北海道草地研究会報 25:55 -57 (1991)
稲わらの飼料価値向上に関ナる研究
ジ ェ ジ ー ア コ ノ レ ダ ・ 岡 本 明 治 ・ 吉 田 則 人 ( 帯 広 畜 産 大 学 )A Study on the Nutri tive .Value of Processed" Rice Straw J. Acorda, M. Okamoto, N. Yoshida
(Obihiro Univ. of Agric. & Vet. Med., Obihiro, Hokkaido. 080
J
APAN)緒 面 稲はアジアで最もよく栽培されている作物で,それに伴い副産物としての稲わらも多量に産出されてい る口しかし,現在では日本とインドを除いて,稲わらは飼料としてあまり利用されていない。なぜなら, 稲わらは栄養的に可消化エネルギーが低く,粗蛋白質も低いためである。しかし,もし稲わらを処理調製 して,その飼料価値を高めることが出来れば,反第家畜に対して,貴重な代替飼料になると思われる白 材料と方法 この研究は二つの実験から成り立っており,これらは添加物,調製時間と分析の方法に差があるロ稲わ らを細切し, これに添加物として,実験
1
では,水酸化ナトリウム2
婦(S
0 ),大豆粕5
婦と尿素5
婿( Su ),産卵鶏の糞30需(Ma)及び糖密10婦,実験2では尿素5婦(Ur),ブロイラーの糞20需(Bm )及び糖密10,20, 30% (Mo 10, Mo 20, Mo 30)の処理をした口それぞれの添加物は水に溶かし て稲わらに混ぜ,実験lの場合には,その混合物をポリエチレンバッグに入れて, 1989年 12月より45 日並びに90日間貯蔵した。 実験2の場合には,その混合物をラボラトリサイロに入れて, 1 990年6
月より 15日間, 3.0日間及び 45日間貯蔵した。各種添加物で処理調製した稲わらサイレージの外観性状,一般成分,発酵品質及び消化 性(DOMD需lJM84t包o
M D 3))を測定した白 結果と考察 且~_, , ....1_.2) 実験lにおいては添加物として使用した産卵鶏の糞の灰分含旦か高い」と がサイレージの品質に影 響した白調製サイレージの表面にはカピの発生が見られたが,大豆と尿素及びこれに糖密を添加したサイ レージには認められなかった白 pHについては,鶏糞を添加していない稲わらサイレージは処理後45日目 まで低下したが,添加サイレージの pHはほとんど変化がなかった。アンモニア態窒素については,鶏糞 を添加したサイレージにおいて処理後90日目まで増加したが,添加していないものはほとんど変化がなか った。なお,乳酸は鶏糞添加サイレージには認められなかったo これは鶏糞添加サイレージ中の易発酵性 炭水化物が低いこと〉ゃ,易炭水化物含量に比べて粗蛋白質の割合が品いこと-&"....1_6),さらに,高い灰分含量 による緩衝作用のため5)と考えられる白サイレージの発酵品質をフリーグ評点で評価すると,糖密,水酸-55-J.Hokkaido Grassl.Sci. 25:55ー57(1991) 化 ナ ト リ ウ ム と 糖 密 及 び 尿 素 と 糖 密 を 添 加 し た 稲 わ ら サ イ レ ー ジ は 他 の 混 合 物 を フリーグ秤点 フりーゲ得点 圏00 100 園 地 添 加 し た サ イ レ ー ジ に 比 べ て 良 好 な 発 酵 品 質 で あ っ た ( 図1)。種々の混合物を 添 加 し た サ イ レ ー ジ の 消 化 性 は 無 添 加 の 対照サイレージに比べて高かった(図
2
)。 実 験2
に供試したブロイラーの糞の灰 分 含 量 は 実 験1で供試した産卵鶏の糞よ り低い値であった口全ての稲わらサイレ ージにカピは認められなかった。乳酸含 量 とpH
値 か ら 全 て の 稲 わ ら サ イ レ ー ジ に発酵が認められ,-
.
p
H
値 は 処 理 後1
5
日 目まで低不したが,その後4
5
日目におい て も ほ と ん ど 変 化 が な か っ た 。 乳 酸 に つ い て は , 尿 素 と 糖 密 を 添 加 し た 稲 わ ら サ イ レ ー ジ が 最 も 高 く , ア ン モ ニ ア 態 窒 素 については,尿素及び尿素と糖密を添加 したサイレージは処理後1
5
日固まで増加 したが,他の稲わらサイレージにはほと ん ど 変 化 が 認 め ら れ な か っ た 。 フ リ ー グ 評 点 に よ る 発 酵 品 質 に つ い て は , 無 添 加 サイレージの対照区を除いて,添加サイ レ ー ジ 全 て が 良 好 な 発 酵 品 質 を 示 し た ( 図3
)。消化性についてはブロイラーの 糞 と 糖 密 , お よ び 尿 素 と 糖 密 を 添 加 し た サ イ レ ー ジ が 最 も 高 い 値 を 示 し た ( 図4 )。また,大腸菌群については,ブロイ ラーの糞,およびブロイラーの糞と糖密 を添加した稲わらサイレージにはほとん ど認められず無添加サイレージに多く認 め ら れ た 。 こ れ は , ブ ロ イ ラ ー の 糞 を 添 加したサイレージのpH
値が無添加サイ レージのpH
値 よ り 低 か っ た た め で な い かと考えられる6)。さらに,実験2
のサ イレージを羊に給与したが無添加とブロ イラーの糞添加サイレージ以外の全ての 図CoM 日自 園 地M 園80 日o 図80Ma 国80M 70 国SoMaM 協8" 60 困8uMa 国81111 ~ S1IMaM 50 40 301
1
騒諸島轍
45 。目 45 90 間 円 間 図1. 稲 わ ら サ イ レ ー ジ の フ リ ー グ 評 点 ( 実 験1) 70。日MD% ーー-Uu 70。日MD% 一一Ma 2U 10 70 60 50 40 30 20 10 ー ー ーGoM ーー-MRM 0-・80 60 _~OM 50吾妻ヲ
竺望号
.0・-$11 o-'S"Ma ゐ-SuM 40 .-SoMaM .-'SuMa 30 o--.SuMaM 20 10 45 90 45 90 H 間 H 間 図2
.
稲 わ ら サ イ レ ー ジ の 可 消 化 有 機 物 ( 実 験1)
30 日 間 45 亡コc。 医 函MolO 園田Mo20 E国Mo30 ~üY E盟su l:22ZlUyMn 医盟HuMυ 図3
.
稲 わ ら サ イ レ ー ジ の フ リ ー グ 評 点 ( 実 験2)
DMD骨 ー一ー一-Co ー』ー.-"1,.0-_::=ェー -ーーー-MolO 屯工てよ=---~田 J←.=‘・咽--- _ _ I l 。ーーーーーMo20三
一
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BwMo 24 48 時 間 図4. 稲わらサイレージの Z九 九 tu乾物消化率(実験2) -56一
北海道草地研究会報 25:55 -57(1991) サイレージの曙好性は良好であった。 摘 要 以上の結果を要約すると,稲わらに色々な添加物を混合して,サイレージ調製することにより飼料価値 が向上することが分かった。特に,ブロイラーの糞と糖密,および尿素と糖密を添加した稲わらサイレー ジはよく発酵し,稲わらの消化性も増加させることが出来た。このことは濃厚飼料が高く,あるいは入手 困難な国々において,十分利用されていない稲わらと,容易に手に入れることのできる添加物を使って良 質なサイレージを作ることが可能であり,反 家畜に対して立派な代替飼料にすることが出来ると思われ る口 引 用 文 献
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