因 子 負 荷 量 表:患 者 が 癒 さ れ る時 因 子 名

VV︿ V ︿

医 師 との 対 話 看 護 者 との 対 話 看 護 者 との 関 わ り 医 師 と の 関 わ り 医 師 に 見 守 られ る 看 護 者 に 見 守 ら れ る 医 師 に 支 え られ る 看 護 者 に 支 え られ る 医 師 に受 け 入 れ ら れ る 看 護 者 に 受 け 入 れ られ る 家 族 に支 え られ る 家 族 に 受 け入 れ られ る 家族 に 見 守 られ る 家 族 に 愛 さ れ る 家 族 と の 対 話 家 族 と の 関 わ り 家 族 に 認 め られ る 看 護 者 に 認 め られ る 医 師 に 認 め られ る 医 師 に 愛 され る 看 護 者 に 愛 され る 看 護 者 に 受 け入 れ られ る 医 師 に 受 け 入 れ られ る 家 族 を 愛 し た い

残 さ れ た 時 間 を 大 切 に す る 家 族 の た め に生 き る これ ま で の 人 生 を認 め る 愛 す る 人 が 共 に い る 他 者 と の 関 係 を 実 感 す る 他 者 の 役 に 立 っ て い る

人 は死 ぬ 存 在 で あ る 病 気 を受 け 入 れ る

過 去 の 思 い 出 眠 ら れ る 食 べ ら れ る 痛 み か ら 開 放 さ れ る 自 然 と 触 れ 合 う 率(%) 率(%)

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3.0

68.6

(14)

癒 し の 人 間 学 的 研 究 一看 護 者 が 認 識 す る"癒 し"一

4)."患 者 が 癒 され る時"の 因 子 を 規 定 す る要 因:看 護 の 姿 勢

看 護 の姿 勢 で 「傾 聴 す る 」 「苦 しみ を 解 る 」 「痛 み を と る」 「一 緒 に い る」 な ど13項 目 全 て の 姿 勢 が,第1因 子 で有 意 差 が あ った 。 また,「 成 長 を 信 じる」 「あ る が ま まを み つ め る 」 は,5つ の 因 子 に対 して 有 意 差 が あ り,集 約 さ れ た4領 域,つ ま り 「医 師 ・看 護 婦 との 関 係 」 「家 族 と の 関 係 」 「死 の 受 容 」 「基 本 的 欲 求 」 に 影 響 を 及 ぼ す も の で あ った(表12)。

表12"患 者が癒 され る時"の 因子構 造 を規定 す る要因:看 護 の姿 勢

苦 しみ を解 る

痛みを とる

一緒に い る

x を合わ せる 時間を 与え る

・つ

ゆ とり を与え え る ま るご と受け 止 める 成長を 信 じる

あ るが ま ま見 っめる

自己実 現を希 望する

とて も思 う 思わ ない とて も思 う 思わ ない とて も思 う 思わ ない とて も思 う 思わ ない とて も思 う 思わ ない とて も思 う 思わ ない とて も思 う 思 わない とても思 う 思わ ない とて も思 う 思わ ない とても思 う 思わ ない とても思 う 思わ ない とて も思 う 思わ ない とて も思 う 思わ ない

F1:心 模 様 くや す ら ぎ 〉

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F2:心 模 様

〈謙 遜 〉

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(15)

皿.考 察

1."癒 し"に つ い て

看 護 者 が 認 識 す る̀癒 し"は,̀癒 し"に 関 す る 用 語 か ら み る と 「や す ら ぎ 」 「あ た た か さ 」

「い た わ り」 「安 堵 」 「落 ち つ き 場 所 が あ る 」 が 上 位 を 占 め て い る こ とか ら ,い た わ りの 中 で,心 の や す ら ぎ を 覚 え,落 ち 着 い た 気 持 ち で 安 堵 す る こ と が で き,あ た た か さ を 感 じ る 世 界 で あ る と 推 察 で き る 。

