Vo
. 12 2
(19 8 5 )
近畿大学原子力研究所年報│技術資料│
近畿大学炉における原子炉運転特性の 計算機によるデータ集録と解析 ( l l )
一 木 良 太 , 伊 藤 哲 夫 ,
杉 田 彰 朗 * , 宮 島 信 昭 *
Computer‑Controlled Data A c q u i i s t i o n and Analysis System f o r Reactor Operating C h a r a c t e r i s t i c s i n UTR‑KINKI (n)
R y o t a MIKI , T e t s u o ITOH , Akio SUGITA*
and Nobuaki MIY AJIMA * ( R e c e i v e d October 1 2
,1 9 8 5 )
1 . は じ め に
近畿大学炉
( U T R ‑ K I N K I )
は熱出力1.0Wのい わゆるゼロ出力原子炉で,各種の炉物理実験や学生の 運転実験などにしばしば使用され,乙のため頻繁に起 動,停止,出力変更が行なわれ,炉心内部に検出器,実験体系,大型試料等を挿入して運転することが多い など他の大学研究炉の運転パターンとは大きく異なっ ている。昭和
5 6 ‑ ‑ 5 9
年度文部省科学研究費補助金,特 定研究(1)r
原子炉の安全性向上に関する研究」の一部 として,研究用原子炉の安全性向上のための計算機利 用の研究を進めるに当って,近畿大学炉では乙の特異 性に着目して炉運転特性に関するデータ集録と解析に 重点をおくとととした。昭和5 6
年度から開始した本研 究においては,( 1 )
原l子炉運転特性と運転者の操作状況 の記録と表示, (2)炉特性の監視と確認, (3)異常検出と 異常診断, (4)運転者に対する指示と警告, (5)誤操作発 生時あるいは異常発生時のデータ集録と解析, (6清己録 情報のデータ・ベース化などを通じ,計算機の利用に よる研究炉の安全性向上を目的として実施し,その成 果の一部については既に発表したが1)今回は原子炉 運転特性記録のグラフ化処理プログラムを改良し,一 日の炉運転特性に関する合計8
チャンネルのアナログ 情報とスクラム信号発生による割り込みロジック入力*理工学部原子炉工学科
を, A 4用紙にまとめてグラフとして出力できるよう にした。また正ペリオド法による反応度測定におい て,線形出力計の集録データを計算機による解析する 実用的プログラムを作成したので,技術資料として報 告する。
2 . データ集録/解析システムの 概要
近畿大学炉におけるデータ集録/解析システムの概 要および集録の対象とする情報信号(核計装系統,炉 制御系統などのアナログ信号,スクラム系,警報系,
インターロック系などのステータス・ロジック信号お よび割り込みロジック信号)は,昨年度の年報に発表 したとおりで1にその構成プロック図をFig.1 I乙,ま た集録対象の情報信号のリストを
T a b l e1 I
こ示す。3 . 原子炉運転特性の記録と グラフイヒ
研究炉の運転に際しては,運転に関する主要な事項 を運転記録表に記入することが保安規定に定められて おり,また定常運転時には,一定時間(近畿大学炉で は 1時間を越えない時間〉ごとに記録表に所定の事項 を記入する乙とになっている。しかしながらこの運転 記録表のみでは,運転者の細かい操作状況や運転特性
‑ 5 3
三木他:近畿大学炉における原子炉運転特性の計算機によるデータ集録と解析(11)
List of input signals from
UTR‑KINKI
for data acquisition system.1. 原子炉核計装系統 起 動 中 間 出 Table 1
1i1i守iTA‑‑
つ 臼
アナログ出力
*アナログ出力
*アナログ出力
*アナログ出力 ロジック出力
*アナログ出力 レート・メータ
Log N 計 ペ リ オ ド 計 ピコアンメータ レンジ切替S W
% 出 力 計 系
系 系 系 力 力 統 整
系御
&
炉 巾
線 安 子 原 調
出 形
制 御 棒 電 ク ラ ッ チ 電 ステータス表示関係
ス ク ラ ム 関 係 警 報 関 係 イ ン タ ー ロ ッ ク 関 係 その他の計器
炉 心 温
つ 臼 つ
μ×× 1An41lnLn/
副 司i1i?iququ
位 置 指 示 計 *アナログ出力 操 作
s w
ロジック出力 位 置 指 示 計 *アナログ出力 操 作s w
ロジック出力位 置 指 示 灯 ロジック出力 操 作
s w
ロジック出力% 偏 差 計 *アナログ出力 手動・自動切替
sw
ロジック出力 電 流 計 アナログ出力 ロジック出力 棒棒 (2)
系 全 棒
ボ
全
安
全 シ ム
安
サ 2.
