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Academic year: 2021

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要旨

目的:集中治療領域において多職種連携によるせん妄対策を導入している病院の、活動内 容の実際と、導入過程を明らかにすることである。

研究方法:集中治療領域において、多職種連携によるせん妄対策をシステムとして導入し ている7病院を対象とし、中心的に携わる医療者と集中治療室の看護管理者、計 14名に 半構造化面接を行った。せん妄対策システム内容の実際については、内容分析を行いカテ ゴリー化した。導入過程においては、ロジャーズ(2003 / 2007)の「組織におけるイノベー ション過程の5段階」を用いて分析を行った。

結果:集中治療領域にせん妄対策システムを導入している病院には、院内の医療者と集中 治療領域の医療者が連携し、集中治療領域の患者や医療者へのせん妄対策を行っている病 院、集中治療領域内の医療者が連携し、患者や医療者へのせん妄対策を行っている病院が 存在した。せん妄対策システムとして医療者間で行うことは、【プロトコルの構築】【評価 ツールの導入】【医療者への教育】【患者に関する検討と情報共有】であり、医療者が患者 に対して行うことは【患者や家族への説明】【身体・精神状態の評価】【薬剤的な治療調整】

【非薬剤的な治療調整】、医療者がシステム向上の為に行うことは【調査と発表】であった。

せん妄対策システムの導入から現段階に至るまでの過程では、経験豊かな専門的な教育を 受けた医療者が組織内の課題を知覚した議題設定段階から開始され、適合段階へと進んで いた。導入後も時間を経て、システム内容や連携する職種の再編がなされ、再定義・再構 築段階があった。そして徐々に組織の医療者に認識され、利用されるようになった明確化 段階においても、普及を阻害する可能性のある出来事が存在し、システムが組織に根付く 日常化段階へは至っていないことが明らかになった。

結論:せん妄対策システムとして医療者が行っていた内容は、既存文献から検討すると妥 当な内容であると考えられ、これらを集中治療領域の患者へ還元する為には、集中治療領 域内のみならず横断的に活動を行い、入院時からの介入が行える多職種連携システムと、

集中治療領域内での多職種連携システムの二本柱が必要である可能性が示唆された。せん 妄対策システムを組織へ導入する為には、組織内の課題を知覚し多職種へ連携を求めるこ とのできる医療者の存在が必要であり、複雑なシステムの理解を各職種へ促し、システム を組織に根付かせる為には、近年のせん妄管理に関する文献を活用しつつ継続した教育活 動を行っていくことが必要であると示唆された。

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