因 子 分 析 に よ る"癒 し"の 構 造 か ら み る と,「 心 模 様 」 「他 者 と の 関 係 」 「心 と 身 体 」 の3領 域 に 集 約 され,「 心 模 様 」 が 寄 与 率29.8%で,第1因 子 に 抽 出 され た こ と か ら,"癒 し"を 最 も 言 い 表 し て い る の は 「心 模 様 」 で あ る 。 した が っ て,看 護 者 は 患 者 の 心 が や す ら ぎ,平 静 な 気 持 ち で 安 堵 で き る 心 の 世 界 が"癒 し"で あ る と認 識 して い る と推 察 さ れ る 。 そ して こ の 心 の 世 界 は ,他 者 と の 関 係 の 中 で 培 わ れ る もの と 解 釈 で き る 。 人 間 は 一 人 で は 生 き られ ず,他 者 と の 関 係 の 中 で 生 き る も の で あ る と の 認 識 が 必 要 で あ り,̀癒 し"に は,こ の 他 者 と の 関 係 が 重 要 に な っ て く る 。 こ の 他 者 と の 関 係 は,一 方 的 に 何 か を 要 求 す る も の で な く,「 他 者 の 幸 福 を 祈 る 」 「他 者 の 成 長 を 助 け る 」 な ど,自 分 を 超 え て 他 者 と の 関 係 を 構 築 し よ う とす る 精 神 世 界 を 表 して い る 。 ま た ,「 あ る が ま ま に 受 け 入 れ る 」 「相 手 と の 合 一 を 感 じ る 」 「自 分 が 必 要 と 感 じ る 」 と い う よ う に,他 者 と の 一 体 感 を 感 じ,自 分 の 生 き る 意 味 を 実 感 で き る よ うな あ り方 が̀癒 し"で は な い だ ろ うか 。 ま た,̀癒 じ' に お け る他 者 と の 関 係 は,他 者 と 共 に 存 在 す る こ と で 安 定 感 や 落 ち 着 き ,相 互 信 頼 を 実 感 で き る

こ と で も あ る 。 他 者 と の 関 係 に お い て や す ら ぎ を 得 た 結 果 と し て,心 と 身 体 の 一 体 感 が 生 ま れ ,十 分 に 生 き ら れ る と 感 じ る こ と が で き る こ とが,̀癒 し"の 内 実 で あ る と 考 察 で き る 。

"癒 し"の 捉r方 は

,看 護 者 の 年 齢,臨 床 経 験,職 位 な ど に よ っ て 相 違 が 見 ら れ,若 い 看 護 者 よ り も 年 長 の 看 護 者 の 方 が 心 身 の 一 体 感 を 重 視 し,経 験 を 積 ん だ 看 護 者 の 方 が 心 身 一 体 と して の 存 在 を 重 視 し て い る こ と が 窺 え る 。 ま た,ス タ ッ フ ナ ー ス よ り も 婦 長 な ど 管 理 職 に あ る 看 護 者 の 方 が,他 者 と の 関 係 の 安 定 性 を 求 め て い る と 判 断 さ れ る 。 さ ら に,看 護 実 践 の 中 で"癒 し"の 経 験 が あ る と 自 覚 し て い る 看 護 者 は,「 心 模 様 」 「他 者 と の 関 係 」 「心 と 身 体 の 関 係 」 の3領 域 に 対

し て 影 響 要 因 と な っ て い る 。 看 護 者 と して 実 践 を 積 む 中 で̀癒 し"を 実 感 す る こ と に な り,"癒 し"の 体 験 が"癒 し"の 経 験 と な り,次 第 に"癒 し"の 概 念 が 形 成 さ れ て い く も の と把 握 で き る 。 そ し て,実 際 の 看 護 場 面 で も 患 者 と の 人 間 関 係 を 大 切 に し,患 者 の 心 に 寄 り そ う ケ ア を 心 が け,