磁 流
nδFhU44
力 力 力 出 出 出
力ノ力/力ノ
ツ ツ リ ノ
Jν Jゾ ージ ロ ロ ロ
*
*
* 3.
t i‑ ‑
つ 臼
11
守IT‑‑AAせ
1A Qd
力 力 力 出 出 出 ク ク グ ロ ツ ロ ナ ジ ナ ア ロ ア
力 力 力 力 力 力 力 出 出 出 出 出 出 出 グ グ グ グ グ グ ク ロ ロ ロ ロ ロ ロ ツ ナ ナ ナ ナ ナ ナ ジ ア ア ア ア ア ア ロ 計
水 質 放射線モニタ一関係
ガ ス ・ モ ニ タ ー ダスト・モニター (α) ダスト・モニター(β・γ) 水 モ ニ タ ー
γ線 エ リ ア ・ モ ニ タ 一 野 外 モ ニ タ ー
警 報
計‑ 度 4.
5 .
.JL In七SRQ errup色
Da色aACQuisi七10nCon七rolSystem
E, 、 .
Data Acquisi主ion
Control Un1色
*は既設分を示す。
HP9895A HP85
Block diagram of data acquisition system.
‑ 54
一
HP3497A Fig.l
Vo1. 22 (1985)
の時間的な変化の様子などを詳細に知る乙とは困難で あるO 計算機を用いたデータ集録・解析システムの採 用lとより,集録したデータの処理を行なってグラフ化 すれば,炉運転特性全般と操作状況を一目で把握する ととができ,日常の炉運転管理に極めて有用である。
Fig. 2‑7 Iと,合計8chのアナログ情報とスクラム 信号発生による割り込みロジック入力を,一日の運転 終了後,
A 4
用紙にグラフとして出力したものの代表 的例を示す。 1段目は安全系特1と胞の出力計(労),2段目左はサーボ偏差計(労),右は線形出力計(10‑11 A ‑1O‑8A), 3段目左は調整棒位置指示計(%),右は シム安全棒位置指示計(%),
4
段目左はペリオド計 (sec) ,右はログN計(A)のそれぞれの出力で,横軸 はデータ取り込み回数である。下欄に運転年月日,デ ータ集録開始および終了時刻,記録一連番号,デ}タ 集録時間間隔を表1示しである。Fig. 2は,最も一般的な単純照射のため 1W,2時 間連続自動運転を行なった場合の運転特性グラフであ る。全運転経過を表示するために横軸が縮小されてい るが,中性子源、挿入時の短ペリオドによるスクラム信 号の発生 (x印),安全棒枠1と 胞 の 順 次 引 き 抜 き 後l乙調整棒とシム安全棒を同時に引き抜き開始した とと,起動後約12分を経過した時点で中性子源を引き 抜いたため生じたペリオド計の負側への偏れ,lOm W の低出力自動運転と点検を経て,定格出力 1Wの自 動運転に入った状況がはっきりと示されており,従来 の運転記録表に比べると遥かに的確に原子炉運転特性 全体を把握するととができる。また運転停止時の×印 は,手動スクラムによって炉を停止させたととを示 し,調整棒をスクラム発生後,手動で降下させたこと もグラフ上で読み取ることができる。なおサーボ偏差 計も土 1%以内の変動で,正常にサーボ機構が動作し ているととが判る。
Fig. 3は,検出器の較正のために,炉出力をlOm W, 100mW, O.5W, 1Wと階段的に変更して運転した場 合のグラフで,低出力時の調整棒の上下動とサーボ偏 差計の変動が特徴的である。なおパス・コントローノレ .プログラムによって炉運転特性の連続長時間データ 集録が可能で,データ取り込みサイクjレが 2.3secの 場合,フロッピー・ディスクを交換するととなく約20 時間連続集録ができる。炉運転特性のデータ集録にお いて,どの程度まで短い取り込みサイクノレを必要とす るかについては,現在蓄積中のデータの解析から最終 的に判断する予定である。異常発生時等の場合,短い 取り込みサイクルを特定の lチャンネノレに限定すれ
近畿大学原子力研究所年報 ば,現在使用中の機器で最短 0.17secサイクルの集 録が可能である。なおコンピュータのメモリーからフ ロッピー・ディスクへのデータ転送に際して,集録デ ータをそのまま転送せずに,各チャンネJレ別に配列し 直して転送するように処理しており,転送時間は若干 長くなるが,オン・ラインのデータ解析時間を短縮で きるよう配慮してある。
