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学 位 論 文 要 旨

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Academic year: 2021

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(別紙様式第3号)

学 位 論 文 要 旨

氏名: Kaewta Sootsuwan

題目: Zymomonas mobilisの呼吸鎖と耐熱性株の特性に関する研究

(Study on the respiratory chain of ethanologenic Zymomonas mobilis and characteristics of its thermotolerant strains)

Zymomonas mobilis

Saccharomyces cerevisiaeに代わることのできるエタ ノール生産菌である。本菌は、そのほとんどの ATP(グルコース1モル当たり 約1モルのATP)をEntner-Doudoroff (ED)-glyceraldehyde-3-phosphate-to-puruvate (GP) 経路で獲得し、その低いATP生産性を補うためにそれらの代謝経路のグ ルコースフラックスを高いレベルに保っている。そのために関連した酵素を大 量に発現し、その量は可溶性タンパクの30− 50%にも達する。一方、本菌 が不完全なTCA回路をもつことを考慮すると、グルコース当たりのNADHおよ びATPの生産量は低いと推測され、呼吸鎖によってNADHが酸化されることは エタノール生産にとって不都合である。このことから、呼吸鎖はNADHをエタ ノール生産経路と奪い合っている可能性がある。

1章では

Z. mobilis

の呼吸鎖を解析した。好気培養および嫌気培養した菌か ら膜画分を調製し、NADH, D-乳酸, D-グルコースを基質とする脱水素酵素活性 とオキシダーゼ活性およびユビキノールを基質とするオキシダーゼ活性を測定 し、比較した。予想に反して、NADH オキシダーゼ活性が完全な TCA 回路を もつ大腸菌や

Pseudomonas putida

のものより強いことが示され、NADHオキ シダーゼ活性が重要な役割を果たしていることが示唆された。また、

Z. mobilis

膜画分において、シアン耐性末端オキシダーゼ活性が検出された。これはゲノ ム解析の結果から末端オキシダーゼとして唯一存在する

bd

-型ユビキノールオ キシダーゼによるものと推測された。末端オキダーゼは比較的強いユビキノー

(2)

ルオキシダーゼ活性を示したが、非常に弱いチトクロム d の吸収スペクトルを 示した。これらの実験事実およびI型ではなくII型のNADH脱水素酵素のみを もつことから、

Z. mobilis

は膜エネルギー生産性の低い単純な呼吸鎖を獲得した と考えられる。

第2章では、耐熱性Z. mobilisを見出すために、タイの4つの分離株を用いて異 なる温度における生育やエタノール生産性をエタノール高生産株ZM4 (NRRL B-14023)と比較した。TISTR405、 TISTR548、 TISTR550は39度で良好に生育 したが、TISTR405のみが30度と同じレベルのエタノール生産性を示し、39 度でのエタノール生産性はZM4の30度のレベルよりも高いことが示された。こ れらのことからTISTR405は高温エタノール発酵に適していることが判明した。

エタノール合成および分解に関わる遺伝子(アルコール脱水素酵素AdhAとAdhB

の遺伝子adhA adhBおよびピルビン酸脱炭酸酵素の遺伝子 pdc)を解析したと

ころ、これらの遺伝子はTISTR405とZM4間で極めて高く保存されていることが 分かった。異なる温度や増殖ステージにおける両株のそれら遺伝子の発現や遺伝 子産物の酵素活性を比較したところ、転写レベルには大きな差は見られなかった

が、TISTR405のAdhAとAdhBとの活性の総和がZM4のものより顕著に高いことが

示された。さらに、両株ともにAdhB活性が増殖定常期に高くなることが分かっ た。

参照

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