"癒 し"を 重 視 して い る と 思 わ れ る

2."患 者 が 癒 さ れ る 時"に つ い て

看 護 者 が 認 識 す る"患 者 が 癒 され る時+rは,家 族 との 関 係 を 表 した も の が 上 位 を 占 め て い る 。 そ れ らは 「家 族 の 関 わ り」 「家 族 に 支 え られ る 」 「家 族 に 愛 され る 」 「家 族 に 見 守 られ る」 「家 族 に 受 け 入 れ られ る 」 な どで あ る 。 そ の 次 に 「痛 み か ら の 開 放 」 「残 され た 時 間 を 大 切 にす る」 が あ げ ら れ て い る 。 この こ とか ら,"患 者 が 癒 され る 時"は,家 族 に 支 え られ,見 守 られ て 療 養 生 活 を 送 り,病 気 に よ る

(16)

癒 し の 人 間 学 的 研 究 一 看 護 者 が 認 識 す る"癒 し"一

痛 みや 苦 痛 がな く,残 され た 時 間 を 大 切 に生 きるこ とであ る と看 護 者 は 捉 えてい る と言 え る。

因 子 構 造 か ら検 討 すれ ば,"患 者 が 癒 され る時"は,医 師 や 看 護 者 との人 間 関 係 が 重 要 で あ る こ とを 如 実 に表 して い る。 この人 間 関 係 に は,「 対 話 」 「関 わ り」 「見 守 り」 「支 え」「受 け入 れ 」 とい っ た もの が あ り,現 代 医 療 の ゆ が みや 医 療 現 場 の 人 間 関 係 の 希 薄 さ を象 徴 して い る よ うで もあ る 。

̀患 者 が 癒 され る時"の 因 子 構 造 で は

,「 医 師 ・看 護 者 との関 係 」 の ほか,「 家 族 との 関 係 」 「死 の受 容 」 「基 本 的 欲 求 」 の4領 域 に集 約 され る こ とか ら,̀患 者 が 癒 され る 時"は ㌧ 家 族 に 支}ら れ て い る患 者 が 存 在 し,自 分 の 病 気 や 死 を 受 け 入れ 認 め る こ とで あ る と把 握 で ぎ る 。 そ して,人 間 が 生 存 す るた め の最 低 限 の欲 求 で あ る眠 る,食 べ る な どの 基 本 的 な こ とが 保 証 され,な お か つ 痛 み が な い こ とが不 可 欠 な 要 素 とな って い る。 病 気 と闘 い,痛 み と闘 う患 者 の 癒 し"に は,医 師 や 看 護 者 が 患 者 と同 じ立 場 に 立 つ とい う謙 虚 な態 度 と,家 族 に支 え られ て 闘 病 生 活 を 送 っ て い る と患 者 が 実 感 で き る こ とが 重 要 で あ る 。 これ らが 整 うこ とで,患 者 は 病 気 を 思 い,病 気 を受 げ 入 れ られ や す くな る。 そ して,人 は いず れ 死 ぬ 存 在 で あ る と悟 りに も似 た 気 持 ち に な り,残 され た 人 生 や 時 間 を 感 謝 の気 持 ちで 生 き られ る よ うに な る と忠 わ れ る 。 さ らに,他 者 の 役 に 立 って い る 自分 を 認 識 で きる よ うに な り,生 き る意 味 や 価 値 を 見 出 せ るの で は な い だ ろ うか 。 病 気 で あ る 自分 の これ ま で の 人 生 を 認 め 受 け 入 れ,生 きる意 味 を見 出 せ た 時 に̀癒 し"が 生 まれ る と考 え られ る。

ど の よ うな看 護 の 姿 勢 が"患 者 が癒 され る時"に 影 響 を 及 ぼ して い るか を み る と,「 傾 聴 す る」

「苦 しみ を 解 る」 「痛 み を 取 る 」 な どの 姿 勢 が 「医 師 ・看 護 者 との 関 係 」 の 影 響 要 因 で あ る と考 え られ る こ とか ら,患 者 は,医 師 や 看 護 者 と の 人 間 関 係 の 中 で,痛 み や 苦 痛 を 取 り去 り,開 放 され, 不 安 や 悩 み を 打 ち 明 け て 自分 を 取 り戻 して い く と考 え られ る 。