Fig.4は,正ペリオド法によってジム安全棒および 調整棒の引き抜きによる反応度測定を行なった際のグ ラフで,ログN計lとほぼ直線的な上昇が認められる。
正ペリオド法による反応度は,後述する解析プログラ ムを用いて精度良く算出できる。
Fig.5は,10mW自動運転時IC:,炉心に挿入されて いたγ線検出器を引き抜いた場合のグラフで,線形出 力計とペリオド計の出力にはわずかな上下変動しか認 められないが,サーボ偏差計が瞬間的に大きくプラス 側に振れており,また投入された正の反応度を補償す るため調整棒が急激に下降する様子が良く判る。
Fig.6は, 1W自動運転中に偶然に外部から落雷に よる電源ノイズが入り,異常な信号が捉えられた貴重 なケースのグラフである。乙の場合も線形出力計には ごく小さな変化が記録されているに過ぎないが,サー ボ偏差計と調整棒位置指示計の記録に明瞭な変動が示 されている。乙の程の外部ノイズの集録データは乙れ までのととろわずか1例のみであるが,多くの炉運転 データの処理・解析の経験を通じて,自動運転時の炉 特性の変化はサーボ偏差計の出力に最も顕著に現れる ので自動運転時.の異常検出"に有望であると考え
られる。
Fig.7は,炉がわずかに未臨界の時の運転特性のグ ラフで,中性子源を挿入したまま調整棒とジム安全棒 を完全に引き抜いても,出力の上昇は極めてゆるやか で,中性子源、を引き抜くとペリオド計はわずかにマイ ナス側に振れ,線形出力計とログN計が次第に下降し ていく様子が記録されており,炉が未臨界である乙と を示している。
4 . ステータス・ロジック信号の 集 録
ステータス・ロジック信号は発生時に割り込みを行 って,発生系統と発生時刻が記録される。スクラム信 号や警報信号など異常状況の発生と特に関係、の深い重 要なステータス・ロジック信号発生時には,通常のデ ータ集録とは別個の集録プログラムに切り替えて集録
三木他:近畿大学炉における原子炉運転特性の計算機によるデータ集録と解析は)
。 μ
5
1
∞ o
2Q(珂 tS ^ F E T Y
11 Jヨ ∞ 。
o
‑5
。
1
∞
回
関
40 20
o
1000 2ODO E鹿Vノ'GRJ
3000
。
30C旧s
lD
調
国
m
一 叩 咽 咽
1
∞ o
2凹O t REG.R∞ノ関3B 1000 2IIJO
t PERJOO J
1 9 8
5.乙1 S T ^ R T TIME 1 S . S 7 . 58 E
畑T I M E 1 6 . O . S8
m m
困 問 相 旬
︒
I
10
e e
4
。
21
∞
回
回
. w
。
自。
a
1000 2000 t SAFETY 12 J
1000 2000 tLINlGRl
M
a o o o
3000
3D[悶 lD
・ "
‑ e
‑ a
‑10
‑11
‑
・12
D 1000 20
∞
t
剖I比R田ノGRJ. . .
,
g lDDD 2IIJO
t LDG‑H 1
S E R I ^ L N o . l S 6 6
・l S 7 2 I N T E R V ^ L TIME
乙5
銅 色F i g . 2 Graph o u t p u t o f o p e r a t i n g c h a r a c t e r i s t i c s o f UTR‑KINK
I.( A ) (Normal
,lW‑2hr c o n t i n u o u s a u t o m a t i c
,o p e r a t i o n p a t t e r n )
‑ 56‑
V
01. 22 (19 8 5 )
近畿大学原子力研究所年報120 1
∞
回 関
40
。
卸s
。
‑ s
1
∞
BO 60 40 20
。
。
500 1500̲ .
。
500 10∞
1500[ DEVノGRl
1却
1凹 回 関
40
釦
。。
500 1000 [ SAFETY 12 J 10a
8 4
2
。。
500 1000[ LIN/GR
J
1∞
回
回
40 20
。
̲ .
s
10
却 国 E聞
幅1凹 園田 ー却
。
500 10DO 1500 [ REC.R即ノGRl10
・ "
画 .
‑ a
‑10
‑11
‑12
a
SDD[ PERIDD l
1984. 9. 12
S T ^ R T T I M E
10. 0.55E N D T I M E
11.28.6
。 s ∞
1000 [ SHI比R即ノ回3[ L O G
‑Nl
S E R I ^ L N o .
1115・1117I N T E R V ^ L T I M E
乙5s a
c.F i g . 3 Graph output o f o p e r a t i n g c h a r a c t e r i s t i c s o f UTR‑KINK
I.( B )
( S t e p power i n c r e a s e f o r d e t e c t o r c a l i b r a t i o n )
‑ 57‑
15
∞
1500
1印。
三木他:近畿大学炉における原子炉運転特性の計算機によるデータ集録と解析 (II)
120 1
∞
回 回
40
m 。
s
。
‑ s
即
60 40 20
。
s
10
30 50
・110000
ー田
,却
1釦
1
∞
回 関
40
。
卸。 s o o 1000 。
l図
釦ω 。
SOO 1000 1500 2(担。
[ S ~FE
r . .
3 [ SAFETY 12 1 10屯
s e
4 2
a
500 10∞
1500 2DOD
0 0s o o
田JO 1500 2DOO [ DEV/GR 1[ L I N I
回3
円
1∞回
関
40
。
旬a s u o
1000 1罰悶 2DOO。
SOO 10即 日 ∞ 2000ー [ REC.即日IGR1 [ SHIM. R∞ノ回3
10・n
画
e
‑9
‑10
‑11
o
500 ∞o
1S∞ 2 D O O [ Uお‑Nl19B4.乙 2
ST^RT TIHE
14. 3. 9E
問TIHE
15. 19. 58SERI^L
Na. 1409・1413I N T E R V
~TIME
乙3銅 色F i g .
,4Graph output o f o p e r a t i n g c h a r a c t e r i s t i c s o f UTR‑KINK
I.( C )
( P o s i t i v e p e r i o d method f o r s h i m ‑ s a f e t y and r e g u l a t i n g r o d )
‑ 58ー
Vo
l.2 2
(19 8 5 )
m m
町 田 初 旬
︒
。
目。t SAFETY 11 1
s
B
‑ 5 。 500
E
医VノGRl
1∞
関 関
4 0
卸
a 。 s ∞
E臨G.同町田3
s
10
調 国 間 咽 骨 骨
g 5DO
[ p回I
∞
31994. 11.24 ST^RT TI舵 10t41. 44
E
悶 TI舵 lla24.30近畿大学原子力研究所年報
1 2 0
100回 回
4 0
旬
。
1000 0 500 E凱FETY飽 3
1国淘
10 8
s
4 2 o
1000 0 5DO
t L I N I
回2
1町田
1凹 回
関
4 0
却
o
1000 0
s o o t S H l
比R O O
ノGRl
1000
4
‑1
‑ID
‑12
JIUJ D 5DD tLOG‑Nl
J D D O
SERI^L No. 1347・1349 INTERV札 TIME 乙5銅 色
F i g . 5 Graph output o f o p e r a t i n g c h a r a c t e r i s t i c s o f UTR‑KINK
I.( D )
(Withdraw o f d e t e c t o r from c o r e during automatic o p e r a t i o n )
三木他:近畿大学炉における原子炉運転特性の計算機によるデータ集録と解析 (ll)
12
ロ
120100 1
∞
関 回
関 回
40 40
却 包
。 。
D
s o o
1目隠a 。 図 1000
5
1
t SAFETY '1 1 t SAFETY 12 1 10g
。州榊 J 榊柑 W 蜘 柳 榊 榊 刷 s
4 2
' ' ' '
Ba s o o
1000。 s o o 1民間
E既刊ノ回3 t LINlGR 1
1
∞
1∞
回 回
関 回
..0 40
却 包
B
。 s o o 10叩 。 。
500 1000
E隠&町田ノGRl t SHI比 問 問IGR1
s
10・n10 ‑8
‑9 30
回 ‑10
・110
∞
0f CD‑ 1 1
‑50
ー却
l
‑12。 S D O 1000 g 。 目
1000
t PERIDO 1 t LOG‑N 1
1994. 7.26 START TIME 13.11.27 SERIAL No. 7お8・7339 E悶 TIME 13: 54. 7 INTERVAL TIME 乙5ac:ac. Fig. 6 Graph output of operating characteristics of UTR‑KINKI. (E)
(Effect of external noise during automatic operation)
‑ 6 0
ーVol. 22 (1985)
nMHu
u m
悶 悶 相 却
︒
a
500 1000 t S^FETY "1 Js
。
‑ s 。 500 t DEVノGRJ
1000
100 ‑'"
BO 60 40
釦
。 。 500 1000 t REG. RDOIGR 1 5
10
30 50 100
・100
H図
ー却
a
500 t PERIDD J1000
1984. 10. 13
S T ^ R T T I M E
10. '.13E N D T I M E
11. 2,
28近畿大学原子力研究所年報
m m
関 関 初 旬
︒
。
500 10叩[WETY "21 10
8 B 4
。。 z 500 tLIN/GRJ
1庇淘
100
即
60 4D
。。
20 500 1000 E副 批ROO/GR1 10・
n‑ a
‑9
‑10
‑11
‑12
由。
t LDG‑N J
1000
S E R I ^ L N D .