看 護 者 が捉 え る"患 者 が 癒 され る時"は,看 護 者 の年 齢 や 臨 床 経 験,立 場 に よ っ て 違 い が 見 ら れ る。 若 い 臨 床 経 験 の浅 い看 護 者 よ りもキ ャ リア を 積 ん だ 看 護 者 の 方 が,「 医 師 ・看 護 者 との関 係 」 や 「家 族 との関 係 」 を重 視 して い る こ とが 窺 え る 。 年 数 を重 ね 看 護 者 と して 臨 床 経 験 を積 む ことで

人 生 の 意 味 や 重 み を 次 第 に 実 感 し,患 者 が 癒 され るに は 人 間 関 係 が 重 要 で あ る と認 識 す る よ うに な る と思 わ れ る 。 また,看 護 実 践 の 中 で"癒 し"の 経 験 が あ る と 自覚 す る看 護 者 は,「 医 師 ・看 護 者 との 関 係 」 や 「家 族 との 関 係 」 を 重 要 視 して い る こ とか ら,癒 した 経 験 の 中 で,患 者 と の 人 間 関 係 の 重 要 性 を 自覚 し,患 者 は どの よ うな時 に癒 され るり か を 実 感 す る と思 わ れ る 。 実 際 の 看 護 場 面 で も"癒 し"を 大 切 に 思 い,患 者 が 癒 され る よ うな看 護 を 目指 して い る と推 察 され る 。

3."癒 し"の 視 座

今 回 の 調 査 結 果 が示 す よ うに,看 護 者 が 認 識 す る"癒 し"は,「 心 模 様 」 「他 者 と の 関 係 」 「心 と身 体 」 の3領 域 に 集 約 され て構 造 化 され だ 。 「他 者 と の関 係 」 に は 「死 の 受 容 」 が 位 置 つ い て い た こ とか ら,"癒 し"に は 「死 の受 容 」 も重 要 な 課 題 で あ る 。 また,̀患 者 が 癒 され る時"は,

「医 師 ・看 護 者 と の 関 係 」 「家 族 と の 関 係 」'「死 の 受 容 」 「基 本 的 欲 求 」 の4領 域 に 集 約 され た こ と か ら も,「 死 の 受 容 」 は重 要 な 課 題 で あ る と考 え られ る 。

(17)

ヴ ァ ソ ・デ ン ・ベ ル ク(VandenBerg)は 『人 間 ひ と りひ と り』 で ,患 者 の 世 界 を,自 己 自 身 と対 象 と の 関 係,身 体 と の 関 係,他 者 と の 関 係,時 間 と の 関 係 の4つ の 視 点 か ら述 べ て い る(IS)。

こ れ ら も"癒 し"を 構 成 す る 要 素 で あ る と 把 握 さ れ る 。 し た が っ て"癒 し"を ,(1)心 模 様(2) 他 者 と の 関 係,(3)心 身 の 関 係,(4)死 の 受 容 の4つ を 視 座 に 据 え て 考 察 を 試 み る 。

1)̀癒 し"の 第 一 の 要 素:「 心 模 様 」

看 護 者 の 調 査 結 果 か ら"癒 し"は,や す ら ぎ,平 静,安 堵,愛,信 頼,い た わ り,調 和,あ た た か さ,謙 遜,自 己 成 長,納 得,超 越 感 謝 と い っ た 用 語 の あ ら ゆ る 面 に 深 く関 わ っ て お り,こ れ ら が"癒 し"の 概 念 の 主 な 要 素 に な っ て い る 。"癒 し"を 実 感 す る に は 心 が や す ら ぎ,心 の 平 静 が 得 ら れ,安 堵 で ぎ る こ と は 欠 か せ な い 。 そ し て そ こ に は 愛 と 信 頼 が 存 在 す る で あ ろ う。"癒