1271・1273 lNT E R V ^ L T I M E
2.5 a .
c.,F i g . 7 Graph output o f o p e r a t i n g c h a r a c t e r i s t i c s o f UTR‑KINK
I.( F )
( S u b ‑ c r i t i c a l c o n d i t i o n )
三木他:近畿大学炉における原子炉運転特性の計算機によるデータ集録と解析(1I) を行う。
F i g . 2 ‑ 7
に示した炉運転特性グラフ上では,中性子源挿入による短ペリオドおよび手動停止の際の スクラム発生点を単に×印lとより示した。とれらのス クラム発生は異常状態によるものでないため,内容の 表示を省略してあり,異常信号によるスクラムが発生 した場合ば,発生系統番号と発生時刻を表示する。現 荘のシステムでは
2
つのステータス信号が1 2 0 m s e c
以内の時間間隔で入った場介,ソフトおよび、ハード上 の制約のため弁別できないが,
1 3 0 m s e c
以上では確実 に弁別集録が可能である。通常は余り問題にならない が,異常発生時に重要な情報が欠けるおそれもあるの で,この場合は2つ以上のステータス信号系の番号を1 6
進法で表わした数の和が記録されるようにプログラ ムを変更した。また一旦割り込みが起乙るとその集録 と処理に約5 5 0 m s e c
を要し,集録フ。ログラムを変更 しない場合,再び集録サイクノレの最初からスキャンし はじめるので,サイクル中のどの時点で割り込みが生 じたかによって,約O . 6 s e c
から2 . 9 s e c
のブランク ができる。1 0 SER 1 A L N o . 1 2 5 7
8 6 4
2
。
1 2 0 1 6 0 2 0 0 [ L I N / G R J
INTERVAL TIME 2.5 sec 2 4 0
骨骨骨骨
T1 HU
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M門
' E︐
.
1﹂
AハHU MN AハMnuT
449105
骨
E437756
骨M
円
・
. . . . .
骨
1910111 A T T 2 3 3 3 3 3
n u
‑
‑
‑
‑
‑
且 宵 唱
iつLqdA守
Rd
食U
Doubling time[secJ 3 1 . 072
+ー.353 Reoctor period[secJ
44.827
+ー.509 Reoctivity[ . i d k / k J .12209
+ー.00091
5 . 正ペリオド法による反応度測 定への計算機利用
正ペリオド法による反応度測定は,原子炉の定期検 査や定期自主検査などに際して行なわれる以外にも,
近畿大学炉の利用形態においては高い頻度で実施され る。通常の正ペリオド法では,線形出力計の指針の上 昇速度をストップ・ウォッチによる倍加時間として測 定し,ペリオドに換算して反応度を算出しており,定 期検査における立会検査でも,との方法による乙とが 検査要領書に定められている。
一方,原子炉運転特性の自動集録データを解析する 乙とによって,目視による正ペリオド法より精度の高 い反応度測定が可能であると考えられるので,双方の 測定を併行して実施し,それぞれの方法によって求め た反応度の差を定量的に検討した。近畿大学炉の場 介,約1.