し"の 要 素 の 一 つ と考 え られ る 愛 は,忍 耐 強 く,情 け 深 く,ね た ま ず,自 慢 せ ず ,高 ぶ らず,礼 を 失 せ ず,自 分 の 利 益 を 求 め ず,い ら だ た ず,恨 み を 抱 か ず,不 義 を 喜 ば ず,真 実 を 喜 び,す べ て を 忍 び,す べ て を 信 じ,す べ て に 耐 え る こ とを 示 して い る⑯ 。愛 とケ ア リソ グが 根 本 的 な も の で あ る(ユ6)ように,愛 と"癒 し"は 人 間 に と っ て 根 本 的 に 求 め る 要 求 で あ る 。 し た が っ て̀癒 し"

と は,そ の 人 の 内 面 に 体 験 さ れ て い る 愛 に 包 ま れ た 心 の 肯 定 的 な や す ら ぎ の 感 情 で あ る と推 察 す る 。 患 者 の 心 が"癒 し"を 体 感 す る こ と と,患 者 の 心 が 安 ら ぎ に 似 た 安 堵 感 に 包 ま れ ,清 々 しい 気 持 ち で 存 在 す る こ と は,患 者 の 身 に 同 時 に 起 き て い る 現 象 と 把 握 で き る 。 患 者 が,素 直 な 感 情 で 「自 分 は 癒 え て い る 」 と 思 え る 感 覚 が 癒 し"の 「心 模 様 」 そ の も の で は な い か と考 え る 。

2)"癒 し"の 第 二 の 要 素:他 者 と の 関 係

"癒 し"は そ の 人 の 心

,身 体,魂 に 起 こ る も の で あ る か ら,"癒 し"は 体 験 概 念 で あ る 。 体 験 と鳳 そ の 時 間 を 生 き て い る こ と で あ り,時 間 そ の もの で あ り,空 間 を 占 め る こ と で あ る 。 時 間 と 空 間 の 中 で,他 者 と の 人 間 的 な 関 係 性 に お い て,徐hに 癒 され る こ と も あ れ ば,一 瞬 の うち に 癒 され る こ と も あ る で あ ろ う。̀癒 し"が 体 験 概 念 とす る な らぽ,人 間 の 存 在 様 式 そ の もの で も あ り,人 間 が 生 き る と い う こ と に 他 な ら な い 。 身 体 的 に 生 きて い る こ と,他 者 との 関 係 の 中 で 共 に 生 きて い る こ と,世 界 の 中 に 生 か され て 生 き て い る こ と,こ の 三 者 が 一 つ に な っ て 生 き る とい う こ とで もあ る(17)。

病 ん で い る 人,つ ま り患 者 に と っ て 他 者 と は,家 族 や 家 族 同 然 の 友 人 ・知 人 あ る い は 医 師 や 看 護 者 と い っ た 医 療 従 事 者 で あ る 。 こ れ ら の 人 々 の 間 に あ っ て,こ れ ら の 人 々 を 受 け 入 れ,受 け 入 れ られ る こ と,両 者 の 関 係 性 が 安 定 し,そ の 関 係 性 の 中 に 落 ち 着 き 場 所 が あ る こ と,そ の 人 と共 に い て 相 互 に 信 頼 し合 え る 関 係 に あ る こ と に こ そ"癒 し"が 存 在 す る と 考 え ら れ る 。

マ ル チ ン ・ブ ー バ ー(Buber ,M)は 『我 と 汝 ・対 話 』 に お い て,始 め に 関 係 が あ る と す る('8)。

人 間 ぱ く な ん じ 〉 に 接 して 〈 わ れ 〉 と な る の で あ る(19)。患 者 と 医 師 看 護 老 の 関 係 が く わ れ 一 な ん じ 〉 の 関 係 と な り,患 者 が"癒 し"を 体 験 で き る よ う に す る こ と が 重 要 で あ る 。 こ の 時,"癒 す"の は 言 葉 で は な く,言 葉 に よ っ て 現 前 へ と 喚 起 さ れ る 世 界 な の で あ る と ク リ ュ ー ガ ー

参照

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