2‑
1.5mW
の低出力で手動臨界をとってか ら,目的の御制棒を引き抜いて正の反応度をステップ 状に印加し,線形出力計の1O‑10Aから1O‑8Aのレ ンジにわたって3→6,4→8 (1O‑8Aのレンジは2骨 骨 * *
COMPUTER ANALYSIS
骨 骨 骨 骨骨 骨 骨
E‑10 RANGE
骨 骨 骨chonnel 1 4 8 ‑ 1 7 3
Doubling time 30.639 [ s e c J Reoctor period 44.203 [ s e c J Reoct i v i t y . 1 2 3 2 2 [ i . d k / k J
骨 骨 骨
E‑09 RANGE
骨 骨 骨chonnel 1 8 6 ‑212
Doubling time 31.207 [ s e c J Reoctor period 45.022 [ s e c J Reoctivity .12175 [ i . d k / k J
骨 骨 骨
E‑08 RANGE
骨 骨 骨chonnel 229 ‑248
D o u b l i n g time 3 1 . 1 7 0 [ s e c J Reoctor oeriod 44.969 [ s e c J Reoctivity .12184 [ i . d k / k J
勢 持 勢
RESULT
骨 骨 骨Doubling time 31.005 [ s e c J Reoctor oeriod 44.731 [ s e c J Reoctivity .12227 [ i . d k / k J F i g .
8G r a p h o u t p u t o f p o s i t i v e p e r i o d m e t h o d d a t a f o r r e a c t i v i t y m e a s u r e m e n t .
‑6 2
ーV
01.2 2
(19 8 5 )
→
4 )
に上昇する倍加時間をストップ・ウォッチで測 定し,その平均値からペリオドを求めて反応度を計算 している。正ペリオド法による測定時の人力による測 定結果の一例を Fig.8の左下部に示す。同図の左上 部には,同時に自動集録システムに記録された線形出 力計の出力をグラフとして示しており,このデータを 解析して各レンジにおいて指数関数に最も良くフィットする範囲(グラフ上に×印で示す〉から求めたペリ オド及び倍加時間と算出した反応度を図の右側に示し ている。乙の場合,両者の差は
O . 0 0 0 2 % o k j k
以内で,ストッフウォッチによる測定の誤差より十分小さ く,実用的に全く問題がない。とれまで約
4 0
同にわた って双方の同時測定及び、解析を行った結果,両者の差 はすべて土0 . 0 0 0 2 % o k j k
以内に収まっている。なお 計算!機によるデータ解析において,線形出力計のゼ口 調整の不完全さが,解析結果lと若干の影響を及ぼすと とが明らかになり,起動前点検時に目視によるゼ口調 整に加えて,ディジ、ポjレでゼロを作わせる必要が認められた。
6 . ま と め
計算機!とよって制御される原子炉運転特性データ集 録システムの導入により,近畿大学炉の運転特性の詳 細な把揮が可能となり,炉の日常の運転管理上非常に 役立つととが今岡発表したグラフ化プログラムによっ てはっきりと示された。また既に発表した臨界点の判 定1)のほか,正ペリオド法による反応度測定において も,集録データの解析によって実用的な誤差範囲で十 分に利用しうることが確認された。更に自動運転時の
近畿学原子力研究所年報 外部ノイズによる異常信号がサーボ偏差計の出力に顕 著に現れ,自動運転時の異常診断に有望であることが 判った。本研究の当初の目標はこれまでの成果によっ て一応達成されているが,今後は入力回路数の増加と 併行して,更にシステム・コントローJレ・プログラム の改良を計ると共に,日常運転時のデータ蓄積を継続 して行ない,研究炉の安全性向上に役立てたい。また 異常信号の検出についても,実際の異常時の集録デー タを蓄積してその解析を行なう一方,人為的に異常信 号を発生させた場企の集録データの解析について研究 を進めており,それらの結果については次回に発表の 予定である。
参 考 文 献
1)三木良太他
4
名:UTR‑KINKI
における原子炉 運転特性のデータ集録と解析(1),近畿大学原子力 研究所年報,Vo
l.2 1 .
p.p.2 9 ‑ ‑ 3 6
(19 8 4 ) 2 )
三木良太他4 : 7
1:近畿大炉における原子炉運転特性のオン・ライン/オフ・ライン・データ集録と 解析,
I
原子炉の安全性向上のための計算機利用」短期研究会報告書
KURRI‑TR‑234.
p.p.1 1 4 ‑ ‑ 1 2 0 ( 1 9 8 3 )
3)三木良太,伊藤哲夫:近畿大炉における原子炉運 転特性データ集録と解析(I),日本原子力学会昭和